JP2004357445A - 車載電子装置の電源制御回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載の電子装置に定電圧電源を供給する定電圧電源回路の待機状態(イグニッションスイッチがオフにされた状態)での消費電流(暗電流)を低減する。
【解決手段】イグニッションスイッチ2がオフ状態にされ、且つ、第1の電子装置100が所定の処理を終了して電源供給保持信号HSの出力を停止すると、切替制御回路60は電源スイッチ回路50をオフ状態にして、第1の電子装置100への定電圧電源VCの供給を遮断するとともに、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2をオフ状態に制御して、定電圧電源回路20内のバイアス電流を第1のバイアス電流供給用抵抗で規定される小電流値に切り替える。時計装置等の低消費電流であるが常時給電を必要とする第2の電子装置200には、電源スイッチ回路50の前段から定電圧電源VDを供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】イグニッションスイッチ2がオフ状態にされ、且つ、第1の電子装置100が所定の処理を終了して電源供給保持信号HSの出力を停止すると、切替制御回路60は電源スイッチ回路50をオフ状態にして、第1の電子装置100への定電圧電源VCの供給を遮断するとともに、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2をオフ状態に制御して、定電圧電源回路20内のバイアス電流を第1のバイアス電流供給用抵抗で規定される小電流値に切り替える。時計装置等の低消費電流であるが常時給電を必要とする第2の電子装置200には、電源スイッチ回路50の前段から定電圧電源VDを供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載電子装置の電源制御装置に係り、詳しくはエミッタフォロワ型の定電圧電源回路のバイアス電流を切り替えることで、待機時に定電圧電源回路で消費される電力を低減するようにした車載電子装置の電源制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ECU(マイコン)に定電圧電源を供給する定電圧回路(電圧変換器)の前段に電源スイッチ回路を設け、ECU(マイコン)が動作を停止しているときには電源スイッチ回路をオフ(非給電)状態にすることで、ECU(マイコン)への電源供給を遮断し、これにより暗電流をゼロにして省電力化を図ることは、従来から知られている(特許文献1および4参照)。
【0003】
定電圧回路の出力電圧を直接CPUに供給するとともに、定電圧回路の出力側とCPUの周辺回路との間に電源の供給を制御するスイッチ回路を介設し、CPUはイグニッションスイッチがオフされるとスイッチ回路を導通状態に保持した状態で所定の処理を行なった後に、スイッチ回路をオフ(非導通)状態に制御して、CPUの周辺回路への給電を遮断し、これにより待機時の消費電流を低減するようにした車両用表示装置は、従来から知られている(特許文献2参照。)
NPN型トランジスタのコレクタにバッテリ正極側電源(B+)を供給し、ベースとバッテリ負極側電源(B−)またはグランド(接地電位)との間に定電圧(ツェナー)ダイオードを接続し、コレクタとベースとの間にバイアス抵抗を接続した回路構成とし、定電圧(ツェナー)ダイオードの降伏電圧(ツェナー電圧)に基づいて設定される定電圧をエミッタ側から出力するようにしたエミッタフォロワ型の定電圧回路は、従来から知られている(例えば、特許文献3および5参照)。なお、このエミッタフォロワ型の定電圧回路の出力電圧VCCは、定電圧ダイオードの降伏電圧(ツェナー電圧)をVZDとし、NPN型トランジスタのベース・エミッタ間電圧をVBEとすると、VCC=VZD−VBEとなる。
【0004】
エミッタフォロワ型の定電圧回路を構成するNPN型トランジスタのコレクタとベースの間にスイッチ回路とバイアス抵抗との直列回路を接続し、CPUはイグニッションスイッチがオフにされたことを検出すると、所定の処理(例えばメータ指針の帰零処置等)を行なった後に、スイッチ回路をオフにすることで定電圧回路の出力を停止させてCPUへの給電を遮断し、これによりCPUの無駄な電力消費を無くすようにした車両用計器の駆動装置は、従来から知られている(特許文献4参照)。
【0005】
エミッタフォロワ型の定電圧回路を構成するNPN型トランジスタのコレクタとベースの間に第1のバイアス抵抗を接続するとともに、スイッチ回路と第2のバイアス抵抗との直列回路を第1のバイアス抵抗と並列に接続し、モータ駆動時(負荷電流が大の時)にはスイッチ回路をオン(導通状態)に制御することで、実質的にバイアス抵抗の抵抗値を減少させ、これにより定電圧回路の出力電流を大きくし、モータ非駆動時(負荷電流が小の時)にはスイッチ回路をオフ(非導通状態)に制御することで、実質的にバイアス抵抗の抵抗値を大きくして、バイアス電流を減少させ、これにより電源電池の消耗を少なくするようにした時計用定電圧回路は、従来から知られている(特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−304240号公報
【特許文献2】
特開平11−255047号公報
【特許文献3】
特開平11−85293号公報(図16)
【特許文献4】
特開2002−90185号公報
【特許文献5】
実開平5−59386号公報(実用新案登録請求の範囲および図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両(自動2輪車等を含む)には種々の電子装置が搭載されている。これらの電子装置は、CPU(マイコン)を備えたものが多い。車両に搭載される電子装置には、イグニッションスイッチがオフされた状態で、(1)動作する必要がないもの(すなわち、電源供給を遮断してよいもの)と、(2)所定の処理を行なった後に動作を停止するもの(すなわち、所定時間後に電源供給を遮断してよいもの)と、(3)動作を継続する必要があるもの(すなわち、電源供給が必要なもの)とがある。動作を継続する必要があるものとして、時計装置または時計装置内の計時部、車両の盗難を監視する装置等がある。
【0008】
単一の定電圧電源回路から電源供給を遮断してもよい電子装置と常時給電が必要な電子装置との双方に電源供給する場合には、定電圧電源回路の前段に電源スイッチ回路を設けることはできない。
【0009】
そこで、単一の定電圧電源回路から複数の電子装置に定電圧化された電源を供給する場合、(1)イグニッションスイッチがオフの状態では電源供給を遮断してよい電子装置に対しては、定電圧電源回路の出力側と電子装置との間にスイッチ回路を設け、このスイッチ回路をイグニッションスイッチがオフされた際に直ちに非導通状態に制御することで電子装置への給電を停止させることができ、(2)イグニッションスイッチがオフされた時点から所定時間経過後に電源供給を遮断してよい電子装置に対しては、定電圧電源回路の出力側と電子装置との間にスイッチ回路を設け、このスイッチ回路の導通状態を電子装置側の出力によって所定時間保持することで、イグニッションスイッチがオフされた時点から所定時間経過後に電子装置への給電を停止させることができ、(3)時計装置等の常時電源供給を必要とする電子装置に対して定電圧電源回路の出力を直接供給することで、電源を常時供給することができる。このように、電子装置毎に電源供給を遮断することで、不要な電力消費をなくすことができる。
【0010】
しかしながら、NPN型トランジスタのコレクタに正極側バッテリ電源(B+)を供給し、ベースとグランド(接地電位,負極側バッテリ電源(B−))との間に定電圧(ツェナー)ダイオードを接続し、コレクタとベースとの間にバイアス抵抗を接続する構成とし、エミッタ側から定電圧ダイオードの降伏電圧(ツェナー)に基づいて設定される定電圧を出力するようにしたエミッタフォロワ型の定電圧電源回路を用いた場合、以下の課題が生ずる。
【0011】
定電圧電源回路の最大出力電流(すなわち、イグニッションスイッチがオン状態で、この定電圧電源回路から給電を受ける全ての電子装置が動作している状態での電流の最大値)に基づいてバイアス抵抗の値が設定されているため、時計装置等の常時電源供給を必要とする電子装置に対してのみ電源を供給する状態では、バイアス抵抗を介して定電圧ダイオードに不要なバイアス電流が流れており、定電圧電源回路内で無駄な電力を消費している。
【0012】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、定電圧電源回路から負荷(電子装置)へ供給する電流が少ない待機状態では、定電圧電源回路のバイアス電流を低減することで、定電圧電源回路内での不要な電力消費なくすようにした車載電子装置の電源制御回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、NPN型のトランジスタのコレクタ側をバッテリの正極側電源の入力端子とし、トランジスタのエミッタ側を定電圧出力端子とし、トランジスタのベースとバッテリの負極側(グランド)との間に定電圧回路を接続し、トランジスタのコレクタとベースとの間にトランジスタのベースおよび定電圧回路に供給するバイアス電流の値を少なくとも2段階に切り替えるバイアス電流切替回路を接続してなるエミッタフォロワ型の定電圧電源回路と、この定電圧電源回路の定電圧出力端子と電子装置の電源端子との間に介設されて電子装置への電源供給を制御する電源スイッチ回路と、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御し、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御する切替制御回路とを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御する。これにより、電源スイッチ回路を介して電子装置に大きな電流(例えば数ミリアンペア〜数100ミリアンペア)を供給することができる。
【0015】
そして、この車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御する。これにより、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置への電源供給が完全に遮断される。
【0016】
イグニッションスイッチがオフ状態であっても電源を供給する必要のある常時給電型の電子装置(例えば時計装置や盗難監視装置等)に対しては、電源スイッチ回路を介することなく、定電圧電源回路の定電圧出力端子から直接電源供給を行なうことになるが、常時給電型の電子装置の消費電流は、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置の消費電流に対して極めて小さい。
【0017】
そこで、電源スイッチ回路を非導通状態に制御するとともに、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えることで、定電圧電源回路内部で消費する電流を低減する。これにより、定電圧電源回路を介して例えば時計装置等へ電圧が安定化された電源(定電圧電源)を常時供給する場合であっても、イグニッションスイッチがオフ状態のときに車載バッテリから供給される電流(いわゆる暗電流)を大幅に低減することができる。
【0018】
なお、定電圧回路は定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)を用いて構成することで、単一の素子で定電圧を発生させることができる。これにより、定電圧電源回路の構成を簡易なものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1はこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路の一実施の形態を示す回路図である。図1において、符号1は車載のバッテリであり、バッテリ1の正極側電源B+は電源制御回路10の正極側電源端子10aに供給され、バッテリ1の負極側電源B−は電源制御回路10の負極側電源入力端子10bに供給される。負極側電源入力端子10bは、電源制御回路10のグランドに接続されている。すなわち、バッテリ1の負極側電源B−は接地されている。
【0021】
符号2はイグニッションスイッチ(IGNSW)であり、このイグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、バッテリ1の正極側電源B+が電源制御回路10のイグニッション電源入力端子10cに供給される。
【0022】
符号100は第1の電子装置であり、この第1の電子装置100は電源制御回路10の第1の電源出力端子10dから定電圧電源VCの供給を受けて動作する。符号200は第2の電子装置であり、この第2の電子装置200は電源制御回路10の第2の電源出力端子10eから定電圧電源VDの供給を受けて動作する。
【0023】
符号10fは、イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にあることを示すイグニッションスイッチ検出信号ISの出力端子である。イグニッションスイッチオン検出信号ISは、第1の電子装置100のイグニッションスイッチオン検出信号入力端子IGKへ供給される。符号10gは、第1の電子装置100の電源供給保持信号出力端子DKHから出力される電源供給保持信号HSの入力端子である。なお、VCCは第1の電子装置100の正極側電源端子、GNDは第1の電子装置100の負極側電源端子(グランド端子)である。
【0024】
ここで、第1の電子装置100は、イグニッションスイッチ2がオフにされた状態では、基本的に電源の供給を受ける必要がない電子装置である。このような電子装置の例として、車両用メータ装置を挙げることができる。また、第2の電子装置200は、イグニッションスイッチ2の状態に拘らず常時給電を受ける必要がある電子装置で、このような電子装置の例として、時計装置や盗難防止装置等を挙げることができる。
【0025】
電源制御回路10は、バッテリ1から電力の供給を受けて、例えば出力電圧が5ボルトの定電圧電源VDを生成し、生成した定電圧電源VDを第2の電子装置200へ供給することができるとともに、電源スイッチ回路50を介して第1の電子装置100への電源供給/遮断を制御できるようにしたものである。
【0026】
この電源制御回路10は、エミッタフォロワ型の定電圧電源回路20と、第1の電子装置100に対する電源供給を制御する電源スイッチ回路50と、バイアス電流切替回路40のバイアス電流の切り替え及び電源スイッチ回路50のオン/オフ(給電/遮断)動作を切り替える切替制御回路60と、イグニッションスイッチ2の操作状態を検出して、イグニッションスイッチオン検出信号ISを第1の電子装置100へ供給するインタフェース回路70とからなる。
【0027】
定電圧電源回路20は、NPN型のトランジスタQ1と、この定電圧電源回路20の出力電圧を規定するための定電圧回路30と、この定電圧電源回路20内のバイアス電流を少なくとも2段階に切り替えるバイアス電流切替回路40とを備える。より具体的には、この定電圧電源回路20は、NPN型のトランジスタQ1と、定電圧回路30を構成する定電圧ダイオードD1と、バイアス電流切替回路40を構成する各抵抗R1〜R4及びPNP型のスイッチングトランジスタQ2とからなる。定電圧ダイオードD1は、そのカソードがNPN型のトランジスタQ1のベースに接続され、そのアノードがグランドに接続されている。
【0028】
NPN型のトランジスタQ1のエミッタとベースとの間に、第1のバイアス電流供給用抵抗R1が接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2と第2のバイアス電流供給用抵抗R2との直列接続回路が、第1のバイアス電流供給用抵抗R1に並列に接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2のエミッタとベースとの間に、エミッタ−ベース間抵抗R3が接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2のベースは、ベース抵抗R4を介して切替制御回路60の出力端子60aに接続されている。
【0029】
第1のバイアス電流供給用抵抗R1の抵抗値は大きな値(例えば、数100キロオーム程度)に設定されており、第2のバイアス電流供給用抵抗R2の抵抗値は第1のバイアス電流供給用抵抗R1よりも十分に小さい値(例えば数キロオーム〜10数キロオーム程度)に設定されている。したがって、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオフ状態(非導通状態)であるときには、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を介して小さなバイアス電流が供給される。また、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオン状態(導通状態)に制御されると、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を介して供給されるバイアス電流に第2のバイアス電流供給用抵抗R2を介して供給されるバイアス電流が加算されるので、大きな出力電流を供給するのに十分な比較的大きなバイアス電流がNPN型トランジスタQ1のベース及び定電圧回路30を構成する定電圧ダイオードD1に供給される。
【0030】
バッテリ1の正極側電源B+は、正極側電源入力端子10aからバッテリ逆接続保護用ダイオードD2と突入電流制限用抵抗R5との直列接続回路を介して、NPN型のトランジスタQ1のコレクタ及びバイアス電流切替回路40の入力端40aに供給される。
【0031】
なお、定電圧電源回路20の入力側(NPN型のトランジスタQ1のコレクタ側)とグランドとの間に、バッテリ電源に重畳されたサージ電圧を吸収するためのサージ電圧吸収用素子(例えば定電圧ダイオード)D3と電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C1とがそれぞれ接続されている。
【0032】
定電圧電源回路20の出力側(NPN型のトランジスタQ1のエミッタ側)とグランドとの間に、定電圧電源VDの出力電圧を安定化するための電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C2が接続されている。定電圧電源回路20から出力された定電圧電源VCは、第2の電源出力端子10eへ直接供給されるとともに、電源スイッチ回路50を介して第1の電源出力端子10dに供給される。
【0033】
電源スイッチ回路50は、PNP型のスイッチングトランジスタQ3と、エミッタ−ベース間抵抗R6と、ベース抵抗R7と、逆流防止用ダイオードD4とから構成されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ3のエミッタは、定電圧電源回路20の出力側(NPN型のトランジスタQ1のエミッタ側)に接続され、PNP型のスイッチングトランジスタQ3のコレクタは、第1の電源出力端子10dに接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ3のベースは、ベース抵抗R7及び逆流防止用ダイオードD4を介して切替制御回路60の出力端子60aに接続されている。
【0034】
電源スイッチ回路50の出力側(第1の電源出力端子10d)とグランドとの間には、定電圧電源VDの出力電圧を安定化するための電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C3と、高周波雑音を吸収するためのノイズ吸収用コンデンサ(例えばセラミックコンデンサ)C4とがそれぞれ接続されている。
【0035】
切替制御回路60は、イグニッションスイッチ2がオン状態にされたときにオン(導通)状態となるNPN型のスイッチングトランジスタQ4と、そのトランジスタQ4のベース抵抗R8及びベース−エミッタ間抵抗R9と、電源供給保持信号HSが供給されたときにオン(導通状態)となるNPN型のスイッチングトランジスタQ5と、そのトランジスタQ5のベース抵抗R10及びベース−エミッタ間抵抗R11とからなる。各スイッチングトランジスタQ4,Q5のエミッタはそれぞれグランドに接続されている。各スイッチングトランジスタQ4,Q5のコレクタは、切替制御回路60の出力端子60aにそれぞれ接続されている。
【0036】
インタフェース回路70は、エミッタがグランドに接続されたNPN型のスイッチングトランジスタQ6と、ベース抵抗R12及びベース−エミッタ間抵抗R13とからなる。スイッチングトランジスタQ6のコレクタは、イグニッションスイッチオン検出信号出力端子10fに接続されている。
【0037】
イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、バッテリ逆接続保護用ダイオードD5を介して切替制御回路60の入力端子60b及びインタフェース回路70の入力端子70aにイグニッション電源VIGN(バッテリ電源B+)が供給される。
【0038】
符号D6は、イグニッション電源VIGN側から定電圧電源回路20にイグニッション電源VIGN(バッテリ電源B+)を供給するためのダイオードであり、このダイオードD6のアノードはダイオードD5のカソード側に接続され、このダイオードD6のカソードはダイオードD2のカソード側に接続されている。なお、ダイオードD6のアノードをイグニッション電源入力端子10fに接続するようにしてもよい。
【0039】
図1に示す電源制御回路10は、イグニッションスイッチ2がオン状態にされると、切替制御回路60内のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオン(導通)状態となる。これにより、電源スイッチ回路50内のPNP型スイッチングトランジスタQ3にベース電流が供給され、このトランジスタQ3がオン(導通)状態となって、第1の電子装置100へ定電圧電源VCを供給する。また、切替制御回路60内のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオン(導通)状態となると、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2にベース電流が供給され、このトランジスタQ2がオン(導通)状態となるので、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベース電流が増加する。したがって、NPN型トランジスタQ1を介して負荷である各電子装置100,200へ供給可能な電流が増大される。
【0040】
また、イグニッションスイッチ2がオン状態にされると、インタフェース回路70内のNPN型スイッチングトランジスタQ6がオン(導通)状態となり、Lレベルのイグニッションスイッチオン検出信号ISが第1の電子装置100のイグニッションオン検出信号入力端子IGKに供給される。なお、本実施の形態では、イグニッションオン検出信号入力端子IGK側にプルアップ抵抗(図示しない)が設けられている。第1の電子装置100は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態にあることを認識すると、Hレベルの電源供給保持信号HSを出力する。第1の電子装置100は、イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)にされたことを認識すると、所定の処理が終了した時点で電源供給保持信号HSの出力を停止する。
【0041】
イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)状態にされ、これに伴って切替制御回路60内の一方のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオフ(非導通)となっても、他方のNPN型スイッチングトランジスタQ5は、第1の電子装置100から電源供給保持信号HSが供給されている期間は、オン(導通)状態となるので、電源スイッチ回路50の電源供給/遮断用のPNP型スイッチングトランジスタQ3はオン(導通)状態が継続され、第1の電子装置100に対する電源供給は継続される。また、バイアス電流切替回路40は、PNP型スイッチングトランジスタQ2のオン状態が継続されるので、定電圧電源回路20の負荷である第1の電子装置100に対して十分な電流を供給できる状態が継続される。
【0042】
そして、第1の電子装置100が所定の処理を終了した後に、電源供給保持信号HSの出力を停止すると、切替制御回路60内の他方のNPN型スイッチングトランジスタQ5がオフ(非導通)状態となり、電源スイッチ回路50内の電源供給/遮断用のPNP型スイッチングトランジスタQ3がオフ(非導通)状態となって、第1の電子装置100への定電圧電源VCの供給を遮断する。これと同時に、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2がオフ(非導通)状態となるので、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベース電流は、抵抗値の大きい第1のバイアス電流供給用抵抗R1によって規制されて小さな値に減少される。これにより、第1の電子装置100へ定電圧電源VCを供給していない状態における定電圧電源回路20内での消費電流が低減される。定電圧電源回路20内での消費電流が低減された状態であっても、例えば時計装置等の消費電流が小さいが常時電源供給を必要とする第2の電子装置200に対して定電圧電源VDを安定に供給することができるように、第1のバイアス電流供給用抵抗R1の抵抗値が設定されている。
【0043】
図2は定電圧回路の他の構成例を示す図である。定電圧電源回路20内の定電圧回路30は定電圧ダイオードD1を用いて構成する以外に、図2に示すようにトランジスタを用いた能動型の定電圧回路を用いて構成するようにしてもよい。
【0044】
ここで、図2(a)は、NPN型トランジスタQnとベース−エミッタ間抵抗Raとベース−コレクタ間抵抗Rbとからなる定電圧回路30Aを示しており、図2(b)はPNP型トランジスタQpとエミッタ−ベース間抵抗Rcとベース−コレクタ間抵抗Rdとからなる定電圧回路30Bを示している。図2(c)は、NPN型トランジスタQnのベースとエミッタ間に、ベース−エミッタ間抵抗RaとダイオードDaとの直列回路を接続することで、温度特性の改善を図った定電圧回路30Cを示しており、図2(d)は、PNP型トランジスタQpのエミッタとベース間にダイオードDbとエミッタ−ベース間抵抗Rcとの直列回路を接続することで、温度特性の改善を図った定電圧回路30Dを示している。
【0045】
図2(a)〜図2(d)に示したトランジスタを用いた能動型の定電圧回路30A〜30Dは、2つの抵抗の比によって定電圧回路30A〜30Dの電圧値が決定されるので、任意に電圧値を設定することができる。
【0046】
図3は第1の電子装置の一具体例として車両用メータ装置の構成を示すブロック図である。第1の電子装置100としての車両用メータ装置100Aは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース回路、クロック発振回路、パワーオンリセット回路等を備えたCPU部110と、スピードメータ本体121を駆動するメータ駆動回路部120と、液晶表示装置131を用いて構成したオドメータ表示部131a及びトリップメータ表示部131bに該当する走行距離をそれぞれ表示させる表示装置駆動回路部130と、総走行距離のデータ及びユーザが任意にリセットできる走行距離のデータを格納する書き換え可能な不揮発性メモリ(例えばEEPROM)132とを備える。
【0047】
図4は車両用メータ装置の動作を示すフローチャートである。車両用メータ装置100Aは、電源端子VCCに定電圧電源VCが供給されると、先ずCPU部110の初期化処理がなされた後に(ステップS1)、ステップ2以降の動作が開始される。CPU部110は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態であることを確認すると(ステップS2)、電源供給保持信号HSを出力し(ステップS3)、通常処理(メータ表示処理)を実行する(ステップS4)。
【0048】
ステップ4の通常処理(メータ表示処理)では、図3に示すようにCPU部110は、車速センサ140から供給されるパルス信号140aの周期を測定し、所定時間における複数の周期測定結果又は所定パルス数の周期測定結果の平均化処理を施して車速を求め、メータ駆動回路部120を介してスピードメータ本体121を駆動してメータの指針を回動させ、車速を指示させる。
【0049】
また、CPU部110は、車速センサ140から供給されるパルス信号をカウントし、所定のカウント数毎に所定の走行距離を積算して総走行距離及びユーザが任意にリセットできる走行距離を求め、表示装置駆動回路130を介して求めた各走行距離を表示装置駆動回路130のオドメータ表示部131a及びトリップメータ表示部131bにそれぞれ表示させる。この通常処理(メータ表示処理)は、イグニッションスイッチ2がオン状態である限り繰り返し継続される。
【0050】
図4に示すように、CPU部110は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態からオフ状態になったことを検出すると(ステップS2)、ステップS5で終了処理を行なった後に、ステップS6で電源供給保持信号HSの出力を停止させる。これにより、車両用メータ装置100Aに対する定電圧電源VCの供給が遮断される。
【0051】
すなわち、イグニッションスイッチ2がオフ状態にされると、ステップS5でCPU部110は、スピードメータ本体121の指針をゼロ位置に戻すためのメータの帰零動作を行なうとともに、オドメータの積算値及びトリップメータの積算値を不揮発性メモリ(EEPROM)132にそれぞれ書き込んだ後に、ステップS6で電源供給保持信号HSの出力を停止させて、車両用メータ装置100Aに対する定電圧電源VCの供給が遮断させる。
【0052】
前述したように、図1に示した電源制御回路10は、第1の電子装置100である車両用メータ装置100Aからの電源供給保持信号HSの供給が停止されると、電源スイッチ回路50をオフ状態(非導通状態)にし、第1の電子装置100(車両用メータ装置100A)への定電圧電源VCの供給を停止する。さらに、電源制御回路10は、定電圧電源回路20のバイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2をオフ状態(非導通状態)にし、バイアス電流が小さい状態に切り替える。これにより、定電圧電源回路20内で不必要なバイアス電流が供給されるのを防止する。したがって、イグニッションスイッチ2がオフ状態でのいわゆる暗電流を低減するとともに、例えば時計装置等の常時給電を必要とする第2の電子装置200に対して定電圧電源VDを供給することができる。
【0053】
図5はバイアス電流切替回路の他の構成を示す回路部である。図5に示すバイアス電流切替回路40Aは、抵抗値が大きく(例えば、数100キロオーム程度)、その抵抗値に基づいて電源スイッチ回路50が非導通状態の時のバイアス電流を主として設定する第1のバイアス電流供給用抵抗R1と、第1のバイアス電流供給用抵抗R1よりも十分に小さい抵抗値(例えば数キロオーム〜10数キロオーム程度)で主として電源スイッチ回路50が導通状態の時のバイアス電流を設定する第2のバイアス電流供給用抵抗R2とを直列に接続し、PNP型のスイッチングトランジスタQ2を第1のバイアス電流供給用抵抗R1に並列に接続している。
【0054】
そして、図1に示した切替制御回路60内の各NPN型スイッチングトランジスタQ4,Q5のいずれかがオン状態となったときに、ベース抵抗R4を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ2にベース電流が供給されて、PNP型のスイッチングトランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間が導通状態になって、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を短絡するようにしたものである。これにより、イグニッションスイッチ2がオン状態のとき、及び、電源供給保持信号HSが供給されている間は、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベースに大きな電流を供給することができるので、第1の電子装置100側に十分な電流を供給することができる。また、イグニッションスイッチ2がオフ状態であって、且つ、電源供給保持信号HSの出力が停止された状態では、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオフ状態になり、抵抗値が大きい第1のバイアス電流供給用抵抗R1と第2のバイアス電流供給用抵抗R2との直列接続回路によってバイアス電流を小さく抑える。これにより、第1の電子装置100への給電を遮断している状態で、定電圧電源回路20内部での消費電流を低減することができ、いわゆる暗電流を低減することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、バイアス電流切替回路40,40Aはバイアス電流を2段階に切り替える構成を示したが、電源スイッチ回路50を複数系統設け、複数の電子装置毎に、又は複数の電子装置グループ別に定電圧電源の供給/遮断を制御できる構成をとる場合には、定電圧電源を供給している電子装置の個数または電子装置グループのグループ数に応じて、定電圧電源回路20内のバイアス電流の値を多段階に切り替えるようにしてもよい。これにより、定電圧電源回路20内で不要に消費される電流を木目細かく低減することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御するので、電源スイッチ回路を介して電子装置にその動作に必要な十分な電流(例えば数ミリアンペア〜数100ミリアンペア)を供給することができる。
【0057】
そして、この車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御するので、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置への電源供給が完全に遮断されるとともに、定電圧電源回路内のバイアス電流を低減するので、イグニッションスイッチがオフにされた状態でのバッテリの消費電流(いわゆる暗電流)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路の定電圧回路の他の構成例を示す図である。
【図3】第1の電子装置の一具体例として車両用メータ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した車両用メータ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路のバイアス電流切替回路の他の構成を示す回路部である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 イグニッションスイッチ
10 電源制御回路
20 定電圧電源回路
30 定電圧回路
40、40A バイアス電流切替回路
50 電源スイッチ回路
60 切替制御回路
70 インタフェース回路
100 第1の電子装置
200 第2の電子装置
D1 定電圧回路を構成する定電圧ダイオード
HS 電源供給保持信号
IS イグニッションスイッチオン検出信号
Q1 定電圧電源回路を構成するNPN型トランジスタ
Q2 バイアス電流切替回路を構成するPNP型スイッチングトランジスタ
Q3 電源スイッチ回路を構成するPNP型スイッチングトランジスタ
Q4 切替制御回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
Q5 切替制御回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
Q6 インタフェース回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
R1 バイアス電流切替回路を構成する第1のバイアス電流供給用抵抗
R2 バイアス電流切替回路を構成する第2のバイアス電流供給用抵抗
VC 定電圧電源(電源スイッチ回路の前段)
VD 定電圧電源(電源スイッチ回路の後段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載電子装置の電源制御装置に係り、詳しくはエミッタフォロワ型の定電圧電源回路のバイアス電流を切り替えることで、待機時に定電圧電源回路で消費される電力を低減するようにした車載電子装置の電源制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ECU(マイコン)に定電圧電源を供給する定電圧回路(電圧変換器)の前段に電源スイッチ回路を設け、ECU(マイコン)が動作を停止しているときには電源スイッチ回路をオフ(非給電)状態にすることで、ECU(マイコン)への電源供給を遮断し、これにより暗電流をゼロにして省電力化を図ることは、従来から知られている(特許文献1および4参照)。
【0003】
定電圧回路の出力電圧を直接CPUに供給するとともに、定電圧回路の出力側とCPUの周辺回路との間に電源の供給を制御するスイッチ回路を介設し、CPUはイグニッションスイッチがオフされるとスイッチ回路を導通状態に保持した状態で所定の処理を行なった後に、スイッチ回路をオフ(非導通)状態に制御して、CPUの周辺回路への給電を遮断し、これにより待機時の消費電流を低減するようにした車両用表示装置は、従来から知られている(特許文献2参照。)
NPN型トランジスタのコレクタにバッテリ正極側電源(B+)を供給し、ベースとバッテリ負極側電源(B−)またはグランド(接地電位)との間に定電圧(ツェナー)ダイオードを接続し、コレクタとベースとの間にバイアス抵抗を接続した回路構成とし、定電圧(ツェナー)ダイオードの降伏電圧(ツェナー電圧)に基づいて設定される定電圧をエミッタ側から出力するようにしたエミッタフォロワ型の定電圧回路は、従来から知られている(例えば、特許文献3および5参照)。なお、このエミッタフォロワ型の定電圧回路の出力電圧VCCは、定電圧ダイオードの降伏電圧(ツェナー電圧)をVZDとし、NPN型トランジスタのベース・エミッタ間電圧をVBEとすると、VCC=VZD−VBEとなる。
【0004】
エミッタフォロワ型の定電圧回路を構成するNPN型トランジスタのコレクタとベースの間にスイッチ回路とバイアス抵抗との直列回路を接続し、CPUはイグニッションスイッチがオフにされたことを検出すると、所定の処理(例えばメータ指針の帰零処置等)を行なった後に、スイッチ回路をオフにすることで定電圧回路の出力を停止させてCPUへの給電を遮断し、これによりCPUの無駄な電力消費を無くすようにした車両用計器の駆動装置は、従来から知られている(特許文献4参照)。
【0005】
エミッタフォロワ型の定電圧回路を構成するNPN型トランジスタのコレクタとベースの間に第1のバイアス抵抗を接続するとともに、スイッチ回路と第2のバイアス抵抗との直列回路を第1のバイアス抵抗と並列に接続し、モータ駆動時(負荷電流が大の時)にはスイッチ回路をオン(導通状態)に制御することで、実質的にバイアス抵抗の抵抗値を減少させ、これにより定電圧回路の出力電流を大きくし、モータ非駆動時(負荷電流が小の時)にはスイッチ回路をオフ(非導通状態)に制御することで、実質的にバイアス抵抗の抵抗値を大きくして、バイアス電流を減少させ、これにより電源電池の消耗を少なくするようにした時計用定電圧回路は、従来から知られている(特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−304240号公報
【特許文献2】
特開平11−255047号公報
【特許文献3】
特開平11−85293号公報(図16)
【特許文献4】
特開2002−90185号公報
【特許文献5】
実開平5−59386号公報(実用新案登録請求の範囲および図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両(自動2輪車等を含む)には種々の電子装置が搭載されている。これらの電子装置は、CPU(マイコン)を備えたものが多い。車両に搭載される電子装置には、イグニッションスイッチがオフされた状態で、(1)動作する必要がないもの(すなわち、電源供給を遮断してよいもの)と、(2)所定の処理を行なった後に動作を停止するもの(すなわち、所定時間後に電源供給を遮断してよいもの)と、(3)動作を継続する必要があるもの(すなわち、電源供給が必要なもの)とがある。動作を継続する必要があるものとして、時計装置または時計装置内の計時部、車両の盗難を監視する装置等がある。
【0008】
単一の定電圧電源回路から電源供給を遮断してもよい電子装置と常時給電が必要な電子装置との双方に電源供給する場合には、定電圧電源回路の前段に電源スイッチ回路を設けることはできない。
【0009】
そこで、単一の定電圧電源回路から複数の電子装置に定電圧化された電源を供給する場合、(1)イグニッションスイッチがオフの状態では電源供給を遮断してよい電子装置に対しては、定電圧電源回路の出力側と電子装置との間にスイッチ回路を設け、このスイッチ回路をイグニッションスイッチがオフされた際に直ちに非導通状態に制御することで電子装置への給電を停止させることができ、(2)イグニッションスイッチがオフされた時点から所定時間経過後に電源供給を遮断してよい電子装置に対しては、定電圧電源回路の出力側と電子装置との間にスイッチ回路を設け、このスイッチ回路の導通状態を電子装置側の出力によって所定時間保持することで、イグニッションスイッチがオフされた時点から所定時間経過後に電子装置への給電を停止させることができ、(3)時計装置等の常時電源供給を必要とする電子装置に対して定電圧電源回路の出力を直接供給することで、電源を常時供給することができる。このように、電子装置毎に電源供給を遮断することで、不要な電力消費をなくすことができる。
【0010】
しかしながら、NPN型トランジスタのコレクタに正極側バッテリ電源(B+)を供給し、ベースとグランド(接地電位,負極側バッテリ電源(B−))との間に定電圧(ツェナー)ダイオードを接続し、コレクタとベースとの間にバイアス抵抗を接続する構成とし、エミッタ側から定電圧ダイオードの降伏電圧(ツェナー)に基づいて設定される定電圧を出力するようにしたエミッタフォロワ型の定電圧電源回路を用いた場合、以下の課題が生ずる。
【0011】
定電圧電源回路の最大出力電流(すなわち、イグニッションスイッチがオン状態で、この定電圧電源回路から給電を受ける全ての電子装置が動作している状態での電流の最大値)に基づいてバイアス抵抗の値が設定されているため、時計装置等の常時電源供給を必要とする電子装置に対してのみ電源を供給する状態では、バイアス抵抗を介して定電圧ダイオードに不要なバイアス電流が流れており、定電圧電源回路内で無駄な電力を消費している。
【0012】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、定電圧電源回路から負荷(電子装置)へ供給する電流が少ない待機状態では、定電圧電源回路のバイアス電流を低減することで、定電圧電源回路内での不要な電力消費なくすようにした車載電子装置の電源制御回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、NPN型のトランジスタのコレクタ側をバッテリの正極側電源の入力端子とし、トランジスタのエミッタ側を定電圧出力端子とし、トランジスタのベースとバッテリの負極側(グランド)との間に定電圧回路を接続し、トランジスタのコレクタとベースとの間にトランジスタのベースおよび定電圧回路に供給するバイアス電流の値を少なくとも2段階に切り替えるバイアス電流切替回路を接続してなるエミッタフォロワ型の定電圧電源回路と、この定電圧電源回路の定電圧出力端子と電子装置の電源端子との間に介設されて電子装置への電源供給を制御する電源スイッチ回路と、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御し、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御する切替制御回路とを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御する。これにより、電源スイッチ回路を介して電子装置に大きな電流(例えば数ミリアンペア〜数100ミリアンペア)を供給することができる。
【0015】
そして、この車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御する。これにより、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置への電源供給が完全に遮断される。
【0016】
イグニッションスイッチがオフ状態であっても電源を供給する必要のある常時給電型の電子装置(例えば時計装置や盗難監視装置等)に対しては、電源スイッチ回路を介することなく、定電圧電源回路の定電圧出力端子から直接電源供給を行なうことになるが、常時給電型の電子装置の消費電流は、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置の消費電流に対して極めて小さい。
【0017】
そこで、電源スイッチ回路を非導通状態に制御するとともに、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えることで、定電圧電源回路内部で消費する電流を低減する。これにより、定電圧電源回路を介して例えば時計装置等へ電圧が安定化された電源(定電圧電源)を常時供給する場合であっても、イグニッションスイッチがオフ状態のときに車載バッテリから供給される電流(いわゆる暗電流)を大幅に低減することができる。
【0018】
なお、定電圧回路は定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)を用いて構成することで、単一の素子で定電圧を発生させることができる。これにより、定電圧電源回路の構成を簡易なものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1はこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路の一実施の形態を示す回路図である。図1において、符号1は車載のバッテリであり、バッテリ1の正極側電源B+は電源制御回路10の正極側電源端子10aに供給され、バッテリ1の負極側電源B−は電源制御回路10の負極側電源入力端子10bに供給される。負極側電源入力端子10bは、電源制御回路10のグランドに接続されている。すなわち、バッテリ1の負極側電源B−は接地されている。
【0021】
符号2はイグニッションスイッチ(IGNSW)であり、このイグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、バッテリ1の正極側電源B+が電源制御回路10のイグニッション電源入力端子10cに供給される。
【0022】
符号100は第1の電子装置であり、この第1の電子装置100は電源制御回路10の第1の電源出力端子10dから定電圧電源VCの供給を受けて動作する。符号200は第2の電子装置であり、この第2の電子装置200は電源制御回路10の第2の電源出力端子10eから定電圧電源VDの供給を受けて動作する。
【0023】
符号10fは、イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にあることを示すイグニッションスイッチ検出信号ISの出力端子である。イグニッションスイッチオン検出信号ISは、第1の電子装置100のイグニッションスイッチオン検出信号入力端子IGKへ供給される。符号10gは、第1の電子装置100の電源供給保持信号出力端子DKHから出力される電源供給保持信号HSの入力端子である。なお、VCCは第1の電子装置100の正極側電源端子、GNDは第1の電子装置100の負極側電源端子(グランド端子)である。
【0024】
ここで、第1の電子装置100は、イグニッションスイッチ2がオフにされた状態では、基本的に電源の供給を受ける必要がない電子装置である。このような電子装置の例として、車両用メータ装置を挙げることができる。また、第2の電子装置200は、イグニッションスイッチ2の状態に拘らず常時給電を受ける必要がある電子装置で、このような電子装置の例として、時計装置や盗難防止装置等を挙げることができる。
【0025】
電源制御回路10は、バッテリ1から電力の供給を受けて、例えば出力電圧が5ボルトの定電圧電源VDを生成し、生成した定電圧電源VDを第2の電子装置200へ供給することができるとともに、電源スイッチ回路50を介して第1の電子装置100への電源供給/遮断を制御できるようにしたものである。
【0026】
この電源制御回路10は、エミッタフォロワ型の定電圧電源回路20と、第1の電子装置100に対する電源供給を制御する電源スイッチ回路50と、バイアス電流切替回路40のバイアス電流の切り替え及び電源スイッチ回路50のオン/オフ(給電/遮断)動作を切り替える切替制御回路60と、イグニッションスイッチ2の操作状態を検出して、イグニッションスイッチオン検出信号ISを第1の電子装置100へ供給するインタフェース回路70とからなる。
【0027】
定電圧電源回路20は、NPN型のトランジスタQ1と、この定電圧電源回路20の出力電圧を規定するための定電圧回路30と、この定電圧電源回路20内のバイアス電流を少なくとも2段階に切り替えるバイアス電流切替回路40とを備える。より具体的には、この定電圧電源回路20は、NPN型のトランジスタQ1と、定電圧回路30を構成する定電圧ダイオードD1と、バイアス電流切替回路40を構成する各抵抗R1〜R4及びPNP型のスイッチングトランジスタQ2とからなる。定電圧ダイオードD1は、そのカソードがNPN型のトランジスタQ1のベースに接続され、そのアノードがグランドに接続されている。
【0028】
NPN型のトランジスタQ1のエミッタとベースとの間に、第1のバイアス電流供給用抵抗R1が接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2と第2のバイアス電流供給用抵抗R2との直列接続回路が、第1のバイアス電流供給用抵抗R1に並列に接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2のエミッタとベースとの間に、エミッタ−ベース間抵抗R3が接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ2のベースは、ベース抵抗R4を介して切替制御回路60の出力端子60aに接続されている。
【0029】
第1のバイアス電流供給用抵抗R1の抵抗値は大きな値(例えば、数100キロオーム程度)に設定されており、第2のバイアス電流供給用抵抗R2の抵抗値は第1のバイアス電流供給用抵抗R1よりも十分に小さい値(例えば数キロオーム〜10数キロオーム程度)に設定されている。したがって、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオフ状態(非導通状態)であるときには、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を介して小さなバイアス電流が供給される。また、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオン状態(導通状態)に制御されると、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を介して供給されるバイアス電流に第2のバイアス電流供給用抵抗R2を介して供給されるバイアス電流が加算されるので、大きな出力電流を供給するのに十分な比較的大きなバイアス電流がNPN型トランジスタQ1のベース及び定電圧回路30を構成する定電圧ダイオードD1に供給される。
【0030】
バッテリ1の正極側電源B+は、正極側電源入力端子10aからバッテリ逆接続保護用ダイオードD2と突入電流制限用抵抗R5との直列接続回路を介して、NPN型のトランジスタQ1のコレクタ及びバイアス電流切替回路40の入力端40aに供給される。
【0031】
なお、定電圧電源回路20の入力側(NPN型のトランジスタQ1のコレクタ側)とグランドとの間に、バッテリ電源に重畳されたサージ電圧を吸収するためのサージ電圧吸収用素子(例えば定電圧ダイオード)D3と電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C1とがそれぞれ接続されている。
【0032】
定電圧電源回路20の出力側(NPN型のトランジスタQ1のエミッタ側)とグランドとの間に、定電圧電源VDの出力電圧を安定化するための電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C2が接続されている。定電圧電源回路20から出力された定電圧電源VCは、第2の電源出力端子10eへ直接供給されるとともに、電源スイッチ回路50を介して第1の電源出力端子10dに供給される。
【0033】
電源スイッチ回路50は、PNP型のスイッチングトランジスタQ3と、エミッタ−ベース間抵抗R6と、ベース抵抗R7と、逆流防止用ダイオードD4とから構成されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ3のエミッタは、定電圧電源回路20の出力側(NPN型のトランジスタQ1のエミッタ側)に接続され、PNP型のスイッチングトランジスタQ3のコレクタは、第1の電源出力端子10dに接続されている。PNP型のスイッチングトランジスタQ3のベースは、ベース抵抗R7及び逆流防止用ダイオードD4を介して切替制御回路60の出力端子60aに接続されている。
【0034】
電源スイッチ回路50の出力側(第1の電源出力端子10d)とグランドとの間には、定電圧電源VDの出力電圧を安定化するための電源平滑用コンデンサ(例えば電解コンデンサ)C3と、高周波雑音を吸収するためのノイズ吸収用コンデンサ(例えばセラミックコンデンサ)C4とがそれぞれ接続されている。
【0035】
切替制御回路60は、イグニッションスイッチ2がオン状態にされたときにオン(導通)状態となるNPN型のスイッチングトランジスタQ4と、そのトランジスタQ4のベース抵抗R8及びベース−エミッタ間抵抗R9と、電源供給保持信号HSが供給されたときにオン(導通状態)となるNPN型のスイッチングトランジスタQ5と、そのトランジスタQ5のベース抵抗R10及びベース−エミッタ間抵抗R11とからなる。各スイッチングトランジスタQ4,Q5のエミッタはそれぞれグランドに接続されている。各スイッチングトランジスタQ4,Q5のコレクタは、切替制御回路60の出力端子60aにそれぞれ接続されている。
【0036】
インタフェース回路70は、エミッタがグランドに接続されたNPN型のスイッチングトランジスタQ6と、ベース抵抗R12及びベース−エミッタ間抵抗R13とからなる。スイッチングトランジスタQ6のコレクタは、イグニッションスイッチオン検出信号出力端子10fに接続されている。
【0037】
イグニッションスイッチ2がオン(導通)状態にされると、バッテリ逆接続保護用ダイオードD5を介して切替制御回路60の入力端子60b及びインタフェース回路70の入力端子70aにイグニッション電源VIGN(バッテリ電源B+)が供給される。
【0038】
符号D6は、イグニッション電源VIGN側から定電圧電源回路20にイグニッション電源VIGN(バッテリ電源B+)を供給するためのダイオードであり、このダイオードD6のアノードはダイオードD5のカソード側に接続され、このダイオードD6のカソードはダイオードD2のカソード側に接続されている。なお、ダイオードD6のアノードをイグニッション電源入力端子10fに接続するようにしてもよい。
【0039】
図1に示す電源制御回路10は、イグニッションスイッチ2がオン状態にされると、切替制御回路60内のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオン(導通)状態となる。これにより、電源スイッチ回路50内のPNP型スイッチングトランジスタQ3にベース電流が供給され、このトランジスタQ3がオン(導通)状態となって、第1の電子装置100へ定電圧電源VCを供給する。また、切替制御回路60内のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオン(導通)状態となると、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2にベース電流が供給され、このトランジスタQ2がオン(導通)状態となるので、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベース電流が増加する。したがって、NPN型トランジスタQ1を介して負荷である各電子装置100,200へ供給可能な電流が増大される。
【0040】
また、イグニッションスイッチ2がオン状態にされると、インタフェース回路70内のNPN型スイッチングトランジスタQ6がオン(導通)状態となり、Lレベルのイグニッションスイッチオン検出信号ISが第1の電子装置100のイグニッションオン検出信号入力端子IGKに供給される。なお、本実施の形態では、イグニッションオン検出信号入力端子IGK側にプルアップ抵抗(図示しない)が設けられている。第1の電子装置100は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態にあることを認識すると、Hレベルの電源供給保持信号HSを出力する。第1の電子装置100は、イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)にされたことを認識すると、所定の処理が終了した時点で電源供給保持信号HSの出力を停止する。
【0041】
イグニッションスイッチ2がオフ(非導通)状態にされ、これに伴って切替制御回路60内の一方のNPN型スイッチングトランジスタQ4がオフ(非導通)となっても、他方のNPN型スイッチングトランジスタQ5は、第1の電子装置100から電源供給保持信号HSが供給されている期間は、オン(導通)状態となるので、電源スイッチ回路50の電源供給/遮断用のPNP型スイッチングトランジスタQ3はオン(導通)状態が継続され、第1の電子装置100に対する電源供給は継続される。また、バイアス電流切替回路40は、PNP型スイッチングトランジスタQ2のオン状態が継続されるので、定電圧電源回路20の負荷である第1の電子装置100に対して十分な電流を供給できる状態が継続される。
【0042】
そして、第1の電子装置100が所定の処理を終了した後に、電源供給保持信号HSの出力を停止すると、切替制御回路60内の他方のNPN型スイッチングトランジスタQ5がオフ(非導通)状態となり、電源スイッチ回路50内の電源供給/遮断用のPNP型スイッチングトランジスタQ3がオフ(非導通)状態となって、第1の電子装置100への定電圧電源VCの供給を遮断する。これと同時に、バイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2がオフ(非導通)状態となるので、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベース電流は、抵抗値の大きい第1のバイアス電流供給用抵抗R1によって規制されて小さな値に減少される。これにより、第1の電子装置100へ定電圧電源VCを供給していない状態における定電圧電源回路20内での消費電流が低減される。定電圧電源回路20内での消費電流が低減された状態であっても、例えば時計装置等の消費電流が小さいが常時電源供給を必要とする第2の電子装置200に対して定電圧電源VDを安定に供給することができるように、第1のバイアス電流供給用抵抗R1の抵抗値が設定されている。
【0043】
図2は定電圧回路の他の構成例を示す図である。定電圧電源回路20内の定電圧回路30は定電圧ダイオードD1を用いて構成する以外に、図2に示すようにトランジスタを用いた能動型の定電圧回路を用いて構成するようにしてもよい。
【0044】
ここで、図2(a)は、NPN型トランジスタQnとベース−エミッタ間抵抗Raとベース−コレクタ間抵抗Rbとからなる定電圧回路30Aを示しており、図2(b)はPNP型トランジスタQpとエミッタ−ベース間抵抗Rcとベース−コレクタ間抵抗Rdとからなる定電圧回路30Bを示している。図2(c)は、NPN型トランジスタQnのベースとエミッタ間に、ベース−エミッタ間抵抗RaとダイオードDaとの直列回路を接続することで、温度特性の改善を図った定電圧回路30Cを示しており、図2(d)は、PNP型トランジスタQpのエミッタとベース間にダイオードDbとエミッタ−ベース間抵抗Rcとの直列回路を接続することで、温度特性の改善を図った定電圧回路30Dを示している。
【0045】
図2(a)〜図2(d)に示したトランジスタを用いた能動型の定電圧回路30A〜30Dは、2つの抵抗の比によって定電圧回路30A〜30Dの電圧値が決定されるので、任意に電圧値を設定することができる。
【0046】
図3は第1の電子装置の一具体例として車両用メータ装置の構成を示すブロック図である。第1の電子装置100としての車両用メータ装置100Aは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース回路、クロック発振回路、パワーオンリセット回路等を備えたCPU部110と、スピードメータ本体121を駆動するメータ駆動回路部120と、液晶表示装置131を用いて構成したオドメータ表示部131a及びトリップメータ表示部131bに該当する走行距離をそれぞれ表示させる表示装置駆動回路部130と、総走行距離のデータ及びユーザが任意にリセットできる走行距離のデータを格納する書き換え可能な不揮発性メモリ(例えばEEPROM)132とを備える。
【0047】
図4は車両用メータ装置の動作を示すフローチャートである。車両用メータ装置100Aは、電源端子VCCに定電圧電源VCが供給されると、先ずCPU部110の初期化処理がなされた後に(ステップS1)、ステップ2以降の動作が開始される。CPU部110は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態であることを確認すると(ステップS2)、電源供給保持信号HSを出力し(ステップS3)、通常処理(メータ表示処理)を実行する(ステップS4)。
【0048】
ステップ4の通常処理(メータ表示処理)では、図3に示すようにCPU部110は、車速センサ140から供給されるパルス信号140aの周期を測定し、所定時間における複数の周期測定結果又は所定パルス数の周期測定結果の平均化処理を施して車速を求め、メータ駆動回路部120を介してスピードメータ本体121を駆動してメータの指針を回動させ、車速を指示させる。
【0049】
また、CPU部110は、車速センサ140から供給されるパルス信号をカウントし、所定のカウント数毎に所定の走行距離を積算して総走行距離及びユーザが任意にリセットできる走行距離を求め、表示装置駆動回路130を介して求めた各走行距離を表示装置駆動回路130のオドメータ表示部131a及びトリップメータ表示部131bにそれぞれ表示させる。この通常処理(メータ表示処理)は、イグニッションスイッチ2がオン状態である限り繰り返し継続される。
【0050】
図4に示すように、CPU部110は、イグニッションスイッチオン検出信号ISに基づいてイグニッションスイッチ2がオン状態からオフ状態になったことを検出すると(ステップS2)、ステップS5で終了処理を行なった後に、ステップS6で電源供給保持信号HSの出力を停止させる。これにより、車両用メータ装置100Aに対する定電圧電源VCの供給が遮断される。
【0051】
すなわち、イグニッションスイッチ2がオフ状態にされると、ステップS5でCPU部110は、スピードメータ本体121の指針をゼロ位置に戻すためのメータの帰零動作を行なうとともに、オドメータの積算値及びトリップメータの積算値を不揮発性メモリ(EEPROM)132にそれぞれ書き込んだ後に、ステップS6で電源供給保持信号HSの出力を停止させて、車両用メータ装置100Aに対する定電圧電源VCの供給が遮断させる。
【0052】
前述したように、図1に示した電源制御回路10は、第1の電子装置100である車両用メータ装置100Aからの電源供給保持信号HSの供給が停止されると、電源スイッチ回路50をオフ状態(非導通状態)にし、第1の電子装置100(車両用メータ装置100A)への定電圧電源VCの供給を停止する。さらに、電源制御回路10は、定電圧電源回路20のバイアス電流切替回路40内のPNP型スイッチングトランジスタQ2をオフ状態(非導通状態)にし、バイアス電流が小さい状態に切り替える。これにより、定電圧電源回路20内で不必要なバイアス電流が供給されるのを防止する。したがって、イグニッションスイッチ2がオフ状態でのいわゆる暗電流を低減するとともに、例えば時計装置等の常時給電を必要とする第2の電子装置200に対して定電圧電源VDを供給することができる。
【0053】
図5はバイアス電流切替回路の他の構成を示す回路部である。図5に示すバイアス電流切替回路40Aは、抵抗値が大きく(例えば、数100キロオーム程度)、その抵抗値に基づいて電源スイッチ回路50が非導通状態の時のバイアス電流を主として設定する第1のバイアス電流供給用抵抗R1と、第1のバイアス電流供給用抵抗R1よりも十分に小さい抵抗値(例えば数キロオーム〜10数キロオーム程度)で主として電源スイッチ回路50が導通状態の時のバイアス電流を設定する第2のバイアス電流供給用抵抗R2とを直列に接続し、PNP型のスイッチングトランジスタQ2を第1のバイアス電流供給用抵抗R1に並列に接続している。
【0054】
そして、図1に示した切替制御回路60内の各NPN型スイッチングトランジスタQ4,Q5のいずれかがオン状態となったときに、ベース抵抗R4を介してPNP型のスイッチングトランジスタQ2にベース電流が供給されて、PNP型のスイッチングトランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間が導通状態になって、第1のバイアス電流供給用抵抗R1を短絡するようにしたものである。これにより、イグニッションスイッチ2がオン状態のとき、及び、電源供給保持信号HSが供給されている間は、定電圧出力用のNPN型トランジスタQ1のベースに大きな電流を供給することができるので、第1の電子装置100側に十分な電流を供給することができる。また、イグニッションスイッチ2がオフ状態であって、且つ、電源供給保持信号HSの出力が停止された状態では、PNP型のスイッチングトランジスタQ2がオフ状態になり、抵抗値が大きい第1のバイアス電流供給用抵抗R1と第2のバイアス電流供給用抵抗R2との直列接続回路によってバイアス電流を小さく抑える。これにより、第1の電子装置100への給電を遮断している状態で、定電圧電源回路20内部での消費電流を低減することができ、いわゆる暗電流を低減することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、バイアス電流切替回路40,40Aはバイアス電流を2段階に切り替える構成を示したが、電源スイッチ回路50を複数系統設け、複数の電子装置毎に、又は複数の電子装置グループ別に定電圧電源の供給/遮断を制御できる構成をとる場合には、定電圧電源を供給している電子装置の個数または電子装置グループのグループ数に応じて、定電圧電源回路20内のバイアス電流の値を多段階に切り替えるようにしてもよい。これにより、定電圧電源回路20内で不要に消費される電流を木目細かく低減することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係る車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が大の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を導通状態に制御するので、電源スイッチ回路を介して電子装置にその動作に必要な十分な電流(例えば数ミリアンペア〜数100ミリアンペア)を供給することができる。
【0057】
そして、この車載電子装置の電源制御回路は、イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、バイアス電流切替回路をバイアス電流が小の状態に切り替えるとともに電源スイッチ回路を非導通状態に制御するので、電源スイッチ回路を介して給電を受ける電子装置への電源供給が完全に遮断されるとともに、定電圧電源回路内のバイアス電流を低減するので、イグニッションスイッチがオフにされた状態でのバッテリの消費電流(いわゆる暗電流)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路の定電圧回路の他の構成例を示す図である。
【図3】第1の電子装置の一具体例として車両用メータ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示した車両用メータ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明に係る車載電子装置の電源制御回路のバイアス電流切替回路の他の構成を示す回路部である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 イグニッションスイッチ
10 電源制御回路
20 定電圧電源回路
30 定電圧回路
40、40A バイアス電流切替回路
50 電源スイッチ回路
60 切替制御回路
70 インタフェース回路
100 第1の電子装置
200 第2の電子装置
D1 定電圧回路を構成する定電圧ダイオード
HS 電源供給保持信号
IS イグニッションスイッチオン検出信号
Q1 定電圧電源回路を構成するNPN型トランジスタ
Q2 バイアス電流切替回路を構成するPNP型スイッチングトランジスタ
Q3 電源スイッチ回路を構成するPNP型スイッチングトランジスタ
Q4 切替制御回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
Q5 切替制御回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
Q6 インタフェース回路を構成するNPN型スイッチングトランジスタ
R1 バイアス電流切替回路を構成する第1のバイアス電流供給用抵抗
R2 バイアス電流切替回路を構成する第2のバイアス電流供給用抵抗
VC 定電圧電源(電源スイッチ回路の前段)
VD 定電圧電源(電源スイッチ回路の後段)
Claims (2)
- NPN型のトランジスタのコレクタ側をバッテリの正極側電源の入力端子とし、前記トランジスタのエミッタ側を定電圧出力端子とし、前記トランジスタのベースと前記バッテリの負極側との間に定電圧回路を接続し、前記トランジスタのコレクタとベースとの間に前記トランジスタのベースおよび前記定電圧回路に供給するバイアス電流の値を少なくとも2段階に切り替えるバイアス電流切替回路を接続してなるエミッタフォロワ型の定電圧電源回路と、
前記定電圧電源回路の定電圧出力端子と電子装置の電源端子との間に介設されて前記電子装置への電源供給を制御する電源スイッチ回路と、
イグニッションスイッチがオン状態であるとき及び前記電子装置から電源供給保持信号が供給されているときは、前記バイアス電流切替回路を前記バイアス電流が大の状態に切り替えるとともに前記電源スイッチ回路を導通状態に制御し、前記イグニッションスイッチがオフ状態であって且つ前記電子装置から電源供給保持信号が供給されていないときは、前記バイアス電流切替回路を前記バイアス電流が小の状態に切り替えるとともに前記電源スイッチ回路を非導通状態に制御する切替制御回路とを備えることを特徴とする車載電子装置の電源制御回路。 - 前記定電圧回路は定電圧ダイオードで構成されていることを特徴とする請求項1記載の車載電子装置の電源制御回路。
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2003
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