JP2004355486A - 多機能icカード及びicカード端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】デビットカード機能における通常の残高やクレジットカード機能の通常の利用可能額に関する情報へとアクセスしなくとも、多機能ICカードを用いてオフラインで決済を行なう。
【解決手段】複数のカード機能を統合してなる多機能ICカード100には、デビットカード機能用のオフライン残高211と、クレジットカード機能用のオフライン残高212を記憶している。ICカード端末から決済額を受信すると、CPU201は、デビットカード機能用のオフライン残高211又はクレジットカード機能用のオフライン残高212と比較し、決済可能であれば、このオフライン残高で決済処理を行なう。
【選択図】 図2
【解決手段】複数のカード機能を統合してなる多機能ICカード100には、デビットカード機能用のオフライン残高211と、クレジットカード機能用のオフライン残高212を記憶している。ICカード端末から決済額を受信すると、CPU201は、デビットカード機能用のオフライン残高211又はクレジットカード機能用のオフライン残高212と比較し、決済可能であれば、このオフライン残高で決済処理を行なう。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のカード機能が統合された多機能ICカードに係り、とりわけ、デビットカード機能とクレジッドカード機能をオフライン状態において利用するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デビットカードやクレジッドカードを使用して決済を行なう際には、カードリーダがカード内に記憶されたカード番号等を読み出し、読み出されたカード番号とキーボードから入力された支払金額とを、カード会社のコンピュータに対しリアルタイムで送信することで、オンライン決済を行なってきた。
【0003】
ところで、利用者が電子マネーで商品を購入する際に、電子マネーの残高が不足した場合でも所定の範囲内において決済することが可能なデビット決済と電子マネーとの併用方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−266030号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によれば、通信回線の障害やカード会社のコンピュータがダウンしているときは、クレジットカード機能やデビットカード機能を使用できないケースがあった。
【0005】
とりわけ、デビットカード機能については、銀行などの決済口座の残高をリアルタイムで調査して、取引代金を支払い可能かどうか判定していたため、オフライン状態では全く取引ができないという課題があった。
【0006】
例えば、カード利用者にとっては商品を購入できず、店舗にとってはビジネスチャンスを失うという不利益が生じよう。
【0007】
なお、クレジットカードについては、カード上のエンボスとカーボン用紙などを利用して古典的な取引を行なうことも可能であるが、その場合は、決済額が、クレジットカードの利用限度額内であるかどうかをカード会社に電話で確認する必要があり、カード利用者にとっても店舗にとっても不便である。
【0008】
ところで、上述のシステム障害とは別に、入場料の支払窓口、改札、キオスク、及び繁忙期の店舗など、非常に短時間で決済することが望ましい場合がある。このような場合にセンターへのアクセス時間などを余分に必要とするオンライン決済を実行していたのでは、短時間で多数の顧客に対応できなくなり、売り上げに影響するおそれもあった。
【0009】
そこで、本発明はこのような課題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくともクレジットカード機能とデビットカード機能を有する多機能ICカードであって、前記デビットカード機能を使用するための第1のカード処理装置又はクレジットカード機能を使用するための第2のカード処理装置と通信する通信回路と、前記第1のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるデビットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第1の記憶回路と、前記第2のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるクレジットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第2の記憶回路と、前記通信回路を介して前記カード処理装置から送信される支払金額情報に基づいて前記デビットカード機能用のオフライン決済残高及び前記クレジットカード機能用のオフライン決済残高の少なくとも一方を更新するよう制御する制御回路とを含む多機能ICカードが提供される。
【0011】
このように多機能ICカードを構成することで、センター側の決済装置に対して接続状態又は非接続状態の何れの場合であっても、デビットカード機能やクレジットカード機能を用いてオフライン決済が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下の実施形態は、上位概念として開示される本発明の下位概念にすぎない。すなわち、以下の実施形態は、特許請求の範囲によって確定される本願発明の技術的範囲に含まれるほんの一部の実施形態にすぎないのである。従って、本願の明細書又は図面に開示された上位概念たる発明であって、特許請求の範囲に記載された発明と技術思想が共通すれば、たとえ本願明細書又は図面に直接的に記載されていない実施形態であっても本願発明の技術的範囲に包含される。
【0013】
なお、以下の実施形態に記載する下位概念の発明について、そのすべてが特許請求の範囲に記載されているとは限らない。ただし、これは特許発明の技術的範囲から意識的に除外したのではなく、特許発明と均等の関係にあるため特許請求の範囲には記載していない場合があることを理解していただきたい。
【0014】
図1は、本実施形態に係る多機能ICカードシステムの一例を示した図である。多機能ICカード100は、少なくともデビットカード機能とクレジットカード機能とを含む。なお、キャッシュカード機能、電子マネーカード機能、公共交通機関の定期券機能、マイレージカード機能、住民基本台帳の個人登録カード機能、コンビニエンスストア、百貨店又はスーパーなどの流通業界が提供しているハウスカード機能やポイントカード機能などの1以上が統合されていてもよい。
【0015】
ICカードリーダライタ端末装置(ICカード端末と称す。)110及び112は、多機能ICカード100と種々の情報を送受信、又は読み出し・書き込み処理を実行したり、通信網を介してデビットカード決済サーバ120やクレジットカード決済サーバ122などと通信し各種の決済処理を実行したりする端末装置である。
【0016】
デビットカード決済サーバ120は、各カード利用者ごとのデビッド決済口座に関する情報を記憶しており、ICカード端末110及び112から送信されてくる決済要求に応じて、対応する決済口座の残高を減額するコンピュータである。
【0017】
クレジットカード決済サーバ122は、各カード利用者ごとのクレジッド決済口座に関する情報を記憶しており、ICカード端末110及び112から送信されてくる決済要求に応じて、対応する決済口座に支払額を加算するコンピュータである。
【0018】
図2は、本実施形態に係る多機能ICカードのブロック図である。CPU201は、制御プログラムに従って多機能ICカード100内の各部を制御する中央演算処理装置である。例えば、制御プログラムとしては、後述するフローチャートに従ったオフライン処理プログラムが含まれる。RAM202は、制御プログラムを実行する際に必要となる作業領域や各種のデータを記憶する記憶装置である。マスクROM203は、制御プログラムや各種のデータを記憶するための記憶装置である。EEPROM204は、デビット用の残高211、クレジット用の残高212、許可フラグ213及び優先度情報214などを記憶する書き換え可能な記憶装置である。EEPROM204は、フラッシュメモリなどに置き換えてもよい。通信インタフェース207は、ICカード端末110等と通信するための通信(カード)インタフェースである。通信IF207は、非接触型インタフェース及び接触型インタフェースの少なくとも一方を搭載している。
【0019】
図3は、本実施形態に係るICカードリーダライタ端末装置のブロック図である。CPU301は、ROM303に格納されているコンピュータプログラムに基づいて制御を実行する中央演算処理装置である。例えば、制御プログラムとしては、後述するフローチャートに従ったオフライン処理プログラムが含まれる。RAM302は、データなどを記憶する揮発性の記憶装置である。ROM303は、書き換え不能のマスクROMや書き換え可能なEEPROMなどの記憶装置である。表示装置304は、多機能ICカード100との通信結果などを表示するディスプレイである。操作部305は、タッチパネルデバイスやテンキーなどの入力装置である。通信インタフェース307は、サーバ120〜122などと接続するための通信回路である。カード(通信)インタフェース308は、多機能ICカード100に搭載されている磁気ストライプからデータを読み出したり、当該磁気ストライプにデータを書き込むための磁気カード装置、接触型ICカードの接続端子からデータを読み出したり、書き込んだりするための接触型リーダライタ装置、及び非接触型ICカードと無線通信を行い、データを読み出したり、書き込んだりするための非接触型リーダライタ装置の少なくとも一つを搭載している。
【0020】
なお、ICカード端末110は、POSシステムなどの会計装置と一体化されていてもよい。また、ICカード端末110は、例えば、複数のカードリーダライタ装置とホスト装置とからなるローカルなICカードシステムであってもよい。この場合は、ホスト装置を経由して各種の決済サーバと通信を実行することになろう。
【0021】
図4は、本実施形態に係るICカードリーダライタ端末装置におけるオフライン支払処理のフローチャートである。
【0022】
ステップS400において、ICカード端末110のCPU301は、カードIF308を制御してICカード100と通信を行い、ICカード100に記憶されている各種の情報を受信する。
【0023】
ステップS402において、CPU301は、オフライン決済を実行するか否かを判定する。例えば、通信IF307を制御して決済サーバ120や122との通信状態をテストし、オフライン状態か否かを判定してもよい。代替的に、CPU301は、オフライン支払かオンライン支払かを問い合わせるためのメッセージを表示装置304に表示し、操作部305からの操作信号に応じて、カード利用者がオフライン支払を希望しているかを判定してもよい。オンライン決済を実行すると判定した場合には、ステップS490に進み、通常のオンライン支払を実行する。一方、オフライン支払であると判定した場合には、ステップS404に進む。
【0024】
ステップS404において、CPU301は、デビット用のオフライン残高を用いて支払うのか、クレジッド用のオフライン残高を用いて支払うのかを判定する。例えば、CPU301は、デビットかクレジッドかを問い合わせるためのメッセージを表示装置304に表示し、操作部305からの操作信号に応じていずれであるかを判定できる。代替的に、ICカード100から受信した許可フラグ213に基づいてデビット機能による支払を実行できるか否かを判定してもよい。判定の結果、クレジットでのオフライン支払であれば、ステップS426に進み、CPU301は、支払額を含むクレジットでのオフライン支払要求を作成し、カードIF308を制御してこの支払要求をICカード100に送信する。一方、デビットでのオフライン支払であれば、ステップS406に進む。
【0025】
ステップS406において、CPU301は、支払額を含むデビットでのオフライン支払要求を作成し、カードIF308を制御してこの支払要求をICカード100に送信する。
【0026】
ステップS408において、CPU301は、ICカード100から、オフライン残高の更新を完了したことを表す情報を受信したか否かを判定する。完了報告を受信したのであれば、ステップS410に進む。残高不足に関する報告を受信した場合には、ステップS428に進みエラー処理を実行する。例えば、表示装置304に、残高不足を表すメッセージなどを表示する。
【0027】
ステップS410において、CPU301は、決済サーバ120又は122宛ての決済データを作成する。この決済データには、例えば、オフライン決済による決済額、カードの識別情報に関する情報などが含まれている。
【0028】
ステップS412において、CPU301は、決済サーバ120又は122に対して決済データを送信するタイミングであるかどうかを判定する。例えば、あらかじめ定期的な送信時刻を定めておき、タイマー値と比較することにより判定してもよいし、通信IF307を再びテストし、IC端末装置110と決済サーバ120とが通信可能な状態へと復帰したか否かを判定してもよい。
【0029】
ステップS414において、CPU301は、作成した決済データを決済サーバに送信し、処理を終了する。決済サーバは、受信した決済データに基づいてオフライン決済処理に関するログデータを作成し、記憶する。
【0030】
図5は、本実施形態に係るICカードにおけるオフライン支払処理のフローチャートである。
【0031】
ステップS500において、CPU201は、EEPROM204に記憶されているICカードを特定可能な識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を、通信インタフェース207を介してICカード端末110に送信する。
【0032】
ステップS502において、CPU201は、通信IF207を介して、ICカード端末110から送信される支払要求を受信する。
【0033】
ステップS504において、CPU201は、受信した支払要求がオフラインによるものかオンラインによるものかを判定する。オフラインによる支払であれば、ステップS506に進む。そうでなければ、ステップS590に進み、通常のオンラインによりオンライン処理を実行する。
【0034】
ステップS506において、CPU201は、支払要求がデビッドによるオフライン支払要求か、クレジットによるオフライン支払要求かを判定する。オフライン支払要求であればステップS508に進み、クレジットによるオフライン支払要求であればステップS528に進む。
【0035】
ステップS508において、CPU201は、EEPROM204からデビット用のオフライン残高データ211を読み出し、支払要求に含まれていた支払額と比較し、決済可能か否かを判定する。決済可能であればステップS510に進み、そうでなければ残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0036】
ステップS510において、CPU201は、読み出したオフライン残高から支払要求額を減額処理し、減額後の残高をEEPROM204に書き込む。
【0037】
ステップS512において、CPU201は、オフライン残高の更新完了を表す完了報告をICカード端末110に送信し、処理を終了する。
【0038】
一方、クレジットカードによるオフライン支払の場合は、ステップS528において、CPU201は、EEPROM204からクレジット用のオフライン残高データ212を読み出し、支払要求に含まれていた支払額と比較し、決済可能か否かを判定する。決済可能であればステップS530に進み、そうでなければ残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0039】
ステップS530において、CPU201は、読み出したオフライン残高から支払要求額を減額処理し、減額後の残高をEEPROM204に書き込む。
【0040】
ステップS532において、CPU201は、オフライン残高の更新完了を表す完了報告をICカード端末110に送信し、処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、例えば、通信回線異常のときや、カード処理を迅速に実行したいときなどにおいて、一定又は可変の限度額の範囲内でオフラインによる決済を実行できる。カード利用者にとっては、オンライン決済に比較し迅速に決済できる利点が得られるだろう。また、店舗等にとっては、通信回線異常のときや繁忙期などにおいてもビジネスチャンスを有効に享受しやすくなるといった利点が得られよう。
【0042】
なお、オフライン残高は、カード利用者との契約によって決定される。クレジットカード機能については、例えば、利用限度額の5分の1にするなど、一般には利用限度額を超えない範囲がリスク管理の上からは好ましいかもしれない。
【0043】
デビットカード機能については、予め口座残高の一定額をオフライン残高としてロックしてしまい、他の用途の支払には利用できないように決済サーバ120が制御してもよいだろう。あるいは、口座残高が、オフラインにより使用された金額に満たない場合は、不足分を自動で貸し付けるように決済サーバ120が処理してもよい。
【0044】
図6は、本実施形態に係る許可フラグ213の一例を示した図である。この例では、オフラインデビット用の残高やオフラインクレジット用の残高などがICカード110のEEPROM204内に記憶されているかを表す残高データの有無フラグと、当該残高による支払処理が有効にされているか否かを表す有効・無効フラグとが、許可フラグ213として含まれている。有効・無効フラグは、オフライン残高による決済サービスにカード利用者が加入している場合に有効とされる。契約が未締結であったり、契約は締結していても一時的に使用を中断したい場合には無効とされる。また、オフライン残高が0の場合にもCPU201は無効としてもよい。
【0045】
この有効・無効フラグは、例えば、ステップS402において使用してもよい。具体的には、CPU301が、カードIF308を介して有効・無効フラグを読み出し、読み出されたフラグの内容に従い、オンラインで決済するのかオフラインで決済するのかを判定できる。このようにオフライン支払方法を利用するかを予めICカード内に設定情報として保存しておくことで、オフライン支払の度に支払い方法を店員に知らせる手間を省ける利点があろう。
【0046】
図7は、本実施形態に係るオフライン決済における優先度などを管理するための優先度情報の一例を示した図である。
【0047】
すなわち、CPU201は、複数の動作モードの中から予め設定された動作モードに応じて上述のオフライン決済処理を実行してもよい。図7では、デビットカード機能用のオフライン決済残高のみを用いたオフライン決済を実行する動作モードと、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみを用いたオフライン決済を実行する動作モードと、デビットカード機能用のオフライン決済残高をクレジッドカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用する優先動作モードと、クレジットカード機能用のオフライン決済残高をデビットカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用する優先動作モードが例示されている。ICカード端末110のCPU301は、例えば、ステップS404において、ICカード100から受信した優先度情報214に基づいて、いずれのモードにて決済を実行するかを判定できる。
【0048】
このように、オフライン決済時に優先して利用すべき残高が何であるかを予め設定しておくことで、オフライン決済の度にユーザに選択してもらう方法よりも迅速にオフライン決済を実行できよう。
【0049】
ちなみに、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみ又はクレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみを用いた決済モードは、図4と図5で説明したとおりである。一方、デビットカード機能用のオフライン決済残高を優先利用する決済モードと、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を優先利用する決済モードは、優先度が反対になるだけで非常に類似した手順であるため、双方を代表して前者を詳細に説明することにする。
【0050】
図8は、本実施形態に係る優先度を利用したオフライン決済処理に係るフローチャートである。この例では、図7のようにオフラインデビット決済をオフラインクレジット決済よりも優先して実行するようにICカード100が設定されているものとする。なお、図5と共通する個所は同一の参照符号を付すことにより重複した説明を省略する。
【0051】
ステップS508において、CPU201は、デビット機能によりオフライン決済残高が不足していると判定するとステップS800に進む。
【0052】
ステップS800において、CPU201は、デビット機能によりオフライン決済残高と支払要求額との差分から不足額を算出する。
【0053】
ステップS802において、CPU201は、クレジット機能によるオフライン残高と算出された不足額とを比較し、不足額をクレジット機能によるオフライン残高で決済可能かを判定する。決済可能であればステップS804に、決済不可能であれば、残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0054】
ステップS804において、CPU201は、デビット用のオフライン残高の全額を減額処理する。
【0055】
ステップS806において、CPU201は、クレジット用のオフライン残高から、不足額を減額処理する。
【0056】
ステップS808において、CPU201は、デビット用のオフライン残高により決済した額と、クレジット用のオフライン残高により決済した額とを含む残高更新完了報告をICカード端末110に送信する。ICカード端末110は、受信した残高更新完了報告に基づき、デビットカード決済サーバ120と、クレジットカード決済サーバ122の双方に対して、それぞれ決済額を送信する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、予めICカード100内において設定されているオフライン決済方法を使用するため、より迅速にオフライン決済を実行できる。
【0058】
さらに、デビット機能によるオフライン決済残高が不足の場合は、クレジットカード機能によるオフライン決済残高から不足分を補って決済し、クレジット機能によるオフライン決済残高が不足の場合は、デビットカード機能によるオフライン決済残高から不足分を補って決済するため、カード利用者は、多機能ICカードが有する総合的な資産価値を有効に生かして商品等を購入できるようになる。店舗にとっては、お客を待たせる時間を短縮できる場合が増え、ビジネスチャンスが増えると間がえられる。
【0059】
なお、代替的に、CPU201は、一方のオフライン残高が不足の場合に、他方のオフライン残高から全額を支払い可能かどうかを判定し、可能なら他方のオフライン残高から全額を支払うように制御してもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では、予め設定されたデフォルトの優先度にもとづいてオフライン支払方法を選択していたが、カード利用者が他の支払方法を希望する場合もあろう。そのような場合は、操作部305から所望の支払方法を選択し、CPU301が選択された支払方法に基づく支払要求をICカード100に送信してもよい。このようにすれば、その時々のカード利用者の希望を反映させることができ、オフライン処理システムの柔軟性が一層増すことになろう。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、デビットカード機能の通常の残高やクレジットカード機能の通常の利用可能額に関する情報へとアクセスしなくとも、オフラインで決済可能な多機能ICカードが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態に係る例示的な多機能ICカードシステムの概要を説明するための図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る例示的な多機能ICカードのブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る例示的なICカードリーダライタ装置のブロック図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るICカードリーダライタ装置における例示的なオフライン決済処理についてのフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態に係る多機能ICカードにおける例示的なオフライン決済処理についてのフローチャートである。
【図6】図6は、本実施形態に係るオフライン決済処理の例示的な許可フラグを示した図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る例示的なオフライン決済処理の優先度情報を示した図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る多機能ICカードにおける例示的なオフライン決済処理についての他のフローチャートである。
【符号の説明】
100…多機能ICカード
110…ICカードリーダライタ
112…ICカードリーダライタ
120…デビットカード決済サーバ
122…クレジットカード決済サーバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のカード機能が統合された多機能ICカードに係り、とりわけ、デビットカード機能とクレジッドカード機能をオフライン状態において利用するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デビットカードやクレジッドカードを使用して決済を行なう際には、カードリーダがカード内に記憶されたカード番号等を読み出し、読み出されたカード番号とキーボードから入力された支払金額とを、カード会社のコンピュータに対しリアルタイムで送信することで、オンライン決済を行なってきた。
【0003】
ところで、利用者が電子マネーで商品を購入する際に、電子マネーの残高が不足した場合でも所定の範囲内において決済することが可能なデビット決済と電子マネーとの併用方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−266030号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によれば、通信回線の障害やカード会社のコンピュータがダウンしているときは、クレジットカード機能やデビットカード機能を使用できないケースがあった。
【0005】
とりわけ、デビットカード機能については、銀行などの決済口座の残高をリアルタイムで調査して、取引代金を支払い可能かどうか判定していたため、オフライン状態では全く取引ができないという課題があった。
【0006】
例えば、カード利用者にとっては商品を購入できず、店舗にとってはビジネスチャンスを失うという不利益が生じよう。
【0007】
なお、クレジットカードについては、カード上のエンボスとカーボン用紙などを利用して古典的な取引を行なうことも可能であるが、その場合は、決済額が、クレジットカードの利用限度額内であるかどうかをカード会社に電話で確認する必要があり、カード利用者にとっても店舗にとっても不便である。
【0008】
ところで、上述のシステム障害とは別に、入場料の支払窓口、改札、キオスク、及び繁忙期の店舗など、非常に短時間で決済することが望ましい場合がある。このような場合にセンターへのアクセス時間などを余分に必要とするオンライン決済を実行していたのでは、短時間で多数の顧客に対応できなくなり、売り上げに影響するおそれもあった。
【0009】
そこで、本発明はこのような課題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくともクレジットカード機能とデビットカード機能を有する多機能ICカードであって、前記デビットカード機能を使用するための第1のカード処理装置又はクレジットカード機能を使用するための第2のカード処理装置と通信する通信回路と、前記第1のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるデビットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第1の記憶回路と、前記第2のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるクレジットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第2の記憶回路と、前記通信回路を介して前記カード処理装置から送信される支払金額情報に基づいて前記デビットカード機能用のオフライン決済残高及び前記クレジットカード機能用のオフライン決済残高の少なくとも一方を更新するよう制御する制御回路とを含む多機能ICカードが提供される。
【0011】
このように多機能ICカードを構成することで、センター側の決済装置に対して接続状態又は非接続状態の何れの場合であっても、デビットカード機能やクレジットカード機能を用いてオフライン決済が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下の実施形態は、上位概念として開示される本発明の下位概念にすぎない。すなわち、以下の実施形態は、特許請求の範囲によって確定される本願発明の技術的範囲に含まれるほんの一部の実施形態にすぎないのである。従って、本願の明細書又は図面に開示された上位概念たる発明であって、特許請求の範囲に記載された発明と技術思想が共通すれば、たとえ本願明細書又は図面に直接的に記載されていない実施形態であっても本願発明の技術的範囲に包含される。
【0013】
なお、以下の実施形態に記載する下位概念の発明について、そのすべてが特許請求の範囲に記載されているとは限らない。ただし、これは特許発明の技術的範囲から意識的に除外したのではなく、特許発明と均等の関係にあるため特許請求の範囲には記載していない場合があることを理解していただきたい。
【0014】
図1は、本実施形態に係る多機能ICカードシステムの一例を示した図である。多機能ICカード100は、少なくともデビットカード機能とクレジットカード機能とを含む。なお、キャッシュカード機能、電子マネーカード機能、公共交通機関の定期券機能、マイレージカード機能、住民基本台帳の個人登録カード機能、コンビニエンスストア、百貨店又はスーパーなどの流通業界が提供しているハウスカード機能やポイントカード機能などの1以上が統合されていてもよい。
【0015】
ICカードリーダライタ端末装置(ICカード端末と称す。)110及び112は、多機能ICカード100と種々の情報を送受信、又は読み出し・書き込み処理を実行したり、通信網を介してデビットカード決済サーバ120やクレジットカード決済サーバ122などと通信し各種の決済処理を実行したりする端末装置である。
【0016】
デビットカード決済サーバ120は、各カード利用者ごとのデビッド決済口座に関する情報を記憶しており、ICカード端末110及び112から送信されてくる決済要求に応じて、対応する決済口座の残高を減額するコンピュータである。
【0017】
クレジットカード決済サーバ122は、各カード利用者ごとのクレジッド決済口座に関する情報を記憶しており、ICカード端末110及び112から送信されてくる決済要求に応じて、対応する決済口座に支払額を加算するコンピュータである。
【0018】
図2は、本実施形態に係る多機能ICカードのブロック図である。CPU201は、制御プログラムに従って多機能ICカード100内の各部を制御する中央演算処理装置である。例えば、制御プログラムとしては、後述するフローチャートに従ったオフライン処理プログラムが含まれる。RAM202は、制御プログラムを実行する際に必要となる作業領域や各種のデータを記憶する記憶装置である。マスクROM203は、制御プログラムや各種のデータを記憶するための記憶装置である。EEPROM204は、デビット用の残高211、クレジット用の残高212、許可フラグ213及び優先度情報214などを記憶する書き換え可能な記憶装置である。EEPROM204は、フラッシュメモリなどに置き換えてもよい。通信インタフェース207は、ICカード端末110等と通信するための通信(カード)インタフェースである。通信IF207は、非接触型インタフェース及び接触型インタフェースの少なくとも一方を搭載している。
【0019】
図3は、本実施形態に係るICカードリーダライタ端末装置のブロック図である。CPU301は、ROM303に格納されているコンピュータプログラムに基づいて制御を実行する中央演算処理装置である。例えば、制御プログラムとしては、後述するフローチャートに従ったオフライン処理プログラムが含まれる。RAM302は、データなどを記憶する揮発性の記憶装置である。ROM303は、書き換え不能のマスクROMや書き換え可能なEEPROMなどの記憶装置である。表示装置304は、多機能ICカード100との通信結果などを表示するディスプレイである。操作部305は、タッチパネルデバイスやテンキーなどの入力装置である。通信インタフェース307は、サーバ120〜122などと接続するための通信回路である。カード(通信)インタフェース308は、多機能ICカード100に搭載されている磁気ストライプからデータを読み出したり、当該磁気ストライプにデータを書き込むための磁気カード装置、接触型ICカードの接続端子からデータを読み出したり、書き込んだりするための接触型リーダライタ装置、及び非接触型ICカードと無線通信を行い、データを読み出したり、書き込んだりするための非接触型リーダライタ装置の少なくとも一つを搭載している。
【0020】
なお、ICカード端末110は、POSシステムなどの会計装置と一体化されていてもよい。また、ICカード端末110は、例えば、複数のカードリーダライタ装置とホスト装置とからなるローカルなICカードシステムであってもよい。この場合は、ホスト装置を経由して各種の決済サーバと通信を実行することになろう。
【0021】
図4は、本実施形態に係るICカードリーダライタ端末装置におけるオフライン支払処理のフローチャートである。
【0022】
ステップS400において、ICカード端末110のCPU301は、カードIF308を制御してICカード100と通信を行い、ICカード100に記憶されている各種の情報を受信する。
【0023】
ステップS402において、CPU301は、オフライン決済を実行するか否かを判定する。例えば、通信IF307を制御して決済サーバ120や122との通信状態をテストし、オフライン状態か否かを判定してもよい。代替的に、CPU301は、オフライン支払かオンライン支払かを問い合わせるためのメッセージを表示装置304に表示し、操作部305からの操作信号に応じて、カード利用者がオフライン支払を希望しているかを判定してもよい。オンライン決済を実行すると判定した場合には、ステップS490に進み、通常のオンライン支払を実行する。一方、オフライン支払であると判定した場合には、ステップS404に進む。
【0024】
ステップS404において、CPU301は、デビット用のオフライン残高を用いて支払うのか、クレジッド用のオフライン残高を用いて支払うのかを判定する。例えば、CPU301は、デビットかクレジッドかを問い合わせるためのメッセージを表示装置304に表示し、操作部305からの操作信号に応じていずれであるかを判定できる。代替的に、ICカード100から受信した許可フラグ213に基づいてデビット機能による支払を実行できるか否かを判定してもよい。判定の結果、クレジットでのオフライン支払であれば、ステップS426に進み、CPU301は、支払額を含むクレジットでのオフライン支払要求を作成し、カードIF308を制御してこの支払要求をICカード100に送信する。一方、デビットでのオフライン支払であれば、ステップS406に進む。
【0025】
ステップS406において、CPU301は、支払額を含むデビットでのオフライン支払要求を作成し、カードIF308を制御してこの支払要求をICカード100に送信する。
【0026】
ステップS408において、CPU301は、ICカード100から、オフライン残高の更新を完了したことを表す情報を受信したか否かを判定する。完了報告を受信したのであれば、ステップS410に進む。残高不足に関する報告を受信した場合には、ステップS428に進みエラー処理を実行する。例えば、表示装置304に、残高不足を表すメッセージなどを表示する。
【0027】
ステップS410において、CPU301は、決済サーバ120又は122宛ての決済データを作成する。この決済データには、例えば、オフライン決済による決済額、カードの識別情報に関する情報などが含まれている。
【0028】
ステップS412において、CPU301は、決済サーバ120又は122に対して決済データを送信するタイミングであるかどうかを判定する。例えば、あらかじめ定期的な送信時刻を定めておき、タイマー値と比較することにより判定してもよいし、通信IF307を再びテストし、IC端末装置110と決済サーバ120とが通信可能な状態へと復帰したか否かを判定してもよい。
【0029】
ステップS414において、CPU301は、作成した決済データを決済サーバに送信し、処理を終了する。決済サーバは、受信した決済データに基づいてオフライン決済処理に関するログデータを作成し、記憶する。
【0030】
図5は、本実施形態に係るICカードにおけるオフライン支払処理のフローチャートである。
【0031】
ステップS500において、CPU201は、EEPROM204に記憶されているICカードを特定可能な識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を、通信インタフェース207を介してICカード端末110に送信する。
【0032】
ステップS502において、CPU201は、通信IF207を介して、ICカード端末110から送信される支払要求を受信する。
【0033】
ステップS504において、CPU201は、受信した支払要求がオフラインによるものかオンラインによるものかを判定する。オフラインによる支払であれば、ステップS506に進む。そうでなければ、ステップS590に進み、通常のオンラインによりオンライン処理を実行する。
【0034】
ステップS506において、CPU201は、支払要求がデビッドによるオフライン支払要求か、クレジットによるオフライン支払要求かを判定する。オフライン支払要求であればステップS508に進み、クレジットによるオフライン支払要求であればステップS528に進む。
【0035】
ステップS508において、CPU201は、EEPROM204からデビット用のオフライン残高データ211を読み出し、支払要求に含まれていた支払額と比較し、決済可能か否かを判定する。決済可能であればステップS510に進み、そうでなければ残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0036】
ステップS510において、CPU201は、読み出したオフライン残高から支払要求額を減額処理し、減額後の残高をEEPROM204に書き込む。
【0037】
ステップS512において、CPU201は、オフライン残高の更新完了を表す完了報告をICカード端末110に送信し、処理を終了する。
【0038】
一方、クレジットカードによるオフライン支払の場合は、ステップS528において、CPU201は、EEPROM204からクレジット用のオフライン残高データ212を読み出し、支払要求に含まれていた支払額と比較し、決済可能か否かを判定する。決済可能であればステップS530に進み、そうでなければ残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0039】
ステップS530において、CPU201は、読み出したオフライン残高から支払要求額を減額処理し、減額後の残高をEEPROM204に書き込む。
【0040】
ステップS532において、CPU201は、オフライン残高の更新完了を表す完了報告をICカード端末110に送信し、処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、例えば、通信回線異常のときや、カード処理を迅速に実行したいときなどにおいて、一定又は可変の限度額の範囲内でオフラインによる決済を実行できる。カード利用者にとっては、オンライン決済に比較し迅速に決済できる利点が得られるだろう。また、店舗等にとっては、通信回線異常のときや繁忙期などにおいてもビジネスチャンスを有効に享受しやすくなるといった利点が得られよう。
【0042】
なお、オフライン残高は、カード利用者との契約によって決定される。クレジットカード機能については、例えば、利用限度額の5分の1にするなど、一般には利用限度額を超えない範囲がリスク管理の上からは好ましいかもしれない。
【0043】
デビットカード機能については、予め口座残高の一定額をオフライン残高としてロックしてしまい、他の用途の支払には利用できないように決済サーバ120が制御してもよいだろう。あるいは、口座残高が、オフラインにより使用された金額に満たない場合は、不足分を自動で貸し付けるように決済サーバ120が処理してもよい。
【0044】
図6は、本実施形態に係る許可フラグ213の一例を示した図である。この例では、オフラインデビット用の残高やオフラインクレジット用の残高などがICカード110のEEPROM204内に記憶されているかを表す残高データの有無フラグと、当該残高による支払処理が有効にされているか否かを表す有効・無効フラグとが、許可フラグ213として含まれている。有効・無効フラグは、オフライン残高による決済サービスにカード利用者が加入している場合に有効とされる。契約が未締結であったり、契約は締結していても一時的に使用を中断したい場合には無効とされる。また、オフライン残高が0の場合にもCPU201は無効としてもよい。
【0045】
この有効・無効フラグは、例えば、ステップS402において使用してもよい。具体的には、CPU301が、カードIF308を介して有効・無効フラグを読み出し、読み出されたフラグの内容に従い、オンラインで決済するのかオフラインで決済するのかを判定できる。このようにオフライン支払方法を利用するかを予めICカード内に設定情報として保存しておくことで、オフライン支払の度に支払い方法を店員に知らせる手間を省ける利点があろう。
【0046】
図7は、本実施形態に係るオフライン決済における優先度などを管理するための優先度情報の一例を示した図である。
【0047】
すなわち、CPU201は、複数の動作モードの中から予め設定された動作モードに応じて上述のオフライン決済処理を実行してもよい。図7では、デビットカード機能用のオフライン決済残高のみを用いたオフライン決済を実行する動作モードと、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみを用いたオフライン決済を実行する動作モードと、デビットカード機能用のオフライン決済残高をクレジッドカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用する優先動作モードと、クレジットカード機能用のオフライン決済残高をデビットカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用する優先動作モードが例示されている。ICカード端末110のCPU301は、例えば、ステップS404において、ICカード100から受信した優先度情報214に基づいて、いずれのモードにて決済を実行するかを判定できる。
【0048】
このように、オフライン決済時に優先して利用すべき残高が何であるかを予め設定しておくことで、オフライン決済の度にユーザに選択してもらう方法よりも迅速にオフライン決済を実行できよう。
【0049】
ちなみに、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみ又はクレジッドカード機能用のオフライン決済残高のみを用いた決済モードは、図4と図5で説明したとおりである。一方、デビットカード機能用のオフライン決済残高を優先利用する決済モードと、クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を優先利用する決済モードは、優先度が反対になるだけで非常に類似した手順であるため、双方を代表して前者を詳細に説明することにする。
【0050】
図8は、本実施形態に係る優先度を利用したオフライン決済処理に係るフローチャートである。この例では、図7のようにオフラインデビット決済をオフラインクレジット決済よりも優先して実行するようにICカード100が設定されているものとする。なお、図5と共通する個所は同一の参照符号を付すことにより重複した説明を省略する。
【0051】
ステップS508において、CPU201は、デビット機能によりオフライン決済残高が不足していると判定するとステップS800に進む。
【0052】
ステップS800において、CPU201は、デビット機能によりオフライン決済残高と支払要求額との差分から不足額を算出する。
【0053】
ステップS802において、CPU201は、クレジット機能によるオフライン残高と算出された不足額とを比較し、不足額をクレジット機能によるオフライン残高で決済可能かを判定する。決済可能であればステップS804に、決済不可能であれば、残高不足を表すエラーメッセージをICカード端末110に送信する。
【0054】
ステップS804において、CPU201は、デビット用のオフライン残高の全額を減額処理する。
【0055】
ステップS806において、CPU201は、クレジット用のオフライン残高から、不足額を減額処理する。
【0056】
ステップS808において、CPU201は、デビット用のオフライン残高により決済した額と、クレジット用のオフライン残高により決済した額とを含む残高更新完了報告をICカード端末110に送信する。ICカード端末110は、受信した残高更新完了報告に基づき、デビットカード決済サーバ120と、クレジットカード決済サーバ122の双方に対して、それぞれ決済額を送信する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、予めICカード100内において設定されているオフライン決済方法を使用するため、より迅速にオフライン決済を実行できる。
【0058】
さらに、デビット機能によるオフライン決済残高が不足の場合は、クレジットカード機能によるオフライン決済残高から不足分を補って決済し、クレジット機能によるオフライン決済残高が不足の場合は、デビットカード機能によるオフライン決済残高から不足分を補って決済するため、カード利用者は、多機能ICカードが有する総合的な資産価値を有効に生かして商品等を購入できるようになる。店舗にとっては、お客を待たせる時間を短縮できる場合が増え、ビジネスチャンスが増えると間がえられる。
【0059】
なお、代替的に、CPU201は、一方のオフライン残高が不足の場合に、他方のオフライン残高から全額を支払い可能かどうかを判定し、可能なら他方のオフライン残高から全額を支払うように制御してもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では、予め設定されたデフォルトの優先度にもとづいてオフライン支払方法を選択していたが、カード利用者が他の支払方法を希望する場合もあろう。そのような場合は、操作部305から所望の支払方法を選択し、CPU301が選択された支払方法に基づく支払要求をICカード100に送信してもよい。このようにすれば、その時々のカード利用者の希望を反映させることができ、オフライン処理システムの柔軟性が一層増すことになろう。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、デビットカード機能の通常の残高やクレジットカード機能の通常の利用可能額に関する情報へとアクセスしなくとも、オフラインで決済可能な多機能ICカードが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態に係る例示的な多機能ICカードシステムの概要を説明するための図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る例示的な多機能ICカードのブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る例示的なICカードリーダライタ装置のブロック図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るICカードリーダライタ装置における例示的なオフライン決済処理についてのフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態に係る多機能ICカードにおける例示的なオフライン決済処理についてのフローチャートである。
【図6】図6は、本実施形態に係るオフライン決済処理の例示的な許可フラグを示した図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る例示的なオフライン決済処理の優先度情報を示した図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る多機能ICカードにおける例示的なオフライン決済処理についての他のフローチャートである。
【符号の説明】
100…多機能ICカード
110…ICカードリーダライタ
112…ICカードリーダライタ
120…デビットカード決済サーバ
122…クレジットカード決済サーバ
Claims (8)
- 少なくともクレジットカード機能とデビットカード機能を有する多機能ICカードであって、
前記デビットカード機能を使用するための第1のカード処理装置又はクレジットカード機能を使用するための第2のカード処理装置と通信する通信回路と、
前記第1のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるデビットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第1の記憶回路と、
前記第2のカード処理装置と前記多機能ICカード間において決済可能な限度額であるクレジットカード機能用のオフライン決済残高を記憶する第2の記憶回路と、
前記通信回路を介して前記カード処理装置から送信される支払金額情報に応じて、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高及び前記クレジットカード機能用のオフライン決済残高の少なくとも一方を更新するよう制御する制御回路と
を含む多機能ICカード。 - 前記デビットカード機能用のオフライン決済残高を用いたオフライン決済の実行を許可するか否かを表す第1の許可情報を記憶する第3の記憶回路をさらに含み、
前記制御回路は、前記第1の許可情報がオフライン決済の許可を表している場合に、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高の範囲内でオフライン決済を実行する請求項1に記載の多機能ICカード。 - 前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を用いたオフライン決済の実行を許可するか否かを表す第2の許可情報を記憶する第4の記憶回路をさらに含み、
前記制御回路は、前記第2の許可情報がオフライン決済の許可を表している場合に、前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高の範囲内でオフライン決済を実行する請求項1又は2に記載の多機能ICカード。 - 前記デビットカード機能用のオフライン決済残高を用いたオフライン決済を実行するモードと、前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を用いたオフライン決済を実行するモードと、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高を前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用するモードと、前記クレジットカード機能用のオフライン決済残高を前記デビットカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用するモードとのうち、いずれのモードにてオフライン決済処理を実行するかを定めたモード設定情報を記憶する第5の記憶回路をさらに有し、
前記制御回路は、設定されたモードに従ってオフライン決済処理を実行する請求項1乃至3の何れか1つに記載の多機能ICカード。 - 前記制御回路は、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高を前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用するモードで動作している際に、前記支払金額情報に基づき前記デビットカード機能用のオフライン決済残高が支払に十分な残高であるかどうかを判定し、十分でない場合には支払うべき金額の一部又は全額を、前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を用いてオフライン決済する請求項4に記載の多機能ICカード。
- 前記制御回路は、前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を前記デビットカード機能用のオフライン決済残高よりも優先して利用するモードで動作している際に、前記支払金額情報に基づき前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高が支払に十分な残高であるかどうかを判定し、十分でない場合には支払うべき金額の一部又は全額を、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高を用いてオフライン決済する請求項4に記載の多機能ICカード。
- 少なくともクレジットカード機能とデビットカード機能を有する多機能ICカードを用いて決済処理を実行するICカード端末であって、
前記多機能ICカードを用いてオフライン決済処理を実行するか否かを判定する判定手段と、
前記オフライン決済処理を実行すると判定されると、前記多機能ICカード内に記憶されている、前記デビットカード機能用のオフライン決済残高又は前記クレジッドカード機能用のオフライン決済残高を用いて決済するための決済額を前記多機能ICカードに送信するための送信手段と、
を含むICカード端末。 - 前記判定手段は、前記多機能ICカードから受信したオフライン決済処理に関する許可情報、デビットカード機能の決済装置に対してオフライン状態にあるか否かの情報、クレジットカード機能の決済装置に対してオフライン状態にあるか否かの情報、又は外部操作により入力された操作信号のいずれかに基づいて判定を行なう請求項7に記載のICカード端末。
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