JP2005002425A - アルミナクラスターの少ない鋼材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Al脱酸またはAl−Si 脱酸した溶鋼中に、Ce、La、PrまたはNdの1種類以上の希土類金属(REM)を添加することにより、質量%で、全REM を0.1ppm以上10ppm 未満とし、かつ固溶REM を1ppm未満とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用鋼板、構造用・耐摩耗鋼用厚板や油井管用鋼管等に適したアルミナクラスターの少ない鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭52−70918号公報
【特許文献2】特開2001−26842号公報
【特許文献3】特開平11−323426 号公報
【特許文献4】特許1150222 号公報
【特許文献5】特許1266834 号公報
【特許文献6】特開平9−192799号公報
【非特許文献1】城田ら、材料とプロセス, 4(1991), p.1214
【非特許文献2】安中ら、鉄と鋼,(1995), p.17
【非特許文献3】H. Yin et al. ISIJ Int., 37(1997), p.936
【0003】
鋼板などの圧延鋼材は、一般的に転炉で溶製された未脱酸の溶鋼をAlで脱酸するアルミキルド鋼として製造されている。脱酸時に生成するアルミナは硬質で、クラスター化しやすく、数100 μm以上の介在物として残留する。したがって、溶鋼からの除去が不十分な場合、薄板での熱延、冷延時のスリバー疵(線状疵)、構造用厚板での材質不良、耐摩耗鋼用厚板での低温靭性低下や油井管用鋼管での溶接部UST 欠陥不良等の原因となる。
【0004】
このアルミナを溶鋼から除去する方法として、(1) 脱酸後に、アルミナの凝集、合体による溶鋼からの浮上、分離時間をできるだけ長くとるように転炉での出鋼時に脱酸剤のAlを投入する方法や、(2) 二次精錬法のひとつであるCAS やRH処理で溶鋼の強攪拌を行い、アルミナの浮上、分離を促進する方法や、(3) 溶鋼中へのCaの添加によってアルミナを低融点介在物のCaO−Al2O3 に形態制御し無害化する方法等が行われていた。
【0005】
ところが、前記(1) 、(2) の方法によるアルミナの浮上分離対策では限界があって、数100 μm 以上の介在物を完全に除去できないため、スリバー疵を防止できないという問題があった。(3) のCaによる酸化物系介在物の改質は、介在物の低融点化によってクラスター生成が防止でき微細化する。しかし、城田ら(材料とプロセス, 4(1991), p.1214 参照)によれば、アルミナを溶鋼中で液相のカルシウムアルミネートにするためには[Ca]/[T.O] を0.7 〜1.2 の範囲に制御する必要がある。そのためには、例えばT.O が40ppm で28〜48ppm という多量のCaを添加する必要がある。一方、タイヤ用のスチールコードや弁バネ材では、介在物を圧延加工時に変形しやすい低融点のCaO−SiO2−Al2O3(−MnO)系に制御し、無化することが一般的に良く知られている。しかしながら、これらの方法では通常Caを安価なCaSi合金で添加するため、Siの上限の厳しい自動車用鋼板や缶用冷延鋼板では実用化されていないのが現状である。
【0006】
CeやLa等のREM を利用した溶鋼の脱酸では、▲1▼Alキルドを前提とし、Al脱酸後にREM をアルミナの改質剤として使用する方法や▲2▼Alを使用しないでREM を単独、またはCa、Mg等と組み合わせて脱酸する方法が知られている。
【0007】
Alキルドを前提にした方法として、特開昭52−70918号公報によれば、Al脱酸、またはAl−Si 脱酸後にSe、Sb、LaまたはCeの一種以上を0.001 〜0.05%添加することにより、またはこれと溶鋼攪拌と組み合わせることによって、溶鋼/アルミナクラスター間の界面張力を制御して溶鋼中のアルミナクラスターを浮上分離させて除去する非金属介在物の少ない清浄鋼の製造法が示されている。また、特開2001−26842号公報では溶鋼をAlおよびTiで脱酸後、Caおよび/またはREM を添加することにより、酸化物系介在物の大きさを50μm以下で、組成をAl2O3 :10〜30wt% 、Caおよび/またはREM 酸化物:5〜30wt%、Ti酸化物:50〜90wt%とする表面性状および内質に優れる冷延鋼板ならびにその製造方法が開示されている。さらに、特開平11−323426 号公報ではAl、REM およびZrの複合脱酸によってアルミナクラスターがなく、欠陥の少ない清浄なAlキルド鋼の製造方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、アルミナクラスターを確実に浮上分離させることが困難で、介在物欠陥を要求される品質レベルまで低減することができなかった。
【0008】
Alを使用しない方法として、特許1150222 号公報では、溶鋼をCaO 含有フラックスで脱酸後、Ca、Mg、REM の一種以上を含む合金を例えば100 〜200ppm添加し、介在物を低融点、軟質化するスチール用鋼の製造方法が開示されている。また、特許1266834 号公報ではMn、Si等のAl以外の脱酸剤でT.O ≦100ppmに調整後、空気酸化防止を目的にREM を50〜500ppm添加する極細伸線性の良好な線材の製造方法が示されている。しかしながら、これらの方法では、脱酸で安価なAlを使用しないため、脱酸剤のコストアップという問題があった。また、Siで脱酸する場合には、Si上限の厳しい薄板材への適用は困難であった。
【0009】
一方、アルミナ粒子のクラスター化にはいくつかの生成機構が提案されている。例えば、特開平9−192799号公報では溶鋼中のP2O5がAl2O3 粒子の凝集合体を促進していると考え、Caを添加して、nCaO・ mP2O5 とし、Al2O3 のバインダーであるP2O5の結合力を低下させることにより、浸漬ノズルへのAl2O3 付着が防止できることが示されている。また、安中ら(鉄と鋼,(1995), p.17)によれば、連続鋳造で浸漬ノズルの閉塞防止のために用いているArガス気泡に捕捉されたアルミナ粒子が、冷延鋼板に発生するスリバー疵の原因であると推察している。さらに、H. Yin et al. (ISIJ Int., 37(1997), p.936)は、気泡に捕捉されたアルミナ粒子がキャピラリー効果により気泡表面で凝集合体するという観察結果を示している。このように、アルミナクラスターの微視的な生成機構についても解明されつつあるが、クラスター化防止のための具体的方法が明らかでなかったため、アルミナクラスターによる介在物欠陥を、要求される品質レベルまで低減することが困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を有利に解決するためになされたものであり、薄板、厚板、鋼管、形鋼、棒鋼等の鋼材において製品欠陥の原因となる粗大なアルミナクラスターの生成を溶鋼中およびAr気泡表面で防止することにより、自動車、家電用途の薄板のスリバー疵、構造用厚板の材質不良、耐摩耗用厚板の低温靭性低下、油井管用鋼管の溶接部UST 欠陥等の表面疵や内部欠陥が少ない鋼材を提供することを目的として完成されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者は上記課題を解決するため、実験および検討を重ね、その成果として、▲1▼クラスターのアルミナ粒子間にはFeO およびFeO ・Al2O3 の低融点酸化物がバインダーとして存在すること、▲2▼このバインダーを適当な量のREM で還元することによって、溶鋼中およびAr気泡表面でのアルミナ粒子の凝集合体が抑制されること、▲3▼固溶REM を必要以上に鋼中に残存させると溶鋼段階で溶鋼上部とのスラグとの反応によって、REM 酸化物とAl2O3 からなる複合酸化物が多量に生成し、 溶鋼の清浄性が悪化することが分かった。すなわち、本発明のアルミナクラスターの少ない鋼材は、Al脱酸またはAl−Si 脱酸した溶鋼中にCe、La、PrまたはNdの1種類以上の希土類金属(REM)を添加することにより、質量%で全REM を0.1ppm以上10ppm 未満とし、かつ固溶REM を1ppm 未満としたことを特徴とするものである。なお、全REM を0.1ppm以上5ppm未満とするとより効果的である。
【0012】
鋼の成分は、質量%で、C:0.0005〜1.5%、Si:0.005〜1.2%、Mn:0.05 〜3.0%、P:0.001 〜0.1%、S:0.0001〜0.05% 、Al:0.005〜1.5%とし、あるいはさらに(a) Cu:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜10.0% 、Cr:0.1〜10.0%、Mo:0.05 〜1.5 %の1種または2種以上、または(b)Nb:0.005〜0.1 %、V:0.005 〜0.3%、Ti:0.001〜0.25% の1種または2種以上、または(c)B:0.0005 〜0.005%の(a) 、(b) 、(c) 何れか一つまたは二つ以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物とすることが好ましい。
【0013】
さらに、鋳片のスライム抽出で得られるアルミナクラスターの最大径が100 μm以下であることが好ましく、また、鋳片のスライム抽出で得られる20μm以上のアルミナクラスターの個数が2個/kg以下であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明ではAl脱酸またはAl−Si脱酸した溶鋼中にCe、La、PrまたはNd等の1種類以上の希土類金属(REM)を添加することにより、全REM を0.1 以上10ppm 未満とし、かつ質量%で固溶REM を1ppm未満としたことを特徴とするものである。この組成範囲において、アルミナ粒子同士の凝集合体による粗大アルミナクラスターの生成防止とスラグとの反応による溶鋼清浄性の悪化防止が両立できる。全REM を5ppm未満にすると、より確実に粗大アルミナクラスターの生成防止が可能となる。 なお、本発明における希土類元素とは原子番号57のLaから原子番号71のLuをさす。
【0015】
全REM の上限を10ppm 未満としたのは、図1に示す通り、10ppm 以上ではAl2 O3中のREM 酸化物濃度が増加し、凝集合体しやすくなり、粗大クラスターが生成するためであり、 下限を0.1ppmとしたのは、これ未満ではREM 添加の効果がなくなり、アルミナ粒子のクラスター化が防止できないためである。 粗大アルミナクラスターの生成防止をより確実にするためには、全REM を5ppm未満にするとよい。
【0016】
固溶REM を1ppm未満とするのは、これ以上では溶鋼段階でスラグと鋼中固溶REM が反応して、REM 酸化物とAl2O3 からなる複合酸化物が多量に生成することにより、 溶鋼の清浄性が悪化し、粗大クラスターが生成するためである。 また、図2に示す通り、鍋ノズルの閉塞が発生する。
【0017】
なお、本発明におけるAl脱酸、Al−Si脱酸で製造される鋼材とは、質量%で、C:0.0005〜1.5%、Si:0.005〜1.2%、Mn:0.05 〜3.0%、P:0.001 〜0.1%、S:0.0001〜0.05% 、Al:0.005〜1.5%とし、あるいはさらに(a) Cu:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜10.0% 、Cr:0.1〜10.0% 、Mo:0.05 〜1.5%の1種または2種以上、または(b)Nb:0.005 〜0.1%、V:0.005 〜0.3%、Ti:0.001〜0.25% の1種または2種以上、または(c)B:0.0005 〜0.005%の(a) 、(b) 、(c) 何れか一つまたは二つ以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる炭素鋼であり、鋼材に必要な圧延を加えることにより、薄板、厚板、鋼管、形鋼、棒鋼等へ適用できる。
この範囲が好ましい理由は以下の通りである。
【0018】
C は鋼の強度を最も安定して向上させる基本的な元素であるため、所望する材料の強度によって含有量を0.0005〜1.5%の範囲で調整する。強度あるいは硬度確保のためには0.0005% 以上含有させることが望ましいが、1.5%より多いと靭性が損なわれるので1.5%以下がよい。
【0019】
Siを0.005 〜1.2%としたのは、0.005%未満では予備処理が必要となって精錬に大きなコスト負担をかけ経済性を損ねることとなり、1.2%より多いとメッキ不良が発生し、表面性状や耐食性を劣化するためである。
【0020】
Mnを0.05〜3.0%としたのは、0.05%未満では精錬時間が長くなって、経済性を損ねることになり、3.0%より多いと鋼材の加工性が大きく劣化するためである。
【0021】
P を0.001 〜0.1%したのは、0.001%未満では溶銑予備処理に時間とコストがかかり経済性を損ねることとなり、0.1%より多いと鋼材の加工性が大きく劣化するためである。
【0022】
S を0.0001〜0.05%としたのは、0.0001%未満では溶銑予備処理に時間とコストがかかり経済性を損ねることとなり、0.05%より多いと鋼材の加工性と耐食性が大きく劣化するためである。
【0023】
Alを0.005 〜1.5%としたのは、0.005%未満ではAlN としてN をトラップし、固溶N を減少させることができない。また、1.5%より多いと表面性状と加工性が劣化するので1.5%以下が良い。
【0024】
以上が基本成分系であるが、本発明では、これらの他にそれぞれの用途に応じて、(a) Cu、Ni、Cr、Moの1種以上、 (b)Nb、V 、Tiの1種以上、 (c)B の(a) 、(b) 、(c) 何れか一つまたは二つ以上を含有させることができる。
【0025】
Cu、Ni、Cr、Moは何れも鋼の焼入れ性を向上させる元素であって、Cu、NiおよびCrは0.1%以上、Moは0.05%以上含有させることによって、強度向上効果を示すが、Cuは1.5 およびMoは1.5 %、NiおよびCrは10%を超えて添加すると靭性および加工性を損なうおそれがあるため、Cuは0.1 〜1.5%、NiおよびCrはそれぞれ0.1 〜10% 、Moは0.05〜1.5%の範囲に限定する。
【0026】
Nb、V 、Tiはいずれも析出強化により鋼の強度を向上させる元素であって、NbおよびV は0.005%以上、Tiは0.001%以上含有させることによって、強度向上効果を示すが、Nbは0.1%、V は0.3%、Tiは0.25% を超えて添加すると靭性を損なうおそれがあるため、Nbは0.005 〜0.1%、V は0.005 〜0.3%、Tiは0.001 〜0.25% の範囲に限定する。
【0027】
B は鋼の焼入れ性を向上させ、強度を高めるる元素であって、0.0005% 以上含有させることによって、強度向上効果を示すが、0.005%を超えて添加するとB の析出物を増加させ靭性を損なうおそれがあるため、0.0005〜0.005%の範囲に限定する。
【0028】
さらに、鋳片のスライム抽出で得られるアルミナクラスターの最大径が100 μm以下としたのは、100 μm より大きいと製品での表面欠陥や内部欠陥に繋がるためである。また、鋳片のスライム抽出で得られる20μm以上のアルミナクラスターの個数が2 個/kg以下としたのは、2個/kgより多いと圧延後に表面欠陥や内部欠陥に繋がるためである。
【0029】
溶鋼中へのREM の添加は、例えば、二次精錬装置のCAS やRHを使って、溶鋼のAl脱酸後に行う。REM はCe、La等の純金属、REM 金属の合金または他金属との合金のいずれでも良く、形状は塊状、粒状、またはワイヤー等であっても良い。REM 添加量は極微量なので、溶鋼中REM 濃度を均一にするため、RH槽内での還流溶鋼中への添加や取鍋添加後のArガス等での攪拌が望ましい。また、タンディッシュ、鋳型内溶鋼へREM を添加することもできる。
【0030】
【実施例】
270tの転炉において吹錬後、所定の炭素濃度に調整して出鋼した。2次精錬で目標の溶鋼成分に調整し、Al脱酸後、REM をCe、La、ミッシュメタル(例えば、質量%でCe:45%、La:35%、Pr:6%、Nd:9%、他不可避不純物からなるREM 合金)、あるいはミッジュメタル、SiおよびFeの合金(Fe−Si−30%REM)として添加した。その結果を表1に示す。表1の溶鋼を垂直曲げ型連続鋳造機により、鋳片寸法が245mm 厚×1200〜2200mm幅、鋳造速度が1.0 〜1.8m/min、タンディッシュ内溶鋼温度が1520〜1580℃の条件で鋳片を製造した。その後、熱間圧延、酸洗、さらには必要に応じて冷間圧延を実施し、品質調査を行った。熱間圧延後の板厚は2〜100mm 、冷間圧延後の板厚は0.2 〜1.8mm であった。
【0031】
鋳片から採取したサンプルの最大クラスター径、クラスター個数、欠陥発生率や鍋ノズル閉塞状況等は、表2 に示すとおりで、本発明がアルミナクラスター起因の製品欠陥を大幅に低減して優れた生産性を示すものであることが確認できた。
【0032】
なお、表1 と表2 における*1 〜*7 の意味は以下のとおりである。
*1 :全REM は介在物中に存在するREM と鋼中に固溶するREM の合計である。タンディッシュで採取した直径30mm×高さ60mmの溶鋼サンプル中央部から、試料1gをドリルで切り出し、誘導結合プラズマー質量分析装置(IC P−MS)で、REM (Ce、La、Pr、Ndの合計)を分析し、これを全REM とした。なお、質量分析装置の分析下限は各元素0.1ppmである。
*2 :固溶REM は以下の通り分析した。すなわち、コールドクルーシブル溶解で鋼中介在物をサンプル表面に排出した後、 介在物のないサンプル中央部から、試料1gをドリルで切り出し、ICP−MSでREM(Ce、La、Pr、Ndの合計)を分析し、これを固溶REM とした。タンディッシュで採取した直径 30mm×高さ60mmの溶鋼サンプル中央部から、90g の鋼片を切出し、これをコールドクルーシブルで溶解した。溶解はAr−2%H2ガス中で実施した。分析下限未満でもREM 元素が定性的に検出される場合を<0.1ppmと表中に示した。なお、コールドクルーシブル溶解の詳細は、例えばCAMP−I SIJ,14(2001), p.817 で報告されている。
*3 :最大クラスター径の測定方法は、重量1kg±0.1kg の鋳片からスライム電解抽出(最小メッシュ20μm を使用)した介在物を実体顕微鏡で写真撮影(40倍)し、写真撮影した介在物の長径と短径の平均値を全ての介在物で求めてその平均値の最大値を最大介在物径とした。クラスター個数は重量1±0.1kg のスライム電解抽出(最小メッシュ20μm を使用)した介在物であり、光学顕微鏡(100 倍)で観察した20μm以上の全ての介在物個数を1kg単位個数に換算した。
* 4 :欠陥発生率は、以下の式による。
薄板は板表面でのスリバー疵発生率(=スリバー疵総長/コイル長×10 0,%)。
厚板は製品板でのUST 欠陥発生率あるいはセパレーション発生率(=欠陥発生板数/検査総板数×100,%)。シャルピー試験後の破面観察でセパレーション発生有無を確認した。なお、表2の厚板材欠陥発生率では、欠陥がUST 欠陥の場合は (UST)、セパレーション欠陥の場合は(SPR)と記述した。
鋼管は油井管溶接部でのUST 欠陥発生率(=欠陥発生管数/検査総管数×100,%)。
* 5 :−20℃での圧延方向におけるVノッチシャルピー衝撃試験値。試験片5本の平均値。
* 6 :室温における製品板の板厚方向絞り値(=引張り試験後の破断部分の断面積/試験前の試験片断面積×100,%)。
* 7 :鍋ノズル閉塞状況は、○が閉塞なし、△が閉塞はあったが鋳造速度の低下には至らなかった、×が閉塞によって鋳造速度を低下させた、ことを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によればAl脱酸、Al−Si 脱酸鋼で、最終製品における粗大アルミナクラスター起因の表面疵や内部欠陥が少ない鋼材を得ることができる。
よって、本発明は従来のAl脱酸鋼やAl−Si脱酸鋼における問題点を一掃したアルミナクラスターの少ない鋼材の製造方法として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋼中全REM 量と鋳片アルミナクラスター最大径の関係を示す説明図である。
【図2】本発明による鋼中固溶REM 量と鍋ノズル閉塞状況の関係を示す説明図で、この図において、鍋ノズル閉塞状況は、○が閉塞なし、△が閉塞はあったが鋳造速度の低下には至らなかった、×が閉塞によって鋳造速度を低下させた、ことを示す。
Claims (8)
- Al脱酸またはAl−Si 脱酸した溶鋼中に、Ce、La、PrまたはNdの1種類以上の希土類金属(REM)を添加することにより、質量%で、全REM を0.1ppm以上10ppm 未満とし、かつ固溶REM を1ppm未満としたことを特徴とするアルミナクラスターの少ない鋼材。
- Al脱酸またはAl−Si脱酸した溶鋼中に、Ce、La、PrまたはNdの1種類以上の希土類金属(REM)を添加することにより、質量%で、全REM を0.1ppm以上5ppm未満とし、かつ固溶REM を1ppm未満としたことを特徴とするアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 質量%で、C:0.0005〜1.5%、Si:0.005〜1.2%、Mn:0.05 〜3.0%、P:0.001 〜0.1%、S:0.0001〜0.05%、Al:0.005〜1.5%で、残部がFe及び不可避的不純物を含有したことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 質量%で、Cu:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜10.0%、Cr:0.1〜10.0%、Mo:0.05 〜1.5%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005 〜0.3%、Ti:0.001〜0.25%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3または4に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 質量%で、B:0.0005〜0.005%を含有することを特徴とする請求項3または4または5に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 鋳片のスライム抽出で得られるアルミナクラスターの最大径が100 μm以下であることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
- 鋳片のスライム抽出で得られる20μm以上のアルミナクラスターの個数が2個/kg以下である請求項7に記載のアルミナクラスターの少ない鋼材。
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