JP2004361702A - 光ファイバグレーティングの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源1と、紫外光10の進行方向を変える反射ミラー2、3、4と、紫外光10のビーム径を絞る横スリット5および縦スリット6と、これを通過した紫外光10の進行方向を変え、かつ、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に走査するガルバノメータスキャナ20と、シリンドリカルレンズ7と、位相マスク8とを少なくとも備えた光ファイバグレーティングの製造装置を用いて、複数の光ファイバ30に照射する紫外光10のパワー密度分布を、その配列方向、かつ、その幅以上に均一となるように、光ファイバ30の配列方向に紫外光10を走査する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバグレーティングの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバグレーティングは、光ファイバの長さ方向に屈折率の周期的な摂動を形成したもので、特定のモード間に結合を発生させ、特定波長の光に損失を発生させる光部品である。
最も一般的な光ファイバグレーティングの製造方法としては、フォトリフラクティブ効果により、コアの屈折率を変化させる方法がある。フォトリフラクティブ効果とは、例えば、ドーパントとしてゲルマニウムを添加した石英ガラスファイバに、波長240nm付近の紫外光を照射すると、石英ガラスの屈折率の上昇が観測される現象のことである。
【0003】
図9は、従来の光ファイバグレーティングの製造方法を示す模式図である。
図9中、符号41は光ファイバである。この光ファイバ41は、ゲルマニウムが添加された石英ガラスからなるコア41aと、純粋石英ガラスからなるクラッド41bと、紫外線硬化型樹脂からなる被覆層41cとから構成されている。符号42は、石英ガラスからなる位相マスクであり、その一つの面には多数の格子が周期的に形成されている。ここで、位相マスク42において、多数の回折格子が形成されている面を回折格子面42aとする。
【0004】
以下、光ファイバグレーティングの製造方法を略記する。
光ファイバ41の被覆層41cの一部を除去してクラッド41bを露出させ、このクラッド41bを位相マスク42の回折格子面42aと平行に配置する。次に、クラッド41bに位相マスク42を介して、波長240nm付近の紫外光を照射する。位相マスク42を通過した紫外光は、位相マスク42の回折格子面42aに周期的に形成された回折格子により回折され、±1次回折光となる。この回折光どうしが干渉し合うことにより、位相マスク42を通過した紫外光の強度は、光ファイバ41の長手方向に周期的分布を示す。
【0005】
強度の周期的分布を示す紫外光がコア41aに照射されると、フォトリフラクティブ効果により、コア41aには屈折率が上昇した部分が周期的に形成され、コア41aの屈折率は周期的変化を示すようになる。
このようにして形成された光ファイバの長手方向における屈折率の周期的な摂動は、光ファイバに特定波長帯の光の損失を発生させる光フィルタとしての機能を付与する。
【0006】
このような光ファイバグレーティングを大量生産する技術としては、例えば、複数の光ファイバを並列に配置して固定し、これらの光ファイバに位相マスクを介して紫外光を照射することで、一度に複数本の光ファイバグレーティングを作製する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
複数本の光ファイバを並列に配置したものに紫外光を照射する際に問題となるのは、光ファイバの配列方向における紫外光のパワー分布である。紫外光のパワー分布が不均一であると、並列に配置された複数本の光ファイバのそれぞれに照射される紫外光のパワー密度が異なるため、コアの屈折率上昇にばらつきを生じ、得られる光ファイバグレーティングの特性が異なる(一定でない)という問題が生じる。この屈折率上昇に係るばらつきは、光ファイバグレーティングの歩留まり低下の原因となり、製造上の大きな問題となる。
【0008】
そこで、通常、何らかの方法により、並列に配置した複数の光ファイバに照射される紫外光のパワー密度を均一化する必要がある。光ファイバの配列方向の長さは、より生産効率を高めるためには、最低3mm以上必要である。
【0009】
光ファイバに照射する紫外光のパワー密度を均一化する方法としては、例えば、光源から発せられた紫外光のパワー密度の均一な部分のみを取り出し、これを2枚のシリンドリカルレンズで拡大して、光ファイバに照射する方法や、並列に配置した光ファイバを、その配列方向に往復移動させて、紫外光を光ファイバに照射する方法(例えば、特許文献2参照。)などが考案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−35520号公報
【特許文献2】
特開平10−319255号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の紫外光のパワー密度を均一化する方法には、以下に示すような問題がある。
2枚のシリンドリカルレンズを用いる方法では、光源から発せられた紫外光のパワー密度の均一な部分のみを使用するのが前提であるが、実際には真に均一な部分は存在しない。そのため、拡大後の紫外光にもパワー密度のばらつきが多少残ってしまうという問題がある。さらに、紫外光を通過させるシリンドリカルレンズが増えるので、光ファイバに照射される紫外光の強度が減衰する。そのため、光源のパワーが十分に大きくない場合には、コアの屈折率を上昇させるのに必要な紫外光のパワーが得られないという問題もある。
【0012】
また、特許文献2に開示されている方法は、各光ファイバに照射する紫外光のパワー密度を均一化するという点では、有効な方法である。しかしながら、この方法の難点は、光ファイバを移動させなければならないことである。光ファイバグレーティングにおいて、光ファイバに形成される屈折率の摂動の周期は、数100nm程度と非常に小さいために、移動させる際に光ファイバに許容されるずれ量も非常に小さなものとなる。光ファイバを移動させることにより、形成された屈折率変化の摂動が消滅してしまうおそれがある。
【0013】
このようなことを避けるために、光ファイバと位相マスクの相対距離を常に一定に保ちながら、光ファイバを移動させればよい。そのためには、光ファイバと位相マスクを装着する冶具が一体化されるか、または、往復移動によりずれないように、光ファイバを十分に強く結合する必要がある。このようなことから、光ファイバグレーティングの製造装置は非常に扱い難いものとなる。
【0014】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、並列に配置された複数本の光ファイバに光ファイバグレーティングを同時に形成する際に、それぞれの光ファイバグレーティングの光学特性をほぼ等しいものとし、製造に要する時間を大幅に短縮して、結果としてより安価に光ファイバグレーティングを製造することができる光ファイバグレーティングの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、並列配置された複数の光ファイバに紫外光を照射することにより、周期的に高屈折率部を形成して光ファイバグレーティングを得る光ファイバグレーティングの製造方法において、前記並列配置された複数の光ファイバに照射する紫外光のパワー密度分布を、当該複数の光ファイバの配列方向に沿って均一とし、かつ、当該複数の光ファイバの幅以上に均一とする光ファイバグレーティングの製造方法を提供する。
【0016】
上記光ファイバグレーティングの製造方法において、前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に紫外光を走査することが好ましい。
【0017】
本発明は、紫外光を発する光源と、該光源から発せられた紫外光の進行方向を変える反射ミラーと、紫外光のビーム径を絞るスリットと、該スリットを通過した紫外光の進行方向を変え、かつ、該紫外光を並列配置された複数の光ファイバの配列方向に走査するガルバノミラーと、前記並列配置された複数の光ファイバの長手方向に曲率をなすように配されたシリンドリカルレンズと、多数の回折格子が周期的に形成された位相マスクと、を少なくとも備える光ファイバグレーティングの製造装置を提供する。
【0018】
上記構成の光ファイバグレーティングの製造装置において、前記ガルバノミラーは、前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に回転自在な機構を具備することが好ましい。
【0019】
本発明は、紫外光を発する光源と、該光源から発せられる紫外光の進行方向を変える反射ミラーと、紫外光のビーム径を絞るスリットと、並列配置された複数の光ファイバの長手方向に曲率をなすように配され、かつ、前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に移動可能なシリンドリカルレンズと、多数の回折格子が形成された位相マスクと、を少なくとも備える光ファイバグレーティングの製造装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の光ファイバグレーティングの製造装置の第一の実施形態を示す模式図である。
図1中矢印は、紫外光10の進行方向を表している。
この実施形態の光ファイバグレーティングの製造装置は、紫外光10を発する光源1と、光源1から発せられた紫外光10の進行方向を変える反射ミラー2、3、4と、紫外光10のビーム径を絞るための横スリット5および縦スリット6と、ガルバノメータスキャナ20と、並列配置された複数の光ファイバ30の長手方向に曲率をなすように配されたシリンドリカルレンズ7と、位相マスク8とから概略構成されている。
【0021】
光源1としては、KrFエキシマレーザ、アルゴンレーザ2倍波、アルゴンレーザ4倍波などが用いられる。
【0022】
反射ミラー2、3、4は、光の入射角と反射角が固定されたものであり、光源1から発せられた紫外光10の進行方向を変え、所定の方向に紫外光10を伝送するためのものである。
【0023】
横スリット5と縦スリット6とは、それぞれのスリットの長手方向が互いに直交するように配置されている。また、横スリット5および縦スリット6のスリット幅は可変であり、必要に応じてスリット幅を変えることによって、紫外光10のビーム径を変えることができる。
【0024】
シリンドリカルレンズ7は、紫外光10が入射される第一の面7aが平面をなし、このレンズを透過した紫外光10が出射する第二の面7bが曲率を有するシリンドリカル面をなすレンズである。また、シリンドリカルレンズ7の長手方向の大きさは、並列配置された複数の光ファイバ30の幅以上とする。
【0025】
また、シリンドリカルレンズ7は、その長手方向が複数の光ファイバ30の配列方向と平行となり、第一の面7aが光ファイバ30と平行、かつ、第二の面7bが位相マスク8と対向するように配置されている。
【0026】
位相マスク8は、平板状の石英ガラスの表面8a(以下、「回折格子面8a」と称する。)に多数の回折格子が周期的に形成されてなるものである。位相マスク8に形成する回折格子の周期は、所望の光ファイバグレーティングの反射中心波長、帯域幅などに応じて、適宜設定される。
また、位相マスク8は、回折格子面8aが光ファイバ30と平行となり、かつ、対向するように配置されている。この際、回折格子面8aに形成された回折格子の配列方向が、光ファイバ30の長手方向と平行となるように、位相マスク8は配置されている。位相マスク8と光ファイバ30との間隔は、数100μm程度とされている。
【0027】
ガルバノメータスキャナ20は、紫外光10を反射するミラー本体21と、このミラー本体21を並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に回転自在とする回転機構22とから概略構成されている。また、回転機構22はケーブル24を介して、回転機構22に周期的な電圧を印加するファンクションジェネレータ25に接続されている。
ここで、ガルバノメータスキャナは、一般的に光の進行方向を高速、高精度に走査するものである。
【0028】
ガルバノメータスキャナ20では、ミラー本体21がシリンドリカルレンズ7の中心近傍に対向するように配置されている。また、ミラー本体21の反射面21aが紫外光10の進行方向に対して斜めに配置されており、この反射面21aにより、横スリット5および縦スリット6を通過した紫外光10の進行方向をシリンドリカルレンズ7の方向に変える。さらに、回転機構22により、ミラー本体21を複数の光ファイバ30の配列方向に回転(往復移動)させて、紫外光10を、複数の光ファイバ30の配列方向、かつ、複数の光ファイバ30の幅以上に走査する。
【0029】
以下、この実施形態の光ファイバグレーティングの製造装置を用いた光ファイバグレーティングの製造方法について説明する。
まず、複数の光ファイバ30を、光ファイバ固定用冶具(図示略)に固定して、並列に配置する。
次いで、光ファイバ30の所定位置(光ファイバグレーティングを形成する位置)に、位相マスク8を、その回折格子面8aが光ファイバ30と平行となり、かつ、対向するように配置する。この際、回折格子面8aに形成された回折格子の配列方向が、光ファイバ30の長手方向と平行となるようにする。
【0030】
次いで、光源1から紫外光10を発すると、この紫外光10は反射ミラー2、3、4で反射した後に、横スリット5、縦スリット6を順次通過してビーム径が所定の大きさになって、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21の反射面21aに到達する。続いて、紫外光10は反射面21aで反射してシリンドリカルレンズ7の方向に進行すると同時に、回転機構22によって複数の光ファイバ30の配列方向に回転(往復移動)する反射面21aにより、紫外光10の進行方向をシリンドリカルレンズ7の長手方向、すなわち、複数の光ファイバ30の配列方向に変えて、紫外光10をシリンドリカルレンズ7の長手方向全長にわたって走査する。
【0031】
この際、ファンクションジェネレータ25から回転機構22に、周波数10〜100Hz程度、0.01〜1V程度、三角波形状の電圧を印加することにより、ミラー本体21を複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に回転(往復移動)させる。
【0032】
このように紫外光10をシリンドリカルレンズ7の長手方向全長にわたって走査することにより、シリンドリカルレンズ7に入射した紫外光10は、このレンズの曲率方向に均一に広がり、かつ、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に走査する。また、上述のように、シリンドリカルレンズ7の長手方向の大きさは、並列配置された複数の光ファイバ30の幅以上であるから、紫外光10は、複数の光ファイバ30の幅の全長にわたって走査する。
以上の工程により、複数の光ファイバ30に対して同時に光ファイバグレーティングを作製する。
【0033】
この実施形態によれば、シリンドリカルレンズ7と回転機構22を有するガルバノメータスキャナ20を用いることにより、並列配置された複数の光ファイバ30に照射する紫外光10のパワー密度分布を、複数の光ファイバ30の配列方向全長にわたって均一とし、かつ、複数の光ファイバ30の幅以上に均一とすることができる。したがって、光ファイバグレーティングの製造に要する時間を大幅に短縮して、より安価に光ファイバグレーティングを製造することができる。
【0034】
図2は、本発明の光ファイバグレーティングの製造装置の第二の実施形態を示す模式図である。図2において、図1に示した第一の実施形態の構成要素と共通しているものには同一符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバグレーティングの製造装置では、ガルバノメータスキャナ20の替わりに反射ミラー26が設けられ、シリンドリカルレンズ7の替わりにシリンドリカルレンズ27が設けられている。
【0035】
反射ミラー26は、光の入射角と反射角が固定されたものであり、横スリット5および縦スリット6を通過した紫外光10の進行方向をシリンドリカルレンズ27の方向に変える。
【0036】
シリンドリカルレンズ27は、紫外光10が入射される第一の面27aが平面をなし、このレンズを透過した紫外光10が出射する第二の面27bが曲率を有するシリンドリカル面をなすレンズである。また、シリンドリカルレンズ27の長手方向の大きさは、並列配置された複数の光ファイバ30の幅以上とする。
【0037】
また、シリンドリカルレンズ27は、その長手方向が複数の光ファイバ30の配列方向と平行となり、第一の面27aが光ファイバ30と平行、かつ、第二の面27bが位相マスク8と対向するように配置されている。
【0038】
この実施形態では、シリンドリカルレンズ27が、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動可能となっている。シリンドリカルレンズ27の移動範囲は、並列配置された光ファイバ30の本数に応じて適宜設定されるが、シリンドリカルレンズ27の長手方向の両端部が並列配置された光ファイバ30の両端よりも僅かに外方へ移動するようにする。
【0039】
また、シリンドリカルレンズ27には、このレンズを、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動可能とする移動機構(図示略)が付設されている。この移動機構としては、電動ステージなどが用いられる。
【0040】
以下、この実施形態の光ファイバグレーティングの製造装置を用いた光ファイバグレーティングの製造方法について説明する。
まず、複数の光ファイバ30を、光ファイバ固定用冶具(図示略)に固定して、並列に配置する。
次いで、光ファイバ30の所定位置(光ファイバグレーティングを形成する位置)に、位相マスク8を、その回折格子面8aが光ファイバ30と平行となり、かつ、対向するように配置する。この際、回折格子面8aに形成された回折格子の配列方向が、光ファイバ30の長手方向と平行となるようにする。
【0041】
次いで、光源1から紫外光10を発すると、この紫外光10は反射ミラー2、3、4で反射した後に、横スリット5、縦スリット6を順次通過してビーム径が所定の大きさになって、反射ミラー26で反射してシリンドリカルレンズ27の方向に進行し、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動しているシリンドリカルレンズ27に入射する。
【0042】
次いで、複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動しているシリンドリカルレンズ27に入射した紫外光10は、このレンズの曲率方向に均一に広がり、かつ、複数の光ファイバ30の幅の全長にわたって走査する。
【0043】
また、シリンドリカルレンズ27を複数の光ファイバ30の幅の全長にわたって走査する際、その走査速度(シリンドリカルレンズ27の往復移動する速度)は、100μm/sec(nm/sec)〜2000μm/sec(nm/sec)程度が望ましい。
【0044】
以上の工程により、複数の光ファイバ30に対して同時に光ファイバグレーティングを作製する。
【0045】
この実施形態によれば、並列配置された複数の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動可能なシリンドリカルレンズ27を用いることにより、複数の光ファイバ30に照射する紫外光10のパワー密度分布を、複数の光ファイバ30の配列方向全長にわたって均一とし、かつ、複数の光ファイバ30の幅以上に均一とすることができる。したがって、光ファイバグレーティングの製造に要する時間を大幅に短縮して、より安価に光ファイバグレーティングを製造することができる。
【0046】
以下、実験例および実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例および実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
図1に示したような光ファイバグレーティングの製造装置を用意した。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を10本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からA−1、A−2、・・・、A−10と番号を付した。この10本の光ファイバ30の配列において、A−5、A−6をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転機構22によって光ファイバ30の配列方向に回転させながら、紫外光10を、10本の光ファイバ30に対して走査した。
この際、ファンクションジェネレータ25から回転機構22に、周波数57.1Hz、0.1V、三角波形状の電圧を印加して、露光時間を20分間とした。
光ファイバ30に対する紫外光10の露光終了後、各光ファイバ30の透過率を測定した。結果を図3に示す。
【0047】
図3から、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を光ファイバ30の配列方向に回転させながら紫外光10の走査を行なえば、10本の光ファイバ30の透過率のばらつきは5dB程度に収められることが確認された。
【0048】
(比較例1)
図1に示したような光ファイバグレーティングの製造装置を用意した。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を10本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からB−1、B−2、・・・、B−10と番号を付した。この10本の光ファイバ30の配列において、B−5、B−6をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転させずに、紫外光10を、10本の光ファイバ30に対して照射した。
この際、紫外光10の露光時間を15分間とした。
光ファイバ30に対する紫外光10の露光終了後、各光ファイバ30の透過率を測定した。結果を図4に示す。
【0049】
図4から、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転させずに紫外光10の照射を行なうと、光ファイバ30の配列方向における紫外光10のパワー分布の不均一性がそのまま透過率の差となって現われることが確認された。また、光ファイバ30における透過率の差は、最大で30dB程度に達することが確認された。
【0050】
また、実験例1と比較例1について、それぞれ同じ光学系において、10本の光ファイバ30のそれぞれが−20dBの透過率を示すまでの時間を調査した。この調査法では、光ファイバ30の露光中、ある一定の時間間隔で透過率の測定を行い、露光時間と透過率の関係を求め、それを基に−20dBに達した時の時間を見積もった。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1から、中央近傍に配置された光ファイバ30では、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転させずに、紫外光10を照射した方が、回転させた場合よりも所要時間は短いものの、端に配置された光ファイバ30では、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転させて紫外光10を走査した方が、回転させない場合よりも所要時間は短かった。この結果から、10本の光ファイバ30全体でみると、実験例1の方が所要時間が短く、効率的であることが確認された。
【0053】
(実験例2)
図2に示したような光ファイバグレーティングの製造装置を用意した。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を10本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からC−1、C−2、・・・、C−10と番号を付した。この10本の光ファイバ30の配列において、C−5、C−6をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、シリンドリカルレンズ27を10本の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動させて、紫外光10を、10本の光ファイバ30に対して走査した。
この際、紫外光10の走査速度を100μm/secとした。また、露光時間を15分間とした。
光ファイバ30に対する紫外光10の露光終了後、各光ファイバ30の透過率を測定した。結果を図5に示す。
【0054】
図5から、シリンドリカルレンズ27を10本の光ファイバ30の配列方向に周期的に往復移動させながら紫外光10の走査を行なえば、10本の光ファイバ30に照射される紫外光10のパワー分布が均一化されることが確認された。また、光ファイバ30における透過率の差は、最大で5dB程度に収められることが確認された。
【0055】
(比較例2)
図2に示したような光ファイバグレーティングの製造装置において、縦スリット6と反射ミラー26の間に2枚の異なる焦点距離を有するレンズを配置した装置を用意した。また、横スリット5としては、紫外光10において、よりビームの均一な部分を取り出すために、極力幅の狭いものを用いた。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を10本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からD−1、D−2、・・・、D−10と番号を付した。この10本の光ファイバ30の配列において、D−5、D−6をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、シリンドリカルレンズ27を往復移動させずに、紫外光10を、10本の光ファイバ30に対して照射した。
この際、紫外光10の露光時間を15分間とした。
光ファイバ30に対する紫外光10の露光終了後、各光ファイバ30の透過率を測定した。結果を図6に示す。
【0056】
図6から、横スリット5によって、よりビームの均一な紫外光10を取り出すことができたものの、透過率のばらつきが確認された。光ファイバ30における透過率の差は最大で15dB程度であり、実験例2と比較してばらつきが大きいことが確認された。
【0057】
(実施例1)
図1に示したような光ファイバグレーティングの製造装置を用意した。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を5本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からE−1、E−2、・・・、E−5と番号を付した。この5本の光ファイバ30の配列において、A−3をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転機構22によって光ファイバ30の配列方向に回転させながら、紫外光10を、5本の光ファイバ30に対して走査して、光ファイバグレーティングを作製した。
この際、ファンクションジェネレータ25から回転機構22に、周波数57.1Hz、0.1V、三角波形状の電圧を印加して、露光時間を5分間とした。
光ファイバグレーティング作製後、各光ファイバ30の反射率を測定した。結果を図7に示す。
【0058】
この光ファイバグレーティングでは、中心波長の反射率の規格が9.5%以上、10.5%以下と定められており、図7から、本実施例では、5本の光ファイバ全てが規格内に収められていることが確認された。
【0059】
(比較例3)
図1に示したような光ファイバグレーティングの製造装置を用意した。
この製造装置において、光源1として、エキシマレーザを用いた。
また、外径や特性の等しい光ファイバ30を5本用意し、これらを並列に配置して冶具に固定した。これらの光ファイバ30について、配列方向に沿って一方の端からF−1、F−2、・・・、F−5と番号を付した。この5本の光ファイバ30の配列において、F−3をほぼ中央に配置した。
光源1から所定の強度の紫外光10を発して、ガルバノメータスキャナ20のミラー本体21を回転させずに、紫外光10を、5本の光ファイバ30に対して照射した。
この際、紫外光10の露光時間を4分間とした。
光ファイバ30に対する紫外光10の露光終了後、各光ファイバ30の透過率を測定した。結果を図8に示す。
【0060】
図8から、本比較例では、5本の光ファイバの内3本のみが規格内に収められていることが確認された。
【0061】
また、実施例1と比較例3において、150本の光ファイバ30について光ファイバグレーティングを作製し、得られた光ファイバグレーティングの反射率を測定して、光ファイバグレーティングの製造歩留まりを調査した。
その結果、実施例1では光ファイバグレーティングの製造歩留まりは92%であったが、比較例3では製造歩留まりは43%であった。
以上のことから明らかなように、本発明によれば、光ファイバグレーティングの製造歩留まりの改善が見込まれることが分かった。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数本並列に配置された光ファイバに照射される紫外光のパワー分布を均一化することにより、得られる光ファイバグレーティングの特性をほぼ等しいものとすることができる。
また、複数本の光ファイバグレーティングを同時に作製する際に問題であった、光ファイバグレーティングの光学特性の不均一性が改善されるため、光ファイバの露光に要する時間が大幅に短縮され、かつ、光ファイバグレーティングの製造歩留まりが向上し、その結果として、より安価に光ファイバグレーティングを製造することができる。
さらに、2枚のシリンドリカルレンズを用いて紫外光のビーム径を拡大する従来の光ファイバグレーティングの製造方法と比較して、より効果的に光ファイバグレーティングの光学特性を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバグレーティングの製造装置の第一の実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明の光ファイバグレーティングの製造装置の第二の実施形態を示す模式図である。
【図3】実験例1において、光ファイバに対する紫外光の走査終了後、各光ファイバの透過率を測定した結果を示すグラフである。
【図4】比較例1において、光ファイバに対する紫外光の走査終了後、各光ファイバの透過率を測定した結果を示すグラフである。
【図5】実験例2において、光ファイバに対する紫外光の走査終了後、各光ファイバの透過率を測定した結果を示すグラフである。
【図6】比較例2において、光ファイバに対する紫外光の走査終了後、各光ファイバの透過率を測定した結果を示すグラフである。
【図7】実施例1において、光ファイバグレーティング作製後、各光ファイバの反射率を測定した結果を示すグラフである。
【図8】比較例3において、光ファイバグレーティング作製後、各光ファイバの反射率を測定した結果を示すグラフである。
【図9】従来の光ファイバグレーティングの製造方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・光源、2,3,4,26・・・反射ミラー、5・・・横スリット、6・・・縦スリット、7,27・・・シリンドリカルレンズ、8・・・位相マスク、10・・・紫外光、20・・・ガルバノメータスキャナ、21・・・ミラー本体、22・・・回転機構、24・・・ケーブル、25・・・ファンクションジェネレータ、30・・・光ファイバ。
Claims (5)
- 並列配置された複数の光ファイバに紫外光を照射することにより、周期的に高屈折率部を形成して光ファイバグレーティングを得る光ファイバグレーティングの製造方法において、
前記並列配置された複数の光ファイバに照射する紫外光のパワー密度分布を、当該複数の光ファイバの配列方向に沿って均一とし、かつ、当該複数の光ファイバの幅以上に均一とすることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造方法。 - 請求項1記載の光ファイバグレーティングの製造方法において、
前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に紫外光を走査することを特徴とする光ファイバグレーティングの製造方法。 - 紫外光を発する光源と、該光源から発せられた紫外光の進行方向を変える反射ミラーと、紫外光のビーム径を絞るスリットと、該スリットを通過した紫外光の進行方向を変え、かつ、該紫外光を並列配置された複数の光ファイバの配列方向に走査するガルバノミラーと、前記並列配置された複数の光ファイバの長手方向に曲率をなすように配されたシリンドリカルレンズと、多数の回折格子が周期的に形成された位相マスクと、を少なくとも備えることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造装置。
- 前記ガルバノミラーは、前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に回転自在な機構を具備することを特徴とする請求項3記載の光ファイバグレーティングの製造装置。
- 紫外光を発する光源と、該光源から発せられる紫外光の進行方向を変える反射ミラーと、紫外光のビーム径を絞るスリットと、並列配置された複数の光ファイバの長手方向に曲率をなすように配され、かつ、前記並列配置された複数の光ファイバの配列方向に移動可能なシリンドリカルレンズと、多数の回折格子が形成された位相マスクと、を少なくとも備えることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造装置。
Priority Applications (1)
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| JP2003160453A JP2004361702A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 光ファイバグレーティングの製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2004361702A true JP2004361702A (ja) | 2004-12-24 |
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Family Applications (1)
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| JP2003160453A Pending JP2004361702A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 光ファイバグレーティングの製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004361702A (ja) |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160453A patent/JP2004361702A/ja active Pending
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