JP2004508565A - 振動検出器もしくは振動検出器に用いられる絶縁板 - Google Patents
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Abstract
本発明は、振動を有する構成部分、たとえばエンジンブロックに間接的にまたは直接的に取り付けるための振動検出器(1)に関する。この振動検出器(1)は、ケーシング(10)と、中央の孔(14)、円筒状の領域(12)およびフランジ状の縁部(13)を備えた圧力スリーブ(2)とを有している。圧電式の板(3)は2つのコンタクト板(7)の間に配置されている。サイズモ系の質量体(4)はばねエレメント(5)とねじ山付きリング(6)とによって圧電式の板(3)に作用している。コンタクト板(7)の、圧電式の板(3)とは反対の側に絶縁板(8)が配置されている。この場合、この絶縁板(8)は、圧力スリーブ(2)の円筒状の領域(12)の外径(D2)よりも小さく寸法設定された内径(D1)を有している。
Description
【0001】
背景技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した形式の振動検出器に関する。特に本発明は、振動検出器、たとえばノックセンサに用いられる、圧電式の板を絶縁するための絶縁板に関する。
【0002】
振動検出器は種々異なる構成で知られている。たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第4403660号明細書には、圧力スリーブを備えた、内燃機関のためのノックセンサで使用される振動検出器が開示されている。この公知の振動検出器では、圧力スリーブが当付け領域を介して、振動を検出したい構成部分に固く接合される。ここで検出したい振動は、運転中の内燃機関のノッキングノイズである。このノッキングノイズは、ノックセンサとしての圧電セラミックス製の振動検出器に伝えられ、評価可能な出力信号に変換される。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4123786号明細書に基づき、内燃機関に用いられるノックセンサが公知である。図7に概略的に示したように、このノックセンサは、ケーシング(図示せず)内に配置された圧力スリーブ2を有している。この圧力スリーブ2の外側は圧電式の板3とサイズモ系の質量体4とを有している。このサイズモ系の質量体4は、ねじ山付きリング6を用いて予荷重もしくはプレロードをかけることができるばねエレメント5によって圧電式の板3に作用している。図7に示したように、圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。両コンタクト板7は、組み込まれた接続コネクタ(図示せず)を介して信号を評価ユニットに送出する。十分な絶縁を保証するためには、コンタクト板7の外面にそれぞれ絶縁板8が配置されている。
【0004】
しかし、小さなチップ9(金銀糸;Flitter)が圧力スリーブ2と圧電式の板3との間の中間室内に侵入し得ることが可能である。チップ9は、たとえばねじ山付きリング6の螺合時にまたはケーシング10のプラスチック射出成形時にこの箇所に侵入させられ得る。これによって、圧電式の板3と圧力スリーブ2および/またはサイズモ系の質量体4との間に接続が生ぜしめられる。これによって、短絡が引き起こされる。公知先行技術による絶縁板8は、圧電式の板3およびサイズモ系の質量体4と同じ内径を有している。これによって、個別部分と圧力スリーブ2との間の間隔が一定となる。短絡形成を回避するためには、小さなチップ9がコンタクト板7とサイズモ系の質量体4もしくは圧力スリーブ2との間の接続を形成し得ないように、絶縁板8が肉厚に製作されてもよい。しかし、このことは、特に音響的な理由に基づき不利である。なぜならば、この場合、振動をもはや最適に検出することができないからである。
【0005】
発明の利点
請求項1の特徴を備えた、振動を有する構成部分に間接的にまたは直接的に取り付けるための本発明による振動検出器は従来のものに比べて、コンタクト板もしくは圧電式の板とサイズモ系の質量体もしくは圧力スリーブとの間の短絡形成を簡単に阻止することができるという利点を有している。このことは、本発明によれば、絶縁板の内径が圧力スリーブの円筒状の領域の外径よりも小さく寸法設定されていることによって達成される。この場合、絶縁板の内径は、圧力スリーブの円筒状の領域の外径よりも小さく寸法設定されているにもかかわらず、問題なしに圧力スリーブに被せることができるように選択される。絶縁板を圧力スリーブに被せた後、絶縁板の内側の周面縁部が絶縁板の平面から張り出すので、内側の周面縁部は、コンタクトを引き起こす構成部分の間に少なくとも部分的に配置されている。これによって、振動検出器の絶縁が著しく改善され、湿分影響における遮断もしくは隔離も改善される。
【0006】
絶縁板が、内径からの少なくとも1つのスリットを有しており、該スリットが、予め規定された長さを有していると有利である。これによって、一方では、絶縁板が圧力スリーブに簡単に被せられ、他方では、絶縁板の平面からの絶縁板の内側の周面領域の起立が助成される。
【0007】
本発明の別の構成によれば、絶縁板が、スリットを有しており、該スリットが、内径から外径にまで一貫して延びるように形成されている。これによって、絶縁板は、圧力スリーブへの被せ時に拡張され、絶縁板が最終的な組付け位置に到達した場合に絶縁板の固有弾性に基づき自ずと再び閉鎖される。この構成では、プラスチックケーシングのプラスチックの射出成形後、射出成形プラスチックによってしか絶縁されていない小さなスリットが確かに残されているが、しかし、公知先行技術における従来の状況に比べて、短絡可能性を伴った臨界的な容積割合は著しく少なくなっている。
【0008】
絶縁板のスリットの簡単な製作可能性を保証するためには、スリットが、V字形に形成されていると有利である。
【0009】
絶縁板を圧力スリーブに特に簡単に被せることができるようにするためには、絶縁板のスリットが、絶縁板の中央線の方向に延びている。
【0010】
絶縁板を圧力スリーブに簡単に被せることは、絶縁板が、全周にわたって環状に延びる縁部を有しており、これによって、絶縁板の、1つまたはそれ以上のスリットを形成した内側の周面縁部が、絶縁板の平面から張り出していることによっても達成することができる。これによって、このような形式で形成された絶縁板が、圧電式の板と圧力スリーブとの間により簡単に配置されることも達成される。
【0011】
本発明の別の有利な構成によれば、圧力スリーブの円筒状の領域とフランジ状の縁部との間の移行領域に円錐状の領域が形成されている。この円錐状の領域は、圧力スリーブに被せられるエレメントのセンタリングを助成していて、このエレメントをプラスチックケーシングのプラスチックの射出成形時でも位置保持している。さらに、圧力スリーブの円錐状の領域は、振動検出器の圧力スリーブとコンタクトエレメントとの間での絶縁板の、より正確には、絶縁板の内側の周面縁部の配置を助成している。したがって、本発明による絶縁板は圧力スリーブの円錐状の領域に適合される。さらに、有利には、スリットを内側の縁部領域に設けることに基づき、この内側の縁部領域の、個々のスリットによって分割された部分領域が少なくとも部分的に重畳していることが付加的に達成される。これによって、絶縁が一層確実となる。
【0012】
圧力スリーブの円錐状の領域への一層良好な適合を可能にするためには、絶縁板が、全周にわたって環状に延びる2つの縁部を有しており、両縁部の間に円錐状の領域が形成されていると有利である。絶縁板の円錐状の領域が、圧力スリーブの円錐状の領域と同じテーパを有していると特に有利である。これによって、圧力スリーブへの絶縁板の密な接触を保証することができる。
【0013】
振動検出器の両絶縁板が同一に形成されていると有利である。これによって、振動検出器の全ての領域で均一な絶縁を達成することができる。
【0014】
本発明による絶縁板が、偶数のスリット、たとえば8つのスリットを有しており、該スリットが、絶縁板に対称的に分配されていると特に有利である。
【0015】
有利には、絶縁板が、コンタクト板もしくは圧電式の板よりも大きな外径を有しているように形成されていてもよい。これによって、圧電式の板の外側の領域における絶縁も改善される。この場合、絶縁板の外側の周面領域を1つの方向に曲げ返すことも可能となる。
【0016】
したがって、本発明によれば、特にチップまたは金銀糸もしくは湿分に基づく導電接続に対する改善された絶縁作用が提供された振動検出器もしくは絶縁板が提案される。このことは、振動検出器の圧力スリーブの円筒状の領域の外径に比べて小さな絶縁板の内径の特に簡単な手段によって達成することができる。これによって、製作時のかつ組付け時の付加的な費用が全く不要とかもしくは僅かな程度しか必要とならない改善された絶縁作用を簡単なかつ驚くべき形式で達成することができる。
【0017】
実施例の説明
以下に、本発明の複数の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0018】
図1および図2には、本発明の第1実施例による振動検出器もしくは絶縁板が示してある。
【0019】
図1に示したように、振動検出器1は、ケーシング10と、このケーシング10内に配置された圧力スリーブ2とを有している。この圧力スリーブ2は円筒状の領域12とフランジ状の領域13とから成っていて、中央の孔14と雄ねじ山11とを有している。この雄ねじ山11は円筒状の領域12に配置されている。さらに、振動検出器1は、圧電式の板3と、サイズモ系の質量体(seismisch. Masse)4と、皿ばね5と、ねじ山付きリング6とを有している。
【0020】
図1に示したように、圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。両コンタクト板7は、組み込まれた接続コネクタ(図示せず)を介して、圧電式の板3から送出された信号を検出するための評価ユニット(図示せず)に接続されている。
【0021】
以下では、圧電式の板3とサイズモ系の質量体4との間に配置されたコンタクト板7を上側のコンタクト板と呼び、圧電式の板3と圧力スリーブ2のフランジ状の領域13との間に配置されたコンタクト板7を下側のコンタクト板と呼ぶことにする。
【0022】
図1に示したように、下側のコンタクト板7とフランジ状の領域13との間には第1の絶縁板8が配置されている。さらに、上側のコンタクト板7とサイズモ系の質量体4との間には第2の絶縁板8が配置されている。短絡が生ぜしめられる恐れがあるので、両絶縁板8は、両コンタクト板7の間のもしくは圧電式の板3と圧力スリーブ2との間のもしくはサイズモ系の質量体4と圧力スリーブ2との間の電気的な接続を阻止している。
【0023】
図2に示したように、絶縁板8は、内側の周面15に複数のスリット16を有しているように形成されている。図示の実施例では、内側の周面15に8つのスリット16が形成されている。これらのスリット16は、それぞれ互いに同じ間隔を置いて配置されている。スリット16は、それぞれ絶縁板8の中央線の方向に延びるように形成されていて、V字形状を有している。したがって、絶縁板8は、圧力スリーブ2の円筒状の領域12の外径D2よりも小さく寸法設定された内径D1を有している。スリット16を絶縁板8の内側の周面15に設けることによって、絶縁板8を圧力スリーブ2にわたって簡単に被せることができる。
【0024】
図1に示したように、絶縁板8の内側の周面領域17は、組み付けられた状態で部分的に圧力スリーブ2の円筒状の領域12に当て付けられている。この場合、内側の周面領域17は絶縁板8の平面から張り出している。これによって、個々の部分の間の、改善された絶縁が達成される。これによって、特にチップまたはこれに類するものに基づく短絡を阻止することができる。
【0025】
図1に組み付けられた状態で示したように、個別部分は全て圧力スリーブ2の円筒状の領域12にわたって被せられ、閉鎖のために、ねじ山付きリング6が雄ねじ山11に螺合される。この場合、サイズモ系の質量体4への皿ばね5の予荷重もしくはプレロードが調整される。次いで、プラスチックから成るケーシング10のプラスチックが、組み付けられた半製品を取り囲むように射出成形される。この場合、プラスチックは付加的に導電性の部分の間の絶縁のために役立つ。したがって、特に、組み付けられた状態で絶縁板8の平面から張り出した内側の周面領域17に基づき、改善された絶縁が達成される。
【0026】
図3には、本発明の第2実施例による絶縁板8が示してある。図3に示したように、第2の絶縁板8は、一貫して延びるスリット18を有している。このスリット18は絶縁板8の内周面から外周面に向かって形成されている。これによって、絶縁板8が組付け時に特に圧力スリーブ2の円筒状の領域12の雄ねじ山11にわたって拡張され、次いで、再び収縮することが可能となる。この場合、第2実施例の絶縁板8は、第1実施例の絶縁板と同様に内側の周面領域17を有している。この周面領域17は絶縁板8の平面から張り出していて、改善された絶縁を可能にしている。
【0027】
図4には、本発明の第3実施例による絶縁板8が示してある。前述した両実施例の絶縁板とは異なり、第3実施例による絶縁板8では、内側の周面領域17が、組付け前に絶縁板8の平面から張り出しているように形成されている。これによって、絶縁板8には、全周にわたって環状に延びる縁部19が形成されている。絶縁板8の組付け可能性を可能にするためには、この絶縁板8が少なくとも1つのスリット(図示せず)を有している。このスリットは、予め規定された長さを有することができるかまたは一貫して延びるように形成することができる。
【0028】
図5および図6には、本発明の第4実施例による絶縁板8を備えた振動検出器1が示してある。同一の部分もしくは類似の部分には、前述した実施例と同じ符号が付してある。第4実施例はほぼ第1実施例に相当しているので、以下には、違いだけを詳しく説明することにする。
【0029】
図5に示したように、振動検出器1は、圧力スリーブ2と、圧電式の板3と、サイズモ系の質量体4と、皿ばね5と、ねじ山付きリング6と、コンタクト板7と、絶縁板8とを有している。これらのエレメントの構造および機能は第1実施例に相当している。
【0030】
第1実施例とは異なり、第4実施例の圧力スリーブ2は円筒状の領域12とフランジ状の領域13との間に円錐状の領域22を有している。構成に応じて、この円錐状の領域22は、種々異なるテーパもしくは長さを有することができる。円錐状の領域22によって、振動検出器1の個別部分、特に下側の絶縁板8と、下側のコンタクト板7と、圧電式の板3とは、中心軸線0−0に対して対称的に位置決めされる。この位置決めは、プラスチックケーシング10のプラスチックの射出成形による部材の取囲みの間も維持されたままである。さらに、圧力スリーブ2の円錐状の領域22によって、絶縁板8の内側の周面領域17の載置もしくは縁曲げが容易となる。
【0031】
図6には、第4実施例による絶縁板8が断面図で示してある。図6に示したように、絶縁板8は、全周にわたって延びる第1の縁部19と、全周にわたって延びる第2の縁部20との間に同じく円錐状の領域21を有しているように形成されている。この円錐状の領域21は圧力スリーブ2の円筒状の領域22と同じ長さおよび同じテーパを有している。これによって、圧力スリーブ2への絶縁板8の適合が著しく簡単となる。念のために付言しておくと、図2、図3および図4に示した絶縁板8も同じく、円錐付設部22を備えた圧力スリーブ2に適合される。この場合、絶縁板8の内縁部は円錐付設部22に対して自動的に適合される。
【0032】
まとめると、本発明は、振動を有する構成部分、たとえばエンジンブロックに間接的にまたは直接的に取り付けるための振動検出器1に関する。この振動検出器1は、ケーシング10と、中央の孔14、円筒状の領域12およびフランジ状の縁部13を備えた圧力スリーブ2とを有している。圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。サイズモ系の質量体4はばねエレメント5とねじ山付きリング6とによって圧電式の板3に作用している。コンタクト板7の、圧電式の板3とは反対の側に絶縁板8が配置されている。この場合、この絶縁板8は、圧力スリーブ2の円筒状の領域12の外径D2よりも小さく寸法設定された内径D1を有している。
【0033】
本発明による図示の実施例の説明は、本発明の図解目的のためにしか使用されず、本発明の限定目的のためには使用されない。本発明の枠内では、本発明の範囲ならびに本発明の同等を逸脱することなしに、種々異なる変化形および有利な構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1実施例による絶縁板を備えた振動検出器の概略的な断面図である。
【図2】
図1に示した絶縁板の概略的な平面図である。
【図3】
本発明の第2実施例による絶縁板の概略的な平面図である。
【図4】
本発明の第3実施例による絶縁板の概略的な図である。
【図5】
本発明の第4実施例による絶縁板を備えた振動検出器の概略的な断面図である。
【図6】
図5に示した絶縁板の断面図である。
【図7】
公知先行技術による絶縁板を備えた振動検出器を示す図である。
【符号の説明】
1 振動検出器、 2 圧力スリーブ、 3 板、 4 質量体、 5 皿ばね、 6 ねじ山付きリング、 7 コンタクト板、 8 絶縁板、 9 チップ、 10 ケーシング、 11 雄ねじ山、 12 領域、 13 領域、 14 孔、 15 周面、 16 スリット、 17 周面領域、 18 スリット、 19 縁部、 20 縁部、 21 領域、 22 領域、 D1 内径、 D2 外径
背景技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した形式の振動検出器に関する。特に本発明は、振動検出器、たとえばノックセンサに用いられる、圧電式の板を絶縁するための絶縁板に関する。
【0002】
振動検出器は種々異なる構成で知られている。たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第4403660号明細書には、圧力スリーブを備えた、内燃機関のためのノックセンサで使用される振動検出器が開示されている。この公知の振動検出器では、圧力スリーブが当付け領域を介して、振動を検出したい構成部分に固く接合される。ここで検出したい振動は、運転中の内燃機関のノッキングノイズである。このノッキングノイズは、ノックセンサとしての圧電セラミックス製の振動検出器に伝えられ、評価可能な出力信号に変換される。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4123786号明細書に基づき、内燃機関に用いられるノックセンサが公知である。図7に概略的に示したように、このノックセンサは、ケーシング(図示せず)内に配置された圧力スリーブ2を有している。この圧力スリーブ2の外側は圧電式の板3とサイズモ系の質量体4とを有している。このサイズモ系の質量体4は、ねじ山付きリング6を用いて予荷重もしくはプレロードをかけることができるばねエレメント5によって圧電式の板3に作用している。図7に示したように、圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。両コンタクト板7は、組み込まれた接続コネクタ(図示せず)を介して信号を評価ユニットに送出する。十分な絶縁を保証するためには、コンタクト板7の外面にそれぞれ絶縁板8が配置されている。
【0004】
しかし、小さなチップ9(金銀糸;Flitter)が圧力スリーブ2と圧電式の板3との間の中間室内に侵入し得ることが可能である。チップ9は、たとえばねじ山付きリング6の螺合時にまたはケーシング10のプラスチック射出成形時にこの箇所に侵入させられ得る。これによって、圧電式の板3と圧力スリーブ2および/またはサイズモ系の質量体4との間に接続が生ぜしめられる。これによって、短絡が引き起こされる。公知先行技術による絶縁板8は、圧電式の板3およびサイズモ系の質量体4と同じ内径を有している。これによって、個別部分と圧力スリーブ2との間の間隔が一定となる。短絡形成を回避するためには、小さなチップ9がコンタクト板7とサイズモ系の質量体4もしくは圧力スリーブ2との間の接続を形成し得ないように、絶縁板8が肉厚に製作されてもよい。しかし、このことは、特に音響的な理由に基づき不利である。なぜならば、この場合、振動をもはや最適に検出することができないからである。
【0005】
発明の利点
請求項1の特徴を備えた、振動を有する構成部分に間接的にまたは直接的に取り付けるための本発明による振動検出器は従来のものに比べて、コンタクト板もしくは圧電式の板とサイズモ系の質量体もしくは圧力スリーブとの間の短絡形成を簡単に阻止することができるという利点を有している。このことは、本発明によれば、絶縁板の内径が圧力スリーブの円筒状の領域の外径よりも小さく寸法設定されていることによって達成される。この場合、絶縁板の内径は、圧力スリーブの円筒状の領域の外径よりも小さく寸法設定されているにもかかわらず、問題なしに圧力スリーブに被せることができるように選択される。絶縁板を圧力スリーブに被せた後、絶縁板の内側の周面縁部が絶縁板の平面から張り出すので、内側の周面縁部は、コンタクトを引き起こす構成部分の間に少なくとも部分的に配置されている。これによって、振動検出器の絶縁が著しく改善され、湿分影響における遮断もしくは隔離も改善される。
【0006】
絶縁板が、内径からの少なくとも1つのスリットを有しており、該スリットが、予め規定された長さを有していると有利である。これによって、一方では、絶縁板が圧力スリーブに簡単に被せられ、他方では、絶縁板の平面からの絶縁板の内側の周面領域の起立が助成される。
【0007】
本発明の別の構成によれば、絶縁板が、スリットを有しており、該スリットが、内径から外径にまで一貫して延びるように形成されている。これによって、絶縁板は、圧力スリーブへの被せ時に拡張され、絶縁板が最終的な組付け位置に到達した場合に絶縁板の固有弾性に基づき自ずと再び閉鎖される。この構成では、プラスチックケーシングのプラスチックの射出成形後、射出成形プラスチックによってしか絶縁されていない小さなスリットが確かに残されているが、しかし、公知先行技術における従来の状況に比べて、短絡可能性を伴った臨界的な容積割合は著しく少なくなっている。
【0008】
絶縁板のスリットの簡単な製作可能性を保証するためには、スリットが、V字形に形成されていると有利である。
【0009】
絶縁板を圧力スリーブに特に簡単に被せることができるようにするためには、絶縁板のスリットが、絶縁板の中央線の方向に延びている。
【0010】
絶縁板を圧力スリーブに簡単に被せることは、絶縁板が、全周にわたって環状に延びる縁部を有しており、これによって、絶縁板の、1つまたはそれ以上のスリットを形成した内側の周面縁部が、絶縁板の平面から張り出していることによっても達成することができる。これによって、このような形式で形成された絶縁板が、圧電式の板と圧力スリーブとの間により簡単に配置されることも達成される。
【0011】
本発明の別の有利な構成によれば、圧力スリーブの円筒状の領域とフランジ状の縁部との間の移行領域に円錐状の領域が形成されている。この円錐状の領域は、圧力スリーブに被せられるエレメントのセンタリングを助成していて、このエレメントをプラスチックケーシングのプラスチックの射出成形時でも位置保持している。さらに、圧力スリーブの円錐状の領域は、振動検出器の圧力スリーブとコンタクトエレメントとの間での絶縁板の、より正確には、絶縁板の内側の周面縁部の配置を助成している。したがって、本発明による絶縁板は圧力スリーブの円錐状の領域に適合される。さらに、有利には、スリットを内側の縁部領域に設けることに基づき、この内側の縁部領域の、個々のスリットによって分割された部分領域が少なくとも部分的に重畳していることが付加的に達成される。これによって、絶縁が一層確実となる。
【0012】
圧力スリーブの円錐状の領域への一層良好な適合を可能にするためには、絶縁板が、全周にわたって環状に延びる2つの縁部を有しており、両縁部の間に円錐状の領域が形成されていると有利である。絶縁板の円錐状の領域が、圧力スリーブの円錐状の領域と同じテーパを有していると特に有利である。これによって、圧力スリーブへの絶縁板の密な接触を保証することができる。
【0013】
振動検出器の両絶縁板が同一に形成されていると有利である。これによって、振動検出器の全ての領域で均一な絶縁を達成することができる。
【0014】
本発明による絶縁板が、偶数のスリット、たとえば8つのスリットを有しており、該スリットが、絶縁板に対称的に分配されていると特に有利である。
【0015】
有利には、絶縁板が、コンタクト板もしくは圧電式の板よりも大きな外径を有しているように形成されていてもよい。これによって、圧電式の板の外側の領域における絶縁も改善される。この場合、絶縁板の外側の周面領域を1つの方向に曲げ返すことも可能となる。
【0016】
したがって、本発明によれば、特にチップまたは金銀糸もしくは湿分に基づく導電接続に対する改善された絶縁作用が提供された振動検出器もしくは絶縁板が提案される。このことは、振動検出器の圧力スリーブの円筒状の領域の外径に比べて小さな絶縁板の内径の特に簡単な手段によって達成することができる。これによって、製作時のかつ組付け時の付加的な費用が全く不要とかもしくは僅かな程度しか必要とならない改善された絶縁作用を簡単なかつ驚くべき形式で達成することができる。
【0017】
実施例の説明
以下に、本発明の複数の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0018】
図1および図2には、本発明の第1実施例による振動検出器もしくは絶縁板が示してある。
【0019】
図1に示したように、振動検出器1は、ケーシング10と、このケーシング10内に配置された圧力スリーブ2とを有している。この圧力スリーブ2は円筒状の領域12とフランジ状の領域13とから成っていて、中央の孔14と雄ねじ山11とを有している。この雄ねじ山11は円筒状の領域12に配置されている。さらに、振動検出器1は、圧電式の板3と、サイズモ系の質量体(seismisch. Masse)4と、皿ばね5と、ねじ山付きリング6とを有している。
【0020】
図1に示したように、圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。両コンタクト板7は、組み込まれた接続コネクタ(図示せず)を介して、圧電式の板3から送出された信号を検出するための評価ユニット(図示せず)に接続されている。
【0021】
以下では、圧電式の板3とサイズモ系の質量体4との間に配置されたコンタクト板7を上側のコンタクト板と呼び、圧電式の板3と圧力スリーブ2のフランジ状の領域13との間に配置されたコンタクト板7を下側のコンタクト板と呼ぶことにする。
【0022】
図1に示したように、下側のコンタクト板7とフランジ状の領域13との間には第1の絶縁板8が配置されている。さらに、上側のコンタクト板7とサイズモ系の質量体4との間には第2の絶縁板8が配置されている。短絡が生ぜしめられる恐れがあるので、両絶縁板8は、両コンタクト板7の間のもしくは圧電式の板3と圧力スリーブ2との間のもしくはサイズモ系の質量体4と圧力スリーブ2との間の電気的な接続を阻止している。
【0023】
図2に示したように、絶縁板8は、内側の周面15に複数のスリット16を有しているように形成されている。図示の実施例では、内側の周面15に8つのスリット16が形成されている。これらのスリット16は、それぞれ互いに同じ間隔を置いて配置されている。スリット16は、それぞれ絶縁板8の中央線の方向に延びるように形成されていて、V字形状を有している。したがって、絶縁板8は、圧力スリーブ2の円筒状の領域12の外径D2よりも小さく寸法設定された内径D1を有している。スリット16を絶縁板8の内側の周面15に設けることによって、絶縁板8を圧力スリーブ2にわたって簡単に被せることができる。
【0024】
図1に示したように、絶縁板8の内側の周面領域17は、組み付けられた状態で部分的に圧力スリーブ2の円筒状の領域12に当て付けられている。この場合、内側の周面領域17は絶縁板8の平面から張り出している。これによって、個々の部分の間の、改善された絶縁が達成される。これによって、特にチップまたはこれに類するものに基づく短絡を阻止することができる。
【0025】
図1に組み付けられた状態で示したように、個別部分は全て圧力スリーブ2の円筒状の領域12にわたって被せられ、閉鎖のために、ねじ山付きリング6が雄ねじ山11に螺合される。この場合、サイズモ系の質量体4への皿ばね5の予荷重もしくはプレロードが調整される。次いで、プラスチックから成るケーシング10のプラスチックが、組み付けられた半製品を取り囲むように射出成形される。この場合、プラスチックは付加的に導電性の部分の間の絶縁のために役立つ。したがって、特に、組み付けられた状態で絶縁板8の平面から張り出した内側の周面領域17に基づき、改善された絶縁が達成される。
【0026】
図3には、本発明の第2実施例による絶縁板8が示してある。図3に示したように、第2の絶縁板8は、一貫して延びるスリット18を有している。このスリット18は絶縁板8の内周面から外周面に向かって形成されている。これによって、絶縁板8が組付け時に特に圧力スリーブ2の円筒状の領域12の雄ねじ山11にわたって拡張され、次いで、再び収縮することが可能となる。この場合、第2実施例の絶縁板8は、第1実施例の絶縁板と同様に内側の周面領域17を有している。この周面領域17は絶縁板8の平面から張り出していて、改善された絶縁を可能にしている。
【0027】
図4には、本発明の第3実施例による絶縁板8が示してある。前述した両実施例の絶縁板とは異なり、第3実施例による絶縁板8では、内側の周面領域17が、組付け前に絶縁板8の平面から張り出しているように形成されている。これによって、絶縁板8には、全周にわたって環状に延びる縁部19が形成されている。絶縁板8の組付け可能性を可能にするためには、この絶縁板8が少なくとも1つのスリット(図示せず)を有している。このスリットは、予め規定された長さを有することができるかまたは一貫して延びるように形成することができる。
【0028】
図5および図6には、本発明の第4実施例による絶縁板8を備えた振動検出器1が示してある。同一の部分もしくは類似の部分には、前述した実施例と同じ符号が付してある。第4実施例はほぼ第1実施例に相当しているので、以下には、違いだけを詳しく説明することにする。
【0029】
図5に示したように、振動検出器1は、圧力スリーブ2と、圧電式の板3と、サイズモ系の質量体4と、皿ばね5と、ねじ山付きリング6と、コンタクト板7と、絶縁板8とを有している。これらのエレメントの構造および機能は第1実施例に相当している。
【0030】
第1実施例とは異なり、第4実施例の圧力スリーブ2は円筒状の領域12とフランジ状の領域13との間に円錐状の領域22を有している。構成に応じて、この円錐状の領域22は、種々異なるテーパもしくは長さを有することができる。円錐状の領域22によって、振動検出器1の個別部分、特に下側の絶縁板8と、下側のコンタクト板7と、圧電式の板3とは、中心軸線0−0に対して対称的に位置決めされる。この位置決めは、プラスチックケーシング10のプラスチックの射出成形による部材の取囲みの間も維持されたままである。さらに、圧力スリーブ2の円錐状の領域22によって、絶縁板8の内側の周面領域17の載置もしくは縁曲げが容易となる。
【0031】
図6には、第4実施例による絶縁板8が断面図で示してある。図6に示したように、絶縁板8は、全周にわたって延びる第1の縁部19と、全周にわたって延びる第2の縁部20との間に同じく円錐状の領域21を有しているように形成されている。この円錐状の領域21は圧力スリーブ2の円筒状の領域22と同じ長さおよび同じテーパを有している。これによって、圧力スリーブ2への絶縁板8の適合が著しく簡単となる。念のために付言しておくと、図2、図3および図4に示した絶縁板8も同じく、円錐付設部22を備えた圧力スリーブ2に適合される。この場合、絶縁板8の内縁部は円錐付設部22に対して自動的に適合される。
【0032】
まとめると、本発明は、振動を有する構成部分、たとえばエンジンブロックに間接的にまたは直接的に取り付けるための振動検出器1に関する。この振動検出器1は、ケーシング10と、中央の孔14、円筒状の領域12およびフランジ状の縁部13を備えた圧力スリーブ2とを有している。圧電式の板3は2つのコンタクト板7の間に配置されている。サイズモ系の質量体4はばねエレメント5とねじ山付きリング6とによって圧電式の板3に作用している。コンタクト板7の、圧電式の板3とは反対の側に絶縁板8が配置されている。この場合、この絶縁板8は、圧力スリーブ2の円筒状の領域12の外径D2よりも小さく寸法設定された内径D1を有している。
【0033】
本発明による図示の実施例の説明は、本発明の図解目的のためにしか使用されず、本発明の限定目的のためには使用されない。本発明の枠内では、本発明の範囲ならびに本発明の同等を逸脱することなしに、種々異なる変化形および有利な構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1実施例による絶縁板を備えた振動検出器の概略的な断面図である。
【図2】
図1に示した絶縁板の概略的な平面図である。
【図3】
本発明の第2実施例による絶縁板の概略的な平面図である。
【図4】
本発明の第3実施例による絶縁板の概略的な図である。
【図5】
本発明の第4実施例による絶縁板を備えた振動検出器の概略的な断面図である。
【図6】
図5に示した絶縁板の断面図である。
【図7】
公知先行技術による絶縁板を備えた振動検出器を示す図である。
【符号の説明】
1 振動検出器、 2 圧力スリーブ、 3 板、 4 質量体、 5 皿ばね、 6 ねじ山付きリング、 7 コンタクト板、 8 絶縁板、 9 チップ、 10 ケーシング、 11 雄ねじ山、 12 領域、 13 領域、 14 孔、 15 周面、 16 スリット、 17 周面領域、 18 スリット、 19 縁部、 20 縁部、 21 領域、 22 領域、 D1 内径、 D2 外径
Claims (10)
- 振動を有する構成部分に間接的にまたは直接的に取り付けるための振動検出器であって、ケーシング(10)と、中央の孔(14)、円筒状の領域(12)およびフランジ状の縁部(13)を備えた圧力スリーブ(2)と、2つのコンタクト板(7)の間に配置された圧電式の板(3)とが設けられており、該板(3)にサイズモ系の質量体(4)が作用しており、コンタクト板(7)の、圧電式の板(3)とは反対の側にそれぞれ1つの絶縁板(8)が配置されている形式のものにおいて、少なくとも1つの絶縁板(8)が、圧力スリーブ(2)の円筒状の領域(12)の外径(D2)よりも小さく寸法設定された内径(D1)を有していることを特徴とする、振動検出器。
- 絶縁板(8)が、内径(D1)からの少なくとも1つのスリット(16)を有しており、該スリット(16)が、予め規定された長さを有している、請求項1記載の振動検出器。
- 絶縁板(8)が、内側の周面(15)から外側の周面に向かって一貫して延びるスリット(18)を有している、請求項1または2記載の振動検出器。
- スリット(16;18)が、V字形に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の振動検出器。
- スリット(16)が、絶縁板(8)の中央線の方向に延びている、請求項1から4までのいずれか1項記載の振動検出器。
- 絶縁板(8)に、全周にわたって環状に延びる縁部(19,20)が形成されており、これによって、絶縁板(8)の、スリット(16)を形成した内側の周面領域(17)が、絶縁板(8)の平面から張り出している、請求項1から5までのいずれか1項記載の振動検出器。
- 圧力スリーブ(2)の円筒状の領域(12)とフランジ状の縁部(13)との間の移行領域に円錐状の領域(22)が形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の振動検出器。
- 絶縁板(8)が、全周にわたって環状に延びる2つの縁部(19,20)を有しており、両縁部(19,20)の間に円錐状の領域(21)が形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の振動検出器。
- 当該振動検出器の両絶縁板が同一に形成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の振動検出器。
- 振動を有する構成部分に間接的にまたは直接的に取り付けるための振動検出器に用いられる絶縁板において、当該絶縁板(8)が、圧力スリーブ(2)の円筒状の領域(12)の外径(D2)よりも小さく寸法設定された内径(D1)を有していることを特徴とする、絶縁板。
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