JP2004353533A - コンプレッサおよびダックビルバルブ - Google Patents

コンプレッサおよびダックビルバルブ Download PDF

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Hirotaka Matsunaga
浩隆 松永
Yutaka Akahori
豊 赤堀
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Abstract

【課題】供給系および排出系の双方を有するコンプレッサおよびこのコンプレッサに一方向弁として用いた場合に好適なダックビルバルブを提供すること。
【解決手段】本発明のコンプレッサ1は、シリンダ2と、ピストン3と、シリンダ2に設けられ、ピストン3の駆動により供給元側から流体をシリンダ2の内部に取り込むとき開く第1の一方向弁と、シリンダ2に設けられ、ピストン3の駆動によりシリンダ2の内部の流体を供給先側に送り出すとき開く第2の一方向弁と、第1の一方向弁を強制的に開く第1の開放手段と、第2の一方向弁を強制的に開く第2の開放手段とを備え、ピストン3の駆動により、供給元の流体を供給先に供給し、ピストン3の駆動停止時において、第1および第2の開放手段により、それぞれ、所定のタイミングで第1および第2の一方向弁を開閉し、供給先の流体を供給元に排出するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンプレッサおよびダックビルバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダとピストンとを備えたコンプレッサが知られており、このようなコンプレッサでは、ピストンを駆動して、外部(供給元)の流体を供給先に供給する。すなわち、前記コンプレッサは、外部の流体を供給先に供給する供給系を有している。
【0003】
しかしながら、前記コンプレッサでは、供給先に蓄積(供給)された流体を外部に排出することはできない。すなわち、前記コンプレッサは、供給先に蓄積された流体を外部に排出する排出系を有していない。
このため、供給先の流体を外部に排出するには、前記コンプレッサの他に、別途、流体を排出する排出装置を設ける必要があった。
また、特許文献1に記載されているようなダックビルバルブが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特表2001−510272号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、供給系および排出系の双方を有するコンプレッサおよびこのコンプレッサに一方向弁として用いた場合に好適なダックビルバルブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のコンプレッサは、シリンダと、
前記シリンダ内に収容され、該シリンダ内にて駆動されるピストンと、
前記シリンダに設けられ、前記ピストンの駆動により供給元側から流体を前記シリンダの内部に取り込むとき開く第1の一方向弁と、
前記シリンダに設けられ、前記ピストンの駆動により前記シリンダの内部の流体を供給先側に送り出すとき開く第2の一方向弁と、
前記第1の一方向弁を強制的に開く第1の開放手段と、
前記第2の一方向弁を強制的に開く第2の開放手段とを備えるコンプレッサであって、
前記ピストンの駆動により、供給元の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給先に供給し、
前記ピストンの駆動停止時において、前記第1の開放手段および前記第2の開放手段により、それぞれ、所定のタイミングで前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を開閉し、供給先の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給元に排出するよう構成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、ピストンの駆動により、流体を供給元から取り込んで供給先に供給する供給系と、第1の開放手段および第2の開放手段により、供給先の流体を取り込んで供給元に排出する排出系とが設けられている。
これにより、流体を供給元(例えば、外部)から供給先(例えば、タンク内)に供給することと、供給先の流体を供給元に排出することができ、また、可逆的に供給先や供給元の流体量や圧力を調整することができる。
【0008】
本発明のコンプレッサでは、供給先の流体を供給元に排出する際は、前記第1の開放手段および前記第2の開放手段により、前記第1の一方向弁と前記第2の一方向弁とが交互に開くよう構成されているのが好ましい。
これにより、供給先と供給元とが筒抜けとなって流体が勝手に流出する事態を防止できる。
【0009】
本発明のコンプレッサは、シリンダと、
前記シリンダ内に収容され、該シリンダ内にて駆動されるピストンと、
前記シリンダに設けられ、開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有し、前記ピストンの駆動により供給元側から流体を前記シリンダの内部に取り込むとき、前記閉口部が開く第1の一方向弁と、
前記シリンダに設けられ、開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有し、前記ピストンの駆動により前記シリンダの内部の流体を供給先側に送り出すとき、前記閉口部が開く第2の一方向弁と、
前記シリンダ内にて駆動され、前記第1の一方向弁の閉口部に挿入されて該第1の一方向弁を強制的に開く第1の挿入体と、
前記シリンダ内にて駆動され、前記第2の一方向弁の閉口部に挿入されて該第2の一方向弁を強制的に開く第2の挿入体とを備えるコンプレッサであって、
前記ピストンの駆動により、供給元の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給先に供給し、
前記ピストンの駆動停止時において、前記第1の挿入体および前記第2の挿入体の駆動により、それぞれ、所定のタイミングで前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を開閉し、供給先の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給元に排出するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明では、ピストンの駆動により、流体を供給元から取り込んで供給先に供給する供給系と、第1の挿入体および第2の挿入体の駆動により、供給先の流体を取り込んで供給元に排出する排出系とが設けられている。
これにより、流体を供給元(例えば、外部)から供給先(例えば、タンク内)に供給することと、供給先の流体を供給元に排出することができ、また、可逆的に供給先や供給元の流体量や圧力を調整することができる。
【0011】
本発明のコンプレッサでは、供給先の流体を供給元に排出する際は、前記第1の挿入体および前記第2の挿入体の駆動により、前記第1の一方向弁と前記第2の一方向弁とが交互に開くよう構成されているのが好ましい。
これにより、供給先と供給元とが筒抜けとなって流体が勝手に流出する事態を防止できる。
【0012】
本発明のコンプレッサでは、前記挿入体は、棒状をなしており、その軸方向に駆動されるのが好ましい。
これにより、挿入体を一方向弁の閉口部へ容易に挿入することができる。
本発明のコンプレッサでは、前記挿入体の先端部は、先端に向ってその太さが漸減しているのが好ましい。
これにより、挿入体を一方向弁の閉口部へ容易に挿入することができる。
【0013】
本発明のコンプレッサでは、前記一方向弁は、弾性を有し、前記挿入体が挿入されることにより変形して前記閉口部が開き、前記挿入体が引き抜かれることにより復元して前記閉口部が閉じるよう構成されているのが好ましい。
これにより、挿入体の挿入動作および引抜動作により、簡易に一方向弁を開閉することができる。
【0014】
本発明のコンプレッサでは、前記第1の一方向弁は、前記第1の挿入体の先端部を、前記開口部と反対側において前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導くガイド手段を有するのが好ましい。
これにより、挿入体を第1の一方向弁の閉口部に確実に挿入することができる。
【0015】
本発明のコンプレッサでは、前記ガイド手段は、前記閉口部の前記開口部と反対側に設けられ、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位またはその近傍まで続く傾斜面を有するガイド部を備え、
前記第1の挿入体の先端部は、前記傾斜面に沿って、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導かれるのが好ましい。
これにより、挿入体を第1の一方向弁の閉口部に確実に挿入することができる。
【0016】
本発明のコンプレッサでは、前記ガイド手段は、前記閉口部の前記開口部と反対側に設けられ、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に連通する孔部を有するガイド部を備え、
前記第1の挿入体の先端部は、前記孔部の内面に沿って、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導かれるのが好ましい。
これにより、挿入体を第1の一方向弁の閉口部に確実に挿入することができる。
【0017】
本発明のコンプレッサでは、前記孔部は、その大きさが前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に向って漸減する部分を有するのが好ましい。
これにより、挿入体を第1の一方向弁の閉口部に確実に挿入することができる。
本発明のコンプレッサでは、前記ピストンには貫通孔が形成されており、前記挿入体は、前記貫通孔に挿通されているのが好ましい。
これにより、挿入体をシリンダ内にコンパクトに設置することができる。
【0018】
本発明のコンプレッサでは、前記ピストンの駆動方向と、前記挿入体の駆動方向とが略同一であるのが好ましい。
これにより、挿入体をシリンダ内にコンパクトに設置することができる。
本発明のコンプレッサでは、前記ピストンと前記挿入体とが、共通の駆動源により駆動されるのが好ましい。
これにより、部品点数を削減することができ、小型化および軽量化を図ることができる。
【0019】
本発明のコンプレッサでは、ピストン側クランク軸を有し、該ピストン側クランク軸の回転により前記ピストンを駆動するピストン側クランク機構と、
挿入体側クランク軸を有し、該挿入体側クランク軸の回転により前記挿入体を駆動する挿入体側クランク機構と、
前記駆動源からの駆動力を、前記ピストン側クランク軸と、前記挿入体側クランク軸との一方のみに選択的に伝達し、前記ピストン側クランク軸と、前記挿入体側クランク軸との一方のみを選択的に回転させる動力伝達機構とを備えるのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、ピストンと挿入体とを共通の駆動源により駆動することができる。
【0020】
本発明のコンプレッサでは、ピストン側クランク軸を有し、該ピストン側クランク軸の回転により前記ピストンを駆動するピストン側クランク機構と、
挿入体側クランク軸を有し、該挿入体側クランク軸の回転により前記挿入体を駆動する挿入体側クランク機構と、
前記駆動源からの駆動力により回転する回転体を有し、該回転体が所定方向に回転した場合に、その回転体からの回転力を前記ピストン側クランク軸に伝達して該ピストン側クランク軸を回転させ、前記回転体が前記と逆方向に回転した場合に、その回転体からの回転力を前記挿入体側クランク軸に伝達して該挿入体側クランク軸を回転させる動力伝達機構とを備えるのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、ピストンと挿入体とを共通の駆動源により駆動することができる。
【0021】
本発明のコンプレッサでは、前記ピストンの駆動の際、前記挿入体を所定の位置に保持する挿入体側保持機構を有するのが好ましい。
これにより、前記ピストンの駆動の際、すなわち、挿入体の駆動停止時(非駆動時)において、挿入体が勝手に移動する事態を防止できる。
本発明のコンプレッサでは、前記挿入体側保持機構は、前記挿入体が保持される位置を一定にする位置決め手段を有するのが好ましい。
これにより、常に、前記ピストンの駆動の際、すなわち、挿入体の駆動停止時(非駆動時)において、挿入体を適切な位置に保持することができる。
【0022】
本発明のコンプレッサでは、前記挿入体の駆動の際、前記ピストンを所定の位置に保持するピストン側保持機構を有するのが好ましい。
これにより、前記挿入体の駆動の際、すなわち、ピストンの駆動停止時(非駆動時)において、ピストンが勝手に移動する事態を防止できる。
本発明のコンプレッサでは、前記ピストン側保持機構は、前記ピストンが保持される位置を一定にする位置決め手段を有するのが好ましい。
これにより、常に、前記挿入体の駆動の際、すなわち、ピストンの駆動停止時(非駆動時)において、ピストンを適切な位置に保持することができる。
【0023】
本発明のコンプレッサでは、供給先の流体を供給元に排出する際は、常に、前記第1の一方向弁と前記第2の一方向弁とのうちの少なくとも一方が閉じているのが好ましい。
これにより、供給先と供給元とが筒抜けとなって流体が勝手に流出する事態を防止できる。
本発明のコンプレッサでは、前記一方向弁は、ダックビルバルブであるのが好ましい。
【0024】
本発明のダックビルバルブは、開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有するダックビルバルブであって、
前記開口部と反対側から前記閉口部に挿入される挿入体の先端部を、前記閉口部の前記挿入体が挿入される部位に導くガイド手段を有することを特徴とする。これにより、挿入体を、開口部と反対側から閉口部に確実に挿入することができる。このため、本発明のコンプレッサに一方向弁として用いた場合、非常に好適である。
【0025】
本発明のダックビルバルブでは、前記ガイド手段は、前記閉口部の前記開口部と反対側に設けられ、前記閉口部の前記挿入体が挿入される部位またはその近傍まで続く傾斜面を有するガイド部を備えるのが好ましい。
これにより、挿入体を、開口部と反対側から閉口部に確実に挿入することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のコンプレッサおよびダックビルバルブを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明のコンプレッサの第1実施形態を示す断面側面図、図2は、図1に示すコンプレッサのA−A視断面図である。
【0027】
これらの図に示すコンプレッサ1は、流体(例えば、空気等の気体や液体等)を供給元(例えば、外部等)から取り込んで供給先(例えば、タンク等)に供給する供給系と、供給先の流体を取り込んで供給元に排出する排出系とを有し、可逆的に、供給先や供給元の流体量および圧力を調整し得る点に特徴を有する。
すなわち、このコンプレッサ1は、供給元の流体を供給先に供給する流体の供給モードと、供給先の流体を供給元に排出する流体の排出モードとを有している。以下、図面に基づいて説明する。
【0028】
図1および図2に示すように、コンプレッサ1は、流体の供給系として、シリンダ2と、シリンダ2内に移動可能に収容されたピストン3と、駆動機構4とを有する。この供給系では、ピストン3がシリンダ2内にて往復運動(駆動)して外部(供給元)の流体をシリンダ2内に取り込み、圧縮して送り出し、タンク内(供給先)に供給する。なお、この供給系の作用については、後に詳細に説明する。
【0029】
シリンダ2は、天井部211および底部212を有する円筒部材で構成されている。天井部211には、第1の一方向弁である外部側バルブ(バルブ)22と、第2の一方向弁であるタンク側バルブ(バルブ)23とが設けられている。以下、外部側バルブおよびタンク側バルブをそれぞれ、単に、「バルブ」とも言う。
【0030】
図3は、図1に示すコンプレッサのバルブの断面図である。
図3に示すように、これらのバルブ22および23は、それぞれ、弾性を有するダックビルバルブである。各バルブ22、23は、それぞれ、本実施形態では、図示のようなフジツボ型の形状をなしているが、この形状に限定されないことは、言うまでもない。ここで、バルブ22とバルブ23の構造や作用は、同様であるので、以下、代表的に、一方のバルブ22を説明する。
【0031】
バルブ22は、一端側に、流路を開けた(開放した)開口部22aを有し、他端側に、流路を閉じ、かつ開放可能な閉口部22bを有する。開口部22aと閉口部22bとは連通しており、閉口部22bが開くことにより、バルブ22が開き、流路が開放され、また、閉口部22bが閉じることにより、バルブ22が閉じ、流路が閉止される。
【0032】
このバルブ22は、供給元である外部側のバルブであり、開口部22aが外部側に位置し、閉口部22bがシリンダ2の内部側に位置するように、シリンダ2の天井部211に設置される。
したがって、バルブ22では、その形状および構造により、ピストン3の駆動により外部側から流体をシリンダ2の内部に取り込むときは、外部とシリンダ2内との圧力差により、閉口部22bが開き、ピストン3の駆動によりシリンダ2の内部の流体をタンク側に送り出すときは、閉口部22bは閉じている。
【0033】
一方、バルブ23は、供給先であるタンク側のバルブ(タンク側に接続されるバルブ)であり、開口部23aがシリンダ2の内部側に位置し、閉口部23bが外部側に位置するように、シリンダ2の天井部211に設置される。
したがって、バルブ23では、その形状および構造により、ピストン3の駆動により外部側から流体をシリンダ2の内部に取り込むときは、閉口部23bが閉じており、ピストン3の駆動によりシリンダ2の内部の流体をタンク側に送り出すときは、外部とシリンダ2内との圧力差により、閉口部23bが開く。
【0034】
このように、外部の流体をタンク内に供給する流体の供給モードでは、バルブ22においては、開口部22a側から閉口部22b側にのみ、すなわち、外部側からシリンダ2の内部側へのみ流体を通過させ、バルブ23においては、開口部23a側から閉口部23b側にのみ、すなわち、シリンダ2の内部側からタンク側へのみ流体を通過させる。
【0035】
前記バルブ22、23の構成材料としては、それぞれ、例えば、各種ゴム材料や、各種熱可塑性エラストマー等の弾性材料を用いることができる。
ピストン3は、シリンダ2内に往復運動可能に収容される。このピストン3の外周面にはOリング(封止部材)31が嵌め込まれている。このOリング31により、ピストン3の外周面とシリンダ2の内壁面との間に隙間ができるのを防止することができる。ピストン3は、端部にて駆動機構4に結合(連結)され、この駆動機構4を介して動力(駆動力)が供給されて、シリンダ2内にて往復運動する。
【0036】
図4は、図1に示すコンプレッサの駆動機構の斜視図、図5は、図4に示す駆動機構の共有ギア付近を示す断面図、図6は、図4に示す駆動機構のクラッチを示す図である。
これらの図に示すように、駆動機構4は、ピストン3側の駆動系として、ピストン側連結棒41およびピストン側クランク軸42で構成されたピストン側クランク機構と、ピストン側クラッチ43と、共有ギア(回転体)44とを有する。ピストン側連結棒41は、一方の端部をピストン3の端部にピン結合され、他方の端部をピストン側クランク軸42のクランク部421にピン結合される。そして、ピストン側連結棒41は、ピストン側クランク軸42の回転により変位して、動力をピストン3に伝達する。
【0037】
ピストン側クランク軸42は、一方の端部を軸受422により回転可能に支持され、また、この端部において、ピストン側クラッチ43が作用するようになっている(図1、図4および図5参照)。これらの軸受422およびピストン側クラッチ43は、共有ギア44内に埋設されて共有ギア44と共に回転する。
ピストン側クラッチ43は、爪型形状を有し、共有ギア44内にてピストン側クランク軸42の端部に設けられた溝部423に係合する(図6(a)参照)。そして、ピストン側クラッチ43は、この係合した状態でのみ共有ギア44の回転(回転力)をピストン側クランク軸42に伝達する。これにより、共有ギア44が所定の一方向に回転した場合にのみ、これと同一方向にピストン側クラッチ43が回転する。なお、共有ギア44の回転方向が逆転した場合には、ピストン側クラッチ43がピストン側クランク軸42に係合しない。このため、ピストン側クランク軸42が共有ギア44から動力を伝達されず回転しない。かかる場合には、共有ギア44が、ピストン側クランク軸42に対して空回りする。したがって、ピストン側クラッチ43およびピストン側クランク軸42の端部により、ワンウェイクラッチの主要部が構成される。なお、図5中および図6(b)のクラッチ49等については、後述する。
【0038】
前記共有ギア44は、外部に設けられた図示しない単一のモータ(駆動源)から動力(駆動力)が供給されて回転する。したがって、前記ピストン3と、後述するタンク側ロッド5および外部側ロッド6とは、共通のモータにより駆動される。なお、共有ギア44と、モータのロータ側の回転軸に固着された図示しない歯車とを、例えば、直接噛合させてもよく、また、共有ギア44と、前記歯車との間に図示しないギアを介在させてもよい。また、前記モータとしては、例えば、ステッピングモータ等を用いることができる。
【0039】
このコンプレッサ1において、流体の供給モードでは、まず、共有ギア44が外部のモータに駆動されて回転する。これにより、ピストン側クラッチ43を介してピストン側クランク軸42が回転し、これに連動してピストン側連結棒41が変位する。これにより、ピストン3が、シリンダ2内を往復運動してシリンダ2内の圧力を上げ下げする。コンプレッサ1の外部の流体は、ピストン3がシリンダ2に対して引かれたとき(図1中下側に移動したとき)に外部側バルブ22を介してシリンダ2内に流入し(取り込まれ)、ピストン3が押し込まれたとき(図1中上側に移動したとき)に、そのシリンダ2内の流体がタンク側バルブ23を介して送り出され、タンク内に流入する。このとき、流体は、バルブ22、23により逆流が阻止(防止)され、外部からタンク内への一方向にのみ流れる。このようにして、外部からタンク内に流体が供給される。
【0040】
また、図1に示すように、このコンプレッサ1は、流体の排出系として、タンク側ロッド(第2の挿入体)5および外部側ロッド(第1の挿入体)6を有する。シリンダ2および駆動機構4は、前記流体の供給系とこの排出系とで共用される。以下、タンク側ロッドおよび外部側ロッドをそれぞれ、単に、「ロッド」とも言う。
【0041】
この排出系では、各ロッド5、6が、それぞれ、シリンダ2内にて往復運動(駆動)してシリンダ2のバルブ22、23を所定のタイミングで開閉させ、タンク内の流体をシリンダ2内に一旦取り込み、外部に排出する(シリンダ2内を介して、外部に排出する)。なお、この排出系の作用については、後に詳細に説明する。
各ロッド5、6は、それぞれ、棒状をなしており、その軸方向に往復運動する。また、各ロッド5、6の先端部(図1中上側の端部)では、それぞれ、先端に向ってその太さ(外径)が漸減している。
【0042】
ピストン3には、その移動方向(駆動方向)に沿って、孔(貫通孔)32、33が設けられている。これらのロッド5、6は、それぞれ、ピストン3に設けられた孔32、33に挿通(挿入)されて配置される。これにより、ピストン3が設けられたシリンダ2内にて、ピストンの軌道を阻害することなく、ロッド5、6を適切に配置することができる。また、かかる構成は、既存のシリンダ2の外形を拡径することなく、ロッド5、6をシリンダ内に収容できる点で好適である。このように、このコンプレッサ1では、ピストン3の移動方向と、ロッド5、6の移動方向とが同一である。
【0043】
また、ロッド5の外周面にはOリング(封止部材)51が嵌め込まれている。このOリング51により、ロッド5の外周面とピストン3の孔32内の内壁面との間に隙間ができるのを防止することができる。
同様に、ロッド6の外周面にはOリング(封止部材)61が嵌め込まれている。このOリング61により、ロッド6の外周面とピストン3の孔33内の内壁面との間に隙間ができるのを防止することができる。
【0044】
タンク側ロッド5は、平面視、すなわち、図1中上側(タンク側ロッド5の移動方向)から見たとき、その先端(先端部)がタンク側バルブ23の開口部23aの位置に位置するように配置されている。また、外部側ロッド6は、平面視、すなわち、図1中上側(外部側ロッド6の移動方向)から見たとき、その先端(先端部)が外部側バルブ22の閉口部22bの外部側ロッド6が挿入される部位(切り込み)の位置に位置するように配置されている。
【0045】
これらのロッド5、6は、それぞれ、駆動機構4により駆動され、その先端部がシリンダ2の内部側から対応するバルブ23、22に挿入され(挿通し)、また、バルブ23、22から引き抜かれ、これにより、バルブ23、22を強制的に開閉する。すなわち、ロッド5の先端部がバルブ23の閉口部23bに挿入されると、閉口部23bが強制的に開かれ、また、ロッド6の先端部がバルブ22の閉口部22bに挿入されると、閉口部22bが強制的に開かれる。したがって、ロッド6により、第1の開放手段の主要部が構成され、ロッド5により、第2の開放手段の主要部が構成される。
【0046】
図7、図8および図9は、それぞれ、図1に示すコンプレッサのバルブの開閉の様子を示す図である。これらの図では、図7がタンク側バルブ23を示し、図8が外部側バルブ22を示し、図9がバルブ22(23)の閉口部22b(23b)側から見た様子を示している。
図7に示すように、タンク側バルブ23では、開口部23aがシリンダ2の内部側(内側)にあるため(図3参照)、ロッド5が開口部23a側から挿入されてタンク側バルブ23の閉口部23bを貫通する。
一方、図8に示すように、外部側バルブ22では、閉口部22bがシリンダ2の内部側にあるため(図3参照)、ロッド6が閉口部22b側から挿入されて外部側バルブ22のその閉口部22bを貫通する。
【0047】
図9に示すように、バルブ22(23)では、ロッド6(5)が貫通した状態において、そのロッド6(5)により閉口部22b(23b)の部分が押し広げられ、ロッド6(5)の外周との間に隙間gが形成される。このようにして、バルブ22(23)が開き、この隙間gを介して流体がバルブ22(23)を通過できるようになる。
【0048】
また、バルブ22(23)からロッド6(5)が引き抜かれると、バルブ22(23)は、自己の復元力(弾性力)により復元し、閉口部22b(23b)が閉じる。すなわち、バルブ22(23)が閉じ、流路が閉止される。
このように、バルブ22(23)は、ロッド6(5)の挿入動作(挿通動作)および引き抜き動作により開閉される。
なお、例えば、ロッド6(5)の外周部に溝を設け、ロッド6(5)が貫通した状態において、そのロッド6(5)の溝を介して流体がバルブ22(23)を通過できるようになっていてもよく、この場合も、本発明におけるバルブ22(23)の開放に含まれる。
【0049】
図1に示すように、駆動機構4は、ロッド5、6側の駆動系として、ロッド側連結棒(挿入体側連結棒)46、47およびロッド側クランク軸(挿入体側クランク軸)48で構成されたロッド側クランク機構(挿入体側クランク機構)と、ロッド側クラッチ(挿入体側クラッチ)49とを有し、また、共有ギア44をピストン3側の駆動系と共有する。
【0050】
ロッド側連結棒46(47)は、一方の端部をロッド5(6)の後端にピン結合され、他方の端部をロッド側クランク軸48の対応するクランク部481(482)にピン結合される。そして、ロッド側連結棒46(47)は、ロッド側クランク軸48の回転により変位して、動力をロッド5(6)に伝達する。
図10に示すように、ロッド側クランク軸48のクランク部481および482は、互いに位相が180度ずれるように形成されている。これにより、ロッド5、6は、そのロッド側クランク軸48の回転により、互いに位相が180度ずれた状態で、シリンダ2内を往復運動し、交互に対応するバルブ22、23を開閉させる。すなわち、タンク内の流体を外部に排出する際は、ロッド5、6の往復運動により、バルブ22とバルブ23とが交互に開く。したがって、タンク内の流体を外部に排出する際は、常に、バルブ22とバルブ23とのうちの少なくとも一方が閉じている。
【0051】
ロッド側クランク軸48は、一方の端部を軸受483により回転可能に支持され、また、この端部において、ロッド側クラッチ49が作用するようになっている(図1、図4および図6(b)参照)。これらの軸受483およびロッド側クラッチ49は、共有ギア44内に埋設されて共有ギア44と共に回転する。
ロッド側クラッチ49は、前記ピストン側クラッチ43と同一構造を有し、共有ギア44内にてロッド側クランク軸48の端部に設けられた溝部484に係合する(図6(b)参照)。そして、ロッド側クラッチ49は、この係合した状態にて、共有ギア44の回転(回転力)をロッド側クランク軸48に伝達する。これにより、ロッド側クランク軸48は、共有ギア44が所定方向に回転した場合にのみ、ロッド側クラッチ49を介して動力を伝達されて回転する。なお、共有ギア44の回転方向が逆転した場合には、ロッド側クラッチ49とロッド側クランク軸48との係合が外れ、ロッド側クランク軸48が回転しない。かかる場合には、共有ギア44が空回りして、ロッド側クランク軸48が停止状態となる。したがって、ロッド側クラッチ49およびロッド側クランク軸48の端部により、ワンウェイクラッチの主要部が構成される。
【0052】
ここで、ロッド側クラッチ49と、ピストン側クラッチ43とは、共有ギア44を介して(挟んで)相互に対称に配置され、これらのクラッチ43、49は図6に示すように、係合可能な方向が互いに逆(逆方向)になるように設置されている。このため、コンプレッサ1の駆動時において、共有ギア44と共に回転するのは、ピストン側クランク軸42とロッド側クランク軸48とのいずれか一方である。また、これらピストン側クランク軸42の回転方向と、ロッド側クランク軸48の回転方向は、逆(逆方向)である。
【0053】
したがって、ピストン3の駆動時には、ロッド5、6は、駆動停止状態(非駆動状態)にあり、逆に、ロッド5、6の駆動時には、ピストン3は、駆動停止状態(非駆動状態)にある。これにより、外部の流体をタンク内に供給する供給動作(供給ステップ)と、タンク内の流体を外部に排出する排出動作(排出ステップ)とが、同時に行われる事態が防止される。すなわち、このコンプレッサ1では、モータを所定方向に回転させ、共有ギア44を所定方向に回転させることにより、外部の流体をタンク内に供給する供給動作のみがなされ、モータを前記と逆方向に回転させ、共有ギア44を前記と逆方向に回転させることにより、タンク内の流体を外部に排出する排出動作のみがなされる。
【0054】
このコンプレッサ1において、タンク内の流体を外部に排出する流体の排出モードでは、まず、共有ギア44が外部のモータに駆動されて回転する。このとき、モータは、ピストン3を駆動する場合(供給モード)に対して逆方向に回転(反転)し、共有ギア44は、ピストン3を駆動する場合(供給モード)に対して逆方向に回転する。これにより、ロッド側クラッチ49を介してロッド側クランク軸48が回転し、これに連動してロッド側連結棒46、47が変位する。これにより、ロッド5、6が、シリンダ2内を往復運動して対応するバルブ22、23に挿入(挿通)され、また、引き抜かれる。これにより、バルブ22、23が開閉して、タンク内の流体が外部に排出される。この排出モードでは、ピストン側クランク軸42は回転せず、ピストン3が駆動停止状態(非駆動状態)にある。
【0055】
なお、前記共有ギア44、ピストン側クラッチ43、ロッド側クラッチ49、ピストン側クランク軸42の端部(溝が形成されている側)およびロッド側クランク軸48の端部(溝が形成されている側)により、動力伝達機構の主要部が構成される。
ここで、このコンプレッサ1は、ピストン3の駆動の際、ロッド5、6を所定の位置に保持する図示しない挿入体側保持機構と、ロッド5、6の駆動の際、ピストン3を所定の位置に保持する図示しないピストン側保持機構とを有している。これら挿入体側保持機構およびピストン側保持機構としては、それぞれ、特に限定されず、種々のものを用いることができる。なお、これらの具体例については、それぞれ、後述する第2実施形態以降において説明する。
【0056】
図11は、図1に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。同図は、流体の排出モードにおけるバルブ22、23相互間の開閉動作を示している。また、同図において、圧力が外部よりも高圧となる流路には、斜線が付されている。
流体の排出モードでは、タンク側の圧力は、外部側よりも高圧であり、初期状態では、バルブ22、23がいずれも閉止状態にあり(閉じており)、タンク内およびシリンダ2内がいずれも封止されている(図11(a)参照)。この状態では、ロッド5、6が、バルブ22、23の手前にて停止した状態にある。
【0057】
次に、モータを駆動してロッド側クランク軸48を回転させると、ロッド5がタンク側バルブ23に挿入されて、タンク側バルブ23が開放状態となる(開く)(図11(b)参照)。これにより、タンク内の流体が、タンク側バルブ23を介し、圧力差によりシリンダ2内に流入する。
次に、ロッド側クランク軸48がさらに回転して、ロッド5がタンク側バルブ23から引き抜かれ、タンク側バルブ23が閉止状態となる(図11(c)参照)。これにより、タンク側が封止され、タンク内と外部とが筒抜けとなってタンク内の流体が勝手に流出する事態を防止できる。
【0058】
次に、ロッド側クランク軸48がさらに回転して、ロッド6が外部側バルブ22に挿通され、外部側バルブ22が開放状態となる(図11(d)参照)。これにより、シリンダ2内の流体が、外部側バルブ22を介し、圧力差により外部に排出(放出)される。
次に、ロッド側クランク軸48がさらに回転して、ロッド6が外部側バルブ22から引き抜かれ、外部側バルブ22が閉止状態となり、初期状態に戻る(図11(a)参照)。これにより、外部側が封止され、タンク内と外部とが筒抜けとなってタンク内の流体が勝手に流出する事態を防止できる。
上記サイクルの反復により、タンク内の流体が外部に排出される。
【0059】
以上説明したように、このコンプレッサ1では、ロッド5、6が位相を180度ずらして駆動されるので、これらが同時に対応するバルブ22、23を開放することはない。したがって、流体の排出モードにて、いずれか一方のバルブは常に閉止状態にある。これにより、タンク内と外部とが筒抜けとなる事態を防止できる利点がある。
【0060】
また、単位サイクルにて排出される流体量を特定できるので、タンクからの流体の排出量を定量化できる利点がある。また、上記サイクルの反復により、目的量の流体をタンク内から外部に排出できるので、タンク内の流体量および圧力を容易、正確、かつ確実に調整することができる。
また、このコンプレッサ1によれば、流体を外部からタンク内に供給することと、タンク内の流体を外部に排出することができる。すなわち、コンプレッサ1は、外部の流体をタンク内に供給する供給モードと、タンク内の流体を外部に排出する排出モードとを有しており、供給モードおよび排出モードを適宜選択することにより、タンク内の流体量および圧力を任意に調整することができる。
【0061】
また、このコンプレッサ1では、共有ギア44の回転方向を切り換えて、供給モードと排出モードとを切り換え、また、ピストン3およびロッド5、6が、共有ギア44のクラッチ43、49を介して共通のモータにより駆動されるので、部品点数を削減することができ、小型化および軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態では、Oリング31、51、61が用いられているが、これに換えて、それぞれ、例えば、ピストンリング等を用いてもよい。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本発明のコンプレッサの第2実施形態について説明する。
図12は、本発明のコンプレッサの第2実施形態における要部を示す図、図13は、図12に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。
以下、第2実施形態のコンプレッサ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0063】
図12に示すように、第2実施形態のコンプレッサ1は、ピストン3の駆動の際、ロッド5、6を所定の位置に保持する挿入体側保持機構と、ロッド5、6の駆動の際、ピストン3を所定の位置に保持するピストン側保持機構として、保持機構7を有する点に特徴を有する。この保持機構7は、本実施形態では、モータ側ギア71と、軸72と、ピニオンギア73、74と、ラック75、76と、クランク側ギア(クランク側歯車)77、78とにより構成される。
【0064】
モータ側ギア71は、前述した外部のモータ(図示省略)から動力が供給されて回転する。すなわち、前記モータは、駆動機構4の共有ギア44を回転させるモータである。したがって、共有ギア44とモータ側ギア71とは、共通のモータにより駆動される。これにより、コンプレッサを小型化および軽量化できる利点がある。また、共有ギア44およびモータ側ギア71の相互間の回転数を容易に調整できる利点がある。
【0065】
軸72は、モータ側ギア71の軸(回転軸)を構成し、モータ側ギア71と共に回転する。また、軸72は、駆動機構4のクランク軸42、48の回転軸に対して略平行になるように配置される(図12参照)。ピニオンギア73、74は、この軸72の両端にそれぞれ取り付けられる。
ラック75、76は、対応するピニオンギア73、74にそれぞれ噛み合わされ、ピニオンギア73、74の回転により所定の方向に送られる(移動する)。また、ラック75、76は、ガイド(図示省略)により支持され、その移動方向を軸72に対し略垂直な方向に規制される(図13参照)。また、ラック75、76は、付勢手段であるバネ(弾性部材)79によりその後端が支持される。
【0066】
クランク側ギア77、78は、ピストン側クランク軸42、ロッド側クランク軸48の端部にそれぞれ取り付けられる。これらクランク側ギア77、78は、ラック75、76に対応する位置に配置される。また、クランク側ギア77、78は、ラック75、76が送られたときに、それぞれ対応するラック75、76と噛み合って(係合し)、その正逆両方向への回転が阻止される。これにより、クランク軸42、48の回転が阻止(防止)される。
【0067】
また、このコンプレッサ1は、軸72が回転して、ラック75(76)がピニオンギア73(74)により所定量送られると、ラック75(76)とピニオンギア73(74)との噛み合いが外れる構造を有する。具体的には、ラック75(76)が初期状態(図13(a)参照)の位置から送られて、クランク側ギア77(78)に係合すると(図13(b)参照)、この位置にてラック75(76)とピニオンギア73(74)との噛み合いが外れて、ピニオンギア73(74)が空回りする。そして、軸72が反転すると、ラック75(76)は、自身の重量により下降して再びピニオンギア73(74)と噛み合い、バネ79側に送られる。
【0068】
一方、ラック75(76)がバネ79側に所定位置まで送られると、バネ79を収縮させ、かつラック75(76)とピニオンギア73(74)との噛み合いが外れて、ピニオンギア73(74)が空回りする(図13(c)参照)。そして、軸72が反転すると、ラック75(76)は、バネ79の復元力(弾性力)により付勢され、持ち上げられて、再びピニオンギア73(74)と噛み合い、クランク側ギア78の方向に送られる。かかる空回り構造により、軸72を常時回転させつつ、ラック75(76)を所定区間内にて往復運動させ得る。なお、この空回り構造は、例えば、ラック75(76)側の歯溝751(761)を所定長さのみ設けられることで実現することができる(図13参照)。また、クランク側ギア77(78)の径を大きくすれば、より小さな力でラック75(76)によりクランク側ギア77(78)の回転を阻止できる利点がある。
【0069】
このコンプレッサ1において、モータが駆動されてモータ側ギア71が回転すると、これと共に軸72が回転し、軸72と共にピニオンギア73(74)が回転して、ラック75(76)が送られる(図13参照)。ここで、ラック75(76)がクランク側ギア77(78)の方向に送られるときは、他方のラック76(75)がクランク側ギア78(77)に対して逆方向、すなわち、バネ79の方向に送られる。したがって、ラック75、76が、対応するクランク側ギア77、78に同時に係合することはない。
【0070】
次に、ラック75(76)が送られてクランク側ギア77(78)と係合すると、クランク側ギア77(78)の回転が阻止される。これにより、クランク軸42(48)の回転が停止して、ピストン3(ロッド5、6)が所定の位置に保持される。これにより、ロッド5、6(ピストン3)の駆動中におけるピストン3(ロッド5、6)の移動(誤動作)を確実に阻止(防止)することができる。なお、ピストン3(ロッド5、6)が保持される位置は、クランク側ギア77(78)の回転が阻止される位置の調整により任意に調整できる。
【0071】
また、この第2実施形態にかかるコンプレッサ1は、特に、ピストン側クランク軸42、ロッド側クランク軸48の位相を把握可能な例えば、ステッピングモータを適用する場合に有効である。
また、このコンプレッサ1には、ピストン3の位置を検出する検出手段として、例えば、ピストン側クランク機構側に、ピストン側クランク軸42の位相を検出する図示しないロータリーエンコーダ等を設けるのが好ましい。これによれば、例えば、DCモータ等、いかなるモータ(駆動源)を用いた場合でも、ピストン側クランク軸42の位相、すなわち、ピストン3の位置を把握することができ、これにより、ピストン3が保持される位置を、より確実に目的の位置に一致させることできる。
【0072】
また、このコンプレッサ1には、ロッド5、6の位置を検出する検出手段として、例えば、ロッド側クランク機構側に、ロッド側クランク軸48の位相を検出する図示しないロータリーエンコーダ等を設けるのが好ましい。これによれば、例えば、DCモータ等、いかなるモータ(駆動源)を用いた場合でも、ロッド側クランク軸48の位相、すなわち、ロッド5、6の位置を把握することができ、これにより、ロッド5、6が保持される位置を、より確実に目的の位置に一致させることできる。
また、このコンプレッサ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】
(第3実施形態)
次に、本発明のコンプレッサの第3実施形態について説明する。
図14は、本発明のコンプレッサの第3実施形態における要部を示す図、図15は、図14に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。
以下、第3実施形態のコンプレッサ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0074】
図14に示すように、第3実施形態のコンプレッサ1では、保持機構7のうち、ロッド5、6側の保持機構を変更し、ロッド5、6が保持される位置を一定(図示例では、所定の2カ所のうちのいずれか一方)にする位置決め手段を設けた点に特徴を有する。
このコンプレッサ1では、ロッド5、6側のラック76が幅広の天井部762を有する。そして、ラック76は、軸72の回転によりピニオンギア74により送られて、ロッド側クランク軸48の各クランク部481、482の底部に当接する(図15(b)参照)。これにより、クランク部481、482が係止され、ロッド側クランク軸48の回転が阻止(防止)される。
【0075】
ピニオンギア74は、ラック76がクランク部481、482に当接した状態にて、ラック76との噛み合いが外れて空回りする。この空回り機構は、第2実施形態にかかるコンプレッサ1の保持機構7と同様である。また、このコンプレッサ1では、ロッド5、6側のクランク側ギア78が不要となり、省略される。このコンプレッサ1によれば、ロッド側クランク軸48の回転を、常に、図15(b)に示すロッド5が下方に位置し、ロッド6が上方に位置する第1の位相(第1の回転角)と、ロッド6が下方に位置し、ロッド5が上方に位置する第2の位相(第2の回転角)とのいずれか一方にて阻止することができる。これにより、ロッド5、6を、一定の位置、すなわち、ロッド5が下方でロッド6が上方に位置する場合と、ロッド6が下方でロッド5が上方に位置する場合とのいずれか一方の位置に確実に保持することができる。なお、この位置決め手段は、前記第1の位相と前記第2の位相とで、ロッド5とロッド6の上下方向(長手方向)の位置が等しくなるように構成されていてもよい。
【0076】
また、このコンプレッサ1では、駆動源として、例えば、DCモータ等のいかなるモータ(駆動源)を、ロッド側クランク軸48の位相を制御することなく適用する場合でも、ロッド5、6を前記一定の位置に確実に保持することができる。
また、このコンプレッサ1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0077】
ここで、本発明では、例えば、前記保持機構7のうち、ピストン3側の保持機構を変更し、ピストン3が保持される位置を一定(例えば、所定の2カ所のうちのいずれか一方)にする位置決め手段を設けてもよい。これには、例えば、前記ロッド5、6が保持される位置を一定にする位置決め手段と同様の手段を用いることができる。
【0078】
これによれば、ピストン側クランク軸42の回転を、常に、ピストン3が上方側に位置する第1の位相(第1の回転角)と、下方側に位置する第2の位相(第2の回転角)とのいずれか一方にて阻止することができる。これにより、ピストン3を、一定の位置、すなわち、前記2カ所のうちのいずれか一方の位置に確実に保持することができる。この位置決め手段は、前記第1の位相と前記第2の位相とで、ピストン3の位置が等しくなるように構成するのが好ましい。
【0079】
また、本発明では、例えば、前記ロッド5、6が保持される位置を一定にする位置決め手段と、前記ピストン3が保持される位置を一定にする位置決め手段とを設けてもよい。
これによれば、ピストン3およびロッド5、6を前記一定の位置に確実に保持することができる。
【0080】
(第4実施形態)
次に、本発明のコンプレッサの第4実施形態について説明する。
図16は、本発明のコンプレッサの第4実施形態における外部側バルブを示す断面図である。
以下、第4実施形態のコンプレッサ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0081】
図16に示すように、第4実施形態のコンプレッサ1では、外部側バルブ(ダックビルバルブ)22は、ロッド6の挿入を補助する手段、すなわち、ロッド6の先端部を、開口部22aと反対側において閉口部22bのロッド6が挿入される部位(切り込み)に導くガイド部(ガイド手段)22cを有する点に特徴を有する。
【0082】
ガイド部22cは、閉口部22bの開口部22aと反対側に設けられ、閉口部22bのロッド6が挿入される部位に連通する孔部(開口部)221を有している。この孔部221の内径(大きさ)は、閉口部22cのロッド6が挿入される部位に向って漸減している。すなわち、孔部221の内面は、閉口部22bのロッド6が挿入される部位まで続く傾斜面を形成している。
【0083】
なお、前記傾斜面が設けられている部分は、閉口部22bのロッド6が挿入される部位の近傍までであってもよい。
また、ガイド部22cは、前記孔部221が設けられているものには限定されないことは言うまでもない。
このガイド部22cは、外部側バルブ22がシリンダ2に設置された状態にて、シリンダ2の内部側に位置する。
【0084】
このコンプレッサ1において、ロッド6の挿入により外部側バルブ22を開くときは、ロッド6の先端部は、孔部221の内面(傾斜面)に沿って、閉口部22bのロッド6が挿入される部位に導かれる。
これにより、ロッド6の先端部は、より確実に閉口部22bに挿入され、より確実に外部側バルブ22を開くことができる。
また、このコンプレッサ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、この第4実施形態における外部側バルブ22は、前述した第2実施形態および第3実施形態にも適用することができる。
【0085】
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のコンプレッサを示す断面側面図である。
【図2】図1に示すコンプレッサのA−A視断面図である。
【図3】図1に示すコンプレッサのバルブの断面図である。
【図4】図1に示すコンプレッサの駆動機構の斜視図である。
【図5】図4に示す駆動機構の共有ギア付近を示す断面図である。
【図6】図4に示す駆動機構のクラッチを示す図である。
【図7】図1に示すコンプレッサのバルブの開閉の様子を示す図である。
【図8】図1に示すコンプレッサのバルブの開閉の様子を示す図である。
【図9】図1に示すコンプレッサのバルブの開閉の様子を示す図である。
【図10】図1に示すコンプレッサのクランク部を示す図である。
【図11】図1に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。
【図12】第2実施形態のコンプレッサの要部を示す図である。
【図13】図12に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。
【図14】第3実施形態のコンプレッサの要部を示す図である。
【図15】図14に示すコンプレッサの作用を説明するための図である。
【図16】第4実施形態のコンプレッサの外部側バルブを示す断面図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ、2 シリンダ、3 ピストン、4 駆動機構、5 タンク側ロッド、6 外部側ロッド、7 保持機構、211 天井部、212 底部 22 外部側バルブ、22a 開口部、22b 閉口部、22c ガイド部、221 孔部、23 タンク側バルブ、23a 開口部、23b 閉口部、31 Oリング、32 孔、33 孔、41 ピストン側連結棒、42 ピストン側クランク軸、43 ピストン側クラッチ、44 共有ギア、46 ロッド側連結棒、47 ロッド側連結棒、48 ロッド側クランク軸、49 ロッド側クラッチ、51 Oリング、61 Oリング、71 モータ側ギア、72 軸、73 ピニオンギア、74 ピニオンギア、75 ラック、76 ラック、77 クランク側ギア、78 クランク側ギア、79 バネ、421 クランク部、422 軸受、423 溝部、481 クランク部、482 クランク部、483 軸受、484 溝部、751 歯溝、761 歯溝、762 天井部、g 隙間

Claims (17)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に収容され、該シリンダ内にて駆動されるピストンと、
    前記シリンダに設けられ、前記ピストンの駆動により供給元側から流体を前記シリンダの内部に取り込むとき開く第1の一方向弁と、
    前記シリンダに設けられ、前記ピストンの駆動により前記シリンダの内部の流体を供給先側に送り出すとき開く第2の一方向弁と、
    前記第1の一方向弁を強制的に開く第1の開放手段と、
    前記第2の一方向弁を強制的に開く第2の開放手段とを備えるコンプレッサであって、
    前記ピストンの駆動により、供給元の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給先に供給し、
    前記ピストンの駆動停止時において、前記第1の開放手段および前記第2の開放手段により、それぞれ、所定のタイミングで前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を開閉し、供給先の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給元に排出するよう構成されていることを特徴とするコンプレッサ。
  2. 供給先の流体を供給元に排出する際は、前記第1の開放手段および前記第2の開放手段により、前記第1の一方向弁と前記第2の一方向弁とが交互に開くよう構成されている請求項1に記載のコンプレッサ。
  3. シリンダと、
    前記シリンダ内に収容され、該シリンダ内にて駆動されるピストンと、
    前記シリンダに設けられ、開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有し、前記ピストンの駆動により供給元側から流体を前記シリンダの内部に取り込むとき、前記閉口部が開く第1の一方向弁と、
    前記シリンダに設けられ、開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有し、前記ピストンの駆動により前記シリンダの内部の流体を供給先側に送り出すとき、前記閉口部が開く第2の一方向弁と、
    前記シリンダ内にて駆動され、前記第1の一方向弁の閉口部に挿入されて該第1の一方向弁を強制的に開く第1の挿入体と、
    前記シリンダ内にて駆動され、前記第2の一方向弁の閉口部に挿入されて該第2の一方向弁を強制的に開く第2の挿入体とを備えるコンプレッサであって、
    前記ピストンの駆動により、供給元の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給先に供給し、
    前記ピストンの駆動停止時において、前記第1の挿入体および前記第2の挿入体の駆動により、それぞれ、所定のタイミングで前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を開閉し、供給先の流体を前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁を介して、供給元に排出するよう構成されていることを特徴とするコンプレッサ。
  4. 供給先の流体を供給元に排出する際は、前記第1の挿入体および前記第2の挿入体の駆動により、前記第1の一方向弁と前記第2の一方向弁とが交互に開くよう構成されている請求項3に記載のコンプレッサ。
  5. 前記挿入体は、棒状をなしており、その軸方向に駆動される請求項3または4に記載のコンプレッサ。
  6. 前記一方向弁は、弾性を有し、前記挿入体が挿入されることにより変形して前記閉口部が開き、前記挿入体が引き抜かれることにより復元して前記閉口部が閉じるよう構成されている請求項3ないし5のいずれかに記載のコンプレッサ。
  7. 前記第1の一方向弁は、前記第1の挿入体の先端部を、前記開口部と反対側において前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導くガイド手段を有する請求項3ないし6のいずれかに記載のコンプレッサ。
  8. 前記ガイド手段は、前記閉口部の前記開口部と反対側に設けられ、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位またはその近傍まで続く傾斜面を有するガイド部を備え、
    前記第1の挿入体の先端部は、前記傾斜面に沿って、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導かれる請求項7に記載のコンプレッサ。
  9. 前記ガイド手段は、前記閉口部の前記開口部と反対側に設けられ、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に連通する孔部を有するガイド部を備え、
    前記第1の挿入体の先端部は、前記孔部の内面に沿って、前記閉口部の前記第1の挿入体が挿入される部位に導かれる請求項7に記載のコンプレッサ。
  10. 前記ピストンには貫通孔が形成されており、前記挿入体は、前記貫通孔に挿通されている請求項3ないし9のいずれかに記載のコンプレッサ。
  11. 前記ピストンと前記挿入体とが、共通の駆動源により駆動される請求項3ないし10のいずれかに記載のコンプレッサ。
  12. ピストン側クランク軸を有し、該ピストン側クランク軸の回転により前記ピストンを駆動するピストン側クランク機構と、
    挿入体側クランク軸を有し、該挿入体側クランク軸の回転により前記挿入体を駆動する挿入体側クランク機構と、
    前記駆動源からの駆動力を、前記ピストン側クランク軸と、前記挿入体側クランク軸との一方のみに選択的に伝達し、前記ピストン側クランク軸と、前記挿入体側クランク軸との一方のみを選択的に回転させる動力伝達機構とを備える請求項11に記載のコンプレッサ。
  13. 前記ピストンの駆動の際、前記挿入体を所定の位置に保持する挿入体側保持機構を有する請求項3ないし12のいずれかに記載のコンプレッサ。
  14. 前記挿入体側保持機構は、前記挿入体が保持される位置を一定にする位置決め手段を有する請求項13に記載のコンプレッサ。
  15. 前記挿入体の駆動の際、前記ピストンを所定の位置に保持するピストン側保持機構を有する請求項3ないし14のいずれかに記載のコンプレッサ。
  16. 前記ピストン側保持機構は、前記ピストンが保持される位置を一定にする位置決め手段を有する請求項15に記載のコンプレッサ。
  17. 開口部と、該開口部に連通し、開放可能な閉口部とを有するダックビルバルブであって、
    前記開口部と反対側から前記閉口部に挿入される挿入体の先端部を、前記閉口部の前記挿入体が挿入される部位に導くガイド手段を有することを特徴とするダックビルバルブ。
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