JP2004363268A - 光半導体装置 - Google Patents

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茂昭 関口
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Abstract

【課題】光半導体装置に関し、容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於ける波長及び光強度の安定性を向上し、広帯域且つ長距離の通信に実用できるようにする。
【解決手段】容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、マッハ・ツェンダー干渉計内の二つの光導波路302A及び302Bのうち少なくとも一方の光導波路に設けられた位相調整部400と、前記容量装荷型電極を備えた光変調器部300と位相調整部400との間を電気的に分離する素子分離部700とが設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調器など光信号を電気信号で制御する素子を含み、長距離大容量光通信を行なう場合に用いて好適な光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体光変調器は、半導体レーザとの集積が可能であり、小型且つ安価な送信器コンポーネントを製作するのに重要の要素であって、従来、電界吸収型光変調器では、半導体レーザと集積した送信器が実現されていて、短距離の通信システムで実用化されている。
【0003】
然しながら、電界吸収型光変調器は、その原理からして、動作時に於ける波長の変動、即ち、動的波長変動が大きく、長距離で且つ高速の通信には利用することができなかった。
【0004】
この問題を解消しようとして、マッハ・ツェンダー型と呼ばれる光変調器が開発されていて、その光変調器に於いては、電界吸収型光変調器に比較して動的波長変動が小さく、特に、プッシュプル駆動時には波長変動が原理的に0となる。従って、長距離、広帯域な通信に利用できるものとして期待されている。
【0005】
ところで、半導体マッハ・ツェンダー型光変調器を高速動作させるには、寄生容量に依る帯域制限を受けることがない進行波型電極構造にすることが不可欠であり、その進行波型電極構造にとって重要であるのは、駆動回路との特性インピーダンスの整合及び光の伝播速度と電気信号の伝播速度との整合である。
【0006】
前記の各整合を可能にするマッハ・ツェンダー型光変調器の構造として、容量装荷型電極構造が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
前記非特許文献1の開示を基礎にした典型的な光変調器は図7に見られるような構造になると考えられる。尚、非特許文献1には、位相調整領域についての開示がないので、その部分は本発明者の推測で補ってある。
【0008】
図7は従来のマッハ・ツェンダー型光変調器を表す要部説明図であり、(A)は要部切断上面を、また、(B)は線X−Xに沿う要部切断側面、(C)は等価回路をそれぞれ示している。
【0009】
図7に於いて、1は半絶縁性半導体基板、2は導波路下部導電層、3は光導波路、4は上部クラッド層、5は信号電極、6は位相調整電極、7は接地電極、8はバイアス電極をそれぞれ示している。
【0010】
図7の左方端から光変調器に入射した連続レーザ光は、信号電極5と接地電極7とからなる進行波型電極に入力された電気信号に依って強度変調され、その変調光は図7の右方端から出射される。
【0011】
バイアス電極8には直流電圧が印加され、光変調器に於ける光導波路3に電界を印加する役割を果たす。また、位相調整電極6には電流若しくは電圧が印加されて光変調器の位相状態を調整する。
【0012】
この光変調器では、信号電極5と接地電極7とからなる進行波型電極に対し、微小な光変調器が容量として装荷された構造になっていて、進行波型電極と変調器部分を独立に設計することで、特性インピーダンスの整合及び伝播速度の整合が可能である為、高速変調を行なうことが可能である。
【0013】
また、2つの光変調器が信号電極5−接地電極7間に直列に接続され、それぞれが逆方向に駆動されるので、1信号入力でプッシュ・プル駆動が可能であり、動的波長変動を小さくすることができるとされ、従って、この構造の光変調器に依れば、広帯域・長距離伝送が可能であると考えられている。
【0014】
ところが、図7の光変調器では、進行波型電極構造の一部である導波路下部導電層2と位相調整電極6の下部導電層とが電気的に連続であることから、図7に(C)として示した等価回路から明らかなように、信号電極5に於ける変調信号が位相調整電極6で代表される位相調整部に伝わり、位相調整電極6の端子間電圧を変動させるので、光信号の強度及び波長に動的変動を生じてしまう。
【0015】
一般に、この種の光半導体装置に於いては、各機能部をそれぞれ絶縁しながら一部電極を共通化する構造が多用されていて、例えば半導体レーザ部と光変調器部とを集積化した半導体発光装置に関する発明が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
特許文献1に開示された発明では、半導体レーザ部と光変調器部との間を絶縁する構成として、活性層及び光導波路層より下部では半導体レーザ部と光変調器部との間に在る半導体層を半絶縁層とし、半導体レーザ部と光変調器部との下部電極を分離し、そして、上部電極は共通電極としてあり、当該半導体発光装置を動作させる場合には、上部の共通電極を接地し、半導体レーザ部の下部電極に直流電流を印加し、そして、光変調器部の下部電極に交流信号を印加することで駆動している。
【0017】
前記したように、先行技術の発明では、上部電極が共通電極になっている為、上部電極を接地電極として用いる分には動作するのであるが、そのように上部電極の使い方を限定されたのでは、本発明が対象としているマッハ・ツェンダー型光変調器では、上部電極のうち少なくとも一方は信号電極である為、上部電極が共通電極になっているのでは機能することはできない。
【0018】
従って、マッハ・ツェンダー型光変調器では、上部電極及び下部電極は全て半導体レーザ部と分離する必要があり、また、半導体レーザ部と光変調器部との分離に限らず、光変調器内に在って機能する位相調整領域についても素子分離を行なう必要がある。
【0019】
【非特許文献1】
IEEE Jounal of Quantum Electronics,vol.27,p.654,1991
【特許文献1】
特許第3051499号公報
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明では、容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於ける波長及び光強度の安定性を向上し、広帯域且つ長距離の通信に実用できるようにする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る光半導体装置に於いては、容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、マッハ・ツェンダー干渉計内の二つの光導波路(例えば光導波路302A及び302B)のうち少なくとも一方の光導波路に設けられた位相調整部(例えば位相調整部400)と、前記容量装荷型電極を備えた光変調器部(例えば光変調器部300)と前記位相調整部との間を電気的に分離する素子分離部(例えば素子分離部700)とが設けられてなることを基本とする。
【0022】
前記手段を採ることに依り、進行波型電極構造下部の導電層と位相調整部下部の導電層とが高抵抗領域で電気的に分離され、且つ、進行波型電極構造上部の導電層と位相調整部上部の導電層とが高抵抗領域で電気的に分離されていることから、光変調器の変調信号が位相調整部に達することはなく、波長及び光強度の動的安定性を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は本発明に於ける実施の形態1である光半導体装置、即ち、マッハ・ツェンダー型光変調器を表す要部切断上面図であり、図2及び図3は図1に見られる光半導体装置の要部切断側面図であり、図2(A)は図1に於ける線X1−X1に沿う断面、図2(B)は図1に於ける線Y1−Y1に沿う断面、図3(A)は図1に於ける線Y2−Y2に沿う断面、図3(B)は図1に於ける線Y3−Y3に沿う断面をそれぞれ示している。
【0024】
図1乃至図3に見られるように、実施の形態1であるマッハ・ツェンダー型光変調器は、半絶縁性半導体基板100上に形成された光変調器部300、位相調整部400、分波器500及び合波器600、素子分離部700に大別される。
【0025】
前記した各部の構成要素になっている所要半導体層の成膜、或いは、それ等半導体層の加工に於いて、共通する成膜や加工は全て同時に行なわれることは云うまでもないが、例えば、半導体層がどの部を構成する要素になっているかに依って、それぞれ別異の記号を付与してあり、この点は、以下の説明で全て同じ認識で良い。
【0026】
光変調器部300は半絶縁性半導体基板100上に形成された下部導電層301、下部導電層301上に形成された光導波路302A及び302Bを有し、光導波路302A上に櫛歯状に突出して位置する分布電極303Aが一体化されている信号電極303及び光導波路302B上に櫛歯状に突出して位置する分布電極304Aが一体化されている接地電極304がそれぞれ形成されていて、この構成の信号電極303と接地電極304とが進行波型電極を成している。
【0027】
信号電極303と接地電極304からなる進行波型電極とは別に光導波路302A及び302Bにバイアス電圧を印加する為のバイアス電極305が設けられている。
【0028】
光導波路302A及び302Bは、下部導電層301、コア層306、上部クラッド層307が順に積層された積層構造になっていて、上部クラッド層307上には信号電極303の分布電極303Aが、また、接地電極304の分布電極304Aがコンタクトするように形成されている。尚、光導波路302A及び302Bを光導波路302で代表させる。
【0029】
上部クラッド層307に於いて、諸電極とコンタクトしている部分は導電性半導体で構成され、諸電極とコンタクトしていない部分が半絶縁性半導体で構成されて上部半絶縁性半導体クラッド層307Aになっている。
【0030】
位相調整部400は半絶縁性半導体基板100上に形成された下部導電層401、下部導電層401上に形成された光導波路402A及び402Bを有し、光導波路402A及び402Bに電界を印加する為、光導波路402A及び402B上に形成された位相調整電極403A及び403B、そして、下部導電層401上に形成された位相調整電極404A及び404Bを有している。
【0031】
光導波路402A及び402Bは、下部導電層401、コア層405、導電性半導体からなる上部クラッド層406が順に積層された積層構造になっている。尚、光導波路402A及び402Bを光導波路402で代表させる。
【0032】
素子分離部700は、下部半絶縁性半導体クラッド層701、コア層703、上部半絶縁性半導体クラッド層702から成っていて、光変調器部300及び位相調整部400の間を電気的に分離している。
【0033】
前記説明したマッハ・ツェンダー型光変調器に入射した連続レーザ光1は、分波器500に依って光変調器部300に於ける二つの光導波路302A及び302Bに分配され、光導波路302A及び302B中を伝播する間に分布電極303Aをもつ信号電極303及び分布電極304Aをもつ接地電極304に依って構成される進行波型電極に入力される電気信号に依って位相変調される。
【0034】
光変調器部300から出射された光は素子分離部700を経て位相調整部400に入射され、下部導電層401と光導波路402A上の電極403Aとの間及び下部導電層401と光導波路402B上の電極403Bとの間に印加される電圧に依って位相調整され、合波器600に於いて、前記位相調整された光が合波され、強度変調された光信号Bとして出力される。
【0035】
前記説明したマッハ・ツェンダー型光変調器に於ける各部分の構成を具体的に挙げると、半絶縁性半導体基板100は例えば半絶縁性InP基板、光変調器部300に於ける下部導電層301は不純物濃度を1×1018〔cm−3〕以上とした厚さ1〔μm〕以上のn型InP層、コア層306は厚さ10〔nm〕のGaInAsP層と厚さ10〔nm〕のInP層とを交互に積層した量子井戸構造、上部クラッド層307は不純物濃度が5×1017〔cm−3〕程度で厚さ1〔μm〕以上のp型InP層と電極コンタクト層として機能するp型GaInAs層との積層構造である。尚、上部クラッド層307に於ける半絶縁性半導体部分307Aは、FeをドーピングしたInP層から成っている。
【0036】
位相調整部400の下部導電層401は不純物濃度を1×1018〔cm−3〕以上とした厚さ1〔μm〕以上のn型InP層、コア層405は厚さ10〔nm〕のGaInAsP層と厚さ10〔nm〕のInP層とを交互に積層した量子井戸構造、上部クラッド層406は不純物濃度を5×1017〔cm−3〕程度とした厚さ1〔μm〕以上のp型InP層及び電極コンタクト層として機能するp型GaInAs層の積層構造である。
【0037】
信号電極303、接地電極304、バイアス電極305、位相調整電極403A、403B、404A、404Bは厚さ3〔μm〕程度のAuめっき膜から成っている。
【0038】
素子分離部700の長さは10〔μm〕以上であって、光変調器部300や位相調整部400に於ける下部導電層301或いは401の形成と同時に同じ導電層を成膜した後、下部半絶縁性半導体クラッド層701の形成予定部分をエッチングに依って除去し、その除去跡にFeをドーピングしたInP層を選択成長して厚さが下部導電層301や401と同程度になるよう成膜する。
【0039】
その後、光変調器部300、位相調整部400、素子分離部700に於ける各コア層306、405、703の成膜、上部クラッド層307、406の成膜を実施するのであるが、上部クラッド層307、406と同じ半導体層が上部半絶縁性半導体クラッド層307Aの形成予定部分と上部半絶縁性半導体クラッド層702の形成予定部分にも成膜されるので、その部分の半導体層はエッチングに依って除去し、その除去跡にFeをドーピングしたInP層を選択成長し、上部半絶縁性半導体クラッド層307A及び上部半絶縁性半導体クラッド層702を形成する。
【0040】
この場合、図に見られるように、光変調器部300に於ける下部導電層301及び位相調整部400に於ける下部導電層401は下部半絶縁性半導体クラッド層701に依って、また、光変調器部300に於ける上部クラッド層307及び位相調整部400に於ける上部クラッド層406は上部半絶縁性半導体クラッド層307A、上部半絶縁性半導体クラッド層702に依って接続された構造になっているが、半絶縁性半導体の抵抗率はn型半導体と比較して10桁大きいので分離は十分であって、変調信号が位相調整部400に到達することはなく、従って、波長並びに光強度の動的安定性は向上し、広帯域且つ長距離の伝送が可能である。
【0041】
実施の形態1に於けるマッハ・ツェンダー型光変調器に於いては、バイアス電極305を干渉計内に配置したが、これは干渉計外であっても良く、また、図7について説明した従来例のように光導波路上であっても良い。
【0042】
また、位相調整部400が光変調器部300の光出力側に、且つ、光導波路毎に配置されているが、光変調器部300の光入力側に配置し、また、光導波路の片側のみに配置して良い。
【0043】
また、半絶縁性半導体クラッド層307A、701、702にはFeをドーピングしたInPを用いたが、当該部分をヘリウム・イオン、或いは、その他のイオン、即ち、水素、ホウ素、酸素、Feなどのイオンを注入することに依って絶縁性化することもできる。
【0044】
また、マッハ・ツェンダー型光変調器の光導波路に於ける両端面に無反射膜を形成して反射に依る光信号ノイズを低減させ、光伝送特性を向上させるようにしても良い。
【0045】
実施の形態2
図4は本発明に於ける実施の形態2である光半導体装置、即ち、マッハ・ツェンダー型光変調器を表す要部切断上面図であり、図5は図4に見られる光半導体装置の要部切断側面図であり、図5(A)は図4に於ける線X1−X1に沿う断面、図5(B)は図4に於ける線Y1−Y1に沿う断面をそれぞれ示している。
【0046】
実施の形態2では、半絶縁性半導体基板100上に光変調器部300、位相調整部400、分波器500及び合波器600、素子分離部700を形成した点に於いて実施の形態1と変わりなく、従って、実施の形態1と異なる構成のみについて説明する。
【0047】
実施の形態2の光半導体装置が実施の形態1の光半導体装置と相違するところは、マッハ・ツェンダー型光変調器に素子分離部700Aを介して半導体レーザ部800を集積化した点にある。
【0048】
半導体レーザ部800に於いて、下部導電層801は不純物濃度を1×1018〔cm−3〕以上とした厚さ1〔μm〕以上のn型InP層、活性層805は厚さ6〔nm〕のGaInAsP井戸層及び厚さ10〔nm〕のGaInAsPバリア層を3周期積層してなる量子井戸構造、上部クラッド層806は不純物濃度を5×1017〔cm−3〕程度とした厚さ1〔μm〕以上のp型InP層とp型GaInAsからなる電極コンタクト層である。
【0049】
レーザ電極803及び804は、信号電極303、接地電極304、バイアス電極305、位相調整電極403A、403B、404A、404Bなどと同じく、厚さ3〔μm〕程度のAuめっき膜から成っている。
【0050】
レーザ部800と光変調器部300との間に形成する素子分離部700Aの長さは、素子分離部700と同様、10〔μm〕以上である。
【0051】
素子分離部700A及び半導体レーザ部800の作製について説明するが、素子分離部700Aや半導体レーザ部800に於ける各層の形成及び加工に関しては、光変調器部300及び位相調整部400と共通するものは同じ工程で同時に形成したり、或いは、加工することは云うまでもない。
【0052】
素子分離部700Aを形成するには、レーザ部800の下部導電層801を含む下部導電層を半絶縁性半導体基板100上に一様に成膜し、下部半絶縁性半導体クラッド層701Aの形成予定部分をエッチングに依って除去し、その除去跡にFeをドーピングしたInP層を選択成長して厚さが下部導電層801と同程度になるよう成膜して下部半絶縁性半導体クラッド層701Aとする。
【0053】
下部半絶縁性半導体クラッド層701A上に素子分離部700Aのコア層703Aを含むコア層を形成し、次いで、該コア層上に光変調器部300に於ける上部クラッド層307などを含む上部導電クラッド層を形成し、その上部導電クラッド層に於ける上部半絶縁性半導体クラッド層702Aの形成予定部分をエッチングに依って除去し、その除去跡にFeをドーピングしたInP層を選択成長して厚さが光変調器部300に於ける上部クラッド層307などと同程度になるよう成膜して上部半絶縁性半導体クラッド層702Aとする。
【0054】
レーザ部800を形成するには、レーザ部形成予定部分の光変調器部300に於ける上部クラッド層307を含む上部クラッド層の表面から素子分離部700Aのコア層703Aを含むコア層までをエッチングに依って除去し、レーザ部活性層805及び上部導電性クラッド層806を順に成膜すれば良い。
【0055】
実施の形態2に於けるマッハ・ツェンダー型光変調器集積半導体レーザに於いては、光変調器部300と位相調整部400との間、及び、光変調器部300とレーザ部800との間はそれぞれ電気的に分離されているので、波長並びに光強度の動的安定性が得られ、広帯域且つ長距離の伝送が可能である。
【0056】
実施の形態2に於けるマッハ・ツェンダー型光変調器に於いては、バイアス電極305を干渉計内に配置したが、これは干渉計外であっても良く、また、図7について説明した従来例のように光導波路上であっても良い。
【0057】
また、位相調整部400が光変調器部300の光出力側に、且つ、光導波路毎に配置されているが、レーザ部800の光出力側と光変調器部300の光入力側との間に配置し、また、光導波路の片側のみに配置して良い。
【0058】
また、位相調整部400をレーザ部800の光出力側と光変調器部300の光入力側との間に配置した場合には、素子分離部700Aは設けなくても良い。
【0059】
また、素子分離部700或いは700Aに於ける半絶縁性半導体としてFeをドーピングしたInPを用いたが、当該部分をヘリウム・イオン、或いは、その他のイオン、即ち、水素、ホウ素、酸素、Feなどのイオンを注入することに依って絶縁性化することもできる。
【0060】
また、良く知られているように、レーザ部800のレーザ部活性層805に回折格子を用いることでレーザの単一波長性を向上させ、また、素子の伝送特性を向上させることもできる。
【0061】
また、装置の光導波路に於ける光入力側及び光出力側の両端面に無反射膜を形成して反射に依る光信号ノイズを低減させ、また、レーザ部への戻り光を減少させて光伝送特性を向上させても良い。
【0062】
実施の形態3
図6は本発明に於ける実施の形態3である光半導体装置、即ち、マッハ・ツェンダー型光変調器を表す要部切断上面図であり、図1乃至図5に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0063】
実施の形態3では、半絶縁性半導体基板100上に光変調器部300、分波器500及び合波器600、素子分離部700A、レーザ部800を形成した点に於いて実施の形態2と同様であり、従って、実施の形態2と異なる構成のみについて説明する。
【0064】
実施の形態3の光半導体装置が実施の形態2の光半導体装置と相違するところは、位相調整部400をもたず、レーザ部800のみが設けられているので、素子分離部700Aが光変調器部300とレーザ部800との間にのみ設けられている点である。
【0065】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0066】
(付記1)
容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、
マッハ・ツェンダー干渉計内の二つの光導波路のうち少なくとも一方の光導波路に設けられた位相調整部と、
前記容量装荷型電極を備えた光変調器部と前記位相調整部との間を電気的に分離する素子分離部とが設けられてなるこ
を特徴とする光半導体装置。
【0067】
(付記2)
容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、
前記容量装荷型電極を備えた光変調器部との間を電気的に分離する素子分離部を介して光学的に接続された半導体レーザ部が設けられてなること
を特徴とする光半導体装置。
【0068】
(付記3)
容量装荷型電極を備えた光変調器部との間を電気的に分離する素子分離部を介して光学的に接続された半導体レーザ部が設けられてなること
を特徴とする(付記1)記載の光半導体装置。
【0069】
(付記4)
半導体レーザ部が回折格子からなる活性層を備えてなること
を特徴とする(付記2)或いは(付記3)記載の光半導体装置。
【0070】
(付記5)
素子分離部の少なくとも一部は半絶縁性半導体層で構成されてなること
を特徴とする(付記1)乃至(付記4)の何れか1記載の光半導体装置。
【0071】
(付記6)
素子分離部に於ける半絶縁性半導体層の少なくとも一部がFeをドーピングしたInPで構成されてなること
を特徴とする(付記1)乃至(付記5)の何れか1記載の光半導体装置。
【0072】
(付記7)
素子分離部に於ける半絶縁性半導体層の少なくとも一部がイオン注入で形成されてなること
を特徴とする(付記1)乃至(付記6)の何れか1記載の光半導体装置。
【0073】
【発明の効果】
本発明に依る光半導体装置に於いては、容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、マッハ・ツェンダー干渉計内の二つの光導波路のうち少なくとも一方の光導波路に設けられた位相調整部と、前記容量装荷型電極を備えた光変調器部と前記位相調整部との間を電気的に分離する素子分離部とが設けられていることが基本になっている。
【0074】
前記構成を採ることに依り、進行波型電極構造下部の導電層と位相調整部下部の導電層とが高抵抗領域で電気的に分離され、且つ、進行波型電極構造上部の導電層と位相調整部上部の導電層とが高抵抗領域で電気的に分離されていることから、光変調器の変調信号が位相調整部に達することはなく、波長及び光強度の動的安定性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に於ける実施の形態1である光半導体装置を表す要部切断上面図である。
【図2】図1に見られる光半導体装置の要部切断側面図である。
【図3】図1に見られる光半導体装置の要部切断側面図である。
【図4】本発明に於ける実施の形態2である光半導体装置を表す要部切断上面図である。
【図5】図4に見られる光半導体装置の要部切断側面図である。
【図6】本発明に於ける実施の形態3である光半導体装置を表す要部切断上面図である。
【図7】従来のマッハ・ツェンダー型光変調器を表す要部説明図である。
【符号の説明】
100 半絶縁性半導体基板
300 光変調器部
400 位相調整部
500 分波器
600 合波器
700 素子分離部
700A 素子分離部
800 半導体レーザ部

Claims (4)

  1. 容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、
    マッハ・ツェンダー干渉計内の二つの光導波路のうち少なくとも一方の光導波路に設けられた位相調整部と、
    前記容量装荷型電極を備えた光変調器部と前記位相調整部との間を電気的に分離する素子分離部とが設けられてなること
    を特徴とする光半導体装置。
  2. 容量装荷型電極を有するマッハ・ツェンダー型光変調器を含む光半導体装置に於いて、
    前記容量装荷型電極を備えた光変調器部との間を電気的に分離する素子分離部を介して光学的に接続された半導体レーザ部が設けられてなること
    を特徴とする光半導体装置。
  3. 容量装荷型電極を備えた光変調器部との間を電気的に分離する素子分離部を介して光学的に接続された半導体レーザ部が設けられてなること
    を特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  4. 素子分離部に於ける半絶縁性半導体層の少なくとも一部がFeをドーピングしたInPで構成されてなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1記載の光半導体装置。
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