JP2004357699A - 可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法 - Google Patents

可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な風味と滑らかな食感を有し、口溶けが良く、また季節によりその外観、物性および風味に大きな変化が生じにくく、保存性が良好で、使い勝手の良い可塑性水中油型乳化組成物を提供すること。
【解決手段】 水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有し、pHが2.5〜6であることを特徴とする可塑性水中油型乳化組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、製菓・製パン用フィリングクリームとして最適な可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法に関するものである。
フラワーペーストやカスタードクリームに代表される澱粉含有可塑性水中油型乳化組成物は、一般に加熱処理により糊化した澱粉を骨格とし、必要に応じて砂糖、乳製品、卵製品、乳化剤、香料等を含有するものである。これらの澱粉含有可塑性水中油型乳化組成物は、広い温度帯で一定のボディ感を有するという特徴があるため、使い勝手がよく、従来、製菓・製パン用フィリングクリームとして広く使用されてきた。
しかし、澱粉含有可塑性水中油型乳化組成物は、一般に食感が重く、ベタツキのある食感を有する問題点があった。
ところで、最近の市場では、口溶けが良く、やわらかいフィリングが求められている。上記澱粉含有可塑性水中油型乳化組成物の場合、その目的に合致させるためには、澱粉量を低減させる必要がある。しかし、その結果、食感の重さは軽減されるものの、流動状に近い物性となってしまい、使い勝手が悪くなり、さらに、夏場等の高い温度条件では更に液状に近い物性となり、製菓・製パン用フィリングクリームとして使用することは大変困難になってしまう問題があった。
一方、油脂を骨格となすバタークリームの様な油中水型乳化組成物は、澱粉含有可塑性水中油型乳化組成物とは異なり、食感は軽く、澱粉様のベタツキを感じることはない。しかしながら、油脂を主体としているため、口溶けや高温での保型性が使用油脂によって大きく左右されるという欠点を有する。例えば、融点の高い油脂を使用すれば高温での保型性は良好となるが、口溶けは悪化し、融点の低い油脂を使用すると逆の結果となり、口溶けと高温での保型性を兼ね備えることはできない。よって、年間一定の物性の油中水型乳化組成物を得るためには季節にあわせて使用油脂の配合を変えなければならず、このため、夏場は口溶けが悪くなってしまうという問題があった。
この様な問題を解決するために、フラワーペーストの澱粉に代えて増粘剤、ゲル化剤または蛋白質を使用することにより、種々の可塑性の水中油型乳化組成物を得る方法が提案されている。特許文献1には、限外濾過された乳蛋白を配合する方法が提案されている。特許文献2には、脱脂乳を、限外濾過濃縮(UF濃縮)を含む工程で濃縮し、製造工程で、酸および/またはアルカリによってpHを1.0以上変化させないで、最終的に噴霧乾燥してなる、乳糖含量の少ない乳蛋白質高含有粉末と、油脂と、溶融塩とを使用する方法が提案されている。特許文献3には、乳脂を含む食用油脂10〜60重量%、蛋白質1〜10重量%、アルギン酸および/またはアルギン酸ナトリウム0.1〜3重量%を含有する水中油型乳化物であって、該乳化物中の油滴の体積基準のメディアン径が5μm以下であることを特徴とする可塑性水中油型乳化油脂組成物が提案されている。特許文献4には、水、油脂、乳タンパク質および/または卵黄タンパク質、低粘性アルギン酸塩、およびカルシウムを含有する水中油型乳化組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1と特許文献2の方法では、食感がボソつく問題があり、特許文献3の組成物は、食感が滑らかでない問題があった。また、特許文献4は、通常の添加量や使用方法ではゲル化しないことを特徴とする低粘性アルギン酸塩を使用することで、超高温瞬間殺菌時に生じるタンパク質の熱変性による凝集や焦げ付きを抑制する方法に関する発明であり、特許文献4で得られた水中油型乳化物は当然流動状または液体であり、可塑性を付与するためには別途、従来どおり澱粉等を多量に添加する必要があり、その結果食感が滑らかでないものとなってしまう問題があった。
また、上記の水中油型乳化組成物は、いずれも良好な口溶けと、高温での保型性を兼ね備えていない問題もあった。
特表昭58−500970号公報 特開平9−172965号公報 特開2002−125590号公報 特開2001−321075号公報
本発明の目的は、良好な風味と滑らかな食感を有し、口溶けが良く、また季節によりその外観、物性および風味に大きな変化が生じにくく、保存性が良好で、使い勝手の良い可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、下記の可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
「水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有し、pHが2.5〜6であることを特徴とする可塑性水中油型乳化組成物。」
「水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を混合、乳化し、さらにpHを2.5〜6に調節した水中油型乳化物を作成した後、該乳化物を殺菌または滅菌し、さらに均質化処理を行い、冷却することを特徴とする可塑性水中油型乳化組成物の製造方法。」
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、製菓・製パン用フィリングクリームとして最適な、良好な風味と滑らかな食感を有し、口溶けが良く、また充填保管温度域において外観、物性、風味に大きな変化が生じないため、使い勝手の良いものである。さらに本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、経日離水を抑え、経日保形性が損なわれることは無く、保存性が良好である。また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物の製造方法によれば、上記効果を奏する本発明の可塑性水中油型乳化組成物が得られる。
以下、本発明の可塑性水中油型乳化組成物およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明で使用するリン脂質は、特に限定されるものではなく、食品に使用できるリン脂質であればどのようなリン脂質でも構わない。上記リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸等のジアシルグリセロリン脂質を使用することができ、さらに上記リン脂質に対し、ホスホリパーゼ等により酵素処理を行い、乳化力を向上させたリゾリン脂質、上記リン脂質や上記リゾリン脂質を含有する食品素材を使用することができる。本発明ではリン脂質としてこれらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物では、上記のリン脂質そのものよりも、上記のリン脂質を含有する食品素材を用いる方が好ましい。このリン脂質を含有する食品素材としては、卵黄、大豆、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳があげられるが、風味と食感の面から乳由来のリン脂質を含有する食品素材を用いるのが好ましく、牛乳由来のリン脂質を含有する食品素材を用いるのがさらに好ましい。
上記乳由来のリン脂質を含有する食品素材を使用する場合は、固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上が好ましく、さらに好ましくは3重量%以上、最も好ましくは4〜40重量%である食品素材を使用することが好ましい。
また、上記のリン脂質を含有する食品素材は、液体状でも、粉末状でも、濃縮物でも構わない。但し、溶剤を用いて乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮した食品素材は、風味上の問題から本発明において用いないのが好ましい。
上記乳由来のリン脂質を含有する食品素材の固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法等については乳由来のリン脂質を含有する食品素材の形態等によって適正な方法が異なるためこの定量方法に限定されるものではない。
まず、乳由来のリン脂質を含有する食品素材の脂質をFolch法を用いて抽出する。図1にFolch法のフローを示す。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳由来のリン脂質を含有する食品素材の固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳由来のリン脂質を含有する食品素材−乳由来のリン脂質を含有する食品素材の水分(g)〕×25.4×(0.1/1000)
上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である食品素材としては、例えば、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。このクリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常、0.5〜1.5重量%程度であるのに対して、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡、2〜15重量%であり、多量のリン脂質を含有している。
本発明では、上記のような通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクそのものを用いることはできないが、バターミルクを乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上となるように濃縮したものを用いることは可能である。
次に上記のクリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法について説明する。
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40重量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95重量%まで高める。次いで乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
一方、バターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まずバターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
また、本発明で用いられる上記水相成分としては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上であれば、クリームまたはバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分をそのまま用いてもよく、また噴霧乾燥、濃縮、冷凍等の処理を施したものを用いてもよい。
ただし、乳由来のリン脂質は高温加熱すると、その機能が低下するため、上記加温処理や、濃縮処理中、あるいは殺菌等により加熱する際は100℃未満であることが好ましく、60℃未満であることがさらに好ましい。
また、本発明では、上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である食品素材のリン脂質の一部または全部をそのままリゾ化してもよく、また濃縮した後にリゾ化してもよい。またさらに得られたリゾ化物をさらに濃縮、あるいは、噴霧乾燥処理等を施してもよい。
上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である食品素材中の、リン脂質をリゾ化するにはホスホリパーゼAで処理すればよい。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子のグリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基で置き換える作用を有する酵素である。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。ホスホリパーゼAは作用する部位の違いによってA1、A2に分かれるが、A2が好ましい。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.003〜0.5重量%含有することが好ましい。リン脂質のより好ましい含有量は0.005〜0.4重量%である。
リン脂質の含有量が0.003重量%未満であると可塑性水中油型乳化組成物が硬くなりすぎたり、食感がボソついたり、可塑性を呈しないおそれがあり、リン脂質の含有量が0.5重量%を超えるとボディー感のない、可塑性を呈しない物性となりやすい。なお、上記のリン脂質はリゾリン脂質も含むものとする。
また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質として上記の乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である食品素材を用いる場合、該食品素材を固形分として、好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、最も好ましくは1〜4重量%含有するのがよい。
また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、乳蛋白質を含有する。乳蛋白質は、カゼイン蛋白質とホエー蛋白質に大別され、カゼイン蛋白質またはホエー蛋白質のいずれかを用いてもよいし、これらを併用してもよいが、本発明においては、上記カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質を併用することが好ましい。
上記乳蛋白質の含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。
乳蛋白質の含有量が0.3重量%未満であると、ボディー感のない、可塑性を呈しない物性となりやすく、乳蛋白質の含有量が10重量%を超えると、可塑性水中油型乳化組成物が硬くなりすぎたり、食感がボソついたり、可塑性を呈しないおそれがある。
上記カゼイン蛋白質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、アルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記ホエイ蛋白質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトンの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物(ホエイプロテインコンセントレート)等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
また、上記乳蛋白質として、上記カゼイン蛋白質と上記ホエイ蛋白質の両方を含有する乳原料、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
なお、本発明においては、リン脂質と乳蛋白質の配合重量比が、リン脂質:乳蛋白質=1:99〜20:80、特に2:98〜15:85であることがボソつきのない滑らかな物性の可塑性水中油型乳化物が得られる点において好ましい。このリン脂質の配合比率が該範囲より小さいと、ボソつきが強くなり、滑らかな食感が得られないおそれがある。また、リン脂質の配合比率が該範囲より大きいと、ボディー感に乏しく、可塑性を呈しない物性となるおそれがある。なお、上記のリン脂質はリゾリン脂質も含むものとする。
また、さらに、上記カゼイン蛋白質と上記ホエイ蛋白質の配合重量比が、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=40:60〜85:15、特に45:55〜75:25であることにより、よりボソつきのない滑らかな物性とする点において好ましい。カゼイン蛋白質の配合比率が該範囲より大きいと、ボソついた食感になる恐れがあり、また該範囲より小さいと、ボディー感に乏しく、可塑性を呈しない物性となるおそれがある。
また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有する。
本発明で使用する低粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸は、コンブ等の褐藻類から抽出、精製されるアルギン酸を常圧下により酸処理加水分解し、低分子化した分子量の違いにより得られる。低粘性アルギン酸塩や中粘性アルギン酸塩としては、低粘性アルギン酸ナトリウムや中粘性アルギン酸ナトリウムがあげられる。上記で得られた低粘性アルギン酸や中粘性アルギン酸をさらにイオン交換によりナトリウム置換することにより低粘性アルギン酸ナトリウムや中粘性アルギン酸ナトリウムが得られる。また、コンブ等の褐藻類から抽出、精製されるアルギン酸をイオン交換によりナトリウム置換し、常圧下により酸処理加水分解し、低分子化した分子量の違いにより低粘性アルギン酸ナトリウムや中粘性アルギン酸ナトリウムが得られる。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物で用いる、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸、中粘性アルギン酸塩は、以下のような粘度を有するものを用いるのが好ましい。
上記低粘性アルギン酸および上記低粘性アルギン酸塩については、B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したとき、上記低粘性アルギン酸および/または上記低粘性アルギン酸塩の10重量%水溶液の粘度が、好ましくは1〜700mPa・s、さらに好ましくは1〜100mPa・s、最も好ましくは1〜60mPa・sのものである。

また上記と同じ条件下で粘度を測定したとき、上記低粘性アルギン酸および/または上記低粘性アルギン酸塩の1重量%水溶液の粘度が、好ましくは1mPa・s以上10mPa・s未満、さらに好ましくは1mPa・s以上8mPa・s以下、最も好ましくは1mPa・s以上7mPa・s以下のものである。

本発明の可塑性水中油型乳化組成物において上記の低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩を用いることにより、口溶けが非常に滑らかになる。
また、上記中粘性アルギン酸および上記中粘性アルギン酸塩については、上記と同じ条件下で粘度を測定したとき、上記中粘性アルギン酸および/または上記中粘性アルギン酸塩の1重量%水溶液の粘度が、好ましくは10〜100mPa・s、さらに好ましくは10〜70mPa・s、最も好ましくは10〜50mPa・sのものである。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物において上記の中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩を用いることにより、経日離水を抑え、経日保形性が損なわれることが無く、保存性が良好となる。
上記の低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸、中粘性アルギン酸塩の構成糖類としては、グルロン酸が多い低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸、中粘性アルギン酸塩、マンヌロン酸が多い低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸、中粘性アルギン酸塩のいずれでもよいが、構成糖類の組成によっては食感が多少異なるため、好みによって選択することができる。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物では、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができるが、好ましくは、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上を用いるか、低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩と、中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩の両者を用いるのがよい。
低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩を用いるときの含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.02〜3重量%、特に好ましくは0.05〜2重量%である。低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩の含有量が0.01重量%未満であると、本発明によっても組織形成が行われず、可塑性を呈しない物性となるおそれがあり、5重量%を超えると、組織形成が強すぎて、口溶けの悪い食品となってしまうおそれがある。
中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩を用いるときの含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.8重量%、特に好ましくは0.05〜0.6重量%である。中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩の含有量が0.01重量%未満であると、本発明によっても組織形成が行われず、可塑性を呈しない物性となるおそれがあり、1重量%を超えると、組織形成が強すぎて、口溶けの悪い食品となってしまうおそれがある。
低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩と、中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩の両者を用いるときの含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、総量で好ましくは0.01〜6重量%とすることにより、使い勝手の良い物性を呈し、良好な食感と口溶けを有する可塑性乳化組成物が得られる。この際、各アルギン酸およびその塩の各含有量は、上記の低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩を用いるときの含有量や中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩を用いるときの含有量の範囲外としないのが好ましい。
また、両者の配合重量比率を、低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩:中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩が好ましくは99:1〜51:49とすることにより、目的の物性を有しながら、特に口溶けの良い可塑性水中油型乳化組成物となる。
また、両者の配合重量比率を、低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩:中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩が好ましくは50:50〜1:99とすることにより、目的の食感、口溶けを有しながら、特に充填適性が良く、物性変化が生じにくい、使い勝手の良い可塑性水中油型乳化組成物となる。
さらに、本発明の可塑性水中油型乳化組成物で用いる低粘性アルギン酸および/または低粘性アルギン酸塩と、中粘性アルギン酸および/または中粘性アルギン酸塩を上記の配合重量比率としたものの1重量%水溶液の粘度が、B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したとき、好ましくは10〜100mPa・s、さらに好ましくは10〜70mPa・s、最も好ましくは10〜50mPa・sとなるものを用いるのがよい。
また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、カルシウムを含有する。
本発明で使用するカルシウムとしては、カルシウム製剤、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエイ、ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物、蛋白質濃縮ホエイパウダー、その他乳製品、カルシウムを含有するその他食品素材等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いる。本発明では、好ましくは牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエイ、ホエイパウダー、ホエイ蛋白質濃縮物、蛋白質濃縮ホエイパウダー、その他乳製品等の、カルシウムを含有する食品素材の中から選ばれた1種または2種以上を用いることが好ましい。上記のカルシウムは、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を製造する際、pHを調整する前に添加することが好ましい。
上記カルシウムの含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.5重量%である。本発明においてはカルシウムの含有量が0.01重量%未満であると可塑性のある組織を生成することができない。また、カルシウムの含有量が1重量%を超えると可塑性水中油型乳化組成物が硬くなりやすい。
なお、上記カルシウムの含有量は、上記リン脂質または上記乳蛋白質としてカルシウムを含有するものを用いた場合は、これらに含有されるカルシウムを含むものである。上記リン脂質の含有量および上記乳蛋白質の含有量についても同様である。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物の水の含有量は、特に制限されないが、可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜80重量%である。水の含有量が10重量%未満であると添加する食品素材の混合、溶解が困難になりやすく、水の含有量が90重量%を超えると添加する食品素材の混合、溶解が容易ではあるが、得られる水中油型乳化組成物が可塑性のある組織を生成することができない恐れがある。
また、本発明で使用する油脂としては、特に制限されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、カカオ油、サフラワー油、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂、動物油脂およびこれらの水素添加、分別およびエステル交換処理から一または二以上の処理を行った加工油脂や、全脂粉乳、加糖全脂粉乳等の油脂を含有する食品素材があげられる。本発明ではこれらの油脂の中から選ばれた1種または2種以上を使用することができる。特にコーン油、綿実油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、カカオ油、サフラワー油等の常温で液状を呈する液状油が、得られる可塑性水中油型乳化組成物の硬さが温度依存性がない点から好ましい。上記油脂の含有量は、可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。油脂の含有量が1重量%未満であるとゲル状になり、可塑性のある組織を生成することができにくく、油脂の含有量が50重量%を超えると、保型性を兼ね備えることができにくい。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、油滴の体積基準のメディアン径が、3μm以下、好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下であることにより、より良好な保型性と可塑性を与えることができる。また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、上記油滴の体積基準の粒度分布が、0.1μm以上1μm未満の粒子が80〜100重量%、1μm以上の粒子が0〜10重量%となるように構成されているのが最も好ましい。
上記油滴の体積基準のメディアン径および粒度分布は、例えば次の様にして測定することができる。可塑性水中油型乳化組成物1gに、分散媒としてトリス塩酸緩衝液やリン酸緩衝液等の適当なpHの緩衝液に0.1重量%のTween 80やTriton X-100やSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)等の界面活性剤と0.5重量%のEDTA4Na(エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム)等のキレート剤とを溶解したものを用いる。これを島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−1100やSALD−2100にて測定することにより、油滴の体積基準のメディアン径が得られる。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、pH調整剤を用いてpHが2.5〜6、好ましく3〜6、より好ましくは3.5〜6の範囲とする。可塑性水中油型乳化組成物のpH値を上記範囲とすることにより、乳蛋白質と、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上が、共にその最適な物性を達成することができる。上記pHが2.5未満であると、酸味が強すぎることに加え、得られる可塑性水中油型乳化組成物がぼそつき、口溶けも悪くなる。また、上記pHが6を超えると、得られる可塑性水中油型乳化組成物の物性が流動状となり、可塑性を付与することができない。上記のpH調整剤としては、食用有機酸である乳酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、氷酢酸、フィチン酸、アジピン酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、柑橘類の果汁等の各種果汁や、その他のpH調整剤として炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸三カルシウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物には、必要により、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類、澱粉、小麦粉、無機塩、有機酸塩、「低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩」以外のゲル化剤や増粘剤、キモシン等の蛋白質分解酵素、ラクターゼ(β−ガラクトシダーゼ)・グルコアミラーゼ等の糖質分解酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、食塩、岩塩、海塩、調味料、甘味料、果汁、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、乳製品、卵製品、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、ゼラチン、その他の各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤等を配合してもよい。これらの成分の配合量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは95重量%以下である。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。本発明の可塑性水中油型乳化組成物では、風味や消費者の間に広まっている天然志向に応える意味で、上記乳化剤を使用しないことが好ましい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等があげられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等があげられる。これらの糖類および甘味料は、単独で用いることもでき、または二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類および甘味料の含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜70重量%、さらに好ましくは0〜60重量%である。
上記澱粉としては、生澱粉、澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したもの、酸やアルカリ処理・エステル化・アセチル化・リン酸架橋化・加熱・湿熱処理等の化学的・物理的処理を行った化工澱粉、さらにこれら化工澱粉を水に溶け易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させた澱粉等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。上記澱粉の含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下であるが、口溶けの良好な食感とするためには澱粉を含有しないことが最も好ましい。
上記金属イオン封鎖剤としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等を封鎖するものであり、例えば、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ウルトラポリリン酸塩、メタリン酸塩等のリン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩類、また、炭酸塩等の無機塩類があげられる。また、これらの金属イオン封鎖剤を含有する食品素材の形として含有させても良い。本発明ではこれらの金属イオン封鎖剤の中から選ばれた1種または2種以上を、目的に応じて用いることができるが、本発明においては風味上の問題および、消費者の間に広まっている天然志向に応える意味で、上記の金属イオン封鎖剤を用いないのが好ましい。
「低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩」以外のゲル化剤や増粘剤としては、LMペクチン・HMペクチン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガントガム、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクマンナン、大豆多糖類、高粘性アルギン酸、高粘性アルギン酸塩等があげられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。なお一般的に、高粘性アルギン酸はアルギン酸とも言われ、高粘性アルギン酸塩はアルギン酸塩とも呼ばれている。高粘性アルギン酸や高粘性アルギン酸塩とは、1重量%水溶液をB型粘度計を使用し、pH7、25℃、30rpmの条件下で測定した場合、100mPa・sを超える粘度を有するものである。上記ゲル化剤や増粘剤の含有量は、本発明の可塑性水中油型乳化組成物中、2重量%以下が好ましい。
これらの副原料を配合する際には、通常、油溶性の副原料を油相に、水溶性の副原料を水相に溶解させるが、水溶性の副原料を油相に分散させても良い。
次に、本発明の可塑性水中油型乳化組成物の製造方法について説明する。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を混合、乳化し、さらにpHを2.5〜6に調節した水中油型乳化物を作成した後、該乳化物を殺菌または滅菌し、さらに均質化処理を行い、冷却することによって得られる。

ここで、上記水中油型乳化物を得る際に、一度に上記原料を混合、乳化してもよいが、製造中の水中油型乳化物の増粘や、原料の溶解不良によるだまの発生を防止するために、上記原料を下記に示すように2段階に分けて混合、乳化することが好ましい。
まず、水、油脂の一部、乳蛋白質、およびカルシウムを混合、乳化し、水中油型乳化物(1)を調製する。
そして必要によりこの水中油型乳化物(1)を加温する。加温する温度としては、好ましくは35〜75℃であるが、この場合、60℃以下であることが風味が良好な点で好ましい。
さらに必要により水中油型乳化物(1)の均質化を行う。均質化を行うための均質化機としては、例えばケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくはホモゲナイザーを用いて1〜100MPa、さらに好ましくは3〜50MPa、最も好ましくは5〜30MPaの均質化圧力にて均質化を行う。この均質化処理は、特に2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば1段目1〜100MPa、2段目0〜10MPaの均質化圧力にて均質化しても良い。
さらに必要により水中油型乳化物(1)の加熱殺菌を行う。該加熱殺菌方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、または、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行っても良いが、殺菌を行わない方が、風味が良好な点で好ましい。
次いで、上記水中油型乳化物(1)に、残りの油脂、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上、およびその他の原料を添加混合し、水中油型乳化物(2)とする。
リン脂質は、水中油型乳化物(1)を調製する段階で添加しても良く、水中油型乳化物(2)を調製する段階で添加しても良い。
さらに、pH調整剤を用いてpH2.5〜6に調整する。pH調整剤を投入するタイミングは、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上の添加と同時でも良いが、全体のpHを均一にするためには低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩の中から選ばれた1種または2種以上を添加した後の方が好ましい。pHを調整する速度は、pH調整剤の全量を一度に投入しても良く、時間あたり0.01重量%を添加する様な緩やかな速度で投入しても良い。
次いで殺菌または滅菌する。殺菌または滅菌方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、または、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。
なお、均質化処理時の昇温による蛋白質の熱変性や褐変を防ぎ、安定した均質化、品質を獲得するため、ここで40〜75℃に冷却することが好ましい。冷却方法としては、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行っても良く、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却しても良い。
次いで均質化機にて均質化処理を行なう。均質化機としては、例えばケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜100MPa、さらに好ましくは3〜50MPa、最も好ましくは5〜30MPaの均質化圧力にて均質化を行う。この均質化処理は、特に2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば1段目1〜100MPa、2段目0〜10MPaの均質化圧力にて均質化することが好ましい。
最後に冷却を行ない、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得る。冷却方法としては、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却しても良いが、ボーテーター、コンビネーター、パーフェクター等の急冷可塑化機にて急冷可塑化処理を行なうことが好ましい。また、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却しても良い。
本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、様々な食品に用いることができるが、特にベーカリー食品に好適に用いることができる。ベーカリー食品としては、例えば、食パン、菓子パン、バラエティーブレッド、バターロール、ソフトロール、ハードロール、スイートロール、デニッシュ、ペストリー、フランスパン、蒸しパン、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クラッカー、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン、どら焼、蒸しケーキ、ホットケーキ、焼プディング等をあげることができる。上記ベーカリー食品に対して用いる本発明の可塑性水中油型乳化組成物の量は、特に制限はなく、食品の見栄えや食品の種類により決定される。また、本発明の可塑性水中油型乳化組成物とベーカリー食品との組み合わせ方法としては、ベーカリー食品に可塑性水中油型乳化組成物をトッピングしたり、サンドしたり、注入したり、包あんしたり、練り込んだりすることが可能である。この際、ベーカリー食品が焼成後または温めなおした直後のような温かい状態のもの、特に焼成直後の状態のものであっても、該ベーカリー食品に本発明の可塑性水中油型乳化組成物をトッピング、サンド、注入してもよい。また、ベーカリー食品に本発明の可塑性水中油型乳化組成物をトッピング、サンド、注入、包あんしたものを焼成してもよい。本発明の可塑性水中油型乳化組成物のその他の用途として、料理のトッピング用、練り込み用に使用することもできる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例に記載の低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸、中粘性アルギン酸塩、高粘性アルギン酸、高粘性アルギン酸塩の粘度は、1重量%または10重量%水溶液をB型粘度計を使用し、pH7、25℃、30rpmの条件下で測定したものである。
(実施例1)
トータルミルクプロテイン7重量部、砂糖50重量部、ソルビトール10重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)21重量部、コーン油2.5重量部、および水6.19重量部を混合し、55℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目5MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸(10重量%水溶液の粘度が30mPa・s、1重量%水溶液の粘度が3mPa・s)0.01重量部、グアーガム0.25重量部、ローカストビーンガム0.25重量部、ひまわり油2重量部、およびレモン果汁0.8重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて60℃で10分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて55℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.39重量%、乳蛋白質を8.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=4.5:95.5(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=80.5:19.5(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.08重量%であった。また、油脂の含有量は、5.7重量%、水の含有量は23.1重量%であり、pHは2.5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物を、あらかじめ調製したpH8の0.1モルのリン酸カリウム緩衝液にTween 80を0.1重量%およびEDTA4Na(エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム4水塩)を0.2重量%溶解した粒度分布測定用溶媒に分散し、これを島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2100にて粒度分布を調べた結果、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は以下の通りである。
(評価方法)
口溶け
○:極めて良好な口溶け
△:口溶けがよい
×:口溶けが悪い
充填適性
○:0〜45℃の範囲で充填する際、適切に充填でき極めて良好
△:0〜45℃の範囲で充填する際、充填でき良好
×:0〜45℃の範囲で充填する際、適切に充填できず不適
保管適性
○:物性、状態に変化無く、極めて適する
△:物性、状態に変化が少なく、適する
×:物性変化が生じ、不適
パンへのスプレット性
○:伸展性良く、良好
△:伸展性を有している
×:伸展性無く、不適
(実施例2)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)5重量部、大豆油10重量部、および水39.2重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、中粘性アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液の粘度が30mPa・s)0.5重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目2MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.4重量%、水の含有量は50.3重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例3)
蛋白質濃縮ホエイパウダー0.1重量部、トータルミルクプロテイン0.35重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分40重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)2.7重量部、米油20重量部、塩化カルシウム二水和物0.025重量部、および水49.625重量部を混合し、60℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目30MPa、2段目5MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸ナトリウム(10重量%水溶液の粘度が30mPa・s、1重量%水溶液の粘度が3mPa・s)2重量部、パーム油20重量部、LMペクチン2重量部、クエン酸0.05重量部、炭酸水素ナトリウム0.05重量部、澱粉3重量部、および香料0.1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これをUHTにて140℃で5秒間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目30MPa、2段目5MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.053重量%、乳蛋白質を0.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=9.6:90.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=75:25(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.02重量%であった。また、油脂の含有量は、40.1重量%、水の含有量は53.1重量%であり、pHは6であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.2μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例4)
牛乳10重量部、脱乳糖ホエイパウダー2.5重量部、生クリーム30重量部、水飴10重量部、マルトース10重量部、および水26.55重量部を混合し、45℃に加熱し、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸ナトリウム(10重量%水溶液の粘度が620mPa・s、1重量%水溶液の粘度が9mPa・s)0.05重量部、高粘性アルギン酸(1重量%水溶液の粘度が200mPa・s)0.05重量部、大豆油10重量部、リンゴ酸0.2重量部、ゼラチン0.05重量部、香料0.1重量部、および澱粉0.5重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これをUHTにて120℃で10秒間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて60℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目50MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.087重量%、乳蛋白質を1.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.5:94.5(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=50:50(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、24.8重量%、水の含有量は52.7重量%であり、pHは5.5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例5)
ホエイパウダー2.0重量部、トータルミルクプロテイン1.0重量部、ソルビトール10重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)7重量部、大豆油10重量部、および水28.5重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目15MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸(10重量%水溶液の粘度が100mPa・s、1重量%水溶液の粘度が7mPa・s)0.25重量部、中粘性アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液の粘度が45mPa・s)0.25重量部、菜種油10重量部、レモン果汁0.5重量部、およびカラギーナン0.5重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて100℃で2分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。なお、本実施例5で用いた低粘性アルギン酸と中粘性アルギン酸ナトリウムを重量比率で1:1で混合した混合物の1重量%水溶液をB型粘度計を使用し、pH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの粘度は26mPa・sであった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.13重量%、乳蛋白質を2.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.6:94.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=59:41(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、10.6重量%、水の含有量は43.8重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例6)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)5重量部、大豆油10重量部、および水39.2重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸(10重量%水溶液の粘度が60mPa・s、1重量%水溶液の粘度が5mPa・s)0.5重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目2MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物はリン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.4重量%、水の含有量は50.3重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は1μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が50重量%、1μm以上の粒子が50重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例7)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)5重量部、大豆油10重量部、および水39.2重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸ナトリウム(10重量%水溶液の粘度が100mPa・s、1重量%水溶液の粘度が7mPa・s)0.25重量部、中粘性アルギン酸(1重量%水溶液の粘度が45mPa・s)0.25重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目2MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。なお、本実施例7で用いた低粘性アルギン酸ナトリウムと中粘性アルギン酸を重量比率で1:1で混合した混合物の1重量%水溶液をB型粘度計を使用し、pH7、25℃、30rpmの条件下で測定したときの粘度は26mPa・sであった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.5重量%、水の含有量は50.4重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例8)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)5重量部、大豆油10重量部、および水39.4重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、中粘性アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液の粘度が10mPa・s)0.3重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目5MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.4重量%、水の含有量は50.4重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例9)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)にホスホリパーゼA2を0.1重量%添加し50℃で1時間攪拌した後、UHTにて120℃で10秒間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて60℃に冷却した当該原料中のリン脂質の95重量%がリゾ化した食品素材5重量部、大豆油10重量部、および水39.4重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、中粘性アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液の粘度が10mPa・s)0.3重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目5MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.4重量%、水の含有量は50.4重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(実施例10)
ホエイパウダー2.5重量部、トータルミルクプロテイン1.5重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)5重量部、大豆油10重量部、および水39.4重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目100MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、中粘性アルギン酸(1重量%水溶液の粘度が10mPa・s)0.3重量部、菜種油10重量部、乳酸0.3重量部、および澱粉1重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて90℃で5分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目5MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、本発明の可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.093重量%、乳蛋白質を2.5重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=3.6:96.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=60:40(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.4重量%、水の含有量は50.4重量%であり、pHは5であった。
また、得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.8μm、また体積基準の粒度分布は、0.1μm以上1μm未満の粒子が90重量%、1μm以上の粒子が10重量%であった。
得られた本発明の可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表1に示した。評価方法は実施例1と同じである。
Figure 2004357699
(比較例1)
ホエイパウダー2重量部、トータルミルクプロテイン1.0重量部、ソルビトール10重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)7重量部、大豆油10重量部、および水26重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目15MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、中粘性アルギン酸(1重量%水溶液の粘度が60mPa・s)0.5重量部、菜種油10重量部、レモン果汁3.0重量部、およびカラギーナン0.5重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて100℃で2分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.13重量%、乳蛋白質を2.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.6:94.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=59:41(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.5重量%、水の含有量は42.6重量%であり、pHは2であった。
また、得られた可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表2に示した。評価方法は実施例1と同じである。

(比較例2)
ホエイパウダー2重量部、トータルミルクプロテイン1重量部、ソルビトール10重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)7重量部、大豆油10重量部、および水28.7重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目15MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、低粘性アルギン酸ナトリウム(10重量%水溶液の粘度が500mPa・s、1重量%水溶液の粘度が6mPa・s)0.5重量部、菜種油10重量部、炭酸水素ナトリウム0.3重量部、およびカラギーナン0.5重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて100℃で2分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.13重量%、乳蛋白質を2.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.6:94.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=59:41(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.5重量%、水の含有量は43.9重量%であり、pHは6.5であった。
また、得られた可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表2に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(比較例3)
ホエイパウダー2重量部、トータルミルクプロテイン1重量部、ソルビトール10重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)7重量部、大豆油10重量部、および水28.992重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目15MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、菜種油10重量部、レモン果汁0.5重量部、およびカラギーナン0.508重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて100℃で2分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.13重量%、乳蛋白質を2.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.6:94.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=59:41(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.5重量%、水の含有量は44.3重量%であり、pHは5であった。
また、得られた可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表2に示した。評価方法は実施例1と同じである。
(比較例4)
ホエイパウダー2重量部、トータルミルクプロテイン1重量部、ソルビトール10重量部、水飴30重量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分38重量%、固形分中のリン脂質の含有量4.89重量%)7重量部、大豆油10重量部、および水28.992重量部を混合し、45℃に加熱し、イズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目15MPa、2段目10MPaの均質化圧力にて均質化を行い、水中油型乳化物(1)を調製した。この水中油型乳化物(1)に、高粘性アルギン酸ナトリウム(1重量%水溶液の粘度が800mPa・s)2重量部、菜種油10重量部、レモン果汁0.5重量部、カラギーナン0.5重量部を添加し、配合槽で混合し、水中油型乳化物(2)を調製した。これを掻取式熱交換器にて100℃で2分間加熱殺菌し、掻き取り式熱交換器にて45℃に冷却した。次いでイズミフードマシナリ製2段式ホモゲナイザーにて1段目20MPa、2段目0MPaの均質化圧力にて均質化後、ポリエチレン袋に密封し、5℃に冷却し、可塑性水中油型乳化組成物を得た。
得られた可塑性水中油型乳化組成物は、リン脂質を0.13重量%、乳蛋白質を2.2重量%含有しており、リン脂質:乳蛋白質=5.6:94.4(重量比)であり、カゼイン蛋白質:ホエイ蛋白質=59:41(重量比)であった。カルシウムの含有量は0.05重量%であった。また、油脂の含有量は、20.5重量%、水の含有量は39.2重量%であり、pHは5であった。
また、得られた可塑性水中油型乳化組成物について、実施例1と同様に粒子径を測定したところ、油滴の体積基準のメディアン径は0.5μm、また体積基準の粒度分布は0.1μm以上1μm未満の粒子が100重量%、1μm以上の粒子が0重量%であった。
得られた可塑性水中油型乳化組成物の評価を下記表2に示した。評価方法は実施例1と同じである。
Figure 2004357699
乳由来のリン脂質を含有する食品素材の脂質を抽出するためのFolch法のフローチャートである。

Claims (7)

  1. 水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有し、pHが2.5〜6であることを特徴とする可塑性水中油型乳化組成物。
  2. 上記リン脂質として、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2重量%以上である食品素材を使用してなる請求項1記載の可塑性水中油型乳化組成物。
  3. 上記乳蛋白質を0.3〜10重量%含有する請求項1または2記載の可塑性水中油型乳化組成物。
  4. B型粘度計でpH7、25℃、30rpmの条件下で測定したとき、上記低粘性アルギン酸および/または上記低粘性アルギン酸塩の10重量%水溶液の粘度が1〜700mPa・sであり、上記中粘性アルギン酸および/または上記中粘性アルギン酸塩の1重量%水溶液の粘度が10〜100mPa・sである請求項1〜3のいずれかに記載の可塑性水中油型乳化組成物。
  5. 上記可塑性水中油型乳化組成物の油滴の体積基準のメディアン径が3μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の可塑性水中油型乳化組成物。
  6. 水、油脂、リン脂質、乳蛋白質、カルシウム、ならびに、低粘性アルギン酸、低粘性アルギン酸塩、中粘性アルギン酸および中粘性アルギン酸塩からなる群から選ばれた1種または2種以上を混合、乳化し、さらにpHを2.5〜6に調節した水中油型乳化物を作成した後、該乳化物を殺菌または滅菌し、さらに均質化処理を行い、冷却することを特徴とする可塑性水中油型乳化組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の可塑性水中油型乳化組成物を用いた食品。
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