JP2004358663A - 液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セット - Google Patents
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Abstract
【課題】すでに販売されてユーザの手元にあっても、簡単に機能を向上させて液体噴射を行うことのできる液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セットを提供する。
【解決手段】プリンタ12とともに印刷システムを構成するコンピュータ11は、管理コンピュータに接続され、この管理コンピュータは各種の駆動条件を記憶している駆動条件記憶部を有している。プリンタ12の主制御部52は、駆動条件をすでに記憶しているROM52cと、駆動条件を記憶可能とするEEPROM52dを備えている。プリンタ12は、搭載されたインクカートリッジ61が、すでに記憶されている駆動条件に基づいてインクを噴射できないと判断すると、コンピュータ11は管理コンピュータからその駆動条件を取得しEEPROM52dに記憶させる。
【選択図】 図4
【解決手段】プリンタ12とともに印刷システムを構成するコンピュータ11は、管理コンピュータに接続され、この管理コンピュータは各種の駆動条件を記憶している駆動条件記憶部を有している。プリンタ12の主制御部52は、駆動条件をすでに記憶しているROM52cと、駆動条件を記憶可能とするEEPROM52dを備えている。プリンタ12は、搭載されたインクカートリッジ61が、すでに記憶されている駆動条件に基づいてインクを噴射できないと判断すると、コンピュータ11は管理コンピュータからその駆動条件を取得しEEPROM52dに記憶させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体噴射装置としてのインク滴を紙などに噴射させるインクジェット式プリンタと、コンピュータとから構成される液体噴射システムがある。この液体噴射システムに用いられるプリンタでは、インクが噴射されるノズルを備えた記録ヘッドとプラテンとの間に紙等のターゲットを導く。そして、このプリンタは、記録ヘッドが設けられたキャリッジをターゲットに対して相対移動させながら、各ノズルに設けられた圧電素子を駆動して前記ノズルからターゲットに対してインクを噴射する。すなわち、プリンタは、キャリッジを駆動させるキャリッジモータ及び圧電素子の噴射タイミング及びその量などの駆動条件を制御して印刷を行っている。
【0003】
しかしながら、使用されるインクなどの種類によっては、異なる駆動条件を用いて印刷を行うほうがよい場合がある。例えば、顔料インクの粘度と染料インクの粘度が一致しないため、同一の駆動条件でインクを噴射すると、いずれかのインクを綺麗に噴射されない可能性がある。すなわち、良好な印刷を行うために、使用されるインクが顔料インク又は染料インクによって駆動条件を変更することが望ましい。そこで、プリンタに複数の駆動条件を記憶させておき、インクの種類に応じてその駆動条件を変更するという技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−129498号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プリンタは、このプリンタが販売されるときに存在するインクやターゲットに応じた最適な駆動条件を記憶させることができるのみである。すなわち、プリンタの販売後に、例えば高画質などを実現するために開発されたインクやターゲットなどを用いたときの駆動条件をプリンタに記憶させることはできない。このため、開発されたインクやターゲットの特性を十分に発揮し得る印刷を行うためには、それに適した駆動条件を有したROMと交換する必要があった。
【0006】
すなわち、プリンタの販売後に開発されたインクやターゲットを用いて印刷を行うにはROMを交換するという手間をかけなければ、それらインクやターゲットの特性を十分に発揮し得る印刷を容易に行うことができなかった。
【0007】
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、すでに販売されてユーザの手元にあっても、簡単に機能を向上させて液体噴射を行うことのできる液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体噴射システムは、ターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドを駆動させる噴射手段と、前記液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させる移動手段と、前記噴射手段及び前記移動手段を駆動するための予め用意された駆動条件を記憶している記憶手段を備えた液体噴射システムにおいて、前記記憶手段に前記駆動条件とは異なる他の駆動条件を書き込む書き込み手段を備えている。
【0009】
これによれば、書き込み手段により記憶手段に駆動条件を書き込むことができる。このため、すでに販売されてユーザの手元に液体噴射システムがあっても、例えば液体噴射システムの販売後に開発された液体やターゲットに対して最適な駆動条件や販売後に開発された高速の駆動条件などを記憶手段に書き込むことができる。従って、これらの駆動条件に従って液体噴射システムを駆動させれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体噴射を行うことができる。
【0010】
この液体噴射システムは、前記液体又は前記ターゲットに基づいて、使用する前記駆動条件を選択する駆動条件選択手段を備えている。
これによれば、駆動条件選択手段は、液体又はターゲットに基づいて、使用される駆動条件を選択するので、使用される液体又はターゲットに最適な駆動条件を用いて液体噴射を行うことができる。すなわち、使用する液体又はターゲットの特性を十分に発揮した液体噴射を行うことができる。
【0011】
この液体噴射システムは、使用する前記駆動条件が前記記憶手段に記憶されていないと判断された場合に、前記使用する駆動条件を取得する取得手段を備え、前記書き込み手段は、前記取得手段により取得した駆動条件を前記記憶手段に書き込む。
【0012】
これによれば、使用する駆動条件が記憶手段にない場合には、その駆動条件が取得されて記憶手段に書き込まれる。このため、記憶手段には複数の駆動条件が記憶される。従って、例えばユーザが、その液体噴射システム専用ではないが多用する液体やターゲットに適した駆動条件や、新たに開発された液体やターゲットに適した駆動条件などによって、いつでも良好な液体噴射を行うことができる。
【0013】
この液体噴射システムは、前記取得手段は、前記駆動条件をネットワークを介して取得する。
これによれば、取得手段は、ネットワークを介して駆動条件を取得するため、例えばCD−ROMなどの情報記憶媒体がなくても駆動条件を取得することができる。
【0014】
この液体噴射システムは、前記駆動条件は、複数の駆動条件要素から構成されており、前記取得手段は、前記駆動条件要素の一部が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記記憶手段に記憶されていない前記駆動条件要素のみを取得する。
【0015】
これによれば、駆動条件を構成する駆動条件要素の一部がすでに記憶手段に記憶されている場合には、それ以外の駆動条件要素を取得手段は取得する。すなわち、取得手段は、最小限の駆動条件を取得するだけで、多くの駆動条件を記憶手段に記憶させることができる。
【0016】
この液体噴射システムは、前記書き込み手段により前記記憶手段に新たに書き込まれた駆動条件に従って前記噴射手段及び前記移動手段を駆動させて、テスト印刷を実行するテスト印刷実行手段を更に備えている。
【0017】
これによれば、テスト印刷実行手段は、記憶手段に新たに書き込まれた駆動条件に従ってテスト印刷を実行する。このため、駆動条件が記憶手段に正しく書き込まれたか否かを容易に確認することができる。
【0018】
本発明の液体噴射方法は、予め用意された駆動条件に従って、キャリッジをターゲットに対して相対移動させながら、前記キャリッジに設けられた液体噴射ヘッドから前記ターゲットに対して前記液体を噴射する液体噴射方法において、使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対する液体を噴射するための駆動条件がない場合には、その駆動条件を取得して新たに用意された駆動条件として記憶手段に記憶させ、前記記憶手段に記憶された複数の前記駆動条件のうちから適する駆動条件を選択し、この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行う。
【0019】
これによれば、使用される液体やターゲットに適した駆動条件がない場合には、この駆動条件を取得した後に、この取得した駆動条件に従って液体噴射を行うことができる。このため、ユーザが使用しようとしている液体を収容した液体収容体やターゲットに適した液体噴射を行うことができ、使用する液体収容体やターゲットがより高性能のものであれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体を噴射させることができる。
【0020】
本発明の液体噴射プログラムは、記憶手段に記憶されている駆動条件に従ってターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させながら、前記液体噴射ヘッドから前記液体を噴射させる液体噴射制御コンピュータに、使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対して液体を噴射するための駆動条件が用意されているか否かを判断させ、この駆動条件が用意されていないと判断した場合には、この駆動条件を取得させ、この取得した駆動条件を新たな用意された駆動条件として記憶させ、記憶された複数の前記駆動条件のうちから使用する駆動条件を選択させ、この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行わせることを実行させる。
【0021】
これによれば、使用される液体やターゲットに適した駆動条件がない場合には、この駆動条件を取得した後に、この取得した駆動条件に従って液体噴射を行うことができる。このため、ユーザが使用しようとしている液体を収容した液体収容体やターゲットに適した液体噴射を行うことができ、使用する液体収容体やターゲットがより高性能のものであれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体を噴射させることができる。
【0022】
本発明の液体収容体セットは、ターゲットに液体を噴射させる液体噴射システムに搭載可能であり前記液体を収容している液体収容体と、この液体収容体に収容されている液体を用いた前記液体噴射システムを駆動するための駆動条件を記憶している情報記憶媒体とよりなる。
【0023】
これによれば、液体収容体とセットとなっている情報記憶媒体から駆動条件を取得することができる。このため、液体収容体が収容している液体に適した駆動条件を容易に得て、この条件に基づいて良好かつ容易に液体を噴射することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した液体噴射システムの第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、液体噴射システムとしての印刷システム10は、コンピュータ11とプリンタ12とから構成されている。
プリンタ12は、外部に供給トレイ13及び排出トレイ14を備えるとともに、内部に複数の送りローラ15を備えている。送りローラ15は、移動手段を構成する送りモータ15aによって適宜駆動される。このため、プリンタ12は、紙などのターゲットTを供給トレイ13から導入し、このターゲットTを副走査方向xに搬送させた後、排出トレイ14に排出する。
【0026】
また、プリンタ12は、内部に、キャリッジ16及びこれに対向するプラテン17を備えている。プラテン17は、印刷時にターゲットTを支持する支持台であって、印刷時にはその上方に前記送りローラ15により搬送されたターゲットTが至る。キャリッジ16は、ガイド軸18に嵌合され、かつ移動手段を構成するキャリッジモータ16aにより駆動されるタイミングベルト19に固着されて、主走査方向(紙面及び前記副走査方向xに垂直な方向)に往復移動可能とされている。
【0027】
キャリッジ16は、その下側に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20を有している。この記録ヘッド20の下面には、図示しないノズルが前記主走査方向及び前記副走査方向に複数配列されている。これらノズルのそれぞれには、噴射手段としての圧電素子20a(図4参照)が設けられている。このため、圧電素子20aが伸縮するとノズルの内容積が変化し、ノズル内のインクが記録ヘッド20に供給されて各ノズルからインク滴がターゲットT上に噴射させる。
【0028】
また、キャリッジ16には、複数の液体収容体としてのインクカートリッジ21(図1では1のみ表示)が搭載されている。これらインクカートリッジ21は、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロ、ダークイエロ、ブラックの各色の液体としての染料インクを別々に収容している。各インクカートリッジ21には、その外周面に不揮発性メモリ(EEPROM)21aがそれぞれ取着されている。
【0029】
この不揮発性メモリ21aは、約千キロバイト程度の記憶容量を有している。図2に示すように同不揮発性メモリ21aには、インク情報22、カートリッジ情報23及び駆動条件情報24などが記憶されている。インク情報22とは、収容されているインクに関する情報であり、顔料インクであるか染料インクであるかといった種類や色の情報などである。カートリッジ情報23は、インクカートリッジ21の種類を識別するための情報である。
【0030】
駆動条件情報24は、このインクカートリッジ21を用いてプリンタ12を駆動させるための駆動条件に関する識別情報である。駆動条件情報24は、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cから構成されている。駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cは、それぞれ駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37(図3参照)を識別するための識別番号である。駆動プログラム35は、前記送りモータ15a、キャリッジモータ16a、圧電素子20aの駆動タイミングや圧電素子20aの印加電圧のタイミングなどを決定するためのプログラムである。駆動周波数36は圧電素子20aを駆動する周期であり、駆動電圧37は前記圧電素子20aに印加する駆動電圧である。すなわち、本実施形態では、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37によって駆動条件が決定可能となっている。また、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が駆動条件要素に相当する。そして、不揮発性メモリ21aは、記憶容量が少ないため、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37ではなく、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cを記憶している。
【0031】
一方、図1に示すようにコンピュータ11は、キーボード26、マウス27及びディスプレイ28を備えている。キーボード26及びマウス27は、印刷の実行などコンピュータ11に対するユーザの指示が入力される。ディスプレイ28は、プリンタ12に印刷を行う画像を表示したり印刷結果の確認などのユーザに対する指示を表示したりする。
【0032】
また、コンピュータ11は、インターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に接続されており、管理コンピュータ30とデータの送受信を行う。この管理コンピュータ30は、駆動条件記憶部31とユーザ情報記憶部32とを有している。
【0033】
図3に示すように駆動条件記憶部31は、プリンタ機種33a毎及び適用されるインクカートリッジの種別33b毎に各駆動条件34を記憶している。駆動条件34は、上述したように本実施形態では駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37から構成されている。また、駆動条件記憶部31には、駆動条件34の1つとして、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37のそれぞれを識別する駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cが記憶されている。このため、プリンタ機種33a及びインクカートリッジの種別33bが異なっている場合であっても、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b又は駆動電圧ID番号24cが同じであれば、同じ駆動プログラム35、駆動周波数36又は駆動電圧37が使用されることになる。
【0034】
ユーザ情報記憶部32は、各コンピュータ11を使用するユーザに関するユーザ情報を記憶している。このユーザ情報は、ユーザ識別番号、パスワード、ユーザの氏名、メールアドレス及びユーザが使用しているプリンタ12のプリンタ機種などの情報である。なお、ユーザ識別番号は、ユーザを識別するために付与されたユーザID番号及びパスワードから構成され、ユーザを特定するために用いられる。
【0035】
次に、本実施形態の印刷システム10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、コンピュータ11は、書き込み手段としてのCPU41、図示しないROM及びRAM、CD−ROM情報読み取り部42、I/F(インターフェイス)部43、送受信部44、印刷データ記憶部45、プログラム記憶部46及び処理データ記憶部47を備える。そして、これらは互いにバス48を介して接続されている。CPU41は、コンピュータ11の各種動作を制御しており、前記バス48を介してキーボード26、マウス27及びディスプレイ28に接続されている。従って、CPU41は、キーボード26及びマウス27からユーザ操作信号が入力され、ディスプレイ28に各種情報を出力する。
【0036】
CD−ROM情報読み取り部42はコンピュータ11に挿入されたCD−ROMから情報を読み取る読み取り部であり、このCD−ROM情報読み取り部42を介してCPU41はCD−ROMの情報を取得する。I/F部43はプリンタ12に接続され、このI/F部43を介してCPU41はプリンタ12と各種データの送受信を行う。送受信部44はインターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に接続可能となっており、この送受信部44を介してCPU41は前記管理コンピュータ30と情報の送受信を行う。
【0037】
印刷データ記憶部45はコンピュータ11において作成された画像や印字などの印刷データをプリンタ12に印刷させるために一時的に記憶する記憶部である。このため、この印刷データ記憶部45に画像や印字データを記憶させながら、CPU41はプリンタ12に印刷させる印刷データをユーザの指示に従って作成する。
【0038】
プログラム記憶部46は、印刷実行プログラムや駆動条件取得プログラムなどの各種プログラムが記憶されている。印刷実行プログラムは、印刷データ記憶部45に記憶された印刷データの印刷をプリンタ12に行わせるプログラムである。駆動条件取得プログラムは、プリンタ12からの指示によりプリンタ12を駆動させる駆動条件をインターネットIを介して管理センタCから取得するためのプログラムである。CPU41は、プログラム記憶部46に記憶された各種プログラムに基づいて各種処理を行う。
【0039】
また、処理データ記憶部47は、プログラム記憶部46に記憶されている各種処理に用いられる処理データを記憶している。この処理データは、例えばテスト印刷用のデータや駆動条件取得プログラム中において管理コンピュータ30にコンピュータ11を認証を行うための前記ユーザ識別番号などである。
【0040】
一方、プリンタ12は、印刷制御部51、主制御部52、I/F部53及びカートリッジ情報授受部54とを備えており、これらはそれぞれバス55を介して接続されている。
【0041】
印刷制御部51は、前記送りモータ15a、キャリッジモータ16a及び記録ヘッド20の圧電素子20aを駆動制御する。
主制御部52は、印刷制御部51、I/F部53及びカートリッジ情報授受部54を統括制御する制御部である。同主制御部52は、駆動条件選択手段としてのCPU52aと、RAM52bと、記憶手段としてのROM52cと、同じく記憶手段EEPROM52dを備えている。RAM52bはコンピュータ11から受信した印刷データ及び印刷のための各種演算処理を一時的に記憶する。
【0042】
ROM52cは、印刷プログラム及びこれにすでに備わっている駆動条件を記憶している。印刷プログラムは、CPU52aがコンピュータ11から印刷データを受信したときにRAM52bに一時的に記憶したり、印刷が終了したときには印刷終了信号をコンピュータ11に送信したりといったプリンタ12の印刷処理の全体に関するプログラムである。また、すでに備わっている駆動条件とは、プリンタ12に通常搭載される、すなわち専用のインクカートリッジ21の染料インクを噴射するために、プリンタ12に備えられた最適な駆動条件、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37のことである。なお、ROM52cには、これらの駆動条件が、これらを識別する駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cと関連付けされて記憶されている。
【0043】
EEPROM52dは、ROM52cに記憶された条件とは異なる複数の駆動条件が書き込み可能な記憶領域を備えている。この記憶領域は、前記駆動条件記憶部31から取得される駆動条件を記憶するための領域であって、ROM52cに記憶される駆動条件と同様な形式で駆動条件を記憶する。すなわち、EEPROM52dは、駆動条件の駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を、それらID番号24a,24b,24cとともに記憶するようになっている。従って、CPU52aは、ROM52c又はEEPROM52dに記憶されている駆動条件に従って、RAM52bに一時的に記憶された印刷データに基づいて、印刷のための各種の演算処理動作を実行し、前記印刷制御部51に制御信号を与える。これにより、CPU52aは、送りモータ15a、キャリッジモータ16a及び圧電素子20aを適宜駆動させて、印刷を行う。
【0044】
I/F部53は、前記コンピュータ11のI/F部43に接続されている。このため、CPU52aは、I/F部53を介してコンピュータ11からの印刷データ、指令信号や駆動条件などのデータを受信したり、コンピュータ11に対して印刷終了信号などのデータを送信したりする。
【0045】
カートリッジ情報授受部54は、前記インクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aからの種別情報を非接触で取得する。このため、主制御部52のCPU52aは、カートリッジ情報授受部54を介して、不揮発性メモリ21aに記憶されている各種情報22〜24を取得する。
【0046】
なお、本実施形態においては、取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータは、コンピュータ11のCPU41及びプリンタ12の印刷制御部51から構成されている。
【0047】
次に、上述した印刷システム10の作用について図5〜図7に基づいて説明する。
コンピュータ11において作成した画像又は印字データを印刷する場合には、ユーザはディスプレイ28を見ながらキーボード26及びマウス27を操作して印刷を実行する。これにより、印刷システム10において図5に示すような印刷処理が行われる。すなわち、コンピュータ11のCPU41は、まずプログラム記憶部46に記憶されているプログラムに従って印刷データを作成する(ステップS1)。そして、コンピュータ11の同CPU41は、作成した印刷データをI/F部43を介してプリンタ12に送信する(ステップS2)。プリンタ12のCPU52aは、I/F部53を介して受信した印刷データをRAM52bに一時的に記憶する。
【0048】
一方、プリンタ12のCPU52aは、カートリッジ情報授受部54を介してインクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aに記憶されている駆動条件情報24を取得する。同CPU52aは、取得した駆動条件情報24から使用する駆動条件を選択する(ステップS3)。詳述すると、同CPU52aは、不揮発性メモリ21aから取得した駆動条件情報24の駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37をROM52c又EEPROM52dから検索する。
【0049】
そして、対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が検索されると、CPU52aは、その検索された選択された駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を使って、前記RAM52bに記憶した印刷データに基づく印刷を行う(ステップS4)。詳述すると、プリンタ12は、記録ヘッド20を主走査方向に移動させながら、圧電素子20aを駆動してインクを噴射する。そして、前記主走査方向に1回移動させると、キャリッジモータ16aを所定量駆動させてターゲットTを副走査方向(x方向)に移動させる。この一連の動作を繰り返すことにより、ターゲットTに印刷が行われる。
【0050】
そして、印刷が終了すると、プリンタ12のCPU52aは、印刷終了信号をコンピュータ11のCPU41にI/F部53を介して送信し(ステップS5)、印刷処理が終了する。
【0051】
次に、プリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21とは異なる顔料インクを収容している液体収容体としてのインクカートリッジ61をプリンタ12に搭載した場合について、図6及び図7を参照して述べる。なお、このインクカートリッジ61の構造は上述したインクカートリッジ21と同じであるが、収容されているインクの種類及び不揮発性メモリ61aに記憶されている情報、すなわちインク情報22、カートリッジ情報23及び駆動条件情報24は異なっている。
【0052】
インクカートリッジ61がプリンタ12に装着されると、図7に示すように印刷システム10においては駆動条件取得処理が行われる。すなわち、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ61がプリンタ12に装着されると、カートリッジ情報授受部54を介して、インクカートリッジ61の不揮発性メモリ61aからその駆動条件情報24を取得する(図7のステップS11)。そして、CPU52aは、取得した駆動条件情報24に基づいて、そのインクを噴射するための駆動条件が、ROM52c又はEEPROM52dにあるか否かを判断する(ステップS12)。すなわち、不揮発性メモリ21aから取得した各駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37がプリンタ12のROM52c又はEEPROM52dに記憶されているか否かを判断する。
【0053】
このとき、CPU52aは、インクカートリッジ61の駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cがROM52c又はEEPROM52dに記憶されている場合には、駆動条件はすべてあると判断して(ステップS12にてYES)、駆動条件取得処理を終了する。
【0054】
一方、CPU52aは、各ID番号24a,24b,24cの少なくとも1つが記憶されていないと判断する(ステップS12にてNO)と、それを取得するための取得信号とを、I/F部53を介してコンピュータ11に送信する(ステップS13)。例えば、CPU52aが、インクカートリッジ61の駆動プログラムID番号24aはあるが、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cがないと判断すると、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cをコンピュータ11に送信する。
【0055】
コンピュータ11は、記憶されていないと判断された駆動条件の各ID番号24a,24b,24cと取得信号とを、プリンタ12からI/F部43介して受信すると、前記管理センタCの管理コンピュータ30とインターネットIを介して接続する。そして、コンピュータ11のCPU41は、ユーザ識別番号をプログラム記憶部46から読み出す。次に、CPU41は、取得する駆動条件のID番号24a,24b,24cの情報と、ユーザ識別番号とを、送受信部44からインターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に送信する(ステップS14)。例えば、駆動周波数ID番号24bと駆動電圧ID番号24cを取得する場合には、これらID番号24b,24cと、ユーザ識別番号とを管理コンピュータ30に送信する。
【0056】
管理コンピュータ30は、受信したユーザ識別情報と、ユーザ情報記憶部32に記憶されているユーザ情報とからそのユーザの認証を行う(ステップS15)。管理コンピュータ30は、認証により管理コンピュータ30からのデータを取得できるユーザであると判断すると、受信した駆動条件のID番号24a,24b,24cに基づいてコンピュータ11に送信するための駆動条件34を検索する(ステップS16)。すなわち、管理コンピュータ30は、受信した駆動条件34のID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を駆動条件記憶部31から検索する(ステップS16)。そして、管理コンピュータ30は、受信した駆動条件のID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を、受信した駆動条件情報24のID番号24a,24b,24cに関連付けてインターネットIを介してコンピュータ11に送信する(ステップS17)。例えば、管理コンピュータ30が、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cの2つを受信した場合には、これらにそれぞれ対応する駆動周波数36及び駆動電圧37を、そのID番号24b,24cに関連付けしてコンピュータ11に送信する。
【0057】
一方、管理コンピュータ30から駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を受信したコンピュータ11のCPU41は、受信した駆動条件をRAMに一時的に記憶する。そして、コンピュータ11のCPU41は、RAMに一時的に記憶した駆動条件をプリンタ12のEEPROM52dに書き込む(ステップS18)。これによりEEPROM52dには、インクカートリッジ61を駆動するための新たな駆動条件が記憶される(ステップS19)。すなわち、コンピュータ11のCPU41が駆動周波数36及び駆動電圧37を取得した場合には、これらと、これのそれぞれに対応するID番号24b,ID番号24cとをEEPROM52dに書き込み、EEPROM52dには駆動周波数36及び駆動電圧37が記憶される。
【0058】
従って、インクカートリッジ61を駆動するためのすべての駆動条件がEEPROM52dに記憶される。
その後、図6に示すようにプリンタ12のCPU52aは、駆動条件が正しくインストールされたか否かのテスト印刷処理を行う。すなわち、コンピュータ11のCPU41は、プリンタ12のEEPROM52dに対する駆動条件の書き込み(ステップS18)を終了すると、テスト用の印刷データを作成する(ステップS21)。そして、同CPU41は、そのテスト用の印刷データをプリンタ12にI/F部43を介して送信する(ステップS22)。プリンタ12のCPU52aは、I/F部53を介して受信したテスト用の印刷データをRAM52bに一時的に保存する。そして、CPU52aは、インクカートリッジ61に対応する駆動条件を選択して、この駆動条件とRAM52bに記憶したテスト用の印刷データとに基づいて印刷を行う(ステップS23)。
【0059】
そして、印刷が終了すると、プリンタ12のCPU52aは、印刷終了信号をコンピュータ11のCPU41にI/F部53を介して送信する(ステップS24)。コンピュータ11のCPU41は、プリンタ12からI/F部43を介して印刷終了信号を受信すると、ユーザに対して印刷結果を確認するような指示をディスプレイ28に表示する(ステップS25)。そして、ユーザがその印刷結果を入力すると(ステップS26)、コンピュータ11のCPU41は、その印刷結果が良好か否かを判断する(ステップS27)。
【0060】
印刷結果が良好でない場合(ステップS27にてNO)には、再度、駆動条件を取得するために、上述したステップS14以降の処理を繰り返して行う。一方、印刷結果が良好である場合(ステップS27にてYES)には、テスト印刷処理が終了し、駆動条件取得処理が完了する。
【0061】
なお、このインクカートリッジ61が使用された後に、再び染料インクを収容したインクカートリッジ21がプリンタ12に搭載されることがある。この場合には、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aに記憶されている駆動条件情報24に基づいて、ROM52cに記憶されているインクカートリッジ21用の駆動条件を選択する。すなわち、ROM52cに記憶されている駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を用いて印刷を行う。以上によりプリンタ12は、インクカートリッジ21,61に最適な駆動条件で印刷を行うことができる。
【0062】
本実施形態のプリンタ12によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、プリンタ12の主制御部52にEEPROM52dが設けられており、このEEPROM52dはコンピュータ11のCPU41によって駆動条件が書き込み可能となっている。このため、プリンタ12が販売された後に新たに開発されたインクを収容したインクカートリッジ61を用いるときの駆動条件をEEPROM52dに書き込むことができる。このため、プリンタ12において、インクカートリッジ61の特性を十分に発揮して印刷を行うことができる。
【0063】
つまり、ユーザがプリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21の代わりに異なるインクカートリッジ61を購買してプリンタ12に搭載した場合であっても、このインクカートリッジ61を有効に使用して印刷することができる。更に、プリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21が販売中止となった場合であっても、異なるインクカートリッジ61を搭載しても、プリンタ12を使用することができる。このため、メーカは、インクカートリッジ21の売れ行きによって販売を中止することが容易に行うことができ、売れ難い液体収容体の在庫を少なくすることができる。
【0064】
(2)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ21,61に収容されたインクに基づいて、使用される駆動条件を選択した。すなわち、使用されるインクをより良好に噴射して印刷を行うための駆動条件が選択されるので、インクカートリッジ21,61に収容されたインクの特性を十分に発揮して印刷を行うことができる。すなわち、染料インクを収容したインクカートリッジ21であれば鮮やかな画像を印刷することができ、顔料インクを収容したインクカートリッジ61であれば耐光性などが良好な画像を印刷することができる。
【0065】
(3)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aが、インクカートリッジ61に収容されたインクを噴射する駆動条件がないと判断したときには(ステップS12にてNO)、コンピュータ11によってその駆動条件を取得し、EEPROM52dに書き込むようにした(ステップS13〜S19)。すなわち、主制御部52にはROM52cにすでに記憶されている駆動条件の他に、新たな駆動条件がEEPROM52dに記憶される。このため、CPU52aは搭載されているインクカートリッジ21,61の種類に応じた駆動条件を適宜選択して、すぐに良好な印刷を行うことができる。
【0066】
(4)本実施形態では、駆動条件は、駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37により構成されており、コンピュータ11は、このうちの一部がROM52cやEEPROM52dに記憶されているときには、不足している駆動条件のみを取得するようにした。このため、コンピュータ11はインターネットIを介して最小限の駆動条件を取得することになり、データの送信中においてエラーが生じ難い。従って、プリンタ12のEEPROM52dに、より正しい駆動条件を書き込むことができる。また、重複する駆動条件がEEPROM52dに記憶されないので、より多くの駆動条件をEEPROM52dに記憶することができる。
【0067】
(5)本実施形態では、管理コンピュータ30から駆動条件を取得してEEPROM52dに書き込みが行われると、図6に示すようにプリンタ12はその駆動条件を用いてすぐにテスト印刷処理を行う。これにより、駆動条件が正しくEEPROM52dに書き込まれた否かを容易に確認することができる。従って、実際に使用されるときには、適切な駆動条件により印刷を行うことができる。
【0068】
(6)本実施形態では、不揮発性メモリ21aには、駆動条件情報24として、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37ではなく、それらを識別するためのID番号24a,24b,24cを記憶させた。このため、記憶容量が少ない不揮発性メモリ21aに、駆動条件情報24以外のインク情報22及びカートリッジ情報23などを記憶させることが容易にできる。
【0069】
(7)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aは、インターネットIを介して駆動条件を取得した。このため、例えばCD−ROMなどの情報記録媒体がなくても駆動条件を容易に取得することができる。すなわち、駆動条件を取得した後にゴミとなるCD−ROMなどを省略することができる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した液体噴射システムの第2実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
第2実施形態におけるプリンタ12は、上記第1実施形態と異なり、駆動条件を管理コンピュータ30から取得するのではなく、CD−ROMなどの情報記録媒体から取得する。
【0072】
すなわち、図8に示すように新たに開発された顔料インクを収容しているインクカートリッジ61は、箱62に収容されている。また、この箱62には、CD−ROM63も収容されている。CD−ROM63には、前記インクカートリッジ61を用いるときの駆動条件が、プリンタ12の機種毎に記憶されている。この駆動条件は、上記第1実施形態と同様に、駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37により決定されている。つまり、CD−ROM63には、これら駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cのそれぞれと関連付けられて記憶されている。
【0073】
従って、本実施形態では、上述した図7の2点鎖線で囲んだステップS13〜S17の代わりに、図9の2点鎖線で囲んだステップS33〜S35の処理が行われる。詳述すると、インクカートリッジ61がプリンタ12に搭載されると、プリンタ12のCPU52aはインクカートリッジ61のカートリッジ情報23及び駆動条件情報24を取得する(図7のステップS11)。そして、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ61に用いる駆動条件がすべてあるか否かを判断する(ステップS12)。
【0074】
プリンタ12のCPU52aは、各ID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37すべてがないと判断する場合(ステップS12にてNO)には、不足している条件のID番号24a,24b,24cと、入力指令信号とをコンピュータ11に送信する(ステップS33)。
【0075】
入力指令信号を受信したコンピュータ11は、CD−ROM63に記憶されている駆動条件を取得するために、ユーザに対してCD−ROM63をコンピュータ11に挿入する旨をディスプレイ28に表示する(ステップS34)。そして、コンピュータ11のCPU41は、CD−ROM63が挿入されると、不足している条件として受信したID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37をCD−ROM情報読み取り部42を介してCD−ROM63から取得する(ステップS35)。そして、コンピュータ11は、上記図7のステップS19,S20と同様に、取得した駆動条件、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37をプリンタ12のEEPROM52dに書き込む。
【0076】
従って、第2実施形態によれば、上記(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)本実施形態では、インクカートリッジ61を各種のプリンタ12において駆動させる駆動条件が記憶されたCD−ROM63が、インクカートリッジ61に同梱されていた。このため、CD−ROM63から駆動条件を容易に読み出してプリンタ12に記憶させ、そのインクカートリッジ61に適した駆動条件で印刷を行うことが容易にできる。
【0077】
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態において、ROM52c及びEEPROM52dに記憶される駆動条件が、印刷時の駆動条件以外の他の駆動条件、例えば記録ヘッド20をクリーニングするときの各クリーニング装置の駆動条件などであってもよい。
【0078】
○上記各実施形態において、ROM52c及びEEPROM52dに記憶される駆動条件は、インクカートリッジ21,61に収容されたそれぞれのインクに対応する駆動条件とする代わりに、種々のターゲットTに対応する駆動条件とすること。また、インクの種類及びターゲットTの種類の両方を考慮した駆動条件とすること。更に、例えば高画質優先モードや速度優先モードなどの印刷モードを考慮した駆動条件とすること。
【0079】
○上記各実施形態において、図6のテスト印刷を省略すること。
○上記各実施形態において、EEPROM52dのみによって記憶手段を構成すること。なお、記憶手段を構成するROM52c及びEEPROM52dは、実際には、1つであってもよいし複数のものから構成されるようにしてもよい。
【0080】
○上記第1実施形態において、不揮発性メモリ21a,61aには、そのインクカートリッジ21,61の種別33bのみを記憶させること。このときには、同じインクカートリッジ21,61のインクを使用しても、プリンタ12の機種が違うことにより駆動条件が異なる場合に対応することができる。詳述すると、コンピュータ11がインクカートリッジ21,61の種別33bを管理コンピュータ30に送信する。そして、管理コンピュータ30が受信した種別33bと、ユーザ情報記憶部32に記憶されているユーザが使用しているプリンタの機種情報と、インクカートリッジ21,61の種別33bから、最適な駆動条件を検索する。管理コンピュータ30は検索された駆動条件を各コンピュータ11に送信する。このようにすれば、プリンタの機種毎に応じた最適な駆動条件で、各プリンタを駆動させることができる。
【0081】
○上記第1実施形態において、各インクカートリッジ21,61の駆動条件の一部がROM52c又はEEPROM52dに記憶されていても、その駆動条件のすべて、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を管理センタCの駆動条件記憶部31から取得するようにすること。
【0082】
○上記第2実施形態において、コンピュータ11の機能をプリンタ12に持たせて、コンピュータ11を省略すること。
○上記第2実施形態において、CD−ROM63の代わりに、例えばフレキシブルディスク(FD)などの他の情報記憶媒体にさせて、この情報記憶媒体から情報を取得する読み取り部を介してプリンタ12のEEPROM52dに駆動条件を書き込むようにしてもよい。
【0083】
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(A)液体噴射装置によって液体が噴射されるターゲットと、
このターゲットに対する前記液体噴射装置の駆動条件を記憶している情報記憶媒体とよりなることを特徴とするターゲットセット。
【0084】
従って、この(A)に記載の発明によれば、ターゲットとセットになっている情報記憶媒体から駆動条件を取得することができる。このため、ターゲットに適した駆動条件を容易に得て、この条件に基づいてそのターゲットに対して、良好かつ容易に液体を噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における印刷システムのシステム構成図。
【図2】不揮発性メモリに記憶された情報のデータ構成図。
【図3】駆動条件記憶部に記憶された情報のデータ構成図。
【図4】図1の印刷システムの電気的構成を示すブロック図。
【図5】図1の印刷システムの印刷処理の流れ図。
【図6】同印刷システムのテスト用印刷処理の流れ図。
【図7】同印刷システムの駆動条件取得処理の流れ図。
【図8】第2実施形態におけるインクカートリッジの販売状態を示す図。
【図9】第2実施形態における駆動条件取得処理の要部の流れ図。
【符号の説明】
11…液体噴射システムを構成するコンピュータ、12…液体噴射システムを構成するプリンタ、15a…移動手段を構成する送りモータ、16a…移動手段を構成するキャリッジモータ、20a…噴射手段としての圧電素子、41…取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータを構成し、かつ書き込み手段としてのCPU、52a…書き込み手段、取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータを構成し、かつ駆動条件選択手段としてのCPU、52c…記憶手段を構成するROM、52d…記憶手段を構成するEEPROM。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体噴射装置としてのインク滴を紙などに噴射させるインクジェット式プリンタと、コンピュータとから構成される液体噴射システムがある。この液体噴射システムに用いられるプリンタでは、インクが噴射されるノズルを備えた記録ヘッドとプラテンとの間に紙等のターゲットを導く。そして、このプリンタは、記録ヘッドが設けられたキャリッジをターゲットに対して相対移動させながら、各ノズルに設けられた圧電素子を駆動して前記ノズルからターゲットに対してインクを噴射する。すなわち、プリンタは、キャリッジを駆動させるキャリッジモータ及び圧電素子の噴射タイミング及びその量などの駆動条件を制御して印刷を行っている。
【0003】
しかしながら、使用されるインクなどの種類によっては、異なる駆動条件を用いて印刷を行うほうがよい場合がある。例えば、顔料インクの粘度と染料インクの粘度が一致しないため、同一の駆動条件でインクを噴射すると、いずれかのインクを綺麗に噴射されない可能性がある。すなわち、良好な印刷を行うために、使用されるインクが顔料インク又は染料インクによって駆動条件を変更することが望ましい。そこで、プリンタに複数の駆動条件を記憶させておき、インクの種類に応じてその駆動条件を変更するという技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−129498号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プリンタは、このプリンタが販売されるときに存在するインクやターゲットに応じた最適な駆動条件を記憶させることができるのみである。すなわち、プリンタの販売後に、例えば高画質などを実現するために開発されたインクやターゲットなどを用いたときの駆動条件をプリンタに記憶させることはできない。このため、開発されたインクやターゲットの特性を十分に発揮し得る印刷を行うためには、それに適した駆動条件を有したROMと交換する必要があった。
【0006】
すなわち、プリンタの販売後に開発されたインクやターゲットを用いて印刷を行うにはROMを交換するという手間をかけなければ、それらインクやターゲットの特性を十分に発揮し得る印刷を容易に行うことができなかった。
【0007】
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、すでに販売されてユーザの手元にあっても、簡単に機能を向上させて液体噴射を行うことのできる液体噴射システム、液体噴射方法、液体噴射プログラム及び液体収容体セットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体噴射システムは、ターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドを駆動させる噴射手段と、前記液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させる移動手段と、前記噴射手段及び前記移動手段を駆動するための予め用意された駆動条件を記憶している記憶手段を備えた液体噴射システムにおいて、前記記憶手段に前記駆動条件とは異なる他の駆動条件を書き込む書き込み手段を備えている。
【0009】
これによれば、書き込み手段により記憶手段に駆動条件を書き込むことができる。このため、すでに販売されてユーザの手元に液体噴射システムがあっても、例えば液体噴射システムの販売後に開発された液体やターゲットに対して最適な駆動条件や販売後に開発された高速の駆動条件などを記憶手段に書き込むことができる。従って、これらの駆動条件に従って液体噴射システムを駆動させれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体噴射を行うことができる。
【0010】
この液体噴射システムは、前記液体又は前記ターゲットに基づいて、使用する前記駆動条件を選択する駆動条件選択手段を備えている。
これによれば、駆動条件選択手段は、液体又はターゲットに基づいて、使用される駆動条件を選択するので、使用される液体又はターゲットに最適な駆動条件を用いて液体噴射を行うことができる。すなわち、使用する液体又はターゲットの特性を十分に発揮した液体噴射を行うことができる。
【0011】
この液体噴射システムは、使用する前記駆動条件が前記記憶手段に記憶されていないと判断された場合に、前記使用する駆動条件を取得する取得手段を備え、前記書き込み手段は、前記取得手段により取得した駆動条件を前記記憶手段に書き込む。
【0012】
これによれば、使用する駆動条件が記憶手段にない場合には、その駆動条件が取得されて記憶手段に書き込まれる。このため、記憶手段には複数の駆動条件が記憶される。従って、例えばユーザが、その液体噴射システム専用ではないが多用する液体やターゲットに適した駆動条件や、新たに開発された液体やターゲットに適した駆動条件などによって、いつでも良好な液体噴射を行うことができる。
【0013】
この液体噴射システムは、前記取得手段は、前記駆動条件をネットワークを介して取得する。
これによれば、取得手段は、ネットワークを介して駆動条件を取得するため、例えばCD−ROMなどの情報記憶媒体がなくても駆動条件を取得することができる。
【0014】
この液体噴射システムは、前記駆動条件は、複数の駆動条件要素から構成されており、前記取得手段は、前記駆動条件要素の一部が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記記憶手段に記憶されていない前記駆動条件要素のみを取得する。
【0015】
これによれば、駆動条件を構成する駆動条件要素の一部がすでに記憶手段に記憶されている場合には、それ以外の駆動条件要素を取得手段は取得する。すなわち、取得手段は、最小限の駆動条件を取得するだけで、多くの駆動条件を記憶手段に記憶させることができる。
【0016】
この液体噴射システムは、前記書き込み手段により前記記憶手段に新たに書き込まれた駆動条件に従って前記噴射手段及び前記移動手段を駆動させて、テスト印刷を実行するテスト印刷実行手段を更に備えている。
【0017】
これによれば、テスト印刷実行手段は、記憶手段に新たに書き込まれた駆動条件に従ってテスト印刷を実行する。このため、駆動条件が記憶手段に正しく書き込まれたか否かを容易に確認することができる。
【0018】
本発明の液体噴射方法は、予め用意された駆動条件に従って、キャリッジをターゲットに対して相対移動させながら、前記キャリッジに設けられた液体噴射ヘッドから前記ターゲットに対して前記液体を噴射する液体噴射方法において、使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対する液体を噴射するための駆動条件がない場合には、その駆動条件を取得して新たに用意された駆動条件として記憶手段に記憶させ、前記記憶手段に記憶された複数の前記駆動条件のうちから適する駆動条件を選択し、この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行う。
【0019】
これによれば、使用される液体やターゲットに適した駆動条件がない場合には、この駆動条件を取得した後に、この取得した駆動条件に従って液体噴射を行うことができる。このため、ユーザが使用しようとしている液体を収容した液体収容体やターゲットに適した液体噴射を行うことができ、使用する液体収容体やターゲットがより高性能のものであれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体を噴射させることができる。
【0020】
本発明の液体噴射プログラムは、記憶手段に記憶されている駆動条件に従ってターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させながら、前記液体噴射ヘッドから前記液体を噴射させる液体噴射制御コンピュータに、使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対して液体を噴射するための駆動条件が用意されているか否かを判断させ、この駆動条件が用意されていないと判断した場合には、この駆動条件を取得させ、この取得した駆動条件を新たな用意された駆動条件として記憶させ、記憶された複数の前記駆動条件のうちから使用する駆動条件を選択させ、この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行わせることを実行させる。
【0021】
これによれば、使用される液体やターゲットに適した駆動条件がない場合には、この駆動条件を取得した後に、この取得した駆動条件に従って液体噴射を行うことができる。このため、ユーザが使用しようとしている液体を収容した液体収容体やターゲットに適した液体噴射を行うことができ、使用する液体収容体やターゲットがより高性能のものであれば、液体噴射システムの機能を向上させて液体を噴射させることができる。
【0022】
本発明の液体収容体セットは、ターゲットに液体を噴射させる液体噴射システムに搭載可能であり前記液体を収容している液体収容体と、この液体収容体に収容されている液体を用いた前記液体噴射システムを駆動するための駆動条件を記憶している情報記憶媒体とよりなる。
【0023】
これによれば、液体収容体とセットとなっている情報記憶媒体から駆動条件を取得することができる。このため、液体収容体が収容している液体に適した駆動条件を容易に得て、この条件に基づいて良好かつ容易に液体を噴射することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した液体噴射システムの第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、液体噴射システムとしての印刷システム10は、コンピュータ11とプリンタ12とから構成されている。
プリンタ12は、外部に供給トレイ13及び排出トレイ14を備えるとともに、内部に複数の送りローラ15を備えている。送りローラ15は、移動手段を構成する送りモータ15aによって適宜駆動される。このため、プリンタ12は、紙などのターゲットTを供給トレイ13から導入し、このターゲットTを副走査方向xに搬送させた後、排出トレイ14に排出する。
【0026】
また、プリンタ12は、内部に、キャリッジ16及びこれに対向するプラテン17を備えている。プラテン17は、印刷時にターゲットTを支持する支持台であって、印刷時にはその上方に前記送りローラ15により搬送されたターゲットTが至る。キャリッジ16は、ガイド軸18に嵌合され、かつ移動手段を構成するキャリッジモータ16aにより駆動されるタイミングベルト19に固着されて、主走査方向(紙面及び前記副走査方向xに垂直な方向)に往復移動可能とされている。
【0027】
キャリッジ16は、その下側に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20を有している。この記録ヘッド20の下面には、図示しないノズルが前記主走査方向及び前記副走査方向に複数配列されている。これらノズルのそれぞれには、噴射手段としての圧電素子20a(図4参照)が設けられている。このため、圧電素子20aが伸縮するとノズルの内容積が変化し、ノズル内のインクが記録ヘッド20に供給されて各ノズルからインク滴がターゲットT上に噴射させる。
【0028】
また、キャリッジ16には、複数の液体収容体としてのインクカートリッジ21(図1では1のみ表示)が搭載されている。これらインクカートリッジ21は、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロ、ダークイエロ、ブラックの各色の液体としての染料インクを別々に収容している。各インクカートリッジ21には、その外周面に不揮発性メモリ(EEPROM)21aがそれぞれ取着されている。
【0029】
この不揮発性メモリ21aは、約千キロバイト程度の記憶容量を有している。図2に示すように同不揮発性メモリ21aには、インク情報22、カートリッジ情報23及び駆動条件情報24などが記憶されている。インク情報22とは、収容されているインクに関する情報であり、顔料インクであるか染料インクであるかといった種類や色の情報などである。カートリッジ情報23は、インクカートリッジ21の種類を識別するための情報である。
【0030】
駆動条件情報24は、このインクカートリッジ21を用いてプリンタ12を駆動させるための駆動条件に関する識別情報である。駆動条件情報24は、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cから構成されている。駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cは、それぞれ駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37(図3参照)を識別するための識別番号である。駆動プログラム35は、前記送りモータ15a、キャリッジモータ16a、圧電素子20aの駆動タイミングや圧電素子20aの印加電圧のタイミングなどを決定するためのプログラムである。駆動周波数36は圧電素子20aを駆動する周期であり、駆動電圧37は前記圧電素子20aに印加する駆動電圧である。すなわち、本実施形態では、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37によって駆動条件が決定可能となっている。また、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が駆動条件要素に相当する。そして、不揮発性メモリ21aは、記憶容量が少ないため、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37ではなく、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cを記憶している。
【0031】
一方、図1に示すようにコンピュータ11は、キーボード26、マウス27及びディスプレイ28を備えている。キーボード26及びマウス27は、印刷の実行などコンピュータ11に対するユーザの指示が入力される。ディスプレイ28は、プリンタ12に印刷を行う画像を表示したり印刷結果の確認などのユーザに対する指示を表示したりする。
【0032】
また、コンピュータ11は、インターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に接続されており、管理コンピュータ30とデータの送受信を行う。この管理コンピュータ30は、駆動条件記憶部31とユーザ情報記憶部32とを有している。
【0033】
図3に示すように駆動条件記憶部31は、プリンタ機種33a毎及び適用されるインクカートリッジの種別33b毎に各駆動条件34を記憶している。駆動条件34は、上述したように本実施形態では駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37から構成されている。また、駆動条件記憶部31には、駆動条件34の1つとして、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37のそれぞれを識別する駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cが記憶されている。このため、プリンタ機種33a及びインクカートリッジの種別33bが異なっている場合であっても、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b又は駆動電圧ID番号24cが同じであれば、同じ駆動プログラム35、駆動周波数36又は駆動電圧37が使用されることになる。
【0034】
ユーザ情報記憶部32は、各コンピュータ11を使用するユーザに関するユーザ情報を記憶している。このユーザ情報は、ユーザ識別番号、パスワード、ユーザの氏名、メールアドレス及びユーザが使用しているプリンタ12のプリンタ機種などの情報である。なお、ユーザ識別番号は、ユーザを識別するために付与されたユーザID番号及びパスワードから構成され、ユーザを特定するために用いられる。
【0035】
次に、本実施形態の印刷システム10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、コンピュータ11は、書き込み手段としてのCPU41、図示しないROM及びRAM、CD−ROM情報読み取り部42、I/F(インターフェイス)部43、送受信部44、印刷データ記憶部45、プログラム記憶部46及び処理データ記憶部47を備える。そして、これらは互いにバス48を介して接続されている。CPU41は、コンピュータ11の各種動作を制御しており、前記バス48を介してキーボード26、マウス27及びディスプレイ28に接続されている。従って、CPU41は、キーボード26及びマウス27からユーザ操作信号が入力され、ディスプレイ28に各種情報を出力する。
【0036】
CD−ROM情報読み取り部42はコンピュータ11に挿入されたCD−ROMから情報を読み取る読み取り部であり、このCD−ROM情報読み取り部42を介してCPU41はCD−ROMの情報を取得する。I/F部43はプリンタ12に接続され、このI/F部43を介してCPU41はプリンタ12と各種データの送受信を行う。送受信部44はインターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に接続可能となっており、この送受信部44を介してCPU41は前記管理コンピュータ30と情報の送受信を行う。
【0037】
印刷データ記憶部45はコンピュータ11において作成された画像や印字などの印刷データをプリンタ12に印刷させるために一時的に記憶する記憶部である。このため、この印刷データ記憶部45に画像や印字データを記憶させながら、CPU41はプリンタ12に印刷させる印刷データをユーザの指示に従って作成する。
【0038】
プログラム記憶部46は、印刷実行プログラムや駆動条件取得プログラムなどの各種プログラムが記憶されている。印刷実行プログラムは、印刷データ記憶部45に記憶された印刷データの印刷をプリンタ12に行わせるプログラムである。駆動条件取得プログラムは、プリンタ12からの指示によりプリンタ12を駆動させる駆動条件をインターネットIを介して管理センタCから取得するためのプログラムである。CPU41は、プログラム記憶部46に記憶された各種プログラムに基づいて各種処理を行う。
【0039】
また、処理データ記憶部47は、プログラム記憶部46に記憶されている各種処理に用いられる処理データを記憶している。この処理データは、例えばテスト印刷用のデータや駆動条件取得プログラム中において管理コンピュータ30にコンピュータ11を認証を行うための前記ユーザ識別番号などである。
【0040】
一方、プリンタ12は、印刷制御部51、主制御部52、I/F部53及びカートリッジ情報授受部54とを備えており、これらはそれぞれバス55を介して接続されている。
【0041】
印刷制御部51は、前記送りモータ15a、キャリッジモータ16a及び記録ヘッド20の圧電素子20aを駆動制御する。
主制御部52は、印刷制御部51、I/F部53及びカートリッジ情報授受部54を統括制御する制御部である。同主制御部52は、駆動条件選択手段としてのCPU52aと、RAM52bと、記憶手段としてのROM52cと、同じく記憶手段EEPROM52dを備えている。RAM52bはコンピュータ11から受信した印刷データ及び印刷のための各種演算処理を一時的に記憶する。
【0042】
ROM52cは、印刷プログラム及びこれにすでに備わっている駆動条件を記憶している。印刷プログラムは、CPU52aがコンピュータ11から印刷データを受信したときにRAM52bに一時的に記憶したり、印刷が終了したときには印刷終了信号をコンピュータ11に送信したりといったプリンタ12の印刷処理の全体に関するプログラムである。また、すでに備わっている駆動条件とは、プリンタ12に通常搭載される、すなわち専用のインクカートリッジ21の染料インクを噴射するために、プリンタ12に備えられた最適な駆動条件、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37のことである。なお、ROM52cには、これらの駆動条件が、これらを識別する駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cと関連付けされて記憶されている。
【0043】
EEPROM52dは、ROM52cに記憶された条件とは異なる複数の駆動条件が書き込み可能な記憶領域を備えている。この記憶領域は、前記駆動条件記憶部31から取得される駆動条件を記憶するための領域であって、ROM52cに記憶される駆動条件と同様な形式で駆動条件を記憶する。すなわち、EEPROM52dは、駆動条件の駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を、それらID番号24a,24b,24cとともに記憶するようになっている。従って、CPU52aは、ROM52c又はEEPROM52dに記憶されている駆動条件に従って、RAM52bに一時的に記憶された印刷データに基づいて、印刷のための各種の演算処理動作を実行し、前記印刷制御部51に制御信号を与える。これにより、CPU52aは、送りモータ15a、キャリッジモータ16a及び圧電素子20aを適宜駆動させて、印刷を行う。
【0044】
I/F部53は、前記コンピュータ11のI/F部43に接続されている。このため、CPU52aは、I/F部53を介してコンピュータ11からの印刷データ、指令信号や駆動条件などのデータを受信したり、コンピュータ11に対して印刷終了信号などのデータを送信したりする。
【0045】
カートリッジ情報授受部54は、前記インクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aからの種別情報を非接触で取得する。このため、主制御部52のCPU52aは、カートリッジ情報授受部54を介して、不揮発性メモリ21aに記憶されている各種情報22〜24を取得する。
【0046】
なお、本実施形態においては、取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータは、コンピュータ11のCPU41及びプリンタ12の印刷制御部51から構成されている。
【0047】
次に、上述した印刷システム10の作用について図5〜図7に基づいて説明する。
コンピュータ11において作成した画像又は印字データを印刷する場合には、ユーザはディスプレイ28を見ながらキーボード26及びマウス27を操作して印刷を実行する。これにより、印刷システム10において図5に示すような印刷処理が行われる。すなわち、コンピュータ11のCPU41は、まずプログラム記憶部46に記憶されているプログラムに従って印刷データを作成する(ステップS1)。そして、コンピュータ11の同CPU41は、作成した印刷データをI/F部43を介してプリンタ12に送信する(ステップS2)。プリンタ12のCPU52aは、I/F部53を介して受信した印刷データをRAM52bに一時的に記憶する。
【0048】
一方、プリンタ12のCPU52aは、カートリッジ情報授受部54を介してインクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aに記憶されている駆動条件情報24を取得する。同CPU52aは、取得した駆動条件情報24から使用する駆動条件を選択する(ステップS3)。詳述すると、同CPU52aは、不揮発性メモリ21aから取得した駆動条件情報24の駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37をROM52c又EEPROM52dから検索する。
【0049】
そして、対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が検索されると、CPU52aは、その検索された選択された駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を使って、前記RAM52bに記憶した印刷データに基づく印刷を行う(ステップS4)。詳述すると、プリンタ12は、記録ヘッド20を主走査方向に移動させながら、圧電素子20aを駆動してインクを噴射する。そして、前記主走査方向に1回移動させると、キャリッジモータ16aを所定量駆動させてターゲットTを副走査方向(x方向)に移動させる。この一連の動作を繰り返すことにより、ターゲットTに印刷が行われる。
【0050】
そして、印刷が終了すると、プリンタ12のCPU52aは、印刷終了信号をコンピュータ11のCPU41にI/F部53を介して送信し(ステップS5)、印刷処理が終了する。
【0051】
次に、プリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21とは異なる顔料インクを収容している液体収容体としてのインクカートリッジ61をプリンタ12に搭載した場合について、図6及び図7を参照して述べる。なお、このインクカートリッジ61の構造は上述したインクカートリッジ21と同じであるが、収容されているインクの種類及び不揮発性メモリ61aに記憶されている情報、すなわちインク情報22、カートリッジ情報23及び駆動条件情報24は異なっている。
【0052】
インクカートリッジ61がプリンタ12に装着されると、図7に示すように印刷システム10においては駆動条件取得処理が行われる。すなわち、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ61がプリンタ12に装着されると、カートリッジ情報授受部54を介して、インクカートリッジ61の不揮発性メモリ61aからその駆動条件情報24を取得する(図7のステップS11)。そして、CPU52aは、取得した駆動条件情報24に基づいて、そのインクを噴射するための駆動条件が、ROM52c又はEEPROM52dにあるか否かを判断する(ステップS12)。すなわち、不揮発性メモリ21aから取得した各駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37がプリンタ12のROM52c又はEEPROM52dに記憶されているか否かを判断する。
【0053】
このとき、CPU52aは、インクカートリッジ61の駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cがROM52c又はEEPROM52dに記憶されている場合には、駆動条件はすべてあると判断して(ステップS12にてYES)、駆動条件取得処理を終了する。
【0054】
一方、CPU52aは、各ID番号24a,24b,24cの少なくとも1つが記憶されていないと判断する(ステップS12にてNO)と、それを取得するための取得信号とを、I/F部53を介してコンピュータ11に送信する(ステップS13)。例えば、CPU52aが、インクカートリッジ61の駆動プログラムID番号24aはあるが、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cがないと判断すると、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cをコンピュータ11に送信する。
【0055】
コンピュータ11は、記憶されていないと判断された駆動条件の各ID番号24a,24b,24cと取得信号とを、プリンタ12からI/F部43介して受信すると、前記管理センタCの管理コンピュータ30とインターネットIを介して接続する。そして、コンピュータ11のCPU41は、ユーザ識別番号をプログラム記憶部46から読み出す。次に、CPU41は、取得する駆動条件のID番号24a,24b,24cの情報と、ユーザ識別番号とを、送受信部44からインターネットIを介して管理センタCの管理コンピュータ30に送信する(ステップS14)。例えば、駆動周波数ID番号24bと駆動電圧ID番号24cを取得する場合には、これらID番号24b,24cと、ユーザ識別番号とを管理コンピュータ30に送信する。
【0056】
管理コンピュータ30は、受信したユーザ識別情報と、ユーザ情報記憶部32に記憶されているユーザ情報とからそのユーザの認証を行う(ステップS15)。管理コンピュータ30は、認証により管理コンピュータ30からのデータを取得できるユーザであると判断すると、受信した駆動条件のID番号24a,24b,24cに基づいてコンピュータ11に送信するための駆動条件34を検索する(ステップS16)。すなわち、管理コンピュータ30は、受信した駆動条件34のID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を駆動条件記憶部31から検索する(ステップS16)。そして、管理コンピュータ30は、受信した駆動条件のID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を、受信した駆動条件情報24のID番号24a,24b,24cに関連付けてインターネットIを介してコンピュータ11に送信する(ステップS17)。例えば、管理コンピュータ30が、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cの2つを受信した場合には、これらにそれぞれ対応する駆動周波数36及び駆動電圧37を、そのID番号24b,24cに関連付けしてコンピュータ11に送信する。
【0057】
一方、管理コンピュータ30から駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を受信したコンピュータ11のCPU41は、受信した駆動条件をRAMに一時的に記憶する。そして、コンピュータ11のCPU41は、RAMに一時的に記憶した駆動条件をプリンタ12のEEPROM52dに書き込む(ステップS18)。これによりEEPROM52dには、インクカートリッジ61を駆動するための新たな駆動条件が記憶される(ステップS19)。すなわち、コンピュータ11のCPU41が駆動周波数36及び駆動電圧37を取得した場合には、これらと、これのそれぞれに対応するID番号24b,ID番号24cとをEEPROM52dに書き込み、EEPROM52dには駆動周波数36及び駆動電圧37が記憶される。
【0058】
従って、インクカートリッジ61を駆動するためのすべての駆動条件がEEPROM52dに記憶される。
その後、図6に示すようにプリンタ12のCPU52aは、駆動条件が正しくインストールされたか否かのテスト印刷処理を行う。すなわち、コンピュータ11のCPU41は、プリンタ12のEEPROM52dに対する駆動条件の書き込み(ステップS18)を終了すると、テスト用の印刷データを作成する(ステップS21)。そして、同CPU41は、そのテスト用の印刷データをプリンタ12にI/F部43を介して送信する(ステップS22)。プリンタ12のCPU52aは、I/F部53を介して受信したテスト用の印刷データをRAM52bに一時的に保存する。そして、CPU52aは、インクカートリッジ61に対応する駆動条件を選択して、この駆動条件とRAM52bに記憶したテスト用の印刷データとに基づいて印刷を行う(ステップS23)。
【0059】
そして、印刷が終了すると、プリンタ12のCPU52aは、印刷終了信号をコンピュータ11のCPU41にI/F部53を介して送信する(ステップS24)。コンピュータ11のCPU41は、プリンタ12からI/F部43を介して印刷終了信号を受信すると、ユーザに対して印刷結果を確認するような指示をディスプレイ28に表示する(ステップS25)。そして、ユーザがその印刷結果を入力すると(ステップS26)、コンピュータ11のCPU41は、その印刷結果が良好か否かを判断する(ステップS27)。
【0060】
印刷結果が良好でない場合(ステップS27にてNO)には、再度、駆動条件を取得するために、上述したステップS14以降の処理を繰り返して行う。一方、印刷結果が良好である場合(ステップS27にてYES)には、テスト印刷処理が終了し、駆動条件取得処理が完了する。
【0061】
なお、このインクカートリッジ61が使用された後に、再び染料インクを収容したインクカートリッジ21がプリンタ12に搭載されることがある。この場合には、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ21の不揮発性メモリ21aに記憶されている駆動条件情報24に基づいて、ROM52cに記憶されているインクカートリッジ21用の駆動条件を選択する。すなわち、ROM52cに記憶されている駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b、駆動電圧ID番号24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37を用いて印刷を行う。以上によりプリンタ12は、インクカートリッジ21,61に最適な駆動条件で印刷を行うことができる。
【0062】
本実施形態のプリンタ12によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、プリンタ12の主制御部52にEEPROM52dが設けられており、このEEPROM52dはコンピュータ11のCPU41によって駆動条件が書き込み可能となっている。このため、プリンタ12が販売された後に新たに開発されたインクを収容したインクカートリッジ61を用いるときの駆動条件をEEPROM52dに書き込むことができる。このため、プリンタ12において、インクカートリッジ61の特性を十分に発揮して印刷を行うことができる。
【0063】
つまり、ユーザがプリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21の代わりに異なるインクカートリッジ61を購買してプリンタ12に搭載した場合であっても、このインクカートリッジ61を有効に使用して印刷することができる。更に、プリンタ12に通常搭載されるインクカートリッジ21が販売中止となった場合であっても、異なるインクカートリッジ61を搭載しても、プリンタ12を使用することができる。このため、メーカは、インクカートリッジ21の売れ行きによって販売を中止することが容易に行うことができ、売れ難い液体収容体の在庫を少なくすることができる。
【0064】
(2)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ21,61に収容されたインクに基づいて、使用される駆動条件を選択した。すなわち、使用されるインクをより良好に噴射して印刷を行うための駆動条件が選択されるので、インクカートリッジ21,61に収容されたインクの特性を十分に発揮して印刷を行うことができる。すなわち、染料インクを収容したインクカートリッジ21であれば鮮やかな画像を印刷することができ、顔料インクを収容したインクカートリッジ61であれば耐光性などが良好な画像を印刷することができる。
【0065】
(3)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aが、インクカートリッジ61に収容されたインクを噴射する駆動条件がないと判断したときには(ステップS12にてNO)、コンピュータ11によってその駆動条件を取得し、EEPROM52dに書き込むようにした(ステップS13〜S19)。すなわち、主制御部52にはROM52cにすでに記憶されている駆動条件の他に、新たな駆動条件がEEPROM52dに記憶される。このため、CPU52aは搭載されているインクカートリッジ21,61の種類に応じた駆動条件を適宜選択して、すぐに良好な印刷を行うことができる。
【0066】
(4)本実施形態では、駆動条件は、駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37により構成されており、コンピュータ11は、このうちの一部がROM52cやEEPROM52dに記憶されているときには、不足している駆動条件のみを取得するようにした。このため、コンピュータ11はインターネットIを介して最小限の駆動条件を取得することになり、データの送信中においてエラーが生じ難い。従って、プリンタ12のEEPROM52dに、より正しい駆動条件を書き込むことができる。また、重複する駆動条件がEEPROM52dに記憶されないので、より多くの駆動条件をEEPROM52dに記憶することができる。
【0067】
(5)本実施形態では、管理コンピュータ30から駆動条件を取得してEEPROM52dに書き込みが行われると、図6に示すようにプリンタ12はその駆動条件を用いてすぐにテスト印刷処理を行う。これにより、駆動条件が正しくEEPROM52dに書き込まれた否かを容易に確認することができる。従って、実際に使用されるときには、適切な駆動条件により印刷を行うことができる。
【0068】
(6)本実施形態では、不揮発性メモリ21aには、駆動条件情報24として、駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37ではなく、それらを識別するためのID番号24a,24b,24cを記憶させた。このため、記憶容量が少ない不揮発性メモリ21aに、駆動条件情報24以外のインク情報22及びカートリッジ情報23などを記憶させることが容易にできる。
【0069】
(7)本実施形態では、プリンタ12のCPU52aは、インターネットIを介して駆動条件を取得した。このため、例えばCD−ROMなどの情報記録媒体がなくても駆動条件を容易に取得することができる。すなわち、駆動条件を取得した後にゴミとなるCD−ROMなどを省略することができる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した液体噴射システムの第2実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
第2実施形態におけるプリンタ12は、上記第1実施形態と異なり、駆動条件を管理コンピュータ30から取得するのではなく、CD−ROMなどの情報記録媒体から取得する。
【0072】
すなわち、図8に示すように新たに開発された顔料インクを収容しているインクカートリッジ61は、箱62に収容されている。また、この箱62には、CD−ROM63も収容されている。CD−ROM63には、前記インクカートリッジ61を用いるときの駆動条件が、プリンタ12の機種毎に記憶されている。この駆動条件は、上記第1実施形態と同様に、駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37により決定されている。つまり、CD−ROM63には、これら駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37が、駆動プログラムID番号24a、駆動周波数ID番号24b及び駆動電圧ID番号24cのそれぞれと関連付けられて記憶されている。
【0073】
従って、本実施形態では、上述した図7の2点鎖線で囲んだステップS13〜S17の代わりに、図9の2点鎖線で囲んだステップS33〜S35の処理が行われる。詳述すると、インクカートリッジ61がプリンタ12に搭載されると、プリンタ12のCPU52aはインクカートリッジ61のカートリッジ情報23及び駆動条件情報24を取得する(図7のステップS11)。そして、プリンタ12のCPU52aは、インクカートリッジ61に用いる駆動条件がすべてあるか否かを判断する(ステップS12)。
【0074】
プリンタ12のCPU52aは、各ID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37すべてがないと判断する場合(ステップS12にてNO)には、不足している条件のID番号24a,24b,24cと、入力指令信号とをコンピュータ11に送信する(ステップS33)。
【0075】
入力指令信号を受信したコンピュータ11は、CD−ROM63に記憶されている駆動条件を取得するために、ユーザに対してCD−ROM63をコンピュータ11に挿入する旨をディスプレイ28に表示する(ステップS34)。そして、コンピュータ11のCPU41は、CD−ROM63が挿入されると、不足している条件として受信したID番号24a,24b,24cに対応する駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37をCD−ROM情報読み取り部42を介してCD−ROM63から取得する(ステップS35)。そして、コンピュータ11は、上記図7のステップS19,S20と同様に、取得した駆動条件、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36、駆動電圧37をプリンタ12のEEPROM52dに書き込む。
【0076】
従って、第2実施形態によれば、上記(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)本実施形態では、インクカートリッジ61を各種のプリンタ12において駆動させる駆動条件が記憶されたCD−ROM63が、インクカートリッジ61に同梱されていた。このため、CD−ROM63から駆動条件を容易に読み出してプリンタ12に記憶させ、そのインクカートリッジ61に適した駆動条件で印刷を行うことが容易にできる。
【0077】
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態において、ROM52c及びEEPROM52dに記憶される駆動条件が、印刷時の駆動条件以外の他の駆動条件、例えば記録ヘッド20をクリーニングするときの各クリーニング装置の駆動条件などであってもよい。
【0078】
○上記各実施形態において、ROM52c及びEEPROM52dに記憶される駆動条件は、インクカートリッジ21,61に収容されたそれぞれのインクに対応する駆動条件とする代わりに、種々のターゲットTに対応する駆動条件とすること。また、インクの種類及びターゲットTの種類の両方を考慮した駆動条件とすること。更に、例えば高画質優先モードや速度優先モードなどの印刷モードを考慮した駆動条件とすること。
【0079】
○上記各実施形態において、図6のテスト印刷を省略すること。
○上記各実施形態において、EEPROM52dのみによって記憶手段を構成すること。なお、記憶手段を構成するROM52c及びEEPROM52dは、実際には、1つであってもよいし複数のものから構成されるようにしてもよい。
【0080】
○上記第1実施形態において、不揮発性メモリ21a,61aには、そのインクカートリッジ21,61の種別33bのみを記憶させること。このときには、同じインクカートリッジ21,61のインクを使用しても、プリンタ12の機種が違うことにより駆動条件が異なる場合に対応することができる。詳述すると、コンピュータ11がインクカートリッジ21,61の種別33bを管理コンピュータ30に送信する。そして、管理コンピュータ30が受信した種別33bと、ユーザ情報記憶部32に記憶されているユーザが使用しているプリンタの機種情報と、インクカートリッジ21,61の種別33bから、最適な駆動条件を検索する。管理コンピュータ30は検索された駆動条件を各コンピュータ11に送信する。このようにすれば、プリンタの機種毎に応じた最適な駆動条件で、各プリンタを駆動させることができる。
【0081】
○上記第1実施形態において、各インクカートリッジ21,61の駆動条件の一部がROM52c又はEEPROM52dに記憶されていても、その駆動条件のすべて、すなわち駆動プログラム35、駆動周波数36及び駆動電圧37を管理センタCの駆動条件記憶部31から取得するようにすること。
【0082】
○上記第2実施形態において、コンピュータ11の機能をプリンタ12に持たせて、コンピュータ11を省略すること。
○上記第2実施形態において、CD−ROM63の代わりに、例えばフレキシブルディスク(FD)などの他の情報記憶媒体にさせて、この情報記憶媒体から情報を取得する読み取り部を介してプリンタ12のEEPROM52dに駆動条件を書き込むようにしてもよい。
【0083】
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(A)液体噴射装置によって液体が噴射されるターゲットと、
このターゲットに対する前記液体噴射装置の駆動条件を記憶している情報記憶媒体とよりなることを特徴とするターゲットセット。
【0084】
従って、この(A)に記載の発明によれば、ターゲットとセットになっている情報記憶媒体から駆動条件を取得することができる。このため、ターゲットに適した駆動条件を容易に得て、この条件に基づいてそのターゲットに対して、良好かつ容易に液体を噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における印刷システムのシステム構成図。
【図2】不揮発性メモリに記憶された情報のデータ構成図。
【図3】駆動条件記憶部に記憶された情報のデータ構成図。
【図4】図1の印刷システムの電気的構成を示すブロック図。
【図5】図1の印刷システムの印刷処理の流れ図。
【図6】同印刷システムのテスト用印刷処理の流れ図。
【図7】同印刷システムの駆動条件取得処理の流れ図。
【図8】第2実施形態におけるインクカートリッジの販売状態を示す図。
【図9】第2実施形態における駆動条件取得処理の要部の流れ図。
【符号の説明】
11…液体噴射システムを構成するコンピュータ、12…液体噴射システムを構成するプリンタ、15a…移動手段を構成する送りモータ、16a…移動手段を構成するキャリッジモータ、20a…噴射手段としての圧電素子、41…取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータを構成し、かつ書き込み手段としてのCPU、52a…書き込み手段、取得手段、テスト印刷実行手段及び液体噴射制御コンピュータを構成し、かつ駆動条件選択手段としてのCPU、52c…記憶手段を構成するROM、52d…記憶手段を構成するEEPROM。
Claims (9)
- ターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドを駆動させる噴射手段と、
前記液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させる移動手段と、
前記噴射手段及び前記移動手段を駆動するための予め用意された駆動条件を記憶している記憶手段を備えた液体噴射システムにおいて、
前記記憶手段に前記駆動条件とは異なる他の駆動条件を書き込む書き込み手段を備えていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1に記載の液体噴射システムにおいて、
前記液体又は前記ターゲットに基づいて、使用する前記駆動条件を選択する駆動条件選択手段を備えていることを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項2に記載の液体噴射システムにおいて、
使用する前記駆動条件が前記記憶手段に記憶されていないと判断された場合に、前記使用する駆動条件を取得する取得手段を備え、
前記書き込み手段は、前記取得手段により取得した駆動条件を前記記憶手段に書き込むことを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項3に記載の液体噴射システムにおいて、
前記取得手段は、前記駆動条件をネットワークを介して取得することを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項3又は4に記載の液体噴射システムにおいて、
前記駆動条件は、複数の駆動条件要素から構成されており、
前記取得手段は、前記駆動条件要素の一部が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記記憶手段に記憶されていない前記駆動条件要素のみを取得することを特徴とする液体噴射システム。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の液体噴射システムにおいて、
前記書き込み手段により前記記憶手段に新たに書き込まれた駆動条件に従って前記噴射手段及び前記移動手段を駆動させて、テスト印刷を実行するテスト印刷実行手段を更に備えていることを特徴とする液体噴射システム。 - 予め用意された駆動条件に従って、キャリッジをターゲットに対して相対移動させながら、前記キャリッジに設けられた液体噴射ヘッドから前記ターゲットに対して前記液体を噴射する液体噴射方法において、
使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対する液体を噴射するための駆動条件がない場合には、その駆動条件を取得して新たに用意された駆動条件として記憶手段に記憶させ、
前記記憶手段に記憶された複数の前記駆動条件のうちから適する駆動条件を選択し、この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行うことを特徴とする液体噴射方法。 - 記憶手段に記憶されている駆動条件に従ってターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドが設けられたキャリッジを前記ターゲットに対して相対移動させながら、前記液体噴射ヘッドから前記液体を噴射させる液体噴射制御コンピュータに、
使用する液体を噴射するための駆動条件又は使用するターゲットに対して液体を噴射するための駆動条件が用意されているか否かを判断させ、
この駆動条件が用意されていないと判断した場合には、この駆動条件を取得させ、
この取得した駆動条件を新たな用意された駆動条件として記憶させ、
記憶された複数の前記駆動条件のうちから使用する駆動条件を選択させ、
この選択された前記駆動条件に基づいて液体噴射を行わせることを実行させることを特徴とする液体噴射プログラム。 - ターゲットに液体を噴射させる液体噴射システムに搭載可能であり前記液体を収容している液体収容体と、
この液体収容体に収容されている液体を用いた前記液体噴射システムを駆動するための駆動条件を記憶している情報記憶媒体と
よりなることを特徴とする液体収容体セット。
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