JP2004355990A - 通信ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させた通信ケーブルを提供する。
【解決手段】通信ケーブル7は、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなる対撚り線心1a,1b,1c,1dを有し、対撚り線心1aを中心としてその周りに、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dを略三角形の頂点の位置となるように配置して撚り合わせてなる。そして、これら4本の対撚り線心1a,1b,1c,1dのうち、対撚り線心1aの撚りピッチを他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチよりも小さくし、該他の3本の対撚り線心1b,1c,1dのそれぞれの撚りピッチを異なるものとした。
【選択図】 図1
【解決手段】通信ケーブル7は、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなる対撚り線心1a,1b,1c,1dを有し、対撚り線心1aを中心としてその周りに、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dを略三角形の頂点の位置となるように配置して撚り合わせてなる。そして、これら4本の対撚り線心1a,1b,1c,1dのうち、対撚り線心1aの撚りピッチを他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチよりも小さくし、該他の3本の対撚り線心1b,1c,1dのそれぞれの撚りピッチを異なるものとした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体の上に絶縁体を被覆して構成した絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有する通信ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
LAN(local area network)の配線には、米国電子工業会/米国通信工業会で規格されたケーブルが用いられている。この規格では、ケーブルは複数種に分類されており、このうち、100MHzまでの使用が可能なものは、カテゴリ5ケーブルとして規定されている。
【0003】
かかるカテゴリ5に規定された通信ケーブルとして、導体の上に絶縁体を被覆して構成される絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有し、各対撚り線心にあっては、前記規格で要求される主な特性項目である近端漏話減衰量特性を向上させるべく、対撚り線心毎に異なるピッチで絶縁線心を撚り合わせてなっている通信ケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
かかる通信ケーブルについて、図2を参照してより具体的に説明する。図において、符号10a,10b,10c,10dは対撚り線心を示している。これら対撚り線心10a,10b,10c,10dは、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなっている。そして、対撚り線心を4本撚り合わせた上にシース6を被覆して通信ケーブル11が構成されている。
【0005】
前記各対撚り線心10a,10b,10c,10dは、近端漏話減衰量特性を向上させるべく、対撚り線心10a,10b,10c,10d毎に異なるピッチで絶縁線心4を撚り合わせてなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−139121号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近端漏話減衰量特性は、各対撚り線心10a,10b,10c,10dのピッチ比(ある対撚り線心の撚りピッチと他の対撚り線心の撚りピッチとの比)が大きければ大きいほど向上する。しかし、各対撚り線心10a,10b,10c,10dのピッチ比を大きくすると、各対撚り線心10a,10b,10c,10dにおける絶縁線心4の長さの差が大きくなる。これにより、各対撚り線心10a,10b,10c,10dにおける伝搬遅延時間の差、すなわち伝搬遅延時間差が大きくなるおそれがある。したがって、全てのピッチ比を大きくすること、すなわち、ある1本の対撚り線心に対する他の3本のそれぞれの対撚り線心のピッチ比を全て大きくすることは、伝搬遅延時間差特性の観点から、事実上不可能である。このようなことから、上記のような構造の従来の通信ケーブル11においては、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることは困難であった。
【0008】
本発明の目的は、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させた通信ケーブルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、導体の上に絶縁体を被覆して構成した絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有する通信ケーブルにおいて、前記4本の対撚り線心のうち、一の対撚り線心の撚りピッチを他の3本の対撚り線心の撚りピッチよりも小さくし、該他の3本の対撚り線心のそれぞれの撚りピッチを異なるものとし、前記一の対撚り線心を中心としてその周りに、前記他の3本の対撚り線心を略三角形の頂点の位置となるように配置して撚り合わせたことを特徴とする。
【0010】
このような請求項1に記載の本発明によれば、一の対撚り線心は、他の3本の対撚り線心に比べてその撚りピッチが小さく、したがって他の3本の対撚り線心とは異なる撚りピッチとなっているので、一の対撚り線心と他の3本の対撚り線心との近端漏話減衰量特性が向上する。また、前記他の3本の対撚り線心は、それぞれ略三角形の頂点の位置に配置されていることからこれら相互が離れた位置となり、なおかつ各対撚り線心の撚りピッチが異なっていることから、前記他の3本の対撚り線心相互間の近端漏話減衰量特性が向上する。したがって、各対撚り線心のピッチ比を全て大きくしなくても近端漏話減衰量特性を向上させることができる。
【0011】
また、前記一の対撚り線心は、他の3本の対撚り線心に比べてその撚りピッチが小さい、すなわち、他の3本の対撚り線心は、一の対撚り線心よりも撚りピッチが大きいので、かかる他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さは、一の対撚り線心における絶縁線心の長さよりも短くなる。しかし、このような他の3本の対撚り線心を前記一の対撚り線心を中心としてその周りに集合撚りした場合、中心の一の対撚り線心よりも他の3本の対撚り線心の方がその長さが長くなり、したがってかかる他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さが長くなることから、一の対撚り線心における絶縁線心の長さと他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さの差が小さくなる。これにより、伝搬遅延時間差特性が向上する。
以上のことから、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記一の対撚り線心の周りに配置した前記他の3本の対撚り線心の相互の間に介在を挿入したことを特徴とする。
【0013】
このような請求項2に記載の本発明によれば、前記他の3本の対撚り線心のそれぞれの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例について説明する。
図1は本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例を示す断面図である。
【0015】
図において、符号1a,1b,1c,1dは対撚り線心を示している。対撚り線心1a,1b,1c,1dは、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなっている。
【0016】
そして、かかる4本の対撚り線心1a,1b,1c,1dのうちの対撚り線心1a(請求項にいう一の対撚り線心に該当)を中心としてその周りに、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dが、略三角形の頂点の位置となるように配置されて撚り合わせられている。このように略三角形の頂点の位置となるように配置された対撚り線心1b,1c,1dは、相互に所定の間隔が空いた状態で配置されている。
【0017】
前記他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの相互の間には介在5が挿入されている。介在5は、本例では断面円形でケーブル長手方向に長く形成され、紙、合成樹脂、ジュート等で形成されている。
【0018】
そして、これら対撚り線心1a,1b,1c,1d及び介在5の上からシース6が被覆されて本例の通信ケーブル7が構成されている。
【0019】
このような構成の通信ケーブル7にあって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dの撚りピッチは以下のように設定されている。なお、本明細書において、撚りピッチとは、2本の絶縁線心を撚り合わせるピッチをいう。
【0020】
すなわち、対撚り線心1aの撚りピッチは、その周りの他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチよりも小さくなっている。このとき、対撚り線心1aの撚りピッチと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dそれぞれの撚りピッチとの比(ピッチ比)は、十分な近端漏話減衰量特性を有するようなものに設定される。
また、対撚り線心1b,1c,1dのそれぞれの撚りピッチは、異なるものとなっている。
【0021】
以上のような本例の通信ケーブル7によれば、対撚り線心1aは、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dに比べてその撚りピッチが小さく、したがって対撚り線心1b,1c,1dとは異なる撚りピッチとなっており、しかも十分な近端漏話減衰量特性を有する撚りピッチとなっているので、対撚り線心1aと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dとの近端漏話減衰量特性が向上する。また、対撚り線心1b,1c,1dは、それぞれ略三角形の頂点の位置に配置されていることからこれら相互が離れた位置となり、なおかつ各対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチが異なっていることから、対撚り線心1b,1c,1d相互間の近端漏話減衰量特性が向上する。したがって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dのピッチ比を全て大きくしなくても近端漏話減衰量特性を向上させることができる。
【0022】
また、対撚り線心1aは、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dに比べてその撚りピッチが小さい、すなわち、対撚り線心1b,1c,1dは、対撚り線心1aよりも撚りピッチが大きいので、対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さは、対撚り線心1aにおける絶縁線心4の長さよりも短くなる。しかし、このような対撚り線心1b,1c,1dを対撚り線心1aを中心としてその周りに集合撚りした場合、中心の対撚り線心1aよりも他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの方がその長さが長くなり、したがってかかる他の3本の対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さが長くなることから、対撚り線心1aにおける絶縁線心4の長さと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さの差が小さくなる。これにより、伝搬遅延時間差特性が向上する。
【0023】
以上のような本例の通信ケーブル7によれば、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0024】
また、対撚り線心1b,1c,1dの相互の間には、介在5が挿入されているので、それぞれの対撚り線心1b,1c,1dの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【0025】
以下に、本例の通信ケーブル7と図2に示す従来の通信ケーブル11における近端漏話減衰量及び伝搬遅延時間の測定結果をそれぞれ示す。なお、かかる測定は、対撚り線心1aの撚りピッチが11mm、対撚り線心1bの撚りピッチが13mm、対撚り線心1cの撚りピッチが15mm、対撚り線心1dの撚りピッチが17mmである通信ケーブル7と、対撚り線心10aの撚りピッチが11mm、対撚り線心10bの撚りピッチが13mm、対撚り線心10cの撚りピッチが15mm、対撚り線心10dの撚りピッチが17mmである従来の通信ケーブル11について行った。
【0026】
表1は近端漏話減衰量の測定結果、表2は伝搬遅延時間の測定結果を示している。
【0027】
【表1】
【表2】
表1の結果から、本実施例の通信ケーブル7における近端漏話減衰量特性は、従来例のものよりも向上していることが分かる。特に、相互が離れた位置にある対撚り線心1b,1c,1dにおいて、顕著に近端漏話減衰量特性が向上している。
【0028】
また、表2の結果から、最大の伝搬遅延時間と最小の伝搬遅延時間との差は小さくなっていることが分かる。すなわち、最小の撚りピッチとなっている対撚り線心1aの伝搬遅延時間(最大の伝搬遅延時間)は、従来45nsec/100mであったものが、本例では44nsec/100mとなり、また、最大の撚りピッチとなっている対撚り線心1dの伝搬遅延時間(最小の伝搬遅延時間)は、従来39nsec/100mであったものが、本例では40nsec/100mとなっている。したがって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dにおける伝搬遅延時間差のうち最大の伝搬遅延時間差、すなわち、最大の伝搬遅延時間と最小の伝搬遅延時間との差は6nsecから4nsecと小さくなっており、伝搬遅延時間差特性が向上している。
【0029】
これら表1及び表2の結果から、本例の通信ケーブル7においては、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができるということが分かる。
【0030】
なお、前記介在5は、対撚り線心1b,1c,1dの位置を固定するために、これら相互の間に挿入することが望ましいが、本発明においては、かかる介在5は、必ずしも挿入されていなくてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、前記他の3本の対撚り線心のそれぞれの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】従来の通信ケーブルの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d 対撚り線心
2 導体
3 絶縁体
4 絶縁線心
5 介在
6 シース
7 通信ケーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体の上に絶縁体を被覆して構成した絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有する通信ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
LAN(local area network)の配線には、米国電子工業会/米国通信工業会で規格されたケーブルが用いられている。この規格では、ケーブルは複数種に分類されており、このうち、100MHzまでの使用が可能なものは、カテゴリ5ケーブルとして規定されている。
【0003】
かかるカテゴリ5に規定された通信ケーブルとして、導体の上に絶縁体を被覆して構成される絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有し、各対撚り線心にあっては、前記規格で要求される主な特性項目である近端漏話減衰量特性を向上させるべく、対撚り線心毎に異なるピッチで絶縁線心を撚り合わせてなっている通信ケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
かかる通信ケーブルについて、図2を参照してより具体的に説明する。図において、符号10a,10b,10c,10dは対撚り線心を示している。これら対撚り線心10a,10b,10c,10dは、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなっている。そして、対撚り線心を4本撚り合わせた上にシース6を被覆して通信ケーブル11が構成されている。
【0005】
前記各対撚り線心10a,10b,10c,10dは、近端漏話減衰量特性を向上させるべく、対撚り線心10a,10b,10c,10d毎に異なるピッチで絶縁線心4を撚り合わせてなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−139121号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近端漏話減衰量特性は、各対撚り線心10a,10b,10c,10dのピッチ比(ある対撚り線心の撚りピッチと他の対撚り線心の撚りピッチとの比)が大きければ大きいほど向上する。しかし、各対撚り線心10a,10b,10c,10dのピッチ比を大きくすると、各対撚り線心10a,10b,10c,10dにおける絶縁線心4の長さの差が大きくなる。これにより、各対撚り線心10a,10b,10c,10dにおける伝搬遅延時間の差、すなわち伝搬遅延時間差が大きくなるおそれがある。したがって、全てのピッチ比を大きくすること、すなわち、ある1本の対撚り線心に対する他の3本のそれぞれの対撚り線心のピッチ比を全て大きくすることは、伝搬遅延時間差特性の観点から、事実上不可能である。このようなことから、上記のような構造の従来の通信ケーブル11においては、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることは困難であった。
【0008】
本発明の目的は、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させた通信ケーブルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、導体の上に絶縁体を被覆して構成した絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有する通信ケーブルにおいて、前記4本の対撚り線心のうち、一の対撚り線心の撚りピッチを他の3本の対撚り線心の撚りピッチよりも小さくし、該他の3本の対撚り線心のそれぞれの撚りピッチを異なるものとし、前記一の対撚り線心を中心としてその周りに、前記他の3本の対撚り線心を略三角形の頂点の位置となるように配置して撚り合わせたことを特徴とする。
【0010】
このような請求項1に記載の本発明によれば、一の対撚り線心は、他の3本の対撚り線心に比べてその撚りピッチが小さく、したがって他の3本の対撚り線心とは異なる撚りピッチとなっているので、一の対撚り線心と他の3本の対撚り線心との近端漏話減衰量特性が向上する。また、前記他の3本の対撚り線心は、それぞれ略三角形の頂点の位置に配置されていることからこれら相互が離れた位置となり、なおかつ各対撚り線心の撚りピッチが異なっていることから、前記他の3本の対撚り線心相互間の近端漏話減衰量特性が向上する。したがって、各対撚り線心のピッチ比を全て大きくしなくても近端漏話減衰量特性を向上させることができる。
【0011】
また、前記一の対撚り線心は、他の3本の対撚り線心に比べてその撚りピッチが小さい、すなわち、他の3本の対撚り線心は、一の対撚り線心よりも撚りピッチが大きいので、かかる他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さは、一の対撚り線心における絶縁線心の長さよりも短くなる。しかし、このような他の3本の対撚り線心を前記一の対撚り線心を中心としてその周りに集合撚りした場合、中心の一の対撚り線心よりも他の3本の対撚り線心の方がその長さが長くなり、したがってかかる他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さが長くなることから、一の対撚り線心における絶縁線心の長さと他の3本の対撚り線心における絶縁線心の長さの差が小さくなる。これにより、伝搬遅延時間差特性が向上する。
以上のことから、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記一の対撚り線心の周りに配置した前記他の3本の対撚り線心の相互の間に介在を挿入したことを特徴とする。
【0013】
このような請求項2に記載の本発明によれば、前記他の3本の対撚り線心のそれぞれの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例について説明する。
図1は本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例を示す断面図である。
【0015】
図において、符号1a,1b,1c,1dは対撚り線心を示している。対撚り線心1a,1b,1c,1dは、導体2の上に絶縁体3を被覆して構成した絶縁線心4を2本撚り合わせてなっている。
【0016】
そして、かかる4本の対撚り線心1a,1b,1c,1dのうちの対撚り線心1a(請求項にいう一の対撚り線心に該当)を中心としてその周りに、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dが、略三角形の頂点の位置となるように配置されて撚り合わせられている。このように略三角形の頂点の位置となるように配置された対撚り線心1b,1c,1dは、相互に所定の間隔が空いた状態で配置されている。
【0017】
前記他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの相互の間には介在5が挿入されている。介在5は、本例では断面円形でケーブル長手方向に長く形成され、紙、合成樹脂、ジュート等で形成されている。
【0018】
そして、これら対撚り線心1a,1b,1c,1d及び介在5の上からシース6が被覆されて本例の通信ケーブル7が構成されている。
【0019】
このような構成の通信ケーブル7にあって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dの撚りピッチは以下のように設定されている。なお、本明細書において、撚りピッチとは、2本の絶縁線心を撚り合わせるピッチをいう。
【0020】
すなわち、対撚り線心1aの撚りピッチは、その周りの他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチよりも小さくなっている。このとき、対撚り線心1aの撚りピッチと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dそれぞれの撚りピッチとの比(ピッチ比)は、十分な近端漏話減衰量特性を有するようなものに設定される。
また、対撚り線心1b,1c,1dのそれぞれの撚りピッチは、異なるものとなっている。
【0021】
以上のような本例の通信ケーブル7によれば、対撚り線心1aは、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dに比べてその撚りピッチが小さく、したがって対撚り線心1b,1c,1dとは異なる撚りピッチとなっており、しかも十分な近端漏話減衰量特性を有する撚りピッチとなっているので、対撚り線心1aと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dとの近端漏話減衰量特性が向上する。また、対撚り線心1b,1c,1dは、それぞれ略三角形の頂点の位置に配置されていることからこれら相互が離れた位置となり、なおかつ各対撚り線心1b,1c,1dの撚りピッチが異なっていることから、対撚り線心1b,1c,1d相互間の近端漏話減衰量特性が向上する。したがって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dのピッチ比を全て大きくしなくても近端漏話減衰量特性を向上させることができる。
【0022】
また、対撚り線心1aは、他の3本の対撚り線心1b,1c,1dに比べてその撚りピッチが小さい、すなわち、対撚り線心1b,1c,1dは、対撚り線心1aよりも撚りピッチが大きいので、対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さは、対撚り線心1aにおける絶縁線心4の長さよりも短くなる。しかし、このような対撚り線心1b,1c,1dを対撚り線心1aを中心としてその周りに集合撚りした場合、中心の対撚り線心1aよりも他の3本の対撚り線心1b,1c,1dの方がその長さが長くなり、したがってかかる他の3本の対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さが長くなることから、対撚り線心1aにおける絶縁線心4の長さと他の3本の対撚り線心1b,1c,1dにおける絶縁線心4の長さの差が小さくなる。これにより、伝搬遅延時間差特性が向上する。
【0023】
以上のような本例の通信ケーブル7によれば、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0024】
また、対撚り線心1b,1c,1dの相互の間には、介在5が挿入されているので、それぞれの対撚り線心1b,1c,1dの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【0025】
以下に、本例の通信ケーブル7と図2に示す従来の通信ケーブル11における近端漏話減衰量及び伝搬遅延時間の測定結果をそれぞれ示す。なお、かかる測定は、対撚り線心1aの撚りピッチが11mm、対撚り線心1bの撚りピッチが13mm、対撚り線心1cの撚りピッチが15mm、対撚り線心1dの撚りピッチが17mmである通信ケーブル7と、対撚り線心10aの撚りピッチが11mm、対撚り線心10bの撚りピッチが13mm、対撚り線心10cの撚りピッチが15mm、対撚り線心10dの撚りピッチが17mmである従来の通信ケーブル11について行った。
【0026】
表1は近端漏話減衰量の測定結果、表2は伝搬遅延時間の測定結果を示している。
【0027】
【表1】
【表2】
表1の結果から、本実施例の通信ケーブル7における近端漏話減衰量特性は、従来例のものよりも向上していることが分かる。特に、相互が離れた位置にある対撚り線心1b,1c,1dにおいて、顕著に近端漏話減衰量特性が向上している。
【0028】
また、表2の結果から、最大の伝搬遅延時間と最小の伝搬遅延時間との差は小さくなっていることが分かる。すなわち、最小の撚りピッチとなっている対撚り線心1aの伝搬遅延時間(最大の伝搬遅延時間)は、従来45nsec/100mであったものが、本例では44nsec/100mとなり、また、最大の撚りピッチとなっている対撚り線心1dの伝搬遅延時間(最小の伝搬遅延時間)は、従来39nsec/100mであったものが、本例では40nsec/100mとなっている。したがって、各対撚り線心1a,1b,1c,1dにおける伝搬遅延時間差のうち最大の伝搬遅延時間差、すなわち、最大の伝搬遅延時間と最小の伝搬遅延時間との差は6nsecから4nsecと小さくなっており、伝搬遅延時間差特性が向上している。
【0029】
これら表1及び表2の結果から、本例の通信ケーブル7においては、近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができるということが分かる。
【0030】
なお、前記介在5は、対撚り線心1b,1c,1dの位置を固定するために、これら相互の間に挿入することが望ましいが、本発明においては、かかる介在5は、必ずしも挿入されていなくてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、米国電子工業会/米国通信工業会のカテゴリー5で定められた電気特性規格を満足し、なおかつ近端漏話減衰量特性と伝搬遅延時間差特性をともに向上させることができる。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、前記他の3本の対撚り線心のそれぞれの位置を略三角形の頂点の位置に固定することができ、これら相互が離れたままの位置を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ケーブルの実施の形態の一例を示す断面図。
【図2】従来の通信ケーブルの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d 対撚り線心
2 導体
3 絶縁体
4 絶縁線心
5 介在
6 シース
7 通信ケーブル
Claims (2)
- 導体の上に絶縁体を被覆して構成した絶縁線心を2本撚り合わせてなる対撚り線心を4本有する通信ケーブルにおいて、
前記4本の対撚り線心のうち、一の対撚り線心の撚りピッチを他の3本の対撚り線心の撚りピッチよりも小さくし、該他の3本の対撚り線心のそれぞれの撚りピッチを異なるものとし、
前記一の対撚り線心を中心としてその周りに、前記他の3本の対撚り線心を略三角形の頂点の位置となるように配置して撚り合わせた
ことを特徴とする通信ケーブル。 - 前記一の対撚り線心の周りに配置した前記他の3本の対撚り線心の相互の間に介在を挿入したことを特徴とする請求項1に記載の通信ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003153934A JP2004355990A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 通信ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003153934A JP2004355990A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 通信ケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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ID=34048725
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003153934A Withdrawn JP2004355990A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 通信ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004355990A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022009964A (ja) * | 2018-11-22 | 2022-01-14 | 日立金属株式会社 | ケーブル |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003153934A patent/JP2004355990A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022009964A (ja) * | 2018-11-22 | 2022-01-14 | 日立金属株式会社 | ケーブル |
| JP7337135B2 (ja) | 2018-11-22 | 2023-09-01 | 株式会社プロテリアル | ケーブル |
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