JP2005012012A - 薄膜トランジスタ、表示装置、及びこれらの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極を選択的に形成することができる薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】半導体層22と、ゲート絶縁膜21と、ゲート電極20と、ソース電極23と、ドレイン電極24とを具備する薄膜トランジスタ10であって、被処理基板14が有する有機樹脂層15の上方に設けることを前提とする。ゲート電極20に、有機樹脂層15の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14に設けられたシード層31と、シード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを備えさせる。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体層22と、ゲート絶縁膜21と、ゲート電極20と、ソース電極23と、ドレイン電極24とを具備する薄膜トランジスタ10であって、被処理基板14が有する有機樹脂層15の上方に設けることを前提とする。ゲート電極20に、有機樹脂層15の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14に設けられたシード層31と、シード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを備えさせる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トラジスタ、液晶表示装置のような表示装置、及びこれらの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置等に代表される表示装置の分野では、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)が備えるゲート電極、ソース電極、或いはドレイン電極を、アルムニウム(Al)と比較して低抵抗であってかつ耐マイグレーション性に優れた銅(Cu)や、アルミニウムと比較して低抵抗である銀(Ag)等で形成することが検討されている。
【0003】
しかしながら、従来知られているアルミニウム薄膜の形成方法、すなわち、PEP(Photo Engraving Process:写真食刻工程)いわゆるフォトリソグラフィーによるマスキング技術と反応性イオンエッチング法等のエッチング技術とを単に組み合わせただけの形成方法では、銅薄膜の実現は困難である。
【0004】
すなわち、銅のハロゲン化物の蒸気圧は、アルムニウムの蒸気圧に比べて非常に低い。つまり、銅のハロゲン化物はアルミニウムに比べて蒸発しにくい。そのため、銅薄膜の形成方法として反応性イオンエッチング法等のエッチング技術を用いる場合、プロセス温度として200〜300℃の雰囲気下でのエッチング処理が必要となる。また、この場合、マスクとして、通常のフォトレジストマスクではなく、酸化シリコンや窒化シリコン等からなるマスクを使用する必要がある。このように、従来知られているアルミニウム薄膜の形成方法を銅薄膜の形成に適用する場合には課題がある。
【0005】
そのため、銅薄膜を形成する方法としては、従来、いわゆるダマシン法と呼ばれる方法が知られている。この方法では、まず、基板上に形成された絶縁膜に対して、あらかじめ所望のパターンの溝を形成する。次に、この溝を埋め込むように、銅を前記溝内部および前記絶縁膜上に全面に渡って形成する。このとき、銅を前記溝内部および前記絶縁膜上に全面に渡って形成する方法としては、スパッタリング法等のPVD(Physical Vapor Depositon)法、めっき法、または、有機金属材料を用いたCVD法等の各種手法がある。その後、基板表面の銅を基板表面側から絶縁膜が露出するまで(埋め込まれた溝部分の開口端面まで)除去する。基板表面の銅を除去する方法としては、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等の研磨法やエッチバック等がある。このようにすることによって、溝に埋め込まれた銅による薄膜を形成する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0006】
また、表示装置の多くは、現在、アモルファスシリコンを半導体膜として用いたアモルファスシリコンTFTやポリシリコンを半導体膜として用いたポリシリコンTFTをガラス基板に形成することで形成されている。これに対し、近年、有機半導体膜を用いた有機TFTをフレキシブルな有機樹脂基板上に形成することで、フレキシブルな表示装置を形成しようという取組みが進んできている。
【0007】
有機TFTは、一般的に、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体膜で構成されている。このような有機TFTとしては、有機半導体として可溶性ポリチオフェンを用いるとともに、ゲート絶縁膜としてポリイミド塗布膜を用いたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
また、電極が逆スタガー構造であって、かつ、電極材料として仕事関数の大きな材料(例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、或いはパラジウム(Pd)等)を用いる場合には、有機TFTは低温で形成することが可能である。このことを利用し、ガラスよりも耐熱温度が低いプラスチック基板のようなフレキシブルな有機樹脂基板上に有機TFTを形成したものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
しかしながら、電極の構造が逆スタガー構造である場合、半導体膜上に電極を形成する工程に従来の加工プロセスが適用できないという問題がある。そのため、金属マスク等を用いたマスク蒸着法により電極を形成する必要があり、TFTの微細化、パターン精度の向上、ばらつきの低減等を実現するのが難しい。
【0010】
そのため、有機樹脂基板上に仕事関数の大きな金属薄膜を形成する方法として、ポリイミド基板上に銅薄膜を形成する方法が知られている。この方法では、まず、ポリイミド基板表面を水酸化カリウム(KOH)によりイオン交換基導入処理する。さらに、イオン交換基導入処理したポリイミド基板表面に銅イオン含有液にて銅イオンを導入する。その後、導入した銅イオンを還元させることで、ポリイミド基板上に銅薄膜を形成する(例えば、特許文献5参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−135504号公報(段落0014〜段落0029、図1及び図2)
【0012】
【特許文献2】
特開平2001−189295号公報(段落0004〜段落0009、図1)
【0013】
【特許文献3】
特開平10−190001号公報(段落0014〜段落0021、図1〜図4)
【0014】
【特許文献4】
特開2000−269515号公報(段落0008〜段落0017、図2〜図6)
【0015】
【特許文献5】
特開2002−192648号公報(段落0042〜段落0056)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特許文献1及び特許文献2で開示されている従来技術でTFTの電極を形成する場合、以下に挙げるような課題がある。
【0017】
上記のようなダマシン法において、銅を基板全面に成膜した後に不要部分を除去する上記CMP等の工程は、プロセスのスループットが悪いという問題がある。しかも、直径12インチ程度の大口径ウエハサイズに対応する大型のCMP装置は開発されているが、上記ウエハよりも大面積でかつ平坦性等の精度が劣るガラス基板に対応するCMP装置は実用化されていない。また、仮に、表示装置、例えば大型液晶表示装置を製造する大型ガラス基板に上記CMPによる全面研磨やエッチング法等の適用が可能であったとしても、電極として利用される銅部分は基板の面積と比較して非常に小さいため、成膜された銅の大部分は除去・廃棄されることなる。この結果、原料としての銅の利用効率は非常に悪くなり、高コストになる影響で製品価格も高くなる。
【0018】
しかも、金属を埋め込むための溝を形成する溝加工工程、ビア(プラグ)を形成するための成膜工程、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程、及び、研磨停止膜の成膜工程が必要であるため、製造工程が複雑である。
【0019】
一方、前述した特許文献5で開示されている技術でTFTの電極を形成する場合、以下に挙げるような問題がある。
【0020】
特許文献5の技術では、還元されずにポリイミド基板上に残った銅イオンを除去する工程が必要である。しかも、還元されずにポリイミド基板上に残った銅イオンを除去する場合、原料としての銅イオンの利用効率が悪くなる。
【0021】
また、ポリイミド基板表面をイオン交換基導入処理するために用いられる水酸化カリウム(KOH)は、銅イオンで置換させても完全には除去されない。そのため、残留したカリウムイオンが電極を形成する銅薄膜内に拡散するおそれがある。
【0022】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、電極や配線といった配線構造体を選択的に形成することができる薄膜トランジスタ、表示装置、及びこれらの形成方法を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
第1の観点に基づく本発明の薄膜トランジスタは、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部の上方に設けられた薄膜トランジスタであって、半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を具備しているとともに、前記ゲート電極、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極のうちの少なくとも1つは、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、前記有機樹脂部から露出する露出部を有するように前記被処理基板上に設けられたシード層と、前記シード層上の少なくとも一部に設けられた金属層と、を有していることを特徴とする。
【0024】
「少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板」とは、基体及びこの基体の少なくとも一部に積層された有機樹脂層を有する被処理基板や、有機樹脂材料からなる被処理基板等を用いることができる。被処理基板が、基体及びこの基体の少なくとも一部に積層された有機樹脂層を有する被処理基板である場合、「有機樹脂部」は有機樹脂層をさす。また、被処理基板が、有機樹脂材料からなる被処理基板である場合、「有機樹脂部」は有機樹脂材料からなる被処理基板自体をさす。
【0025】
本発明によれば、有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンを還元させることで、シード層を被処理基板上に選択的に設けることができる。また、シード層を被処理基板上に選択的に設けることができるため、このシード層を核として金属層を被処理基板上に選択的に設けることができる。
【0026】
したがって、本発明によれば、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部上に選択的に設けることができる。
【0027】
第2の観点に基づく本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、前記ゲート電極の一側にゲート絶縁膜を介して半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触するようにソース電極を形成する工程と、前記半導体層と接触するようにドレイン電極を形成する工程と、を具備し、前記被処理基板上にゲート電極を形成する工程は、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0028】
また、第3の観点に基づく発明の薄膜トランジスタの形成方法は、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、前記被処理基板上にソース電極を形成する工程と、前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触するように半導体層を形成する工程と、前記半導体層の一側にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を具備し、前記被処理基板上にソース電極を形成する工程及び前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程のうちの少なくとも一方の工程は、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0029】
これらの発明によれば、被処理基板の有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に形成された金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元することで、被処理基板上にシード層を選択的に形成することができる。また、シード層を被処理基板上に選択的に形成することができるので、このシード層を核として金属層を被処理基板上に選択的に形成することができる。
【0030】
このように、これらの発明によれば、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部上に選択的に形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。以下、第1〜第4の実施形態では、本発明を表示装置としての液晶表示装置に適用した例で示している。
【0032】
図1及び図2は、アクティブマトリックス型の液晶表示装置1を示している。この液晶表示装置1は、一対の基体としての一対の透明基体2,3、液晶層4、下地絶縁層5、画素電極6、走査配線7、信号配線8、対向電極9、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTという)10、走査線駆動回路11、信号線駆動回路12、液晶コントローラ13等を備えている。
【0033】
一対の透明基体2,3としては、例えば一対のガラス板、有機樹脂基板などの絶縁基板を用いることができる。これら基体2,3は、図示しない枠状のシール材を介して接合されている。液晶層4は、一対の透明基体2,3の間の前記シール材により囲まれた領域に設けられている。
【0034】
一対の透明基体2,3のうちの一方の透明基体、例えば後側(図2において下側)の透明基体3の内面には、下地絶縁層5、行方向および列方向にマトリックス状に設けられた複数の画素電極6、複数の画素電極6と夫々電気的に接続された複数のTFT10、複数のTFT10と電気的に接続された走査配線7、及び複数のTFT10と電気的に接続された信号配線8等が設けられている。
【0035】
下地絶縁層5としては、例えば窒化シリコン(SiNx)等を用いることができる。透過型の液晶表示装置とする場合、画素電極6は、例えばITO(インジウム・スズ酸化物)等の透明電極を用いることができる。なお、反射型の液晶表示装置とする場合、画素電極6は、反射性金属、例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)等からなる電極としてもよい。走査配線7は、画素電極6の行方向(図1において左右方向)に夫々沿わせて設けられている。これら走査配線7の一端は夫々走査線駆動回路11と電気的に接続されている。
【0036】
走査配線7は、TFT10が備えるゲート電極20と一体に設けられている。走査配線7及びゲート電極20は、シード層31、金属層32、及びカバー金属層34を有している。なお、カバー金属層34は省略してもよい。
【0037】
金属層32は、例えば、銅、(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及びパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つを含む導電体層のような比抵抗が低い導電体層とすることで、予め設計された配線を選択的に形成することができる。なお、銅、銀、金、白金、及びパラジウムのうちの少なくとも1つを含むとは、銅、銀、金、白金、及びパラジウムの単体、及び、銅、銀、金、白金、及びパラジウムの少なくとも2つを含む合金をさしている。
【0038】
シード層31は、金属層32を形成する際にこの金属層32の核(シード)となるような層であればよい。シード層31は、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、インジウム(In)、及びスズ(Sn)のうちの少なくとも1つを含む導電体層とすることで、予め設計された配線を選択的に形成することができる。なお、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズのうちの少なくとも1つを含むとは、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズの単体、及び、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズの少なくとも2つを含む合金をさしている。
【0039】
本実施形態では、シード層31及び金属層32として、例えば、比抵抗が低く、かつ、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーション等に対する耐性が高い銅(Cu)を夫々用いている。
【0040】
カバー金属層34は、金属層32の表面露出部(本実施形態では上面)を覆うように設けられている。このカバー金属層34は、例えば、金属層32をなす金属原子(本実施形態では銅原子)の金属層32からカバー金属層34への拡散を抑止する拡散抑止層とされている。
【0041】
一方、信号配線8は、画素電極6の列方向(図1において上下方向)に夫々沿わせて設けられている。これら信号配線8の一端は夫々信号線駆動回路12と電気的に接続されている。信号配線8は、例えば、アルミニウム等により形成されている。
【0042】
走査線駆動回路11および信号線駆動回路12は夫々液晶コントローラ13に接続されている。液晶コントローラ13は、例えば外部から供給される画像信号及び同期信号を受け取り、画素映像信号Vpix、垂直走査制御信号YCT、及び水平走査制御信号XCTを発生する。
【0043】
他方の透明基体である前側(図2において上側)の透明基体2の内面には、複数の画素電極6に対向する一枚膜状の透明な対向電極9が設けられている。対向電極9は、例えばITO等の透明電極からなる。また、前側の透明基体2の内面には、複数の画素電極6と対向電極9とが互いに対向する複数の画素領域に対応させてカラーフィルタを設けるとともに、前記画素領域の間の領域に対応させて遮光膜を設けてもよい。
【0044】
一対の透明基体2,3の外側には、図示しない偏光板が設けられている。また、液晶表示装置1を透過型とする場合、後側の透明基体3の後方に図示しない面光源が設けられている。なお、液晶表示装置1は、反射型或いは半透過反射型であってもよい。
【0045】
次にTFT10について説明する。TFT10は、被処理基板14が有する有機樹脂部の上方に設けられている。本実施形態では、被処理基板として、後側の透明基体3の内面に下地絶縁層5及び有機樹脂層15がこの順序で積層された基板を用いている。すなわち、本実施形態では、有機樹脂層15が有機樹脂部となる。
【0046】
また、本実施形態では、例えば、チャネルエッチ型(ボトムゲート型)のTFT10が用いられている。すなわち、このTFT10は、図2に示すように、半導体層22と、この半導体層22の一側例えば下側にゲート絶縁膜21を介して設けられたゲート電極20と、半導体層22の一部と接するように設けられたソース電極23及びドレイン電極24とを備えている。
【0047】
走査配線7及びゲート電極20は、有機樹脂層15の一部に選択的に設けられている。詳しくは、有機樹脂層15の一部には、シード層31が設けられている。また、被処理基板14上(有機樹脂層15上)には、シード層31の全域が露出される開口33aを有する絶縁層33が設けられている。金属層32は前記開口33a内に埋め込まれるようにシード層31上に設けられている。金属層32の表面露出部はカバー金属層34で覆われている。
【0048】
ゲート絶縁膜21は、走査配線7、ゲート電極20、及び絶縁層33を覆うように設けられている。このゲート絶縁膜21としては、例えば窒化シリコン等を用いることができる。また、ゲート絶縁膜21の上には、ゲート電極20の上方に位置して、チャネル領域28となるノンドープa−Si膜22aが設けられている。このノンドープa−Si膜22aの上には、コンタクト層としてのn+型a−Si膜22bが設けられている。このn+型a−Si膜22bは、ノンドープa−Si膜22aを一部露出させる溝を有している。このn+型a−Si膜22bのうち、前記溝で分断された一側がソース領域26、他側がドレイン領域27となる。これらノンドープa−Si膜22a及びn+型a−Si膜22bが半導体層22を構成している。ソース電極23及びドレイン電極24は、n+型a−Si膜22bのソース領域26及びドレイン領域27と夫々接触するように、このn+型a−Si膜22b上に設けられている。
【0049】
なお、画素電極6は、ソース電極23と接触するようにゲート絶縁膜21上に設けられている。信号配線8は、ドレイン電極24と一体に形成されている。更に、これらの上には、画素電極6を露出させる開口を有するパシベーション層25が設けられている。
【0050】
図3〜図5を参照して被処理基板14への成膜工程について説明する。
【0051】
まず、図3(A)に示すような被処理基板14を用意する。なお、被処理基板14は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、透明基体3上に、窒化シリコンからなる下地絶縁層5を層厚が約300nmとなるように形成する。下地絶縁層5上に、有機樹脂材料であるポリイミドを塗布・熱硬化させて、層厚が例えば約300nmとなるように有機樹脂層15を形成する。
【0052】
次に、有機樹脂層15が形成された被処理基板14上にTFT10、走査配線7、信号配線8、及び画素電極6を形成する工程を説明する。
【0053】
詳しくは、図3(B)に示すように、被処理基板14上(有機樹脂層15上)に絶縁層33を形成する。この絶縁層33には、予め定められたゲート電極20及び走査配線7の形成位置に対応する領域(以下、選択領域という)に開口33aを有している。この絶縁層33は、例えば、有機樹脂層15上に窒化シリコンを層厚が500nmとなるように形成し、その後、窒化シリコン層にPEP及びエッチングを施して前記開口33aを形成することにより得られる。なお、絶縁層33としては、例えば窒化シリコンのように、シード層31及び金属層32をなす銅原子の絶縁層33への拡散を抑制することが可能な絶縁材料を用いるのが好ましい。もちろん、BCB(ベンゾシクロブテン)のような有機系絶縁層を用いてもよい。
【0054】
開口33aが形成された被処理基板14は、酸素を含むプラズマ中で表面処理される。この表面処理により、図3(C)に示すように、有機樹脂層15の開口33aにより露出された表面にはイオン導入処理部15aが形成される。有機樹脂層15がポリイミドの場合、イオン導入処理部15aは、イミド環が開裂されて、アミド結合とカルボキシル基とを有するポリアミック酸が形成される。即ち、イオン導入処理部15aでは、イミド環の結合開裂処理が行われる。このイミド環の結合開裂処理は、絶縁層33のエッチング後、レジスト除去に酸素を含むプラズマによるアッシング処理を行うことにより達成することが可能であるが、別工程で行ってもよい。
【0055】
なお、イオン導入処理部15aは少なくとも有機樹脂層15の表層部に設ければよい。すなわち、イオン導入処理は、図3(c)に示すように、有機樹脂層15の表層部のみに行ってもよく、また、有機樹脂層15の厚み方向の略全域に行ってもよい。さらに、結合開裂処理はプラズマ処理だけでなく、例えば、有機樹脂層15の選択領域に水酸化カリウム(KOH)を接触させることによりイミド環を開裂させてもよい。
【0056】
次に、銅イオンを含む溶液、例えば、硫酸銅を含む溶液を用意する。そして、前記イオン導入処理部15aを有する被処理基板14を前記酸溶液中に浸漬して処理する。このようにすることにより、前記溶液中の銅イオンは、イオン導入処理部15aに形成されているカルボキシル基に吸着されて、有機樹脂層15に固定される。これにより、図4(D)に示すように、有機樹脂層15の開口33aから露出する選択領域に金属イオン導入部31aが形成される。
【0057】
図4(D)の状態にまで成膜工程が進められた被処理基板14を、還元性雰囲気、例えば水素を含む雰囲気中において所定温度、例えば210℃で加熱する。これにより、金属イオン導入部31aに導入された銅イオンが還元されて、図4(E)に示すように、有機樹脂層15の金属イオン導入部31aはシード層31に変換される。このシード層31は、ゲート電極20及び走査配線7を選択的に形成するための核となる。このようにして、シード層31が選択的に形成されるため、シード層31の材料の省資源化が可能になる。なお、シード層31の密着性を改善するために、シード層31形成後にアニール処理を施してもよい。
【0058】
また、図4(E)では金属イオン導入部31aの厚み方向の略全域の銅イオンが還元処理されているが、還元処理は必ずしも金属イオン導入部31aの厚み方向の全域に行わなくてもよく、少なくとも金属イオン導入部31aの表層部を還元させてシード層31とすればよい。
【0059】
すなわち、ゲート電極20及び走査配線7は、有機樹脂層15の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14上に設けられたシード層31と、このシード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを有するようにしてもよい。また、有機樹脂層15の少なくとも一部に金属イオンが選択的に導入されてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14上に設けられた金属イオン導入部31aと、金属イオン導入部31aの少なくとも露出部の一部が還元されてなるシード層31と、シード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを有するようにしてもよい。
【0060】
次に、図4(F)に示すように、銅からなる金属層32を絶縁層33の開口33a内を埋めるようにシード層31上に形成する。この金属層32によりゲート電極20及び走査配線7は所望の層厚に層厚化される。この層厚は、要求される抵抗値から定めればよい。
【0061】
本実施形態では、絶縁層33が500nmに対して、金属層32が400nmとなるように形成されている。そのため、図に示すように、金属層32は開口33aの端面よりも絶縁層33の内部に凹んでいる。なお、この金属層32は、絶縁層33の表面(開口33a)から著しく突出しない層厚であれば、絶縁層33の表面と略面一となる層厚としても、それよりも薄い層厚としてもよい。
【0062】
この金属層32は、例えばシード層31を核とする無電解めっき法によりシード層31上のみに形成される。金属層32がシード層31上のみに形成されるため、金属層32の材料の省資源化が可能になる。
【0063】
ところで、前記無電解めっきを行うめっき浴としては、還元剤にホルムアルデヒドを用いたホルムアルデヒド浴を用いてもよい。しかし、ホルムアルデヒド浴を用いる場合、めっきpH条件がpH12〜pH13程度であるため、pH調整剤として水酸化ナトリウム等を用いる必要がある。TFT10の製造プロセスへの適用を考えた場合には、その工程中にアルカリ金属を含まない方が好ましい。
【0064】
したがって、前記無電解めっきを行うめっき浴としては、還元剤にコバルト塩を用いたコバルト塩浴や、スズ塩を用いたスズ塩浴等を用いるのが好ましい。すなわち、コバルト塩浴は、アルカリ金属を含まないだけでなく、めっきpH条件がpH6〜pH7程度の中性領域であるため、上記絶縁層33へのダメージが少なく、TFT10の製造プロセスには好適である。
【0065】
また、コバルト塩浴やスズ塩浴は、ホルムアルデヒド浴やグリオキシル酸浴のように、めっき反応過程で還元剤が分解して水素が発生するといったことがない。したがって、前記無電解めっきを行うめっき浴としてコバルト塩浴やスズ塩浴を用いると、表面の平坦性が良好な金属層32を形成することができる。しかも、金属層32にボイド(孔)が発生するのを抑制することができる。
【0066】
次に、図5(G)に示すように、金属層32の表面露出部である上面を覆い、かつ、開口33a内を埋めるようにカバー金属層34を形成する。カバー金属層34は、層厚が例えば約50nmとなるように形成されている。なお、カバー金属層34は、その表面が絶縁層33の表面と面一となるように形成してもよい。
【0067】
このカバー金属層34は、例えば、コバルト(Co)−タングステン(W)−ホウ素(B)合金、コバルト(Co)−ホウ素(B)合金、コバルト(Co)−リン(P)合金、ニッケル(Ni)−リン(P)合金、ニッケル(Ni)−タングステン(W)−リン(P)合金等のように、金属層32の表面(銅の表面)に選択的に無電解めっきが可能であって、しかも、金属層32をなす金属原子(銅原子)の金属層32からカバー金属層34への拡散を抑止できる金属を用いるのが好ましい。
【0068】
このように、カバー金属層34を拡散抑止層とすることで、後の工程であるゲート絶縁膜21の形成工程(例えば、CVD工程)で生じる金属層32表面の酸化や腐蝕を抑制できるだけでなく、シード層31及び金属層32をなす金属原子のゲート絶縁膜21への拡散を抑止することができる。以上により、ゲート電極20及び走査配線7が被処理基板14上に選択的に形成が形成される。
【0069】
次に、図5(H)に示すように、ゲート絶縁膜21、半導体層22、ソース電極23、及びドレイン電極24を形成する。詳しくは、ゲート電極20を覆うように例えば窒化シリコンからなるゲート絶縁膜21を成膜する。このゲート絶縁膜21上にノンドープa−Si膜22aを成膜するとともに、このノンドープa−Si膜22a上にn+型a−Si膜22bを成膜する。ノンドープa−Si膜22a及びn+型a−Si膜22bをパターニングした後、さらに、n+型a−Si膜22b上にソース電極23及びドレイン電極24となるアルミニウム薄膜を成膜・パターニングする。その後、ソース電極23及びドレイン電極24をマスクし、これら電極間のn+型a−Si膜22bをエッチングする。以上により、TFT10が形成される。
【0070】
さらに、信号配線8及び画素電極6を夫々成膜・パターニングする。続けて、パシベーション層25を成膜するとともに、このパシベーション層25に画素電極6を露出させる開口を形成する。以上により、被処理基板14への成膜工程が完了する。
【0071】
さらに、本実施形態では、有機樹脂層15の少なくとも一部に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように被処理基板14上に金属イオン導入部31aを形成する工程は、被処理基板14上に絶縁層33を形成する工程と、絶縁層33に、有機樹脂層15の少なくとも一部が露出する開口33aを形成する工程と、開口33aから露出する有機樹脂層15の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程と、化学結合が開裂された部分に金属イオンを導入し、化学結合が開裂されてなる末端基に金属イオンを吸着させる工程とを含んでいる。このようにすることにより、有機樹脂層15内の少なくとも一部に、外部に露出する露出部を有するように金属イオン導入部31aを選択的に形成することができる。
【0072】
また、本実施形態では、有機樹脂層15の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程は、酸素を含む雰囲気下でプラズマ処理により、有機樹脂層15の少なくとも一部の結合を開裂させる工程であるため、水酸化カリウム等を用いることなく有機樹脂層15内に、外部に露出する露出部を有するように金属イオン導入部31aを形成することができる。したがって、残留したカリウムイオンが電極を形成する銅薄膜内に拡散するといったことがないため、TFT10の形成には好適である。
【0073】
しかも、本実施形態では、表面性が良好で、ボイドが少なく、しかも、比抵抗が低い金属層32を形成することができる。
【0074】
すなわち、例えば、レジストマスクと無電解めっき法とを合わせて選択的に配線を形成する方法では、パラジウム触媒処理が必要であるが、本実施形態では、銅からなるシード層31上に銅からなる金属層32を形成するため、めっき浴としてコバルト塩浴やスズ塩浴を用いた無電解めっきにより金属層32を形成することができる。コバルト塩浴やスズ塩浴は、ホルムアルデヒド浴やグリオキシル酸浴のように、めっき反応過程で還元剤が分解して水素が発生するといったことがない。したがって、本実施形態では、表面性が良好であり、しかも、ボイドの少ない成膜を行うことができる。
【0075】
また、レジストマスクと無電解めっき法とを合わせて選択的に配線を形成する方法では、上述のようにパラジウム触媒処理が必要である。しかしながら、パラジウムは、後工程の熱処理工程において銅めっき層内に拡散し、銅めっき層の比抵抗値を高くし易い。これに対し、本実施形態は、パラジウム触媒を必要としないので、比抵抗の低い金属層32を得ることができる。
【0076】
しかも、従来のTFT10、液晶表示装置1及びこれらの形成方法では、ゲート絶縁膜21のカバレッジや前記ショート不良発生を考慮して、ゲート電極20を順テーパ上に加工する、或いは、配線(走査配線等)のアスペクト比を小さくするように形成する等している。これに対し、本実施形態のTFT10、液晶表示装置1、及びこれらの形成方法は、ゲート電極20及び走査配線7を絶縁層33の開口33a内に埋め込んだ構造とすることができる。そのため、ゲート絶縁膜21のカバレッジや前記ショート不良発生を考慮する必要がなく、したがって、ゲート電極20を順テーパ上に加工したり、配線のアスペクト比を小さくしたりする必要がない。このように、本実施形態では、高アスペクト化による配線抵抗の低減や配線幅低減による画素部分の開口率の拡大が実現できる。また、本実施形態は、CMPを用いることが困難な大面積の被処理基板14に対しても適用が可能である。上記実施形態では、薄膜トランジスタの半導体層にアモルファスシリコンを用いた例について説明したが、多結晶シリコン等を用いてもよい。
【0077】
以下、図6及び図7を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0078】
本実施形態では、選択領域に対応する形状となるように有機樹脂層15をパターニングしている。パターニング後の有機樹脂層15の大きさは、図6に示すように絶縁層33の開口よりも大きくてもよく、また、図7に示すように開口よりも小さくてもよい。この有機樹脂層15の表層部に、第1の実施形態と同様にしてシード層31を形成し、続けて、開口33aを埋めるように金属層32を形成している。
【0079】
なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0080】
本実施形態によれば、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂で形成された有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程が、透明基体3上に有機樹脂層15を形成する工程と、有機樹脂層15を所定の形状にパターニングする工程とを含んでいる。このようにしても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、パターニングすることで、例えば透過型液晶表示装置に適用した際に配線領域のみに形成し、光の透過する画素領域部分には形成しないようにすることができる。したがって、透過率損失や光干渉等の問題を回避することができる。
【0081】
有機樹脂層15としては、感光性ポリイミド樹脂を用いてパターニングしてもよく、また、レジスト膜を用いて感光性を有さないポリイミド樹脂をパターニングしてもよい。感光性を有さないポリイミド樹脂を用いる場合、ポリイミド樹脂上のレジスト膜を除去する際に酸素を含むプラズマでアッシング処理することにより、レジスト膜の除去とイミド環の結合開裂処理とを連続して行うことができる。
【0082】
以下、図8を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
【0083】
本実施形態では、以下のようにして、被処理基板14上にゲート電極20及び走査配線7を形成している。
【0084】
まず、第1の実施形態と同様の被処理基板14を用意する。選択領域に対応する形状となるように有機樹脂層15をパターニングする。その後、第1の実施形態と同様にして、シード層31及び金属層32を形成する。そして、金属層32の表面露出部(上面及び周面)を覆うようにカバー金属層34を形成する。なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0085】
本実施形態によれば、絶縁層33を形成することなく、ゲート電極20及び走査配線7といった配線構造体を選択的に形成することができる。また、金属層32の周面はカバー金属層34により覆われているので、絶縁層33が無くても金属層32をなす金属原子のゲート絶縁膜21への拡散を抑止できる。
【0086】
第1〜第3の実施形態では、被処理基板14として透明基体3及びこの透明基体3の少なくとも一部に積層された有機樹脂層15を有する基板を用いたが、被処理基板14としては、有機樹脂材料例えばポリイミドからなる基板を用いてもよい。
【0087】
以下、図9〜図12を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
【0088】
本実施形態では、被処理基板14として、有機樹脂材料、例えばポリイミドからなるフレキシブルな基板を用いている。すなわち、後側の透明基体3が被処理基板14となる。なお、前側の透明基体2は、後側の透明基体3と同様に、例えばポリイミド等からなるプラスチック基板のような透明かつフレキシブルな基板を用いている。また、TFT10はトップゲート型の有機TFTとしている。
【0089】
このTFT10は、有機半導体層29と、この有機半導体層29の一側例えば上側にゲート絶縁膜21を介して設けられたゲート電極20と、半導体層22の一部と接するように設けられたソース電極23及びドレイン電極24とを備えている。
【0090】
詳しくは、絶縁層33の開口33a内に埋め込まれるようにソース電極23及びドレイン電極24が設けられている。なお、信号配線8はドレイン電極24と一体に設けられている。ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は、例えば銀(Ag)からなる。絶縁層33上には、ソース電極23及びドレイン電極24と接続するように有機半導体層29が設けられている。有機半導体層29としてはペンタセン等を用いることができる。
【0091】
ゲート絶縁膜21は、有機半導体層29を覆うように、この有機半導体層29の上に設けられている。ゲート絶縁膜21上には、有機半導体層29の上方に位置して、ゲート電極20が設けられている。図中符号50は層間絶縁膜であり、符号25はパシベーション層である。層間絶縁膜50は、ゲート電極20及びゲート絶縁膜21を覆うように、ゲート電極20の上に設けられている。ゲート絶縁膜21及び層間絶縁膜50には、コンタクトホール51,52が夫々設けられており、画素電極6はコンタクトホール51,52を介してソース電極23と接触するように層間絶縁膜50上に設けられている。
【0092】
次に、被処理基板への成膜工程について説明する。
【0093】
まず、図10(A)に示すように、被処理基板40を用意する。この被処理基板40上に、例えば酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層33を層厚が400nmとなるように形成する。その後、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8に対応する領域(以下、選択領域という)に対応させて、絶縁層33に有機樹脂層15を露出させる開口33aを形成する。
【0094】
酸素を含むプラズマ中で絶縁層33を形成した被処理基板14を表面処理する。これにより、図10(B)に示すように、被処理基板40の表層部であって開口33aから露出する前記選択領域にイオン導入処理部40aが形成される。
【0095】
銀イオンを含む溶液、例えば、硝酸銀を含む溶液を用意する。そして、被処理基板40を前記酸溶液中に浸漬して処理する。このようにすることにより、前記溶液中の銀イオンは、イオン導入処理部40aに形成されたカルボキシル基に吸着されて、被処理基板40の表層部に固定される。これにより、図10(C)に示すように、被処理基板40の開口33aから露出する選択領域に金属イオン導入部31aが形成される。
【0096】
被処理基板14に紫外線光(例えば365nmの波長光)を照射する。これにより、金属イオン導入部31aに導入された銀イオンが還元されて、図11(D)に示すように、被処理基板14内にシード層31が形成される。このシード層31は、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8を選択的に形成するための核となる。
【0097】
さらに、図11(E)に示すように、銀からなる金属層32を絶縁層33の開口33a内を埋めるようにシード層31上に形成する。この金属層32によりソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は所望の層厚に層厚化される。本実施形態では、絶縁層33が400nmに対して、金属層32が400nmとなるように形成されている。すなわち、金属層32の上面は絶縁層33の上面と面一となるように形成されている。
【0098】
そして、図11(F)に示すように、絶縁層33上にソース電極23及びドレイン電極24と接続するように有機半導体層29を形成する。有機半導体層29は、例えば層厚が50nmとなるように形成されている。この有機半導体層29は、メタルマスクを用いた蒸着により形成することができる。
【0099】
そして、有機半導体層29を覆うようにゲート絶縁膜21を形成するとともに、このゲート絶縁膜21上にゲート電極20を形成する。ゲート電極20を覆うように層間絶縁膜50を形成する。さらに、ゲート絶縁膜21及び層間絶縁膜50にコンタクトホール51,52を形成し、コンタクトホール51,52を介してソース電極23と接触するように層間絶縁膜50上に画素電極6を形成する。さらに、層間絶縁膜50上にパシベーション層25を形成する。パシペーション層25に、画素電極6を露出させる開口を形成する。なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0100】
以上のように、本実施形態によれば、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板、例えば有機樹脂材料からなる被処理基板40を用意する工程と、被処理基板40上にソース電極23を形成する工程と、被処理基板40上にドレイン電極24を形成する工程と、ソース電極23及びドレイン電極24と接触するように半導体層29を形成する工程と、半導体層29の一側である上側にゲート絶縁膜21を介してゲート電極20を形成する工程と、を具備している。そして、被処理基板40上にソース電極23を形成する工程及びドレイン電極24を形成する工程は、被処理基板40の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように被処理基板40上に金属イオン導入部31aを形成する工程と、金属イオン導入部31aの少なくとも露出部の一部を還元してシード層31を形成する工程と、シード層31上の少なくとも一部に金属層32を形成する工程と、を具備している。
【0101】
このように、被処理基板40の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンを還元させることで、シード層31を被処理基板40上に選択的に形成することができる。また、シード層31を被処理基板40上に選択的に形成することができるため、このシード層31を核として金属層32を被処理基板40上に選択的に形成することができる。したがって、ソース電極23及びドレイン電極24といった配線構造体を被処理基板14上に選択的に形成することができる。
【0102】
このように、ソース電極23及びドレイン電極24を選択的に形成することができるため、金属層32の原料である銀の利用効率を向上させることができる。しかも、従来のダマシン法等と比べて工程数を低減できるため、製造コストも低減できる。したがって、原料コスト及び製造コストを低減でき、しかも、環境への負荷を抑制できるトップゲート型のTFT10及び液晶表示装置1の形成方法が得られる。
【0103】
また、本実施形態では、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8といった配線構造体が絶縁層33の開口33a内に埋め込まれた構造となっている。したがって、有機TFT10の平坦化が図れるとともに、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8よりも上層に設けられる走査配線7等との間に生じるショート不良等を抑制することができる。しかも、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8の形状は開口33aの形状と略一致させることができる(開口33aの形状で制御可能である)ため、マスク蒸着法と比べて配線幅精度の良好な有機TFT10が得られる。
【0104】
さらに、電極が逆スタガー構造であって、かつ、電極材料として仕事関数の大きな材料(例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、或いはパラジウム(Pd)等)を用いる場合には、有機TFT10は低温で形成することが可能である。このことを利用し、ガラスよりも耐熱温度が低いプラスチック基板のようなフレキシブルな有機樹脂基板を被処理基板として有機TFTを原料コスト及び製造コストで形成することができる。したがって、これにより、TFT10を備えたフレキシブルな表示装置1を得ることができる。
【0105】
なお、本実施形態では、電極が逆スタガー型である場合を例にとって説明したが、本発明は、電極が正スタガー型やコプラナー型の場合にも適用することができる。
【0106】
また、本実施形態では、被処理基板14としては有機樹脂材料例えばポリイミドからなる基板を用いたが、被処理基板14としては、透明基体3及びこの透明基体3の少なくとも一部に積層された有機樹脂層15を有する基板を用いてもよい。
【0107】
さらに、本実施形態では、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8を金により形成しているが、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は、例えば、低抵抗性や耐マイグレーション性等に優れている銅や、低抵抗性が優れている銅、銀、金、白金、及びパラジウムのうちの少なくとも1つを含む金属により形成してもよい。金属イオン導入部を還元してシード層を形成する方法として紫外線照射を用いることにより、銀だけでなく、金、白金、パラジウム等のシード層を形成することができる。
【0108】
なお、第1〜第4の実施形態では、金属イオン導入部を還元してシード層を形成する方法としては、還元性雰囲気中での加熱処理や紫外線照射だけでなく、窒素雰囲気中での加熱処理や真空紫外線照射によっても行うことができる。銅のような酸化しやすい金属では還元性雰囲気で加熱処理が望ましく、銀のような紫外線照射により還元可能な金属では光照射の方が不要な温度上昇も抑制でき、かつ、処理時間短縮も容易である。
【0109】
さらに、第1〜第4の実施形態では、有機樹脂材料としてポリイミドを用いたが、有機樹脂材料としてはポリイミドだけでなく、化学結合を開裂させることで末端基にカルボキシル基のような極性基が形成されるような有機樹脂であればどのような有機樹脂でもよい。
【0110】
本発明の表示装置及びその形成方法は、液晶表示装置1に限定されるものではなく、有機EL装置或いは無機EL装置等の表示装置にも適用することができる。また、本発明は、表示装置に限定されるものではなく、例えば、半導体装置等にも広く適用することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、電極や配線といった配線構造体を選択的に形成することができる薄膜トランジスタ、表示装置、及びこれらの形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図。
【図2】図1の液晶表示装置の一部分を示す断面図。
【図3】(A)〜(C)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する序盤の工程を説明する断面図。
【図4】(D)〜(F)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する中盤の工程を説明する断面図。
【図5】(G)及び(H)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する終盤の工程を説明する断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の一部分を示す平面図。
【図10】図9の液晶表示装置の一部分を示す断面図。
【図11】(A)〜(C)は図9の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する前半の工程を説明する断面図。
【図12】(D)〜(F)は図9の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する後半の工程を説明する断面図。
【符号の説明】
1…液晶表示装置(表示装置)、3…透明基体(基体)、10…薄膜トランジスタ、14,40…被処理基板、15…有機樹脂層(有機樹脂部)、20…ゲート電極、21…ゲート絶縁膜、22…半導体層、23…ソース電極、24…ドレイン電極、29…有機半導体層(半導体層)、31…シード層、32…金属層、33…絶縁層、33a…開口、34…カバー金属層
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トラジスタ、液晶表示装置のような表示装置、及びこれらの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置等に代表される表示装置の分野では、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)が備えるゲート電極、ソース電極、或いはドレイン電極を、アルムニウム(Al)と比較して低抵抗であってかつ耐マイグレーション性に優れた銅(Cu)や、アルミニウムと比較して低抵抗である銀(Ag)等で形成することが検討されている。
【0003】
しかしながら、従来知られているアルミニウム薄膜の形成方法、すなわち、PEP(Photo Engraving Process:写真食刻工程)いわゆるフォトリソグラフィーによるマスキング技術と反応性イオンエッチング法等のエッチング技術とを単に組み合わせただけの形成方法では、銅薄膜の実現は困難である。
【0004】
すなわち、銅のハロゲン化物の蒸気圧は、アルムニウムの蒸気圧に比べて非常に低い。つまり、銅のハロゲン化物はアルミニウムに比べて蒸発しにくい。そのため、銅薄膜の形成方法として反応性イオンエッチング法等のエッチング技術を用いる場合、プロセス温度として200〜300℃の雰囲気下でのエッチング処理が必要となる。また、この場合、マスクとして、通常のフォトレジストマスクではなく、酸化シリコンや窒化シリコン等からなるマスクを使用する必要がある。このように、従来知られているアルミニウム薄膜の形成方法を銅薄膜の形成に適用する場合には課題がある。
【0005】
そのため、銅薄膜を形成する方法としては、従来、いわゆるダマシン法と呼ばれる方法が知られている。この方法では、まず、基板上に形成された絶縁膜に対して、あらかじめ所望のパターンの溝を形成する。次に、この溝を埋め込むように、銅を前記溝内部および前記絶縁膜上に全面に渡って形成する。このとき、銅を前記溝内部および前記絶縁膜上に全面に渡って形成する方法としては、スパッタリング法等のPVD(Physical Vapor Depositon)法、めっき法、または、有機金属材料を用いたCVD法等の各種手法がある。その後、基板表面の銅を基板表面側から絶縁膜が露出するまで(埋め込まれた溝部分の開口端面まで)除去する。基板表面の銅を除去する方法としては、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等の研磨法やエッチバック等がある。このようにすることによって、溝に埋め込まれた銅による薄膜を形成する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0006】
また、表示装置の多くは、現在、アモルファスシリコンを半導体膜として用いたアモルファスシリコンTFTやポリシリコンを半導体膜として用いたポリシリコンTFTをガラス基板に形成することで形成されている。これに対し、近年、有機半導体膜を用いた有機TFTをフレキシブルな有機樹脂基板上に形成することで、フレキシブルな表示装置を形成しようという取組みが進んできている。
【0007】
有機TFTは、一般的に、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体膜で構成されている。このような有機TFTとしては、有機半導体として可溶性ポリチオフェンを用いるとともに、ゲート絶縁膜としてポリイミド塗布膜を用いたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
また、電極が逆スタガー構造であって、かつ、電極材料として仕事関数の大きな材料(例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、或いはパラジウム(Pd)等)を用いる場合には、有機TFTは低温で形成することが可能である。このことを利用し、ガラスよりも耐熱温度が低いプラスチック基板のようなフレキシブルな有機樹脂基板上に有機TFTを形成したものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
しかしながら、電極の構造が逆スタガー構造である場合、半導体膜上に電極を形成する工程に従来の加工プロセスが適用できないという問題がある。そのため、金属マスク等を用いたマスク蒸着法により電極を形成する必要があり、TFTの微細化、パターン精度の向上、ばらつきの低減等を実現するのが難しい。
【0010】
そのため、有機樹脂基板上に仕事関数の大きな金属薄膜を形成する方法として、ポリイミド基板上に銅薄膜を形成する方法が知られている。この方法では、まず、ポリイミド基板表面を水酸化カリウム(KOH)によりイオン交換基導入処理する。さらに、イオン交換基導入処理したポリイミド基板表面に銅イオン含有液にて銅イオンを導入する。その後、導入した銅イオンを還元させることで、ポリイミド基板上に銅薄膜を形成する(例えば、特許文献5参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−135504号公報(段落0014〜段落0029、図1及び図2)
【0012】
【特許文献2】
特開平2001−189295号公報(段落0004〜段落0009、図1)
【0013】
【特許文献3】
特開平10−190001号公報(段落0014〜段落0021、図1〜図4)
【0014】
【特許文献4】
特開2000−269515号公報(段落0008〜段落0017、図2〜図6)
【0015】
【特許文献5】
特開2002−192648号公報(段落0042〜段落0056)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特許文献1及び特許文献2で開示されている従来技術でTFTの電極を形成する場合、以下に挙げるような課題がある。
【0017】
上記のようなダマシン法において、銅を基板全面に成膜した後に不要部分を除去する上記CMP等の工程は、プロセスのスループットが悪いという問題がある。しかも、直径12インチ程度の大口径ウエハサイズに対応する大型のCMP装置は開発されているが、上記ウエハよりも大面積でかつ平坦性等の精度が劣るガラス基板に対応するCMP装置は実用化されていない。また、仮に、表示装置、例えば大型液晶表示装置を製造する大型ガラス基板に上記CMPによる全面研磨やエッチング法等の適用が可能であったとしても、電極として利用される銅部分は基板の面積と比較して非常に小さいため、成膜された銅の大部分は除去・廃棄されることなる。この結果、原料としての銅の利用効率は非常に悪くなり、高コストになる影響で製品価格も高くなる。
【0018】
しかも、金属を埋め込むための溝を形成する溝加工工程、ビア(プラグ)を形成するための成膜工程、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程、及び、研磨停止膜の成膜工程が必要であるため、製造工程が複雑である。
【0019】
一方、前述した特許文献5で開示されている技術でTFTの電極を形成する場合、以下に挙げるような問題がある。
【0020】
特許文献5の技術では、還元されずにポリイミド基板上に残った銅イオンを除去する工程が必要である。しかも、還元されずにポリイミド基板上に残った銅イオンを除去する場合、原料としての銅イオンの利用効率が悪くなる。
【0021】
また、ポリイミド基板表面をイオン交換基導入処理するために用いられる水酸化カリウム(KOH)は、銅イオンで置換させても完全には除去されない。そのため、残留したカリウムイオンが電極を形成する銅薄膜内に拡散するおそれがある。
【0022】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、電極や配線といった配線構造体を選択的に形成することができる薄膜トランジスタ、表示装置、及びこれらの形成方法を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
第1の観点に基づく本発明の薄膜トランジスタは、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部の上方に設けられた薄膜トランジスタであって、半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を具備しているとともに、前記ゲート電極、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極のうちの少なくとも1つは、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、前記有機樹脂部から露出する露出部を有するように前記被処理基板上に設けられたシード層と、前記シード層上の少なくとも一部に設けられた金属層と、を有していることを特徴とする。
【0024】
「少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板」とは、基体及びこの基体の少なくとも一部に積層された有機樹脂層を有する被処理基板や、有機樹脂材料からなる被処理基板等を用いることができる。被処理基板が、基体及びこの基体の少なくとも一部に積層された有機樹脂層を有する被処理基板である場合、「有機樹脂部」は有機樹脂層をさす。また、被処理基板が、有機樹脂材料からなる被処理基板である場合、「有機樹脂部」は有機樹脂材料からなる被処理基板自体をさす。
【0025】
本発明によれば、有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンを還元させることで、シード層を被処理基板上に選択的に設けることができる。また、シード層を被処理基板上に選択的に設けることができるため、このシード層を核として金属層を被処理基板上に選択的に設けることができる。
【0026】
したがって、本発明によれば、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部上に選択的に設けることができる。
【0027】
第2の観点に基づく本発明の薄膜トランジスタの形成方法は、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、前記ゲート電極の一側にゲート絶縁膜を介して半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触するようにソース電極を形成する工程と、前記半導体層と接触するようにドレイン電極を形成する工程と、を具備し、前記被処理基板上にゲート電極を形成する工程は、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0028】
また、第3の観点に基づく発明の薄膜トランジスタの形成方法は、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、前記被処理基板上にソース電極を形成する工程と、前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触するように半導体層を形成する工程と、前記半導体層の一側にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を具備し、前記被処理基板上にソース電極を形成する工程及び前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程のうちの少なくとも一方の工程は、前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0029】
これらの発明によれば、被処理基板の有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に形成された金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元することで、被処理基板上にシード層を選択的に形成することができる。また、シード層を被処理基板上に選択的に形成することができるので、このシード層を核として金属層を被処理基板上に選択的に形成することができる。
【0030】
このように、これらの発明によれば、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極のうちの少なくとも1つを、少なくとも一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部上に選択的に形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。以下、第1〜第4の実施形態では、本発明を表示装置としての液晶表示装置に適用した例で示している。
【0032】
図1及び図2は、アクティブマトリックス型の液晶表示装置1を示している。この液晶表示装置1は、一対の基体としての一対の透明基体2,3、液晶層4、下地絶縁層5、画素電極6、走査配線7、信号配線8、対向電極9、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTという)10、走査線駆動回路11、信号線駆動回路12、液晶コントローラ13等を備えている。
【0033】
一対の透明基体2,3としては、例えば一対のガラス板、有機樹脂基板などの絶縁基板を用いることができる。これら基体2,3は、図示しない枠状のシール材を介して接合されている。液晶層4は、一対の透明基体2,3の間の前記シール材により囲まれた領域に設けられている。
【0034】
一対の透明基体2,3のうちの一方の透明基体、例えば後側(図2において下側)の透明基体3の内面には、下地絶縁層5、行方向および列方向にマトリックス状に設けられた複数の画素電極6、複数の画素電極6と夫々電気的に接続された複数のTFT10、複数のTFT10と電気的に接続された走査配線7、及び複数のTFT10と電気的に接続された信号配線8等が設けられている。
【0035】
下地絶縁層5としては、例えば窒化シリコン(SiNx)等を用いることができる。透過型の液晶表示装置とする場合、画素電極6は、例えばITO(インジウム・スズ酸化物)等の透明電極を用いることができる。なお、反射型の液晶表示装置とする場合、画素電極6は、反射性金属、例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)等からなる電極としてもよい。走査配線7は、画素電極6の行方向(図1において左右方向)に夫々沿わせて設けられている。これら走査配線7の一端は夫々走査線駆動回路11と電気的に接続されている。
【0036】
走査配線7は、TFT10が備えるゲート電極20と一体に設けられている。走査配線7及びゲート電極20は、シード層31、金属層32、及びカバー金属層34を有している。なお、カバー金属層34は省略してもよい。
【0037】
金属層32は、例えば、銅、(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及びパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つを含む導電体層のような比抵抗が低い導電体層とすることで、予め設計された配線を選択的に形成することができる。なお、銅、銀、金、白金、及びパラジウムのうちの少なくとも1つを含むとは、銅、銀、金、白金、及びパラジウムの単体、及び、銅、銀、金、白金、及びパラジウムの少なくとも2つを含む合金をさしている。
【0038】
シード層31は、金属層32を形成する際にこの金属層32の核(シード)となるような層であればよい。シード層31は、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、インジウム(In)、及びスズ(Sn)のうちの少なくとも1つを含む導電体層とすることで、予め設計された配線を選択的に形成することができる。なお、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズのうちの少なくとも1つを含むとは、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズの単体、及び、銅、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、及びスズの少なくとも2つを含む合金をさしている。
【0039】
本実施形態では、シード層31及び金属層32として、例えば、比抵抗が低く、かつ、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーション等に対する耐性が高い銅(Cu)を夫々用いている。
【0040】
カバー金属層34は、金属層32の表面露出部(本実施形態では上面)を覆うように設けられている。このカバー金属層34は、例えば、金属層32をなす金属原子(本実施形態では銅原子)の金属層32からカバー金属層34への拡散を抑止する拡散抑止層とされている。
【0041】
一方、信号配線8は、画素電極6の列方向(図1において上下方向)に夫々沿わせて設けられている。これら信号配線8の一端は夫々信号線駆動回路12と電気的に接続されている。信号配線8は、例えば、アルミニウム等により形成されている。
【0042】
走査線駆動回路11および信号線駆動回路12は夫々液晶コントローラ13に接続されている。液晶コントローラ13は、例えば外部から供給される画像信号及び同期信号を受け取り、画素映像信号Vpix、垂直走査制御信号YCT、及び水平走査制御信号XCTを発生する。
【0043】
他方の透明基体である前側(図2において上側)の透明基体2の内面には、複数の画素電極6に対向する一枚膜状の透明な対向電極9が設けられている。対向電極9は、例えばITO等の透明電極からなる。また、前側の透明基体2の内面には、複数の画素電極6と対向電極9とが互いに対向する複数の画素領域に対応させてカラーフィルタを設けるとともに、前記画素領域の間の領域に対応させて遮光膜を設けてもよい。
【0044】
一対の透明基体2,3の外側には、図示しない偏光板が設けられている。また、液晶表示装置1を透過型とする場合、後側の透明基体3の後方に図示しない面光源が設けられている。なお、液晶表示装置1は、反射型或いは半透過反射型であってもよい。
【0045】
次にTFT10について説明する。TFT10は、被処理基板14が有する有機樹脂部の上方に設けられている。本実施形態では、被処理基板として、後側の透明基体3の内面に下地絶縁層5及び有機樹脂層15がこの順序で積層された基板を用いている。すなわち、本実施形態では、有機樹脂層15が有機樹脂部となる。
【0046】
また、本実施形態では、例えば、チャネルエッチ型(ボトムゲート型)のTFT10が用いられている。すなわち、このTFT10は、図2に示すように、半導体層22と、この半導体層22の一側例えば下側にゲート絶縁膜21を介して設けられたゲート電極20と、半導体層22の一部と接するように設けられたソース電極23及びドレイン電極24とを備えている。
【0047】
走査配線7及びゲート電極20は、有機樹脂層15の一部に選択的に設けられている。詳しくは、有機樹脂層15の一部には、シード層31が設けられている。また、被処理基板14上(有機樹脂層15上)には、シード層31の全域が露出される開口33aを有する絶縁層33が設けられている。金属層32は前記開口33a内に埋め込まれるようにシード層31上に設けられている。金属層32の表面露出部はカバー金属層34で覆われている。
【0048】
ゲート絶縁膜21は、走査配線7、ゲート電極20、及び絶縁層33を覆うように設けられている。このゲート絶縁膜21としては、例えば窒化シリコン等を用いることができる。また、ゲート絶縁膜21の上には、ゲート電極20の上方に位置して、チャネル領域28となるノンドープa−Si膜22aが設けられている。このノンドープa−Si膜22aの上には、コンタクト層としてのn+型a−Si膜22bが設けられている。このn+型a−Si膜22bは、ノンドープa−Si膜22aを一部露出させる溝を有している。このn+型a−Si膜22bのうち、前記溝で分断された一側がソース領域26、他側がドレイン領域27となる。これらノンドープa−Si膜22a及びn+型a−Si膜22bが半導体層22を構成している。ソース電極23及びドレイン電極24は、n+型a−Si膜22bのソース領域26及びドレイン領域27と夫々接触するように、このn+型a−Si膜22b上に設けられている。
【0049】
なお、画素電極6は、ソース電極23と接触するようにゲート絶縁膜21上に設けられている。信号配線8は、ドレイン電極24と一体に形成されている。更に、これらの上には、画素電極6を露出させる開口を有するパシベーション層25が設けられている。
【0050】
図3〜図5を参照して被処理基板14への成膜工程について説明する。
【0051】
まず、図3(A)に示すような被処理基板14を用意する。なお、被処理基板14は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、透明基体3上に、窒化シリコンからなる下地絶縁層5を層厚が約300nmとなるように形成する。下地絶縁層5上に、有機樹脂材料であるポリイミドを塗布・熱硬化させて、層厚が例えば約300nmとなるように有機樹脂層15を形成する。
【0052】
次に、有機樹脂層15が形成された被処理基板14上にTFT10、走査配線7、信号配線8、及び画素電極6を形成する工程を説明する。
【0053】
詳しくは、図3(B)に示すように、被処理基板14上(有機樹脂層15上)に絶縁層33を形成する。この絶縁層33には、予め定められたゲート電極20及び走査配線7の形成位置に対応する領域(以下、選択領域という)に開口33aを有している。この絶縁層33は、例えば、有機樹脂層15上に窒化シリコンを層厚が500nmとなるように形成し、その後、窒化シリコン層にPEP及びエッチングを施して前記開口33aを形成することにより得られる。なお、絶縁層33としては、例えば窒化シリコンのように、シード層31及び金属層32をなす銅原子の絶縁層33への拡散を抑制することが可能な絶縁材料を用いるのが好ましい。もちろん、BCB(ベンゾシクロブテン)のような有機系絶縁層を用いてもよい。
【0054】
開口33aが形成された被処理基板14は、酸素を含むプラズマ中で表面処理される。この表面処理により、図3(C)に示すように、有機樹脂層15の開口33aにより露出された表面にはイオン導入処理部15aが形成される。有機樹脂層15がポリイミドの場合、イオン導入処理部15aは、イミド環が開裂されて、アミド結合とカルボキシル基とを有するポリアミック酸が形成される。即ち、イオン導入処理部15aでは、イミド環の結合開裂処理が行われる。このイミド環の結合開裂処理は、絶縁層33のエッチング後、レジスト除去に酸素を含むプラズマによるアッシング処理を行うことにより達成することが可能であるが、別工程で行ってもよい。
【0055】
なお、イオン導入処理部15aは少なくとも有機樹脂層15の表層部に設ければよい。すなわち、イオン導入処理は、図3(c)に示すように、有機樹脂層15の表層部のみに行ってもよく、また、有機樹脂層15の厚み方向の略全域に行ってもよい。さらに、結合開裂処理はプラズマ処理だけでなく、例えば、有機樹脂層15の選択領域に水酸化カリウム(KOH)を接触させることによりイミド環を開裂させてもよい。
【0056】
次に、銅イオンを含む溶液、例えば、硫酸銅を含む溶液を用意する。そして、前記イオン導入処理部15aを有する被処理基板14を前記酸溶液中に浸漬して処理する。このようにすることにより、前記溶液中の銅イオンは、イオン導入処理部15aに形成されているカルボキシル基に吸着されて、有機樹脂層15に固定される。これにより、図4(D)に示すように、有機樹脂層15の開口33aから露出する選択領域に金属イオン導入部31aが形成される。
【0057】
図4(D)の状態にまで成膜工程が進められた被処理基板14を、還元性雰囲気、例えば水素を含む雰囲気中において所定温度、例えば210℃で加熱する。これにより、金属イオン導入部31aに導入された銅イオンが還元されて、図4(E)に示すように、有機樹脂層15の金属イオン導入部31aはシード層31に変換される。このシード層31は、ゲート電極20及び走査配線7を選択的に形成するための核となる。このようにして、シード層31が選択的に形成されるため、シード層31の材料の省資源化が可能になる。なお、シード層31の密着性を改善するために、シード層31形成後にアニール処理を施してもよい。
【0058】
また、図4(E)では金属イオン導入部31aの厚み方向の略全域の銅イオンが還元処理されているが、還元処理は必ずしも金属イオン導入部31aの厚み方向の全域に行わなくてもよく、少なくとも金属イオン導入部31aの表層部を還元させてシード層31とすればよい。
【0059】
すなわち、ゲート電極20及び走査配線7は、有機樹脂層15の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14上に設けられたシード層31と、このシード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを有するようにしてもよい。また、有機樹脂層15の少なくとも一部に金属イオンが選択的に導入されてなり、有機樹脂層15から露出する露出部を有するように被処理基板14上に設けられた金属イオン導入部31aと、金属イオン導入部31aの少なくとも露出部の一部が還元されてなるシード層31と、シード層31上の少なくとも一部に設けられた金属層32とを有するようにしてもよい。
【0060】
次に、図4(F)に示すように、銅からなる金属層32を絶縁層33の開口33a内を埋めるようにシード層31上に形成する。この金属層32によりゲート電極20及び走査配線7は所望の層厚に層厚化される。この層厚は、要求される抵抗値から定めればよい。
【0061】
本実施形態では、絶縁層33が500nmに対して、金属層32が400nmとなるように形成されている。そのため、図に示すように、金属層32は開口33aの端面よりも絶縁層33の内部に凹んでいる。なお、この金属層32は、絶縁層33の表面(開口33a)から著しく突出しない層厚であれば、絶縁層33の表面と略面一となる層厚としても、それよりも薄い層厚としてもよい。
【0062】
この金属層32は、例えばシード層31を核とする無電解めっき法によりシード層31上のみに形成される。金属層32がシード層31上のみに形成されるため、金属層32の材料の省資源化が可能になる。
【0063】
ところで、前記無電解めっきを行うめっき浴としては、還元剤にホルムアルデヒドを用いたホルムアルデヒド浴を用いてもよい。しかし、ホルムアルデヒド浴を用いる場合、めっきpH条件がpH12〜pH13程度であるため、pH調整剤として水酸化ナトリウム等を用いる必要がある。TFT10の製造プロセスへの適用を考えた場合には、その工程中にアルカリ金属を含まない方が好ましい。
【0064】
したがって、前記無電解めっきを行うめっき浴としては、還元剤にコバルト塩を用いたコバルト塩浴や、スズ塩を用いたスズ塩浴等を用いるのが好ましい。すなわち、コバルト塩浴は、アルカリ金属を含まないだけでなく、めっきpH条件がpH6〜pH7程度の中性領域であるため、上記絶縁層33へのダメージが少なく、TFT10の製造プロセスには好適である。
【0065】
また、コバルト塩浴やスズ塩浴は、ホルムアルデヒド浴やグリオキシル酸浴のように、めっき反応過程で還元剤が分解して水素が発生するといったことがない。したがって、前記無電解めっきを行うめっき浴としてコバルト塩浴やスズ塩浴を用いると、表面の平坦性が良好な金属層32を形成することができる。しかも、金属層32にボイド(孔)が発生するのを抑制することができる。
【0066】
次に、図5(G)に示すように、金属層32の表面露出部である上面を覆い、かつ、開口33a内を埋めるようにカバー金属層34を形成する。カバー金属層34は、層厚が例えば約50nmとなるように形成されている。なお、カバー金属層34は、その表面が絶縁層33の表面と面一となるように形成してもよい。
【0067】
このカバー金属層34は、例えば、コバルト(Co)−タングステン(W)−ホウ素(B)合金、コバルト(Co)−ホウ素(B)合金、コバルト(Co)−リン(P)合金、ニッケル(Ni)−リン(P)合金、ニッケル(Ni)−タングステン(W)−リン(P)合金等のように、金属層32の表面(銅の表面)に選択的に無電解めっきが可能であって、しかも、金属層32をなす金属原子(銅原子)の金属層32からカバー金属層34への拡散を抑止できる金属を用いるのが好ましい。
【0068】
このように、カバー金属層34を拡散抑止層とすることで、後の工程であるゲート絶縁膜21の形成工程(例えば、CVD工程)で生じる金属層32表面の酸化や腐蝕を抑制できるだけでなく、シード層31及び金属層32をなす金属原子のゲート絶縁膜21への拡散を抑止することができる。以上により、ゲート電極20及び走査配線7が被処理基板14上に選択的に形成が形成される。
【0069】
次に、図5(H)に示すように、ゲート絶縁膜21、半導体層22、ソース電極23、及びドレイン電極24を形成する。詳しくは、ゲート電極20を覆うように例えば窒化シリコンからなるゲート絶縁膜21を成膜する。このゲート絶縁膜21上にノンドープa−Si膜22aを成膜するとともに、このノンドープa−Si膜22a上にn+型a−Si膜22bを成膜する。ノンドープa−Si膜22a及びn+型a−Si膜22bをパターニングした後、さらに、n+型a−Si膜22b上にソース電極23及びドレイン電極24となるアルミニウム薄膜を成膜・パターニングする。その後、ソース電極23及びドレイン電極24をマスクし、これら電極間のn+型a−Si膜22bをエッチングする。以上により、TFT10が形成される。
【0070】
さらに、信号配線8及び画素電極6を夫々成膜・パターニングする。続けて、パシベーション層25を成膜するとともに、このパシベーション層25に画素電極6を露出させる開口を形成する。以上により、被処理基板14への成膜工程が完了する。
【0071】
さらに、本実施形態では、有機樹脂層15の少なくとも一部に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように被処理基板14上に金属イオン導入部31aを形成する工程は、被処理基板14上に絶縁層33を形成する工程と、絶縁層33に、有機樹脂層15の少なくとも一部が露出する開口33aを形成する工程と、開口33aから露出する有機樹脂層15の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程と、化学結合が開裂された部分に金属イオンを導入し、化学結合が開裂されてなる末端基に金属イオンを吸着させる工程とを含んでいる。このようにすることにより、有機樹脂層15内の少なくとも一部に、外部に露出する露出部を有するように金属イオン導入部31aを選択的に形成することができる。
【0072】
また、本実施形態では、有機樹脂層15の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程は、酸素を含む雰囲気下でプラズマ処理により、有機樹脂層15の少なくとも一部の結合を開裂させる工程であるため、水酸化カリウム等を用いることなく有機樹脂層15内に、外部に露出する露出部を有するように金属イオン導入部31aを形成することができる。したがって、残留したカリウムイオンが電極を形成する銅薄膜内に拡散するといったことがないため、TFT10の形成には好適である。
【0073】
しかも、本実施形態では、表面性が良好で、ボイドが少なく、しかも、比抵抗が低い金属層32を形成することができる。
【0074】
すなわち、例えば、レジストマスクと無電解めっき法とを合わせて選択的に配線を形成する方法では、パラジウム触媒処理が必要であるが、本実施形態では、銅からなるシード層31上に銅からなる金属層32を形成するため、めっき浴としてコバルト塩浴やスズ塩浴を用いた無電解めっきにより金属層32を形成することができる。コバルト塩浴やスズ塩浴は、ホルムアルデヒド浴やグリオキシル酸浴のように、めっき反応過程で還元剤が分解して水素が発生するといったことがない。したがって、本実施形態では、表面性が良好であり、しかも、ボイドの少ない成膜を行うことができる。
【0075】
また、レジストマスクと無電解めっき法とを合わせて選択的に配線を形成する方法では、上述のようにパラジウム触媒処理が必要である。しかしながら、パラジウムは、後工程の熱処理工程において銅めっき層内に拡散し、銅めっき層の比抵抗値を高くし易い。これに対し、本実施形態は、パラジウム触媒を必要としないので、比抵抗の低い金属層32を得ることができる。
【0076】
しかも、従来のTFT10、液晶表示装置1及びこれらの形成方法では、ゲート絶縁膜21のカバレッジや前記ショート不良発生を考慮して、ゲート電極20を順テーパ上に加工する、或いは、配線(走査配線等)のアスペクト比を小さくするように形成する等している。これに対し、本実施形態のTFT10、液晶表示装置1、及びこれらの形成方法は、ゲート電極20及び走査配線7を絶縁層33の開口33a内に埋め込んだ構造とすることができる。そのため、ゲート絶縁膜21のカバレッジや前記ショート不良発生を考慮する必要がなく、したがって、ゲート電極20を順テーパ上に加工したり、配線のアスペクト比を小さくしたりする必要がない。このように、本実施形態では、高アスペクト化による配線抵抗の低減や配線幅低減による画素部分の開口率の拡大が実現できる。また、本実施形態は、CMPを用いることが困難な大面積の被処理基板14に対しても適用が可能である。上記実施形態では、薄膜トランジスタの半導体層にアモルファスシリコンを用いた例について説明したが、多結晶シリコン等を用いてもよい。
【0077】
以下、図6及び図7を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0078】
本実施形態では、選択領域に対応する形状となるように有機樹脂層15をパターニングしている。パターニング後の有機樹脂層15の大きさは、図6に示すように絶縁層33の開口よりも大きくてもよく、また、図7に示すように開口よりも小さくてもよい。この有機樹脂層15の表層部に、第1の実施形態と同様にしてシード層31を形成し、続けて、開口33aを埋めるように金属層32を形成している。
【0079】
なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0080】
本実施形態によれば、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂で形成された有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程が、透明基体3上に有機樹脂層15を形成する工程と、有機樹脂層15を所定の形状にパターニングする工程とを含んでいる。このようにしても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、パターニングすることで、例えば透過型液晶表示装置に適用した際に配線領域のみに形成し、光の透過する画素領域部分には形成しないようにすることができる。したがって、透過率損失や光干渉等の問題を回避することができる。
【0081】
有機樹脂層15としては、感光性ポリイミド樹脂を用いてパターニングしてもよく、また、レジスト膜を用いて感光性を有さないポリイミド樹脂をパターニングしてもよい。感光性を有さないポリイミド樹脂を用いる場合、ポリイミド樹脂上のレジスト膜を除去する際に酸素を含むプラズマでアッシング処理することにより、レジスト膜の除去とイミド環の結合開裂処理とを連続して行うことができる。
【0082】
以下、図8を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
【0083】
本実施形態では、以下のようにして、被処理基板14上にゲート電極20及び走査配線7を形成している。
【0084】
まず、第1の実施形態と同様の被処理基板14を用意する。選択領域に対応する形状となるように有機樹脂層15をパターニングする。その後、第1の実施形態と同様にして、シード層31及び金属層32を形成する。そして、金属層32の表面露出部(上面及び周面)を覆うようにカバー金属層34を形成する。なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0085】
本実施形態によれば、絶縁層33を形成することなく、ゲート電極20及び走査配線7といった配線構造体を選択的に形成することができる。また、金属層32の周面はカバー金属層34により覆われているので、絶縁層33が無くても金属層32をなす金属原子のゲート絶縁膜21への拡散を抑止できる。
【0086】
第1〜第3の実施形態では、被処理基板14として透明基体3及びこの透明基体3の少なくとも一部に積層された有機樹脂層15を有する基板を用いたが、被処理基板14としては、有機樹脂材料例えばポリイミドからなる基板を用いてもよい。
【0087】
以下、図9〜図12を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
【0088】
本実施形態では、被処理基板14として、有機樹脂材料、例えばポリイミドからなるフレキシブルな基板を用いている。すなわち、後側の透明基体3が被処理基板14となる。なお、前側の透明基体2は、後側の透明基体3と同様に、例えばポリイミド等からなるプラスチック基板のような透明かつフレキシブルな基板を用いている。また、TFT10はトップゲート型の有機TFTとしている。
【0089】
このTFT10は、有機半導体層29と、この有機半導体層29の一側例えば上側にゲート絶縁膜21を介して設けられたゲート電極20と、半導体層22の一部と接するように設けられたソース電極23及びドレイン電極24とを備えている。
【0090】
詳しくは、絶縁層33の開口33a内に埋め込まれるようにソース電極23及びドレイン電極24が設けられている。なお、信号配線8はドレイン電極24と一体に設けられている。ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は、例えば銀(Ag)からなる。絶縁層33上には、ソース電極23及びドレイン電極24と接続するように有機半導体層29が設けられている。有機半導体層29としてはペンタセン等を用いることができる。
【0091】
ゲート絶縁膜21は、有機半導体層29を覆うように、この有機半導体層29の上に設けられている。ゲート絶縁膜21上には、有機半導体層29の上方に位置して、ゲート電極20が設けられている。図中符号50は層間絶縁膜であり、符号25はパシベーション層である。層間絶縁膜50は、ゲート電極20及びゲート絶縁膜21を覆うように、ゲート電極20の上に設けられている。ゲート絶縁膜21及び層間絶縁膜50には、コンタクトホール51,52が夫々設けられており、画素電極6はコンタクトホール51,52を介してソース電極23と接触するように層間絶縁膜50上に設けられている。
【0092】
次に、被処理基板への成膜工程について説明する。
【0093】
まず、図10(A)に示すように、被処理基板40を用意する。この被処理基板40上に、例えば酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層33を層厚が400nmとなるように形成する。その後、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8に対応する領域(以下、選択領域という)に対応させて、絶縁層33に有機樹脂層15を露出させる開口33aを形成する。
【0094】
酸素を含むプラズマ中で絶縁層33を形成した被処理基板14を表面処理する。これにより、図10(B)に示すように、被処理基板40の表層部であって開口33aから露出する前記選択領域にイオン導入処理部40aが形成される。
【0095】
銀イオンを含む溶液、例えば、硝酸銀を含む溶液を用意する。そして、被処理基板40を前記酸溶液中に浸漬して処理する。このようにすることにより、前記溶液中の銀イオンは、イオン導入処理部40aに形成されたカルボキシル基に吸着されて、被処理基板40の表層部に固定される。これにより、図10(C)に示すように、被処理基板40の開口33aから露出する選択領域に金属イオン導入部31aが形成される。
【0096】
被処理基板14に紫外線光(例えば365nmの波長光)を照射する。これにより、金属イオン導入部31aに導入された銀イオンが還元されて、図11(D)に示すように、被処理基板14内にシード層31が形成される。このシード層31は、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8を選択的に形成するための核となる。
【0097】
さらに、図11(E)に示すように、銀からなる金属層32を絶縁層33の開口33a内を埋めるようにシード層31上に形成する。この金属層32によりソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は所望の層厚に層厚化される。本実施形態では、絶縁層33が400nmに対して、金属層32が400nmとなるように形成されている。すなわち、金属層32の上面は絶縁層33の上面と面一となるように形成されている。
【0098】
そして、図11(F)に示すように、絶縁層33上にソース電極23及びドレイン電極24と接続するように有機半導体層29を形成する。有機半導体層29は、例えば層厚が50nmとなるように形成されている。この有機半導体層29は、メタルマスクを用いた蒸着により形成することができる。
【0099】
そして、有機半導体層29を覆うようにゲート絶縁膜21を形成するとともに、このゲート絶縁膜21上にゲート電極20を形成する。ゲート電極20を覆うように層間絶縁膜50を形成する。さらに、ゲート絶縁膜21及び層間絶縁膜50にコンタクトホール51,52を形成し、コンタクトホール51,52を介してソース電極23と接触するように層間絶縁膜50上に画素電極6を形成する。さらに、層間絶縁膜50上にパシベーション層25を形成する。パシペーション層25に、画素電極6を露出させる開口を形成する。なお、他の構成及び工程は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0100】
以上のように、本実施形態によれば、少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板、例えば有機樹脂材料からなる被処理基板40を用意する工程と、被処理基板40上にソース電極23を形成する工程と、被処理基板40上にドレイン電極24を形成する工程と、ソース電極23及びドレイン電極24と接触するように半導体層29を形成する工程と、半導体層29の一側である上側にゲート絶縁膜21を介してゲート電極20を形成する工程と、を具備している。そして、被処理基板40上にソース電極23を形成する工程及びドレイン電極24を形成する工程は、被処理基板40の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように被処理基板40上に金属イオン導入部31aを形成する工程と、金属イオン導入部31aの少なくとも露出部の一部を還元してシード層31を形成する工程と、シード層31上の少なくとも一部に金属層32を形成する工程と、を具備している。
【0101】
このように、被処理基板40の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンを還元させることで、シード層31を被処理基板40上に選択的に形成することができる。また、シード層31を被処理基板40上に選択的に形成することができるため、このシード層31を核として金属層32を被処理基板40上に選択的に形成することができる。したがって、ソース電極23及びドレイン電極24といった配線構造体を被処理基板14上に選択的に形成することができる。
【0102】
このように、ソース電極23及びドレイン電極24を選択的に形成することができるため、金属層32の原料である銀の利用効率を向上させることができる。しかも、従来のダマシン法等と比べて工程数を低減できるため、製造コストも低減できる。したがって、原料コスト及び製造コストを低減でき、しかも、環境への負荷を抑制できるトップゲート型のTFT10及び液晶表示装置1の形成方法が得られる。
【0103】
また、本実施形態では、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8といった配線構造体が絶縁層33の開口33a内に埋め込まれた構造となっている。したがって、有機TFT10の平坦化が図れるとともに、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8よりも上層に設けられる走査配線7等との間に生じるショート不良等を抑制することができる。しかも、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8の形状は開口33aの形状と略一致させることができる(開口33aの形状で制御可能である)ため、マスク蒸着法と比べて配線幅精度の良好な有機TFT10が得られる。
【0104】
さらに、電極が逆スタガー構造であって、かつ、電極材料として仕事関数の大きな材料(例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、或いはパラジウム(Pd)等)を用いる場合には、有機TFT10は低温で形成することが可能である。このことを利用し、ガラスよりも耐熱温度が低いプラスチック基板のようなフレキシブルな有機樹脂基板を被処理基板として有機TFTを原料コスト及び製造コストで形成することができる。したがって、これにより、TFT10を備えたフレキシブルな表示装置1を得ることができる。
【0105】
なお、本実施形態では、電極が逆スタガー型である場合を例にとって説明したが、本発明は、電極が正スタガー型やコプラナー型の場合にも適用することができる。
【0106】
また、本実施形態では、被処理基板14としては有機樹脂材料例えばポリイミドからなる基板を用いたが、被処理基板14としては、透明基体3及びこの透明基体3の少なくとも一部に積層された有機樹脂層15を有する基板を用いてもよい。
【0107】
さらに、本実施形態では、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8を金により形成しているが、ソース電極23、ドレイン電極24、及び信号配線8は、例えば、低抵抗性や耐マイグレーション性等に優れている銅や、低抵抗性が優れている銅、銀、金、白金、及びパラジウムのうちの少なくとも1つを含む金属により形成してもよい。金属イオン導入部を還元してシード層を形成する方法として紫外線照射を用いることにより、銀だけでなく、金、白金、パラジウム等のシード層を形成することができる。
【0108】
なお、第1〜第4の実施形態では、金属イオン導入部を還元してシード層を形成する方法としては、還元性雰囲気中での加熱処理や紫外線照射だけでなく、窒素雰囲気中での加熱処理や真空紫外線照射によっても行うことができる。銅のような酸化しやすい金属では還元性雰囲気で加熱処理が望ましく、銀のような紫外線照射により還元可能な金属では光照射の方が不要な温度上昇も抑制でき、かつ、処理時間短縮も容易である。
【0109】
さらに、第1〜第4の実施形態では、有機樹脂材料としてポリイミドを用いたが、有機樹脂材料としてはポリイミドだけでなく、化学結合を開裂させることで末端基にカルボキシル基のような極性基が形成されるような有機樹脂であればどのような有機樹脂でもよい。
【0110】
本発明の表示装置及びその形成方法は、液晶表示装置1に限定されるものではなく、有機EL装置或いは無機EL装置等の表示装置にも適用することができる。また、本発明は、表示装置に限定されるものではなく、例えば、半導体装置等にも広く適用することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、電極や配線といった配線構造体を選択的に形成することができる薄膜トランジスタ、表示装置、及びこれらの形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図。
【図2】図1の液晶表示装置の一部分を示す断面図。
【図3】(A)〜(C)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する序盤の工程を説明する断面図。
【図4】(D)〜(F)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する中盤の工程を説明する断面図。
【図5】(G)及び(H)は図1の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する終盤の工程を説明する断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る薄膜トランジスタのゲート電極近傍を示す断面図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の一部分を示す平面図。
【図10】図9の液晶表示装置の一部分を示す断面図。
【図11】(A)〜(C)は図9の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する前半の工程を説明する断面図。
【図12】(D)〜(F)は図9の液晶表示装置が備える薄膜トランジスタを形成する後半の工程を説明する断面図。
【符号の説明】
1…液晶表示装置(表示装置)、3…透明基体(基体)、10…薄膜トランジスタ、14,40…被処理基板、15…有機樹脂層(有機樹脂部)、20…ゲート電極、21…ゲート絶縁膜、22…半導体層、23…ソース電極、24…ドレイン電極、29…有機半導体層(半導体層)、31…シード層、32…金属層、33…絶縁層、33a…開口、34…カバー金属層
Claims (16)
- 少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂からなる有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部の上方に設けられた薄膜トランジスタであって、
半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、を具備しているとともに、前記ゲート電極、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極のうちの少なくとも1つは、
前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に導入された金属イオンの少なくとも一部を還元させてなり、前記有機樹脂部から露出する露出部を有するように前記被処理基板上に設けられたシード層と、
前記シード層上の少なくとも一部に設けられた金属層と、を有していることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記ゲート電極、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極のうちの少なくとも1つは、前記シード層の少なくとも一部が露出される開口を有する絶縁層をさらに具備しているとともに、前記金属層は前記開口内に埋め込まれるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記絶縁層は、前記金属層をなす金属原子の前記金属層から前記絶縁層への拡散を抑止する拡散抑止層であることを特徴とする請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記金属層は表面露出部を有しているとともに、前記ゲート電極、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも前記金属層の表面露出部を覆うように設けられたカバー金属層をさらに具備していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記カバー金属層は、前記金属層をなす金属原子の前記金属層から前記カバー金属層への拡散を抑止する拡散抑止層であることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
- マトリックス状に設けられた複数の薄膜トランジスタを具備する表示装置であって、前記複数の薄膜トランジスタの各々は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタであることを特徴とする表示装置。
- 少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、
前記被処理基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の一側にゲート絶縁膜を介して半導体層を形成する工程と、
前記半導体層と接触するようにソース電極を形成する工程と、
前記半導体層と接触するようにドレイン電極を形成する工程と、を具備し、
前記被処理基板上にゲート電極を形成する工程は、
前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、
前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、
前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする薄膜トランジスタの形成方法。 - 少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板を用意する工程と、
前記被処理基板上にソース電極を形成する工程と、
前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極と接触するように半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の一側にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を具備し、
前記被処理基板上にソース電極を形成する工程及び前記被処理基板上にドレイン電極を形成する工程のうちの少なくとも一方の工程は、
前記有機樹脂部の少なくとも一部に選択的に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程と、
前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程と、
前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする薄膜トランジスタの形成方法。 - 前記有機樹脂部の少なくとも一部に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程は、
前記有機樹脂部の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程と、
前記化学結合が開裂された部分に金属イオンを導入し、前記化学結合が開裂されてなる末端基に前記金属イオンを吸着させる工程と、を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の薄膜トランジスタの形成方法。 - 前記有機樹脂部の少なくとも一部に金属イオンを導入することで、外部に露出する露出部を有するように前記被処理基板上に金属イオン導入部を形成する工程は、
前記被処理基板上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に、前記有機樹脂部の少なくとも一部が露出する開口を形成する工程と、
前記開口から露出する有機樹脂部の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程と、
前記化学結合が開裂された部分に金属イオンを導入し、前記化学結合が開裂されてなる末端基に前記金属イオンを吸着させる工程と、を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の薄膜トランジスタの形成方法。 - 前記有機樹脂部の少なくとも一部の化学結合を開裂させる工程は、酸素を含む雰囲気下でプラズマ処理により、前記有機樹脂部の少なくとも一部の結合を開裂させる工程であることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの形成方法。
- 前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程は、窒素雰囲気中或いは還元性雰囲気中での加熱処理により、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの形成方法。
- 前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程は、紫外線或いは真空紫外線を照射することにより、前記金属イオン導入部の少なくとも露出部の一部を還元してシード層を形成する工程であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの形成方法。
- 前記シード層上の少なくとも一部に金属層を形成する工程は、
前記シード層上の少なくとも一部に、表面露出部を有するように金属層を形成する工程と、
前記金属層の形成後に、少なくとも前記金属層の表面露出部を覆うようにカバー金属層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7ないし13のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの形成方法。 - マトリックス状に形成された複数の薄膜トランジスタを具備する表示装置の形成方法であって、前記複数の薄膜トランジスタの各々は、請求項7ないし14のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの形成方法で形成されていることを特徴とする表示装置の形成方法。
- 少なくとも外部に露出する部分のうちの一部に有機樹脂部を有する被処理基板の前記有機樹脂部の上方に設けられた薄膜トランジスタであって、
薄膜導電体層と、絶縁層と、前記薄膜導電体層又は前記絶縁層上に設けられて電極及び配線のうちの少なくとも一方をなす導電体層と、を有しており、
前記導電体層は、前記有機樹脂部の少なくとも一部が還元されたシード層と、このシード層上に設けられた金属層とを有してなることを特徴とする薄膜トランジスタ。
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| CN115718387A (zh) * | 2022-11-28 | 2023-02-28 | 京东方科技集团股份有限公司 | 反射型阵列基板及其制作方法、显示装置及其制作方法 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174990A patent/JP2005012012A/ja not_active Abandoned
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| CN115718387B (zh) * | 2022-11-28 | 2023-11-07 | 京东方科技集团股份有限公司 | 反射型阵列基板及其制作方法、显示装置及其制作方法 |
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