JP2004506182A - 蒸発および/またはガスの取込みを減少させるための容器用カバーまたはシステム - Google Patents
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Abstract
本発明は、容器からの液体の蒸発および/または容器内液体へのガス、とりわけ二酸化炭素の取込みを減少させるための容器用カバーに関する。当該カバーは少なくとも1つの開口を有しており、該開口からピペットまたは類似の装置が容器内部に挿入されることができ、活性材料または活性化することができ、水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料、または水分放出もしくはガス吸収液体を保持するために適切な材料を含んでいる。また本発明は、容器と該容器に設けられた前述のタイプのカバーとを備えた液体を保管するためのシステムと、容器貯蔵空間を備え、該空間の開口に前述のタイプのカバーが取りつけられたシステムに関する。
Description
【0001】
本発明は、液体、とくに、診断学の分野で常用されている類の液体試薬の貯蔵保管分野に関する。
【0002】
本発明の対象は、容器からの液体の蒸発および/または容器内液体へのガスの取込みとりわけ二酸化炭素の取込みを減少させるための容器用カバーに関する。このカバーはくりぬき孔を有し、該孔を通してピペット等を容器内に挿入することができる。このカバーはさらに水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料を含んでいる。本発明はさらにこの種のカバーを備えたシステムに関する。
【0003】
分析化学とりわけ自動臨床診断の日常現場から、試薬、試料等を含んだ容器からの蒸発により分析結果の偽化(verfaelsung)がもたらされることがあるということはよく知られた事実である。蒸発によって液体成分の濃縮が生ずるが、これはとくに、たとえば滴定法のように、成分濃度が分析結果に直接影響する場合に分析エラーを招来することとなる。さらにもう一つの問題は開放された容器が周囲からガスを吸収し得ることである。とくにアルカリ液による室内空気からの二酸化炭素の吸収により重大な分析偽化が招来されることがある。これが当てはまるケースとは先ず第一に、分析液(たとえば血液または血清)中の二酸化炭素を液体試薬を用いて定量しようとする場合である。
【0004】
従来の技術において容器からの蒸発および二酸化炭素の取込みを減少させる一連の方法が知られている。公知の方法の一つは、たとえば、液体を採取するために容器を開け、採取直後に容器を閉じることである。しかしながら、たとえば国際公開第WO96/09504号パンフレットに記載されているようにこの種の開閉は器具側にかなりのコスト増をもたらす原因となる。またその他に開閉プロセスならびに採取プロセスの調整を行なうソフトウェアが必要である。
【0005】
蒸発とガスの取込みを減少させるもう一つの基本的な方法はガス空間と液体表面とのあいだの相互作用面積を減少させることである。このためつぎの各明細書、米国特許第5,102,631号明細書、独国特許出願公開第3838278号明細書および国際公開第WO97/12677号パンフレットには、容器の開口に挿し込まれるいわゆる煙突が記載されている。この煙突により液体とガス空間とのあいだの相互作用は狭小な煙突断面に限定されることとなる。この方法の利点は簡単な手段で目的を実現でき、このように調製された容器にいつでもピペット作業を実施し得ることである。ただしこうした煙突使用の欠点は蒸発またはガスの吸収が依然として煙突内の液体を経て行なわれることである。
【0006】
従来の技術において、さらに、液体を満たした溝を分析装置の内部に設け、該溝から液体が蒸発して充分な空気湿度を生み出し、これによって試料容器または試薬容器からの蒸発を減少させる方法も公知に属する。しかしながら米国特許第3,942,952号明細書に記載されている類のこの種のシステムは、たとえば容器を運搬または動かす際に液体の飛散が生じ易く、それによって分析に支障が生ずるという欠点を有している。
【0007】
そこで本発明の目的は、容器からの蒸発または容器内の液体へのガスの取込みを効果的に抑制することのできる簡単な装置を提案することであった。本発明による装置は、とくに、低コストを実現するとともに分析器側からするハードウェアまたはソフトウェアの変更をできるだけ不要とすることを狙いとしている。
【0008】
前記課題は、それを通してピペットを容器内に挿し込むことのできるくりぬき孔を有するとともに水分を放出しおよび/またはガスを吸収する容器用カバーまたはシステムによって解決される。本発明によるカバーは液体貯蔵保管システムを形成するために容器と組み合わせることが可能であり、あるいはシステムとりわけ分析システムに取り付けることも可能である。
【0009】
こうした分析システムは少なくとも1個の容器を収容するための貯蔵保管チャンバを有している。該貯蔵保管チャンバには貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換に際して貫流が行なわれる少なくとも1つのくりぬき孔を有した本発明によるカバーが取付けられている。この場合、貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換は基本的にこのくりぬき孔を介した交換に限定され、その他の個所からの蒸発ないしガス流入は阻止されているという点が重要である。
【0010】
本発明の一環として、さらに、貯蔵保管チャンバを有したシステムにおいて1つだけもしくは少なくとも若干数のくりぬき孔を設け、貯蔵保管チャンバ内において、採取が行なわれるべき容器が該くりぬき孔を通して容器に達することのできる採取ポジションに移動させられるように構成するのが好適である。したがって、システムは容器用の適切な移送装置を有しているのが好適である。この場合、貯蔵保管チャンバ内にロータを設け、該ロータ上に容器を配置し、該ロータによって容器が順次適切な採取ポジションに移送されるように構成するのが好適である。
【0011】
本発明によるカバーは容器開口部または少なくとも1個の容器を収容するための貯蔵保管チャンバの開口部に、カバーに設けられたくりぬき孔を経てのみ内部空間と外部空間とが連結されるように適正に取付けられる。したがって、拡散または対流によって容器内に流入するかまたは容器から流出するガスはこのくりぬき孔を通過する。この通過に際してガスに水分を添加するかまたはガスからたとえばとくに二酸化炭素等の成分を除奪することが可能である。空気が対流なしに基本的に静止している場合にあってもカバーは容器内部空間とのあいだで拡散による交換を行なう隣接空気に水分を放出添加することによって好適な効果を発揮する。
【0012】
本発明によるカバーに設けられたくりぬき孔は容器内部空間を外部空間と連結する管路の形を有している。カバーとガス空間とのあいだの相互作用は先ず第一にこの管路の壁面を経て行なわれるが、また、それに代えてもしくはそれに加えて、容器内部に向いたカバー下面を経て相互作用を行なわせることも可能である。充分な交換区間長を実現するため管路の長さは4mm以上とされる必要があろう。好ましい管路長は0.8〜2.5cmである。管路が非常に狭小(≦0.4cm)であれば、交換区間長は4mm以下でも充分である。管路の断面積は一方で対流を阻止するためにできるだけ小さいことが必要であり、他方でまた液体採取用ピペットが通過し得る程度の大きさを有していなければならない。管路の直径は0.4〜1.3cmであるのが好適であることが判明した。
【0013】
カバーの内部には水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料あるいはそれら双方の目的を満たす液体を含浸するのに適した材料が満たされている。最初にあげた材料は活性剤と称され、他方、後者はユーザによって先ず液体が含浸されなければならず、それゆえ可活性化剤と称される。適切な材料は多孔質材料、たとえば発泡材、ボール紙、セルロース、鉱物(珪藻土)等である。さらに水性ゲルも適切と考えられる。
【0014】
活性剤容量の不適な消費を回避するため、該材料は絶縁材で包囲され、外部空間への水分の逃散またはガスの吸収は容器内部空間への給湿またはガスの除奪に資する貫通孔部に限定される必要があろう。該貫通孔部は通例、くりぬき孔によって形成される管路である。したがって絶縁材は該材料を包囲して、管路の壁面のみおよび/または容器内部に向いたカバー面を露出したケーシングの形にされる必要があろう。絶縁材としては水分および/またはガスとりわけ二酸化炭素に対するバリアを形成する材料が基本的に適切である。こうした材料とは、とくに、充分な厚さを有するプラスチック、金属(金属箔)等である。
【0015】
絶縁材は活性剤を包囲するケーシングを形成するのが好適である。該ケーシングはさらに容器開口またはシステム開口にカバーを取付けるための装置、たとえばねじ山、係合封止手段等を有していてよい。
【0016】
使用に適した状態にあるカバーはまた、それがまだ容器ないしシステムに適正に取付けられていない場合には、すでに周囲に水分を放出しあるいは周囲からガスを吸収する。したがって適正な使用前にカバーの容量が消費されるのを防止する対策を講ずるのが好ましい。このためカバーをたとえば引渡しに際し密封された容器または輸送バッグ(たとえばアルミシート製)に入れて保管することができる。さらにまた、くりぬき孔を封止して水分の放出および/またはガスの侵入を防止し、カバーの使用前にユーザが封止を簡単に取り去ることができるようにすることも可能である。このため、たとえば引き剥がすことのできる封止シールをくりぬき孔の口部に貼ることもできる。さらにとくにカバー調製上からして好適な好ましい実施態様において、くりぬき孔は穿設可能な膜で外部空間から遮断されている。このくりぬき孔は使用前に膜に穴あけすることによって活性化することができる。穿設はたとえばユーザによって手作業で行なわれるかまたは分析器内で穿設装置によって実施することができる。こうした穿設装置としてたとえば充分な強度を有するピペットニードルも使用することが可能である。
【0017】
不適なカバー容量消費という前記の問題は水分放出および/またはガス吸収のためのカバーをその使用直前になって初めて調製するという方途によっても回避することが可能である。これはたとえばカバー材料が水分を放出しまたはガスを吸収する液体を含浸させるのに適しているが、カバー活性化前にはまだ該液体が含浸されていないようにすることによって実現される。この種の実施形態においてカバーを活性化するためのカバー材料への適切な液体の含浸はユーザまたは(好ましくは分析器内で)器具によって行なうことができる。こうした活性化を行なうためユーザはカバーをたとえばアルカリ溶液を満たした入れ物に短時間であれ浸漬しておくことができ、これにより液体がくりぬき孔を経て材料内に侵入する。カバーを取出し、付着液滴を取り去った後、カバーは適正に使用することができる。
【0018】
活性剤が消費されたかまたはその容量が低下した場合にも同じ方法で再生を行なうことも可能である。
【0019】
複数の容器を配置した装置用に、個々の容器用の個々のカバーに代えて、複数の容器開口に対応した複数のくりぬき孔を有する1つのカバーを設け、該くりぬき孔を通して個々の容器に達するようにすることも可能である。
【0020】
さらに本発明によるカバーを従来の技術から公知の蒸発減少用煙突と組み合わせることも好適である。このためたとえばケーシング下面に管を取付け、該管の内部がカバーに設けられた管路の延長を形成するようにすることができる。カバーと煙突とのこうした組み合わせにより蒸発ないしガスの吸収を容器内のさらに狭い領域に限定することができ、こうして好適な効果が増補されることとなる。
【0021】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は液体保管システムを示したものであり、該システムは内部に液体(11)の入った容器(10)を有している。容器開口部には容器からの液体(11)の蒸発を減少させるとともに液体(11)による二酸化炭素の吸収を減少させるためのカバー(20)が取付けられている。容器開口は容器のど部(12)に位置し、該のど部には雄ねじ(図示されていない)が設けられている。カバー(20)は下方に延びた円筒形の保持装置(21)を有し、円筒状の該保持装置には雌ねじ(図示されていない)が設けられている。該カバーはさらにケーシング(22)を有し、該ケーシングは活性剤(23)を外部空間から遮断して、活性剤(23)からの水分の放出またはガスの吸収がカバーのくりぬき孔(24)の領域でのみ行なわれるようにしている。くりぬき孔(24)は、図示された例において、管路の形ないしカバーを貫く貫通孔の形を有している。図示された例において該管路の長さは1cm、直径は5mmである。ガス交換は管路の露出壁面を経て行なわれる。さらに、活性剤(23)と容器内部空間とのあいだのガス交換を可能とするため、ケーシング(22)の下面を全面的もしくは部分的に露出させておくことも可能である。ただし図示した実施例においてケーシングの下面は、容器開口部にカバーを嵌め込む際に活性剤(23)が圧迫されるのを防止するため、くりぬき孔の部分を除いて封止されている。図1に示したカバーは2個の通常のねじキャップを使用し、第一のねじキャップに通常盛り花用に利用される吸湿剤を満たし、第一のねじキャップの孔を接着、溶着等の方法で第二のねじキャップの上側面で塞いで簡単に形成することができる。こうして形成された組合わせユニットについで軸方向に貫通孔を通してくりぬき孔を設けることができる。カバーの活性化はそれを水溶液またはアルカリ溶液に短時間浸漬することによって行なわれる。
【0023】
図2は3個の容器を含む液体貯蔵保管システムを示したものである。機能的なユニットを形成するために複数の試薬容器を並置収容するこの種のラックはたとえば欧州特許第0 564 970号明細書から公知である。図2に示した3個の容器(10,10′,10″)は容器を保定するためのラック(30)内に収容されている。該ラックは上面に容器開口に対応した孔を有している。欧州特許第0 564 970号からそれ自体公知に属するこのシステムには本発明により、容器からの蒸発ないしガスの取込みを減少させるカバーが補充されている。図2に示したカバー(20′)は、それを通してピペット等により容器の中味に達することができるように配置された3つのくりぬき孔(24,24′,24″)を有している。図2に示したカバーはさらに容器からの不適な水分放出または外部空間からのガスの吸収を減少させるケーシング(22′)を有している。図からわかるように、図2に示したカバーは一体的に形成されていてよいことから、個々の容器用の個々のカバーは不要である。ラック(30)にカバーを固定するため該カバーはさらに保持装置(21′)を有しており、該保持装置は対応するラック穴に係合する係合フックを有している。図2に示した例とは異なり、このカバーはラック内部ないし容器内部空間と外部空間とのあいだのガス交換がもっぱらカバーに設けられたくりぬき孔を経て行なわれるようにしてラックに取り付けられている。したがって、カバーの保持装置は保持部を介して不適なガス交換が行なわれないよう、それを効果的に防止するように形成されている。
【0024】
図3は円筒形の貯蔵保管チャンバ(110)を示したものであり、該チャンバはその上面に穴(111)を有している。該穴は水分の放出および/または二酸化炭素の吸収を減少させるためのカバー(120)によって塞がれ、貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換はカバーに設けられたくりぬき孔(121)を経てのみ行なわれるようになされている。カバー(120)はケーシングを有し、該ケーシングは好ましくは手作業によってカバー交換が容易に行なえるように係合手段(不図示)を介して貯蔵保管チャンバと連結されている。ケーシング(122)の内部には水または苛性ソーダ液の含浸された吸湿剤が充填されている。貯蔵保管チャンバの内部には回転盤(112)が設けられ、該回転盤上には複数の容器が配置されている。これらの容器から液体を採取するため各容器(130)は回転盤の回転運動によってシステムくりぬき孔下側の採取ポジション(図3に図示した容器ポジション)に順次移動させられる。液体の採取にはくりぬき孔(121)を通してピペット(140)が容器内に挿し込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
カバーを備えた容器の断面図である。
【図2】
複数のくりぬき孔を有したカバーを備えた容器ユニットの断面図である。
【図3】
貯蔵保管チャンバを備えたシステムの断面図である。
本発明は、液体、とくに、診断学の分野で常用されている類の液体試薬の貯蔵保管分野に関する。
【0002】
本発明の対象は、容器からの液体の蒸発および/または容器内液体へのガスの取込みとりわけ二酸化炭素の取込みを減少させるための容器用カバーに関する。このカバーはくりぬき孔を有し、該孔を通してピペット等を容器内に挿入することができる。このカバーはさらに水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料を含んでいる。本発明はさらにこの種のカバーを備えたシステムに関する。
【0003】
分析化学とりわけ自動臨床診断の日常現場から、試薬、試料等を含んだ容器からの蒸発により分析結果の偽化(verfaelsung)がもたらされることがあるということはよく知られた事実である。蒸発によって液体成分の濃縮が生ずるが、これはとくに、たとえば滴定法のように、成分濃度が分析結果に直接影響する場合に分析エラーを招来することとなる。さらにもう一つの問題は開放された容器が周囲からガスを吸収し得ることである。とくにアルカリ液による室内空気からの二酸化炭素の吸収により重大な分析偽化が招来されることがある。これが当てはまるケースとは先ず第一に、分析液(たとえば血液または血清)中の二酸化炭素を液体試薬を用いて定量しようとする場合である。
【0004】
従来の技術において容器からの蒸発および二酸化炭素の取込みを減少させる一連の方法が知られている。公知の方法の一つは、たとえば、液体を採取するために容器を開け、採取直後に容器を閉じることである。しかしながら、たとえば国際公開第WO96/09504号パンフレットに記載されているようにこの種の開閉は器具側にかなりのコスト増をもたらす原因となる。またその他に開閉プロセスならびに採取プロセスの調整を行なうソフトウェアが必要である。
【0005】
蒸発とガスの取込みを減少させるもう一つの基本的な方法はガス空間と液体表面とのあいだの相互作用面積を減少させることである。このためつぎの各明細書、米国特許第5,102,631号明細書、独国特許出願公開第3838278号明細書および国際公開第WO97/12677号パンフレットには、容器の開口に挿し込まれるいわゆる煙突が記載されている。この煙突により液体とガス空間とのあいだの相互作用は狭小な煙突断面に限定されることとなる。この方法の利点は簡単な手段で目的を実現でき、このように調製された容器にいつでもピペット作業を実施し得ることである。ただしこうした煙突使用の欠点は蒸発またはガスの吸収が依然として煙突内の液体を経て行なわれることである。
【0006】
従来の技術において、さらに、液体を満たした溝を分析装置の内部に設け、該溝から液体が蒸発して充分な空気湿度を生み出し、これによって試料容器または試薬容器からの蒸発を減少させる方法も公知に属する。しかしながら米国特許第3,942,952号明細書に記載されている類のこの種のシステムは、たとえば容器を運搬または動かす際に液体の飛散が生じ易く、それによって分析に支障が生ずるという欠点を有している。
【0007】
そこで本発明の目的は、容器からの蒸発または容器内の液体へのガスの取込みを効果的に抑制することのできる簡単な装置を提案することであった。本発明による装置は、とくに、低コストを実現するとともに分析器側からするハードウェアまたはソフトウェアの変更をできるだけ不要とすることを狙いとしている。
【0008】
前記課題は、それを通してピペットを容器内に挿し込むことのできるくりぬき孔を有するとともに水分を放出しおよび/またはガスを吸収する容器用カバーまたはシステムによって解決される。本発明によるカバーは液体貯蔵保管システムを形成するために容器と組み合わせることが可能であり、あるいはシステムとりわけ分析システムに取り付けることも可能である。
【0009】
こうした分析システムは少なくとも1個の容器を収容するための貯蔵保管チャンバを有している。該貯蔵保管チャンバには貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換に際して貫流が行なわれる少なくとも1つのくりぬき孔を有した本発明によるカバーが取付けられている。この場合、貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換は基本的にこのくりぬき孔を介した交換に限定され、その他の個所からの蒸発ないしガス流入は阻止されているという点が重要である。
【0010】
本発明の一環として、さらに、貯蔵保管チャンバを有したシステムにおいて1つだけもしくは少なくとも若干数のくりぬき孔を設け、貯蔵保管チャンバ内において、採取が行なわれるべき容器が該くりぬき孔を通して容器に達することのできる採取ポジションに移動させられるように構成するのが好適である。したがって、システムは容器用の適切な移送装置を有しているのが好適である。この場合、貯蔵保管チャンバ内にロータを設け、該ロータ上に容器を配置し、該ロータによって容器が順次適切な採取ポジションに移送されるように構成するのが好適である。
【0011】
本発明によるカバーは容器開口部または少なくとも1個の容器を収容するための貯蔵保管チャンバの開口部に、カバーに設けられたくりぬき孔を経てのみ内部空間と外部空間とが連結されるように適正に取付けられる。したがって、拡散または対流によって容器内に流入するかまたは容器から流出するガスはこのくりぬき孔を通過する。この通過に際してガスに水分を添加するかまたはガスからたとえばとくに二酸化炭素等の成分を除奪することが可能である。空気が対流なしに基本的に静止している場合にあってもカバーは容器内部空間とのあいだで拡散による交換を行なう隣接空気に水分を放出添加することによって好適な効果を発揮する。
【0012】
本発明によるカバーに設けられたくりぬき孔は容器内部空間を外部空間と連結する管路の形を有している。カバーとガス空間とのあいだの相互作用は先ず第一にこの管路の壁面を経て行なわれるが、また、それに代えてもしくはそれに加えて、容器内部に向いたカバー下面を経て相互作用を行なわせることも可能である。充分な交換区間長を実現するため管路の長さは4mm以上とされる必要があろう。好ましい管路長は0.8〜2.5cmである。管路が非常に狭小(≦0.4cm)であれば、交換区間長は4mm以下でも充分である。管路の断面積は一方で対流を阻止するためにできるだけ小さいことが必要であり、他方でまた液体採取用ピペットが通過し得る程度の大きさを有していなければならない。管路の直径は0.4〜1.3cmであるのが好適であることが判明した。
【0013】
カバーの内部には水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料あるいはそれら双方の目的を満たす液体を含浸するのに適した材料が満たされている。最初にあげた材料は活性剤と称され、他方、後者はユーザによって先ず液体が含浸されなければならず、それゆえ可活性化剤と称される。適切な材料は多孔質材料、たとえば発泡材、ボール紙、セルロース、鉱物(珪藻土)等である。さらに水性ゲルも適切と考えられる。
【0014】
活性剤容量の不適な消費を回避するため、該材料は絶縁材で包囲され、外部空間への水分の逃散またはガスの吸収は容器内部空間への給湿またはガスの除奪に資する貫通孔部に限定される必要があろう。該貫通孔部は通例、くりぬき孔によって形成される管路である。したがって絶縁材は該材料を包囲して、管路の壁面のみおよび/または容器内部に向いたカバー面を露出したケーシングの形にされる必要があろう。絶縁材としては水分および/またはガスとりわけ二酸化炭素に対するバリアを形成する材料が基本的に適切である。こうした材料とは、とくに、充分な厚さを有するプラスチック、金属(金属箔)等である。
【0015】
絶縁材は活性剤を包囲するケーシングを形成するのが好適である。該ケーシングはさらに容器開口またはシステム開口にカバーを取付けるための装置、たとえばねじ山、係合封止手段等を有していてよい。
【0016】
使用に適した状態にあるカバーはまた、それがまだ容器ないしシステムに適正に取付けられていない場合には、すでに周囲に水分を放出しあるいは周囲からガスを吸収する。したがって適正な使用前にカバーの容量が消費されるのを防止する対策を講ずるのが好ましい。このためカバーをたとえば引渡しに際し密封された容器または輸送バッグ(たとえばアルミシート製)に入れて保管することができる。さらにまた、くりぬき孔を封止して水分の放出および/またはガスの侵入を防止し、カバーの使用前にユーザが封止を簡単に取り去ることができるようにすることも可能である。このため、たとえば引き剥がすことのできる封止シールをくりぬき孔の口部に貼ることもできる。さらにとくにカバー調製上からして好適な好ましい実施態様において、くりぬき孔は穿設可能な膜で外部空間から遮断されている。このくりぬき孔は使用前に膜に穴あけすることによって活性化することができる。穿設はたとえばユーザによって手作業で行なわれるかまたは分析器内で穿設装置によって実施することができる。こうした穿設装置としてたとえば充分な強度を有するピペットニードルも使用することが可能である。
【0017】
不適なカバー容量消費という前記の問題は水分放出および/またはガス吸収のためのカバーをその使用直前になって初めて調製するという方途によっても回避することが可能である。これはたとえばカバー材料が水分を放出しまたはガスを吸収する液体を含浸させるのに適しているが、カバー活性化前にはまだ該液体が含浸されていないようにすることによって実現される。この種の実施形態においてカバーを活性化するためのカバー材料への適切な液体の含浸はユーザまたは(好ましくは分析器内で)器具によって行なうことができる。こうした活性化を行なうためユーザはカバーをたとえばアルカリ溶液を満たした入れ物に短時間であれ浸漬しておくことができ、これにより液体がくりぬき孔を経て材料内に侵入する。カバーを取出し、付着液滴を取り去った後、カバーは適正に使用することができる。
【0018】
活性剤が消費されたかまたはその容量が低下した場合にも同じ方法で再生を行なうことも可能である。
【0019】
複数の容器を配置した装置用に、個々の容器用の個々のカバーに代えて、複数の容器開口に対応した複数のくりぬき孔を有する1つのカバーを設け、該くりぬき孔を通して個々の容器に達するようにすることも可能である。
【0020】
さらに本発明によるカバーを従来の技術から公知の蒸発減少用煙突と組み合わせることも好適である。このためたとえばケーシング下面に管を取付け、該管の内部がカバーに設けられた管路の延長を形成するようにすることができる。カバーと煙突とのこうした組み合わせにより蒸発ないしガスの吸収を容器内のさらに狭い領域に限定することができ、こうして好適な効果が増補されることとなる。
【0021】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は液体保管システムを示したものであり、該システムは内部に液体(11)の入った容器(10)を有している。容器開口部には容器からの液体(11)の蒸発を減少させるとともに液体(11)による二酸化炭素の吸収を減少させるためのカバー(20)が取付けられている。容器開口は容器のど部(12)に位置し、該のど部には雄ねじ(図示されていない)が設けられている。カバー(20)は下方に延びた円筒形の保持装置(21)を有し、円筒状の該保持装置には雌ねじ(図示されていない)が設けられている。該カバーはさらにケーシング(22)を有し、該ケーシングは活性剤(23)を外部空間から遮断して、活性剤(23)からの水分の放出またはガスの吸収がカバーのくりぬき孔(24)の領域でのみ行なわれるようにしている。くりぬき孔(24)は、図示された例において、管路の形ないしカバーを貫く貫通孔の形を有している。図示された例において該管路の長さは1cm、直径は5mmである。ガス交換は管路の露出壁面を経て行なわれる。さらに、活性剤(23)と容器内部空間とのあいだのガス交換を可能とするため、ケーシング(22)の下面を全面的もしくは部分的に露出させておくことも可能である。ただし図示した実施例においてケーシングの下面は、容器開口部にカバーを嵌め込む際に活性剤(23)が圧迫されるのを防止するため、くりぬき孔の部分を除いて封止されている。図1に示したカバーは2個の通常のねじキャップを使用し、第一のねじキャップに通常盛り花用に利用される吸湿剤を満たし、第一のねじキャップの孔を接着、溶着等の方法で第二のねじキャップの上側面で塞いで簡単に形成することができる。こうして形成された組合わせユニットについで軸方向に貫通孔を通してくりぬき孔を設けることができる。カバーの活性化はそれを水溶液またはアルカリ溶液に短時間浸漬することによって行なわれる。
【0023】
図2は3個の容器を含む液体貯蔵保管システムを示したものである。機能的なユニットを形成するために複数の試薬容器を並置収容するこの種のラックはたとえば欧州特許第0 564 970号明細書から公知である。図2に示した3個の容器(10,10′,10″)は容器を保定するためのラック(30)内に収容されている。該ラックは上面に容器開口に対応した孔を有している。欧州特許第0 564 970号からそれ自体公知に属するこのシステムには本発明により、容器からの蒸発ないしガスの取込みを減少させるカバーが補充されている。図2に示したカバー(20′)は、それを通してピペット等により容器の中味に達することができるように配置された3つのくりぬき孔(24,24′,24″)を有している。図2に示したカバーはさらに容器からの不適な水分放出または外部空間からのガスの吸収を減少させるケーシング(22′)を有している。図からわかるように、図2に示したカバーは一体的に形成されていてよいことから、個々の容器用の個々のカバーは不要である。ラック(30)にカバーを固定するため該カバーはさらに保持装置(21′)を有しており、該保持装置は対応するラック穴に係合する係合フックを有している。図2に示した例とは異なり、このカバーはラック内部ないし容器内部空間と外部空間とのあいだのガス交換がもっぱらカバーに設けられたくりぬき孔を経て行なわれるようにしてラックに取り付けられている。したがって、カバーの保持装置は保持部を介して不適なガス交換が行なわれないよう、それを効果的に防止するように形成されている。
【0024】
図3は円筒形の貯蔵保管チャンバ(110)を示したものであり、該チャンバはその上面に穴(111)を有している。該穴は水分の放出および/または二酸化炭素の吸収を減少させるためのカバー(120)によって塞がれ、貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換はカバーに設けられたくりぬき孔(121)を経てのみ行なわれるようになされている。カバー(120)はケーシングを有し、該ケーシングは好ましくは手作業によってカバー交換が容易に行なえるように係合手段(不図示)を介して貯蔵保管チャンバと連結されている。ケーシング(122)の内部には水または苛性ソーダ液の含浸された吸湿剤が充填されている。貯蔵保管チャンバの内部には回転盤(112)が設けられ、該回転盤上には複数の容器が配置されている。これらの容器から液体を採取するため各容器(130)は回転盤の回転運動によってシステムくりぬき孔下側の採取ポジション(図3に図示した容器ポジション)に順次移動させられる。液体の採取にはくりぬき孔(121)を通してピペット(140)が容器内に挿し込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
カバーを備えた容器の断面図である。
【図2】
複数のくりぬき孔を有したカバーを備えた容器ユニットの断面図である。
【図3】
貯蔵保管チャンバを備えたシステムの断面図である。
Claims (17)
- 容器からの液体の蒸発および/または容器内液体(11)へのガスとくに二酸化炭素の取込みを減少させるための容器(10)用カバー(20,20′)であって、ピペットまたはその他の装置を外部空間から容器内部に挿し込むことのできる少なくとも1つの貫通くりぬき孔(24)を有するとともに水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料(23)を内蔵したカバー。
- カバー(20,20′)を容器(10)またはラック(30)に固定するための固定手段(21,21′)を有する請求項1記載のカバー。
- 前記固定手段は容器に設けられたねじ山に外嵌めするためのねじ山である請求項2記載のカバー。
- 前記材料は水溶液が含浸された吸湿剤である請求項1記載のカバー。
- 前記液体は水分を放出すると同時に二酸化炭素を吸収するアルカリ液である請求項4記載のカバー。
- 前記材料は外部空間への水分の逃散または外部空間からのガスの吸収が基本的に前記くりぬき孔領域に限定されるようにしてケーシング(22)によって包囲されている請求項1記載のカバー。
- 少なくとも1つのくりぬき孔(24,24′,24″)はカバーの使用前にその端部が塞がれている請求項1記載のカバー。
- 前記くりぬき孔は穴あけ可能な材料で塞がれている請求項7記載のカバー。
- 前記くりぬき孔に1本の管が接続され、該管は前記カバーが前記容器に適正に取付けられると該容器内に突き入ることとなる請求項1記載のカバー。
- 液体保管システムであって、
― 容器(10,10′,10″)と
― 蒸発および/または容器内液体へのガスとくに二酸化炭素の取込みを減少させるために前記容器に取付けられる、ピペット等を容器内に挿し込むための少なくとも1つのくりぬき孔(24,24′,24″)を有するカバー(20,20′)とを備え、
前記カバーは水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料(23)を内蔵しているシステム。 - 前記容器は液体試薬を含んでいる請求項10記載のシステム。
- 2個もしくはそれ以上の容器を収容するためのラック(30)を備え、少なくとも1つのカバー(20′)は前記容器開口に対応するくりぬき孔(24,24′,24″)を有する請求項10記載のシステム。
- 容器からの液体の蒸発および/またはガスとくに二酸化炭素の取込みを減少させるカバーを備えたシステムであって、
― 少なくとも1個の容器(130)を収容するための貯蔵保管チャンバ(110)と、
― 少なくとも1つのくりぬき孔(121)を有するとともに、水分を放出しおよび/またはガスを吸収する材料(123)を内蔵したカバー(120)とを備え、
前記カバーは貯蔵保管チャンバと外部空間とのあいだのガス交換に際して前記くりぬき孔を通して貫流が生ずるように前記貯蔵保管チャンバに配置され、前記カバーは水分を放出しおよび/またはガスを除奪するとともにさらにピペット(140)またはその他の装置を少なくとも1つのくりぬき孔を通して少なくとも1個の容器内に挿し込むことができるように配置されているシステム。 - 前記材料には水分を放出しおよび/または二酸化炭素を吸収する液体が含浸されている請求項13記載のシステム。
- 前記材料は外部空間への水分の逃散または外部空間からのガスの吸収が基本的に前記くりぬき孔領域に限定されるように絶縁材によって包囲されている請求項14記載のシステム。
- 前記貯蔵保管チャンバは移送装置(112)を備え、該貯蔵保管チャンバ内に配置された容器は該移送装置により少なくとも1つのくりぬき孔を通してピペットまたはその他の装置が前記容器内に達することのできるポジションに移送される請求項13記載のシステム。
- 前記チャンバと外部空間とのあいだのガス交換が阻止されるように前記くりぬき孔を塞ぐ少なくとも1つの封止装置を有する請求項13記載のシステム。
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