JP2004353178A - 基礎杭及びこの基礎杭の施工方法 - Google Patents

基礎杭及びこの基礎杭の施工方法 Download PDF

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Abstract

【目的】廃物利用によってコストが安い上に、免震性に優れた基礎杭を提供する。
【解決手段】同径又は異径の多数の廃タイヤ2を柱状に重合連結してなる基礎杭1。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎杭及びこの基礎杭の施工方法に関するもので、特に廃タイヤを利用した基礎杭とその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来より、既成基礎杭としてはコンクリート杭又は鋼管杭が使用されている。コンクリート杭は、鋼管杭に比べて価格的に安いため、広く普及しているが、鋼管杭のように伸びがなく、強い地震の際はクラックが発生し易く、破損し易い。また鋼管杭の場合は、コンクリート杭に比べると、免震性は良いが、コストが高くつく上に、腐食し易いという難点もある。
【0003】
本発明は、上記の課題に鑑み、廃物利用によってコストが安い上に、免震性に優れた基礎杭及びこの基礎杭を施工する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の基礎杭は、同径又は異径の多数の廃タイヤ2を柱状に重合連結してなることを特徴とする。
【0005】
請求項2は、請求項1に記載の基礎杭において、前記多数の廃タイヤ2は、上下に隣合う廃タイヤ2どうしを溶着又は接着することによって柱状に連結されることを特徴とする。
【0006】
請求項3は、請求項1に記載の基礎杭において、前記多数の廃タイヤ2は、これら廃タイヤ2に複数本の連結用軸筋材4を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら廃タイヤ2の上下両端に当て付ける定着金具5を各連結用軸筋材4の両端部で止着することにより、柱状に連結されることを特徴とする。
【0007】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の基礎杭において、各廃タイヤ2の中空部2oに充填材3を詰め込んでなることを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る基礎杭は、各中空部2oに充填材を詰め込んだ同径又は異径の多数の廃タイヤ2を柱状に重合すると共に、これら多数の廃タイヤ2の中央開口部に鋼管9を嵌挿し、この鋼管9の上下両端部に取り付けた留金具10で上下両端の廃タイヤ2を保持してなることを特徴とする。
【0009】
請求項6は、請求項5に記載の基礎杭において、前記鋼管9内には充填材3が詰め込まれるようになっていることを特徴とする。
【0010】
請求項7に係る基礎杭の建込み施工方法は、地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔13に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭1,11,21を建込むようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項8に係る基礎杭の建込み施工方法は、地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔13にセメントミルクを注入し、このセメントミルクの注入された掘削孔13に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭1,11,21を建込むようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項9は、請求項7又は8に記載の基礎杭の施工方法において、掘削孔13内に基礎杭1,11,21を建込むにあたって、その基礎杭1,11,21の中空部に鉄筋カゴ19を挿入するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項10に係る基礎杭の施工方法は、地盤を所定深度まで削孔し、その掘削孔13の下部側13aに鉄筋コンクリート杭20を造成した後、セメントミルクを掘削孔13に注入し、その掘削孔13内の上部側13bに請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭1,11,21を建込むようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1の(a) 〜(c) は本発明の一実施形態による基礎杭1を示し、(a) は直径が同じ多数の廃タイヤ2を柱状に重ね合わせて連結してなる基礎杭1であり、(b)及び(c) は直径が大小異なる多数の廃タイヤ2(2a,2b)を柱状に重ね合わせて連結してなる基礎杭1で、特に(b) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを1個ずつ交互に重合連結したもの、(c) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを2個ずつ交互に重合連結したものである。図2は(a) のイ−イ線拡大断面図である。
【0015】
各廃タイヤ2は、例えば大型トラック用のタイヤであって、各廃タイヤ2の中空部2oには図2に示すように充填材3が詰め込まれている。この充填材3としては、コンクリート、モルタル、セメントミルク、コンクリート殻、発泡モルタル、タイヤチップ、土砂、発泡スチロール等が用いられる。各廃タイヤ2に充填材3を詰め込むには、廃タイヤ2を回転させながら、中空部2oに生コンクリート、モルタル、セメントミルク等を遠心力を利用して流し込み充填し、あるいはコンクリート殻、タイヤチップ、土砂、瓦片、レンガ片、陶器片、タイル片、硝子片、発泡スチロール等を夫々単独で、又はそれらの2種類ないし3種類を混合したもの物(例えばコンクリート殻と発泡スチロール)を中空部2oに詰め込むようにする。また、廃タイヤ2にコンクリートやモルタル等の充填材3を詰め込む他の方法としては、廃タイヤ2を立てるか又は寝かせて固定した状態で、廃タイヤ2の側面又は外周面に開けた孔よりホッパーで流し込むようにしてもよい。尚、廃タイヤ2は、場合によってはその中空部2oに充填材3を詰め込むことなく、空のままの状態でもよい。
【0016】
上記のように夫々中空部2oに充填材3を詰め込んだ多数の廃タイヤ2は、上下に隣合う廃タイヤ2,2どうしを接着剤で接着することによって柱状に重合連結され、あるいは接着剤による接着に代えて、上下に隣合う廃タイヤ2,2の接合面部分どうしを加熱溶融して溶着することによって柱状に重合連結され、それによって図2に示すような基礎杭1が形成される。尚、図2には、充填材3を上部側2つの廃タイヤ2にしか詰め込んでいないように図示しているが、実際は全ての廃タイヤ2の中空部2oに充填材3が詰め込まれる。図2において、1oは基礎杭1全体を上下に貫通する中空部を示す。
【0017】
図1の(a) 及び図2に示す基礎杭1では、同じ直径の廃タイヤ2を柱状に重ね合わせて連結するので、上記のような接着や溶着による重合連結が容易である。また、図1の(b) 及び(c) に基礎杭1は、直径が大小異なる廃タイヤ2(2a,2b)を柱状に重ね合わせて連結するから、串状の基礎杭1となって、杭使用時に地盤との摩擦力が増大し、また地盤に対する食い付きが良く、杭支持力を高めることができる。
【0018】
上記したような基礎杭1によれば、廃タイヤ2のゴムの弾性を利用するから、杭全体に免震効果が発揮され、地震発生時に有効な免震杭として使用することができる。また、この基礎杭1は、これまで産業廃棄物として焼却処分されていた廃タイヤ2を利用して形成されるものであるから、廃タイヤを焼却する場合のように環境を汚染することがなく、産業廃棄物の有効利用を図ることができると共に、現在使用されているコンクリート杭や鋼管杭に比べてはるかに安いコストで提供することができる。また、コンクリート杭や鋼管杭に比べて比重が小さいため、杭支持力を大きくとることができる。また、廃タイヤ2の径の選択によって所望の杭支持力を得ることができ、また土質に応じた設計を行なうことがができる。即ち、大型トラック等の径の大きい廃タイヤ2を使用すれば、大きな杭支持力が得られる。また、異径タイヤの組み合わせによって、摩擦効果を発揮させることができる。
【0019】
また、廃タイヤ2の中空部2oに、コンクリート、モルタル、セメントミルク、コンクリート殻、発泡モルタル、タイヤチップ、土砂、発泡スチロール等の充填材3を詰め込むことにより、基礎杭1の強度及び支持力を増大できると共に、基礎杭1の性能の調整を図ることができ、地盤状況に応じた使用が可能となり、またコンクリート殻、タイヤチップ、タイル、瓦、レンガ等の建築廃材、あるいは陶器や瓶類の廃材の有効利用を図ることができる。
【0020】
図3の(a) 〜(c) は本発明の他の実施形態による基礎杭11を示し、(a) は直径が同じ多数の廃タイヤ2を柱状に重合連結してなる基礎杭11であり、(b) 及び(c) は直径が大小異なる多数の廃タイヤ2(2a,2b)を柱状に重合連結してなる基礎杭1で、(b) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを1個ずつ交互に重合連結したもの、(c) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを2個ずつ交互に重合連結したものである。図3の(d) は(a) に示す基礎杭11の平面図、(e) は底面図であり、また図4は図3の(a) のロ−ロ線拡大断面図である。
【0021】
この基礎杭11においては、多数の廃タイヤ2は、図4から分かるように、これら廃タイヤ2に複数本の連結用軸筋材4を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら廃タイヤ2の上下両端に当て付けたリング状の定着金具5を、各連結用軸筋材4の両端部で止着することによって、柱状に連結されている。そして、各連結用軸筋材4の上端部には、例えば布基礎16(図12参照)と連結するための連結筋6が溶接やボルト等によって取り付けられる。
【0022】
連結用軸筋材4には、PC鋼線、異形鉄筋、丸鋼等が使用される。PC鋼線は直径が例えば9〜12mmの高抗張力の鋼線からなるもので、両端側に雄ねじが形成され、その一端部には係止用の径大頭部(ボルト留)7が形成されている。異形鉄筋は、鉄筋表面に節状の突起を付けた直径19〜35mmの鉄筋である。図4にはPC鋼線を例示している。
【0023】
この基礎杭11を形成するには、多数の廃タイヤ2を柱状に重合すると共に、夫々の一端部に径大頭部7が形成されたPC鋼線からなる連結用軸筋材4を、これらの廃タイヤ2に周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、上下両端の廃タイヤ2にはリング状の定着金具5を当て付け、各連結用軸筋材4の上端部にナット8を螺合して、上端側の定着金具5を締め付けることにより、これらの廃タイヤ2を重合連結し、各連結用軸筋材4の上端部には連結筋6を溶接する。そして、各廃タイヤ2の中空部2oに適当な充填材3を詰め込み、図3の(a) 及び図4に示すような基礎杭11を形成する。
【0024】
この場合、充填材3は、上記のように廃タイヤ2を柱状に重合して連結用軸筋材4で連結した後に各廃タイヤ2に詰め込むようにするか、あるいは廃タイヤ2を柱状に連結する前に各廃タイヤ2の中空部2oに予め充填しておいて、夫々充填材3を充填した廃タイヤ2を連結用軸筋材4によって重合連結するようにしてもよい。また、各廃タイヤ2には、連結用軸筋材4を貫通させる孔を所定位置に予め貫設しておく。尚、図3の(b)及び(c)に示す基礎杭11も上記同様に形成される。
【0025】
上記のような基礎杭11によれば、前述した基礎杭1による作用効果の他に、多数の廃タイヤ2を複数本の連結用軸筋材4によって重合連結するから、廃タイヤ2の連結強度を高めることができると共に、廃タイヤ2の重合連結作業を迅速容易に行なうことができる。
【0026】
図5の(a) 〜(c) は本発明の更に他の実施形態による基礎杭21を示し、(a)は同径の多数の廃タイヤ2を柱状に重合連結してなる基礎杭21、(b) 及び(c)は異径の多数の廃タイヤ2(2a,2b)を柱状に重合連結してなる基礎杭21であって、(b) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを1個ずつ交互に重合連結したもの、(c) は径大の廃タイヤ2aと径小の廃タイヤ2bとを2個ずつ交互に重合連結したものである。図6の(a) は図5の(a) のハ−ハ線拡大断面図であり、(b) は図5の(b) のニ−ニ線拡大断面図である。
【0027】
この基礎杭21は、各中空部2oに充填材3を詰め込んだ同径又は異径の多数の廃タイヤ2を柱状に重合すると共に、これら多数の廃タイヤ2の中央開口部に鋼管9を嵌挿し、この鋼管9の上下両端部に溶接やボルト等によって取付けた留金具10で上下両端の廃タイヤ2を保持するようにしたものである。この基礎杭21を形成するには、廃タイヤ2を鋼管9にその長さ一杯になるまで順次嵌め込んだ後、リング状の留金具10を鋼管9の上下両端部に嵌合して溶接することにより、図5の(a) 〜(c)及び図6の(a) 及び(b) に示すような基礎杭21を形成する。尚、必要に応じて、杭上端部側の留金具10に、図4の基礎杭11に示すような連結筋6を取り付ける。
【0028】
上記のような基礎杭21によれば、前述した基礎杭1による作用効果の他に、この基礎杭21の製作するのに、所要数個の廃タイヤ2を鋼管9に順次嵌め込んだ後、リング状の留金具10を鋼管9の上下両端部に取り付けるようにすればよいから、製作が容易となり、また鋼管9の使用によって構造が頑強で直線状の真っ直ぐな杭を形成できる利点がある。
【0029】
図7は上記基礎杭21の鋼管9内に充填材3が詰め込まれる場合の実施形態を示すもので、図7の(a) 及び(b) は図6の(a) 及び(b) に夫々対応する断面図である。この鋼管9内に充填される充填材3には、前述した基礎杭1,11の場合と同様で、コンクリート、モルタル、セメントミルク、コンクリート殻、発泡モルタル、土砂等が使用される。鋼管9内への充填材3の詰め込みは、通常は、基礎杭21を地盤の掘削孔に建込んだ後に行なう。このように基礎杭21の鋼管9内に充填材3を詰め込むことによって、杭支持力を高めることができると共に、杭の曲げモーメントを調整することができる。
【0030】
図8は、廃タイヤ2を柱状に重合連結して基礎杭11を形成するにあたって、上段側の複数の廃タイヤ2には充填材3としてコンクリート、モルタル、土砂等の重量系充填材3aを各中空部2oに詰め込み、それより下方の廃タイヤ2には各中空部2oに軽量系充填材3bとして発泡スチロールを充填したものである。この場合、廃タイヤ2の中空部2oに発泡スチロール3bを充填するには、スチロール系樹脂を廃タイヤ2の中空部2o内に注入して発泡させるようにしてもよいし、あるいは発泡スチロールの破砕片を中空部2o内に詰め込むようにしてもよい。
【0031】
この基礎杭11において、廃タイヤ2を柱状に多数重合連結するには、この図8に示すように複数本の連結用軸筋材4を軸方向に貫通させて、これら廃タイヤ2の上下両端に当て付ける定着金具5を各連結用軸筋材4の両端部で止着するようにしてもよいし、あるいは上下に隣合う廃タイヤ2どうしを溶着又は接着するようにしてもよい。このような基礎杭11によれば、上段側の廃タイヤ2にコンクリート、土砂等の重量系充填材3aが詰め込まれ、そのより下方の廃タイヤ2には充填材3としては非常に軽い発泡スチロール3bが詰め込まれているから、杭全体が非常に軽量となって、基礎杭としての使用時に、この杭11が自重で沈下し難くなり、特に軟弱地盤に有効である。
【0032】
図9〜図12は上述した基礎杭1,11,21を地盤中に建込む施工方法を示すもので、特に、掘削しつつ排土しながらその掘削孔に杭を建込む場合を示す。先ず図9は、例えば図3の(a) に示すような同径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11の施工方法を示す。この施工にあたっては、▲1▼及び▲2▼に示すように、オーガスクリュー12のオーガ12aで駆動されるスクリュー12bによって地盤を掘削しつつ排土しながら所定深度まで削孔したならば、▲3▼に示すように、スクリュー12bの先端からセメントミルクを掘削孔13内に注入しながら、スクリュー12bを掘削孔13内で反復昇降する。
【0033】
その後、スクリュー12bを掘削孔13から引き上げ(図9の▲4▼参照)、セメントミルクが溜まった掘削孔13内に、▲5▼及び▲6▼に示すようにクレーン14で吊り上げた基礎杭11を建込む。こうして掘削孔13内に基礎杭11を建込むと、図4を参照すると分かるように、セメントミルクが上下に貫通する基礎杭11の中空部11oから各廃タイヤ2内の充填材3に滲み込むと共に、上下に隣合う廃タイヤ2,2間、更には掘削孔13の内周面と基礎杭1の外周面との間に浸入し、しかして基礎杭11は掘削孔13内に安定状態に建込まれることになる。
【0034】
図10は、例えば図3の(b) に示すような異径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11を地盤中に建込み施工する方法を示したもので、その施工方法については図9に示す同径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11の場合と全く同じであるため、その説明を省略する。
【0035】
図11及び図12は、掘削土砂をそのまま利用し、前記基礎杭1,11,21を削孔中に建込んで一種のソイルセメント杭を形成する施工方法を示すもので、図11は例えば図3の(a) に示すような同径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11の施工方法を示す。この施工にあたっては、▲1▼及び▲2▼に示すように、オーガ装置15のオーガ15aで回転駆動される掘削攪拌ロッド15bによって地盤を削孔し、所定深度まで削孔したならば、▲3▼に示すように掘削攪拌ロッド15bの先端からセメントミルクを掘削孔13内に注入しながら、掘削攪拌ロッド15bを掘削孔13内で反復昇降して、セメントミルクを掘削土砂と混合攪拌する。
【0036】
その後、攪拌ロッド15bを掘削孔13から引き上げ(図11の▲4▼参照)、掘削土砂とセメントミルクとの混合物が溜まった掘削孔13内に、図11の▲5▼及び▲6▼に示すようにクレーン14で吊り上げた基礎杭11を建込む。こうして掘削孔13内に基礎杭11を建込むと、図4から分かるように、セメントミルクが基礎杭11の中空部11oから各廃タイヤ2内の充填材3に滲み込むと共に、上下に隣合う廃タイヤ2,2間、更には掘削孔13の内周面と基礎杭1の外周面との間に浸入し、しかして基礎杭11は▲6▼に示すように掘削孔13内に安定状態に建込まれ、一種のソイルセメント杭を形成する。
【0037】
図12は例えば図3の(b) に示すような異径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11を軟弱地盤中に建込む施工方法を示したもので、その施工方法については図10に示す同径の多数の廃タイヤ2からなる基礎杭11の場合と全く同じであるため、その説明を省略する。
【0038】
上記のような図9及び図10によって説明した施工方法によれば、地盤をオーガスクリュー12で排土しながら削孔することによって、その掘削孔13に基礎杭1,11,21を容易に建込むことができると共に、スクリュー12bの先端から注入されるセメントミルクによって、良質で支持力の高い免震基礎杭を効率良く造成することができる。また、図11及び図12により説明した施工方法によれば、地盤をオーガ装置15の掘削攪拌ロッド15bにより削孔し、その掘削土砂をそのまま利用して、その掘削孔13に基礎杭1,11,21を建込み、掘削攪拌ロッド15bの先端から注入されるセメントミルクによって、良質で支持力が高く、しかも免震効果の高いソイルセメント杭を造成することができる。
【0039】
図13は図9〜図12で説明したように施工される基礎杭1,11,21の上に布基礎16を施工した状態を示している。この布基礎16の施工に際しては、基礎杭1,11,21の建込まれた地盤の表面部に栗石層又は砂利層17を形成し、その上に土砂層18を形成し、そして基礎杭1,11,21の上端面と略々同一平面上に布基礎16の下面が位置するように布基礎16を形成する。この場合、各基礎杭1,11,21の上端部に取り付けてある連結筋6を布基礎16に一体的に連結させるようにし、それによって各基礎杭1,11,21と布基礎16との一体化を図ることができる。
【0040】
以上図9〜図12によって説明した施工方法では、地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔13にセメントミルクを注入するようにしたが、本発明の施工方法は、地盤を所定深度まで削孔した後、セメントミルクを注入することなく、そのまま基礎杭1,11,21を建込む場合も含むものである。
【0041】
図14の(a) は、地盤に削孔した掘削孔13内に基礎杭1,11,21を建込むにあたって、その基礎杭1,11,21の中空部(基礎杭1,11にあってはその基礎杭1,11を上下に貫通する中空部1o,11o、また基礎杭21にあっては鋼管9の内部)に鉄筋カゴ19を挿入するようにした施工方法を示す。このように基礎杭1,11,21の中空部に鉄筋カゴ19を挿入することによって、地盤中に、一層支持力の高い免震基礎杭を効率良く造成することができる。図13の(b) は基礎杭1,11,21の中空部に鉄筋カゴ19を挿入した状態の底面図である。
【0042】
図14の(c) は、本発明に係る他の施工方法を示すもので、地盤を所定深度まで削孔し、その掘削孔13の下部側13aに鉄筋コンクリート杭20を造成し、しかる後にセメントミルクを掘削孔13に注入し、その掘削孔13内の上部側13bに前述した基礎杭1,11,21を立て込んで、この基礎杭1,11,21を下部側の鉄筋コンクリート杭20に結合させるようにしたものである。この場合には、図14の(a) に示した場合と同様に基礎杭1,11,21の中空部に鉄筋カゴ19を挿入することが望ましい。
【0043】
この図14の(c) に示すような施工方法によれば、下部側の鉄筋コンクリート杭20と、多数の廃タイヤ2からなる上部側の免震性基礎杭1,11,21との複合基礎杭が形成されることになって、十分な支持力と免震性を有する基礎杭が造成される。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の基礎杭は、同径又は異径の多数の廃タイヤを柱状に重合連結してなるものであって、廃タイヤのゴムの弾性を利用するから、杭全体に免震効果が発揮されて、地震発生時に有効な免震杭として使用することができる。また、この基礎杭は、これまで産業廃棄物として焼却処分されていた廃タイヤを利用して形成されるものであるから、廃タイヤを焼却する場合のように環境を汚染することなく、産業廃棄物の有効利用を図ることができると共に、現在使用されているコンクリート杭や鋼管杭に比べてはるかに安いコストで提供することができる。また、コンクリート杭や鋼管杭に比べて比重が小さいため、杭の支持力を大きくとることができる。また廃タイヤの径又は廃タイヤの積み重ね個数の選択によって所望の杭支持力を得ることができる。
【0045】
請求項2係る発明の基礎杭によれば、上下に隣合う廃タイヤどうしを溶着又は接着することによって、多数の廃タイヤを簡単に重合連結することができる。
【0046】
請求項3係る発明の基礎杭によれば、多数の廃タイヤに複数本の連結用軸筋材を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら廃タイヤの上下両端に当て付けた定着金具を各連結用軸筋材の両端部で止着することにより、廃タイヤの連結強度を高めることができると共に、廃タイヤの重合連結作業を迅速容易に行なうことができる。
【0047】
請求項4係る発明の基礎杭によれば、各廃タイヤの中空部に充填材を詰め込むことにより、基礎杭の強度を増大できると共に、基礎杭の性能の調整を図ることができて、地盤状況に応じた使用が可能となり、またコンクリート殻、タイヤチップ、発泡スチロール等の廃材の有効利用を図ることができる。
【0048】
請求項5係る発明の基礎杭は、各中空部に充填材を詰め込んだ同径又は異径の多数の廃タイヤを柱状に重合すると共に、これら多数の廃タイヤの中央開口部に鋼管を嵌挿し、この鋼管の上下両端部に取り付けた留金具で上下両端の廃タイヤを保持したもので、基礎杭を製作するのに、所要数個の廃タイヤを鋼管に順次嵌め込んだ後、留金具を鋼管の上下両端部に取り付けるようにすればよいから、製作が容易となり、また鋼管の使用によって構造が頑強で直線状の真っ直ぐな杭を形成できる。
【0049】
請求項6係る発明の基礎杭によれば、鋼管内に充填材を詰め込むことにより、鋼管の防錆を行うと共に、杭の剛性力を高めることができる。
【0050】
請求項7係る発明に係る施工方法は、地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭を建込むことによって、免震効果のある基礎杭を効率良く造成することができる。
【0051】
請求項8係る発明の施工方法によれば、良質で支持力の高い免震基礎杭を効率良く造成することができる。
【0052】
請求項9係る発明の基礎杭の施工方法によれば、基礎杭の中空部に鉄筋カゴを挿入することによって、地盤中に、一層剛性力の高い免震基礎杭を効率良く造成することができる。
【0053】
請求項10係る発明の基礎杭の施工方法によれば、下部側の鉄筋コンクリート杭と、多数の廃タイヤからなる上部側の免震性基礎杭との複合基礎杭が形成されることになって、十分な支持力と免震性を有する基礎杭が造成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 〜(c) は本発明の一実施形態による基礎杭を示す夫々正面図
である。
【図2】図1の(a) のイ−イ線拡大断面図である。
【図3】(a) 〜(c) は本発明の他の実施形態による基礎杭を示す夫々正面図、(d) は(a) に示す基礎杭の平面図、(e) はその底面図である。
【図4】図3の(a) のロ−ロ線拡大断面図である。
【図5】(a) 〜(c) は本発明の更に他の実施形態による基礎杭を示す夫々正面図である。
【図6】(a) は図5の(a) のハ−ハ線拡大断面図、(b) は図5の(b) のニ−ニ線拡大断面図である。
【図7】基礎杭の鋼管内に充填材が詰め込まれる場合の実施形態を示すもので、(a) 及び(b) は図6の(a) 及び(b) に夫々対応する断面図である。
【図8】本発明の更に他の形態の基礎杭を示す断面図である。
【図9】オーガスクリューで削孔し、例えば図3の(a) に示す同径の多数の廃タイヤからなる基礎杭の施工方法を示す説明図である。
【図10】オーガスクリューで削孔し、例えば図3の(b) に示す異径の多数の廃タイヤからなる基礎杭の施工方法を示す説明図である。
【図11】攪拌ロッドで削孔し、例えば図3の(a) に示す同径の多数の廃タイヤからなる基礎杭の施工方法を示す。
【図12】攪拌ロッドで削孔し、例えば図3の(b) に示す異径の多数の廃タイヤからなる基礎杭の施工方法を示す。
【図13】図9〜図12で説明した建込み施工される基礎杭の上に布基礎を施工した状態を示す断面図である。
【図14】(a) は基礎杭の中空部に鉄筋カゴを挿入する施工方法を示す断面説明図、(b) は(a) に示す基礎杭の底面図、(c) は本発明に係る他の施工方法を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 基礎杭
2 廃タイヤ
2o 廃タイヤの中空部
3 充填材
4 連結用軸筋材
5 定着金具
6 連結筋
8 ナット
9 鋼管
10 留金具
11 基礎杭
19 鉄筋カゴ
21 基礎杭

Claims (10)

  1. 同径又は異径の多数の廃タイヤを柱状に重合連結してなる基礎杭。
  2. 前記多数の廃タイヤは、上下に隣合う廃タイヤどうしを溶着又は接着することによって柱状に連結される請求項1に記載の基礎杭。
  3. 前記多数の廃タイヤは、これら廃タイヤに複数本の連結用軸筋材を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら廃タイヤの上下両端に当て付けた定着金具を各連結用軸筋材の両端部で止着することにより、柱状に連結される請求項1に記載の基礎杭。
  4. 各廃タイヤの中空部に充填材を詰め込んでなる請求項1〜3の何れかに記載の基礎杭。
  5. 各中空部に充填材を詰め込んだ同径又は異径の多数の廃タイヤを柱状に重合すると共に、これら多数の廃タイヤの中央開口部に鋼管を嵌挿し、この鋼管の上下両端部に取り付けた留金具で上下両端の廃タイヤを保持してなる基礎杭。
  6. 前記鋼管内には充填材が詰め込まれるようになっている請求項5に記載の基礎杭。
  7. 地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭を建込むようにした基礎杭の施工方法。
  8. 地盤を所定深度まで削孔した後、その掘削孔にセメントミルクを注入し、このセメントミルクの注入された掘削孔に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭を建込むようにした基礎杭の施工方法。
  9. 掘削孔内に基礎杭を建込むにあたって、その基礎杭の中空部に鉄筋カゴを挿入するようにした請求項7又は8に記載の基礎杭の施工方法。
  10. 地盤を所定深度まで削孔し、その掘削孔の下部側に鉄筋コンクリート杭を造成した後、セメントミルクを掘削孔に注入し、その掘削孔内の上部側に請求項1〜6の何れかに記載の基礎杭を建込むようにした基礎杭の施工方法。
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