JP2004357203A - アンテナシート、icカード及びコンデンサの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カード基板の表裏面に形成されるコンデンサが所定のコンデンサ容量を保持するICカードを提供する。
【解決手段】絶縁基材の一方の面に形成される表側コンデンサパターンが、絶縁基材の他方の面に形成される裏側コンデンサパターンよりも小さい領域で形成されており、且つ、その小さい領域の表側コンデンサパターンを連結するための連結部分とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を付設して形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】絶縁基材の一方の面に形成される表側コンデンサパターンが、絶縁基材の他方の面に形成される裏側コンデンサパターンよりも小さい領域で形成されており、且つ、その小さい領域の表側コンデンサパターンを連結するための連結部分とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を付設して形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサを有するアンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるカード技術の発達により、各種のシステムに用いられる情報記録媒体として、広範囲な用途に利用されているICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることにより情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が行われる接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が行われる非接触型のICカードがある。これらのICカードは、磁気カードと比較してセキュリティ性が高く、カード自体に書き込むことができる情報量が多いため1枚のカードだけで多面的に使用できることから産業上における普及度は増加の一途を辿っている。
【0003】
その中でも特に、非接触型のICカードは、情報の書き込み処理、あるいは、読み出し処理を行う際にICカード自体を専用の装置に挿入する必要がなく、カード自体の取り扱いが便利なこともあり、産業上に急速に普及しつつある。
【0004】
さらに、近年では、上記の接触型のICカードと非接触型のICカードとが組み合わされたICカードも普及しつつあり、接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行うICチップと、非接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行うICチップと、がそれぞれ搭載されたハイブリッド型ICカードや、接触状態、及び、非接触状態のいずれの状態においても情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な1つのICチップが搭載されたコンビネーション型ICカードが用いられている。
【0005】
このようなICカードにおいては、正確な通信特性を得るためにアンテナコイルと、共振用コンデンサと、からなる回路の同調定数を正確に決定しなければならず、共振用コンデンサの静電容量を調整して、回路の同調補正を行う必要があり、従来において、調整用コンデンサを設けて共振周波数を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−10264号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、調整用コンデンサは、図7に示すように、表側コンデンサパターンと裏側コンデンサパターンとを、カード基板を挟持して形成した際に重なった部分がコンデンサ領域を形成するため、図8に示すように、カード基板の表裏面に形成されるコンデンサパターンにより得られるコンデンサ領域が、所定の位置に形成されず、コンデンサ領域をアンテナコイルと最終的に連結させるための連結部分に対して水平方向にずれて形成された場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が減少または増加してしまうこととなり、所定のコンデンサ容量を保持するコンデンサ領域をカード基板に形成することができない場合がある。例えば、(a)のように、位置ずれ方向(連結部分に対して水平方向を示す)が連結部分側にずれた場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が減少してしまう。また、(b)のように、位置ずれ方向(連結部分に対して水平方向を示す)が連結部分と反対側にずれた場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が増加してしまう。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位置ずれ等が生じ、カード基板の表裏面に形成されるコンデンサパターンが所定の位置に形成されなくとも、所定のコンデンサ容量を保持するアンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、金属片が絶縁基材を挟んで絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、を有するアンテナシートであって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、小さい領域の金属片は、該金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、金属片が絶縁基材を挟んで絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、アンテナコイルと接続されたICチップと、を有するICカードであって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、小さい領域の金属片は、該金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、絶縁基材の表裏面にコンデンサとなる金属片を形成するコンデンサの形成方法であって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片で形成し、且つ、該小さい領域で形成される金属片は、金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる実施の形態について説明する。
【0013】
まず、図1を参照しながら非接触ICカードの構成について説明する。
本発明にかかる非接触ICカードは、図1に示すように、絶縁性のカード基板1の周辺部に、螺旋状に形成されたインダクタンスLのアンテナコイル2と、カード基板1上に搭載された合成キャパシタンスCを形成するコンデンサ3と、制御装置、記憶回路、入出力回路等の複数の回路を搭載したICチップ4と、を有して構成されており、共振周波数近辺の周波数を有する電波によりカード基板1上に誘導される電圧が検出され、これにより受信が行われる。
【0014】
短波帯を使用する非接触ICカードは、充分な通信特性を得るために、アンテナコイル2と、コンデンサ3と、からなる同調回路の定数を正確に決定しなければならないが、ICチップ4と、コンデンサ3と、の形成は、その形成工程時において、その容量値に大きなばらつきを発生させている。
【0015】
このような、容量値のばらつきを調整するために、合成キャパシタンスCを形成するコンデンサ3を変化させ、非接触ICカード毎に異なる共振周波数fを設定することとする。
【0016】
なお、LC共振回路の共振周波数は、以下に示される式(1)にて算出されるものである。
【0017】
f=1/2π√(LC)・・・式(1)
【0018】
この式(1)に示すように、共振周波数fは、コンデンサの合成キャパシタンスCと、コイルのインダクタンスLと、の積の平方根に反比例するものである。
【0019】
従って、コンデンサを短絡して、合成キャパシタンスCの容量を減少させることで、共振周波数fを設定している。
【0020】
なお、コンデンサのキャパシタンスCは、図2に示すように、カード基板の表面に形成された表側コンデンサパターンと、カード基板の裏面に形成された裏側コンデンサパターンと、がカード基板を介して対称に位置する領域により形成されるコンデンサ領域S(極板面積)と、カード基板の厚さd(極板間距離)と、で形成され、コンデンサのキャパシタンスCは、以下に示される式(2)にて算出されるものである。なお、αは、ある所定の定数(誘電率)を示す。
【0021】
C=α×S/d・・・式(2)
【0022】
本発明は、共振周波数fを設定するためのコンデンサ部分となる金属片を、カード基板の表裏面に形成した際に、金属片の形成位置がずれた場合でも、所定のコンデンサ容量Cが保持されるために、図3に示すように、コンデンサCとなる金属片を連結する連結部分が付設されている側とは逆方向となる側に、位置ずれが生じた際にコンデンサ容量を補正する位置ずれ領域を付設してカード基板に表側コンデンサパターンを形成する。
【0023】
これにより、図4に示すように、金属片の形成位置が所定の距離Δtだけ、連結部分側にずれた際に、金属片を連結する連結部分の幅r×Δtの面積ΔSにより得られるコンデンサ容量ΔCが減少しても、位置ずれ領域ΔSにて得られるコンデンサ容量ΔCにて補正することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0024】
また、図5に示すように、金属片の形成位置が所定の距離Δt1だけ、位置ずれ領域側にずれた際に、金属片を連結する連結部分の幅r×Δt1の面積ΔS1により得られるコンデンサ容量ΔC1が増加しても、位置ずれ領域ΔS1にて得られるコンデンサ容量ΔC1にて修正することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0025】
次に、カード基板の表裏面に形成するコンデンサのパターン形成について説明する。
カード基板に形成するコンデンサパターンは、エッチング等の手法を用いて形成することが好ましい。エッチングは、緻密なコンデンサパターンを正確に形成することが可能であり、さらに、表面抵抗率も低くすることが可能である。以下に、エッチングによるコンデンサパターンの形成方法について説明する。
【0026】
(第1のコンデンサパターンの形成方法)
まず、第1のコンデンサパターンの形成方法について説明する。
第1のコンデンサパターンの形成方法は、絶縁性を有するカード基板の片面に、銅やアルミニウム等の導電性の金属箔を、図3に示すような、位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンをエッチングにて形成する。また、カード基板の他方の面に、図3に示すような、裏側コンデンサパターンをエッチングにて形成する。そして、表裏面に形成したコンデンサパターンを接続するために、所望の位置に表裏を貫くスルーホールを設け、該設けたスルーホール内に、銀等の導電性ペーストを挿入することにより、表裏面のコンデンサパターンを電気的に導通させる形成方法である。なお、エッチングにてカード基板の両面にコンデンサパターンを形成した際に、スルーホールを設ける方法として、「かしめる」という方法でも適用可能である。
【0027】
このように、第1のコンデンサパターンの形成方法は、エッチング手法を用いて、カード基板の片面に形成するコンデンサパターンの領域を、他方の面に形成するコンデンサパターンの領域よりも小さく、且つ、その小さい領域で形成するコンデンサパターンに位置ずれ領域を付設して形成することで、カード基板に形成するコンデンサパターンの形成位置が所定の距離だけずれた際に変化する連結部分のコンデンサ容量を、位置ずれ領域にて得られるコンデンサ容量にて調整することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0028】
(第2のコンデンサパターンの形成方法)
次に、第2のコンデンサパターンの形成方法について説明する。
第2のコンデンサパターンの形成方法は、カード基板の片面に、銅やアルミニウム等の導電性の金属箔を、エッチング処理を施して、図3に示すような、位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンを形成する。また、カード基板の他方の面には、導電性ペーストをスクリーン印刷等を用いて、図3に示すような、裏側コンデンサパターンを形成する。そして、所望の位置に表裏を貫くスルーホールを設け、該設けたスルーホール内に、銀等の導電性ペーストを挿入することにより、表裏面のコンデンサパターンを電気的に導通させるように形成する方法である。なお、エッチング手法を用いて裏側コンデンサパターンを形成し、印刷手法を用いて位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンを形成することも可能である。
【0029】
このように、第2のコンデンサパターンの形成方法は、エッチング手法と、印刷手法を用いて、カード基板の片面に形成するコンデンサパターンの領域を、他方の面に形成するコンデンサパターンの領域よりも小さく、且つ、小さい領域で形成するコンデンサパターンに位置ずれ領域を付設して形成することで、カード基板に形成するコンデンサパターンの形成位置が所定の距離だけずれた際に変化する連結部分のコンデンサ容量を、位置ずれ領域にて得られるコンデンサ容量にて調整することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0030】
なお、上記第1及び第2のコンデンサパターンの形成時において、位置ずれ領域を付設して絶縁基材の一方の面に形成される表側コンデンサパターンの形状は、位置ずれ領域が付設されていれば、特に限定せず、例えば、図6に示すようなコンデンサパターンとすることも可能である。
【0031】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
例えば、本発明のコンデンサパターンは、接触型、非接触型にかかわらず、両面にコンデンサパターンを形成する形式のカード基板であれば適用可能である。
また、コンデンサパターンは、公知の形成方法を用いても形成することは可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
本発明にかかる、アンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法は、絶縁基材の一方の面に形成される金属片が、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片で形成されており、且つ、その小さい領域の金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が形成される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を付設して形成されているため、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンデンサパターンが形成されたICカードの構成を示す図である。
【図2】コンデンサのキャパシタンスCを算出するための説明図であり、(a)は、厚さdのカード基板の表裏面に形成されたコンデンサパターンの断面図を示し、(b)は、表側コンデンサパターンと、裏側コンデンサパターンと、により形成されるコンデンサ領域Sを示す図である。
【図3】本発明にかかる位置ずれ領域を付設して形成されたコンデンサパターンを示す図である。
【図4】金属片の形成位置が所定の距離Δtだけ、連結部分側にずれた場合のコンデンサパターンを示す図である。
【図5】金属片の形成位置が所定の距離Δt1だけ、位置ずれ領域側にずれた場合のコンデンサパターンを示す図である。
【図6】本発明にかかる位置ずれ領域を付設して形成されたコンデンサパターンの変形例を示す図である。
【図7】従来におけるコンデンサパターンから得られるコンデンサ容量を示す図である。
【図8】従来におけるコンデンサパターンの形成位置がずれた際のコンデンサ容量を示す図であり、(a)は、位置ずれ方向が連結部分側にずれた場合のコンデンサ容量を示す図であり、(b)は、位置ずれ方向が連結部分と反対側にずれた場合のコンデンサ容量を示す図である。
【符号の説明】
1 カード基板
2 アンテナコイル
3 コンデンサ
4 ICチップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサを有するアンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるカード技術の発達により、各種のシステムに用いられる情報記録媒体として、広範囲な用途に利用されているICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることにより情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が行われる接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が行われる非接触型のICカードがある。これらのICカードは、磁気カードと比較してセキュリティ性が高く、カード自体に書き込むことができる情報量が多いため1枚のカードだけで多面的に使用できることから産業上における普及度は増加の一途を辿っている。
【0003】
その中でも特に、非接触型のICカードは、情報の書き込み処理、あるいは、読み出し処理を行う際にICカード自体を専用の装置に挿入する必要がなく、カード自体の取り扱いが便利なこともあり、産業上に急速に普及しつつある。
【0004】
さらに、近年では、上記の接触型のICカードと非接触型のICカードとが組み合わされたICカードも普及しつつあり、接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行うICチップと、非接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行うICチップと、がそれぞれ搭載されたハイブリッド型ICカードや、接触状態、及び、非接触状態のいずれの状態においても情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な1つのICチップが搭載されたコンビネーション型ICカードが用いられている。
【0005】
このようなICカードにおいては、正確な通信特性を得るためにアンテナコイルと、共振用コンデンサと、からなる回路の同調定数を正確に決定しなければならず、共振用コンデンサの静電容量を調整して、回路の同調補正を行う必要があり、従来において、調整用コンデンサを設けて共振周波数を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−10264号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、調整用コンデンサは、図7に示すように、表側コンデンサパターンと裏側コンデンサパターンとを、カード基板を挟持して形成した際に重なった部分がコンデンサ領域を形成するため、図8に示すように、カード基板の表裏面に形成されるコンデンサパターンにより得られるコンデンサ領域が、所定の位置に形成されず、コンデンサ領域をアンテナコイルと最終的に連結させるための連結部分に対して水平方向にずれて形成された場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が減少または増加してしまうこととなり、所定のコンデンサ容量を保持するコンデンサ領域をカード基板に形成することができない場合がある。例えば、(a)のように、位置ずれ方向(連結部分に対して水平方向を示す)が連結部分側にずれた場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が減少してしまう。また、(b)のように、位置ずれ方向(連結部分に対して水平方向を示す)が連結部分と反対側にずれた場合には、そのずれた連結部分の領域に相当するコンデンサ容量が増加してしまう。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位置ずれ等が生じ、カード基板の表裏面に形成されるコンデンサパターンが所定の位置に形成されなくとも、所定のコンデンサ容量を保持するアンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、金属片が絶縁基材を挟んで絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、を有するアンテナシートであって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、小さい領域の金属片は、該金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、金属片が絶縁基材を挟んで絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、アンテナコイルと接続されたICチップと、を有するICカードであって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、小さい領域の金属片は、該金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、絶縁基材の表裏面にコンデンサとなる金属片を形成するコンデンサの形成方法であって、絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片で形成し、且つ、該小さい領域で形成される金属片は、金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が金属片に付設される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を金属片に付設して形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる実施の形態について説明する。
【0013】
まず、図1を参照しながら非接触ICカードの構成について説明する。
本発明にかかる非接触ICカードは、図1に示すように、絶縁性のカード基板1の周辺部に、螺旋状に形成されたインダクタンスLのアンテナコイル2と、カード基板1上に搭載された合成キャパシタンスCを形成するコンデンサ3と、制御装置、記憶回路、入出力回路等の複数の回路を搭載したICチップ4と、を有して構成されており、共振周波数近辺の周波数を有する電波によりカード基板1上に誘導される電圧が検出され、これにより受信が行われる。
【0014】
短波帯を使用する非接触ICカードは、充分な通信特性を得るために、アンテナコイル2と、コンデンサ3と、からなる同調回路の定数を正確に決定しなければならないが、ICチップ4と、コンデンサ3と、の形成は、その形成工程時において、その容量値に大きなばらつきを発生させている。
【0015】
このような、容量値のばらつきを調整するために、合成キャパシタンスCを形成するコンデンサ3を変化させ、非接触ICカード毎に異なる共振周波数fを設定することとする。
【0016】
なお、LC共振回路の共振周波数は、以下に示される式(1)にて算出されるものである。
【0017】
f=1/2π√(LC)・・・式(1)
【0018】
この式(1)に示すように、共振周波数fは、コンデンサの合成キャパシタンスCと、コイルのインダクタンスLと、の積の平方根に反比例するものである。
【0019】
従って、コンデンサを短絡して、合成キャパシタンスCの容量を減少させることで、共振周波数fを設定している。
【0020】
なお、コンデンサのキャパシタンスCは、図2に示すように、カード基板の表面に形成された表側コンデンサパターンと、カード基板の裏面に形成された裏側コンデンサパターンと、がカード基板を介して対称に位置する領域により形成されるコンデンサ領域S(極板面積)と、カード基板の厚さd(極板間距離)と、で形成され、コンデンサのキャパシタンスCは、以下に示される式(2)にて算出されるものである。なお、αは、ある所定の定数(誘電率)を示す。
【0021】
C=α×S/d・・・式(2)
【0022】
本発明は、共振周波数fを設定するためのコンデンサ部分となる金属片を、カード基板の表裏面に形成した際に、金属片の形成位置がずれた場合でも、所定のコンデンサ容量Cが保持されるために、図3に示すように、コンデンサCとなる金属片を連結する連結部分が付設されている側とは逆方向となる側に、位置ずれが生じた際にコンデンサ容量を補正する位置ずれ領域を付設してカード基板に表側コンデンサパターンを形成する。
【0023】
これにより、図4に示すように、金属片の形成位置が所定の距離Δtだけ、連結部分側にずれた際に、金属片を連結する連結部分の幅r×Δtの面積ΔSにより得られるコンデンサ容量ΔCが減少しても、位置ずれ領域ΔSにて得られるコンデンサ容量ΔCにて補正することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0024】
また、図5に示すように、金属片の形成位置が所定の距離Δt1だけ、位置ずれ領域側にずれた際に、金属片を連結する連結部分の幅r×Δt1の面積ΔS1により得られるコンデンサ容量ΔC1が増加しても、位置ずれ領域ΔS1にて得られるコンデンサ容量ΔC1にて修正することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0025】
次に、カード基板の表裏面に形成するコンデンサのパターン形成について説明する。
カード基板に形成するコンデンサパターンは、エッチング等の手法を用いて形成することが好ましい。エッチングは、緻密なコンデンサパターンを正確に形成することが可能であり、さらに、表面抵抗率も低くすることが可能である。以下に、エッチングによるコンデンサパターンの形成方法について説明する。
【0026】
(第1のコンデンサパターンの形成方法)
まず、第1のコンデンサパターンの形成方法について説明する。
第1のコンデンサパターンの形成方法は、絶縁性を有するカード基板の片面に、銅やアルミニウム等の導電性の金属箔を、図3に示すような、位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンをエッチングにて形成する。また、カード基板の他方の面に、図3に示すような、裏側コンデンサパターンをエッチングにて形成する。そして、表裏面に形成したコンデンサパターンを接続するために、所望の位置に表裏を貫くスルーホールを設け、該設けたスルーホール内に、銀等の導電性ペーストを挿入することにより、表裏面のコンデンサパターンを電気的に導通させる形成方法である。なお、エッチングにてカード基板の両面にコンデンサパターンを形成した際に、スルーホールを設ける方法として、「かしめる」という方法でも適用可能である。
【0027】
このように、第1のコンデンサパターンの形成方法は、エッチング手法を用いて、カード基板の片面に形成するコンデンサパターンの領域を、他方の面に形成するコンデンサパターンの領域よりも小さく、且つ、その小さい領域で形成するコンデンサパターンに位置ずれ領域を付設して形成することで、カード基板に形成するコンデンサパターンの形成位置が所定の距離だけずれた際に変化する連結部分のコンデンサ容量を、位置ずれ領域にて得られるコンデンサ容量にて調整することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0028】
(第2のコンデンサパターンの形成方法)
次に、第2のコンデンサパターンの形成方法について説明する。
第2のコンデンサパターンの形成方法は、カード基板の片面に、銅やアルミニウム等の導電性の金属箔を、エッチング処理を施して、図3に示すような、位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンを形成する。また、カード基板の他方の面には、導電性ペーストをスクリーン印刷等を用いて、図3に示すような、裏側コンデンサパターンを形成する。そして、所望の位置に表裏を貫くスルーホールを設け、該設けたスルーホール内に、銀等の導電性ペーストを挿入することにより、表裏面のコンデンサパターンを電気的に導通させるように形成する方法である。なお、エッチング手法を用いて裏側コンデンサパターンを形成し、印刷手法を用いて位置ずれ領域が付設された表側コンデンサパターンを形成することも可能である。
【0029】
このように、第2のコンデンサパターンの形成方法は、エッチング手法と、印刷手法を用いて、カード基板の片面に形成するコンデンサパターンの領域を、他方の面に形成するコンデンサパターンの領域よりも小さく、且つ、小さい領域で形成するコンデンサパターンに位置ずれ領域を付設して形成することで、カード基板に形成するコンデンサパターンの形成位置が所定の距離だけずれた際に変化する連結部分のコンデンサ容量を、位置ずれ領域にて得られるコンデンサ容量にて調整することが可能となり、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【0030】
なお、上記第1及び第2のコンデンサパターンの形成時において、位置ずれ領域を付設して絶縁基材の一方の面に形成される表側コンデンサパターンの形状は、位置ずれ領域が付設されていれば、特に限定せず、例えば、図6に示すようなコンデンサパターンとすることも可能である。
【0031】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
例えば、本発明のコンデンサパターンは、接触型、非接触型にかかわらず、両面にコンデンサパターンを形成する形式のカード基板であれば適用可能である。
また、コンデンサパターンは、公知の形成方法を用いても形成することは可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
本発明にかかる、アンテナシート、ICカード及びコンデンサの形成方法は、絶縁基材の一方の面に形成される金属片が、絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片で形成されており、且つ、その小さい領域の金属片を最終的にアンテナコイルに連結させる連結部分が形成される側とは逆方向となる側に、連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を付設して形成されているため、所定のコンデンサ容量を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンデンサパターンが形成されたICカードの構成を示す図である。
【図2】コンデンサのキャパシタンスCを算出するための説明図であり、(a)は、厚さdのカード基板の表裏面に形成されたコンデンサパターンの断面図を示し、(b)は、表側コンデンサパターンと、裏側コンデンサパターンと、により形成されるコンデンサ領域Sを示す図である。
【図3】本発明にかかる位置ずれ領域を付設して形成されたコンデンサパターンを示す図である。
【図4】金属片の形成位置が所定の距離Δtだけ、連結部分側にずれた場合のコンデンサパターンを示す図である。
【図5】金属片の形成位置が所定の距離Δt1だけ、位置ずれ領域側にずれた場合のコンデンサパターンを示す図である。
【図6】本発明にかかる位置ずれ領域を付設して形成されたコンデンサパターンの変形例を示す図である。
【図7】従来におけるコンデンサパターンから得られるコンデンサ容量を示す図である。
【図8】従来におけるコンデンサパターンの形成位置がずれた際のコンデンサ容量を示す図であり、(a)は、位置ずれ方向が連結部分側にずれた場合のコンデンサ容量を示す図であり、(b)は、位置ずれ方向が連結部分と反対側にずれた場合のコンデンサ容量を示す図である。
【符号の説明】
1 カード基板
2 アンテナコイル
3 コンデンサ
4 ICチップ
Claims (3)
- 金属片が絶縁基材を挟んで前記絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、前記絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、を有するアンテナシートであって、
前記絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、前記絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、
前記小さい領域の金属片は、該金属片を最終的に前記アンテナコイルに連結させる連結部分が前記金属片に付設される側とは逆方向となる側に、前記連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を前記金属片に付設して形成されてなることを特徴とするアンテナシート。 - 金属片が絶縁基材を挟んで前記絶縁基材の表裏面に形成されてなるコンデンサと、前記絶縁基材の片面に形成されてなるアンテナコイルと、前記アンテナコイルと接続されたICチップと、を有するICカードであって、
前記絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、前記絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片であり、
前記小さい領域の金属片は、該金属片を最終的に前記アンテナコイルに連結させる連結部分が前記金属片に付設される側とは逆方向となる側に、前記連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を前記金属片に付設して形成されてなることを特徴とするICカード。 - 絶縁基材の表裏面にコンデンサとなる金属片を形成するコンデンサの形成方法であって、
前記絶縁基材の一方の面に形成される金属片は、前記絶縁基材の他方の面に形成される金属片よりも小さい領域の金属片で形成し、且つ、該小さい領域で形成される金属片は、前記金属片を最終的に前記アンテナコイルに連結させる連結部分が前記金属片に付設される側とは逆方向となる側に、前記連結部分と同じ形状の位置ずれ領域を前記金属片に付設して形成することを特徴とするコンデンサの形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003155378A JP2004357203A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | アンテナシート、icカード及びコンデンサの形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004357203A true JP2004357203A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34049771
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003155378A Withdrawn JP2004357203A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | アンテナシート、icカード及びコンデンサの形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004357203A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009288874A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Mitsubishi Electric Corp | 無線通信装置 |
| KR20120080601A (ko) * | 2009-09-18 | 2012-07-17 | 테크놀로지안 투트키무스케스쿠스 브이티티 | 예를 들어 rfid 트랜스폰더 시스템용 안테나 구조 |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003155378A patent/JP2004357203A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2013505618A (ja) * | 2009-09-18 | 2013-02-14 | テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー | Rfidトランスポンダシステム用アンテナ |
| KR101657157B1 (ko) * | 2009-09-18 | 2016-09-19 | 테크놀로지안 투트키무스케스쿠스 브이티티 오와이 | 예를 들어 rfid 트랜스폰더 시스템용 안테나 구조 |
| US9502749B2 (en) | 2009-09-18 | 2016-11-22 | Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy | Antenna construction, for example for an RFID transponder system |
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