JP2004503764A - 音速測定装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は音速測定装置に関する。本装置は、出力電気パルス信号(404)を生成する電気パルス生成手段(402)、前記出力電気パルス信号(404)を出力音響パルス信号(405)に変換する送信トランスジューサ、出力音響パルス信号(405)を反射して反射音響パルス信号(409)を生成する反射器(407)、送信トランスジューサから直接送信された出力音響パルス信号(405)及び反射器で反射された反射音響パルス信号(409)を受信するようなされ、受信出力音響パルス信号(405)を再構成された出力電気パルス信号(410)に変換し、かつ反射音響パルス信号を再構成された反射電気パルス信号(411)へ変換する受信トランスジューサ(408)、再構成された出力電気パルス信号(410)及び再構成されたパルス信号(411)を用いて音速(412)を測定する速度測定手段を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音速測定に関する。さらに具体的には、本発明は所定の距離を通る音響信号の伝搬時間に基づいて音速を測定する方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
図1は米国特許第4,926,395号に開示された音速測定の従来技術装置100及び方法を示す。
制御モジュール101は出力電気パルス信号102を生成する。イベント開始時、即ち出力電気パルス信号102の生成時の時刻はt1で示される。出力電気パルス信号102は送信トランスジューサ103に送出される。
【0003】
送信トランスジューサ103は出力電気パルス信号を音響パルス信号104に変換する。
次に、送信トランスジューサ103によって出力された音響パルス信号104は空気または水などの媒体105の中を伝搬し、反射器106に当たって反射される。
【0004】
反射音響パルス信号107は受信トランスジューサ108の方へ反射され、受信トランスジューサ108は反射音響パルス信号107を受信して電気パルス信号に変換する。電気パルス信号は再構成された反射電気パルス信号109として以下で言及される。
この公知の装置において、送信トランスジューサ及び受信トランスジューサのフロントエンドは反射器106の面に平行な1つの面にある。なんとなれば、受信トランスジューサおよび送信トランスジューサが1つのトランスジューサで実現されているからである。
【0005】
次に、再構成された反射電気パルス信号109は制御モジュール101に送出される。
再構成された反射電気パルス信号109が制御モジュール101で受信されるときの時刻に基づいて、音響パルス信号の伝搬時間、即ち、出力及び反射音響パルス信号が媒体105の中を伝搬するのに必要な時間が測定される。伝搬時間の測定方法は以下に説明される。
【0006】
制御モジュール101で測定され出力される音速110、即ちsは、
【数式1】
で与えられ、ここで
・dは送信トランスジューサ103(または受信トランスジューサ108)と反射器106との間の距離であり、
かつ、
・t0は伝搬時間であって、出力音響パルス信号104が送信トランスジューサと反射器106との間の距離を伝搬するのに必要な時間と、反射音響パルス信号107が反射器106と受信トランスジューサ108との間の距離を伝搬するのに必要な時間との合計である。
【0007】
以下に、従来技術による伝搬時間t0の測定方法が説明される。
制御モジュール101で生成された出力電気パルス信号102は、図2Aに示すように、通常、有限時間分のゲート正弦波信号である。
送信トランスジューサ103及び受信トランスジューサ108の固有の特性によって、トランスジューサ103及び104において、各々の信号変換処理の間に信号特性がたいてい劣化する。これは、例えば、音響パルス信号104の波形は出力電気パルス信号102の波形に正確に対応せず、送信トランスジューサ103によって出力電気パルス信号102の波形から音響パルス信号104の波形が生成されるということを意味している。同様に、再構成された反射電気パルス信号109の波形は、反射音響パルス信号107の波形に正確に対応せず、再構成された反射電気パルス信号109は反射音響パルス信号107から受信トランスジューサ108で生成される。
【0008】
図2Bは、再構成された反射電気パルス信号109の例を示し、それは制御モジュール101で受信され、入力ゲート正弦波信号から生じて出力電気パルス信号102として送信トランスジューサ103に供給される。
制御モジュール101は信号を受信すると、受信信号が再構成された反射電気パルス信号109であるかあるいはただのバックグラウンドノイズかを判定する。
【0009】
論考を容易にするために、受信信号はデジタル信号であるとみなす。
制御モジュール101は、受信信号のひとつのデジタル標本を受信すると、デジタル信号のこの標本の振幅を2つの閾値301、302、即ち上側の閾値301と下側の閾値302と比較する(図3参照)。
本文脈では、振幅はこの時刻でのデジタル信号の電圧レベルであるように意図されている。
【0010】
デジタル信号のこの標本の振幅の絶対値が上側あるいは下側の閾値の絶対値より大きいとき、再構成された反射電気パルス信号109が検出されることが判定され、次にこのときの時刻がt2で表される(図3参照)。
そうでなければ、制御モジュール101の判定は、再構成された反射電気パルス信号109は検出されないということであって、制御モジュール101は次のデジタル標本を引き続き採り、再構成された反射電気パルス信号109が検出されるまで上述したような比較を行う。
【0011】
伝搬時間t0は次に評価伝搬時間
【数式2】
であると評価され、
【数式3】
で与えられる。ここで
・t1は出力電気パルス信号102を制御モジュール101が生成開始するときの時刻であり、
かつ、
・t2は再構成された反射電気パルス信号109が制御モジュール101で検出されるときの時刻である。
【0012】
これで、どのように伝搬時間t0が計算された時間
【数式4】
で評価されるかの説明が完了する。
しかしながら、上記に特に説明された先行技術による方法には2つの問題があり、
【数式5】
によるt0の評価値を誤ったものにする。
第1に、送信トランスジューサ103によって出力電気パルス信号が可聴形式(音響パルス信号104)に変換されることは瞬間的に起きているのでなく、主としてトランスジューサの物理的制限によっている。実際、出力電気パルス信号102が制御モジュール101で生成開始されるときの時刻(即ち、t1)と音響パルス信号104が媒体105の中を伝搬を開始するときの時刻との間にはかなりの時間の遅延がある。遅延が音速測定の様々な実施/シナリオに対して固定値であるときは、t1をt1に固定値を加えた値で置き換えることによってこの問題は回避され得た。しかしながら、遅延は音速測定の様々な実施/シナリオに対して一定ではない。
【0013】
第2に、再構成された反射電気パルス信号109の検出も瞬間的に起きるのではない。実際、制御モジュール101は、図3に示すように、再構成された反射電気パルス信号109のだいたい2、3サイクルというかなりの時間遅延があって初めて再構成された反射電気パルス信号109の到達を検出し得る。遅延が、例えば、音速測定の異なる実施/シナリオに対して1サイクルといった固定値であるとき、t2をt2からこの固定値を減じた値で置き換えることによってこの問題は回避され得る。しかしながら、この遅延も音速測定の異なる実施/シナリオに対して一定ではない。
【0014】
これらの問題は、制御モジュール101としてサウンドカード、送信トランスジューサ103として市販のやや低コストのラウドスピーカー、反射器106としてプラスチックのコンパクトディスクケース、及び受信トランスジューサ108として市販のやや低コストのマイクロフォン、を有するパーソナルコンピュータのような低コストコンポーネント使用時にいっそう悪化する。
【0015】
【発明の概要】
従って、本発明の第1の目的は、特に高校における音速測定実験のためのような教育的目的のために、とりわけ低コストのコンポーネントを使用する時であっても、改善された精度で音速を測定する装置を提供することである。
第1の目的を達成するために、本発明の第1の特徴によると、音速測定装置は電気パルス信号生成手段を含み、出力電気パルス信号として以下で参照される電気パルス信号を生成する。電気パルス生成手段は、例えば、ケーブル経由で、送信トランスジューサに接続され、出力電気パルス信号を出力音響パルス信号として以下で参照される音響パルス信号に変換する。送信トランスジューサは、市販のやや低コストのラウドスピーカーでできる。さらに、受信トランスジューサが、音響パルス信号を電気パルス信号に変換するために備えられている。受信トランスジューサは、市販のやや低コストのマイクロフォンでできる。2つのトランスジューサは反射器に接続され、送信トランスジューサによって生成され出力された出力音響パルス信号が反射器で反射されて、反射音響パルス信号が生成されて受信トランスジューサで受信される。本発明のこの第1の特徴によれば、受信トランスジューサが、送信トランスジューサに関連して、出力音響パルス信号及び反射音響パルス信号の両方を受信し各々の電気パルス信号に変換するようになっている。受信トランスジューサによって出力音響パルス信号から生成された電気パルス信号は、再構成された出力電気パルス信号として以下で言及され、一方反射音響パルス信号から生成された電気パルス信号は、再構成された反射電気パルス信号として以下で言及される。さらに、本発明のこの特徴による装置は、再構成された出力電気パルス信号と、再構成された反射電気パルス信号も用いて音速を測定する速度測定手段を含む。
【0016】
電気パルス生成手段及び/または速度測定手段はパーソナルコンピュータ(PC)で実現され得る。例えば、電気パルス生成手段及び速度測定手段の両方がサウンドカードを含むPCで実現され得る。
さらに、反射器はプラスチック要素であり、特にコンパクトディスクケースであってもよい。
【0017】
本発明による装置の有利な点は、かなり低コストのコンポーネントが使用されるときでさえ音速測定の精度が改善されるという事実で理解され得る。なんとなれば、再構成された出力電気パルス信号に基づく音速測定が、従来技術装置と関連して上述された送信トランスジューサの変換プロセスにおける未知の時間遅延によって引き起こされる音速計算の不確実性を排除するからである。さらに、本装置は大変安価であり、よって低コストの用途に特に適している。
【0018】
本発明のさらなる実施例によれば、電気パルス生成手段は、
・最大振幅を有する優勢サイクルで始まり、
かつ
・出力電気パルス信号の終端部分の振幅が、優勢サイクルにおける出力電気パルス信号の最大振幅と比較してかなり小さい値かゼロへと漸減する、
ことを特徴とする波形を有する出力電気パルス信号を生成することができるようになされている。
【0019】
出力電気パルス信号は初期部分をさらに含み、その振幅は出力電気パルス信号の最大振幅よりもかなり小さくてもよい。論考を容易にするために、出力電気パルス信号はかかる初期部分を有さないとみなす。
本発明の本実施例によれば、音速測定の堅牢性及び正確性をさらに改善する。なんとなれば、出力電気パルス信号のかかる波形で、従来技術に関連して上述された速度測定手段の検出プロセスにおける未知の時間遅延によって引き起こされる音速計算の不確実性を排除するか少なくとも減じるからである。
【0020】
本発明のさらなる実施例によれば、導波路が備えられ、送信トランスジューサと反射器との間、及び/または受信トランスジューサと反射器との間に配置される。
さらに、導波路は中空の円筒型チューブであってもよい。長手の紙を巻いて形成した中空のチューブであってもよい。
【0021】
かかる導波路を用いると、信号エネルギの損失がさらに低減され、従って媒体の中を伝搬する時の信号振幅の減少がより少なくなることによって、よりよい測定結果がもたらされる。
さらに、本発明の好適実施例によれば、速度測定手段は、
・再構成された出力電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク検出時である、第1時刻、
及び、
・再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク検出時である、第2時刻、
を用いて音速を測定するようになされている。
【0022】
再構成された出力電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク(優勢サイクルの第2半サイクルのピークである)は、その絶対値が第1閾値の絶対値より大きいときに検出され、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピークは、その絶対値が第2閾値の絶対値より大きいときに検出される。第1及び第2閾値は、同じかあるいは異なる値を有してもよい。第1閾値の絶対値が第2閾値の絶対値より大きいことが望ましい。なんとなれば、概して、エネルギー、即ち、再構成された出力電気パルス信号の振幅とが、再構成された反射電気パルス信号の振幅より高いからである。
【0023】
本発明によれば、第1半サイクルの代わりに第2半サイクルを選択することに優位性がある。これはいくつかのシナリオにおいて、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第1半サイクルのピークが十分有効でない一方、他のシナリオにおいては、それが十分有効である、つまり、その絶対値が、第2閾値の絶対値より小さいときもあれば、大きいときもある、ということが認められるからである。よって、優勢サイクルの第1半サイクルのピークを検出することが、多くの場合に伝搬時間t0の評価精度に影響する。なんとなれば、ピークが検出される時間が優勢サイクルの第1半サイクルのピークに正確に対応するときもあるが、優勢サイクルの第1半サイクルのピークが検出されないので、優勢サイクルの次に来るサイクルの第1半サイクルのピークに間違って対応するときもあるからである。他方、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2半サイクルのピークは常に十分に有効である。
【0024】
さらに、本発明の第2の目的は、とりわけ低コストのコンポーネント使用時であっても改善された精度を有する音速測定方法を提供することである。
第2の目的を達成するために、出力電気パルス信号が、本発明の第2の特徴による音速測定方法の第1ステップで生成される。次に、出力電気パルス信号は出力音響信号に変換される。反射器で反射された後、このように生成された反射音響パルス信号は、受信されて再構成された反射電気パルス信号に変換される。最終ステップとして、再構成された反射電気パルス信号を用いて音速が測定される。
【0025】
さらに、本発明の好適実施例によれば、出力電気パルス信号は本発明の第2の特徴による音速測定方法の第1ステップで生成される。次に、出力電気パルス信号は、出力音響パルス信号及び再構成された出力電気パルス信号へ変換される。反射器で反射された後、このように生成された反射音響パルス信号は受信されて再構成された反射電気パルス信号へ変換される。最終ステップとして、再構成された反射電気パルス信号及び再構成された出力電気パルス信号を用いて音速が測定される。
【0026】
本構成を参照して上述されたこれらの実施例は、本発明による方法に同様にあてはまる。
【0027】
【発明の好ましい実施形態の詳細な説明】
本発明の好適実施例を添付図面を参照して説明する。
図4は装置400を示し、電気パルス生成手段であり空気中の音速を測定する速度測定手段としてのサウンドカード402を含むパーソナルコンピュータ(PC)401を備えている。
【0028】
本実施例によれば、本装置では標準PCアクセサリ/コンポーネントだけを使用する。特に、サウンドカード、マイクロフォン、及びラウドスピーカであり、他のPCプラグインカード、PCインタフェースを有する外部ユニット、及び超音波センサなどの非標準PCアクセサリ/コンポーネントではない。
パーソナルコンピュータ401のサウンドカード402を用いて出力電気パルス信号404を生成することは、出力電気パルス信号404が可聴周波数域内、即ち20Hzから20,000Hzにあって、超音波周波数域内でない、即ち20,000Hz以下であるということを意味することに注意すべきである。
【0029】
この場合、サウンドカード402を有するPC401が制御モジュールを成す。
さらに、ラウドスピーカ403が送信トランスジューサとして備えられる。ラウドスピーカ403はケーブル経由でサウンドカード402に接続される。
サウンドカード402で生成された出力電気パルス信号404はラウドスピーカ403に与えられて、出力音響パルス信号405に変換される。
【0030】
音響パルス信号405は次にラウドスピーカ403によって送出され、本実施例によれば空気406である媒体を経由し、音響パルス信号405の少なくとも一部は反射器407にぶつかって反射器407で反射される。
出力音響パルス信号405は、マイクロフォン408でさらに受信される。マイクロフォン408は受信トランスジューサとして使用される。よって、言い換えると、受信トランスジューサはラウドスピーカ403に関連して、図4に明瞭に示したように、ラウドスピーカ403から直接来る出力音響パルス信号405を受信し、その出力音響パルス信号405を再構成された出力電気パルス信号に変換するようになされている(図6A参照)。
【0031】
本実施例による反射器407は、CD(コンパクトディスク)のプラスチックケースである。反射器407は、出力音響パルス信号405が反射器407にぶつかると出力音響パルス信号405を反射し得る他のコンポーネントで成し得るということに注意すべきである。
反射器407は、このように出力音響パルス信号405を反射し、反射音響パルス信号409をマイクロフォン408に送出する。
【0032】
マイクロフォン408は受信信号、即ち受信出力音響パルス信号405及び受信反射音響パルス信号409を、再構成された出力電気パルス信号410及び再構成された反射電気パルス信号411にそれぞれ変換し、PC401のサウンドカード402に与える。
PC401において、伝搬時間t0は評価伝搬時間
【数式6】
として評価され、
【0033】
【数式7】
で与えられる。ここで
・t3は、説明図として図6Aに示したように、再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻であり、
かつ、
・t4は、説明図として図6Bに示したように、再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻である。
【0034】
図6は、PC401で受信された信号600(再構成された出力電気パルス信号410及び再構成された反射電気パルス信号411を含む)の例とt3及びt4の位置とを示す。
信号600の左側601(図6A)は再構成された出力電気パルス信号410である。信号600の右側602(図6B)は再構成された反射電気パルス信号411である。
【0035】
これから、どのようにt3及びt4が得られるかを、図6に示した例を用いて詳細に説明する。
本パラグラフでは、どのようにt3、即ち再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルのピークが検出される時の時刻が得られるかを説明する。論考を容易にするために、受信信号はデジタル信号であるとみなす。最初に、パルス波形に関する先験的な知識からすると、本実施例によれば、第2半サイクルがこの例において負である(かつ正でない)ことは公知である。PC401は、受信信号のひとつのデジタルサンプルを受信すると、受信信号のこのサンプルの振幅を下側の閾値603と比較する(第2半サイクルが正のとき、振幅は上側の閾値604と比較される。)。受信信号のこのサンプルの振幅の絶対値が下側の閾値603の絶対値より大きいとき、再構成された出力電気パルス信号410が検出されたと判断される。そうでなければ、受信信号は再構成された出力電気パルス信号410ではない、即ち再構成された出力電気パルス信号410は検出されないと判断され、制御モジュールは次のデジタルサンプルを引き続いて採り、再構成された出力電気パルス信号410が検出されるまで、上述したような比較を行う。それは次のサンプルを現在のサンプルと、次の次のサンプルを次のサンプルと、以下同様、比較することによって部分的な絶対最大ポイントを探し、この部分的な絶対最大ポイントに対応する時刻をt3として表示し続ける(図6参照)。t3は再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルの第2半サイクルのピークに対応するということに注意が必要である。
【0036】
本パラグラフでは、どのようにt4、即ち再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻が得られるかを説明する。パルス長の先験的知識からすると、t4のサーチが開始されるまでt3の後の一定期間待たされる。かかる期間の後、t4のサーチが、前のパラグラフで述べたt3のサーチと同じ方法を用いて開始される。閾値の値だけがt3のサーチに用いられた値とは異なってもよい(図6に示された例においては、同じ閾値がt3及びt4の両方のサーチに用いられていることに注意が必要である。)。t4は、再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークに対応することに注意が必要である。
【0037】
図4に示された測定装置、及び図5Aまたは5Bに示され以下に更に詳細に述べられる生成された出力電気パルス信号の波形を用いると、t3及びt4には、従来技術装置(図1参照)によるt1及びt2が直面した「遅延問題」はなく、上述した問題は解決される。その結果、t0の評価値はより正確になる。
よって、最終ステップとして、音速412、即ちs’は以下の公式によって算定される。
【0038】
【数式8】
ここで、
・d’はマイクロフォン408と反射器106との間の距離であり、
・
【数式9】
は方程式(3)で与えられた評価伝搬時間である。
本発明による生成された出力電気パルス信号404の波形例は図5A及び図5Bに示される。
【0039】
図5Aに示した生成された出力電気パルス信号501の特徴は以下の通りである。
・図5Aに示した信号501は最大振幅を有する優勢サイクル503から始まり、
かつ、
・信号501の終端部分504の振幅は、信号501の最大振幅と比較してかなり小さい値へと漸減する。
【0040】
図5Bに示した生成された出力電気パルス信号502の特徴は信号501と同様であり、さらに信号502は初期部分505を含み、その振幅は信号502の最大振幅よりかなり小さい。論考を容易にするために、出力電気パルス信号404はかかる初期部分を含まないとみなす。
サウンドカード402で生成された出力電気パルス信号404である、図5A及び5Bを参照して上述したパルス信号案を用いることが、本発明による有利な点である、ということが強調されるべきである。実際、図2Aに示した従来のゲート正弦波信号が出力電気パルス信号として用いられると、以下のように問題が生じ得る。ゲート正弦波信号が短い持続時間を有すると、再構成された反射電気パルス信号は、その波形が出力電気パルス信号404の波形とかなり異なるという意味においてひどくゆがめられる可能性があり、時間t4の測定は難しくて信頼できない。他方、この問題を解決するために、出力電気パルス信号としてゲート正弦波信号が長い持続時間を有すると、再構成された出力電気パルス信号が、再構成された反射電気パルス信号と重複し、時間t4の測定がこの場合もやはり難しくなり得るという別の問題をもたらし得る。
【0041】
図5A及び図5Bで説明されたこの波形に関して、信号持続期間をかなり長い時間にセットすると、上述した短い持続時間による問題は解決する。長い持続時間では、前のパラグラフで述べた「重複問題」に直面し得る。しかしながら、本発明による出力電気パルス信号案は漸減している終端を有するので、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルと重複する再構成された出力電気パルス信号のその部分の振幅の絶対値は、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの振幅の絶対値より極めて小さく、時間t4の測定は難しくない。
【0042】
よって、本発明による波形案を用いると、上述した両方の問題が解決される。
図1に示したような公知の装置で出力電気パルス信号として上記の波形案を使用することは、本発明の範囲に含まれるということに更に注意すべきである。なんとなれば、本発明によって提案された装置を用いなくてもかかる波形の使用によって、上述したように測定精度を著しく改善すると考えられるからである。
【0043】
図7に示した本発明のさらなる実施例によれば、導波路701はマイクロフォン408と反射器407との間に追加される。その他の点では、この実施例は図4に関連して説明された第1実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による音速測定装置のブロック図を示す。
【図2A】従来技術による代表的な出力電気パルス信号の波形を示す。
【図2B】図2Aの出力電気パルス信号に対応する再構成された反射電気パルス信号を示す。
【図3】従来技術による制御モジュールにおける再構成された反射電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図4】本発明の第1実施例による音速測定装置のブロック図を示す。
【図5A】本発明の実施例による出力電気パルス信号の波形を示す。
【図5B】本発明の実施例による出力電気パルス信号の波形を示す。
【図6A】本発明の実施例による制御モジュールにおける再構成された出力電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図6B】本発明の実施例による制御モジュールにおける再構成された反射電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図7】本発明の第2実施例による音速測定装置のブロック図を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は音速測定に関する。さらに具体的には、本発明は所定の距離を通る音響信号の伝搬時間に基づいて音速を測定する方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
図1は米国特許第4,926,395号に開示された音速測定の従来技術装置100及び方法を示す。
制御モジュール101は出力電気パルス信号102を生成する。イベント開始時、即ち出力電気パルス信号102の生成時の時刻はt1で示される。出力電気パルス信号102は送信トランスジューサ103に送出される。
【0003】
送信トランスジューサ103は出力電気パルス信号を音響パルス信号104に変換する。
次に、送信トランスジューサ103によって出力された音響パルス信号104は空気または水などの媒体105の中を伝搬し、反射器106に当たって反射される。
【0004】
反射音響パルス信号107は受信トランスジューサ108の方へ反射され、受信トランスジューサ108は反射音響パルス信号107を受信して電気パルス信号に変換する。電気パルス信号は再構成された反射電気パルス信号109として以下で言及される。
この公知の装置において、送信トランスジューサ及び受信トランスジューサのフロントエンドは反射器106の面に平行な1つの面にある。なんとなれば、受信トランスジューサおよび送信トランスジューサが1つのトランスジューサで実現されているからである。
【0005】
次に、再構成された反射電気パルス信号109は制御モジュール101に送出される。
再構成された反射電気パルス信号109が制御モジュール101で受信されるときの時刻に基づいて、音響パルス信号の伝搬時間、即ち、出力及び反射音響パルス信号が媒体105の中を伝搬するのに必要な時間が測定される。伝搬時間の測定方法は以下に説明される。
【0006】
制御モジュール101で測定され出力される音速110、即ちsは、
【数式1】
で与えられ、ここで
・dは送信トランスジューサ103(または受信トランスジューサ108)と反射器106との間の距離であり、
かつ、
・t0は伝搬時間であって、出力音響パルス信号104が送信トランスジューサと反射器106との間の距離を伝搬するのに必要な時間と、反射音響パルス信号107が反射器106と受信トランスジューサ108との間の距離を伝搬するのに必要な時間との合計である。
【0007】
以下に、従来技術による伝搬時間t0の測定方法が説明される。
制御モジュール101で生成された出力電気パルス信号102は、図2Aに示すように、通常、有限時間分のゲート正弦波信号である。
送信トランスジューサ103及び受信トランスジューサ108の固有の特性によって、トランスジューサ103及び104において、各々の信号変換処理の間に信号特性がたいてい劣化する。これは、例えば、音響パルス信号104の波形は出力電気パルス信号102の波形に正確に対応せず、送信トランスジューサ103によって出力電気パルス信号102の波形から音響パルス信号104の波形が生成されるということを意味している。同様に、再構成された反射電気パルス信号109の波形は、反射音響パルス信号107の波形に正確に対応せず、再構成された反射電気パルス信号109は反射音響パルス信号107から受信トランスジューサ108で生成される。
【0008】
図2Bは、再構成された反射電気パルス信号109の例を示し、それは制御モジュール101で受信され、入力ゲート正弦波信号から生じて出力電気パルス信号102として送信トランスジューサ103に供給される。
制御モジュール101は信号を受信すると、受信信号が再構成された反射電気パルス信号109であるかあるいはただのバックグラウンドノイズかを判定する。
【0009】
論考を容易にするために、受信信号はデジタル信号であるとみなす。
制御モジュール101は、受信信号のひとつのデジタル標本を受信すると、デジタル信号のこの標本の振幅を2つの閾値301、302、即ち上側の閾値301と下側の閾値302と比較する(図3参照)。
本文脈では、振幅はこの時刻でのデジタル信号の電圧レベルであるように意図されている。
【0010】
デジタル信号のこの標本の振幅の絶対値が上側あるいは下側の閾値の絶対値より大きいとき、再構成された反射電気パルス信号109が検出されることが判定され、次にこのときの時刻がt2で表される(図3参照)。
そうでなければ、制御モジュール101の判定は、再構成された反射電気パルス信号109は検出されないということであって、制御モジュール101は次のデジタル標本を引き続き採り、再構成された反射電気パルス信号109が検出されるまで上述したような比較を行う。
【0011】
伝搬時間t0は次に評価伝搬時間
【数式2】
であると評価され、
【数式3】
で与えられる。ここで
・t1は出力電気パルス信号102を制御モジュール101が生成開始するときの時刻であり、
かつ、
・t2は再構成された反射電気パルス信号109が制御モジュール101で検出されるときの時刻である。
【0012】
これで、どのように伝搬時間t0が計算された時間
【数式4】
で評価されるかの説明が完了する。
しかしながら、上記に特に説明された先行技術による方法には2つの問題があり、
【数式5】
によるt0の評価値を誤ったものにする。
第1に、送信トランスジューサ103によって出力電気パルス信号が可聴形式(音響パルス信号104)に変換されることは瞬間的に起きているのでなく、主としてトランスジューサの物理的制限によっている。実際、出力電気パルス信号102が制御モジュール101で生成開始されるときの時刻(即ち、t1)と音響パルス信号104が媒体105の中を伝搬を開始するときの時刻との間にはかなりの時間の遅延がある。遅延が音速測定の様々な実施/シナリオに対して固定値であるときは、t1をt1に固定値を加えた値で置き換えることによってこの問題は回避され得た。しかしながら、遅延は音速測定の様々な実施/シナリオに対して一定ではない。
【0013】
第2に、再構成された反射電気パルス信号109の検出も瞬間的に起きるのではない。実際、制御モジュール101は、図3に示すように、再構成された反射電気パルス信号109のだいたい2、3サイクルというかなりの時間遅延があって初めて再構成された反射電気パルス信号109の到達を検出し得る。遅延が、例えば、音速測定の異なる実施/シナリオに対して1サイクルといった固定値であるとき、t2をt2からこの固定値を減じた値で置き換えることによってこの問題は回避され得る。しかしながら、この遅延も音速測定の異なる実施/シナリオに対して一定ではない。
【0014】
これらの問題は、制御モジュール101としてサウンドカード、送信トランスジューサ103として市販のやや低コストのラウドスピーカー、反射器106としてプラスチックのコンパクトディスクケース、及び受信トランスジューサ108として市販のやや低コストのマイクロフォン、を有するパーソナルコンピュータのような低コストコンポーネント使用時にいっそう悪化する。
【0015】
【発明の概要】
従って、本発明の第1の目的は、特に高校における音速測定実験のためのような教育的目的のために、とりわけ低コストのコンポーネントを使用する時であっても、改善された精度で音速を測定する装置を提供することである。
第1の目的を達成するために、本発明の第1の特徴によると、音速測定装置は電気パルス信号生成手段を含み、出力電気パルス信号として以下で参照される電気パルス信号を生成する。電気パルス生成手段は、例えば、ケーブル経由で、送信トランスジューサに接続され、出力電気パルス信号を出力音響パルス信号として以下で参照される音響パルス信号に変換する。送信トランスジューサは、市販のやや低コストのラウドスピーカーでできる。さらに、受信トランスジューサが、音響パルス信号を電気パルス信号に変換するために備えられている。受信トランスジューサは、市販のやや低コストのマイクロフォンでできる。2つのトランスジューサは反射器に接続され、送信トランスジューサによって生成され出力された出力音響パルス信号が反射器で反射されて、反射音響パルス信号が生成されて受信トランスジューサで受信される。本発明のこの第1の特徴によれば、受信トランスジューサが、送信トランスジューサに関連して、出力音響パルス信号及び反射音響パルス信号の両方を受信し各々の電気パルス信号に変換するようになっている。受信トランスジューサによって出力音響パルス信号から生成された電気パルス信号は、再構成された出力電気パルス信号として以下で言及され、一方反射音響パルス信号から生成された電気パルス信号は、再構成された反射電気パルス信号として以下で言及される。さらに、本発明のこの特徴による装置は、再構成された出力電気パルス信号と、再構成された反射電気パルス信号も用いて音速を測定する速度測定手段を含む。
【0016】
電気パルス生成手段及び/または速度測定手段はパーソナルコンピュータ(PC)で実現され得る。例えば、電気パルス生成手段及び速度測定手段の両方がサウンドカードを含むPCで実現され得る。
さらに、反射器はプラスチック要素であり、特にコンパクトディスクケースであってもよい。
【0017】
本発明による装置の有利な点は、かなり低コストのコンポーネントが使用されるときでさえ音速測定の精度が改善されるという事実で理解され得る。なんとなれば、再構成された出力電気パルス信号に基づく音速測定が、従来技術装置と関連して上述された送信トランスジューサの変換プロセスにおける未知の時間遅延によって引き起こされる音速計算の不確実性を排除するからである。さらに、本装置は大変安価であり、よって低コストの用途に特に適している。
【0018】
本発明のさらなる実施例によれば、電気パルス生成手段は、
・最大振幅を有する優勢サイクルで始まり、
かつ
・出力電気パルス信号の終端部分の振幅が、優勢サイクルにおける出力電気パルス信号の最大振幅と比較してかなり小さい値かゼロへと漸減する、
ことを特徴とする波形を有する出力電気パルス信号を生成することができるようになされている。
【0019】
出力電気パルス信号は初期部分をさらに含み、その振幅は出力電気パルス信号の最大振幅よりもかなり小さくてもよい。論考を容易にするために、出力電気パルス信号はかかる初期部分を有さないとみなす。
本発明の本実施例によれば、音速測定の堅牢性及び正確性をさらに改善する。なんとなれば、出力電気パルス信号のかかる波形で、従来技術に関連して上述された速度測定手段の検出プロセスにおける未知の時間遅延によって引き起こされる音速計算の不確実性を排除するか少なくとも減じるからである。
【0020】
本発明のさらなる実施例によれば、導波路が備えられ、送信トランスジューサと反射器との間、及び/または受信トランスジューサと反射器との間に配置される。
さらに、導波路は中空の円筒型チューブであってもよい。長手の紙を巻いて形成した中空のチューブであってもよい。
【0021】
かかる導波路を用いると、信号エネルギの損失がさらに低減され、従って媒体の中を伝搬する時の信号振幅の減少がより少なくなることによって、よりよい測定結果がもたらされる。
さらに、本発明の好適実施例によれば、速度測定手段は、
・再構成された出力電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク検出時である、第1時刻、
及び、
・再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク検出時である、第2時刻、
を用いて音速を測定するようになされている。
【0022】
再構成された出力電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピーク(優勢サイクルの第2半サイクルのピークである)は、その絶対値が第1閾値の絶対値より大きいときに検出され、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2ピークは、その絶対値が第2閾値の絶対値より大きいときに検出される。第1及び第2閾値は、同じかあるいは異なる値を有してもよい。第1閾値の絶対値が第2閾値の絶対値より大きいことが望ましい。なんとなれば、概して、エネルギー、即ち、再構成された出力電気パルス信号の振幅とが、再構成された反射電気パルス信号の振幅より高いからである。
【0023】
本発明によれば、第1半サイクルの代わりに第2半サイクルを選択することに優位性がある。これはいくつかのシナリオにおいて、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第1半サイクルのピークが十分有効でない一方、他のシナリオにおいては、それが十分有効である、つまり、その絶対値が、第2閾値の絶対値より小さいときもあれば、大きいときもある、ということが認められるからである。よって、優勢サイクルの第1半サイクルのピークを検出することが、多くの場合に伝搬時間t0の評価精度に影響する。なんとなれば、ピークが検出される時間が優勢サイクルの第1半サイクルのピークに正確に対応するときもあるが、優勢サイクルの第1半サイクルのピークが検出されないので、優勢サイクルの次に来るサイクルの第1半サイクルのピークに間違って対応するときもあるからである。他方、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの第2半サイクルのピークは常に十分に有効である。
【0024】
さらに、本発明の第2の目的は、とりわけ低コストのコンポーネント使用時であっても改善された精度を有する音速測定方法を提供することである。
第2の目的を達成するために、出力電気パルス信号が、本発明の第2の特徴による音速測定方法の第1ステップで生成される。次に、出力電気パルス信号は出力音響信号に変換される。反射器で反射された後、このように生成された反射音響パルス信号は、受信されて再構成された反射電気パルス信号に変換される。最終ステップとして、再構成された反射電気パルス信号を用いて音速が測定される。
【0025】
さらに、本発明の好適実施例によれば、出力電気パルス信号は本発明の第2の特徴による音速測定方法の第1ステップで生成される。次に、出力電気パルス信号は、出力音響パルス信号及び再構成された出力電気パルス信号へ変換される。反射器で反射された後、このように生成された反射音響パルス信号は受信されて再構成された反射電気パルス信号へ変換される。最終ステップとして、再構成された反射電気パルス信号及び再構成された出力電気パルス信号を用いて音速が測定される。
【0026】
本構成を参照して上述されたこれらの実施例は、本発明による方法に同様にあてはまる。
【0027】
【発明の好ましい実施形態の詳細な説明】
本発明の好適実施例を添付図面を参照して説明する。
図4は装置400を示し、電気パルス生成手段であり空気中の音速を測定する速度測定手段としてのサウンドカード402を含むパーソナルコンピュータ(PC)401を備えている。
【0028】
本実施例によれば、本装置では標準PCアクセサリ/コンポーネントだけを使用する。特に、サウンドカード、マイクロフォン、及びラウドスピーカであり、他のPCプラグインカード、PCインタフェースを有する外部ユニット、及び超音波センサなどの非標準PCアクセサリ/コンポーネントではない。
パーソナルコンピュータ401のサウンドカード402を用いて出力電気パルス信号404を生成することは、出力電気パルス信号404が可聴周波数域内、即ち20Hzから20,000Hzにあって、超音波周波数域内でない、即ち20,000Hz以下であるということを意味することに注意すべきである。
【0029】
この場合、サウンドカード402を有するPC401が制御モジュールを成す。
さらに、ラウドスピーカ403が送信トランスジューサとして備えられる。ラウドスピーカ403はケーブル経由でサウンドカード402に接続される。
サウンドカード402で生成された出力電気パルス信号404はラウドスピーカ403に与えられて、出力音響パルス信号405に変換される。
【0030】
音響パルス信号405は次にラウドスピーカ403によって送出され、本実施例によれば空気406である媒体を経由し、音響パルス信号405の少なくとも一部は反射器407にぶつかって反射器407で反射される。
出力音響パルス信号405は、マイクロフォン408でさらに受信される。マイクロフォン408は受信トランスジューサとして使用される。よって、言い換えると、受信トランスジューサはラウドスピーカ403に関連して、図4に明瞭に示したように、ラウドスピーカ403から直接来る出力音響パルス信号405を受信し、その出力音響パルス信号405を再構成された出力電気パルス信号に変換するようになされている(図6A参照)。
【0031】
本実施例による反射器407は、CD(コンパクトディスク)のプラスチックケースである。反射器407は、出力音響パルス信号405が反射器407にぶつかると出力音響パルス信号405を反射し得る他のコンポーネントで成し得るということに注意すべきである。
反射器407は、このように出力音響パルス信号405を反射し、反射音響パルス信号409をマイクロフォン408に送出する。
【0032】
マイクロフォン408は受信信号、即ち受信出力音響パルス信号405及び受信反射音響パルス信号409を、再構成された出力電気パルス信号410及び再構成された反射電気パルス信号411にそれぞれ変換し、PC401のサウンドカード402に与える。
PC401において、伝搬時間t0は評価伝搬時間
【数式6】
として評価され、
【0033】
【数式7】
で与えられる。ここで
・t3は、説明図として図6Aに示したように、再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻であり、
かつ、
・t4は、説明図として図6Bに示したように、再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻である。
【0034】
図6は、PC401で受信された信号600(再構成された出力電気パルス信号410及び再構成された反射電気パルス信号411を含む)の例とt3及びt4の位置とを示す。
信号600の左側601(図6A)は再構成された出力電気パルス信号410である。信号600の右側602(図6B)は再構成された反射電気パルス信号411である。
【0035】
これから、どのようにt3及びt4が得られるかを、図6に示した例を用いて詳細に説明する。
本パラグラフでは、どのようにt3、即ち再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルのピークが検出される時の時刻が得られるかを説明する。論考を容易にするために、受信信号はデジタル信号であるとみなす。最初に、パルス波形に関する先験的な知識からすると、本実施例によれば、第2半サイクルがこの例において負である(かつ正でない)ことは公知である。PC401は、受信信号のひとつのデジタルサンプルを受信すると、受信信号のこのサンプルの振幅を下側の閾値603と比較する(第2半サイクルが正のとき、振幅は上側の閾値604と比較される。)。受信信号のこのサンプルの振幅の絶対値が下側の閾値603の絶対値より大きいとき、再構成された出力電気パルス信号410が検出されたと判断される。そうでなければ、受信信号は再構成された出力電気パルス信号410ではない、即ち再構成された出力電気パルス信号410は検出されないと判断され、制御モジュールは次のデジタルサンプルを引き続いて採り、再構成された出力電気パルス信号410が検出されるまで、上述したような比較を行う。それは次のサンプルを現在のサンプルと、次の次のサンプルを次のサンプルと、以下同様、比較することによって部分的な絶対最大ポイントを探し、この部分的な絶対最大ポイントに対応する時刻をt3として表示し続ける(図6参照)。t3は再構成された出力電気パルス信号410の優勢サイクルの第2半サイクルのピークに対応するということに注意が必要である。
【0036】
本パラグラフでは、どのようにt4、即ち再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークが検出されるときの時刻が得られるかを説明する。パルス長の先験的知識からすると、t4のサーチが開始されるまでt3の後の一定期間待たされる。かかる期間の後、t4のサーチが、前のパラグラフで述べたt3のサーチと同じ方法を用いて開始される。閾値の値だけがt3のサーチに用いられた値とは異なってもよい(図6に示された例においては、同じ閾値がt3及びt4の両方のサーチに用いられていることに注意が必要である。)。t4は、再構成された反射電気パルス信号411の優勢サイクルの第2半サイクルのピークに対応することに注意が必要である。
【0037】
図4に示された測定装置、及び図5Aまたは5Bに示され以下に更に詳細に述べられる生成された出力電気パルス信号の波形を用いると、t3及びt4には、従来技術装置(図1参照)によるt1及びt2が直面した「遅延問題」はなく、上述した問題は解決される。その結果、t0の評価値はより正確になる。
よって、最終ステップとして、音速412、即ちs’は以下の公式によって算定される。
【0038】
【数式8】
ここで、
・d’はマイクロフォン408と反射器106との間の距離であり、
・
【数式9】
は方程式(3)で与えられた評価伝搬時間である。
本発明による生成された出力電気パルス信号404の波形例は図5A及び図5Bに示される。
【0039】
図5Aに示した生成された出力電気パルス信号501の特徴は以下の通りである。
・図5Aに示した信号501は最大振幅を有する優勢サイクル503から始まり、
かつ、
・信号501の終端部分504の振幅は、信号501の最大振幅と比較してかなり小さい値へと漸減する。
【0040】
図5Bに示した生成された出力電気パルス信号502の特徴は信号501と同様であり、さらに信号502は初期部分505を含み、その振幅は信号502の最大振幅よりかなり小さい。論考を容易にするために、出力電気パルス信号404はかかる初期部分を含まないとみなす。
サウンドカード402で生成された出力電気パルス信号404である、図5A及び5Bを参照して上述したパルス信号案を用いることが、本発明による有利な点である、ということが強調されるべきである。実際、図2Aに示した従来のゲート正弦波信号が出力電気パルス信号として用いられると、以下のように問題が生じ得る。ゲート正弦波信号が短い持続時間を有すると、再構成された反射電気パルス信号は、その波形が出力電気パルス信号404の波形とかなり異なるという意味においてひどくゆがめられる可能性があり、時間t4の測定は難しくて信頼できない。他方、この問題を解決するために、出力電気パルス信号としてゲート正弦波信号が長い持続時間を有すると、再構成された出力電気パルス信号が、再構成された反射電気パルス信号と重複し、時間t4の測定がこの場合もやはり難しくなり得るという別の問題をもたらし得る。
【0041】
図5A及び図5Bで説明されたこの波形に関して、信号持続期間をかなり長い時間にセットすると、上述した短い持続時間による問題は解決する。長い持続時間では、前のパラグラフで述べた「重複問題」に直面し得る。しかしながら、本発明による出力電気パルス信号案は漸減している終端を有するので、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルと重複する再構成された出力電気パルス信号のその部分の振幅の絶対値は、再構成された反射電気パルス信号の優勢サイクルの振幅の絶対値より極めて小さく、時間t4の測定は難しくない。
【0042】
よって、本発明による波形案を用いると、上述した両方の問題が解決される。
図1に示したような公知の装置で出力電気パルス信号として上記の波形案を使用することは、本発明の範囲に含まれるということに更に注意すべきである。なんとなれば、本発明によって提案された装置を用いなくてもかかる波形の使用によって、上述したように測定精度を著しく改善すると考えられるからである。
【0043】
図7に示した本発明のさらなる実施例によれば、導波路701はマイクロフォン408と反射器407との間に追加される。その他の点では、この実施例は図4に関連して説明された第1実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による音速測定装置のブロック図を示す。
【図2A】従来技術による代表的な出力電気パルス信号の波形を示す。
【図2B】図2Aの出力電気パルス信号に対応する再構成された反射電気パルス信号を示す。
【図3】従来技術による制御モジュールにおける再構成された反射電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図4】本発明の第1実施例による音速測定装置のブロック図を示す。
【図5A】本発明の実施例による出力電気パルス信号の波形を示す。
【図5B】本発明の実施例による出力電気パルス信号の波形を示す。
【図6A】本発明の実施例による制御モジュールにおける再構成された出力電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図6B】本発明の実施例による制御モジュールにおける再構成された反射電気パルス信号の検出を説明する図を示す。
【図7】本発明の第2実施例による音速測定装置のブロック図を示す。
Claims (19)
- 音速測定装置であって、
・出力電気パルス信号を生成する電気パルス生成手段と、
・前記出力電気パルス信号を出力音響パルス信号に変換する送信トランスジューサと、
・前記出力音響パルス信号を反射して、反射音響パルス信号を生成する反射器と、
・前記送信トランスジューサから直接送信された前記出力音響パルス信号及び前記反射器で反射された前記反射音響パルス信号を受信するようなされ、前記受信出力音響パルス信号を再構成された出力電気パルス信号に変換し、かつ反射音響パルス信号を再構成された反射電気パルス信号へ変換する受信トランスジューサと、
・前記再構成された出力電気パルス信号及び前記再構成された反射電気パルス信号を用いて音速を測定する速度測定手段と、
を含む音速測定装置。 - 前記電気パルス生成手段が出力電気パルス信号を生成し得るようになされ、その波形が
・最大振幅を有する優勢サイクルを有し、かつ
・前記出力電気パルス信号の終端部分の振幅が、ゼロまたはその優勢サイクルにおける前記出力電気パルス信号の前記最大振幅と比較して小さい値へと漸減する、
ことを特徴とする請求項1記載の音速測定装置。 - 前記電気パルス生成手段が、振幅が前記出力電気パルス信号の前記最大振幅より小さい振幅の初期部分を含む波形を有する出力電気パルス信号を生成し得るようになされていることを特徴とする請求項2記載の音速測定装置。
- 前記電気パルス生成手段及び/または前記速度測定手段がパーソナルコンピュータで実現されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の音速測定装置。
- 前記電気パルス生成手段がサウンドカードを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の音速測定装置。
- 前記送信トランスジューサがラウドスピーカであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の音速測定装置。
- 前記受信トランスジューサがマイクロフォンであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の音速測定装置。
- 前記反射器がプラスチックの要素であって、特にコンパクトディスクケースであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の音速測定装置。
- 請求項1乃至8のいずれか1に記載の音速測定装置であって、導波路をさらに含み、前記導波路が
・前記送信トランスジューサと前記反射器との間に配置され、
かつ/または
・前記受信トランスジューサと前記反射器との間に配置されている、
ことを特徴とする音速測定装置。 - 前記速度測定手段が、
・前記再構成された出力電気パルス信号の前記優勢サイクルの第2半サイクルのピークの検出時である、第1時刻、
及び、
・前記再構成された反射電気パルス信号の前記優勢サイクルの第2半サイクルのピークの検出時である、第2時刻、
を用いて音速を測定するようになされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の音速測定装置。 - 前記速度測定手段が、
・前記再構成された出力電気パルス信号の絶対値が第1閾値を上回るとき前記再構成された出力電気パルス信号の前記優勢サイクルの前記第2半サイクルの前記ピークを検出し、
・前記再構成された反射電気パルス信号の絶対値が第2閾値を上回るとき、前記再構成された反射電気パルス信号の前記優勢サイクルの前記第2半サイクルの前記ピークを検出する、
ようになされていることを特徴とする請求項10記載の音速測定装置。 - 前記速度測定手段が前記第1閾値と前記第2閾値が同じ値を有するようになされていることを特徴とする請求項11記載の音速測定装置。
- 音速測定方法であって、
・出力電気パルス信号を生成するステップと、
・前記出力電気パルス信号を出力音響パルス信号へ変換するステップと、
・前記出力音響パルス信号を反射して反射音響パルス信号を生成するステップと、
・前記反射音響パルス信号を再構成された反射電気パルス信号に変換するステップと、
・前記再構成された反射電気パルス信号を用いて音速を測定するステップと、
を含む音速測定方法。 - 音速測定方法であって、
・出力電気パルス信号を生成するステップと、
・前記出力電気パルス信号を、出力音響パルス信号及び再構成された出力電気パルス信号へ変換するステップと、
・前記出力音響パルス信号を反射して反射音響パルス信号を生成するステップと、
・前記反射音響パルス信号を再構成された反射電気パルス信号に変換するステップと、
・前記再構成された反射電気パルス信号及び前記再構成された出力電気パルス信号を用いて音速を測定するステップと、
を含む音速測定方法。 - 前記生成された出力電気パルス信号が、
・最大振幅を有する優勢サイクルを有し、
かつ
・前記出力電気パルス信号の終端部分の前記振幅が、ゼロかその優勢サイクルにおける前記出力電気パルス信号の前記最大振幅と比較してより小さい値へと漸減する、
波形を有することを特徴とする請求項13または14記載の音速測定方法。 - 前記生成された出力電気パルス信号が、前記出力電気パルス信号の前記最大振幅より小さい振幅の初期部分を含む波形を有することを特徴とする請求項15記載の音速測定方法。
- 前記音速は、
・前記再構成された出力電気パルス信号の前記優勢サイクルの第2半サイクルのピークの検出時である、第1時刻、
及び
・前記再構成された反射電気パルス信号の前記優勢サイクルの第2半サイクルのピークの検出時である、第2時刻、
を用いて測定されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1に記載の音速測定方法。 - 前記音速が、
・前記再構成された出力電気パルス信号の絶対値が第1閾値を上回るとき前記再構成された出力電気パルス信号の前記優勢サイクルの前記第2半サイクルの前記ピークが検出され、
かつ、
・前記再構成された反射電気パルス信号の絶対値が第2閾値を上回るとき前記再構成された反射電気パルス信号の前記優勢サイクルの前記第2半サイクルの前記ピークが検出される、
ように測定されることを特徴とする請求項17記載の音速測定方法。 - 前記第1閾値及び前記第2閾値が同じ値を有することを特徴とする請求項18記載の音速測定方法。
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