JP2005010656A - 光可変減衰機構を備えた光導波回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一の機構により連続的に、かつ複数のチャンネルからの出力を任意に識別可能に減衰できる導波路型光可変減衰機構を備えた光導波回路を提供する。
【解決手段】この発明の光可変減衰器20は、導波路型光合分岐器10の基板11に設けられた溝16または基板の端部に設けられ、溝または基板の端部のコア14aから出力される光を遮蔽または反射するシャッタ22を有する。シャッタは、マイクロアクチュエータ23により、開口度が連続的に変更可能である。
【選択図】 図2
【解決手段】この発明の光可変減衰器20は、導波路型光合分岐器10の基板11に設けられた溝16または基板の端部に設けられ、溝または基板の端部のコア14aから出力される光を遮蔽または反射するシャッタ22を有する。シャッタは、マイクロアクチュエータ23により、開口度が連続的に変更可能である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長分割多重(WDM)光通信等において光信号の合成(合波)あるいは分波もしくは合分波モジュール等に用いられ、光減衰量を任意に変えることのできる導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いる光ファイバ通信システムにおいては、光情報の分配および合成のため、複数の光合分岐回路が用いられている。また、合分波あるいは伝送により減衰した光を増幅する目的から、光ファイバアンプ等に代表される複数の光増幅器が利用されている。
【0003】
しかしながら、複数の光合分岐回路およびまたは光増幅器を用いることにより、任意の光ファイバを介して伝送される光の強度が不均一になることが知られている。
【0004】
このため、任意の光ファイバの出射側または入射側に、例えば任意の光増幅器に入射した光の入力レベルの変動がそのまま出力段へ出力されることを抑止するための光減衰器が用いられる。
【0005】
例えば、光導波路からなるマッハツェンダ型干渉計において、アーム導波路の少なくとも一方をヒータ等で加熱して干渉計に光路の位相差を生じさせ、その位相差を調整することにより、光の減衰量を制御する導波路型光可変減衰器が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
また、波長多重通信において、複数の光の合波または分波に利用可能で、波長監視用の入力導波路から入射した所定の波長の光に対する2つの回折光が生じる位置より若干内側または外側にずらした位置に、波長監視用の出力導波路が設けられているアレイ導波路回折格子光合分波器が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
さらに、光素子とそれを機械的に駆動するアクチュエート機構部からなり、光導波路を横切るように埋設されることで、導波路の開口度を制御するアレー導波路型光合分波器が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特許3337629号公報(請求項1、図1、段落[0011])。
【0009】
【特許文献2】
特許3178781号公報(請求項1、図1及び図2、段落[0009]〜[0012]要約)。
【0010】
【特許文献3】
特開2002−169104号公報(請求項1、図1、要約)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された光可変減衰器では、減衰器一個当たりの可変領域(可変能力)は、10dB程度であり、光伝送システムにおいて要求される30〜40dBの可変能力を得るためには、複数の減衰器を用いる必要がある。従って、デバイスの大きさが大型化されるとともに、コストが増加される問題がある。なお、複数の減衰器を接続することは、伝送損失が増大するという新たな問題を引き起こす。
【0012】
また、特許文献2に記載された光合分波器は、光減衰機能が与えられていないため、伝送システムにおける入力信号のばらつきや個々の伝送路内に介在される増幅段の差異等に起因して信号強度のばらつきが生じた場合に、光減衰器を別体で用意しなければならない。このため、光強度を制御する必要が生じて光減衰器を用いる場合には、デバイスの大きさが大型化されるのみならず、コストが増加される問題がある。
【0013】
一方、特許文献3に記載されたアレー導波路型光合分波器においては、導波路の開口度を制御するために用いられる減衰板すなわちミラーは、非連続で複数段の光の減衰が可能であるが、連続して光の強度を変化させることは困難である。
【0014】
また、特許文献1〜3のいずれか2つ、またはそれぞれを相互に組み合わせることが可能であったとしても、任意の伝送路(チャンネル)を伝送される特定の光の強度を変化させることは、困難である。しかも、いずれの文献に記載された合分波器あるいは光減衰器において許容される製造誤差は、非常に小さく、高度な実装技術が必要であるとともに、歩留まりが低下する問題がある。
【0015】
この発明の目的は、伝送される光の強度を、単一の機構により連続的に、かつ複数のチャンネルからの出力を任意に識別可能に、しかも光減衰量を任意に変えることのできる導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、を有する光透過量を可変する光可変減衰機構を備えたことを特徴とする光導波回路を提供するものである。
【0017】
すなわち、上述した光導波回路によれば、コアとコアを覆うクラッドからなる導波路に形成された溝状部または切断面に、コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で、コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタを設け、そのシャッタを溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータにより任意に移動させることで、導波路を伝搬される光の強度を、任意に設定できる。しかも、シャッタおよびアクチュエータにより、導波路を伝搬される光の減衰量を連続的に変化できるので、単一の光合分岐器に実装可能な範囲で、合波あるいは分岐できるチャンネル数を増加できる。
【0018】
またこの発明は、少なくともコアが延びる方向と直交する方向またはコアが延びる方向と直交する方向から所定の角度に、コアの断面の全域を含んで形成されたシャッタ案内部と、このシャッタ案内部に任意の量だけ挿入されるシャッタと、このシャッタを前記シャッタ案内部の所定の位置に、移動量を連続的に変化させながら移動させるシャッタ移動機構と、を有することを特徴とする光減衰器を提供するものである。
【0019】
すなわち、上述した光減衰器においては、少なくともコアが延びる方向と直交する方向またはコアが延びる方向と直交する方向から所定の角度に、コアの断面の全域を含んで形成されたシャッタ案内部に任意の量だけ挿入されるシャッタを、シャッタ移動機構により、移動量を連続的に変化させながら移動させることにより、デバイスの大きさを増大させることなく、光の減衰量を連続的に変化することができる。
【0020】
さらにこの発明は、基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、を有する光可変減衰機構と、前記シャッタが設けられた導波路のシャッタの後流側で、前記導波路から分岐された第2の導波路と、前記第2の導波路により分岐された光を受光して、前記シャッタにより減衰された光の強度を検出する光検出器と、前記光検出器により検出された光の強度に基づいて前記シャッタを移動させる量を設定し、前記シャッタを、設定された移動量だけ移動させるために前記アクチュエータの動作量を規定する制御手段と、を備えることを特徴とする光伝送量可変システムを提供するものである。
【0021】
すなわち、上述した光伝送量可変システムにおいては、基板上に積層されたコアとコアを覆うクラッドからなる導波路に形成された溝状部または切断面に、コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置されたシャッタを、溝状部または切断面に沿って移動させる光可変減衰機構と、シャッタが設けられた導波路のシャッタの後流側で、導波路から分岐された第2の導波路により分岐された光を受光してシャッタにより減衰された光の強度を光検出器により検出して、光検出器により検出された光の強度に基づいてアクチュエータによりシャッタを移動させる量を設定してシャッタを動作させることにより、導波路を伝搬される光の減衰量を連続的に変化できる。
【0022】
なお、シャッタおよびアクチュエータならびに制御装置は、基板上に一体に形成されるので、デバイスの大きさが増大されることもない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0024】
図1に示されるように、導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路すなわち導波路型光合分岐器10は、基板11上の所定の位置に設けられた入力導波路12、基板11上の所定の位置に設けられたアレイ導波路13、基板11上の所定の位置に設けられた出力導波路14、および入力導波路12とアレイ導波路13またはアレイ導波路13と出力導波路14を光学的に接続する連結(スラブ)導波路15(2カ所)を有している。
【0025】
出力導波路14の所定の位置には、図2を用いて以下に説明する光可変減衰器20が設けられている。また、図示しないが、光可変減衰器20は、導波路型光合分岐器10に固有のチャンネル数に応じて、複数配置される。
【0026】
出力導波路14の位置であって、光可変減衰器20により光量が減衰された光が通過する位置には、光可変減衰器20により減衰される光量すなわち光可変減衰器20の減衰量を設定するための減衰量制御機構30が、設けられている。なお、減衰量制御機構30は、例えば導波路型光合分岐器10の基板11の所定の位置に導波路型光合分岐器10と一体に設けられる。また、減衰量制御機構30は、基板11と独立に設けられてもよいことはいうまでもない。
【0027】
図2は、図1を用いて説明した導波路型光合分岐器10に組み込まれる光可変減衰器を、線I−Iに沿って切断した状態を示している。
【0028】
図2に示されるように、光可変減衰器20は、基板11、出力導波路14のコア14aおよびクラッド14bのそれぞれを横切って設けられた溝16に、コア14aおよびクラッド14bすなわち出力導波路14を横切るように設けられている。
【0029】
溝16は、基板11が延びる方向すなわち基板11の水平方向Hと直交する軸線Vから、例えば8°以上傾けられて設けられる。すなわち、光可変減衰器20は、基板の水平方向Hから82°以内の角度で、基板11に傾斜した状態で配置される。なお、溝16は、ダイシングやドライエッチングにより容易に形成可能である。
【0030】
溝16は、以下に説明するように、基板11の水平方向Hと垂直に形成されてもよい。また、溝16は、図9を用いて後段に説明するように、例えば基板11の端部に設けられてもよい。この場合、溝16は、基板11を貫通することに他ならない。なお、溝16が基板11の水平方向Hと垂直に、または基板11の端部に設けられる場合には、溝16を形成する工程および加工方法の自由度が増大される。
【0031】
光可変減衰器20は、溝16内に上述の角度で配置された基板21を有する。なお、基板21には、例えばSi等の導電性あるいは半導体特性を示す材質や、ガラスまたはセラミックス等の絶縁性の材質が利用可能である。また、基板21がコア14aを伝搬する光の波長に対して不透明である場合には、コア14aを伝搬される光が通過可能に、基板21に開口または切り欠きが設けられる。
【0032】
基板21には、コア14aを伝搬する光を遮断するシャッタ22と、シャッタ22を溝16に沿って連続的に、かつ任意の位置で停止可能に、移動させるマイクロアクチュエータ23が設けられている。なお、溝16と光可変減衰器20との間に残る隙間には、図示しないが、屈折率整合材が満たされてもよい。
【0033】
シャッタ22は、表面に、例えば光を反射する(または光を透過しない)材質の薄層が形成された金属板である。なお、シャッタ22には、厚さあるいは通過光量が段階的に変化されるような特別な特性は必要なく、単純な金属板を用いることができる。また、シャッタ22の面積は、少なくともコア14aと同等か、それ以上であれば、実装時に許容される範囲で任意に設定できる。
【0034】
また、シャッタ22の表面、特に光入射側の面を、例えば粗面(光拡散面)に加工することで、もしくはシャッタ22自身に、シャッタ22の光入射側の面で反射された光が再びコア14aに戻ることを抑止可能にコア14aが延びる方向に対して所定の角度が与えることで、基板11の水平方向Hと垂直に形成された溝16が利用可能である。
【0035】
図3は、図2に示した光可変減衰器20のシャッタ22がコア14aの断面を遮る面積(遮蔽面積)とコア14aを伝搬する光が減衰される量(光減衰量)との関係を説明している。なお、この図3から明らかなように、シャッタ22による遮蔽面積と光減衰量とは、コア14aを伝搬する光の強度分布やシャッタ22のエッジ部による回折等の影響により、非線形となる。このため、シャッタ22の開口量(開度あるいは遮光の程度)すなわち変位量は、実際には、図4および図5を用いて以下に説明する制御機構を用い、図1に示した基板11の所定の位置に設けられたシャッタ22を通過した光の強度を検出し、その検出結果に基づいて制御されることが好ましい。
【0036】
図4は、図1に示した導波路型光合分岐器に組み込まれる減衰量制御機構の一例を説明する概略図である。
【0037】
図4に示されるように、減衰量制御機構30は、光可変減衰器20のシャッタ22により光量が制限されて出力導波路14を伝送される光の一部(参照光)を受光し、参照光の強度に対応する電流を出力する光検出器(光電変換器すなわち受信器)31、および受信器31から出力される出力電流を電圧に変換して増幅し、得られた電圧値に基づいてシャッタ22を動作させるアクチュエータ23の動作量を制御する制御回路32を含む。また、受信器31は、電流−電圧変換部(増幅器)が一体に組み込まれたものでもよいことはいうまでもない。なお、制御回路32には、例えば外部から制御信号あるいは制御用数値データを入力可能な図示しない主制御装置、例えばパーソナルコンピュータあるいは操作パネル等が接続されてもよいことはいうまでもない。
【0038】
受信器31に入力すべき光量は、出力導波路14を伝搬する光の1〜5%程度でよく、例えば出力導波路14の一部を分岐した参照光用導波路14−1により、受信器31に案内される。なお、参照光用導波路14−1に分岐される光の強度は、出力導波路(幹線と呼ばれることもある)14を伝搬する光の強度を不所望に低下させるものではない。
【0039】
図5は、図4に示した減衰量制御機構の制御回路の一例を説明する略ブロック図である。
【0040】
図5に示されるように、制御回路32は、受信器31または図示しない増幅器から入力される電圧信号すなわちシャッタ減衰後信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ41、A/Dコンバータ41によりデジタル信号に変換されたシャッタ減衰後信号と図示しない他のチャンネルから入力されるシャッタ減衰後信号あるいは図示しないメモリに保持されている基準値もしくは操作パネル等を介して外部から供給される制御目標値と比較する比較器42、比較器42による比較結果に基づいてシャッタ22の開度(開口量あるいは遮光の程度)すなわち変位量を制御するためのアクチュエータ23の動作量を設定する動作量設定部43、動作量設定部43で設定された動作量に対応するアナログ電圧、すなわちアクチュエータ23を動作させるための駆動信号(電圧値)を出力するD/Aコンバータ44等を含む。
【0041】
すなわち、図3を用いて前に説明したように、光可変減衰器20のシャッタ22の開度(開口量または遮光の程度)との関係は非線形であるから、図4により説明した受信器31により出力導波路14を伝搬する光の強度を実際に検出し、検出結果に基づいて、シャッタ22の開度(開口量または遮光の程度)をフィードバック制御することにより、所定の減衰量を安定に提供可能な光可変減衰器が得られる。
【0042】
マイクロアクチュエータ23は、例えば図6(a)および(b)に示されるように、ホットアーム23aとコールドアーム23bとが一端で接続された固定端23cとそれぞれのアームが開放されている開放端23dからなり、開放端23dに所定の電圧または電力が供給されることでホットアーム23a側が延びて変形可能な2組の支持腕23Aと、支持腕23Aの間に配置され、シャッタ22を保持するシャッタ保持腕23Bを有する。
【0043】
マイクロアクチュエータ23は、図6(b)に示すように、支持腕23Aの開放端23dに所定の電圧または電力が供給されることによりホットアーム23aが延びて変形されるので、シャッタ保持腕23Bが変形される。
【0044】
従って、保持腕23Bに接続されているシャッタ22が、開放端23dのコールドアーム23bとホットアーム23aとの間に印加される電圧もしくは電力に応じて予め決められている所定量(距離)だけ移動される。
【0045】
なお、マイクロアクチュエータ23の動作に利用される電圧あるいは電力は、例えば基板11の任意の位置に設けられる電力供給部から、例えばフレキシブル基板(FPC)24または図示しない銅箔もしくは金ワイヤ等により、電力供給端(開放端)23dに供給される。
【0046】
また、図示しないが、マイクロアクチュエータ23は、光可変減衰器20のシャッタ22を移動させるべき距離(シャッタ22の移動量)およびシャッタ22の厚さ(重量)に合わせて、複数、例えば5組あるいはそれ以上配置されてもよい。
【0047】
なお、マイクロアクチュエータ23は、ホットアーム23aとコールドアーム23bを用いる周知の加熱方式以外であってもよく、例えば図7を用いて以下に説明するような櫛歯状の電極と電極相互間に作用する静電力を用いる静電型であってもよい。さらに、マイクロアクチュエータ23は、加熱方式において、詳述しないが周知のヒータを用いる方式であってもよいことはいうまでもない。
【0048】
図7は、図2を用いて説明した光可変減衰器20と組み合わせられるマイクロアクチュエータの別の実施の形態を説明している。
【0049】
図7(a)に示されるように、矩形または所定の形状に形成された複数の櫛歯状電極31aが設けられた固定電極31と、櫛歯状電極31aの間に、櫛歯状電極31aに沿って移動可能に形成された矩形または所定の形状に形成された複数の櫛歯状電極32aが設けられた可動電極32とを配置し、上述のシャッタ22を取り付けることで、図6(a)および(b)により前に説明したマイクロアクチュエータ23と同様に機能するマイクロアクチュエータ30が得られる。
【0050】
可動電極32の所定位置には、一端が、例えば詳述しない基板11の所定位置に固定された固定端33aであるバネ33が接続されている。
【0051】
図7(b)に示すように、バネ33の固定端33aと固定電極31との間に、所定の電圧または電力が供給されると、可動電極32の個々の櫛歯状電極32aが、固定電極31の櫛歯状電極31a側に、両電極間に作用する静電力により、引き寄せられる。
【0052】
従って、シャッタ22が、固定端33aと固定電極31との間に印加される電圧もしくは電力に応じて予め決められている所定量(距離)だけ移動される。
【0053】
図8(a)および(b)は、nチャンネルの光合分波器(光分波器)の各出力に、図2に示した光可変減衰器を用意して各チャンネルの出力を段階的に変化させた状態を説明している。
【0054】
例えば図8(a)に示されるような、例えば8チャンネルで、0.8nm毎に波長が異なる光a〜hを分波して出力を得た場合、図8(b)に示されるように、それぞれの波長の光が、チャンネルa〜h相互間で、概ね30dBの減衰量の範囲内で連続的に変化された減衰量で、出力されることが認められる。
【0055】
図9(a)および(b)は、図2に示した光可変減衰器を、導波路型光分岐器に適用した例を説明している。なお、図9(b)は、図9(a)に示された導波路型光分岐器を、線VII−VIIで切断した状態を示している。
【0056】
図9(a)および(b)に示されるように、光可変減衰器20は、例えば光分岐器110の基板111の端部に、例えば接着剤(図示せず)により固定される。なお、光可変減衰器20の機能および作用は、図2〜図4、図7および図8を用いて前に説明したと同様であるから詳細な説明は省略する。
【0057】
なお、シャッタ22が移動すべき範囲は、基板111上に順に積層されているコア114aおよびクラッド114bからなる導波路114のうちの少なくともコア114aの高さ(厚さ)方向の全域(全長)と等しいかそれ以上であることはいうまでもない。
【0058】
以上説明したように、この発明によれば、光減衰量を、30dB以上確保可能な光可変減衰器が得られる。しかも、光減衰量を連続的に変化できるので、単一の光合分岐器に実装可能な範囲で、合波あるいは分岐できるチャンネル数を増加できる。
【0059】
また、上述したこの発明の光可変減衰器は、導波路型デバイスであるため、光減衰器を用いることによりデバイスの大きさが増大されることもない。
【0060】
さらに、複数の光減衰器を接続しなければならない可能性が低減されるので、光(信号)の伝送効率が低下して、信号特性が劣化することが防止される。
【0061】
なお、この発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明の光可変減衰器によれば、単一の減衰器で、30dB以上の光減衰量を確保できる。
【0063】
従って、光(信号)の伝送効率が低下することが防止でき、伝送される光信号の特性(品位)が維持できる。
【0064】
これにより、長距離であっても減衰量が少なく信号劣化の少ない光伝送が可能な光伝送システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光可変減衰器が組み込まれる導波路型光合分岐器の一例を説明する概略図。
【図2】図1に示した導波路型光合分岐器に光可変減衰器を組み込んだ状態を説明する概略断面図。
【図3】図2に示した光可変減衰器のシャッタの移動量(開口度)と光減衰量との関係を説明する概略図。
【図4】図1に示した導波路型光合分岐器に組み込まれる減衰量制御機構の一例を説明する概略図。
【図5】図4に示した減衰量制御機構の制御回路の一例を説明する略ブロック図。
【図6】図2に示した光可変減衰器に利用可能なマイクロアクチュエータの一例を説明する概略図。
【図7】図2に示した光可変減衰器に利用可能なマイクロアクチュエータの一例を説明する概略図。
【図8】図2に示した光可変減衰器を、8チャンネル分岐器の個々の出力に適用した例を説明する概略図。
【図9】この発明の光可変減衰器を導波路型光分岐器に組み込んだ一例を説明する概略図。
【符号の説明】
10…導波路型光合分岐器、11…基板、14…出力導波路、14a…コア、14−1・・・参照光用導波路(第2の導波路)、16…溝、20…光可変減衰器、21…基板、22…シャッタ、23…マイクロアクチュエータ、30…減衰量制御機構、31…受信器(光検出器)、32…制御回路(制御手段)、41…A/Dコンバータ、42…比較器、43…動作量設定部(制御手段)、44…D/Aコンバータ、110…導波路型光分岐器、111…基板、114…導波路、114a…コア。
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長分割多重(WDM)光通信等において光信号の合成(合波)あるいは分波もしくは合分波モジュール等に用いられ、光減衰量を任意に変えることのできる導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いる光ファイバ通信システムにおいては、光情報の分配および合成のため、複数の光合分岐回路が用いられている。また、合分波あるいは伝送により減衰した光を増幅する目的から、光ファイバアンプ等に代表される複数の光増幅器が利用されている。
【0003】
しかしながら、複数の光合分岐回路およびまたは光増幅器を用いることにより、任意の光ファイバを介して伝送される光の強度が不均一になることが知られている。
【0004】
このため、任意の光ファイバの出射側または入射側に、例えば任意の光増幅器に入射した光の入力レベルの変動がそのまま出力段へ出力されることを抑止するための光減衰器が用いられる。
【0005】
例えば、光導波路からなるマッハツェンダ型干渉計において、アーム導波路の少なくとも一方をヒータ等で加熱して干渉計に光路の位相差を生じさせ、その位相差を調整することにより、光の減衰量を制御する導波路型光可変減衰器が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
また、波長多重通信において、複数の光の合波または分波に利用可能で、波長監視用の入力導波路から入射した所定の波長の光に対する2つの回折光が生じる位置より若干内側または外側にずらした位置に、波長監視用の出力導波路が設けられているアレイ導波路回折格子光合分波器が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
さらに、光素子とそれを機械的に駆動するアクチュエート機構部からなり、光導波路を横切るように埋設されることで、導波路の開口度を制御するアレー導波路型光合分波器が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特許3337629号公報(請求項1、図1、段落[0011])。
【0009】
【特許文献2】
特許3178781号公報(請求項1、図1及び図2、段落[0009]〜[0012]要約)。
【0010】
【特許文献3】
特開2002−169104号公報(請求項1、図1、要約)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された光可変減衰器では、減衰器一個当たりの可変領域(可変能力)は、10dB程度であり、光伝送システムにおいて要求される30〜40dBの可変能力を得るためには、複数の減衰器を用いる必要がある。従って、デバイスの大きさが大型化されるとともに、コストが増加される問題がある。なお、複数の減衰器を接続することは、伝送損失が増大するという新たな問題を引き起こす。
【0012】
また、特許文献2に記載された光合分波器は、光減衰機能が与えられていないため、伝送システムにおける入力信号のばらつきや個々の伝送路内に介在される増幅段の差異等に起因して信号強度のばらつきが生じた場合に、光減衰器を別体で用意しなければならない。このため、光強度を制御する必要が生じて光減衰器を用いる場合には、デバイスの大きさが大型化されるのみならず、コストが増加される問題がある。
【0013】
一方、特許文献3に記載されたアレー導波路型光合分波器においては、導波路の開口度を制御するために用いられる減衰板すなわちミラーは、非連続で複数段の光の減衰が可能であるが、連続して光の強度を変化させることは困難である。
【0014】
また、特許文献1〜3のいずれか2つ、またはそれぞれを相互に組み合わせることが可能であったとしても、任意の伝送路(チャンネル)を伝送される特定の光の強度を変化させることは、困難である。しかも、いずれの文献に記載された合分波器あるいは光減衰器において許容される製造誤差は、非常に小さく、高度な実装技術が必要であるとともに、歩留まりが低下する問題がある。
【0015】
この発明の目的は、伝送される光の強度を、単一の機構により連続的に、かつ複数のチャンネルからの出力を任意に識別可能に、しかも光減衰量を任意に変えることのできる導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、を有する光透過量を可変する光可変減衰機構を備えたことを特徴とする光導波回路を提供するものである。
【0017】
すなわち、上述した光導波回路によれば、コアとコアを覆うクラッドからなる導波路に形成された溝状部または切断面に、コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で、コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタを設け、そのシャッタを溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータにより任意に移動させることで、導波路を伝搬される光の強度を、任意に設定できる。しかも、シャッタおよびアクチュエータにより、導波路を伝搬される光の減衰量を連続的に変化できるので、単一の光合分岐器に実装可能な範囲で、合波あるいは分岐できるチャンネル数を増加できる。
【0018】
またこの発明は、少なくともコアが延びる方向と直交する方向またはコアが延びる方向と直交する方向から所定の角度に、コアの断面の全域を含んで形成されたシャッタ案内部と、このシャッタ案内部に任意の量だけ挿入されるシャッタと、このシャッタを前記シャッタ案内部の所定の位置に、移動量を連続的に変化させながら移動させるシャッタ移動機構と、を有することを特徴とする光減衰器を提供するものである。
【0019】
すなわち、上述した光減衰器においては、少なくともコアが延びる方向と直交する方向またはコアが延びる方向と直交する方向から所定の角度に、コアの断面の全域を含んで形成されたシャッタ案内部に任意の量だけ挿入されるシャッタを、シャッタ移動機構により、移動量を連続的に変化させながら移動させることにより、デバイスの大きさを増大させることなく、光の減衰量を連続的に変化することができる。
【0020】
さらにこの発明は、基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、を有する光可変減衰機構と、前記シャッタが設けられた導波路のシャッタの後流側で、前記導波路から分岐された第2の導波路と、前記第2の導波路により分岐された光を受光して、前記シャッタにより減衰された光の強度を検出する光検出器と、前記光検出器により検出された光の強度に基づいて前記シャッタを移動させる量を設定し、前記シャッタを、設定された移動量だけ移動させるために前記アクチュエータの動作量を規定する制御手段と、を備えることを特徴とする光伝送量可変システムを提供するものである。
【0021】
すなわち、上述した光伝送量可変システムにおいては、基板上に積層されたコアとコアを覆うクラッドからなる導波路に形成された溝状部または切断面に、コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置されたシャッタを、溝状部または切断面に沿って移動させる光可変減衰機構と、シャッタが設けられた導波路のシャッタの後流側で、導波路から分岐された第2の導波路により分岐された光を受光してシャッタにより減衰された光の強度を光検出器により検出して、光検出器により検出された光の強度に基づいてアクチュエータによりシャッタを移動させる量を設定してシャッタを動作させることにより、導波路を伝搬される光の減衰量を連続的に変化できる。
【0022】
なお、シャッタおよびアクチュエータならびに制御装置は、基板上に一体に形成されるので、デバイスの大きさが増大されることもない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0024】
図1に示されるように、導波路型の光可変減衰機構を備えた光導波回路すなわち導波路型光合分岐器10は、基板11上の所定の位置に設けられた入力導波路12、基板11上の所定の位置に設けられたアレイ導波路13、基板11上の所定の位置に設けられた出力導波路14、および入力導波路12とアレイ導波路13またはアレイ導波路13と出力導波路14を光学的に接続する連結(スラブ)導波路15(2カ所)を有している。
【0025】
出力導波路14の所定の位置には、図2を用いて以下に説明する光可変減衰器20が設けられている。また、図示しないが、光可変減衰器20は、導波路型光合分岐器10に固有のチャンネル数に応じて、複数配置される。
【0026】
出力導波路14の位置であって、光可変減衰器20により光量が減衰された光が通過する位置には、光可変減衰器20により減衰される光量すなわち光可変減衰器20の減衰量を設定するための減衰量制御機構30が、設けられている。なお、減衰量制御機構30は、例えば導波路型光合分岐器10の基板11の所定の位置に導波路型光合分岐器10と一体に設けられる。また、減衰量制御機構30は、基板11と独立に設けられてもよいことはいうまでもない。
【0027】
図2は、図1を用いて説明した導波路型光合分岐器10に組み込まれる光可変減衰器を、線I−Iに沿って切断した状態を示している。
【0028】
図2に示されるように、光可変減衰器20は、基板11、出力導波路14のコア14aおよびクラッド14bのそれぞれを横切って設けられた溝16に、コア14aおよびクラッド14bすなわち出力導波路14を横切るように設けられている。
【0029】
溝16は、基板11が延びる方向すなわち基板11の水平方向Hと直交する軸線Vから、例えば8°以上傾けられて設けられる。すなわち、光可変減衰器20は、基板の水平方向Hから82°以内の角度で、基板11に傾斜した状態で配置される。なお、溝16は、ダイシングやドライエッチングにより容易に形成可能である。
【0030】
溝16は、以下に説明するように、基板11の水平方向Hと垂直に形成されてもよい。また、溝16は、図9を用いて後段に説明するように、例えば基板11の端部に設けられてもよい。この場合、溝16は、基板11を貫通することに他ならない。なお、溝16が基板11の水平方向Hと垂直に、または基板11の端部に設けられる場合には、溝16を形成する工程および加工方法の自由度が増大される。
【0031】
光可変減衰器20は、溝16内に上述の角度で配置された基板21を有する。なお、基板21には、例えばSi等の導電性あるいは半導体特性を示す材質や、ガラスまたはセラミックス等の絶縁性の材質が利用可能である。また、基板21がコア14aを伝搬する光の波長に対して不透明である場合には、コア14aを伝搬される光が通過可能に、基板21に開口または切り欠きが設けられる。
【0032】
基板21には、コア14aを伝搬する光を遮断するシャッタ22と、シャッタ22を溝16に沿って連続的に、かつ任意の位置で停止可能に、移動させるマイクロアクチュエータ23が設けられている。なお、溝16と光可変減衰器20との間に残る隙間には、図示しないが、屈折率整合材が満たされてもよい。
【0033】
シャッタ22は、表面に、例えば光を反射する(または光を透過しない)材質の薄層が形成された金属板である。なお、シャッタ22には、厚さあるいは通過光量が段階的に変化されるような特別な特性は必要なく、単純な金属板を用いることができる。また、シャッタ22の面積は、少なくともコア14aと同等か、それ以上であれば、実装時に許容される範囲で任意に設定できる。
【0034】
また、シャッタ22の表面、特に光入射側の面を、例えば粗面(光拡散面)に加工することで、もしくはシャッタ22自身に、シャッタ22の光入射側の面で反射された光が再びコア14aに戻ることを抑止可能にコア14aが延びる方向に対して所定の角度が与えることで、基板11の水平方向Hと垂直に形成された溝16が利用可能である。
【0035】
図3は、図2に示した光可変減衰器20のシャッタ22がコア14aの断面を遮る面積(遮蔽面積)とコア14aを伝搬する光が減衰される量(光減衰量)との関係を説明している。なお、この図3から明らかなように、シャッタ22による遮蔽面積と光減衰量とは、コア14aを伝搬する光の強度分布やシャッタ22のエッジ部による回折等の影響により、非線形となる。このため、シャッタ22の開口量(開度あるいは遮光の程度)すなわち変位量は、実際には、図4および図5を用いて以下に説明する制御機構を用い、図1に示した基板11の所定の位置に設けられたシャッタ22を通過した光の強度を検出し、その検出結果に基づいて制御されることが好ましい。
【0036】
図4は、図1に示した導波路型光合分岐器に組み込まれる減衰量制御機構の一例を説明する概略図である。
【0037】
図4に示されるように、減衰量制御機構30は、光可変減衰器20のシャッタ22により光量が制限されて出力導波路14を伝送される光の一部(参照光)を受光し、参照光の強度に対応する電流を出力する光検出器(光電変換器すなわち受信器)31、および受信器31から出力される出力電流を電圧に変換して増幅し、得られた電圧値に基づいてシャッタ22を動作させるアクチュエータ23の動作量を制御する制御回路32を含む。また、受信器31は、電流−電圧変換部(増幅器)が一体に組み込まれたものでもよいことはいうまでもない。なお、制御回路32には、例えば外部から制御信号あるいは制御用数値データを入力可能な図示しない主制御装置、例えばパーソナルコンピュータあるいは操作パネル等が接続されてもよいことはいうまでもない。
【0038】
受信器31に入力すべき光量は、出力導波路14を伝搬する光の1〜5%程度でよく、例えば出力導波路14の一部を分岐した参照光用導波路14−1により、受信器31に案内される。なお、参照光用導波路14−1に分岐される光の強度は、出力導波路(幹線と呼ばれることもある)14を伝搬する光の強度を不所望に低下させるものではない。
【0039】
図5は、図4に示した減衰量制御機構の制御回路の一例を説明する略ブロック図である。
【0040】
図5に示されるように、制御回路32は、受信器31または図示しない増幅器から入力される電圧信号すなわちシャッタ減衰後信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ41、A/Dコンバータ41によりデジタル信号に変換されたシャッタ減衰後信号と図示しない他のチャンネルから入力されるシャッタ減衰後信号あるいは図示しないメモリに保持されている基準値もしくは操作パネル等を介して外部から供給される制御目標値と比較する比較器42、比較器42による比較結果に基づいてシャッタ22の開度(開口量あるいは遮光の程度)すなわち変位量を制御するためのアクチュエータ23の動作量を設定する動作量設定部43、動作量設定部43で設定された動作量に対応するアナログ電圧、すなわちアクチュエータ23を動作させるための駆動信号(電圧値)を出力するD/Aコンバータ44等を含む。
【0041】
すなわち、図3を用いて前に説明したように、光可変減衰器20のシャッタ22の開度(開口量または遮光の程度)との関係は非線形であるから、図4により説明した受信器31により出力導波路14を伝搬する光の強度を実際に検出し、検出結果に基づいて、シャッタ22の開度(開口量または遮光の程度)をフィードバック制御することにより、所定の減衰量を安定に提供可能な光可変減衰器が得られる。
【0042】
マイクロアクチュエータ23は、例えば図6(a)および(b)に示されるように、ホットアーム23aとコールドアーム23bとが一端で接続された固定端23cとそれぞれのアームが開放されている開放端23dからなり、開放端23dに所定の電圧または電力が供給されることでホットアーム23a側が延びて変形可能な2組の支持腕23Aと、支持腕23Aの間に配置され、シャッタ22を保持するシャッタ保持腕23Bを有する。
【0043】
マイクロアクチュエータ23は、図6(b)に示すように、支持腕23Aの開放端23dに所定の電圧または電力が供給されることによりホットアーム23aが延びて変形されるので、シャッタ保持腕23Bが変形される。
【0044】
従って、保持腕23Bに接続されているシャッタ22が、開放端23dのコールドアーム23bとホットアーム23aとの間に印加される電圧もしくは電力に応じて予め決められている所定量(距離)だけ移動される。
【0045】
なお、マイクロアクチュエータ23の動作に利用される電圧あるいは電力は、例えば基板11の任意の位置に設けられる電力供給部から、例えばフレキシブル基板(FPC)24または図示しない銅箔もしくは金ワイヤ等により、電力供給端(開放端)23dに供給される。
【0046】
また、図示しないが、マイクロアクチュエータ23は、光可変減衰器20のシャッタ22を移動させるべき距離(シャッタ22の移動量)およびシャッタ22の厚さ(重量)に合わせて、複数、例えば5組あるいはそれ以上配置されてもよい。
【0047】
なお、マイクロアクチュエータ23は、ホットアーム23aとコールドアーム23bを用いる周知の加熱方式以外であってもよく、例えば図7を用いて以下に説明するような櫛歯状の電極と電極相互間に作用する静電力を用いる静電型であってもよい。さらに、マイクロアクチュエータ23は、加熱方式において、詳述しないが周知のヒータを用いる方式であってもよいことはいうまでもない。
【0048】
図7は、図2を用いて説明した光可変減衰器20と組み合わせられるマイクロアクチュエータの別の実施の形態を説明している。
【0049】
図7(a)に示されるように、矩形または所定の形状に形成された複数の櫛歯状電極31aが設けられた固定電極31と、櫛歯状電極31aの間に、櫛歯状電極31aに沿って移動可能に形成された矩形または所定の形状に形成された複数の櫛歯状電極32aが設けられた可動電極32とを配置し、上述のシャッタ22を取り付けることで、図6(a)および(b)により前に説明したマイクロアクチュエータ23と同様に機能するマイクロアクチュエータ30が得られる。
【0050】
可動電極32の所定位置には、一端が、例えば詳述しない基板11の所定位置に固定された固定端33aであるバネ33が接続されている。
【0051】
図7(b)に示すように、バネ33の固定端33aと固定電極31との間に、所定の電圧または電力が供給されると、可動電極32の個々の櫛歯状電極32aが、固定電極31の櫛歯状電極31a側に、両電極間に作用する静電力により、引き寄せられる。
【0052】
従って、シャッタ22が、固定端33aと固定電極31との間に印加される電圧もしくは電力に応じて予め決められている所定量(距離)だけ移動される。
【0053】
図8(a)および(b)は、nチャンネルの光合分波器(光分波器)の各出力に、図2に示した光可変減衰器を用意して各チャンネルの出力を段階的に変化させた状態を説明している。
【0054】
例えば図8(a)に示されるような、例えば8チャンネルで、0.8nm毎に波長が異なる光a〜hを分波して出力を得た場合、図8(b)に示されるように、それぞれの波長の光が、チャンネルa〜h相互間で、概ね30dBの減衰量の範囲内で連続的に変化された減衰量で、出力されることが認められる。
【0055】
図9(a)および(b)は、図2に示した光可変減衰器を、導波路型光分岐器に適用した例を説明している。なお、図9(b)は、図9(a)に示された導波路型光分岐器を、線VII−VIIで切断した状態を示している。
【0056】
図9(a)および(b)に示されるように、光可変減衰器20は、例えば光分岐器110の基板111の端部に、例えば接着剤(図示せず)により固定される。なお、光可変減衰器20の機能および作用は、図2〜図4、図7および図8を用いて前に説明したと同様であるから詳細な説明は省略する。
【0057】
なお、シャッタ22が移動すべき範囲は、基板111上に順に積層されているコア114aおよびクラッド114bからなる導波路114のうちの少なくともコア114aの高さ(厚さ)方向の全域(全長)と等しいかそれ以上であることはいうまでもない。
【0058】
以上説明したように、この発明によれば、光減衰量を、30dB以上確保可能な光可変減衰器が得られる。しかも、光減衰量を連続的に変化できるので、単一の光合分岐器に実装可能な範囲で、合波あるいは分岐できるチャンネル数を増加できる。
【0059】
また、上述したこの発明の光可変減衰器は、導波路型デバイスであるため、光減衰器を用いることによりデバイスの大きさが増大されることもない。
【0060】
さらに、複数の光減衰器を接続しなければならない可能性が低減されるので、光(信号)の伝送効率が低下して、信号特性が劣化することが防止される。
【0061】
なお、この発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合、組み合わせによる効果が得られる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明の光可変減衰器によれば、単一の減衰器で、30dB以上の光減衰量を確保できる。
【0063】
従って、光(信号)の伝送効率が低下することが防止でき、伝送される光信号の特性(品位)が維持できる。
【0064】
これにより、長距離であっても減衰量が少なく信号劣化の少ない光伝送が可能な光伝送システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光可変減衰器が組み込まれる導波路型光合分岐器の一例を説明する概略図。
【図2】図1に示した導波路型光合分岐器に光可変減衰器を組み込んだ状態を説明する概略断面図。
【図3】図2に示した光可変減衰器のシャッタの移動量(開口度)と光減衰量との関係を説明する概略図。
【図4】図1に示した導波路型光合分岐器に組み込まれる減衰量制御機構の一例を説明する概略図。
【図5】図4に示した減衰量制御機構の制御回路の一例を説明する略ブロック図。
【図6】図2に示した光可変減衰器に利用可能なマイクロアクチュエータの一例を説明する概略図。
【図7】図2に示した光可変減衰器に利用可能なマイクロアクチュエータの一例を説明する概略図。
【図8】図2に示した光可変減衰器を、8チャンネル分岐器の個々の出力に適用した例を説明する概略図。
【図9】この発明の光可変減衰器を導波路型光分岐器に組み込んだ一例を説明する概略図。
【符号の説明】
10…導波路型光合分岐器、11…基板、14…出力導波路、14a…コア、14−1・・・参照光用導波路(第2の導波路)、16…溝、20…光可変減衰器、21…基板、22…シャッタ、23…マイクロアクチュエータ、30…減衰量制御機構、31…受信器(光検出器)、32…制御回路(制御手段)、41…A/Dコンバータ、42…比較器、43…動作量設定部(制御手段)、44…D/Aコンバータ、110…導波路型光分岐器、111…基板、114…導波路、114a…コア。
Claims (7)
- 基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、
前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、
前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、
前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、
を有する光透過量を可変する光可変減衰機構を備えたことを特徴とする光導波回路。 - 前記マイクロアクチュエータは、発熱のための電力の供給あるいは加熱により動作されることを特徴とする請求項1記載の光導波回路。
- 前記マイクロアクチュエータは、静電力の発生のための電力の供給あるいは静電力により動作されることを特徴とする請求項1記載の光導波回路。
- 前記シャッタは、前記コアの断面から出射される光を遮ることにより、前記コアを伝送される光の強度を連続的に変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光導波回路。
- 前記シャッタは、前記コアを伝送される光を反射する反射面もしくは反射膜を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光導波回路。
- 少なくともコアが延びる方向と直交する方向またはコアが延びる方向と直交する方向から所定の角度に、コアの断面の全域を含んで形成されたシャッタ案内部と、
このシャッタ案内部に任意の量だけ挿入されるシャッタと、
このシャッタを前記シャッタ案内部の所定の位置に、移動量を連続的に変化させながら移動させるシャッタ移動機構と、
を有することを特徴とする光減衰器。 - 基板上に積層されたコアと前記コアを覆うクラッドからなる導波路と、前記コアの領域を含んで前記導波路に形成された溝状部または切断面と、前記溝状部または切断面に、前記コアが延びる方向に対して垂直あるいは所定の角度で配置され、前記コアを伝送される光の強度を任意の強度に設定するシャッタと、前記シャッタを、前記溝状部または切断面に沿って移動させるアクチュエータと、を有する光可変減衰機構と、
前記シャッタが設けられた導波路のシャッタの後流側で、前記導波路から分岐された第2の導波路と、前記第2の導波路により分岐された光を受光して、前記シャッタにより減衰された光の強度を検出する光検出器と、前記光検出器により検出された光の強度に基づいて前記シャッタを移動させる量を設定し、前記シャッタを、設定された移動量だけ移動させるために前記アクチュエータの動作量を規定する制御手段と、
を備えることを特徴とする光伝送量可変システム。
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2003
- 2003-06-20 JP JP2003177022A patent/JP2005010656A/ja active Pending
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