JP2004502143A - 原子力プラント - Google Patents
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Abstract
本発明は、中心領域の複数の減速材要素および中心領域の周りの環状領域に配置された複数の球状燃料要素を含む炉心を含む原子炉(10)を有する原子力プラント(8)に関する。プラント(8)は燃料および減速材要素をプラント(8)中に循環させるための燃料および減速材取扱システム(40)をさらに含む。それはさらに炉心に減速材および燃料要素を装荷する方法に関する。
Description
【0001】
本発明は原子力プラントおよび原子力プラントの運転方法に関する。それはまた、原子炉の炉心の装荷方法にも関する。
【0002】
高温ガス冷却型の原子炉では、複数の球状燃料要素を含む燃料が使用される。燃料要素または球体は、セラミックマトリックス内の、またはセラミック材に包封された、核分裂可能物質の球体を含むことができる。原子炉はヘリウム冷却することができる。燃料要素はペブルとして知られ、この型の原子炉は一般的にペブルベッド炉(PBR)として知られる。PBRでは、燃料の燃焼度を最適化するために、燃料球体が原子炉の炉心を2回以上通過するマルチパス燃料装荷方式を運用することが知られている。他の燃料装荷方式と比較して、マルチパス燃料装荷方式は炉心内のより均等な燃焼度分布を提供し、それにより軸方向の中性子束分布を平坦化し、かつ炉心の熱出力を最大にすると信じられる。本明細書では、上述の原子炉を互換可能にペブルベッド原子炉(PBR)またはペブルベッド型の原子炉と呼ぶ。
【0003】
本発明の一態様では、
少なくとも中心領域の部分が略円筒形である炉心の中心領域に配置された複数の球状減速材要素と、
中心領域を包囲する環状領域に配置された複数の球状燃料要素と
を有する炉心を含む、ペブルベッド型の原子炉を含む原子力プラントを提供する。
【0004】
原子炉の炉心は複数の球状吸収材要素を含むことができる。
【0005】
本発明の好適な実施形態では、減速材要素は黒鉛球体である。
【0006】
本発明の別の態様では、
減速材要素および燃料要素を炉心から排出することのできる少なくとも1つの出口を有する炉心格納手段と、
1つまたは各々の第1入口を介して減速材要素を炉心の第1領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第1入口と、
1つまたは各々の第2入口を介して燃料要素を炉心の第2領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第2入口と、
減速材要素および燃料要素を炉心のそれらのそれぞれの領域内で予め定義された速度で循環させるための1つまたは各々の出口と1つまたは各々の第1および第2入口の中間の取扱システムと
を含む原子炉を含む原子力プラントを提供する。
【0007】
原子炉はペブルベッド炉とすることができ、炉心格納手段は炉心バレルとすることができ、第1領域は中心領域とすることができ、第2領域は第1領域を包囲する環状領域である。
【0008】
炉心バレルは形状的に略円筒形であり、バレルの下端部は内向きにテーパを付けられて漏斗形の下端を提供し、バレルの下端に単一の出口が画定され、バレルの上端に単一の第1入口が炉心の中心領域に近接して配置され、バレルの長手軸を中心に放射配列にかつ環状領域に対して対称配列に複数の第2入口が配置される。
【0009】
取扱システムは出口と各々の入口の中間に流路を画定することができる。流路は管路を含む導管設備を含むことができる。取扱システムについての減速材および燃料要素のための原動力は、少なくとも部分的には、圧力下のガスによって提供することができ、減速材および燃料要素は使用中、流路内を流れるガスフローストリームに伴流される。減速材および燃料要素用の原動力は、少なくとも部分的には、重力によっても提供することができる。
【0010】
本発明の好適な実施形態では、取扱システムの流路は炉心と流体連通し、ガスフローストリームは原子炉冷却ガスによって提供される。フローストリームの少なくとも一部分の原子炉冷却ガスは、炉心が格納される原子炉圧力容器の冷却ガスと同様の圧力とすることができる。
【0011】
取扱システムは燃料要素流路および減速材要素流路を持つことができ、取扱システムはさらに、流路内の燃料要素から減速材要素を分離するための第1選別手段であって、減速材要素流路のガスフローストリームに減速材要素を伴流させ、かつ燃料要素流路のガスフローストリームに燃料要素を伴流させるための第1選別手段を含む。
【0012】
第1選別手段は、第1分流弁に連結された第1センサ手段を含むことができる。第1センサ手段は放射線センサとすることができ、フローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射される核放射線を検出かつ測定し、検出かつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動し、第1分流弁はフローストリームを減速材要素流路である第1流路、燃料要素流路である第2流路、および燃焼または損傷した燃料要素を排出するための排出流路である第3流路に方向転換するように作動する。
【0013】
減速材要素流路は第2選別手段を含むことができる。第2選別手段は、第2分流弁アセンブリに連結された第2センサ手段を含むことができ、第2センサ手段は、減速材流路のフローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射される核放射線を検出かつ測定し、検出かつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動する放射線センサであり、第2分流弁アセンブリは、炉心に再装荷するために減速材要素を減速材入口管路内に方向転換し、減速材要素流路で燃料要素を検出したとき、そのような燃料要素を炉心の環状領域内に戻すように方向転換するように選択的に作動する。
【0014】
減速材要素流路はさらに、減速材要素流路内の減速材要素から誤った方向に向けられた燃料要素を分離するのを助けるために、減速材要素流路内の要素を収納して時間遅延を提供する緩衝貯蔵手段を含むことができる。
【0015】
取扱システムは貯蔵システムを含むことができる。貯蔵システムは新しい燃料要素を貯蔵するため、および新しい燃料要素を予め定義された間隔で第2入口を介して炉心内に供給するための新燃料貯蔵システム、および黒鉛減速材要素を貯蔵するための減速材要素貯蔵システムを含むことができ、該減速材要素貯蔵システムは入口および出口を有する減速材要素貯蔵タンクを含み、該入口は減速材要素流路の第2分流弁アセンブリに連結され、該出口は減速材要素流路の同じ第2分流弁アセンブリに連結される。したがって、第2分流弁アセンブリの動作によって、炉心から排出される黒鉛球体は、炉心に戻るように再循環するのではなく、貯蔵のために減速材要素または黒鉛球体貯蔵タンクに方向転換することができ、それによって炉心の保守目的のために炉心から黒鉛球体を完全に排出することが可能になる。必要に応じて、減速材要素または黒鉛球体貯蔵タンクから第2分流弁アセンブリおよび第1入口を介して、炉心に黒鉛球体を再装荷することができる。
【0016】
貯蔵システムはさらに、使用済み燃料貯蔵システムを含むことができる。使用済み燃料貯蔵システムは、使用済みおよび破損燃料要素をサイトで永久貯蔵するための複数の使用済み燃料貯蔵タンクを含むことができ、使用済み燃料貯蔵タンクの入口は第1選別手段の第1分流弁に連結され、誤った方向に向けられた減速材要素または黒鉛球体を検出するために、第1分流弁と使用済み燃料貯蔵タンクの中間に第3放射線センサが配置される。
【0017】
燃料貯蔵システムはさらに一時的燃料貯蔵システムを含むことができる。一時的燃料貯蔵システムは、使用中燃料要素を貯蔵するための一時的燃料貯蔵タンクを含むことができ、該一時的燃料貯蔵タンクは、第1選別手段の第1分流弁に連結された入口と、炉心の第2入口に連結された出口とを含む。こうして、黒鉛球体の場合と同様に、炉心の保守中に、燃料球体は、炉心に戻るように循環するのではなく、炉心から排出することができ、保守が行なわれる間、一時的燃料貯蔵タンクに一時的に貯蔵することができる。保守の完了後、燃料球体は第2入口を介して炉心に再装荷することができる。
【0018】
燃料取扱および貯蔵システムは、放射線センサならびに分流弁および弁アセンブリの各々に連結された制御手段を含むことができる。
【0019】
制御手段は、それぞれの放射線センサの作動により、分流弁の動作を制御して減速材要素および燃料要素をそれらのそれぞれの回路に方向転換させるように作動するコンピュータとすることができる。
【0020】
制御手段は、使用済みおよび破損燃料要素が使用済み燃料貯蔵システム内に排出されたとき、炉心への新しい燃料要素の供給を制御するように作動することができ、それにより炉心および取扱システムを含めて予め選択された数の燃料要素の循環を維持する。制御手段は、誤った方向に向けられた減速材球体が使用済み燃料貯蔵システムの第3放射線センサによって検出された場合、炉心内への新しい燃料要素の装荷を防止するようにプログラムされ、それによって炉心内の燃料/減速材比の不注意の変化を回避する。
【0021】
本発明の別の態様では、ペブルベッド型の原子炉を有する原子力プラントの運転方法であって、
原子炉の炉心に画定された中心の略円筒状の領域内に球状減速材要素を予め定義された速度で循環させるステップと、
中心領域を取り囲んで炉心に画定される環状領域内に球状燃料要素を予め定義された速度で循環させるステップと
を含む方法を提供する。
【0022】
該方法は、原子炉の保守を促進するために炉心の外部に減速材要素を一時的に貯蔵するステップを含むことができる。
【0023】
該方法はさらに、原子炉の保守を促進するために炉心の外部に燃料要素を一時的に貯蔵するステップを含むことができる。
【0024】
本発明のさらに別の態様では、ペブルベッド型の原子炉の炉心の装荷方法であって、
炉心に第1減速材要素を充填して減速材要素のベッドを形成するステップと、
中心および環状領域から第1減速材要素を予め定義された速度で除去しながら、炉心の中心領域に第2減速材要素を、かつ炉心の環状領域に燃料要素を予め定義された速度で同時に装荷して、複数の球状減速材要素が中心領域に配置されかつ複数の球状燃料要素が中心領域の周囲の環状領域に配置された炉心を形成するステップと
を含む方法を提供する。
【0025】
該方法は、第1減速材要素を下から除去しながら、第2減速材要素および燃料要素を上から装荷するステップを含むことができる。
【0026】
本発明を今から、例として添付の線図に関連して説明する。
【0027】
図面において、参照符号10は一般的に、本発明に係るペブルベッド型の原子炉を示す。
【0028】
原子炉10は高温ガス冷却原子炉であり、冷却ガスはヘリウムであり、原子炉は略円筒形の圧力容器12を有する。さらに、原子炉は圧力容器12内にそれと同軸の炉心バレル14を有する。炉心バレル14はその長さの大部分が略円筒形であり、下端18に向かって下向きにテーパを付けられた漏斗形の下端部16を有する。炉心バレル14の下端18には、そこから外向きにそれと同軸に突出した単一の出口20が画定される。
【0029】
炉心22は、炉心バレル14によって画定される炉心領域23内に収容される。炉心22は、炉心22に画定された中心の略円筒状の領域26に配置された複数の球状黒鉛減速材要素(詳細は図示せず)、および炉心22に中心領域26を取り囲んで画定される環状領域30に配置された複数の球状燃料要素(詳細は図示せず)を含む。
【0030】
炉心バレル14は、球状黒鉛減速材要素または黒鉛球体を第1入口32を介して炉心22の中心領域26内に装荷するように構成された、単一の第1入口32を有する。さらに、炉心バレル14は9つの第2入口34を有しており(そのうち3つが図1に図示されており、7つだけが図3に概略的に示されている)、それは前記第2入口34を介して炉心22の環状領域30に球状燃料要素または燃料球体を装荷できるように構成されている。第1および第2入口(32、34)は、原子炉圧力容器12の上端領域35に配置される。第2入口34は、炉心バレル14の長手軸を中心に、そこから半径方向に間隔を置き、かつ環状領域30に対して対称的に間隔を置いて、放射配列関係に配設される。2つ以上の黒鉛球体入口32、および9つより多数または少数の燃料球体入口34があってもよいことは理解されるであろう。
【0031】
原子炉10は、一般的に参照符号8で示される原子力プラント部分の一部を形成する。プラント8は、出口20と第1および第2入口(32、34)の各々との中間に、黒鉛球体および燃料球体を炉心22のそれらのそれぞれの領域26および30に予め定義された速度で循環させるための取扱システム40を有する。取扱システム40は、出口20と各々の入口(32、34)との中間の流路42を画定する。流路42は少なくとも部分的に、管路44の配設によって画定される。取扱システム40の減速材球体および燃料球体の原動力は部分的に、原子炉圧力容器12からの原子炉ヘリウム冷却ガスによって提供され、減速材球体および燃料球体は流路42内を流れるガスフローに伴流される。
【0032】
取扱システム40は高圧領域45および低圧領域46を有し、低圧領域46は図面に46と表示された破線領域によって示される。高圧領域45は、低圧領域46の外部の取扱システムの構成要素を含む。取扱システム40の高圧領域45では、取扱システム40の流路42は炉心22と流体導通しており、ガスフローストリームは、原子炉圧力容器12内の冷却ガスの圧力のヘリウムである原子炉冷却ガスによって提供される。取扱システム40の低圧領域46のガスフローストリームは比較的低圧の清浄な乾燥空気によって提供され、高圧領域45と低圧領域46との間の境界で取扱システム導管44に圧力ロック(図示せず)が設けられて、前記境界を結合する。
【0033】
取扱システム40は、図7に図式的に示す、原子炉10の通常運転中に作動する燃料球体流路50と、図8に図式的に示す、これもまた原子炉10の通常運転中に作動する減速材球体流路60とを有する。
【0034】
図6、7および8に示すように、通常運転条件下で、燃料球体および黒鉛減速材球体は重力により原子炉10の炉心22内を、炉心バレル14の上部領域36から炉心バレル14の下端部16へ連続的に移動する。炉心バレル14の下端部18でそれらは炉心バレル14を出、よって出口20を介して原子炉圧力容器12を出る。
【0035】
出口20に1対の球体ハンドリングマシン48が接続され、マシン48は排出された燃料球体および減速材球体を一度に1個づつ1対の排出流路52に供給するように作動する。前記球体ハンドリングマシン48の各々はスクラップセパレータ(図示せず)およびスクラップキャスク(図示せず)を含み、マシン48は物理的に破損した球体を検出し、そのような球体を排出流路52から除去するように作動する。流路52の各々に、第1放射線および燃焼度センサ54が配設される。センサ54は、それぞれの流路52内の伴流減速材球体または燃料球体によって放出される核放射線を感知して測定し、かつ行なわれた測定を表わす情報を含む信号を送信するように作動する。センサ54はまた伴流燃料球体および減速材球体を計数するようにも作動する。各々のセンサ54は、コンピュータコントローラ(図示せず)を介して第1分流弁56に連結される。コントローラは、放射線および燃焼度センサ54によってコントローラに伝送されるそれぞれの各球体の状態および条件を表わす情報に応じて、分流弁56を制御して3つのポートの1つに到来球体を方向転換させるようにプログラムされる。黒鉛球体は減速材球体流路60に方向転換され、燃料球体は燃料球体流路50に方向転換され、図9に示すように、使用済み燃料球体は第3使用済み燃料貯蔵流路70に方向転換される。分流弁56の各々はまた、流路61を介して一時的燃料貯蔵タンク122に通じる第4ポートをも有する。
【0036】
減速材球体流路60に入ってくる黒鉛球体は、一時的貯蔵および検査領域62を経由して送られる。一時的貯蔵および検査領域62では、黒鉛球体は、不注意で減速材流路60に入った、誤った方向に向けられた燃料球体の識別を促進するためにあるために期間遅延され、それは5日程度とすることができる。また、検査領域62において、黒鉛球体は物理的欠陥が無いか検査される。検査領域62の流路60の導管64は、通過する各黒鉛球体のあらゆる側面からのX線検査を促進するために螺旋形である(これは図面には示されていない)。検査領域62から、黒鉛球体および誤って方向付けられた燃料球体は、第3分流弁(インデクサ)68に連結された第3放射線センサ66を通して送られる。第3分流弁68および第3放射線センサ66は両方ともコントローラに接続され、分流弁68はコントローラの制御下で、燃料球体および減速材球体を切換弁アセンブリ65に転送し、あるいは黒鉛球体を以下でさらに説明する減速材球体貯蔵システム90に方向転換するように作動する。
【0037】
出口20から出た使用済みでもなく破損もしていない燃料球体は、第1分流弁56を介して燃料球体流路50に、かつ1対の第2入口管路73を介して球体コレクタ74および球体分配器77に方向転換され、該球体分配器はコントローラに連結され、燃料球体を予め定められた順序で取扱システム40の9つの第2入口34に分配するように作動する。
【0038】
切換弁アセンブリ65は、黒鉛球体を入口管路72を介して炉心バレル14の第1入口32内に移動させ、かつ誤った方向に向けられた燃料球体を球体コレクタ74およびそこから第2入口34を介して炉心22の環状領域30内に通じる管路75に方向転換させるように作動する。
【0039】
取扱システム40は、新しい(未使用)燃料球体を貯蔵するため、および新しい燃料球体を第2入口34を介して炉心22内に選択的に供給するための新燃料貯蔵システム80を含む。新しい燃料球体は、新燃料貯蔵容器82および圧力ロックから取扱システム40内に導入され、そこから燃料球体は球体コレクタ74を介して入口34に導入される。
【0040】
取扱システム40はさらに、黒鉛減速材球体を貯蔵するための減速材球体貯蔵システム90を含む。減速材球体貯蔵システム90は入口93および出口94を有する黒鉛球体貯蔵タンク92を含み、入口93は減速材球体流路60の分流弁68に連結され、出口94は減速材球体流路60の切換弁アセンブリ65に連結される。したがって、コントローラの制御下で、分流弁68の動作によって、炉心22から排出された黒鉛球体は、炉心22に戻るように再循環するのではなく、貯蔵のために黒鉛球体貯蔵タンク92に方向転換され、それによって、保守目的のために黒鉛球体を炉心22から完全に排出することが可能になる。必要に応じて、炉心22は黒鉛球体貯蔵タンク92から切換弁アセンブリ65を介して、かつそこから入口管路72を介して第1入口32へ、黒鉛球体を再装荷することができる。黒鉛球体貯蔵タンク92はさらに、供給管路100を介して黒鉛およびヘリウムロック98に連結された第2入口96を有しており、新しい黒鉛球体は供給管路を介してシステム40内に導入することができる。黒鉛およびヘリウムロック98と黒鉛球体貯蔵タンク92との中間にある供給管路100に、黒鉛球体貯蔵タンク92内への燃料球体の不注意による導入を未然に感知するために、第4放射線センサ102が配置される。黒鉛球体は、管路105を介して切換弁アセンブリ65に接続された第3球体ハンドリングマシン104によって、黒鉛球体貯蔵タンク92から減速材球体流路60内に装荷される。黒鉛およびヘリウムロック98ならびに第4放射線センサ102は可搬性とすることができ、図面に破線で示される。
【0041】
取扱システム40はさらに、図9に図式的に示された使用済み燃料貯蔵システム110を含む。使用済み燃料貯蔵システム110は、使用済みおよび破損燃料球体のサイトでの永久貯蔵のために10個の使用済み燃料貯蔵タンク112を含み、そのうちの3つが図面に図示されている。好ましくは、使用済み燃料貯蔵タンク112の容量は、使用済みおよび破損燃料球体を原子炉10の予想運転寿命にわたって収容するように計算する。使用済み燃料貯蔵タンク112の入口114は、排出ロック116を介して第1分流弁56に連結される。2個の第5放射線センサ118が、使用済み燃料貯蔵流路70の第1分流弁56と排出ロック116との中間に配設される。センサ118は、偶発的に使用済み燃料貯蔵システム110内に方向転換された黒鉛球体を感知するように作動する。10個のポートの分配コントローラ119が使用済み燃料貯蔵タンク112に接続され、使用済み燃料球体を予め定義された貯蔵タンク112に方向転換するように作動する。
【0042】
取扱システム40はさらに、一時的燃料貯蔵システム120を含む。一時的燃料貯蔵システム120は、使用中の燃料球体を一時的に貯蔵するための一時的燃料貯蔵タンク122を有する。一時的燃料貯蔵タンク122は、流路61を介して第1分流弁56に連結された入口124と、球体コレクタ74に通じる燃料再装荷管路128を介して炉心バレル14の第2入口34に連結された出口126とを持つ。黒鉛球体の場合と同様に、原子炉10の保守中、燃料球体は炉心22から排出することができ、炉心22に戻るように循環するのではなく、保守が行なわれる間一時的燃料貯蔵タンク122に一時的に貯蔵することができる。保守の完了後に、燃料球体は第4球体ハンドリングマシン127によって、第2入口34を介して炉心22に再装荷される。最後の炉心燃料キャスク130および装荷ステーション131の準備が行なわれ、装荷ステーションは第4球体ハンドリングマシン127および一時的燃料貯蔵タンク122の出口126に燃料管路132を介して接続される。原子炉10の運転寿命が終わると、炉心22は最後の炉心燃料キャスク130内に放出することができる。装荷ステーション131はまた、使用済み燃料貯蔵タンク112から一連の第5燃料ハンドリングマシン134および使用済み燃料管路136を介して使用済み燃料を処理するため、および黒鉛球体貯蔵タンク92の第3球体ハンドリングマシン104を装荷ステーション131に接続する黒鉛管路138を介して使用済み黒鉛球体をアンロードするためにも使用することができる。
【0043】
マルチパス燃料装荷方式に従って運用されるペブルベッド型の原子炉10を有するプラント8において、燃料球体はそれがもはや役に立たない程度に消耗される(燃焼される)まで、炉心22内を2回以上、例えば最高10回移動することは理解されるであろう。ここで説明する本発明に係る原子力プラント8は、炉心22から出た後の燃料球体および黒鉛球体を別個に維持するように作動する取扱システム40を含む。燃料球体および黒鉛球体は、中央領域26における黒鉛球体および黒鉛充填中央領域26を取り囲む環状領域30における燃料球体の2ゾーン炉心装荷を確実にするために、特定の順序で配設された入口供給管(32、34)によってペブルベッドの上の炉心22内に供給される。取扱システム40の主要構成部品は、原子炉圧力容器12の下の遮蔽された個別仕切り室内に配置することが好ましい。寿命期間の使用済み燃料貯蔵および運転後の中間貯蔵として設計された使用済み燃料貯蔵システム110は、原子炉建屋の下部に配置される。本発明に従って設けられる取扱システム40は、炉心バレル14への黒鉛球体の装荷および炉心22への新燃料球体の装荷を可能にする。さらに取扱システム40は、誤って方向付けられた燃料球体を減速材流路60から除去したり、使用済み燃料貯蔵タンク112に通じる使用済み燃料貯蔵流路70に配設された放射線センサ118によって、誤って排出された黒鉛球体が新燃料球体の装荷を開始するのを防止することにも備える。こうして、コントローラーは、使用済み燃料貯蔵タンク112に方向転換される各燃焼済み燃料球体に代わって新燃料球体の装荷をトリガするように作動するが、センサ118によって黒鉛球体が検出された場合、新しい燃料球体の装荷は開始されない。さらに、燃料取扱および貯蔵システム40は、排出出口20からの燃料および黒鉛球体の除去、破損した燃料および黒鉛球体の分離、燃料、吸収材、および黒鉛球体の分離、黒鉛球体の再循環、ならびに部分的に使用された燃料球体の炉心22内の再循環にも備える。部分的に使用された燃料球体の燃焼度が測定され、使用済み燃料球体は使用済み燃料貯蔵システム110に排出される。PBR原子炉では、炉心22に吸収材球体を含めることができることが予想されることは理解されるであろう。炉心22からの吸収材球体の取扱はここでは特に説明しないが、減速材および燃料球体についてここで説明したのと同様の方法でそのような吸収材球体を分離し、貯蔵し、かつ循環させるように、取扱システム40を容易に適応させることができると予想される。
【0044】
通常の運転状態で、燃料および黒鉛球体は炉心22から燃料および黒鉛球体排出出口20を通して2つの球体ハンドリングマシン48に運ばれ、それは排出出口20から各マシン48の下流に連続ペブルフローを送ることができる。破損した球体は使用済み燃料貯蔵システム110に排出される。黒鉛および燃料球体は排出流路52を通過し、各燃料球体または黒鉛球体は放射線測定のために個々に放出され、その後それらは分流弁56によって分離される。燃焼度および放射線センサ54は、燃料球体の燃焼度を測定し、かつ燃料球体および黒鉛球体を区別する能力を有する。燃料球体は炉心22の外側環状領域30に輸送され、黒鉛球体は黒鉛検査領域62に輸送される。検査領域62にはさらなる放射線センサ(図示せず)が配設される。緩衝領域放射線センサによって燃料球体が検出されると、取扱システム40の通常動作が中断される。検査領域62の中身は、燃料球体が除去され、切換弁アセンブリ65および流路75によって球体コレクタ74に方向転換されるまで再循環される。燃焼度センサ54によって使用済み燃料球体が検出されると、分流弁56は使用済み燃料球体を使用済み燃料貯蔵タンク112に送る。
【0045】
上述したシステムでは、燃料および黒鉛球体は、好ましくは水平方向または垂直方向を向いた管路44内を、部分的に重力によって、しかし大部分は主として一次システム圧力の一次冷却ガスを使用することによって空気圧により運ばれる。燃料球体の移動の監視は、測定および計数機器(54、66、118)の助けを借りて実行され、それらの信号は制御システムに入力を提供し、それはシステム40の弁インデクサ(56、68、65)内の作動部品を作動させる。
【0046】
燃料球体は、一次冷却材によって空気圧により原子炉10に転送される。2種類の転送システムが使用される。第1転送システムは主ガスストリームから抽出されたガスを使用する。第2転送システムはブロワシステムである。第1転送システムは、ブロワを保守することができるように、ブロワ(図示せず)を迂回する。炉心22の初期装荷または検査または修理のために空にした後で炉心22に黒鉛球体を再充填するなど、例外的な場合には、原子炉圧力容器12を通気した状態で、圧力下の空気で空気圧による転送が行なわれる。
【0047】
通常作動状態では、黒鉛および燃料球体は連続的に分離される。放射線および燃焼度センサ54が、燃料球体と黒鉛球体と吸収材球体を区別し、センサ54を通過するそのような球体の計数を行い、燃料球体の放射線および燃焼度を測定する機能を果たす。各分流弁56は、3つの方向のうちの1つ、すなわち使用済み燃料貯蔵流路70、または燃料球体流路50、または減速材球体流路60に、燃料球体または減速材球体を送るように作動する。
【0048】
黒鉛球体は、通常作動中、黒鉛検査領域62(緩衝管路)に送られ、緩衝管路62は黒鉛球体のストックを保持する。緩衝管路62内の球体は放射線を監視される。これにより、誤って方向付けられた燃料球体を検出して球体コレクタ74に戻すための時間が得られる。
【0049】
重要なことは、取扱システム40が、メインパワーシステムを大気中に通気することが要求される保守介在中に、原子炉10から、保守原子炉圧力容器12に隣接する領域に配置された別個の黒鉛および燃料貯蔵タンク(92、122)へ炉心のインベントリを移送することによって、炉心22の燃料排出および燃料再装荷に備えることである。保守後、取扱システム40は、炉心22の燃料再装荷中にこれらのタンク(92、122)からの炉心22の再装荷に備える。燃料排出モード中の取扱システム40の構成を図4に図式的に示し、燃料再装荷中の取扱システム40の構成を図5に図式的に示す。したがって、原子炉10の寿命期間中に、比較的低コストで、かつ比較的迅速に、炉心構成部品および圧力容器12に保守を実行することができることは、本発明の重要な利点である。
【0050】
燃料取扱および貯蔵システム40は、黒鉛球体と燃料球体の正確な比率および分布が維持されることを達成する。さらに、メインパワーシステムの一次ループは燃料取扱および貯蔵システム40から分離される。燃料再装荷モード中の黒鉛球体および燃料球体の同時装荷は、炉心22の中心26への燃料球体の水平移動を防止し、適切な炉心体積が維持されることを確実にする。
【0051】
炉心22の燃料排出は、メインパワーシステムを保守のために大気に開放することが必要である場合にのみ実行される。燃料の腐食を防止するために、燃料球体は原子炉圧力容器12に隣接する燃料貯蔵タンク122内でヘリウム圧力下で貯蔵する必要がある。原子炉圧力は低減され、低圧領域は圧力弁の開放によって高圧領域に接続される。燃料球体および黒鉛球体は、放射線センサ54を用いて分離される。炉心22に含まれる黒鉛球体は、黒鉛貯蔵タンク92から回収された黒鉛球体と一緒に炉心22に再循環され、その中央領域26および環状領域30の両方に装荷される。炉心領域23全体における黒鉛球体の装荷は、炉心22の中心領域26への燃料球体の水平移動を防止し、適切な炉心体積を維持するためである。燃料球体は入口124を介して水冷式の臨界安全燃料貯蔵タンク122に送られる。燃料排出モード中、使用済み燃料貯蔵システム110は作動を停止する。さらに、新しい燃料装荷は行なわれず、新しい黒鉛球体装荷または補充も行なわれない。
【0052】
原子炉パワーシステムの保守後、燃料再装荷が開始される。ヘリウムの必要な動作圧力および温度が維持され、炉心22に黒鉛球体が充填されて減速材要素または黒鉛球体のベッド200が形成される。減速材要素のベッド200は、減速材要素または黒鉛球体を上から炉心バレル14に装荷することによって形成される。ベッド200が所望の高さまで形成されると、減速材要素が第1入口32を通して、燃料要素が第2入口34を通して領域26、30内に供給される。同時に、ベッド200を形成する減速材要素は出口20を通して下から、減速材要素および燃料要素が炉心バレル内に供給されるのと同じ速度で抜き取られる。このようにして、図面の図11に示すように、減速材要素の中心領域26および燃料要素の環状領域30を有する炉心を組み立てることができる。この手順は、ベッド200の減速材要素が全て除去され、炉心が図面の図12に示されるように完全に形成されるまで、続けられる。ひとたび2つのゾーンの炉心26、30が確立されると(図12)、燃料貯蔵タンク122が空になり、黒鉛貯蔵タンク92はほぼ4分の3が充填され、黒鉛緩衝貯蔵タンク(図示せず)は満杯になる。この時点で、原子炉10の始動を開始することができる。燃料再装荷装置は作動を停止し、低圧回路46と高圧回路46との間の分離弁を閉じることによって高圧部品から分離される。
【0053】
減速材球体および燃料球体貯蔵システム90、110、120を含む原子炉取扱システム40の作動のプロセスが、図2のプロセス流れ図に示されており、使いやすいようにそこに主要な構成部品の凡例および説明が含まれている。図2におけるプロセスブロックa、b、およびcは、図1に示した本発明の実施例の第1放射線および燃焼度センサ54にまとめて具現される。さらに、図2において、参照符号140によって示される記号は、手動操作弁を表わし、参照符号150によって示される記号は自動制御弁を表わし、参照符号160によって示される記号は圧力リリーフ弁を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子力プラントの一部を形成する原子炉の原子炉圧力容器の側面断面図である。
【図2】原子力プラントの一部を形成する取扱システムのプロセス流れ図である。
【図3】取扱システムのシステム配置の略図である。
【図4】燃料排出モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図5】燃料再装荷モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図6】通常運転モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図7】通常運転モード中の燃料球体の流れの略図である。
【図8】通常運転モード中の黒鉛球体の流れの略図である。
【図9】通常運転モード中の使用済み燃料の流れの略図である。
【図10】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
【図11】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
【図12】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
本発明は原子力プラントおよび原子力プラントの運転方法に関する。それはまた、原子炉の炉心の装荷方法にも関する。
【0002】
高温ガス冷却型の原子炉では、複数の球状燃料要素を含む燃料が使用される。燃料要素または球体は、セラミックマトリックス内の、またはセラミック材に包封された、核分裂可能物質の球体を含むことができる。原子炉はヘリウム冷却することができる。燃料要素はペブルとして知られ、この型の原子炉は一般的にペブルベッド炉(PBR)として知られる。PBRでは、燃料の燃焼度を最適化するために、燃料球体が原子炉の炉心を2回以上通過するマルチパス燃料装荷方式を運用することが知られている。他の燃料装荷方式と比較して、マルチパス燃料装荷方式は炉心内のより均等な燃焼度分布を提供し、それにより軸方向の中性子束分布を平坦化し、かつ炉心の熱出力を最大にすると信じられる。本明細書では、上述の原子炉を互換可能にペブルベッド原子炉(PBR)またはペブルベッド型の原子炉と呼ぶ。
【0003】
本発明の一態様では、
少なくとも中心領域の部分が略円筒形である炉心の中心領域に配置された複数の球状減速材要素と、
中心領域を包囲する環状領域に配置された複数の球状燃料要素と
を有する炉心を含む、ペブルベッド型の原子炉を含む原子力プラントを提供する。
【0004】
原子炉の炉心は複数の球状吸収材要素を含むことができる。
【0005】
本発明の好適な実施形態では、減速材要素は黒鉛球体である。
【0006】
本発明の別の態様では、
減速材要素および燃料要素を炉心から排出することのできる少なくとも1つの出口を有する炉心格納手段と、
1つまたは各々の第1入口を介して減速材要素を炉心の第1領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第1入口と、
1つまたは各々の第2入口を介して燃料要素を炉心の第2領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第2入口と、
減速材要素および燃料要素を炉心のそれらのそれぞれの領域内で予め定義された速度で循環させるための1つまたは各々の出口と1つまたは各々の第1および第2入口の中間の取扱システムと
を含む原子炉を含む原子力プラントを提供する。
【0007】
原子炉はペブルベッド炉とすることができ、炉心格納手段は炉心バレルとすることができ、第1領域は中心領域とすることができ、第2領域は第1領域を包囲する環状領域である。
【0008】
炉心バレルは形状的に略円筒形であり、バレルの下端部は内向きにテーパを付けられて漏斗形の下端を提供し、バレルの下端に単一の出口が画定され、バレルの上端に単一の第1入口が炉心の中心領域に近接して配置され、バレルの長手軸を中心に放射配列にかつ環状領域に対して対称配列に複数の第2入口が配置される。
【0009】
取扱システムは出口と各々の入口の中間に流路を画定することができる。流路は管路を含む導管設備を含むことができる。取扱システムについての減速材および燃料要素のための原動力は、少なくとも部分的には、圧力下のガスによって提供することができ、減速材および燃料要素は使用中、流路内を流れるガスフローストリームに伴流される。減速材および燃料要素用の原動力は、少なくとも部分的には、重力によっても提供することができる。
【0010】
本発明の好適な実施形態では、取扱システムの流路は炉心と流体連通し、ガスフローストリームは原子炉冷却ガスによって提供される。フローストリームの少なくとも一部分の原子炉冷却ガスは、炉心が格納される原子炉圧力容器の冷却ガスと同様の圧力とすることができる。
【0011】
取扱システムは燃料要素流路および減速材要素流路を持つことができ、取扱システムはさらに、流路内の燃料要素から減速材要素を分離するための第1選別手段であって、減速材要素流路のガスフローストリームに減速材要素を伴流させ、かつ燃料要素流路のガスフローストリームに燃料要素を伴流させるための第1選別手段を含む。
【0012】
第1選別手段は、第1分流弁に連結された第1センサ手段を含むことができる。第1センサ手段は放射線センサとすることができ、フローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射される核放射線を検出かつ測定し、検出かつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動し、第1分流弁はフローストリームを減速材要素流路である第1流路、燃料要素流路である第2流路、および燃焼または損傷した燃料要素を排出するための排出流路である第3流路に方向転換するように作動する。
【0013】
減速材要素流路は第2選別手段を含むことができる。第2選別手段は、第2分流弁アセンブリに連結された第2センサ手段を含むことができ、第2センサ手段は、減速材流路のフローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射される核放射線を検出かつ測定し、検出かつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動する放射線センサであり、第2分流弁アセンブリは、炉心に再装荷するために減速材要素を減速材入口管路内に方向転換し、減速材要素流路で燃料要素を検出したとき、そのような燃料要素を炉心の環状領域内に戻すように方向転換するように選択的に作動する。
【0014】
減速材要素流路はさらに、減速材要素流路内の減速材要素から誤った方向に向けられた燃料要素を分離するのを助けるために、減速材要素流路内の要素を収納して時間遅延を提供する緩衝貯蔵手段を含むことができる。
【0015】
取扱システムは貯蔵システムを含むことができる。貯蔵システムは新しい燃料要素を貯蔵するため、および新しい燃料要素を予め定義された間隔で第2入口を介して炉心内に供給するための新燃料貯蔵システム、および黒鉛減速材要素を貯蔵するための減速材要素貯蔵システムを含むことができ、該減速材要素貯蔵システムは入口および出口を有する減速材要素貯蔵タンクを含み、該入口は減速材要素流路の第2分流弁アセンブリに連結され、該出口は減速材要素流路の同じ第2分流弁アセンブリに連結される。したがって、第2分流弁アセンブリの動作によって、炉心から排出される黒鉛球体は、炉心に戻るように再循環するのではなく、貯蔵のために減速材要素または黒鉛球体貯蔵タンクに方向転換することができ、それによって炉心の保守目的のために炉心から黒鉛球体を完全に排出することが可能になる。必要に応じて、減速材要素または黒鉛球体貯蔵タンクから第2分流弁アセンブリおよび第1入口を介して、炉心に黒鉛球体を再装荷することができる。
【0016】
貯蔵システムはさらに、使用済み燃料貯蔵システムを含むことができる。使用済み燃料貯蔵システムは、使用済みおよび破損燃料要素をサイトで永久貯蔵するための複数の使用済み燃料貯蔵タンクを含むことができ、使用済み燃料貯蔵タンクの入口は第1選別手段の第1分流弁に連結され、誤った方向に向けられた減速材要素または黒鉛球体を検出するために、第1分流弁と使用済み燃料貯蔵タンクの中間に第3放射線センサが配置される。
【0017】
燃料貯蔵システムはさらに一時的燃料貯蔵システムを含むことができる。一時的燃料貯蔵システムは、使用中燃料要素を貯蔵するための一時的燃料貯蔵タンクを含むことができ、該一時的燃料貯蔵タンクは、第1選別手段の第1分流弁に連結された入口と、炉心の第2入口に連結された出口とを含む。こうして、黒鉛球体の場合と同様に、炉心の保守中に、燃料球体は、炉心に戻るように循環するのではなく、炉心から排出することができ、保守が行なわれる間、一時的燃料貯蔵タンクに一時的に貯蔵することができる。保守の完了後、燃料球体は第2入口を介して炉心に再装荷することができる。
【0018】
燃料取扱および貯蔵システムは、放射線センサならびに分流弁および弁アセンブリの各々に連結された制御手段を含むことができる。
【0019】
制御手段は、それぞれの放射線センサの作動により、分流弁の動作を制御して減速材要素および燃料要素をそれらのそれぞれの回路に方向転換させるように作動するコンピュータとすることができる。
【0020】
制御手段は、使用済みおよび破損燃料要素が使用済み燃料貯蔵システム内に排出されたとき、炉心への新しい燃料要素の供給を制御するように作動することができ、それにより炉心および取扱システムを含めて予め選択された数の燃料要素の循環を維持する。制御手段は、誤った方向に向けられた減速材球体が使用済み燃料貯蔵システムの第3放射線センサによって検出された場合、炉心内への新しい燃料要素の装荷を防止するようにプログラムされ、それによって炉心内の燃料/減速材比の不注意の変化を回避する。
【0021】
本発明の別の態様では、ペブルベッド型の原子炉を有する原子力プラントの運転方法であって、
原子炉の炉心に画定された中心の略円筒状の領域内に球状減速材要素を予め定義された速度で循環させるステップと、
中心領域を取り囲んで炉心に画定される環状領域内に球状燃料要素を予め定義された速度で循環させるステップと
を含む方法を提供する。
【0022】
該方法は、原子炉の保守を促進するために炉心の外部に減速材要素を一時的に貯蔵するステップを含むことができる。
【0023】
該方法はさらに、原子炉の保守を促進するために炉心の外部に燃料要素を一時的に貯蔵するステップを含むことができる。
【0024】
本発明のさらに別の態様では、ペブルベッド型の原子炉の炉心の装荷方法であって、
炉心に第1減速材要素を充填して減速材要素のベッドを形成するステップと、
中心および環状領域から第1減速材要素を予め定義された速度で除去しながら、炉心の中心領域に第2減速材要素を、かつ炉心の環状領域に燃料要素を予め定義された速度で同時に装荷して、複数の球状減速材要素が中心領域に配置されかつ複数の球状燃料要素が中心領域の周囲の環状領域に配置された炉心を形成するステップと
を含む方法を提供する。
【0025】
該方法は、第1減速材要素を下から除去しながら、第2減速材要素および燃料要素を上から装荷するステップを含むことができる。
【0026】
本発明を今から、例として添付の線図に関連して説明する。
【0027】
図面において、参照符号10は一般的に、本発明に係るペブルベッド型の原子炉を示す。
【0028】
原子炉10は高温ガス冷却原子炉であり、冷却ガスはヘリウムであり、原子炉は略円筒形の圧力容器12を有する。さらに、原子炉は圧力容器12内にそれと同軸の炉心バレル14を有する。炉心バレル14はその長さの大部分が略円筒形であり、下端18に向かって下向きにテーパを付けられた漏斗形の下端部16を有する。炉心バレル14の下端18には、そこから外向きにそれと同軸に突出した単一の出口20が画定される。
【0029】
炉心22は、炉心バレル14によって画定される炉心領域23内に収容される。炉心22は、炉心22に画定された中心の略円筒状の領域26に配置された複数の球状黒鉛減速材要素(詳細は図示せず)、および炉心22に中心領域26を取り囲んで画定される環状領域30に配置された複数の球状燃料要素(詳細は図示せず)を含む。
【0030】
炉心バレル14は、球状黒鉛減速材要素または黒鉛球体を第1入口32を介して炉心22の中心領域26内に装荷するように構成された、単一の第1入口32を有する。さらに、炉心バレル14は9つの第2入口34を有しており(そのうち3つが図1に図示されており、7つだけが図3に概略的に示されている)、それは前記第2入口34を介して炉心22の環状領域30に球状燃料要素または燃料球体を装荷できるように構成されている。第1および第2入口(32、34)は、原子炉圧力容器12の上端領域35に配置される。第2入口34は、炉心バレル14の長手軸を中心に、そこから半径方向に間隔を置き、かつ環状領域30に対して対称的に間隔を置いて、放射配列関係に配設される。2つ以上の黒鉛球体入口32、および9つより多数または少数の燃料球体入口34があってもよいことは理解されるであろう。
【0031】
原子炉10は、一般的に参照符号8で示される原子力プラント部分の一部を形成する。プラント8は、出口20と第1および第2入口(32、34)の各々との中間に、黒鉛球体および燃料球体を炉心22のそれらのそれぞれの領域26および30に予め定義された速度で循環させるための取扱システム40を有する。取扱システム40は、出口20と各々の入口(32、34)との中間の流路42を画定する。流路42は少なくとも部分的に、管路44の配設によって画定される。取扱システム40の減速材球体および燃料球体の原動力は部分的に、原子炉圧力容器12からの原子炉ヘリウム冷却ガスによって提供され、減速材球体および燃料球体は流路42内を流れるガスフローに伴流される。
【0032】
取扱システム40は高圧領域45および低圧領域46を有し、低圧領域46は図面に46と表示された破線領域によって示される。高圧領域45は、低圧領域46の外部の取扱システムの構成要素を含む。取扱システム40の高圧領域45では、取扱システム40の流路42は炉心22と流体導通しており、ガスフローストリームは、原子炉圧力容器12内の冷却ガスの圧力のヘリウムである原子炉冷却ガスによって提供される。取扱システム40の低圧領域46のガスフローストリームは比較的低圧の清浄な乾燥空気によって提供され、高圧領域45と低圧領域46との間の境界で取扱システム導管44に圧力ロック(図示せず)が設けられて、前記境界を結合する。
【0033】
取扱システム40は、図7に図式的に示す、原子炉10の通常運転中に作動する燃料球体流路50と、図8に図式的に示す、これもまた原子炉10の通常運転中に作動する減速材球体流路60とを有する。
【0034】
図6、7および8に示すように、通常運転条件下で、燃料球体および黒鉛減速材球体は重力により原子炉10の炉心22内を、炉心バレル14の上部領域36から炉心バレル14の下端部16へ連続的に移動する。炉心バレル14の下端部18でそれらは炉心バレル14を出、よって出口20を介して原子炉圧力容器12を出る。
【0035】
出口20に1対の球体ハンドリングマシン48が接続され、マシン48は排出された燃料球体および減速材球体を一度に1個づつ1対の排出流路52に供給するように作動する。前記球体ハンドリングマシン48の各々はスクラップセパレータ(図示せず)およびスクラップキャスク(図示せず)を含み、マシン48は物理的に破損した球体を検出し、そのような球体を排出流路52から除去するように作動する。流路52の各々に、第1放射線および燃焼度センサ54が配設される。センサ54は、それぞれの流路52内の伴流減速材球体または燃料球体によって放出される核放射線を感知して測定し、かつ行なわれた測定を表わす情報を含む信号を送信するように作動する。センサ54はまた伴流燃料球体および減速材球体を計数するようにも作動する。各々のセンサ54は、コンピュータコントローラ(図示せず)を介して第1分流弁56に連結される。コントローラは、放射線および燃焼度センサ54によってコントローラに伝送されるそれぞれの各球体の状態および条件を表わす情報に応じて、分流弁56を制御して3つのポートの1つに到来球体を方向転換させるようにプログラムされる。黒鉛球体は減速材球体流路60に方向転換され、燃料球体は燃料球体流路50に方向転換され、図9に示すように、使用済み燃料球体は第3使用済み燃料貯蔵流路70に方向転換される。分流弁56の各々はまた、流路61を介して一時的燃料貯蔵タンク122に通じる第4ポートをも有する。
【0036】
減速材球体流路60に入ってくる黒鉛球体は、一時的貯蔵および検査領域62を経由して送られる。一時的貯蔵および検査領域62では、黒鉛球体は、不注意で減速材流路60に入った、誤った方向に向けられた燃料球体の識別を促進するためにあるために期間遅延され、それは5日程度とすることができる。また、検査領域62において、黒鉛球体は物理的欠陥が無いか検査される。検査領域62の流路60の導管64は、通過する各黒鉛球体のあらゆる側面からのX線検査を促進するために螺旋形である(これは図面には示されていない)。検査領域62から、黒鉛球体および誤って方向付けられた燃料球体は、第3分流弁(インデクサ)68に連結された第3放射線センサ66を通して送られる。第3分流弁68および第3放射線センサ66は両方ともコントローラに接続され、分流弁68はコントローラの制御下で、燃料球体および減速材球体を切換弁アセンブリ65に転送し、あるいは黒鉛球体を以下でさらに説明する減速材球体貯蔵システム90に方向転換するように作動する。
【0037】
出口20から出た使用済みでもなく破損もしていない燃料球体は、第1分流弁56を介して燃料球体流路50に、かつ1対の第2入口管路73を介して球体コレクタ74および球体分配器77に方向転換され、該球体分配器はコントローラに連結され、燃料球体を予め定められた順序で取扱システム40の9つの第2入口34に分配するように作動する。
【0038】
切換弁アセンブリ65は、黒鉛球体を入口管路72を介して炉心バレル14の第1入口32内に移動させ、かつ誤った方向に向けられた燃料球体を球体コレクタ74およびそこから第2入口34を介して炉心22の環状領域30内に通じる管路75に方向転換させるように作動する。
【0039】
取扱システム40は、新しい(未使用)燃料球体を貯蔵するため、および新しい燃料球体を第2入口34を介して炉心22内に選択的に供給するための新燃料貯蔵システム80を含む。新しい燃料球体は、新燃料貯蔵容器82および圧力ロックから取扱システム40内に導入され、そこから燃料球体は球体コレクタ74を介して入口34に導入される。
【0040】
取扱システム40はさらに、黒鉛減速材球体を貯蔵するための減速材球体貯蔵システム90を含む。減速材球体貯蔵システム90は入口93および出口94を有する黒鉛球体貯蔵タンク92を含み、入口93は減速材球体流路60の分流弁68に連結され、出口94は減速材球体流路60の切換弁アセンブリ65に連結される。したがって、コントローラの制御下で、分流弁68の動作によって、炉心22から排出された黒鉛球体は、炉心22に戻るように再循環するのではなく、貯蔵のために黒鉛球体貯蔵タンク92に方向転換され、それによって、保守目的のために黒鉛球体を炉心22から完全に排出することが可能になる。必要に応じて、炉心22は黒鉛球体貯蔵タンク92から切換弁アセンブリ65を介して、かつそこから入口管路72を介して第1入口32へ、黒鉛球体を再装荷することができる。黒鉛球体貯蔵タンク92はさらに、供給管路100を介して黒鉛およびヘリウムロック98に連結された第2入口96を有しており、新しい黒鉛球体は供給管路を介してシステム40内に導入することができる。黒鉛およびヘリウムロック98と黒鉛球体貯蔵タンク92との中間にある供給管路100に、黒鉛球体貯蔵タンク92内への燃料球体の不注意による導入を未然に感知するために、第4放射線センサ102が配置される。黒鉛球体は、管路105を介して切換弁アセンブリ65に接続された第3球体ハンドリングマシン104によって、黒鉛球体貯蔵タンク92から減速材球体流路60内に装荷される。黒鉛およびヘリウムロック98ならびに第4放射線センサ102は可搬性とすることができ、図面に破線で示される。
【0041】
取扱システム40はさらに、図9に図式的に示された使用済み燃料貯蔵システム110を含む。使用済み燃料貯蔵システム110は、使用済みおよび破損燃料球体のサイトでの永久貯蔵のために10個の使用済み燃料貯蔵タンク112を含み、そのうちの3つが図面に図示されている。好ましくは、使用済み燃料貯蔵タンク112の容量は、使用済みおよび破損燃料球体を原子炉10の予想運転寿命にわたって収容するように計算する。使用済み燃料貯蔵タンク112の入口114は、排出ロック116を介して第1分流弁56に連結される。2個の第5放射線センサ118が、使用済み燃料貯蔵流路70の第1分流弁56と排出ロック116との中間に配設される。センサ118は、偶発的に使用済み燃料貯蔵システム110内に方向転換された黒鉛球体を感知するように作動する。10個のポートの分配コントローラ119が使用済み燃料貯蔵タンク112に接続され、使用済み燃料球体を予め定義された貯蔵タンク112に方向転換するように作動する。
【0042】
取扱システム40はさらに、一時的燃料貯蔵システム120を含む。一時的燃料貯蔵システム120は、使用中の燃料球体を一時的に貯蔵するための一時的燃料貯蔵タンク122を有する。一時的燃料貯蔵タンク122は、流路61を介して第1分流弁56に連結された入口124と、球体コレクタ74に通じる燃料再装荷管路128を介して炉心バレル14の第2入口34に連結された出口126とを持つ。黒鉛球体の場合と同様に、原子炉10の保守中、燃料球体は炉心22から排出することができ、炉心22に戻るように循環するのではなく、保守が行なわれる間一時的燃料貯蔵タンク122に一時的に貯蔵することができる。保守の完了後に、燃料球体は第4球体ハンドリングマシン127によって、第2入口34を介して炉心22に再装荷される。最後の炉心燃料キャスク130および装荷ステーション131の準備が行なわれ、装荷ステーションは第4球体ハンドリングマシン127および一時的燃料貯蔵タンク122の出口126に燃料管路132を介して接続される。原子炉10の運転寿命が終わると、炉心22は最後の炉心燃料キャスク130内に放出することができる。装荷ステーション131はまた、使用済み燃料貯蔵タンク112から一連の第5燃料ハンドリングマシン134および使用済み燃料管路136を介して使用済み燃料を処理するため、および黒鉛球体貯蔵タンク92の第3球体ハンドリングマシン104を装荷ステーション131に接続する黒鉛管路138を介して使用済み黒鉛球体をアンロードするためにも使用することができる。
【0043】
マルチパス燃料装荷方式に従って運用されるペブルベッド型の原子炉10を有するプラント8において、燃料球体はそれがもはや役に立たない程度に消耗される(燃焼される)まで、炉心22内を2回以上、例えば最高10回移動することは理解されるであろう。ここで説明する本発明に係る原子力プラント8は、炉心22から出た後の燃料球体および黒鉛球体を別個に維持するように作動する取扱システム40を含む。燃料球体および黒鉛球体は、中央領域26における黒鉛球体および黒鉛充填中央領域26を取り囲む環状領域30における燃料球体の2ゾーン炉心装荷を確実にするために、特定の順序で配設された入口供給管(32、34)によってペブルベッドの上の炉心22内に供給される。取扱システム40の主要構成部品は、原子炉圧力容器12の下の遮蔽された個別仕切り室内に配置することが好ましい。寿命期間の使用済み燃料貯蔵および運転後の中間貯蔵として設計された使用済み燃料貯蔵システム110は、原子炉建屋の下部に配置される。本発明に従って設けられる取扱システム40は、炉心バレル14への黒鉛球体の装荷および炉心22への新燃料球体の装荷を可能にする。さらに取扱システム40は、誤って方向付けられた燃料球体を減速材流路60から除去したり、使用済み燃料貯蔵タンク112に通じる使用済み燃料貯蔵流路70に配設された放射線センサ118によって、誤って排出された黒鉛球体が新燃料球体の装荷を開始するのを防止することにも備える。こうして、コントローラーは、使用済み燃料貯蔵タンク112に方向転換される各燃焼済み燃料球体に代わって新燃料球体の装荷をトリガするように作動するが、センサ118によって黒鉛球体が検出された場合、新しい燃料球体の装荷は開始されない。さらに、燃料取扱および貯蔵システム40は、排出出口20からの燃料および黒鉛球体の除去、破損した燃料および黒鉛球体の分離、燃料、吸収材、および黒鉛球体の分離、黒鉛球体の再循環、ならびに部分的に使用された燃料球体の炉心22内の再循環にも備える。部分的に使用された燃料球体の燃焼度が測定され、使用済み燃料球体は使用済み燃料貯蔵システム110に排出される。PBR原子炉では、炉心22に吸収材球体を含めることができることが予想されることは理解されるであろう。炉心22からの吸収材球体の取扱はここでは特に説明しないが、減速材および燃料球体についてここで説明したのと同様の方法でそのような吸収材球体を分離し、貯蔵し、かつ循環させるように、取扱システム40を容易に適応させることができると予想される。
【0044】
通常の運転状態で、燃料および黒鉛球体は炉心22から燃料および黒鉛球体排出出口20を通して2つの球体ハンドリングマシン48に運ばれ、それは排出出口20から各マシン48の下流に連続ペブルフローを送ることができる。破損した球体は使用済み燃料貯蔵システム110に排出される。黒鉛および燃料球体は排出流路52を通過し、各燃料球体または黒鉛球体は放射線測定のために個々に放出され、その後それらは分流弁56によって分離される。燃焼度および放射線センサ54は、燃料球体の燃焼度を測定し、かつ燃料球体および黒鉛球体を区別する能力を有する。燃料球体は炉心22の外側環状領域30に輸送され、黒鉛球体は黒鉛検査領域62に輸送される。検査領域62にはさらなる放射線センサ(図示せず)が配設される。緩衝領域放射線センサによって燃料球体が検出されると、取扱システム40の通常動作が中断される。検査領域62の中身は、燃料球体が除去され、切換弁アセンブリ65および流路75によって球体コレクタ74に方向転換されるまで再循環される。燃焼度センサ54によって使用済み燃料球体が検出されると、分流弁56は使用済み燃料球体を使用済み燃料貯蔵タンク112に送る。
【0045】
上述したシステムでは、燃料および黒鉛球体は、好ましくは水平方向または垂直方向を向いた管路44内を、部分的に重力によって、しかし大部分は主として一次システム圧力の一次冷却ガスを使用することによって空気圧により運ばれる。燃料球体の移動の監視は、測定および計数機器(54、66、118)の助けを借りて実行され、それらの信号は制御システムに入力を提供し、それはシステム40の弁インデクサ(56、68、65)内の作動部品を作動させる。
【0046】
燃料球体は、一次冷却材によって空気圧により原子炉10に転送される。2種類の転送システムが使用される。第1転送システムは主ガスストリームから抽出されたガスを使用する。第2転送システムはブロワシステムである。第1転送システムは、ブロワを保守することができるように、ブロワ(図示せず)を迂回する。炉心22の初期装荷または検査または修理のために空にした後で炉心22に黒鉛球体を再充填するなど、例外的な場合には、原子炉圧力容器12を通気した状態で、圧力下の空気で空気圧による転送が行なわれる。
【0047】
通常作動状態では、黒鉛および燃料球体は連続的に分離される。放射線および燃焼度センサ54が、燃料球体と黒鉛球体と吸収材球体を区別し、センサ54を通過するそのような球体の計数を行い、燃料球体の放射線および燃焼度を測定する機能を果たす。各分流弁56は、3つの方向のうちの1つ、すなわち使用済み燃料貯蔵流路70、または燃料球体流路50、または減速材球体流路60に、燃料球体または減速材球体を送るように作動する。
【0048】
黒鉛球体は、通常作動中、黒鉛検査領域62(緩衝管路)に送られ、緩衝管路62は黒鉛球体のストックを保持する。緩衝管路62内の球体は放射線を監視される。これにより、誤って方向付けられた燃料球体を検出して球体コレクタ74に戻すための時間が得られる。
【0049】
重要なことは、取扱システム40が、メインパワーシステムを大気中に通気することが要求される保守介在中に、原子炉10から、保守原子炉圧力容器12に隣接する領域に配置された別個の黒鉛および燃料貯蔵タンク(92、122)へ炉心のインベントリを移送することによって、炉心22の燃料排出および燃料再装荷に備えることである。保守後、取扱システム40は、炉心22の燃料再装荷中にこれらのタンク(92、122)からの炉心22の再装荷に備える。燃料排出モード中の取扱システム40の構成を図4に図式的に示し、燃料再装荷中の取扱システム40の構成を図5に図式的に示す。したがって、原子炉10の寿命期間中に、比較的低コストで、かつ比較的迅速に、炉心構成部品および圧力容器12に保守を実行することができることは、本発明の重要な利点である。
【0050】
燃料取扱および貯蔵システム40は、黒鉛球体と燃料球体の正確な比率および分布が維持されることを達成する。さらに、メインパワーシステムの一次ループは燃料取扱および貯蔵システム40から分離される。燃料再装荷モード中の黒鉛球体および燃料球体の同時装荷は、炉心22の中心26への燃料球体の水平移動を防止し、適切な炉心体積が維持されることを確実にする。
【0051】
炉心22の燃料排出は、メインパワーシステムを保守のために大気に開放することが必要である場合にのみ実行される。燃料の腐食を防止するために、燃料球体は原子炉圧力容器12に隣接する燃料貯蔵タンク122内でヘリウム圧力下で貯蔵する必要がある。原子炉圧力は低減され、低圧領域は圧力弁の開放によって高圧領域に接続される。燃料球体および黒鉛球体は、放射線センサ54を用いて分離される。炉心22に含まれる黒鉛球体は、黒鉛貯蔵タンク92から回収された黒鉛球体と一緒に炉心22に再循環され、その中央領域26および環状領域30の両方に装荷される。炉心領域23全体における黒鉛球体の装荷は、炉心22の中心領域26への燃料球体の水平移動を防止し、適切な炉心体積を維持するためである。燃料球体は入口124を介して水冷式の臨界安全燃料貯蔵タンク122に送られる。燃料排出モード中、使用済み燃料貯蔵システム110は作動を停止する。さらに、新しい燃料装荷は行なわれず、新しい黒鉛球体装荷または補充も行なわれない。
【0052】
原子炉パワーシステムの保守後、燃料再装荷が開始される。ヘリウムの必要な動作圧力および温度が維持され、炉心22に黒鉛球体が充填されて減速材要素または黒鉛球体のベッド200が形成される。減速材要素のベッド200は、減速材要素または黒鉛球体を上から炉心バレル14に装荷することによって形成される。ベッド200が所望の高さまで形成されると、減速材要素が第1入口32を通して、燃料要素が第2入口34を通して領域26、30内に供給される。同時に、ベッド200を形成する減速材要素は出口20を通して下から、減速材要素および燃料要素が炉心バレル内に供給されるのと同じ速度で抜き取られる。このようにして、図面の図11に示すように、減速材要素の中心領域26および燃料要素の環状領域30を有する炉心を組み立てることができる。この手順は、ベッド200の減速材要素が全て除去され、炉心が図面の図12に示されるように完全に形成されるまで、続けられる。ひとたび2つのゾーンの炉心26、30が確立されると(図12)、燃料貯蔵タンク122が空になり、黒鉛貯蔵タンク92はほぼ4分の3が充填され、黒鉛緩衝貯蔵タンク(図示せず)は満杯になる。この時点で、原子炉10の始動を開始することができる。燃料再装荷装置は作動を停止し、低圧回路46と高圧回路46との間の分離弁を閉じることによって高圧部品から分離される。
【0053】
減速材球体および燃料球体貯蔵システム90、110、120を含む原子炉取扱システム40の作動のプロセスが、図2のプロセス流れ図に示されており、使いやすいようにそこに主要な構成部品の凡例および説明が含まれている。図2におけるプロセスブロックa、b、およびcは、図1に示した本発明の実施例の第1放射線および燃焼度センサ54にまとめて具現される。さらに、図2において、参照符号140によって示される記号は、手動操作弁を表わし、参照符号150によって示される記号は自動制御弁を表わし、参照符号160によって示される記号は圧力リリーフ弁を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子力プラントの一部を形成する原子炉の原子炉圧力容器の側面断面図である。
【図2】原子力プラントの一部を形成する取扱システムのプロセス流れ図である。
【図3】取扱システムのシステム配置の略図である。
【図4】燃料排出モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図5】燃料再装荷モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図6】通常運転モードで作動するシステムの一部の略図である。
【図7】通常運転モード中の燃料球体の流れの略図である。
【図8】通常運転モード中の黒鉛球体の流れの略図である。
【図9】通常運転モード中の使用済み燃料の流れの略図である。
【図10】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
【図11】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
【図12】本発明に係る原子炉の炉心の装荷に関係するステップを示す略図である。
Claims (35)
- 少なくとも中心領域の部分が略円筒形である炉心の中心領域に配置された複数の球状減速材要素と、
前記中心領域を包囲する環状領域に配置された複数の球状燃料要素と
を有する炉心を含むペブルベッド型の原子炉を含む原子力プラント。 - 前記原子炉の炉心が複数の球状吸収材要素を含む、請求項1に記載の原子力プラント。
- 前記減速材要素が黒鉛球体である、請求項1または2に記載の原子力プラント。
- 減速材要素および燃料要素を炉心から排出することのできる少なくとも1つの出口を有する炉心格納手段と、
1つまたは各々の第1入口を介して減速材要素を炉心の第1領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第1入口と、
1つまたは各々の第2入口を介して燃料要素を炉心の第2領域内に装荷できるように構成されている少なくとも1つの第2入口と、
減速材要素および燃料要素を炉心のそれらのそれぞれの領域内で予め定義された速度で循環させるための、前記1つまたは各々の出口と前記1つまたは各々の第1および第2入口の中間の取扱システムと
を含む原子炉を含む原子力プラント。 - 前記原子炉がペブルベッド炉であり、前記炉心格納手段が炉心バレルであり、前記第1領域が中心領域であり、前記第2領域が前記第1領域を包囲する環状領域である、請求項4に記載の原子力プラント。
- 前記炉心バレルが略円筒形であり、前記バレルの下端部は内向きにテーパを付けられて漏斗形の下端を提供し、前記バレルの前記下端に単一の出口が画定され、前記バレルの上端に単一の第1入口が前記炉心の前記中心領域に近接して配置され、前記炉心の環状領域に近接して前記バレルの長手軸を中心に放射配列関係に、かつ前記環状領域に対して対称配列に複数の第2入口が配置された、請求項5に記載の原子力プラント。
- 前記取扱システムが前記出口と前記入口の各々との中間に流路を画定する、請求項6に記載の原子力プラント。
- 前記流路が管路を含む導管設備を含む、請求項7に記載の原子力プラント。
- 前記取扱システムについての前記減速材および燃料要素のための原動力が少なくとも部分的には、圧力下のガスによって提供され、減速材および燃料要素は使用中に前記流路内を流れるガスフローストリームに伴流される、請求項7または8に記載の原子力プラント。
- 前記減速材および燃料要素のための原動力が少なくとも部分的には、重力によって提供される、請求項9に記載の原子力プラント。
- 前記取扱システムの前記流路は炉心と流体連通し、前記ガスフローストリームが原子炉冷却ガスによって提供される、請求項9または10に記載の原子力プラント。
- 前記取扱システムが燃料要素流路および減速材要素流路を持ち、前記取扱システムが、前記流路内の燃料要素から減速材要素を分離するための第1選別手段であって、前記減速材要素流路のガスフローストリームに減速材要素を伴流させ、かつ前記燃料要素流路のガスフローストリームに燃料要素を伴流させるための第1選別手段をさらに含む、請求項7ないし11のいずれか一項に記載の原子力プラント。
- 前記第1選別手段が第1分流弁に連結された第1センサ手段を含む、請求項12に記載の原子力プラント。
- 前記第1センサ手段が放射線センサであり、前記フローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射される核放射線を検出しかつ測定し、検出されかつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動し、前記第1分流弁が前記フローストリームを減速材要素流路である第1流路、燃料要素流路である第2流路、および燃焼または損傷した燃料要素を排出するための排出流路である第3流路に方向転換するように作動する、請求項13に記載の原子力プラント。
- 前記減速材要素流路が第2選別手段を含む、請求項12ないし14のいずれか一項に記載の原子力プラント。
- 第2選別手段が第2分流弁アセンブリに連結された第2センサ手段を含み、前記第2センサ手段が減速材流路のフローストリーム中の減速材要素および燃料要素によって放射された核放射線を検出しかつ測定し、検出されかつ測定された放射線を表わすデータを含む信号を発生するように作動する放射線センサであり、前記第2分流弁アセンブリが、炉心に再装荷するために減速材要素を減速材入口管路内に方向転換し、前記減速材要素流路で燃料要素を検出したとき、かかる燃料要素を炉心の環状領域内に方向転換して戻すように選択的に作動する、請求項15に記載の原子力プラント。
- 前記減速材要素流路が、前記減速材要素流路内の減速材要素から誤った方向に向けられた燃料要素を分離するのを助けるために、前記減速材要素流路内の要素を貯蔵して時間遅延を提供するための緩衝貯蔵手段を含む、請求項15または16に記載の原子力プラント。
- 前記取扱システムが貯蔵システムを含む、請求項16または17に記載の原子力プラント。
- 前記貯蔵システムが、新しい燃料要素を貯蔵するため、および新しい燃料要素を予め定められた間隔で第2入口を介して炉心内に供給するための新燃料貯蔵システム、および黒鉛減速材要素を貯蔵するための減速材要素貯蔵システムを含み、前記減速材要素貯蔵システムが入口および出口を有する減速材要素貯蔵タンクを含み、前記入口が前記減速材要素流路の第2分流弁アセンブリに連結され、前記出口が前記減速材要素流路の同第2分流弁アセンブリに連結されている、請求項18に記載の原子力プラント。
- 前記貯蔵システムが使用済み燃料貯蔵システムをさらに含む、請求項18または19に記載の原子力プラント。
- 前記使用済み燃料貯蔵システムが、使用済みおよび破損燃料要素をサイトで永久貯蔵するための複数の使用済み燃料貯蔵タンクを含み、前記使用済み燃料貯蔵タンクの入口は前記第1選別手段の第1分流弁に連結され、誤った方向に向けられた減速材要素を検出するために前記第1分流弁と前記使用済み燃料貯蔵タンクの中間に第3放射線センサが配置されている、請求項20に記載の原子力プラント。
- 前記燃料貯蔵システムが一時的燃料貯蔵システムをさらに含む、請求項21に記載の原子力プラント。
- 前記一時的燃料貯蔵システムが使用中の燃料要素を貯蔵するための一時的燃料貯蔵タンクを含み、前記一時的燃料貯蔵タンクが、前記第1選別手段の第1分流弁に連結された入口と、炉心の前記第2入口に連結された出口とを含む、請求項22に記載の原子力プラント。
- 燃料取扱および貯蔵システムが、放射線センサならびに分流弁および弁アセンブリの各々に連結された制御手段を含む、請求項18ないし23のいずれか一項に記載の原子力プラント。
- 前記制御手段が、それぞれの放射線センサの作動により分流弁の動作を制御して減速材要素および燃料要素をそれらのそれぞれの回路に方向転換させるように作動するコンピュータである、請求項24に記載の原子力プラント。
- 前記制御手段は、使用済みおよび破損燃料要素が前記使用済み燃料貯蔵システム内に排出されたときに炉心への新しい燃料要素の供給を制御するように作動し、それにより炉心および取扱システムを含めて予め選択された数の燃料要素の循環を維持し、前記制御手段は、誤った方向に向けられた減速材球体が使用済み燃料貯蔵システムの第3放射線センサによって検出された場合、炉心内への新しい燃料要素の装荷を防止するようにプログラムされ、それによって炉心内の燃料/減速材比の偶発的な変化を回避するようにした、請求項25に記載の原子力プラント。
- ペブルベッド型の原子炉を有する原子力プラントの運転方法であって、
原子炉の炉心に画定された中心の略円筒状の領域内に球状減速材要素を予め定められた速度で循環させるステップと、
前記中心領域を包囲して前記炉心に画定される環状領域内に球状燃料要素を予め定められた速度で循環させるステップと
を含む方法。 - 原子炉の保守を促進するために前記炉心の外部に前記減速材要素を一時的に貯蔵するステップを含む、請求項27に記載の方法。
- 原子炉の保守を促進するために前記炉心の外部に前記燃料要素を一時的に貯蔵するステップをさらに含む、請求項27または28に記載の方法。
- ペブルベッド型の原子炉の炉心の装荷方法であって、
前記炉心に第1減速材要素を充填して減速材要素のベッドを形成するステップと、
中心および環状領域から前記第1減速材要素を予め定められた速度で除去しながら、前記炉心の中心領域に第2減速材要素を、かつ前記炉心の環状領域に燃料要素を予め定められた速度で同時に装荷して、複数の球状減速材要素が中心領域に配置されかつ複数の球状燃料要素が前記中心領域の周囲の環状領域に配置された炉心を形成するステップと
を含む方法。 - 前記第1減速材要素を下から除去しながら、前記第2減速材要素および燃料要素を上から装荷するステップを含む、請求項30に記載の方法。
- 本書で実質的に説明しかつ図示した、請求項1または請求項4に記載の原子力プラント。
- 本書で実質的に説明しかつ図示した、請求項27に記載の原子力プラントを運転する方法。
- 本書で実質的に説明しかつ図示した、請求項30に記載の原子炉の炉心に装荷する方法。
- 本書で実質的に説明した新しいプラントまたは方法。
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