JP2004361656A - 異方性光散乱フィルムの製造方法およびそれにより得られた異方性光散乱フィルム - Google Patents

異方性光散乱フィルムの製造方法およびそれにより得られた異方性光散乱フィルム Download PDF

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Minoru Miyatake
宮武  稔
Kosei Kobayashi
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Abstract

【課題】実用性の高い異方性光散乱フィルムを簡便に製造する。
【解決手段】透光性媒質樹脂の溶液中に透光性微粒子が分散された分散液を平滑な面上に均一に塗布し、さらに乾燥させて前記透光性媒質樹脂の複屈折性を発現させる。この製造方法により、配向膜、電場、磁場等も必要とせず、延伸等の操作も行なわず、実用性の高い異方性光散乱フィルムを簡便に製造することができる。前記分散液に代えて、前記透光性媒質樹脂とその他の透光性樹脂との混合溶液やエマルジョン等を使用し、相分離により前記透光性微粒子を形成しても良い。製造された異方性光散乱フィルムは、例えば図1に示す通り、透光性媒質樹脂1中に透光性微粒子2が分散されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性光散乱フィルムの製造方法およびそれにより得られた異方性光散乱フィルム、ならびにその異方性光散乱フィルムを用いた異方性光散乱素子、光学素子、および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光散乱(以下、単に「散乱」という場合がある)は、光の屈折、反射、干渉、回折等が複雑に混ざった現象であり、一般に、屈折率差を有する界面に光線が入射した場合に起こる。異方性光散乱フィルム(単に「光散乱フィルム」と呼ぶこともある)は、光線の入射方向によって散乱の強さに異方性を有する異方性光散乱素子(単に「光散乱素子」と呼ぶこともある)の一種であり、液晶表示装置等の画像表示装置において、視野角を拡大する用途等に広く使用されている。
【0003】
従来の異方性光散乱素子としては、例えば、表面に凹凸形状が形成され、空気との界面の屈折率差を利用するタイプがある。また、相分離によって、屈折率の異なる層からなるブラインド状の積層構造を形成し、それに起因する回折現象によって散乱の異方性を発現するタイプもあり(例えば、特許文献1参照)、例えば住友化学工業社の商品名「ルミスティ」はこのタイプである。しかし、これらは、厚みが大きい、散乱の異方性の制御方法が煩雑である、等の問題がある。
【0004】
また、媒質中に、その媒質と屈折率の異なる粒子を分散させた異方性光散乱素子も知られている。例えば、特許文献2では、複屈折性を有する透光性の媒質中に屈折率が等方的である透光性微粒子が分散されている異方性光散乱素子が開示されており、前記媒質としては液晶材料および非液晶性樹脂が挙げられている。
しかし、特許文献2に記載の製造方法では、前記媒質に複屈折性(屈折率異方性)を与えるためには、配向膜、電場、磁場等による液晶材料分子の配向や非液晶性樹脂の延伸が必要であり、製造の簡便性に課題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭64−077001号公報
【特許文献2】
特開平ll−029772号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、実用性の高い異方性光散乱フィルムを簡便に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の製造方法は、複屈折性の透光性媒質樹脂中に等方屈折性の透光性微粒子が分散している異方性光散乱フィルムの製造方法であって、前記透光性媒質樹脂溶液をフィルム状に形成し、さらに乾燥させて透光性媒質樹脂フィルムを形成する際に生じる応力により前記複屈折性を前記透光性媒質樹脂に付与することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
このように、本発明によれば、フィルム形成の際の応力により前記透光性媒質樹脂に複屈折性を付与することができ、従来のように配向膜、電場、磁場、延伸等による配向処理が必要でない。
【0009】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
本発明の製造方法により複屈折性が生じる詳細な機構は明らかでないが、前記溶液中に含まれる溶媒が揮発する過程で、厚み方向の体積収縮が起こることに伴って応力が発生し、前記樹脂の分子が規則的に配向すると考えられる。
【0011】
本発明の製造方法においては、例えば、前記透光性媒質樹脂溶液中に前記透光性微粒子が予め分散されていることが好ましい。この場合、前記溶液の溶媒は特に限定されず、前記透光性媒質樹脂の種類等により適宜選択すれば良いが、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチルおよびカプロラクトン等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等のケトン、トルエン等の炭化水素、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド、ならびに塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が使用可能であり、単独で使用しても二種類以上併用しても良い。
【0012】
別の一例として、本発明の製造方法は、前記透光性媒質樹脂溶液が、前記透光性媒質樹脂と前記透光性微粒子形成用材料との混合溶液であり、前記乾燥させてフィルムを形成する工程で相分離により前記透光性微粒子を前記透光性媒質樹脂中に分散させる製造方法であることが好ましい。前記混合溶液の溶媒は特に限定されず、前記透光性媒質樹脂および前記透光性微粒子形成用材料の種類等により適宜選択すれば良いが、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチルおよびカプロラクトン等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等のケトン、トルエン等の炭化水素、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド、ならびに塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が使用可能であり、単独で使用しても二種類以上併用しても良い。前記透光性媒質樹脂と前記透光性微粒子形成用材料との組み合わせも特に限定されず、前記乾燥の際に相分離を起こし得るように適宜選択すれば良い。
【0013】
さらに別の一例として、本発明の製造方法は、前記透光性媒質樹脂溶液が、前記透光性微粒子形成用材料溶液を分散相として含むエマルジョンであり、前記乾燥させてフィルムを形成する工程で前記分散相から前記透光性微粒子を形成する製造方法であることが好ましい。前記エマルジョンにおける前記透光性媒質樹脂溶液および前記透光性微粒子形成用材料溶液の溶媒は特に限定されず、前記透光性媒質樹脂および前記透光性微粒子形成用材料の種類等により適宜選択すれば良いが、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチルおよびカプロラクトン等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等のケトン、トルエン等の炭化水素、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド、ならびに塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が使用可能であり、単独で使用しても二種類以上併用しても良い。前記透光性媒質樹脂溶液用溶媒と前記透光性微粒子形成用材料溶液用溶媒との組み合わせも特に限定されず、エマルジョンを形成し得るように適宜選択すれば良い。
【0014】
本発明の製造方法において、前記溶液をフィルム状に形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延製膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が好ましい。また、前記乾燥時の乾燥温度や乾燥時間も特に限定されず、前記溶液の濃度、溶媒の種類、および前記透光性媒質樹脂の種類等に応じて適宜設定することができる。前記乾燥温度は、例えば30〜200℃、好ましくは50〜150℃、特に好ましくは70〜130℃であり、前記乾燥時間は、例えば1〜50分、好ましくは2〜10分、特に好ましくは3〜5分である。
【0015】
本発明の異方性光散乱フィルムは、上記本発明の製造方法により簡便に製造することができ、また、厚みが小さくても性能が優れている等の特性を有し、実用性が高い。しかし、本発明の異方性光散乱フィルムは、これらの製造方法に限定されず、どのような方法により製造しても良い。
【0016】
図1に、本発明の異方性光散乱フィルムの断面の模式図を示す。ただし、これは単なる一例であり、本発明を限定するものではない。図示の通り、この異方性光散乱フィルムは、複屈折性の透光性媒質樹脂1中に、等方屈折性の透光性微粒子2が分散されている。
【0017】
次に、前記透光性媒質樹脂および前記透光性微粒子についてより具体的に説明する。
【0018】
まず、前記透光性媒質樹脂は特に限定されず、ホモポリマーでもヘテロポリマーでも良いが、非液晶性透光性樹脂が好ましく、より透光性に優れ(高透明性)、かつ乾燥により大きな複屈折性を発現できる(高配向性)という理由により、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類を含むことがより好ましい。なお、ここで、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドは、それぞれ、エーテル結合とカルボニル基とを含むポリマー、アミド結合とイミド結合とを含むポリマー、およびエステル結合とイミド結合とを含むポリマーを指す。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用しても良いし、例えば、ポリアリールエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用しても良い。このようなポリマーの中でも、より高透明性、高配向性であることから、ポリイミドが特に好ましい。
【0019】
前記ポリマーの分子量は、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
【0020】
前記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶媒に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000−511296号公報に開示された、9,9−ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物、具体的には、下記式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
【0021】
【化1】
Figure 2004361656
前記式(1)中、R〜Rは、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC10アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R〜Rは、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC10アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
【0022】
前記式(1)中、Zは、例えば、C20の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記式(2)で表される基である。
【0023】
【化2】
Figure 2004361656
前記式(2)中、Z’は、例えば、共有結合、C(R基、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(C基、または、NR基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、1から10までの整数を表す。
は、それぞれ独立に、水素またはC(Rである。Rは、水素、炭素原子数1〜約20のアルキル基、またはC20アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。Rは、それぞれ独立に、水素、フッ素、または塩素である。
【0024】
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基があげられる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基があげられる。
【0025】
この他にも、例えば、特表平8−511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)または(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等があげられる。なお、下記式(5)のポリイミドは、下記式(3)のホモポリマーの好ましい形態である。
【0026】
【化3】
Figure 2004361656
【化4】
Figure 2004361656
【化5】
Figure 2004361656
【0027】
前記一般式(3)〜(5)中、GおよびG’は、例えば、共有結合、CH基、C(CH基、C(CF基、C(CX基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(CHCH基、および、N(CH)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なっても良い。
【0028】
前記式(3)および式(5)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、およびC1−3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素があげられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0から3までの整数である。
【0029】
前記式(3)〜(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基があげられる。また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基があげられる。fは、0から4までの整数であり、gおよびhは、それぞれ0から3および1から3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
【0030】
前記式(4)中、R10およびR11は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R10およびR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
【0031】
前記式(5)中、MおよびMは、同一であるかまたは異なり、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、およびC1−3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。
【0032】
前記式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記式(6)で表されるもの等があげられる。
【化6】
Figure 2004361656
【0033】
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーがあげられる。
【0034】
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物があげられる。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0035】
前記ピロメリト酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、3,6−ジフェニルピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリト酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリト酸二無水物等があげられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2′−ジブロモ−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ジクロロ−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0036】
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6−トリフルオロ−3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−2,2−ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4′−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−[4,4′−イソプロピリデン−ジ(p−フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N−(3,4−ジカルボキシフェニル)−N−メチルアミン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等があげられる。
【0037】
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2′−ビス(トリハロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
【0038】
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンがあげられる。
【0039】
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o−、m−およびp−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼンおよび1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等があげられる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2′−ジアミノベンゾフェノン、および3,3′−ジアミノベンゾフェノン等があげられる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノナフタレン、および1,5−ジアミノナフタレン等があげられる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、および2,4−ジアミノ−S−トリアジン等があげられる。
【0040】
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(9−フルオレニリデン)−ジアニリン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等があげられる。
【0041】
前記ポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンがあげられる。
【0042】
【化7】
Figure 2004361656
前記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、または、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。
【0043】
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、Cの直鎖または分岐鎖の低級アルキル基が好ましく、より好ましくはCの直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、および、tert−ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物があげられる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、Cの直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはCの直鎖または分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、および、tert−ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物があげられる。
【0044】
前記式(7)中、qは、0から4までの整数である。前記式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
【0045】
また、前記式(7)中、Rは、下記式(8)で表される基であり、mは、0または1の整数である。
【0046】
【化8】
Figure 2004361656
前記式(8)中、X’は置換基を表し、例えば、前記式(7)におけるXと同様である。前記式(8)において、X’が複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。q’は、前記X’の置換数を表し、0から4までの整数であって、q’=0が好ましい。また、pは、0または1の整数である。
【0047】
前記式(8)中、Rは、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o−、m−もしくはp−フェニレン基、または、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o−、m−もしくはp−テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等があげられる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されても良い。これらの中でも、前記Rとしては、下記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
【0048】
【化9】
Figure 2004361656
【0049】
前記式(7)中、前記Rとしては、下記式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)において、Rおよびpは前記式(8)と同義である。
【0050】
【化10】
Figure 2004361656
【0051】
さらに、前記式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであっても良く、異なる構造の繰り返し単位からなるものであっても良い。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であっても良いし、ランダム重合でも良い。
【0052】
さらに、前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p−テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、下記一般式(17)で表すことができる。なお、下記式において、nは前記式(7)と同様の重合度を表す。
【0053】
【化11】
Figure 2004361656
【0054】
前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(21)で表されるもの等があげられ、下記各式において、nは、前記式(7)と同様の重合度を表す。
【0055】
【化12】
Figure 2004361656
【化13】
Figure 2004361656
【化14】
Figure 2004361656
【化15】
Figure 2004361656
【0056】
また、これらの他に、前記ポリアミドまたはポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
【0057】
【化16】
Figure 2004361656
前記式(22)中、Yは、OまたはNHである。また、Eは、例えば、共有結合、Cアルキレン基、ハロゲン化Cアルキレン基、CH基、C(CX基(ここで、Xはハロゲンまたは水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(R)基、および、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でも良いし異なっても良い。前記Eにおいて、Rは、C1−3アルキル基およびC1−3ハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
【0058】
また、前記(22)中、AおよびA’は、置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0から3までの整数であり、qは、1から3までの整数であり、rは、0から3までの整数である。
【0059】
前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、C1−9アルコキシカルボニル基、C1−9アルキルカルボニルオキシ基、C1−12アリールオキシカルボニル基、C1−12アリールカルボニルオキシ基およびその置換誘導体、C1−12アリールカルバモイル基、ならびに、C1−12アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記A’は、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基およびこれらの組み合わせがあげられる。前記tは、0から4までの整数であり、前記zは、0から3までの整数である。
【0060】
前記式(22)で表されるポリアミドまたはポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
【0061】
【化17】
Figure 2004361656
前記式(23)中、A、A’およびYは、前記式(22)で定義したものであり、vは0から3の整数、好ましくは、0から2の整数である。xおよびyは、それぞれ0または1であるが、ともに0であることはない。
【0062】
なお、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリスルホン等の樹脂は、一般に、延伸によりはじめて複屈折性の発現が可能であり、乾燥の際の応力のみでは複屈折性が発現しないかまたは小さい場合が多い。しかし、これらの樹脂も、溶媒の種類、前記溶液の濃度、乾燥条件等によっては、乾燥工程で複屈折性を発現させ、前記透光性媒質樹脂として使用することができる。
【0063】
次に、前記透光性微粒子形成用材料は特に限定されないが、無機材料および有機材料のうち少なくとも一方を含むことが好ましく、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスおよびシリカのうち少なくとも一種類を含むことがより好ましい。また、前記透光性微粒子は、前記透光性媒質樹脂との界面の濡れ性を制御する等の目的で、コアシェル粒子等を用いても良く、シランカップリング剤等によって表面に親水化や疎水化等の処理をしたものを用いても良い。
【0064】
前記透光性微粒子の形状は特に限定されず、任意であるが、フィルム形成時における均一な分散性や前記透光性媒質樹脂の均一な複屈折性発現等の観点から、球形またはなるべく球形に近い形状が好ましい。相分離を利用して前記透光性微粒子を形成する方法であれば球形またはそれに近い形状が得やすい。しかし、相分離を用いなくても、無機材料または有機材料から形成された球形またはそれに近い形状の透光性微粒子は市販ルート等で容易に入手できるので何ら問題はない。
【0065】
前記透光性微粒子は、散乱効果の均質性等の観点から、なるべく前記透光性媒質樹脂中に均一に分散していることが好ましい。また、前記透光性微粒子の粒径は特に限定されないが、光利用効率の向上、波長依存性による着色防止、前記透光性微粒子が視覚されて鮮明な表示が阻害されることの防止、および製膜性や強度等の観点から、平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜25μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。なお、前記平均粒径は、本発明の異方性光散乱フィルム表面の任意の領域を電子顕微鏡で観察し、個々の透光性微粒子のうち短径と長径が観測可能なものについて粒径(短径と長径を足して2で割った値)を算出し、さらにそれら粒径を平均した値とする。また、前記透光性微粒子を前記透光性媒質樹脂中になるべく均一に分散させるためには、例えば以下のような点に留意することが好ましい。ただしこれらは例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。例えば製造工程で前記透光性微粒子を前記透光性媒質樹脂溶液中に分散させて分散液を調製する場合、前記透光性微粒子を前記溶液中に直接添加しても良いが、あらかじめ前記溶液の溶媒と同じ溶媒中に分散させてスラリーを調製し、このスラリーを前記溶液と混合すると前記透光性微粒子の凝集が起こりにくく好ましい。また、前記溶液や分散液等を攪拌する際に気泡が入り込んだ場合、この気泡がフィルム形成後に等方的散乱を引き起こしたり、前記透光性微粒子の均一な分散を妨げたりすることも考えられる。したがって、例えば、前記分散液等をフィルム状に形成する直前に脱泡しても良い。脱泡方法は特に限定されないが、例えば、加圧条件下または真空条件下で静置する方法、および溶媒の揮発が起こりにくい温度で加熱する方法等が使用可能である。
【0066】
また、本発明の異方性光散乱フィルムの組成は特に限定されないが、散乱性やフィルム強度等の観点から、前記透光性微粒子の含有率が全体の0.1〜70質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜30質量%であることが特に好ましい。さらに、本発明の異方性光散乱フィルムは、その目的を達成できる限り、前記透光性媒質樹脂や前記透光性微粒子中に各種添加剤等を含んでいても良い。例えば、製造工程で、レベリング性付与やフィルムの耐久性向上等の任意の目的のために、必要に応じ、前記透光性媒質樹脂の溶液中等に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤等を適宜添加しても良い。
【0067】
本発明の異方性光散乱フィルムの厚みは特に限定されず、散乱の程度を適切に調整する観点や画像表示装置の薄型化等の観点から適宜決定すれば良いが、例えば0.5〜300μm、好ましくは1〜100μm、特に好ましくは10〜50μmである。前記厚みの制御方法も特に限定されないが、例えば、前記溶液をフィルム状に形成する際に前記溶液の使用量を適宜調節する等の方法により制御することができる。
【0068】
次に、本発明の異方性光散乱フィルムの光学特性条件について説明する。
【0069】
本発明の異方性光散乱フィルムは、前記透光性媒質樹脂と前記透光性微粒子との屈折率差に起因して、それらの界面で入射光の進行方向が曲げられることにより散乱を起こす。そして、前記透光性媒質樹脂が複屈折性を有し前記透光性微粒子が等方屈折性であることにより散乱の異方性、すなわち特定の角度から入射した光線のみ散乱する機能を有する。
【0070】
例えば、本発明の異方性光散乱フィルムは、下記式(VIII)の条件を満たすフィルムであっても良い。
【0071】
min≦np≦nmax (VIII)
【0072】
式(VIII)中、nminは、nx、nyおよびnzのうち最小の屈折率であり、nmaxは、nx、nyおよびnzのうち最大の屈折率であり、nx、nyおよびnzは、前記異方性光散乱フィルムにおける前記透光性媒質樹脂のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記フィルムの面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記フィルムの厚み方向であり、npは前記透光性微粒子の屈折率であり、nx、ny、nzおよびnpは、接眼レンズ部に検光子を設けたAbbe屈折率計を用いて温度20℃、測定波長λ=589.3nmで測定した値である。
【0073】
本発明の異方性光散乱フィルムが前記式(VIII)の条件を満たすことにより、ある角度方向から入射する直線偏光に対しては前記透光性媒質樹脂の屈折率とnpとが完全に一致するような方向が存在し、その角度方向の直線偏光は全く散乱されずに素子中を通過する。例えば、nz<nx=nyの条件を満たす複屈折性の樹脂中にnp=nx=nyの条件を満たす透光性微粒子が存在する場合、このフィルムの面内に垂直な方向(Z軸方向)から入射された光は、散乱されることなくフィルムを通過する。一方、他の角度から入射する光のP偏光成分は、前記複屈折性樹脂のその角度方向に対する実効的な屈折率とnpの屈折率差に基づき、前記透光性微粒子によって散乱される。s偏光成分(X軸方向およびY軸方向の偏光成分)は、前記複屈折性樹脂の屈折率がnx(ny)であり、npに等しいので散乱されない。しかし、以上の説明は単なる例示であり、本発明の異方性光散乱フィルムは必ずしも前記式(VIII)の条件を満たす必要はなく、npがnmaxより大きくても良いし、nminより小さくても良い。
【0074】
本発明の異方性光散乱フィルムにおける前記透光性媒質樹脂の透光性は、実用に適した程度であれば特に限定されないが、波長400〜700nmの単色光を入射した際の光透過率が80%以上であることが好ましく、波長400〜800nmの単色光に対し80%以上であることがより好ましい。前記光透過率の上限は特に限定されないが、高いほど好ましく、理想的には100%である。なお、前記光透過率は、前記透光性微粒子を含まない(すなわち、前記透光性媒質樹脂から形成されている)ことと厚みが100μmであること以外は本発明の異方性光散乱フィルムと同じフィルムを用いて測定した値とする。また、前記光透過率は、入射光の全エネルギーに対する透過光の全エネルギーの割合であり、前記透過光には、前記フィルムの表面と裏面との間で乱反射された後に透過した光をも含む。
【0075】
また、前記透光性媒質樹脂は、前記透光性微粒子を含まない(すなわち、前記透光性媒質樹脂から形成されている)ことと厚みが100μmであること以外は本発明の異方性光散乱フィルムと同じフィルムを形成した場合に無彩色であることが好ましく、具体的には下記式(IX)および(X)の条件を満たすことが好ましい。
【0076】
0.25<x<0.40 (IX)
0.25<y<0.40 (X)
【0077】
式(IX)および(X)中、xおよびyは、前記フィルムについて測定した分光透過率からCIE1931Y,x,y表色系(C光源)に基づき算出したxおよびyの値である。式(IX)および(X)の条件を満たすことにより、本発明の異方性光散乱フィルムを形成したときの透過光が著しく着色するおそれや、そのフィルムを表示素子等へ適用した場合の色再現性に劣るおそれが少ないため好ましい。同じ理由から、前記フィルムは、下記式(XI)および(XII)の条件を満たすことがより好ましい。式(XI)および(XII)中、xおよびyは前記式(IX)および(X)と同じである。
【0078】
0.29<x<0.35 (XI)
0.29<y<0.35 (XII)
【0079】
また、前記透光性媒質樹脂は、下記式(I)または(II)の光学特性条件を満たすことが好ましい。
【0080】
nx≒ny<nz (I)
nx≒ny>nz (II)
【0081】
式(I)および(II)中、nx、nyおよびnzは、前記異方性光散乱フィルムにおける前記透光性媒質樹脂のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記フィルムの面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記フィルムの厚み方向であり、nx、nyおよびnzは、接眼レンズ部に検光子を設けたAbbe屈折率計を用いて温度20℃、測定波長λ=589.3nmで測定した値である。
【0082】
なお、一般に、前記式(I)を満たすフィルムをPositive(正の)C−plate、前記式(II)を満たすフィルムをNegative(負の)C−plateと呼ぶ。本発明では、溶液乾燥の際の応力を利用した前記本発明の製造方法により、前記式(I)または(II)の条件を満たす異方性光散乱フィルムを製造することができる。この場合、前記式(I)および(II)のどちらの条件を満たすかは、前記透光性媒質樹脂の種類により決定される。
【0083】
前記式(I)または(II)の条件を満たす本発明の異方性光散乱フィルムにおいて、nx、nyおよびnzが下記式(III)および(IV)の条件を満たすことがより好ましい。
【0084】
nx−ny≦0.02 (III)
|nx−nz|≧0.02 (IV)
【0085】
式(III)および(IV)中、nx、nyおよびnzは前記式(I)および(II)と同じであり、|nx−nz|はnx−nzの絶対値である。nx−nyの値は小さいほど良く、さらに好ましくは0.01以下、特に好ましくは0.005以下、理想的には0である。また、|nx−nz|の値は大きいほど良く、さらに好ましくは0.03以上、いっそう好ましくは0.04以上、特に好ましくは0.05以上であり、その上限値は特に限定されないが、例えば0.1以下である。
【0086】
また、前記式(I)および(II)を満たす本発明の異方性光散乱フィルムは、散乱の異方性に優れるという観点から、面内屈折率(nxおよびny)とnpとの差がなるべく小さく、厚み方向屈折率(nz)とnpとの差がなるべく大きいことがより好ましい。具体的には、下記式(V)〜(VII)の条件を満たすことがより好ましい。
【0087】
|nx−np|≦0.02 (V)
|ny−np|≦0.02 (VI)
|nz−np|≧0.03 (VII)
【0088】
式(V)〜(VII)中、nx、nyおよびnzは前記式(I)〜(IV)と同じであり、npはnx、nyおよびnzと同条件で測定した前記透光性微粒子の屈折率であり、|nx−np|はnx−npの絶対値であり、|ny−np|はny−npの絶対値であり、|nz−np|はnz−npの絶対値である。|nx−np|の値は、さらに好ましくは0.01以下、特に好ましくは0.005以下、理想的には0である。|ny−np|の値は、さらに好ましくは0.01以下、特に好ましくは0.005以下、理想的には0である。また、|nx−nz|の値は、さらに好ましくは0.04以上、特に好ましくは0.05以上であり、その上限値は特に限定されないが、例えば0.1以下である。
【0089】
前記式(I)〜(VII)に示した屈折率の関係を満たすための方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにして前記透光性媒質樹脂および前記透光性微粒子形成用材料を適宜選択する等の方法がある。すなわち、まず、前記透光性媒質樹脂を適宜選択し、これを用いて、透光性微粒子を含まない以外は本発明の異方性光散乱フィルムと同様のフィルムを製造する。前記透光性媒質樹脂および製造方法は特に限定されないが、例えば前記の通りである。次に、このフィルムを用いてnx、nyおよびnzを測定し、その測定値と前記各関係式とを考慮して適切なnpを有する透光性微粒子形成用材料を選択し、その材料と前記透光性媒質樹脂とを用いて本発明の異方性光散乱フィルムを製造する。
【0090】
本発明の異方性光散乱フィルムの使用方法は特に限定されず、各種光学素子や画像表示装置等に広く使用することができる。
【0091】
(異方性光散乱素子、光学素子および画像表示装置)
次に、本発明の異方性光散乱素子、光学素子および画像表示装置について説明する。
【0092】
本発明の異方性光散乱素子は、本発明の異方性光散乱フィルムを2層以上含む異方性光散乱素子であり、この構成を有することにより、散乱強度の確保や方位角方向での散乱異方性の制御等が可能である。前記異方性光散乱素子は、本発明の異方性光散乱フィルムをただ単に重ねただけのものでも良いが、製造時における作業性や使用時における光の利用効率等の観点から、接着層をさらに含み、前記異方性光散乱フィルムが前記接着層を介して積層されていることが好ましい。
前記接着層は特に限定されないが、例えば、各種粘着剤や接着剤等により形成された層であっても良い。前記粘着剤や接着剤等の種類も特に限定されないが、例えば、透明で、特に可視光領域の光の透過率が高く、屈折率が前記異方性光散乱フィルムとなるべく近いことが表面反射抑制等の観点から好ましく、具体的には、例えば、アクリル系、ポリビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。なお、本発明では「接着剤」と「粘着剤」とに明確な区別はないが、接着剤の中で被接着物同士の剥離や再接着が比較的容易であるものを便宜上「粘着剤」と呼ぶ。前述のような粘着剤や接着剤等は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率等にも優れる。また、前記接着層は、必要に応じ各種添加剤等を含んでいても良く、例えば、拡散度合い調整用にさらに粒子を添加して等方的な散乱性を付与したもの、製膜時のレベリング性付与等の目的で界面活性剤等を添加したもの、紫外線吸収剤や酸化防止剤等を適宜添加したもの等でも良い。
【0093】
次に、本発明の光学素子は、本発明の異方性光散乱フィルム、または本発明の異方性光散乱素子を含む光学素子である。これ以外には本発明の光学素子は特に限定されず、その他の任意の構成要素を適宜含んでいても良い。前記構成要素としては、例えば、偏光子、位相差板、等方性拡散層、プリズムシート(プリズムアレイシート)、マイクロレンズシート(レンズアレイシート)、防眩層(アンチグレア層)、反射防止層、および保護シートのうち少なくとも一つをさらに含むことが好ましいが、これらには限定されない。また、本発明の光学素子は、前記光学素子を構成する構成要素をただ単に重ねただけのものでも良いが、接着層をさらに含み、前記構成要素の全部または一部が前記接着層を介して積層されていることが好ましい。以下、前記各構成要素等についてさらに具体的に説明する。
【0094】
前記偏光子としては、特に限定されないが、延伸フィルムが良好な光学特性が得やすいため好ましい。例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが良好な光学特性が得やすいため好ましい。また、前記偏光子の厚みは、例えば、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
【0095】
前記偏光子は、例えば、保護シートを積層し、偏光板として用いることが好ましい。前記保護シートは特に限定されず、従来公知の透明フィルム等を使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような保護シートの材質の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ビスフェノールA・炭酸共重合体等のポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等の直鎖または分枝状ポリオレフィン、ポリノルボルネン等のシクロ構造を含むポリオレフィン、塩化ビニル系ポリマー、ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、およびエポキシ系ポリマー等があげられ、さらに、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。これらは単独で使用しても二種類以上併用しても良い。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
【0096】
前記保護シートの材質としては、その他、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載の高分子フィルムもあげられる。この高分子フィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基およびシアノ基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。
【0097】
また、前記保護シートは、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、前記保護シートの厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する着色(光学的な着色)を解消できる。ただし、この場合のRthは下記式(XIII)で表されるものとする。なお、下記式(XIII)において、nx’、ny’およびnz’の定義は、前記式(I)〜(IV)におけるnx、nyおよびnzと同様であり、dは、前記保護シートの膜厚を示す。
【0098】
Rth=[{(nx’+ny’)/2}−nz’]×d (XIII)
【0099】
前記保護シートの厚みは特に限定されず、前記Rthや保護強度等を考慮して適宜決定すれば良いが、例えば500μm以下、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。
【0100】
前記保護シートは、例えば、偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光子に前記透明樹脂製フィルムを積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
【0101】
また、前記保護シートは、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでも良い。前記ハードコート処理とは、表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記保護シートの表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行なうことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止等を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行なうことができる。
【0102】
前記アンチグレア処理とは、外光が反射することによる透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記保護シートの表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行なうことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記保護シートを形成する方式等があげられる。
【0103】
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に限定されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。
【0104】
前記透明微粒子を配合した防眩層(アンチグレア層)は、例えば、保護シートそのものとして使用することもでき、また、保護シート表面に塗工層等として形成されても良い。さらに、前記防眩層は、透過光を拡散して視角を拡大するための視覚補償機能を備えた等方性拡散層を兼ねるものであっても良い。
【0105】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、等方性拡散層、防眩層等は、前記保護シートとは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層しても良い。
【0106】
また、前記偏光板は、さらにその他の光学層、例えば反射板、半透過反射板、輝度向上フィルム等、液晶表示装置等の形成に使用される従来公知の各種光学層を含んでいても良い。これらの光学層は、一種類でも良いし、二種類以上を併用しても良く、また、一層でも良いし、二層以上を積層しても良い。以下に、このような一体型偏光板について説明する。
【0107】
まず、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。前記反射型偏光板は、前記偏光子および保護シートにさらに反射板が、前記半透過反射型偏光板は、前記偏光子および保護シートにさらに半透過反射板が、それぞれ積層されている。
【0108】
前記反射型偏光板は、例えば、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
【0109】
前記反射型偏光板は、例えば、弾性率を示す偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における保護シートの片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
【0110】
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした保護シートの上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記保護シートの凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
【0111】
また、前述のように偏光板の保護シートに前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記保護シートのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用しても良い。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、保護シートの別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
【0112】
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
【0113】
前記半透過型偏光板は、例えば、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
【0114】
次に、前記偏光子および保護シートにさらに輝度向上フィルムが積層された偏光板の一例を説明する。
【0115】
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D−BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。
【0116】
次に、本発明の光学素子に使用する位相差板は、特に限定されず、各種C−plate、1/4波長板、1/2波長板、および二軸性の屈折率異方性を有する位相差板等を適宜使用することができる。具体的には、例えば、一軸延伸または二軸延伸した高分子フィルム、および液晶化合物をハイブリッド配向(平面方向では一軸配向させ、厚み方向にさらに配向させた配向状態)させた層等を使用することができる。前記位相差板における面内位相差および厚み方向位相差の制御方法も特に限定されず、例えば、延伸高分子フィルムであれば延伸率やフィルム厚み等を調整することにより制御できる。前記高分子フィルムに用いることのできるポリマーも特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ビスフェノールA・炭酸共重合体等のポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等の直鎖または分枝状ポリオレフィン、ポリノルボルネン等のシクロ構造を含むポリオレフィン、塩化ビニル系ポリマー、ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、およびエポキシ系ポリマーが好ましく、これらは単独で使用しても二種類以上併用しても良い。その他、前記特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載の高分子フィルム等も好ましく使用できる。
さらに、これらポリマー材料には、伸長性や収縮性付与等の任意の目的で、適切な添加剤を適宜添加しても良い。
【0117】
本発明の光学素子の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法によって製造することができるが、例えば、各構成要素同士(位相差板、偏光子、保護シート等)を接着層を介して積層させる方法等によって製造できる。前記接着層は特に限定されず、例えば、各種粘着剤や接着剤等から形成された接着層であっても良い。前記粘着剤や接着剤等の種類も特に限定されないが、例えば前記と同様であり、各構成要素の材質等に応じて適宜決定できる。具体的には、例えば、PVA系フィルムから形成された偏光子を接着する場合、接着処理の安定性等の点からPVA系接着剤等が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま前記各構成要素の表面に塗布しても良いし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置しても良い。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合しても良い。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合しても良い。このような接着層の厚みは、特に限定されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。
【0118】
以上のような本発明の光学素子を形成する偏光子、保護シート、光学層、接着層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでも良い。
【0119】
本発明の光学素子は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、液晶セル表面等に各構成要素を順次別個に積層する方式によっても製造できる。しかし、予め前記各構成要素を積層し、本発明の光学素子とした後に液晶表示装置等の製造に供する方が、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点があるため好ましい。
【0120】
本発明の光学素子は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、その外側の片面または両面に粘着層をさらに有していることが好ましい。前記粘着層は特に限定されないが、例えば前記のような粘着剤から形成された層であっても良く、単層体でも良いし積層体でも良い。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記光学素子の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着層でも良いし、異なる組成や異なる種類の粘着層であっても良い。このように前記光学素子に設けた粘着層の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。前記フィルムの材質は特に限定されないが、例えば、前記保護シートと同様のものを使用することができる。
【0121】
本発明の光学素子の使用方法は特に限定されないが、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
【0122】
次に、本発明の画像表示装置について説明する。本発明の画像表示装置は、本発明の異方性光散乱フィルム、本発明の異方性光散乱素子、または本発明の光学素子を含む画像表示装置である。これ以外には、本発明の画像表示装置は特に限定されず、その製造方法、構造、使用方法等は任意であり、従来公知の形態を適宜適用することができる。
【0123】
本発明の画像表示装置の種類は特に限定されないが、例えば、液晶セルを含み、前記液晶セルの少なくとも片側に、本発明の異方性光散乱フィルム、本発明の異方性光散乱素子、または本発明の光学素子が積層されている液晶表示装置が好ましい。例えば、本発明の異方性光散乱フィルムや光学素子を液晶セルの片側または両側に配置して液晶パネルとし、反射型、半透過型、または透過・反射両用型等の液晶表示装置に用いることができる。前記液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、任意で選択でき、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。
【0124】
前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に限定されず、従来公知の材料があげられる。
【0125】
また、本発明の光学素子は液晶セルの片面に設けても両面に設けても良く、液晶セルの両面に前記光学素子等の部材を設ける場合、それらは同じ種類のものでも良いし、異なっていても良い。さらに、液晶表示装置の製造に際しては、例えば、前記の通り、プリズムシート、マイクロレンズシート、等方性拡散層等を1層または2層以上設けても良いし、その他、バックライト等の適当な部品を適当な位置に配置しても良い。
【0126】
本発明の液晶表示装置がさらに光源を含む場合、その光源は特に限定されないが、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
【0127】
さらに、本発明の画像表示装置は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等の自発光型表示装置であっても良い。
【0128】
本発明のEL表示装置は、有機EL表示装置および無機EL表示装置のいずれでも良い。以下に、本発明の有機EL表示装置について説明するが、この説明は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0129】
まず、一般的な有機EL表示装置について説明する。前記有機EL表示装置は、一般に、透明基板上に、透明電極(陽極)、有機発光層および金属電極(陰極)がこの順序で積層された発光体(有機EL発光体)を含む。前記有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、また、前記正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体等、種々の組み合わせがあげられる。
【0130】
このような有機EL表示装置の発光原理は以下の通りである。すなわち、前記陽極と陰極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、前記正孔と電子とが再結合することによってエネルギーが生じる。そして、そのエネルギーによって蛍光物質が励起され、前記蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。前記正孔と電子との再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
【0131】
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要なため、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成された透明電極が陽極として使用される。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に、仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
【0132】
このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。これは、前記有機発光層においても、透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過させるためである。その結果、非発光時に、前記透明基板の表面から入射して、前記透明電極と有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へ出る。このため、外部から視認した際に、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
【0133】
本発明の有機EL表示装置は、例えば、前記透明電極の表面に本発明の異方性光散乱フィルム、異方性光散乱素子または光学素子が配置されることが好ましい。この構成を有することにより、外界の反射を抑え、視認性向上が可能である等の効果を示す有機EL表示装置となる。
【0134】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0135】
(実施例1)
以下のようにして異方性光散乱フィルムを製造した。すなわち、まず、前記式(6)で表されるポリイミド樹脂を準備した。このポリイミドは、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FDA)と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(PFMB)とを、米国特許第5344916号明細書に記載の方法により共重合させて合成した。前記ポリイミド樹脂の分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw=62500、数平均分子量Mn=20000であった。次に、このポリイミド樹脂950部(質量部、以下同じ)を、シクロペンタノンに溶解して20wt%溶液を調製した。この溶液に、ほぼ完全な球形に近く粒径がほとんど均一な架橋ポリスチレン粒子(綜研化学社製、商品名SX−350H、粒径3.5μm、屈折率1.59)50部を撹拝混合して分散液とし、ガラス基板上にアプリケーターを用いて塗工し、150℃雰囲気化で10分間乾燥し、目的とする厚さ10μmの異方性光散乱フィルムを得た。なお、前記架橋ポリスチレン粒子を添加しない以外は同条件でフィルムを作製し、前記ポリイミドのみからなるフィルムを得て屈折率を測定したところ、nx=ny=1.58、nz=1.55であった。
【0136】
(実施例2)
前記架橋ポリスチレン粒子の代わりに、同様のポリスチレン樹脂(屈折率1.59)50部をシクロペンタノンに溶解した20wt%溶液を前記ポリイミド溶液に加え、混合溶液とすることと、乾燥温度が180℃、乾燥時間が5分問であること以外は実施例1と同じ条件で異方性光散乱フィルムを作製した。得られた異方性光散乱フィルム中には前記ポリスチレン樹脂が微粒子として存在し、その平均粒径はフィルム表面から観察したときの平均径で6μmであった。
【0137】
(比較例1)
ポリイミド樹脂に代えて市販のPMMA樹脂(三菱レーヨン社製、商品名VH)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを製造し、前記PMMA樹脂中に架橋ポリスチレン粒子が分散されたフィルムを得た。なお、架橋ポリスチレン粒子を添加せず前記PMMA樹脂のみを用いて同様に製造したフィルムの屈折率は、nx=ny=nz=1.49であった。
【0138】
(比較例2)
ポリイミド樹脂に代えて比較例1と同じPMMA樹脂を用い、乾燥温度を150℃とした以外は実施例2と同様にしてフィルムを製造し、前記PMMA樹脂中に架橋ポリスチレン粒子が分散されたフィルムを得た。架橋ポリスチレン粒子の平均粒径はフィルム表面から観察したときの平均径で8μmであった。
【0139】
(散乱の評価)
実施例1〜2および比較例1〜2のフィルムにそれぞれ直線偏光を入射角度0°および45°で入射し、透過光線を目視で観察して散乱の程度を評価した。表1に、その結果をまとめて示す。目視で観察した際にフィルムが透明に見えれば散乱がないかまたは少なく、濁って見えれば散乱の程度が大きいことを示す。なお、前記入射角度とは、Z軸方向からの傾きを表し、Z軸とは前記式(I)および(II)で定義した通りである。
【0140】
[表1]
Figure 2004361656
【0141】
表1に示す通り、実施例1〜2のフィルムは、入射角度0°の直線偏光をほとんど散乱せずに透過させ、入射角度45°の直線偏光を強く散乱した。このことから、実施例1〜2のフィルムは、散乱の角度依存性および正面方向の光の透過効率が良好であり、異方性光散乱フィルムとして良好な性質を有していることが分かる。これに対し、比較例1〜2のフィルムは、入射角度に関わらず直線偏光を強く散乱することから、散乱の角度依存性や正面方向の光の透過効率が悪く、異方性光散乱フィルムとして不適であることが分かる。
【0142】
次に、マルチドメイン配向の垂直配向モードの液晶パネルを準備し、このパネルの視認側偏光板の最表面に、実施例1の異方性光散乱フィルムを、アクリル系粘着剤を用いて前記ガラス基板上から転写した。
【0143】
前記液晶パネルの性能を、転写前と転写後とでそれぞれ目視により評価して比較したところ、実施例1の異方性光散乱フィルムにより、正面方向での画質の低下や大きな正面輝度の低下を起こすことなく広視角での階調反転の問題を抑制する効果が得られることが確認された。
【0144】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、実用性の高い異方性光散乱フィルムを簡便に製造することができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、配向膜、電場、磁場等も必要とせず、延伸等の操作も行なわず、透光性媒質樹脂中に透光性微粒子が分散された液等をフィルム状に形成し乾燥させるのみで異方性光散乱フィルムを製造することもできるので非常に簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方性光散乱フィルムの一例の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 透光性媒質樹脂
2 透光性微粒子

Claims (22)

  1. 複屈折性の透光性媒質樹脂中に等方屈折性の透光性微粒子が分散している異方性光散乱フィルムの製造方法であって、前記透光性媒質樹脂溶液をフィルム状に形成し、さらに乾燥させて透光性媒質樹脂フィルムを形成する際に生じる応力により前記複屈折性を前記透光性媒質樹脂に付与することを特徴とする製造方法。
  2. 前記透光性媒質樹脂が非液晶性透光性樹脂である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記透光性媒質樹脂が、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類を含む請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記透光性媒質樹脂溶液中に前記透光性微粒子が予め分散されている請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記透光性媒質樹脂溶液が、前記透光性媒質樹脂と前記透光性微粒子形成用材料との混合溶液であり、前記乾燥させてフィルムを形成する工程で相分離により前記透光性微粒子を前記透光性媒質樹脂中に分散させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記透光性媒質樹脂溶液が、前記透光性微粒子形成用材料溶液を分散相として含むエマルジョンであり、前記乾燥させてフィルムを形成する工程で前記分散相から前記透光性微粒子を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記透光性微粒子形成用材料が、無機材料および有機材料のうち少なくとも一方を含む請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記透光性微粒子形成用材料が、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスおよびシリカのうち少なくとも一種類を含む請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により製造される異方性光散乱フィルム。
  10. 前記透光性微粒子の平均粒径が0.1〜100μmの範囲である請求項9に記載の異方性光散乱フィルム。
  11. 前記透光性微粒子の含有率が全体の0.1〜70質量%である請求項9または10に記載の異方性光散乱フィルム。
  12. 前記透光性媒質樹脂が、下記式(I)の光学特性条件を満たす請求項9〜11のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム。
    nx≒ny<nz (I)
    式(I)中、nx、nyおよびnzは、前記異方性光散乱フィルムにおける前記透光性媒質樹脂のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記フィルムの面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記フィルムの厚み方向であり、nx、nyおよびnzは、接眼レンズ部に検光子を設けたAbbe屈折率計を用いて温度20℃、測定波長λ=589.3nmで測定した値である。
  13. 前記透光性媒質樹脂が、下記式(II)の光学特性条件を満たす請求項9〜11のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム。
    nx≒ny>nz (II)
    式(II)中、nx、nyおよびnzは、前記異方性光散乱フィルムにおける前記透光性媒質樹脂のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記フィルムの面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記フィルムの厚み方向であり、nx、nyおよびnzは、接眼レンズ部に検光子を設けたAbbe屈折率計を用いて温度20℃、測定波長λ=589.3nmで測定した値である。
  14. 前記透光性媒質樹脂が、下記式(III)および(IV)の条件を満たす請求項12または13に記載の異方性光散乱フィルム。
    nx−ny≦0.02 (III)
    |nx−nz|≧0.02 (IV)
    式(III)および(IV)中、nx、nyおよびnzは前記式(I)および(II)と同じであり、|nx−nz|はnx−nzの絶対値である。
  15. 下記式(V)〜(VII)の条件を満たす請求項12〜14のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム。
    |nx−np|≦0.02 (V)
    |ny−np|≦0.02 (VI)
    |nz−np|≧0.03 (VII)
    式(V)〜(VII)中、nx、nyおよびnzは前記式(I)〜(IV)と同じであり、npはnx、nyおよびnzと同条件で測定した前記透光性微粒子の屈折率であり、|nx−np|はnx−npの絶対値であり、|ny−np|はny−npの絶対値であり、|nz−np|はnz−npの絶対値である。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載の異方性光散乱フィルムを2層以上含む異方性光散乱素子。
  17. 接着層をさらに含み、前記異方性光散乱フィルムが前記接着層を介して積層されている請求項16に記載の異方性光散乱素子。
  18. 請求項9〜15のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム、または請求項16もしくは17に記載の異方性光散乱素子を含む光学素子。
  19. 偏光子、位相差板、等方性拡散層、プリズムシート、マイクロレンズシート、防眩層、反射防止層、および保護シートのうち少なくとも一つをさらに含む請求項18に記載の光学素子。
  20. 接着層をさらに含み、前記光学素子を構成する構成要素の全部または一部が前記接着層を介して積層されている請求項18または19に記載の光学素子。
  21. 請求項9〜15のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム、請求項16もしくは17に記載の異方性光散乱素子、または請求項18〜20のいずれかに記載の光学素子を含む画像表示装置。
  22. 液晶セルを含み、前記液晶セルの少なくとも片側に、請求項9〜15のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム、請求項16もしくは17に記載の異方性光散乱素子、または請求項18〜20のいずれかに記載の光学素子が積層されている液晶表示装置。
JP2003159846A 2003-06-04 2003-06-04 異方性光散乱フィルムの製造方法およびそれにより得られた異方性光散乱フィルム Pending JP2004361656A (ja)

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WO2010016557A1 (ja) 2008-08-07 2010-02-11 東洋紡績株式会社 異方性光拡散フィルム、異方性光拡散積層体、異方性光反射積層体及びその用途

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