JP2004363375A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光の効果は損なうことなく、製造過程において生じる水素基を有効に活用して、リーク電流の発生源となる基板表面の準位を終端化させた固体撮像素子を得る。
【解決手段】フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、遮光体21が網目状に配設されて網目状構造を有する遮光膜2が配設されている。遮光膜2の平面視形状は、矩形の遮光体21が1つ置きにマトリックス状に配設されて網目状構造をなしている。
【選択図】 図2
【解決手段】フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、遮光体21が網目状に配設されて網目状構造を有する遮光膜2が配設されている。遮光膜2の平面視形状は、矩形の遮光体21が1つ置きにマトリックス状に配設されて網目状構造をなしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子に関し、特に、光学的黒を検出する無効画素領域を有する固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子の1つとして、特許文献1に開示されるようなCCD(電荷結合素子)が挙げられる。特許文献1においては、被写体の光情報を検出する有効画素領域と、光学的黒を検出する無効画素領域とで黒レベルに差のない固体撮像素子を得るために、有効画素領域および無効画素領域において遮光膜を設け、受光部の上部に対応する部分には遮光膜に開口部を設ける構成が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−230402号公報(図1、2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に固体撮像素子等の半導体装置の製造過程においては、半導体基板表面は種々の工程、例えばゲート電極のエッチング時にプラズマに曝されることによってダメージを受け、リーク電流の発生源となる準位が形成されることがある。この準位は同じく半導体装置の製造過程で水素、もしくは水素を含むイオンに曝されることによって終端化することが可能であり、その場合にはリーク電流の発生を抑えることが可能となる。
【0005】
ところが、一般に、遮光膜はTiW等の水素基を吸収もしくは遮蔽する効果を有する材料で構成されるため、遮光膜を形成した領域ではリーク電流の発生源となる準位を終端化する効果が十分に得られない。
【0006】
そして、固体撮像素子では、有効画素領域には遮光膜を設けず、無効画素領域にのみ遮光膜を設けることが一般的であるので、無効画素領域ではリーク電流の発生源となる準位を終端化する効果が十分に得られず、無効画素領域と有効画素領域とで半導体基板表面の準位の終端化率が異なることとなる。この結果、無効画素領域と有効画素領域とで遮光状態でのリーク電流レベルが異なって、一方の出力が大きくあるいは小さくなり過ぎてしまう。
【0007】
一般に、固体撮像素子における画像の黒レベル(光が照射されない状態での素子出力)は、無効画素領域の出力が基準となり、実際に撮像する際には、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引くことによって、信号のノイズ成分を除去している。このため、光を照射しない状態においては、無効画素領域の出力と有効画素領域の出力とが一致していることが望ましい。
【0008】
しかし、無効画素領域と有効画素領域とで遮光状態でのリーク電流レベルが異なる場合、例えば、無効画素領域の出力が大きい場合、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引くと、有効な信号成分までも除去されてしまい、画質が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、遮光の効果は損なうことなく、製造過程において生じる水素基を有効に活用して、リーク電流の発生源となる基板表面の準位を終端化させた固体撮像素子を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の固体撮像素子は、入射光を電気信号に変換し、生成された電荷を蓄積する光電変換蓄積部と、前記光電変換蓄積部の上方に配設された少なくとも1層の遮光膜とを備え、前記少なくとも1層の遮光膜の平面構造は、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造を有している。
【0011】
【発明の実施の形態】
近年、固体撮像素子の1つとして、増幅型センサを用いたものが提案されている。この素子は、光電変換蓄積部で検出した光の信号を、光電変換蓄積部のごく近傍で増幅するという特徴を有している。実施の形態の説明においては、固体撮像素子として増幅型センサを例に採って説明するものであり、実施の形態の説明に先立って増幅型センサの回路構成の一例について説明する。
【0012】
<増幅型センサの回路構成例>
図1は、固体撮像素子としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサを備えた半導体装置の回路構成を示す図である。図1に示すように、単位画素あるいは単位セルCがマトリックス状に配置され、各セルCの各々が垂直シフトレジスタVSおよび水平シフトレジスタHSに接続されている。
【0013】
各単位セルCは、フォトダイオードPDと、転送スイッチM1と、リセットスイッチM2と、アンプ(増幅器)M3と、選択スイッチM4とを有している。
【0014】
フォトダイオードPDは、入射光を電気信号に変換し、生成された電荷を蓄積する光電変換蓄積部たる役割を有している。転送スイッチM1は、この変換された電気信号をアンプM3へと転送する役割を有し、その制御は垂直シフトレジスタVSからの信号により行われる。リセットスイッチM2は、信号電荷をリセットする役割を有しており、アンプM3は電気信号を増幅する役割を有している。
【0015】
なお、転送スイッチM1、リセットスイッチM2、アンプM3および選択スイッチM4の各々は、MOSトランジスタで構成されている。
【0016】
<A.実施の形態1>
<A−1.装置構成>
以下、本発明に係る実施の形態1として、CMOS型イメージセンサを備えた半導体装置の構成について、図1を参照しつつ、図2(a)、(b)および図3を用いて説明する。
【0017】
図2(a)は、図1に示す回路構成のうち、光学的黒(Optical Black:OB)を検出する無効画素領域の代表として選択した領域Rの構成を示す平面図であり、図3は、図2(a)におけるX−X線での矢視断面図である。
【0018】
図2(a)および図3に示すように、P型半導体基板102の表面には、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により形成された素子分離絶縁層103が配設されている。さらに、P型半導体基板102上には、フォトダイオードPD、転送スイッチM1およびリセットスイッチM2が配設されている。
【0019】
フォトダイオードPDは、P型半導体基板102と、その主面内に配設されたN型不純物領域104(N型活性領域)とのPN接合により構成されている。そして、N型不純物領域104に重なるように、P型半導体基板102の主面内にはN型不純物領域104よりも浅いP型不純物領域105(P型活性領域)が配設されている。
【0020】
このP型不純物領域105は、P型半導体基板102とN型不純物領域104とのPN接合の空乏層が到達しないような深さに形成されている。
【0021】
転送スイッチM1は、N型ソース領域104、N型ドレイン領域106a(N型活性領域)およびゲート電極層108aを有している。N型ドレイン領域106aは、動作中に浮遊状態となるときがあるのでFD(Floating Diffusion)と表示する。
【0022】
N型ソース領域104とN型ドレイン領域106aとは、所定の距離だけ間隔を開けてP型半導体基板102の表面内に配設されている。そして、ゲート電極層108aが、P型半導体基板102のN型ソース領域104とN型ドレイン領域106aとで挟まれる領域上にゲート絶縁層107を介して配設されている。なお、フォトダイオードPDのN型不純物領域104と転送スイッチM1のN型ソース領域104とは同一の領域であり、各素子を区別する観点から別個に呼称している。
【0023】
リセットスイッチM2は、一対のN型ソース/ドレイン領域106aと、ゲート電極層108bとを有している。一対のN型ソース/ドレイン領域106aは、互いに所定の距離を隔てるように半導体基板102の表面内に配設されている。
【0024】
そして、ゲート電極層108bは、P型半導体基板102の一対のN型ソース/ドレイン領域106aに挟まれる領域上にゲート絶縁層(図示せず)を介して配設されている。なお、転送スイッチM1のN型ドレイン領域106aとリセットスイッチM2のN型ソース/ドレイン領域106aの一方とも同一の領域であり、各素子を区別する観点から別個に呼称しているにすぎない。
【0025】
図3に示すように、P型半導体基板102の主面全面に層間絶縁膜1が配設され、ゲート電極層108a等が層間絶縁膜1によって覆われている。そして、図2(a)に示すように、フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、遮光体21が網目状に配設されて網目状構造を有する遮光膜2が配設されている。
【0026】
遮光膜2は、層間絶縁膜1の主面上に配設される第1配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第1配線層と同じ工程で形成される。
【0027】
なお、図2(a)においては、遮光膜2の平面視形状として、独立した矩形の遮光体21が1つ置きにマトリックス状に配設されて網目状構造をなす例を示したが、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造であれば図2(a)の構造に限定されない。
【0028】
例えば、図2(b)に示される遮光膜20のように、矩形のスペース部分22が連続する遮光体211で囲まれ、矩形のスペース部分22の4辺において隣り合うスペース部分22との間には遮光体211が存在し、各スペース部分22は4辺の方向において等間隔で配設された構成を採ることで網目状構造をなすように配設しても良い。
【0029】
そして、図3に示すように、層間絶縁膜1の主面全面に層間絶縁膜3が配設され、遮光膜2が層間絶縁膜3によって覆われている。なお、被写体の光情報を検出する有効画素領域の構成は基本的には無効画素領域の構成と同じであるが、有効画素領域のフォトダイオードPDの上方には遮光膜2が配設されていない。
【0030】
ここで、層間絶縁膜3はプラズマ酸化膜で形成され、層間絶縁膜3を形成した後、水素雰囲気中でのアニール処理(水素アニール)を行って、製造過程で生じたシリコンのダングリングボンドの終端化を行う。なお、水素アニールの条件は、400〜450℃の温度条件下で、100%の水素雰囲気中に半導体ウエーハを15〜30分間曝すことで実行される。
【0031】
<A−2.作用および効果>
層間絶縁膜3をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から水素基が脱離する。すなわち、プラズマ酸化ではシラン(SiH4)を使用するが、SiH4+O2→SiOH+H2O+Hの反応によりSiOH基や水素基が生じ、さらに、SiOH基から水素基が脱離して、層間絶縁膜3中には水素基が多数存在することになる。
【0032】
しかし、遮光膜2がフォトダイオードPDの上方に網目状をなすように配設されているので、図3に示すように、層間絶縁膜3中の水素基が遮光体21間のスペース部分22を通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0033】
また水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。この結果、無効画素領域におけるフォトダイオードPDの表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、遮光膜2が存在しない有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【0034】
なお、水素基を通過させるという観点に立てば、必ずしも遮光体とスペース部分とが規則的に配設されていなくても良く、遮光体のところどころに不規則にスペース部分が設けられた構成であっても良い。
【0035】
<A−3.変形例1>
以上説明した実施の形態1の構成においては、フォトダイオードPDの上方に網目状の遮光膜2を配設した構成を示したが、図4に示すように網目状の遮光膜2の上方に、さらに同様の遮光膜4を配設した多層構造としても良い。なお、図4においては、図3に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
図4に示すように遮光膜2の上部に対応する層間絶縁膜3の主面上には、遮光膜2と同じようにフォトダイオードPDの上方を覆う、網目状に形成された遮光膜4が配設されている。遮光膜4は、遮光膜2と同様に遮光体41が1つ置きにマトリックス状に配設され、遮光体41および遮光体41間のスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成されている。
【0037】
そして、層間絶縁膜3の主面全面に層間絶縁膜5が配設され、遮光膜4が層間絶縁膜5によって覆われている。ここで、層間絶縁膜5はプラズマ酸化膜で形成される。
【0038】
なお、遮光膜4は、層間絶縁膜3の主面上に配設される第2配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第2配線層と同じ工程で形成される。
【0039】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から脱離する水素基を、層間絶縁膜5中の水素基が遮光膜4のスペース部分42および遮光膜2のスペース部分22を通してフォトダイオードPDの表面に容易に到達させることができ、水素基を有効に利用してフォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0040】
特に、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成されているので、水素基が通過しやすく、水素基を効率良くフォトダイオードPDの表面に到達させることができる。
【0041】
なお、このように層間絶縁膜3上にさらに層間絶縁膜5を形成する場合は、層間絶縁膜3の形成後ではなく層間絶縁膜5の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0042】
<A−4.変形例2>
また、上述した変形例1においては、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成された構成を示したが、図5に示すように、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42が、それぞれ遮光膜2のスペース部分22および遮光体21の上部に重なるような構成としても良い。
【0043】
すなわち、図5においては、遮光膜2のスペース部分22の上方に遮光膜4の遮光体41が存在し、遮光膜2の遮光体21の上方に遮光膜4のスペース部分42が存在するように遮光膜4が配設されている。
【0044】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21および41によってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0045】
一方、層間絶縁膜3および5中の水素基は、遮光膜2のスペース部分22および遮光膜4のスペース部分42を通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができるので、遮光効果を損なうことなく、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができ、リーク電流低減の効果を高めることできる。
【0046】
なお、以上の説明においては、遮光膜2および4は、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第n配線層と同じ工程で遮光膜2を形成し、第n配線層よりも1層上の第(n+1)配線層と同じ工程で遮光膜4を形成するということであれば、上述した効果を得ることができる。
【0047】
ここで、図6および図7を用いて、遮光膜2を第n配線層と同じ工程で形成し、遮光膜4を第(n+1)配線層と同じ工程で形成するものとして、半導体基板102に対して斜め方向から入射する光を遮蔽可能な遮光体21および41の配設条件について説明する。なお図6および図7においては遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に完全には一致していないが、これは斜め方向から入射した光の遮蔽を説明するための便宜的な表現である。
【0048】
図6は、斜め方向から入射した光を、主として第(n+1)配線層と同じ工程で形成された遮光膜4によって遮るための遮光体21および41の配設条件を示す図である。
【0049】
図6においては、遮光体21と遮光体41との間の層間絶縁膜3の厚さHnを薄くしており、この場合の条件式は以下の数式(1)および(2)で表される。
【0050】
X:(Tn+Tn+1+Hn)=S:Tn+1・・・(1)
X<2S+L−dn+1・・・(2)
【0051】
上記数式(1)および(2)において、Xは特定の遮光体41の端縁部から垂直に延在する直線が層間絶縁膜1と交わる位置から、上記特定の遮光体41から入射光の進行方向側に数えて2つ目の遮光体21の端縁部が層間絶縁膜1と交わる位置までの長さを表し、Tnは遮光体21の厚さ、Tn+1は遮光体41の厚さ、dn+1は遮光体41と遮光体21との水平方向のずれの長さ、Lは遮光体21および41の幅、Sはスペース部分22および42の幅である。上記条件式に基づけば、以下の数式(3)を得ることができる。
【0052】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/Tn+1}<(2S+L−dn+1)・・・(3)
【0053】
上記数式(3)を満たすように遮光体21および41を配設することで、斜め方向から入射した光を、主として第(n+1)配線層と同じ工程で形成された遮光膜4によって遮ることができる。
【0054】
なお、真上からの入射光を遮るために、基本的には遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に一致するように配設するので、dn+1=Lとなり、数式(3)は、以下の数式(4)に書き直すことができる。
【0055】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/Tn+1}<2S・・・(4)
【0056】
図7は、斜め方向から入射した光を、主として第n配線層と同じ工程で形成された遮光膜2によって遮るための遮光体21および41の配設条件を示す図である。
【0057】
図7においては、遮光体21と遮光体41との間の層間絶縁膜3の厚さHnを厚くしており、この場合の条件式は以下の数式(5)および(6)で表される。
【0058】
X:(Tn+Tn+1+Hn)=S+L−dn+1:Tn+1+Hn・・・(5)
X>2S+L−dn+1・・・(6)
【0059】
上記条件式に基づけば、以下の数式(7)を得ることができる。
【0060】
{(S+L−dn+1)(Tn+Tn+1+Hn)/(Tn+1+Hn)}>(2S+L−dn+1)・・・(7)
【0061】
なお、上記数式(5)および(6)において、Xは、特定の遮光体41の端縁部から垂直に延在する直線が層間絶縁膜1と交わる位置から、上記特定の遮光体41の上部角部Aと上記特定の遮光体41から入射光の進行方向側に数えて1つ目の遮光体21の上部角部Bとを結ぶ直線(図では直線状の入射光として表している)が層間絶縁膜1と交わる位置までの長さを表している。その他のパラメータについては数式(1)、(2)と同じである。
【0062】
上記数式(7)を満たすように遮光体21および41を配設することで、斜め方向から入射した光を、主として第n配線層と同じ工程で形成された遮光膜2によって遮ることができる。
【0063】
なお、真上からの入射光を遮るために、基本的には遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に一致するように配設するので、dn+1=Lとなり、数式(7)は、以下の数式(8)に書き直すことができる。
【0064】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/(Tn+1+Hn)}>2S・・・(8)
【0065】
<A−5.変形例3>
以上説明した実施の形態1およびその変形例1、2においては、遮光膜2および4は、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2については、配線層とは異なる工程で形成しても良い。
【0066】
すなわち、配線層はアルミニウム配線層(AlCuなど)を中心層として、それをチタン(Ti)層やTiN層で挟んで構成されているが、Tiは水素を吸収する性質を有しているので、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2についてはTiを含む層を有さない構成とすることで、水素の吸収を防止して、より多くの水素をフォトダイオードPDの表面に到達させて、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を効率的に終端化させることができる。なお、遮光膜4についても同様の構造としても良いことは言うまでもない。
【0067】
製造方法の一例としては、配線層の形成において、中心層以外の配線層を形成する際には遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆い、中心層を形成する場合には当該レジスト膜を除去し、中心層を形成するためのパターンに遮光膜のパターンを加えたマスクを用いて中心層を形成し、中心層形成後は遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆うことで所望の遮光膜を得る。
【0068】
<B.実施の形態2>
本発明に係る実施の形態2として、図8および図9において、フォトダイオードPDの上方にストライプ状の遮光膜2aを間隔を開けて配設した構成を示す。なお、図8および図9においては、図2(a)および図3に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】
<B−1.装置構成>
図8は、図1に示す回路構成のうち、光学的黒を検出する無効画素領域の代表として選択した領域Rの構成を示す平面図であり、図9は、図8におけるY−Y線での矢視断面図である。
【0070】
図9に示すように、フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、複数のストライプ状の遮光体21aがストライプ状のスペース部分22aを間に挟んで互いに平行に配列されたストライプ状構造を有する遮光膜2aが配設されている。なお、図9では遮光体21aの幅をL、スペース部分22aの幅をSとして示す。
【0071】
遮光膜2aは、層間絶縁膜1の主面上に配設される第1配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第1配線層と同じ工程で形成される。
【0072】
なお、図8および図9では、遮光体21aの配列方向はゲート電極層108aのゲート長方向に平行な方向となっているが、ゲート長方向に垂直に配列するようにしても良い。
【0073】
そして、図9に示すように、層間絶縁膜1の主面全面に層間絶縁膜3が配設され、遮光膜2が層間絶縁膜3によって覆われている。
【0074】
ここで、層間絶縁膜3はプラズマ酸化膜で形成され、層間絶縁膜3を形成した後、水素雰囲気中でのアニール処理(水素アニール)を行って、製造過程で生じたシリコンのダングリングボンドの終端化を行う。なお、水素アニールの条件は、400〜450℃の温度条件下で、100%の水素雰囲気中に半導体ウエーハを15〜30分間曝すことで実行される。
【0075】
<B−2.作用および効果>
層間絶縁膜3をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から水素基が脱離して、層間絶縁膜3中には水素基が多数存在することになるが、フォトダイオードPDの上方には、複数のストライプ状の遮光体21aが間隔を開けて互いに平行に配列されたストライプ状構造の遮光膜2aが配設されているので、図9に示すように、層間絶縁膜3中の水素基が遮光体21a間のスペース部分22aを通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。なお、遮光体21aをストライプ状とすることで、形成が容易にできる。
【0076】
また水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。この結果、無効画素領域におけるフォトダイオードPDの表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、遮光膜2が存在しない有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【0077】
<B−3.変形例1>
以上説明した実施の形態2の構成においては、フォトダイオードPDの上方にストライプ状構造の遮光膜2aを配設した構成を示したが、図10に示すように遮光膜2aの上方に、さらに同様の遮光膜4aを配設した多層構造としても良い。なお、図10においては、図9に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0078】
図10に示すように遮光膜2aの上部に対応する層間絶縁膜3の主面上には、遮光膜2aと同じようにフォトダイオードPDの上方を覆う、ストライプ状の遮光膜4aが配設されている。遮光膜4aは、遮光膜2aと同様に複数のストライプ状の遮光体41aがストライプ状のスペース部分42aを間に挟んで互いに平行に配列され、遮光体41aおよび遮光体41a間のスペース部分42aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aの遮光体21aおよびスペース部分22aの配設位置と一致するように形成されている。
【0079】
そして、層間絶縁膜3の主面全面に層間絶縁膜5が配設され、遮光膜4aが層間絶縁膜5によって覆われている。ここで、層間絶縁膜5はプラズマ酸化膜で形成される。
【0080】
なお、遮光膜4aは、層間絶縁膜3の主面上に配設される第2配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第2配線層と同じ工程で形成される。
【0081】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から脱離する水素基を、層間絶縁膜5中の水素基が遮光膜4aのスペース部分42aおよび遮光膜2aのスペース部分22aを通してフォトダイオードPDの表面に容易に到達させることができ、水素基を有効に利用してフォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0082】
なお、このように層間絶縁膜3上にさらに層間絶縁膜5を形成する場合は、層間絶縁膜3の形成後ではなく層間絶縁膜5の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0083】
<B−4.変形例2>
図10では、遮光膜2aの上方に配設する遮光膜4aの遮光体41aの配列方向は、遮光膜2aと同様にゲート電極層108aのゲート長方向に平行な方向とした例を示したが、図11に示すようにゲート長方向に垂直な方向に配列するようにしても良い。
【0084】
すなわち、図11に示すように、遮光膜4aの遮光体41aは、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列されている。
【0085】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5および3中の水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。また、水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0086】
さらに、遮光膜4aの遮光体41aを、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列することで、遮光体41aによって遮光膜2aのスペース部分22aが覆われる部分が形成され、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光の大部分を遮光体21aおよび41aによって遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を高めることができる。
【0087】
<B−5.変形例3>
変形例1においては、遮光膜4aの遮光体41aおよびスペース部分42aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aの遮光体21aおよびスペース部分22aの配設位置と一致するように形成された構成を示したが、図12に示すように、遮光膜4aの遮光体41aおよびスペース部分42aが、それぞれ遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光体21aの上部に重なるような構成としても良い。
【0088】
すなわち、図12においては、遮光膜2aのスペース部分22aの上方に遮光膜4aの遮光体41aが存在し、遮光膜2aの遮光体21aの上方に遮光膜4aのスペース部分42aが存在するように遮光膜4aが配設されている。
【0089】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21aおよび41aによってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0090】
一方、層間絶縁膜3および5中の水素基は、遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光膜4aのスペース部分42aを通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができるので、遮光効果を損なうことなく、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができ、リーク電流低減の効果を高めることできる。
【0091】
なお、以上の説明においては、遮光膜2aおよび4aは、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第n配線層と同じ工程で遮光膜2を形成し、第n配線層よりも1層上の第(n+1)配線層と同じ工程で遮光膜4を形成するということであれば、上述した効果を得ることができる。
【0092】
また、斜め方向から入射した光を遮るための遮光体21aおよび41aの配設条件については、数式(1)〜(8)を用いて説明した遮光体21および41の配設条件と同様である。
【0093】
<B−6.変形例4>
図13に示すように、遮光膜4aの遮光体41aを、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列した構成において、層間絶縁膜5の主面上に、遮光膜4aの上方を覆うようにストライプ状構造の遮光膜6aを配設しても良い。遮光膜6aは、遮光膜2aおよび4aと同様に複数のストライプ状の遮光体61aがストライプ状のスペース部分62aを間に挟んで互いに平行に配列されたストライプ状構造を有している。ここで、遮光膜6aは、遮光体61aおよびスペース部分62aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光体21aの上部に重なるように配設されている。
【0094】
遮光膜6aは、層間絶縁膜5の主面上に配設される第3配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第3配線層と同じ工程で形成される。なお、層間絶縁膜5の主面全面に層間絶縁膜7が配設され、遮光膜6aが層間絶縁膜7によって覆われている。ここで、層間絶縁膜7はプラズマ酸化膜で形成される。
【0095】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21a、41aおよび61aによってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0096】
なお、このように層間絶縁膜5上にさらに層間絶縁膜7を形成する場合は、層間絶縁膜7の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0097】
<B−7.変形例5>
以上説明した実施の形態2およびその変形例1〜4においては、遮光膜2a、4aおよび6aは、それぞれ第1配線層、第2配線層および第3配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2aについては、配線層とは異なる工程で形成しても良い。
【0098】
すなわち、配線層はアルミニウムを含む合金層(AlSiCu,AlCu等)を中心層として、それをチタン(Ti)層やチタン化合物(TiN、TiW等)層で挟んで構成されているが、Tiは水素を吸収する性質を有しているので、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2についてはTiを含む層を有さない構成とすることで、水素の吸収を防止して、より多くの水素をフォトダイオードPDの表面に到達させて、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を効率的に終端化させることができる。なお、遮光膜4aおよび4bについても同様の構造としても良いことは言うまでもない。なお、この構成は実施の形態1において説明した遮光膜2において採用しても良いことは言うまでもない。
【0099】
製造方法の一例としては、配線層の形成において、中心層以外の配線層を形成する際には遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆い、中心層を形成する場合には当該レジスト膜を除去し、中心層を形成するためのパターンに遮光膜のパターンを加えたマスクを用いて中心層を形成し、中心層形成後は遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆うことで所望の遮光膜を得る。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の固体撮像素子によれば、光電変換蓄積部上に配設された少なくとも1層の遮光膜の平面構造が、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造を有するので、少なくとも1層の遮光膜を覆う層間絶縁膜中の水素基が遮光体間のスペース部分を通って光電変換蓄積部の表面に容易に到達することができ、光電変換蓄積部の表面に存在する準位を終端化することができる。また水素アニールの際にも、水素基が光電変換蓄積部の表面に容易に到達することができ、光電変換蓄積部の表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。従って、当該遮光膜を有する固体撮像素子を、光学的黒を検出する無効画素領域に用いた場合、無効画素領域における光電変換蓄積部の表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、被写体の光情報を検出する有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMOS型イメージセンサを備えた半導体装置の回路構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態1の固体撮像素子の構成を示す平面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態1の変形例1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の遮光膜の配設条件を説明するための図である。
【図7】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の遮光膜の配設条件を説明するための図である。
【図8】本発明に係る実施の形態2の固体撮像素子の構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る実施の形態2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図10】本発明に係る実施の形態2の変形例1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る実施の形態2の変形例2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係る実施の形態2の変形例3の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図13】本発明に係る実施の形態2の変形例4の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2,4,2a,4a,6a 遮光膜、21,41,21a,41a,61a 遮光体、22,42,22a,42a,62a スペース部分。
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子に関し、特に、光学的黒を検出する無効画素領域を有する固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子の1つとして、特許文献1に開示されるようなCCD(電荷結合素子)が挙げられる。特許文献1においては、被写体の光情報を検出する有効画素領域と、光学的黒を検出する無効画素領域とで黒レベルに差のない固体撮像素子を得るために、有効画素領域および無効画素領域において遮光膜を設け、受光部の上部に対応する部分には遮光膜に開口部を設ける構成が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−230402号公報(図1、2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に固体撮像素子等の半導体装置の製造過程においては、半導体基板表面は種々の工程、例えばゲート電極のエッチング時にプラズマに曝されることによってダメージを受け、リーク電流の発生源となる準位が形成されることがある。この準位は同じく半導体装置の製造過程で水素、もしくは水素を含むイオンに曝されることによって終端化することが可能であり、その場合にはリーク電流の発生を抑えることが可能となる。
【0005】
ところが、一般に、遮光膜はTiW等の水素基を吸収もしくは遮蔽する効果を有する材料で構成されるため、遮光膜を形成した領域ではリーク電流の発生源となる準位を終端化する効果が十分に得られない。
【0006】
そして、固体撮像素子では、有効画素領域には遮光膜を設けず、無効画素領域にのみ遮光膜を設けることが一般的であるので、無効画素領域ではリーク電流の発生源となる準位を終端化する効果が十分に得られず、無効画素領域と有効画素領域とで半導体基板表面の準位の終端化率が異なることとなる。この結果、無効画素領域と有効画素領域とで遮光状態でのリーク電流レベルが異なって、一方の出力が大きくあるいは小さくなり過ぎてしまう。
【0007】
一般に、固体撮像素子における画像の黒レベル(光が照射されない状態での素子出力)は、無効画素領域の出力が基準となり、実際に撮像する際には、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引くことによって、信号のノイズ成分を除去している。このため、光を照射しない状態においては、無効画素領域の出力と有効画素領域の出力とが一致していることが望ましい。
【0008】
しかし、無効画素領域と有効画素領域とで遮光状態でのリーク電流レベルが異なる場合、例えば、無効画素領域の出力が大きい場合、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引くと、有効な信号成分までも除去されてしまい、画質が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、遮光の効果は損なうことなく、製造過程において生じる水素基を有効に活用して、リーク電流の発生源となる基板表面の準位を終端化させた固体撮像素子を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の固体撮像素子は、入射光を電気信号に変換し、生成された電荷を蓄積する光電変換蓄積部と、前記光電変換蓄積部の上方に配設された少なくとも1層の遮光膜とを備え、前記少なくとも1層の遮光膜の平面構造は、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造を有している。
【0011】
【発明の実施の形態】
近年、固体撮像素子の1つとして、増幅型センサを用いたものが提案されている。この素子は、光電変換蓄積部で検出した光の信号を、光電変換蓄積部のごく近傍で増幅するという特徴を有している。実施の形態の説明においては、固体撮像素子として増幅型センサを例に採って説明するものであり、実施の形態の説明に先立って増幅型センサの回路構成の一例について説明する。
【0012】
<増幅型センサの回路構成例>
図1は、固体撮像素子としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサを備えた半導体装置の回路構成を示す図である。図1に示すように、単位画素あるいは単位セルCがマトリックス状に配置され、各セルCの各々が垂直シフトレジスタVSおよび水平シフトレジスタHSに接続されている。
【0013】
各単位セルCは、フォトダイオードPDと、転送スイッチM1と、リセットスイッチM2と、アンプ(増幅器)M3と、選択スイッチM4とを有している。
【0014】
フォトダイオードPDは、入射光を電気信号に変換し、生成された電荷を蓄積する光電変換蓄積部たる役割を有している。転送スイッチM1は、この変換された電気信号をアンプM3へと転送する役割を有し、その制御は垂直シフトレジスタVSからの信号により行われる。リセットスイッチM2は、信号電荷をリセットする役割を有しており、アンプM3は電気信号を増幅する役割を有している。
【0015】
なお、転送スイッチM1、リセットスイッチM2、アンプM3および選択スイッチM4の各々は、MOSトランジスタで構成されている。
【0016】
<A.実施の形態1>
<A−1.装置構成>
以下、本発明に係る実施の形態1として、CMOS型イメージセンサを備えた半導体装置の構成について、図1を参照しつつ、図2(a)、(b)および図3を用いて説明する。
【0017】
図2(a)は、図1に示す回路構成のうち、光学的黒(Optical Black:OB)を検出する無効画素領域の代表として選択した領域Rの構成を示す平面図であり、図3は、図2(a)におけるX−X線での矢視断面図である。
【0018】
図2(a)および図3に示すように、P型半導体基板102の表面には、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により形成された素子分離絶縁層103が配設されている。さらに、P型半導体基板102上には、フォトダイオードPD、転送スイッチM1およびリセットスイッチM2が配設されている。
【0019】
フォトダイオードPDは、P型半導体基板102と、その主面内に配設されたN型不純物領域104(N型活性領域)とのPN接合により構成されている。そして、N型不純物領域104に重なるように、P型半導体基板102の主面内にはN型不純物領域104よりも浅いP型不純物領域105(P型活性領域)が配設されている。
【0020】
このP型不純物領域105は、P型半導体基板102とN型不純物領域104とのPN接合の空乏層が到達しないような深さに形成されている。
【0021】
転送スイッチM1は、N型ソース領域104、N型ドレイン領域106a(N型活性領域)およびゲート電極層108aを有している。N型ドレイン領域106aは、動作中に浮遊状態となるときがあるのでFD(Floating Diffusion)と表示する。
【0022】
N型ソース領域104とN型ドレイン領域106aとは、所定の距離だけ間隔を開けてP型半導体基板102の表面内に配設されている。そして、ゲート電極層108aが、P型半導体基板102のN型ソース領域104とN型ドレイン領域106aとで挟まれる領域上にゲート絶縁層107を介して配設されている。なお、フォトダイオードPDのN型不純物領域104と転送スイッチM1のN型ソース領域104とは同一の領域であり、各素子を区別する観点から別個に呼称している。
【0023】
リセットスイッチM2は、一対のN型ソース/ドレイン領域106aと、ゲート電極層108bとを有している。一対のN型ソース/ドレイン領域106aは、互いに所定の距離を隔てるように半導体基板102の表面内に配設されている。
【0024】
そして、ゲート電極層108bは、P型半導体基板102の一対のN型ソース/ドレイン領域106aに挟まれる領域上にゲート絶縁層(図示せず)を介して配設されている。なお、転送スイッチM1のN型ドレイン領域106aとリセットスイッチM2のN型ソース/ドレイン領域106aの一方とも同一の領域であり、各素子を区別する観点から別個に呼称しているにすぎない。
【0025】
図3に示すように、P型半導体基板102の主面全面に層間絶縁膜1が配設され、ゲート電極層108a等が層間絶縁膜1によって覆われている。そして、図2(a)に示すように、フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、遮光体21が網目状に配設されて網目状構造を有する遮光膜2が配設されている。
【0026】
遮光膜2は、層間絶縁膜1の主面上に配設される第1配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第1配線層と同じ工程で形成される。
【0027】
なお、図2(a)においては、遮光膜2の平面視形状として、独立した矩形の遮光体21が1つ置きにマトリックス状に配設されて網目状構造をなす例を示したが、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造であれば図2(a)の構造に限定されない。
【0028】
例えば、図2(b)に示される遮光膜20のように、矩形のスペース部分22が連続する遮光体211で囲まれ、矩形のスペース部分22の4辺において隣り合うスペース部分22との間には遮光体211が存在し、各スペース部分22は4辺の方向において等間隔で配設された構成を採ることで網目状構造をなすように配設しても良い。
【0029】
そして、図3に示すように、層間絶縁膜1の主面全面に層間絶縁膜3が配設され、遮光膜2が層間絶縁膜3によって覆われている。なお、被写体の光情報を検出する有効画素領域の構成は基本的には無効画素領域の構成と同じであるが、有効画素領域のフォトダイオードPDの上方には遮光膜2が配設されていない。
【0030】
ここで、層間絶縁膜3はプラズマ酸化膜で形成され、層間絶縁膜3を形成した後、水素雰囲気中でのアニール処理(水素アニール)を行って、製造過程で生じたシリコンのダングリングボンドの終端化を行う。なお、水素アニールの条件は、400〜450℃の温度条件下で、100%の水素雰囲気中に半導体ウエーハを15〜30分間曝すことで実行される。
【0031】
<A−2.作用および効果>
層間絶縁膜3をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から水素基が脱離する。すなわち、プラズマ酸化ではシラン(SiH4)を使用するが、SiH4+O2→SiOH+H2O+Hの反応によりSiOH基や水素基が生じ、さらに、SiOH基から水素基が脱離して、層間絶縁膜3中には水素基が多数存在することになる。
【0032】
しかし、遮光膜2がフォトダイオードPDの上方に網目状をなすように配設されているので、図3に示すように、層間絶縁膜3中の水素基が遮光体21間のスペース部分22を通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0033】
また水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。この結果、無効画素領域におけるフォトダイオードPDの表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、遮光膜2が存在しない有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【0034】
なお、水素基を通過させるという観点に立てば、必ずしも遮光体とスペース部分とが規則的に配設されていなくても良く、遮光体のところどころに不規則にスペース部分が設けられた構成であっても良い。
【0035】
<A−3.変形例1>
以上説明した実施の形態1の構成においては、フォトダイオードPDの上方に網目状の遮光膜2を配設した構成を示したが、図4に示すように網目状の遮光膜2の上方に、さらに同様の遮光膜4を配設した多層構造としても良い。なお、図4においては、図3に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
図4に示すように遮光膜2の上部に対応する層間絶縁膜3の主面上には、遮光膜2と同じようにフォトダイオードPDの上方を覆う、網目状に形成された遮光膜4が配設されている。遮光膜4は、遮光膜2と同様に遮光体41が1つ置きにマトリックス状に配設され、遮光体41および遮光体41間のスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成されている。
【0037】
そして、層間絶縁膜3の主面全面に層間絶縁膜5が配設され、遮光膜4が層間絶縁膜5によって覆われている。ここで、層間絶縁膜5はプラズマ酸化膜で形成される。
【0038】
なお、遮光膜4は、層間絶縁膜3の主面上に配設される第2配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第2配線層と同じ工程で形成される。
【0039】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から脱離する水素基を、層間絶縁膜5中の水素基が遮光膜4のスペース部分42および遮光膜2のスペース部分22を通してフォトダイオードPDの表面に容易に到達させることができ、水素基を有効に利用してフォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0040】
特に、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成されているので、水素基が通過しやすく、水素基を効率良くフォトダイオードPDの表面に到達させることができる。
【0041】
なお、このように層間絶縁膜3上にさらに層間絶縁膜5を形成する場合は、層間絶縁膜3の形成後ではなく層間絶縁膜5の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0042】
<A−4.変形例2>
また、上述した変形例1においては、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42の配設位置が、それぞれ遮光膜2の遮光体21およびスペース部分22の配設位置と一致するように形成された構成を示したが、図5に示すように、遮光膜4の遮光体41およびスペース部分42が、それぞれ遮光膜2のスペース部分22および遮光体21の上部に重なるような構成としても良い。
【0043】
すなわち、図5においては、遮光膜2のスペース部分22の上方に遮光膜4の遮光体41が存在し、遮光膜2の遮光体21の上方に遮光膜4のスペース部分42が存在するように遮光膜4が配設されている。
【0044】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21および41によってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0045】
一方、層間絶縁膜3および5中の水素基は、遮光膜2のスペース部分22および遮光膜4のスペース部分42を通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができるので、遮光効果を損なうことなく、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができ、リーク電流低減の効果を高めることできる。
【0046】
なお、以上の説明においては、遮光膜2および4は、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第n配線層と同じ工程で遮光膜2を形成し、第n配線層よりも1層上の第(n+1)配線層と同じ工程で遮光膜4を形成するということであれば、上述した効果を得ることができる。
【0047】
ここで、図6および図7を用いて、遮光膜2を第n配線層と同じ工程で形成し、遮光膜4を第(n+1)配線層と同じ工程で形成するものとして、半導体基板102に対して斜め方向から入射する光を遮蔽可能な遮光体21および41の配設条件について説明する。なお図6および図7においては遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に完全には一致していないが、これは斜め方向から入射した光の遮蔽を説明するための便宜的な表現である。
【0048】
図6は、斜め方向から入射した光を、主として第(n+1)配線層と同じ工程で形成された遮光膜4によって遮るための遮光体21および41の配設条件を示す図である。
【0049】
図6においては、遮光体21と遮光体41との間の層間絶縁膜3の厚さHnを薄くしており、この場合の条件式は以下の数式(1)および(2)で表される。
【0050】
X:(Tn+Tn+1+Hn)=S:Tn+1・・・(1)
X<2S+L−dn+1・・・(2)
【0051】
上記数式(1)および(2)において、Xは特定の遮光体41の端縁部から垂直に延在する直線が層間絶縁膜1と交わる位置から、上記特定の遮光体41から入射光の進行方向側に数えて2つ目の遮光体21の端縁部が層間絶縁膜1と交わる位置までの長さを表し、Tnは遮光体21の厚さ、Tn+1は遮光体41の厚さ、dn+1は遮光体41と遮光体21との水平方向のずれの長さ、Lは遮光体21および41の幅、Sはスペース部分22および42の幅である。上記条件式に基づけば、以下の数式(3)を得ることができる。
【0052】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/Tn+1}<(2S+L−dn+1)・・・(3)
【0053】
上記数式(3)を満たすように遮光体21および41を配設することで、斜め方向から入射した光を、主として第(n+1)配線層と同じ工程で形成された遮光膜4によって遮ることができる。
【0054】
なお、真上からの入射光を遮るために、基本的には遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に一致するように配設するので、dn+1=Lとなり、数式(3)は、以下の数式(4)に書き直すことができる。
【0055】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/Tn+1}<2S・・・(4)
【0056】
図7は、斜め方向から入射した光を、主として第n配線層と同じ工程で形成された遮光膜2によって遮るための遮光体21および41の配設条件を示す図である。
【0057】
図7においては、遮光体21と遮光体41との間の層間絶縁膜3の厚さHnを厚くしており、この場合の条件式は以下の数式(5)および(6)で表される。
【0058】
X:(Tn+Tn+1+Hn)=S+L−dn+1:Tn+1+Hn・・・(5)
X>2S+L−dn+1・・・(6)
【0059】
上記条件式に基づけば、以下の数式(7)を得ることができる。
【0060】
{(S+L−dn+1)(Tn+Tn+1+Hn)/(Tn+1+Hn)}>(2S+L−dn+1)・・・(7)
【0061】
なお、上記数式(5)および(6)において、Xは、特定の遮光体41の端縁部から垂直に延在する直線が層間絶縁膜1と交わる位置から、上記特定の遮光体41の上部角部Aと上記特定の遮光体41から入射光の進行方向側に数えて1つ目の遮光体21の上部角部Bとを結ぶ直線(図では直線状の入射光として表している)が層間絶縁膜1と交わる位置までの長さを表している。その他のパラメータについては数式(1)、(2)と同じである。
【0062】
上記数式(7)を満たすように遮光体21および41を配設することで、斜め方向から入射した光を、主として第n配線層と同じ工程で形成された遮光膜2によって遮ることができる。
【0063】
なお、真上からの入射光を遮るために、基本的には遮光体41の配置位置がスペース部分22の上部に一致するように配設するので、dn+1=Lとなり、数式(7)は、以下の数式(8)に書き直すことができる。
【0064】
{S(Tn+Tn+1+Hn)/(Tn+1+Hn)}>2S・・・(8)
【0065】
<A−5.変形例3>
以上説明した実施の形態1およびその変形例1、2においては、遮光膜2および4は、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2については、配線層とは異なる工程で形成しても良い。
【0066】
すなわち、配線層はアルミニウム配線層(AlCuなど)を中心層として、それをチタン(Ti)層やTiN層で挟んで構成されているが、Tiは水素を吸収する性質を有しているので、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2についてはTiを含む層を有さない構成とすることで、水素の吸収を防止して、より多くの水素をフォトダイオードPDの表面に到達させて、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を効率的に終端化させることができる。なお、遮光膜4についても同様の構造としても良いことは言うまでもない。
【0067】
製造方法の一例としては、配線層の形成において、中心層以外の配線層を形成する際には遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆い、中心層を形成する場合には当該レジスト膜を除去し、中心層を形成するためのパターンに遮光膜のパターンを加えたマスクを用いて中心層を形成し、中心層形成後は遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆うことで所望の遮光膜を得る。
【0068】
<B.実施の形態2>
本発明に係る実施の形態2として、図8および図9において、フォトダイオードPDの上方にストライプ状の遮光膜2aを間隔を開けて配設した構成を示す。なお、図8および図9においては、図2(a)および図3に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】
<B−1.装置構成>
図8は、図1に示す回路構成のうち、光学的黒を検出する無効画素領域の代表として選択した領域Rの構成を示す平面図であり、図9は、図8におけるY−Y線での矢視断面図である。
【0070】
図9に示すように、フォトダイオードPDを構成するN型ソース領域104およびP型不純物領域105の上部に対応する層間絶縁膜1の主面上には、複数のストライプ状の遮光体21aがストライプ状のスペース部分22aを間に挟んで互いに平行に配列されたストライプ状構造を有する遮光膜2aが配設されている。なお、図9では遮光体21aの幅をL、スペース部分22aの幅をSとして示す。
【0071】
遮光膜2aは、層間絶縁膜1の主面上に配設される第1配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第1配線層と同じ工程で形成される。
【0072】
なお、図8および図9では、遮光体21aの配列方向はゲート電極層108aのゲート長方向に平行な方向となっているが、ゲート長方向に垂直に配列するようにしても良い。
【0073】
そして、図9に示すように、層間絶縁膜1の主面全面に層間絶縁膜3が配設され、遮光膜2が層間絶縁膜3によって覆われている。
【0074】
ここで、層間絶縁膜3はプラズマ酸化膜で形成され、層間絶縁膜3を形成した後、水素雰囲気中でのアニール処理(水素アニール)を行って、製造過程で生じたシリコンのダングリングボンドの終端化を行う。なお、水素アニールの条件は、400〜450℃の温度条件下で、100%の水素雰囲気中に半導体ウエーハを15〜30分間曝すことで実行される。
【0075】
<B−2.作用および効果>
層間絶縁膜3をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から水素基が脱離して、層間絶縁膜3中には水素基が多数存在することになるが、フォトダイオードPDの上方には、複数のストライプ状の遮光体21aが間隔を開けて互いに平行に配列されたストライプ状構造の遮光膜2aが配設されているので、図9に示すように、層間絶縁膜3中の水素基が遮光体21a間のスペース部分22aを通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。なお、遮光体21aをストライプ状とすることで、形成が容易にできる。
【0076】
また水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。この結果、無効画素領域におけるフォトダイオードPDの表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、遮光膜2が存在しない有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【0077】
<B−3.変形例1>
以上説明した実施の形態2の構成においては、フォトダイオードPDの上方にストライプ状構造の遮光膜2aを配設した構成を示したが、図10に示すように遮光膜2aの上方に、さらに同様の遮光膜4aを配設した多層構造としても良い。なお、図10においては、図9に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0078】
図10に示すように遮光膜2aの上部に対応する層間絶縁膜3の主面上には、遮光膜2aと同じようにフォトダイオードPDの上方を覆う、ストライプ状の遮光膜4aが配設されている。遮光膜4aは、遮光膜2aと同様に複数のストライプ状の遮光体41aがストライプ状のスペース部分42aを間に挟んで互いに平行に配列され、遮光体41aおよび遮光体41a間のスペース部分42aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aの遮光体21aおよびスペース部分22aの配設位置と一致するように形成されている。
【0079】
そして、層間絶縁膜3の主面全面に層間絶縁膜5が配設され、遮光膜4aが層間絶縁膜5によって覆われている。ここで、層間絶縁膜5はプラズマ酸化膜で形成される。
【0080】
なお、遮光膜4aは、層間絶縁膜3の主面上に配設される第2配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第2配線層と同じ工程で形成される。
【0081】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5をプラズマ酸化膜で形成する際に、中間生成物として生じるSiOH基やSiH基から脱離する水素基を、層間絶縁膜5中の水素基が遮光膜4aのスペース部分42aおよび遮光膜2aのスペース部分22aを通してフォトダイオードPDの表面に容易に到達させることができ、水素基を有効に利用してフォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。
【0082】
なお、このように層間絶縁膜3上にさらに層間絶縁膜5を形成する場合は、層間絶縁膜3の形成後ではなく層間絶縁膜5の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0083】
<B−4.変形例2>
図10では、遮光膜2aの上方に配設する遮光膜4aの遮光体41aの配列方向は、遮光膜2aと同様にゲート電極層108aのゲート長方向に平行な方向とした例を示したが、図11に示すようにゲート長方向に垂直な方向に配列するようにしても良い。
【0084】
すなわち、図11に示すように、遮光膜4aの遮光体41aは、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列されている。
【0085】
このような構成を採ることで、層間絶縁膜5および3中の水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができる。また、水素アニールの際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0086】
さらに、遮光膜4aの遮光体41aを、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列することで、遮光体41aによって遮光膜2aのスペース部分22aが覆われる部分が形成され、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光の大部分を遮光体21aおよび41aによって遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を高めることができる。
【0087】
<B−5.変形例3>
変形例1においては、遮光膜4aの遮光体41aおよびスペース部分42aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aの遮光体21aおよびスペース部分22aの配設位置と一致するように形成された構成を示したが、図12に示すように、遮光膜4aの遮光体41aおよびスペース部分42aが、それぞれ遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光体21aの上部に重なるような構成としても良い。
【0088】
すなわち、図12においては、遮光膜2aのスペース部分22aの上方に遮光膜4aの遮光体41aが存在し、遮光膜2aの遮光体21aの上方に遮光膜4aのスペース部分42aが存在するように遮光膜4aが配設されている。
【0089】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21aおよび41aによってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0090】
一方、層間絶縁膜3および5中の水素基は、遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光膜4aのスペース部分42aを通ってフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができるので、遮光効果を損なうことなく、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を終端化することができ、リーク電流低減の効果を高めることできる。
【0091】
なお、以上の説明においては、遮光膜2aおよび4aは、それぞれ第1配線層および第2配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第n配線層と同じ工程で遮光膜2を形成し、第n配線層よりも1層上の第(n+1)配線層と同じ工程で遮光膜4を形成するということであれば、上述した効果を得ることができる。
【0092】
また、斜め方向から入射した光を遮るための遮光体21aおよび41aの配設条件については、数式(1)〜(8)を用いて説明した遮光体21および41の配設条件と同様である。
【0093】
<B−6.変形例4>
図13に示すように、遮光膜4aの遮光体41aを、遮光膜2aの遮光体21aの配列方向と平面視的に直交するように配列した構成において、層間絶縁膜5の主面上に、遮光膜4aの上方を覆うようにストライプ状構造の遮光膜6aを配設しても良い。遮光膜6aは、遮光膜2aおよび4aと同様に複数のストライプ状の遮光体61aがストライプ状のスペース部分62aを間に挟んで互いに平行に配列されたストライプ状構造を有している。ここで、遮光膜6aは、遮光体61aおよびスペース部分62aの配設位置が、それぞれ遮光膜2aのスペース部分22aおよび遮光体21aの上部に重なるように配設されている。
【0094】
遮光膜6aは、層間絶縁膜5の主面上に配設される第3配線層(図示せず)と同じ材質で、当該第3配線層と同じ工程で形成される。なお、層間絶縁膜5の主面全面に層間絶縁膜7が配設され、遮光膜6aが層間絶縁膜7によって覆われている。ここで、層間絶縁膜7はプラズマ酸化膜で形成される。
【0095】
このような構成を採ることで、半導体基板102に対して垂直な方向から入射する光を遮光体21a、41aおよび61aによってほぼ遮ることができ、フォトダイオードPDに到達する光を低減して、遮光効果を飛躍的に高めることができる。
【0096】
なお、このように層間絶縁膜5上にさらに層間絶縁膜7を形成する場合は、層間絶縁膜7の形成後に水素アニールを行うが、その際にも、水素基がフォトダイオードPDの表面に容易に到達することができ、フォトダイオードPDの表面に存在する準位の終端化をさらに促進して、リーク電流低減の効果を高めることができる。
【0097】
<B−7.変形例5>
以上説明した実施の形態2およびその変形例1〜4においては、遮光膜2a、4aおよび6aは、それぞれ第1配線層、第2配線層および第3配線層と同じ工程で形成されるものとして説明したが、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2aについては、配線層とは異なる工程で形成しても良い。
【0098】
すなわち、配線層はアルミニウムを含む合金層(AlSiCu,AlCu等)を中心層として、それをチタン(Ti)層やチタン化合物(TiN、TiW等)層で挟んで構成されているが、Tiは水素を吸収する性質を有しているので、少なくともフォトダイオードPDに最も近い遮光膜2についてはTiを含む層を有さない構成とすることで、水素の吸収を防止して、より多くの水素をフォトダイオードPDの表面に到達させて、フォトダイオードPDの表面に存在する準位を効率的に終端化させることができる。なお、遮光膜4aおよび4bについても同様の構造としても良いことは言うまでもない。なお、この構成は実施の形態1において説明した遮光膜2において採用しても良いことは言うまでもない。
【0099】
製造方法の一例としては、配線層の形成において、中心層以外の配線層を形成する際には遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆い、中心層を形成する場合には当該レジスト膜を除去し、中心層を形成するためのパターンに遮光膜のパターンを加えたマスクを用いて中心層を形成し、中心層形成後は遮光膜の形成領域は保護のためのレジスト膜等で全面的に覆うことで所望の遮光膜を得る。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の固体撮像素子によれば、光電変換蓄積部上に配設された少なくとも1層の遮光膜の平面構造が、遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造を有するので、少なくとも1層の遮光膜を覆う層間絶縁膜中の水素基が遮光体間のスペース部分を通って光電変換蓄積部の表面に容易に到達することができ、光電変換蓄積部の表面に存在する準位を終端化することができる。また水素アニールの際にも、水素基が光電変換蓄積部の表面に容易に到達することができ、光電変換蓄積部の表面に存在する準位の終端化をさらに促進する。従って、当該遮光膜を有する固体撮像素子を、光学的黒を検出する無効画素領域に用いた場合、無効画素領域における光電変換蓄積部の表面におけるリーク電流の発生を抑制することができ、被写体の光情報を検出する有効画素領域とのリーク電流の差を解消することができ、有効画素領域の出力から無効画素領域の出力を差し引いて信号のノイズ成分を除去する際に、有効な信号成分が除去されることがなく、撮影画像の画質が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMOS型イメージセンサを備えた半導体装置の回路構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態1の固体撮像素子の構成を示す平面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態1の変形例1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の遮光膜の配設条件を説明するための図である。
【図7】本発明に係る実施の形態1の変形例2の固体撮像素子の遮光膜の配設条件を説明するための図である。
【図8】本発明に係る実施の形態2の固体撮像素子の構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る実施の形態2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図10】本発明に係る実施の形態2の変形例1の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る実施の形態2の変形例2の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係る実施の形態2の変形例3の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【図13】本発明に係る実施の形態2の変形例4の固体撮像素子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2,4,2a,4a,6a 遮光膜、21,41,21a,41a,61a 遮光体、22,42,22a,42a,62a スペース部分。
Claims (12)
- 入射光を電気信号に変換し、生成された電荷を蓄積する光電変換蓄積部と、
前記光電変換蓄積部の上方に配設された少なくとも1層の遮光膜とを備え、
前記少なくとも1層の遮光膜の平面構造は、
遮光体とスペース部分とが規則的に配設された構造を有する固体撮像素子。 - 前記遮光体は、独立した複数の遮光体を含み、
前記少なくとも1層の遮光膜の平面構造は、
前記遮光体間に前記スペース部分が配設されるように、前記遮光体が網目状に配設された網目状構造を有する、請求項1記載の固体撮像素子。 - 前記少なくとも1層の遮光膜は、
それぞれ層間絶縁膜を間に挟んで配設された多層の遮光膜であって、全ての層が前記網目状構造を有する、請求項2記載の固体撮像素子。 - 前記遮光体は、ストライプ状の複数の遮光体を含み、
前記スペース部分は、ストライプ状の複数のスペース部分を含み、
前記少なくとも1層の遮光膜の平面構造は、
前記遮光体間に前記スペース部分を挟むように、前記遮光体が互いに平行に配列されたストライプ状構造を有する、請求項1記載の固体撮像素子。 - 前記少なくとも1層の遮光膜は、それぞれ層間絶縁膜を間に挟んで配設された多層の遮光膜であって、
全ての層が前記ストライプ状構造を有する、請求項4記載の固体撮像素子。 - 前記多層の遮光膜は、
第n層目の遮光膜の遮光体およびスペース部分の上方をそれぞれ覆うように、第(n+1)層目の遮光膜の遮光体およびスペース部分が配設される、請求項3または請求項5記載の固体撮像素子。 - 前記多層の遮光膜は、
第n層目の遮光膜の遮光体およびスペース部分の上方をそれぞれ覆うように、第(n+1)層目の遮光膜のスペース部分および遮光体が配設される、請求項3または請求項5記載の固体撮像素子。 - 前記第n層目の遮光膜および前記第(n+1)層目の遮光膜は、それぞれの前記スペース部分の寸法Sが同一で、それぞれの前記遮光体の寸法Lが同一であって、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体の高さをTn、
前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体の高さをTn+1、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体と前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体との間の前記層間絶縁膜の厚さをHn、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体と前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体との水平方向のずれの長さをdn+1とした場合、
前記第n層目の遮光膜および前記第(n+1)層目の遮光膜は、
{S(Tn+Tn+1+Hn)/Tn+1}<(2S+L−dn+1)を満たすように配設される、請求項7記載の固体撮像素子。 - 前記第n層目の遮光膜および前記第(n+1)層目の遮光膜は、それぞれの前記スペース部分の寸法Sが同一で、それぞれの前記遮光体の寸法Lが同一であって、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体の高さをTn、
前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体の高さをTn+1、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体と前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体との間の前記層間絶縁膜の厚さをHn、
前記第n層目の遮光膜の前記遮光体と前記第(n+1)層目の遮光膜の前記遮光体との水平方向のずれの長さをdn+1とした場合、
前記第n層目の遮光膜および前記第(n+1)層目の遮光膜は、
{(S+L−dn+1)(Tn+Tn+1+Hn)/(Tn+1+Hn)}>(2S+L−dn+1)を満たすように配設される、請求項7記載の固体撮像素子。 - 前記多層の遮光膜は、
第(n+1)層目の遮光膜の遮光体およびスペース部分の配列方向が、第n層目の遮光膜の遮光体およびスペース部分の配列方向と平面視的に直交するように配設される、請求項5記載の固体撮像素子。 - 前記多層の遮光膜は、
第(n+2)層目の遮光膜は、そのスペース部分および遮光体が、前記第n層目の遮光膜の前記遮光体および前記スペース部分の上方に対応する部分をそれぞれ覆うように配設される、請求項10記載の固体撮像素子。 - 前記少なくとも1層の遮光膜は、それぞれ層間絶縁膜を間に挟んで配設された多層の遮光膜であって、
前記光電変換蓄積部の真上の第1層目の遮光膜はチタン層を含まない構造を有する、請求項2または請求項4記載の固体撮像素子。
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