JP2005012402A - 光バースト転送ネットワーク設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮想バーストパスをベースとした光バースト転送ネットワークの設計を実現し、各リンクで必要となるチャネル数の低減を図る。
【解決手段】光ブロック(光バースト)信号を転送する複数の仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、前記仮想バーストパスの経路を設定する際、設定すべき各仮想バーストパスの始点・終点ノード間の最短経路を探索し、前記経路を各リンクのチャネルに収容するステップと、これまでにチャネルに収容した各仮想バーストパスのそれぞれが転送する光ブロック信号の各平均転送待機時間が、それぞれに対して要求された各平均転送待機時間よりも小さくなるように各リンクで最低限必要となるチャネルを割り当てるステップを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】光ブロック(光バースト)信号を転送する複数の仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、前記仮想バーストパスの経路を設定する際、設定すべき各仮想バーストパスの始点・終点ノード間の最短経路を探索し、前記経路を各リンクのチャネルに収容するステップと、これまでにチャネルに収容した各仮想バーストパスのそれぞれが転送する光ブロック信号の各平均転送待機時間が、それぞれに対して要求された各平均転送待機時間よりも小さくなるように各リンクで最低限必要となるチャネルを割り当てるステップを有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信網で実現される光バースト(光ブロック)転送ネットワークの設計方法に関し、詳しくは、光ブロック信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想パスの経路を設定し、各リンクのチャネルに収容する仮想バーストパス収容設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広帯域光伝送技術とインターネット技術との融合が加速し、インターネットの広帯域化が加速化している。最近では、インターネットにおいても動画コンテンツの配信がインターネットサービスプロバイダのサービスメニューに追加されるなど、流通するコンテンツの大容量化が進展し、数100Mbyte〜G(ギガ)Byte級の動画コンテンツの流通も視野に入ってきている。
【0003】
このような大容量情報配信サービスの展開にもかかわらず、大容量コンテンツ配信の技術基盤はTCP/IPプロトコル技術である。TCP/IPプロトコルの利点は、メール、少容量ファイル転送、静止画Webといった狭帯域サービスと大容量コンテンツ配信といった広帯域サービスを同一のネットワーク基盤に収容可能であるといったメリットを有している。
【0004】
しかしながら、TCP/IP技術はLocalArea Network(LAN)で広く用いられているEthernet技術との親和性を重視した技術であり、転送する情報がGByte級程度の大容量コンテンツであったとしても、64kByteを越えるジャンボパケット転送により情報転送することを現状では容認していない。また、バックボーンネットワークを構築する際においても、音声通話といったリアルタイム転送とGbyte級の大容量コンテンツ転送とをパケット多重で混在させる方式は望ましくない。音声パケットのリアルタイム性を確保するために、大容量コンテンツパケットを複数の短パケットに分割する必要性が発生する。その結果、大容量コンテンツを転送する際には、IPヘッダに大量のオーバヘッド情報を追加する必要があり、伝送帯域の損失が増大する。
【0005】
従来、この解決法として、光パスクロスコネクト(OXC)装置を基盤とした光ネットワーク技術を利用する方法が検討されている。光ネットワークでは、波長チャネル単位に独立のプロトコルフォーマットで光信号を伝送可能である。すなわち、各々のファイバリンクにおいて、ある波長チャネルは、あるIPルータの間を接続する光パスを収容して、従来型のIP転送サービスを提供し、その一方で、別のある波長チャネルは、光バースト信号を収容し転送する。
【0006】
バースト転送方式は、伝送路上で、信号が一つの固まり(ブロック)として送られ、ブロックとブロックの間には信号自体が存在しない方式である。光バースト(光ブロック)信号では、図6に示すように、例えば10Gbit/s以上の超高速伝送能力を有する波長チャネルをある一定の短時間だけ占有し、Gbyte級の大容量コンテンツを配信する際には、保留時間が1秒前後で10Gbit/sの波長チャネルを占有することになる。図6は、601〜604が光スイッチ機能部内蔵ノード装置、600がノード#2、#3間のファイバリンク(光ケーブル)で、該ファイバリンク600はλ1〜λ5の波長チャネルを有し、その波長チャネルλ4が3つの光バースト信号(光ブロック)信号に利用されていることを示している。図6の例の場合、例えば2時間程度の動画コンテンツファイルの瞬時一括転送が可能になる。
【0007】
ところで、光バースト転送の困難性は、バースト的(短時間に集中的)に転送するコンテンツトラフイック同士の衝突回避法にある。すなわち、転送ネットワーク内部で、複数の光バーストトラフイックが同一の波長チャネルを奪い合う競合が発生した場合には、波長チャネルに収容不能となった光バーストトラフイックを別の波長チャネルかノード内部のバッファに一時退避させる必要が発生する。図7及び図8に、光バーストトラフィックの衝突を回避する従来の方法を示す。
【0008】
図7は、ネットワークの中継ノード(コアノード)の光クロスコネクト装置に衝突回避バッファ(メモリ)を実装する方法である。図7において、702が中継ノード(#2)、704がその衝突回避バッファ(コアノードバッファ)を示す。図7では、中継ノード702(#2)で光ブロック信号#Aと光ブロック信号#Bが衝突したため、当該中継ノード装置(光クロスコネクト装置)において、ノード#1からの光ブロック信号#Aを光−電気変換してバッファ(メモリ)704に一時的に待機させ、光ブロック信号#Bをノード#3へ転送後、バッファ704の情報を電気−光逆変換し、光ブロック信号#Aをノード#3へ転送することを示している。
【0009】
図8は、高速シグナリング技術を利用し(例えば、非特許文献1参照)、転送しようとする光ブロック信号の経由ノードに対して、事前に光ブロックの転送通知を高速に行い、光ブロックを転送する伝送帯域を各リンクで確保してから光ブロックを一括転送する方式である。原則的に、転送しようとする光ブロックは、シグナリングにより帯域確保に成功するまで(あるいは一定の時間まで)光クロスコネクト装置の入力バッファに待機する必要がある。図8において、801が入力ノード、804が入力バッファを示す。図8の例では、光ブロック信号#Bの転送帯域予約シグナリング処理が制御通信網(図示せず)を通して行われ、帯域確保に成功したので、光ブロック信号#Bがノード#2からノード#3へ転送される。同様に、制御通信網により光ブロック信号#Aの転送帯域予約シグナリング処理が行われるが、シグナリング衝突が検出され、ノード801(#1)に予約失敗が通知されたため、光ブロック信号#Aはノード801の光クロスコネクト装置の入力バッファ804に待機される。その後、制御通信網において光ブロック信号#Aの転送帯域予約シグナリングのリトライが試みられ、帯域確保に成功すると、光ブロック信号#Aがノード#1−#2−#3と転送される。
【0010】
図7の方法により実現されるネットワークは、基本的に現在のインターネット網で実現されているパケットフォワーディング技術と類似のものである。しかしながら、図7の方法の場合、ネットワークのコア(中継ノード)にある光クロスコネクト装置に衝突回避バッファを実装する必要があり、10Gbit/s以上の超高速信号で転送されるGbyte級のコンテンツを各中継ノードに保有させることは、ノード実装規模を増大させる。さらに光−電気−光変換器が必要であり、光バースト転送ネットワークを構築するには不向きである。
【0011】
一方、図8の方法により実現されるネットワークは、図7の方法のネットワークと比べ、原則的に光ブロック信号がEnd−to−Endにカットスルーされるため、コアノードバッファとコアノード光−電気−光変換器が不要になるという利点を有する。現在の通信網でコスト比率の高い装置は、光−電気−光変換器であり、この部分のコスト削減効果を期待できる図8の方法は有用である。
【0012】
ところで、図8の方法により実現されるシグナリング・入力バッファ型光バースト転送ネットワークにおいては、転送しようとする光ブロックの伝送帯域を確保するためのシグナリング処理が行われる。シグナリング方式は大きく分けて、One−way signaling方式とTwo−way signaling方式の2種類が存在する。
【0013】
図9は、One−way signaling方式の様子を示した図である。One−way signaling方式では、光ブロック信号を転送する前に、通信制御網(図示せず)によるシグナリング処理により伝送帯域を確保し、伝送帯域の確保の確認を行わず、一定時間経過後に光ブロック信号を送信する。この方式は、光ブロックを転送させるまでの待機時間を抑圧することが可能であり、光ブロックの転送遅延の増大を抑止できる。
【0014】
図10は、Two−way signaling方式の様子を示した図である。One−way signaling方式と同様に、Two−way signaling方式でも、光ブロックを転送する前に、通信制御網にてシグナリング処理により伝送帯域を確保する。しかしながら、One−way signaling方式と異なり、伝送帯域の確保の確認を行なってから光ブロック信号を送信するため、ネットワーク内部で他の光ブロックと衝突するのを事前に防ぐことができる。先の図8は、このTwo−way signaling方式の例を示したものである。
【0015】
しかしながら、これまでのシグナリング方式においては、光ブロック信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均転送待機時間が、一定の制約条件より小さくなるように、仮想バーストパスの転送経路と転送チャネルを割り当てる収容設計を行って、各リンクで必要となるチャネル数を低減することは実現されていない。
【0016】
なお、従来から光パス網の収容設計技術は種々提案されているが(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、いずれの技術も、波長多重伝送網に定義する“静的な”光パスの収容設計に関するもので、各々にリンク区間において一つの光パスが一つの波長チャネルを長時間にわたり占有することを前提とするものである。つまり、複数の仮想的なバーストパスが一つの波長チャネルを共有するような“動的な”光パスの収容設計に関する技術を提供するものではない。
【0017】
また、仮想的なパスを収容設計する技術は、ATM(Asynchronous Transfer Mode Network)通信網の設計技術として数多くの検討が存在する(例えば、非特許文献2)。そこでは、複数のVPが同一の伝送路帯域を共用することになるが、各々のVPを通過するATMセルの廃棄確率が、例えば10−9以下となるように、VPを収容設計する方法が議論されている。ATM技術は基本的に電気処理の技術である。複数のATMセルが同一時刻に同一のリンクを使って入出力されるような衝突が発生しても高密度バッファによりいずれかのATMセルを転送待機させるバッファリングを行うことにより、ATMセルの転送ブロックもしくは廃棄を回避することができる。このように、ATM通信網のVP収容設計においては、ATMセルの衝突による伝送品質の劣化は、大きな制約問題にはならない。つまり、光ブロック転送において無視することのできない転送待機と、転送待機時間の制約という問題は、ATM通信網のVP収容設計において考慮に入れるべき制約問題と位置付けられることは無かった。
【0018】
【特許文献1】
特開平7−143062号公報
【特許文献2】
特開平7−250356号公報
【特許文献3】
特開平9−51560号公報
【非特許文献1】
J.Y.Weiet al,“Just−in−time signaling for WDM opticalburst switching network”,IEEE J.of Lightwave Technol., Vol.18,No.12,PP.2091−2037 Dec.2002
【非特許文献2】
Y.Sato and K−I.Stao,“Virtual Path and Link Capacity Design for ATM Networks”,IEEE JSAC,vol.9,No.1,pp.104−111,1991
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、光パス網の収容設計技術としてシグナリング・入力バッファ型光バースト転送ネットワークの設計技術の適用を前提とし、仮想バーストパスをベースとした光バースト転送ネットワークの設計を実現して、各リンクで必要となるチャネル数を低減できるようにすることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明では、クロスコネクト装置と複数の伝送チャネルを有するリンクとで構成される光通信網ネットワークにおいて、光ブロック(光バースト)信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想バーストパスの経路を設定する。
【0021】
ここで、本発明の第一の特徴は、設定すべき仮想バーストパス#1,#2,…,#Nの始点・終点ノード間の最短経路#Pn,mを探索し、これを各リンクのチャネルに収容する第一のステップと、これまでにチャネルに収容した仮想バーストパス#1,#2,…,#Nのそれぞれが転送するブロック信号の平均転送待機時間T1,T2,…,TNが、それぞれに対して要求された平均転送待機時間Treq1,Treq2,…,TreqNよりも小さくなるように各リンクで最低限必要となるチャネルを割り当てる第二のステップを有する点にある。
【0022】
第一のステップで初期値として仮想バーストパスが最短経路ベースで設定されることで、ネットワーク資源の無駄使いが抑止されるようにする。続く第二のステップにおいて、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が、各々に対して要求される平均転送待機時間よりも小さくするのに最低限必要となる各リンクのチャネル数を割り当てることで、各リンクで必要となるチャネル数が低減される。
【0023】
ここで、平均転送待機時間は図11乃至図13に示す考え方により導出される。図11、図12において、仮想バーストパス#Aは、ノード#1−#2−#3−#4の区間で設定され、仮想バーストパス#B,#Cとノード#1−#2の区間およびノード#2−#3の区間において帯域が共有されているとする。仮想バーストパス#Aに沿って光ブロック信号を転送する場合、始点ノードの#1からシグナリングによりノード#1−#2、#2−#3の帯域(リンク)を確保する。シグナリングにより帯域が確保されると、光ブロックの転送に成功する。また、同じチャネルを複数のシグナリングが同時に確保しようとする場合には、どちらか一方のシグナリングがブロックされる。
【0024】
説明の簡単化のために、ノード#1,#2,#3のブロック確率をBとする。すると、すべてのリンクにおいて1回のシグナリングにより転送が成功する確率は(1−B)3である。この場合の転送待機時間Twは、
One−way signaling方式の場合は、
Tw=3δ
(δ:各ノードにおけるシグナリング処理時間)
Two−way signaling方式の場合は、
Tw=3δ+2ΣL
(δ:各ノードにおけるシグナリング処理時間ΣL:始点ノードから終点ノードまでのシグナリングの伝撒遅延)
である。
【0025】
ここで、One−way signaling方式とは、図11に示すように、シグナリング(転送要求)発出後の一定時間後に光ブロック信号を送信する方式であり、End−to−Endの帯域確保を確認しないで光ブロック信号を転送する。End−to−Endの帯域確保に失敗した場合は、帯域確保に失敗したノードから帯域確保失敗通知が始点ノードに送信されるのと同時に、光ブロック信号を廃棄する。その上で、始点ノードから光ブロック信号を再送する。一方、Two−way signaling方式とは、図12に示すように、End−to−Endの帯域確保を確認した後に、光ブロックを送信する方式である。End−to−Endの帯域確保に失敗した場合は、帯域確保に失敗したノードから帯域確保失敗通知が始点ノードに送信される。それを受けて、始点ノードはシグナリング発出を再度行う。
【0026】
平均転送待機時間は、上記のケースのみを考慮することにより与えられるわけではない。つまりノード♯1,♯2,♯3で帯域予約がブロックされる確率がそれぞれ、B,(1−B)B,(1−B)2Bで存在し、これらの影響を全て考慮に入れた上で算出する必要がある。ノード#1,#2,#3で帯域予約がブロックされる確率が増大すると、平均転送待機時間も増大するのは明白である。
【0027】
また各ノードにおけるブロック確率は、例えば、
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】
で導出することが可能である。ここで、{A}は光ブロック信号が衝突してチャネルから溢れる全ての組み合わせで、Cは出力しようとするリンクのチャネル数、AVGjは仮想バーストパスjの仮想平均帯域幅(チャネル速度で規格化した値)、Njは仮想バーストパスjに収容される光ブロック信号発生源数、njは仮想バーストパスjに収容される光ブロック信号発生数である。ここで、仮想バーストパスの転送レートは、チャネルあたりの転送レートRcと同一であると仮定している。
【0032】
また、上記の式は、図13に示すように、複数のシグナリングが同一時刻からあるチャネルを確保しようとする場合、シグナリングの到着時刻も同一であるという仮定の元の近似式である。図13は、ノード#1において、光ブロック信号#Aのシグナリングパケット(転送要求)と光ブロック信号#Bのシグナリングパケット(転送要求)が同時刻に到着し、同一チャネル(帯域)を奪い合うことを示している。
【0033】
次に、本発明の第二の特徴は、これまでにチャネルに収容した仮想バーストパス#1,#2,…,#Nのそれぞれが転送する光ブロック信号の平均転送待機時間T1,T2,…,TNが、それぞれに対して要求された平均転送待機時間Treq1,Treq2,…TreqNよりも小さくしながら各リンクで最低限必要となるチャネル数が均等になるように、最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を順次別のリンクに迂回するように繰り返し再設定する第三のステップを有する点にある。仮想バーストパスが転送する光ブロック信号の平均転送時間は、各ノードにおける光ブロック信号の(もしくは帯域予約の)ブロックされる確率を考慮して導出される。
【0034】
これは、必要チャネル数が大きいリンクから必要チャネル数の小さいリンクに仮想バーストパスを迂回させることで、ネットワーク全体で必要となるチャネル数を抑制すると同時に、各リンクの必要チャネル数を均等化することが可能になる。つまり、ネットワーク設備として建設するノード、及びリンクのチャネル数が均等化されることにより、配備される装置規模、装置調達、運用管理の均等化が見込まれる。
【0035】
次に、本発明の第三の特徴は、先の第三のステップにおいて最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を迂回させる際には、経由ノード数の最も多い仮想バーストパスから順に迂回させる点にある。
【0036】
これも本発明の第二の特徴によりもたらされるものと同様の効果が期待できる。経由ノード数の多い仮想バーストパスは、多くの転送経路を選択することが可能である(逆に、隣接ノード間で設定される仮想バーストパスの最短もしくは準最短経路は、選択の余地が殆ど無い)。そのうちのどれかのケースから、必要チャネル数を最小化する転送経路を発見することができる。このようなパスから順次、迂回処理させることにより、必要チャネル数を最小化するための仮想バーストパスの収容設計をより効率的に行える。
【0037】
本発明の第四の特徴は、仮想バーストパスを収容するチャネルが波長チャネルの場合、一つの仮想バーストパスは、始点から終点まで同一の波長チャネルを通過するように仮想バーストパスを収容する点にある。これは、波長多重光伝送網においてノード装置に波長変換機能が具備されていないような場合に本仮想バーストパス収容設計方法を提供するものである。
【0038】
このように、本発明の最大の特徴は、仮想バーストパスを定義して、この仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均転送待機時間が、ある一定の制約条件よりも小さくなるように、仮想バーストパスの転送経路と転送チャネルを割り当てる収容設計が行われる点にある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
〈システム構成〉
図1に本発明の一実施の形態のシステム構成を示す。本発明の光バースト転送ネットワーク設計方法の技術は、光通信網を管理するパス管理制御装置100に適用される。図1において、パス管理制御装置100は、制御通信網110を通じて各ノード装置120に接続され、各ノード装置(#1〜#N)の設備状態、通信警報、パス設定状態を管理し、これら管理情報を元に設定しようとする仮想バーストパスの設定経路と、割当てチャネルを選択する。ここで、パス管理制御装置100は、制御通信網110を介して各ノード装置120と通信する為の通信機能部101と、各ノード装置120の設備状態、通信警報、パス設置状態等を管理する管理データベース102と、本発明に関係する仮想バーストパス収容設計機能部103を少なくとも具備している。
【0040】
各ノード装置120はそれぞれ波長多重光伝送路(光ファイバケーブル)130により接続され、光パス(波長パス)を定義する波長多重光伝送網を形成している。ここで、各ノード装置120は、波長パス単位でクロスコネクションする光スイッチを具備し、光スイッチ機能部は例えば64本の光パスを入出力可能である。また、このような光スイッチ機能部には、波長変換機能が具備されており、入力光パスの波長を別の波長に乗せ換えて出力する機能を有している。この種の光スイッチ機能部内蔵ノード装置(光パスクロスコネクト装置)は従来から知られているので、具体的構成は省略する。
【0041】
なお、本発明においては、波長変換機能は必ずしも必須ではない。場合によっては、波長変換機能を具備していない光スイッチ機能部内蔵ノード装置も配備される。このようなノード装置が配備された場合、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、始点から終点まで同一の波長チャネルを通過するように仮想バーストパスを収容設計する。
【0042】
パス管理制御装置100は、オペレータにより仮想バーストパスの設定・削除要求が行われると、これを受け付けた仮想バーストパス収容設計機能部103が、管理データベース102に設備状況の問い合わせを行い、仮想バーストパスの経路と割当チャネルを計算する。この計算結果は、通信機能部101を通じて仮想バーストパスの始点ノード#Sに転送される。仮想バーストパスの始点ノード♯Sは、パス管理制御装置100より通知された仮想バーストパスの転送経路、及びチャネル情報を元に、仮想バーストパスの隣接ノード♯C1に仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを受信したノード#C1は、仮想バーストパスを収容するチャネルの確保を行い、仮想バーストパス経路上の次の隣接ノード♯C2に向かって仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを仮想バーストパスの終点ノード♯Dまで繰り返し行うことにより、各ノード上に仮想バーストパスの設定を行い、仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の入出力が可能となるように処理される。
【0043】
〈実施例1〉
本実施例1においては、本発明の仮想バーストパス収容設計方法は、図2に示されるような波長分割多重光伝送網に適用される。図2において、201〜203はノード装置(OXC)、211、212はファイバリンク(ファイバケーブル)である。この波長分割多重光伝送網の各ファイバリンク211、212には、例えば32本の波長チャネルが存在している。これら波長チャネルの伝送速度は例えば10Gbit/sであり、M本(ここでは32本)の波長チャネルにN本の仮想バーストパスが収容される。これは、各ノード装置201〜203の光スイッチ機能部に波長変換機能が保持されていることを最大限に活用した形態である。すなわち、仮想バーストパス#A,#B,#Cは、それぞ入力側でλa,λb,λcの波長で入力されるが、波長変換された後は、波長λeもしくはλfの波長チャネルに変換されて出力される。
【0044】
光ブロック信号は、仮想バーストパス始点ノードの入力バッファから10Gbit/sの伝送速度で10msec〜1sec程度の平均長τhで転送される。この光ブロック信号は生成率γで繰り返し生成されるものと考えられる。
【0045】
図3に、本実施例1に対応する本発明の仮想バーストパスを収容設計方法の処理フロー例を示す。通信網を管理するパス管理制御装置100の管理データベース101は、通信網に配備された各ノード装置の状態情報を保持しており、仮想バーストパス収容設計機能部103は、この状態情報を元に仮想バーストパスを設定する。
【0046】
パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、仮想バーストパスを設定する場合、まず、最初に設定する仮想バーストパスの端点、当該仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均長、光ブロック信号の生成率、仮想帯域幅(光ブロック信号の平均長×光ブロック信号の生成率)、要求平均転送待機時間を入力する(ステップ301)。なお、光ブロック信号の平均長、生成率、仮想帯域幅等はあらかじめ測定し、管理データベース102に保持しておく。仮想バーストパスの最短経路を、ダイクストラ法(「文献「データ構造とアルゴリズム,AV.エイホ ISBN4−563−00791−9」参照)などにより検索し、仮想バーストパスの経路を決定する(ステップ302)。同様の操作を全ての仮想バーストパスに対して行った後に、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないように収容設計する場合の、各リンクで必要となる波長チャネル数を導出する(ステップ303)。
【0047】
次に、波長チャネル数が最大であるリンク#Lmaxを検索し(ステップ304)、このパスを通過する仮想バーストパスを選び出す(ステップ305)。さらに、選び出した仮想バーストパスに順位を付与する(ステップ306)。本実施例では、ホップ数が大きい仮想バーストパスから順に迂回処理する(ステップ307)。
【0048】
まず、迂回の順位1となった仮想バーストパス#Nの経路をPn,1とする。すると、前記Pn,1とは異なる経路Pn,2を検索し、リンク#Lmaxを迂回するような仮想バーストパス経路を再設定する。その上で、経路を再検索する仮想バーストパスが存在する場合、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないようにするために、各リンクで必要となる波長チャネル数を導出する(ステップ308)。そして、リンク#Lmaxで必要となる波長チャネル数が迂回前よりも減少しない場合は、ステップ307に戻って、その次の順位を有する仮想バーストパス経路を設定し、同様の操作を繰り返す。次の順位の仮想バーストパスが存在しなくなり、且つ、#Lmaxと同数の波長チャネル数を有する別のリンクが存在しない場合は、計算を終了する。#Lmaxと同数の波長チャネルを有する別のリンクが存在する場合は、該当するリンクを#Lmaxとした後(ステップ310)、ステップ305に戻る。
【0049】
一方、各リンクで必要となる波長チャネル数の最大値が迂回前よりも減少する場合は、波長チャネル数が#Lmaxの元の値より大きくなるリンクが発生したならばステップ307に戻るが、発生しないならば、仮想バーストパスデータおよび波長チャネル割当データを更新し(ステップ309)、ステップ304に戻る。
【0050】
ステップ304あるいはステップ305からの操作を繰り返しているうちに、#Lmaxに必要とされるチャネル数が減少しなくなる。なお、規定回数を繰り返しても、#Lmaxに収容される波長チャネル数が減少しない場合は計算を終了する。
【0051】
このようにして、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103により算出された仮想バーストパスの端点、経由ノード、割当波長チャネル情報を、通信機能部101が制御通信網110を介して各仮想バーストパスの始点ノードに通知する。すなわち、パス管理制御装置より仮想バーストパスの始点ノードに該当制御回線を通じて転送され、仮想バーストパスの始点ノード#Sは、パス管理制御装置100より通知された仮想バーストパスの転送経路、及びチャネル情報を元に、仮想バーストパスの隣接ノード#C1に仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを受信したノード#C1は、仮想バーストパスを収容するチャネルの確保を行い、仮想バーストパス経路上の次の隣接ノード#C2に向かって仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを仮想バーストパスの終点ノード#Dまで繰り返し行うことにより各ノード上に仮想バーストパスの設定を行い、仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の入出力が可能となるように処理される。
【0052】
〈実施例2〉
本実施例2においては、本発明の仮想バーストパス収容設計方法は、図4に示されるような波長分割多重光伝送網に適用される。図4において、401〜403はノード装置(OXC)、411は一つの波長チャネルを示す。この波長分割多重光伝送綱の各ファイバリンクには、例えば32本の波長チャネルが存在している。これら波長チャネルの伝送速度は例えば10Gbit/sであり、1本の波長チャネル411にN本の仮想バーストパスが収容される。これは、各ノード装置401〜403の光スイッチ機能部に波長変換機能が保持されていないためである。それに伴い、仮想バーストパスの設計手順も、先の実施例1の場合とは少し異なっている。図5に、本実施例2に対応する本発明の仮想バーストパス収容設計方法の処理フロー例を示す。
【0053】
パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、仮想バーストパスを設定する場合、まず、最初に設定する仮想バーストパスの端点、当該仮想バーストパス上で転送される光ブロックの平均長、光ブロックの生成率、仮想帯域幅(光ブロックの平均長×光ブロックの生成率)、要求平均転送待機時間を入力する(ステップ501)。次に、仮想バーストパスの最短経路をダイクストラ法などにより検索し、仮想バーストパスの経路を決定する(ステップ502)。同様の操作を全ての仮想バーストパスに対して行った後に、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないように収容設計する場合の、仮想バーストパスの波長を割り当てる。
【0054】
まず、同一の波長面に収容する仮想バーストパスの組み合わせを決定し(ステップ503)、仮想バーストパス本数の多い組から順に選抜してλ1,λ2,…,λNといった波長を割り当てる(ステップ504)。図4にこの様子を示す。その上で、各リンクで必要となる最大波長番号を導出する。これを踏まえて、最大波長番号が最大であるリンク#Lmaxを検索し(ステップ505)、最大波長番号λmaxに収容されている仮想バーストパスを選び出す(ステップ506)。さらに、選び出した仮想バーストパスに順位を付与する(ステップ507)。本実施例でも、ホップ数が大きい仮想バーストパスから順に迂回処理する(ステップ508)。
【0055】
まず、迂回の順位1となった仮想バーストパス#Nの経路をPn,1とする。すると、前記Pn,1とは異なる経路Pn,2を検索し、リンク#Lmaxを迂回するような仮想バーストパス経路を再設定する。その上で、経路を再検索する仮想バーストパスが存在する場合、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないようにするのと同時に、迂回しようとする仮想バーストパスが収容されている最大波長番号よりも小さな番号を有する波長番号で転送できるような経路を探索する(ステップ509)。そして、リンク#Lmaxで必要となる最大波長番号が迂回前よりも減少しない場合は、ステップ508に戻って、その次の順位を有する仮想バーストパス経路を設定し、同様の操作を繰り返す。次の順位の仮想バーストパスが存在しなくなり、且つ、#Lmaxと同数の最大波長番号を有する別のリンクが存在しない場合は、計算を終了する。#Lmaxと同数の最大波長番号を有する別のリンクが存在する場合は、該当するリンクを#Lmaxとした後(ステップ511)、ステップ506に戻る。
【0056】
一方、各リンクで必要となる波長チャネル数の最大値が迂回前よりも減少する場合は、最大波長番号が#Lmaxの元の値よりも大きくなるリンクが発生したならばステップ508に戻るが、発生しないならば、仮想バーストパスデータおよび波長チャネル割当データを更新し(ステップ510)、ステップ505に戻る。
【0057】
ステップ505あるいはステップ506からの操作を繰り返しているうちに、#Lmaxに必要とされる最大波長番号が減少しなくなる。なお、規定回数を繰り返しても、#Lmaxに根容される最大波長番号が減少しない場合は計算を終了する。
【0058】
このようにして、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103により算出された仮想バーストパスの端点、経由ノード、割当波長チャネル情報を、通信機能部101が制御通信網110を介して各仮想バーストパスの始点ノードに通知する。以下の動作は、先の実施例1の場合と同じである。
【0059】
なお、図1で示したパス管理制御装置における一部もしくは全部の処理機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、あるいは、図3及び図5で示した処理手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもない。また、コンピュータでその処理機能を実現するためのプログラム、あるいは、コンピュータにその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、FDやMO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることができるとともに、インターネット等のネットワークを通してそのプログラムを配布したりすることが可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、仮想バーストパスをベースとした光バースト転送ネットワークの設計が可能になり、光バーストパスに入力しょうとする光ブロックの入力転送待機時間に対して一定の制約を与えた条件下で、各リンクで必要となるチャネル数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の適用例を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の適用例の処理フロー図である。
【図4】本発明の実施例2の適用例を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の適用例の処理フロー図である。
【図6】光バースト転送技術の概要を説明する図である。
【図7】光バーストトラフィックの衝突回避の第1の方法を説明する図である。
【図8】光バーストトラフィックの衝突回避の第2の方法を説明する図である。
【図9】One−way signaling方式を説明する図である。
【図10】Two−way signaling方式を説明する図である。
【図11】One−way signaling方式における転送待機時間を説明する図である。
【図12】Two−way signaling方式における転送待機時間を説明する図である。
【図13】複数のシグナリングによる同一時刻の同一帯域の奪い合いを説明する図である。
【符号の説明】
100 パス管理制御装置
101 通信機能部
102 管理データベース
103 仮想バーストパス収容設計機能部
110 制御通信網
120 光スイッチ機能部内蔵ノード装置
130 波長多重光伝送路
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信網で実現される光バースト(光ブロック)転送ネットワークの設計方法に関し、詳しくは、光ブロック信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想パスの経路を設定し、各リンクのチャネルに収容する仮想バーストパス収容設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広帯域光伝送技術とインターネット技術との融合が加速し、インターネットの広帯域化が加速化している。最近では、インターネットにおいても動画コンテンツの配信がインターネットサービスプロバイダのサービスメニューに追加されるなど、流通するコンテンツの大容量化が進展し、数100Mbyte〜G(ギガ)Byte級の動画コンテンツの流通も視野に入ってきている。
【0003】
このような大容量情報配信サービスの展開にもかかわらず、大容量コンテンツ配信の技術基盤はTCP/IPプロトコル技術である。TCP/IPプロトコルの利点は、メール、少容量ファイル転送、静止画Webといった狭帯域サービスと大容量コンテンツ配信といった広帯域サービスを同一のネットワーク基盤に収容可能であるといったメリットを有している。
【0004】
しかしながら、TCP/IP技術はLocalArea Network(LAN)で広く用いられているEthernet技術との親和性を重視した技術であり、転送する情報がGByte級程度の大容量コンテンツであったとしても、64kByteを越えるジャンボパケット転送により情報転送することを現状では容認していない。また、バックボーンネットワークを構築する際においても、音声通話といったリアルタイム転送とGbyte級の大容量コンテンツ転送とをパケット多重で混在させる方式は望ましくない。音声パケットのリアルタイム性を確保するために、大容量コンテンツパケットを複数の短パケットに分割する必要性が発生する。その結果、大容量コンテンツを転送する際には、IPヘッダに大量のオーバヘッド情報を追加する必要があり、伝送帯域の損失が増大する。
【0005】
従来、この解決法として、光パスクロスコネクト(OXC)装置を基盤とした光ネットワーク技術を利用する方法が検討されている。光ネットワークでは、波長チャネル単位に独立のプロトコルフォーマットで光信号を伝送可能である。すなわち、各々のファイバリンクにおいて、ある波長チャネルは、あるIPルータの間を接続する光パスを収容して、従来型のIP転送サービスを提供し、その一方で、別のある波長チャネルは、光バースト信号を収容し転送する。
【0006】
バースト転送方式は、伝送路上で、信号が一つの固まり(ブロック)として送られ、ブロックとブロックの間には信号自体が存在しない方式である。光バースト(光ブロック)信号では、図6に示すように、例えば10Gbit/s以上の超高速伝送能力を有する波長チャネルをある一定の短時間だけ占有し、Gbyte級の大容量コンテンツを配信する際には、保留時間が1秒前後で10Gbit/sの波長チャネルを占有することになる。図6は、601〜604が光スイッチ機能部内蔵ノード装置、600がノード#2、#3間のファイバリンク(光ケーブル)で、該ファイバリンク600はλ1〜λ5の波長チャネルを有し、その波長チャネルλ4が3つの光バースト信号(光ブロック)信号に利用されていることを示している。図6の例の場合、例えば2時間程度の動画コンテンツファイルの瞬時一括転送が可能になる。
【0007】
ところで、光バースト転送の困難性は、バースト的(短時間に集中的)に転送するコンテンツトラフイック同士の衝突回避法にある。すなわち、転送ネットワーク内部で、複数の光バーストトラフイックが同一の波長チャネルを奪い合う競合が発生した場合には、波長チャネルに収容不能となった光バーストトラフイックを別の波長チャネルかノード内部のバッファに一時退避させる必要が発生する。図7及び図8に、光バーストトラフィックの衝突を回避する従来の方法を示す。
【0008】
図7は、ネットワークの中継ノード(コアノード)の光クロスコネクト装置に衝突回避バッファ(メモリ)を実装する方法である。図7において、702が中継ノード(#2)、704がその衝突回避バッファ(コアノードバッファ)を示す。図7では、中継ノード702(#2)で光ブロック信号#Aと光ブロック信号#Bが衝突したため、当該中継ノード装置(光クロスコネクト装置)において、ノード#1からの光ブロック信号#Aを光−電気変換してバッファ(メモリ)704に一時的に待機させ、光ブロック信号#Bをノード#3へ転送後、バッファ704の情報を電気−光逆変換し、光ブロック信号#Aをノード#3へ転送することを示している。
【0009】
図8は、高速シグナリング技術を利用し(例えば、非特許文献1参照)、転送しようとする光ブロック信号の経由ノードに対して、事前に光ブロックの転送通知を高速に行い、光ブロックを転送する伝送帯域を各リンクで確保してから光ブロックを一括転送する方式である。原則的に、転送しようとする光ブロックは、シグナリングにより帯域確保に成功するまで(あるいは一定の時間まで)光クロスコネクト装置の入力バッファに待機する必要がある。図8において、801が入力ノード、804が入力バッファを示す。図8の例では、光ブロック信号#Bの転送帯域予約シグナリング処理が制御通信網(図示せず)を通して行われ、帯域確保に成功したので、光ブロック信号#Bがノード#2からノード#3へ転送される。同様に、制御通信網により光ブロック信号#Aの転送帯域予約シグナリング処理が行われるが、シグナリング衝突が検出され、ノード801(#1)に予約失敗が通知されたため、光ブロック信号#Aはノード801の光クロスコネクト装置の入力バッファ804に待機される。その後、制御通信網において光ブロック信号#Aの転送帯域予約シグナリングのリトライが試みられ、帯域確保に成功すると、光ブロック信号#Aがノード#1−#2−#3と転送される。
【0010】
図7の方法により実現されるネットワークは、基本的に現在のインターネット網で実現されているパケットフォワーディング技術と類似のものである。しかしながら、図7の方法の場合、ネットワークのコア(中継ノード)にある光クロスコネクト装置に衝突回避バッファを実装する必要があり、10Gbit/s以上の超高速信号で転送されるGbyte級のコンテンツを各中継ノードに保有させることは、ノード実装規模を増大させる。さらに光−電気−光変換器が必要であり、光バースト転送ネットワークを構築するには不向きである。
【0011】
一方、図8の方法により実現されるネットワークは、図7の方法のネットワークと比べ、原則的に光ブロック信号がEnd−to−Endにカットスルーされるため、コアノードバッファとコアノード光−電気−光変換器が不要になるという利点を有する。現在の通信網でコスト比率の高い装置は、光−電気−光変換器であり、この部分のコスト削減効果を期待できる図8の方法は有用である。
【0012】
ところで、図8の方法により実現されるシグナリング・入力バッファ型光バースト転送ネットワークにおいては、転送しようとする光ブロックの伝送帯域を確保するためのシグナリング処理が行われる。シグナリング方式は大きく分けて、One−way signaling方式とTwo−way signaling方式の2種類が存在する。
【0013】
図9は、One−way signaling方式の様子を示した図である。One−way signaling方式では、光ブロック信号を転送する前に、通信制御網(図示せず)によるシグナリング処理により伝送帯域を確保し、伝送帯域の確保の確認を行わず、一定時間経過後に光ブロック信号を送信する。この方式は、光ブロックを転送させるまでの待機時間を抑圧することが可能であり、光ブロックの転送遅延の増大を抑止できる。
【0014】
図10は、Two−way signaling方式の様子を示した図である。One−way signaling方式と同様に、Two−way signaling方式でも、光ブロックを転送する前に、通信制御網にてシグナリング処理により伝送帯域を確保する。しかしながら、One−way signaling方式と異なり、伝送帯域の確保の確認を行なってから光ブロック信号を送信するため、ネットワーク内部で他の光ブロックと衝突するのを事前に防ぐことができる。先の図8は、このTwo−way signaling方式の例を示したものである。
【0015】
しかしながら、これまでのシグナリング方式においては、光ブロック信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均転送待機時間が、一定の制約条件より小さくなるように、仮想バーストパスの転送経路と転送チャネルを割り当てる収容設計を行って、各リンクで必要となるチャネル数を低減することは実現されていない。
【0016】
なお、従来から光パス網の収容設計技術は種々提案されているが(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、いずれの技術も、波長多重伝送網に定義する“静的な”光パスの収容設計に関するもので、各々にリンク区間において一つの光パスが一つの波長チャネルを長時間にわたり占有することを前提とするものである。つまり、複数の仮想的なバーストパスが一つの波長チャネルを共有するような“動的な”光パスの収容設計に関する技術を提供するものではない。
【0017】
また、仮想的なパスを収容設計する技術は、ATM(Asynchronous Transfer Mode Network)通信網の設計技術として数多くの検討が存在する(例えば、非特許文献2)。そこでは、複数のVPが同一の伝送路帯域を共用することになるが、各々のVPを通過するATMセルの廃棄確率が、例えば10−9以下となるように、VPを収容設計する方法が議論されている。ATM技術は基本的に電気処理の技術である。複数のATMセルが同一時刻に同一のリンクを使って入出力されるような衝突が発生しても高密度バッファによりいずれかのATMセルを転送待機させるバッファリングを行うことにより、ATMセルの転送ブロックもしくは廃棄を回避することができる。このように、ATM通信網のVP収容設計においては、ATMセルの衝突による伝送品質の劣化は、大きな制約問題にはならない。つまり、光ブロック転送において無視することのできない転送待機と、転送待機時間の制約という問題は、ATM通信網のVP収容設計において考慮に入れるべき制約問題と位置付けられることは無かった。
【0018】
【特許文献1】
特開平7−143062号公報
【特許文献2】
特開平7−250356号公報
【特許文献3】
特開平9−51560号公報
【非特許文献1】
J.Y.Weiet al,“Just−in−time signaling for WDM opticalburst switching network”,IEEE J.of Lightwave Technol., Vol.18,No.12,PP.2091−2037 Dec.2002
【非特許文献2】
Y.Sato and K−I.Stao,“Virtual Path and Link Capacity Design for ATM Networks”,IEEE JSAC,vol.9,No.1,pp.104−111,1991
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、光パス網の収容設計技術としてシグナリング・入力バッファ型光バースト転送ネットワークの設計技術の適用を前提とし、仮想バーストパスをベースとした光バースト転送ネットワークの設計を実現して、各リンクで必要となるチャネル数を低減できるようにすることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明では、クロスコネクト装置と複数の伝送チャネルを有するリンクとで構成される光通信網ネットワークにおいて、光ブロック(光バースト)信号を転送する仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、該仮想バーストパスの経路を設定する。
【0021】
ここで、本発明の第一の特徴は、設定すべき仮想バーストパス#1,#2,…,#Nの始点・終点ノード間の最短経路#Pn,mを探索し、これを各リンクのチャネルに収容する第一のステップと、これまでにチャネルに収容した仮想バーストパス#1,#2,…,#Nのそれぞれが転送するブロック信号の平均転送待機時間T1,T2,…,TNが、それぞれに対して要求された平均転送待機時間Treq1,Treq2,…,TreqNよりも小さくなるように各リンクで最低限必要となるチャネルを割り当てる第二のステップを有する点にある。
【0022】
第一のステップで初期値として仮想バーストパスが最短経路ベースで設定されることで、ネットワーク資源の無駄使いが抑止されるようにする。続く第二のステップにおいて、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が、各々に対して要求される平均転送待機時間よりも小さくするのに最低限必要となる各リンクのチャネル数を割り当てることで、各リンクで必要となるチャネル数が低減される。
【0023】
ここで、平均転送待機時間は図11乃至図13に示す考え方により導出される。図11、図12において、仮想バーストパス#Aは、ノード#1−#2−#3−#4の区間で設定され、仮想バーストパス#B,#Cとノード#1−#2の区間およびノード#2−#3の区間において帯域が共有されているとする。仮想バーストパス#Aに沿って光ブロック信号を転送する場合、始点ノードの#1からシグナリングによりノード#1−#2、#2−#3の帯域(リンク)を確保する。シグナリングにより帯域が確保されると、光ブロックの転送に成功する。また、同じチャネルを複数のシグナリングが同時に確保しようとする場合には、どちらか一方のシグナリングがブロックされる。
【0024】
説明の簡単化のために、ノード#1,#2,#3のブロック確率をBとする。すると、すべてのリンクにおいて1回のシグナリングにより転送が成功する確率は(1−B)3である。この場合の転送待機時間Twは、
One−way signaling方式の場合は、
Tw=3δ
(δ:各ノードにおけるシグナリング処理時間)
Two−way signaling方式の場合は、
Tw=3δ+2ΣL
(δ:各ノードにおけるシグナリング処理時間ΣL:始点ノードから終点ノードまでのシグナリングの伝撒遅延)
である。
【0025】
ここで、One−way signaling方式とは、図11に示すように、シグナリング(転送要求)発出後の一定時間後に光ブロック信号を送信する方式であり、End−to−Endの帯域確保を確認しないで光ブロック信号を転送する。End−to−Endの帯域確保に失敗した場合は、帯域確保に失敗したノードから帯域確保失敗通知が始点ノードに送信されるのと同時に、光ブロック信号を廃棄する。その上で、始点ノードから光ブロック信号を再送する。一方、Two−way signaling方式とは、図12に示すように、End−to−Endの帯域確保を確認した後に、光ブロックを送信する方式である。End−to−Endの帯域確保に失敗した場合は、帯域確保に失敗したノードから帯域確保失敗通知が始点ノードに送信される。それを受けて、始点ノードはシグナリング発出を再度行う。
【0026】
平均転送待機時間は、上記のケースのみを考慮することにより与えられるわけではない。つまりノード♯1,♯2,♯3で帯域予約がブロックされる確率がそれぞれ、B,(1−B)B,(1−B)2Bで存在し、これらの影響を全て考慮に入れた上で算出する必要がある。ノード#1,#2,#3で帯域予約がブロックされる確率が増大すると、平均転送待機時間も増大するのは明白である。
【0027】
また各ノードにおけるブロック確率は、例えば、
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】
で導出することが可能である。ここで、{A}は光ブロック信号が衝突してチャネルから溢れる全ての組み合わせで、Cは出力しようとするリンクのチャネル数、AVGjは仮想バーストパスjの仮想平均帯域幅(チャネル速度で規格化した値)、Njは仮想バーストパスjに収容される光ブロック信号発生源数、njは仮想バーストパスjに収容される光ブロック信号発生数である。ここで、仮想バーストパスの転送レートは、チャネルあたりの転送レートRcと同一であると仮定している。
【0032】
また、上記の式は、図13に示すように、複数のシグナリングが同一時刻からあるチャネルを確保しようとする場合、シグナリングの到着時刻も同一であるという仮定の元の近似式である。図13は、ノード#1において、光ブロック信号#Aのシグナリングパケット(転送要求)と光ブロック信号#Bのシグナリングパケット(転送要求)が同時刻に到着し、同一チャネル(帯域)を奪い合うことを示している。
【0033】
次に、本発明の第二の特徴は、これまでにチャネルに収容した仮想バーストパス#1,#2,…,#Nのそれぞれが転送する光ブロック信号の平均転送待機時間T1,T2,…,TNが、それぞれに対して要求された平均転送待機時間Treq1,Treq2,…TreqNよりも小さくしながら各リンクで最低限必要となるチャネル数が均等になるように、最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を順次別のリンクに迂回するように繰り返し再設定する第三のステップを有する点にある。仮想バーストパスが転送する光ブロック信号の平均転送時間は、各ノードにおける光ブロック信号の(もしくは帯域予約の)ブロックされる確率を考慮して導出される。
【0034】
これは、必要チャネル数が大きいリンクから必要チャネル数の小さいリンクに仮想バーストパスを迂回させることで、ネットワーク全体で必要となるチャネル数を抑制すると同時に、各リンクの必要チャネル数を均等化することが可能になる。つまり、ネットワーク設備として建設するノード、及びリンクのチャネル数が均等化されることにより、配備される装置規模、装置調達、運用管理の均等化が見込まれる。
【0035】
次に、本発明の第三の特徴は、先の第三のステップにおいて最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を迂回させる際には、経由ノード数の最も多い仮想バーストパスから順に迂回させる点にある。
【0036】
これも本発明の第二の特徴によりもたらされるものと同様の効果が期待できる。経由ノード数の多い仮想バーストパスは、多くの転送経路を選択することが可能である(逆に、隣接ノード間で設定される仮想バーストパスの最短もしくは準最短経路は、選択の余地が殆ど無い)。そのうちのどれかのケースから、必要チャネル数を最小化する転送経路を発見することができる。このようなパスから順次、迂回処理させることにより、必要チャネル数を最小化するための仮想バーストパスの収容設計をより効率的に行える。
【0037】
本発明の第四の特徴は、仮想バーストパスを収容するチャネルが波長チャネルの場合、一つの仮想バーストパスは、始点から終点まで同一の波長チャネルを通過するように仮想バーストパスを収容する点にある。これは、波長多重光伝送網においてノード装置に波長変換機能が具備されていないような場合に本仮想バーストパス収容設計方法を提供するものである。
【0038】
このように、本発明の最大の特徴は、仮想バーストパスを定義して、この仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均転送待機時間が、ある一定の制約条件よりも小さくなるように、仮想バーストパスの転送経路と転送チャネルを割り当てる収容設計が行われる点にある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
〈システム構成〉
図1に本発明の一実施の形態のシステム構成を示す。本発明の光バースト転送ネットワーク設計方法の技術は、光通信網を管理するパス管理制御装置100に適用される。図1において、パス管理制御装置100は、制御通信網110を通じて各ノード装置120に接続され、各ノード装置(#1〜#N)の設備状態、通信警報、パス設定状態を管理し、これら管理情報を元に設定しようとする仮想バーストパスの設定経路と、割当てチャネルを選択する。ここで、パス管理制御装置100は、制御通信網110を介して各ノード装置120と通信する為の通信機能部101と、各ノード装置120の設備状態、通信警報、パス設置状態等を管理する管理データベース102と、本発明に関係する仮想バーストパス収容設計機能部103を少なくとも具備している。
【0040】
各ノード装置120はそれぞれ波長多重光伝送路(光ファイバケーブル)130により接続され、光パス(波長パス)を定義する波長多重光伝送網を形成している。ここで、各ノード装置120は、波長パス単位でクロスコネクションする光スイッチを具備し、光スイッチ機能部は例えば64本の光パスを入出力可能である。また、このような光スイッチ機能部には、波長変換機能が具備されており、入力光パスの波長を別の波長に乗せ換えて出力する機能を有している。この種の光スイッチ機能部内蔵ノード装置(光パスクロスコネクト装置)は従来から知られているので、具体的構成は省略する。
【0041】
なお、本発明においては、波長変換機能は必ずしも必須ではない。場合によっては、波長変換機能を具備していない光スイッチ機能部内蔵ノード装置も配備される。このようなノード装置が配備された場合、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、始点から終点まで同一の波長チャネルを通過するように仮想バーストパスを収容設計する。
【0042】
パス管理制御装置100は、オペレータにより仮想バーストパスの設定・削除要求が行われると、これを受け付けた仮想バーストパス収容設計機能部103が、管理データベース102に設備状況の問い合わせを行い、仮想バーストパスの経路と割当チャネルを計算する。この計算結果は、通信機能部101を通じて仮想バーストパスの始点ノード#Sに転送される。仮想バーストパスの始点ノード♯Sは、パス管理制御装置100より通知された仮想バーストパスの転送経路、及びチャネル情報を元に、仮想バーストパスの隣接ノード♯C1に仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを受信したノード#C1は、仮想バーストパスを収容するチャネルの確保を行い、仮想バーストパス経路上の次の隣接ノード♯C2に向かって仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを仮想バーストパスの終点ノード♯Dまで繰り返し行うことにより、各ノード上に仮想バーストパスの設定を行い、仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の入出力が可能となるように処理される。
【0043】
〈実施例1〉
本実施例1においては、本発明の仮想バーストパス収容設計方法は、図2に示されるような波長分割多重光伝送網に適用される。図2において、201〜203はノード装置(OXC)、211、212はファイバリンク(ファイバケーブル)である。この波長分割多重光伝送網の各ファイバリンク211、212には、例えば32本の波長チャネルが存在している。これら波長チャネルの伝送速度は例えば10Gbit/sであり、M本(ここでは32本)の波長チャネルにN本の仮想バーストパスが収容される。これは、各ノード装置201〜203の光スイッチ機能部に波長変換機能が保持されていることを最大限に活用した形態である。すなわち、仮想バーストパス#A,#B,#Cは、それぞ入力側でλa,λb,λcの波長で入力されるが、波長変換された後は、波長λeもしくはλfの波長チャネルに変換されて出力される。
【0044】
光ブロック信号は、仮想バーストパス始点ノードの入力バッファから10Gbit/sの伝送速度で10msec〜1sec程度の平均長τhで転送される。この光ブロック信号は生成率γで繰り返し生成されるものと考えられる。
【0045】
図3に、本実施例1に対応する本発明の仮想バーストパスを収容設計方法の処理フロー例を示す。通信網を管理するパス管理制御装置100の管理データベース101は、通信網に配備された各ノード装置の状態情報を保持しており、仮想バーストパス収容設計機能部103は、この状態情報を元に仮想バーストパスを設定する。
【0046】
パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、仮想バーストパスを設定する場合、まず、最初に設定する仮想バーストパスの端点、当該仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の平均長、光ブロック信号の生成率、仮想帯域幅(光ブロック信号の平均長×光ブロック信号の生成率)、要求平均転送待機時間を入力する(ステップ301)。なお、光ブロック信号の平均長、生成率、仮想帯域幅等はあらかじめ測定し、管理データベース102に保持しておく。仮想バーストパスの最短経路を、ダイクストラ法(「文献「データ構造とアルゴリズム,AV.エイホ ISBN4−563−00791−9」参照)などにより検索し、仮想バーストパスの経路を決定する(ステップ302)。同様の操作を全ての仮想バーストパスに対して行った後に、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないように収容設計する場合の、各リンクで必要となる波長チャネル数を導出する(ステップ303)。
【0047】
次に、波長チャネル数が最大であるリンク#Lmaxを検索し(ステップ304)、このパスを通過する仮想バーストパスを選び出す(ステップ305)。さらに、選び出した仮想バーストパスに順位を付与する(ステップ306)。本実施例では、ホップ数が大きい仮想バーストパスから順に迂回処理する(ステップ307)。
【0048】
まず、迂回の順位1となった仮想バーストパス#Nの経路をPn,1とする。すると、前記Pn,1とは異なる経路Pn,2を検索し、リンク#Lmaxを迂回するような仮想バーストパス経路を再設定する。その上で、経路を再検索する仮想バーストパスが存在する場合、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないようにするために、各リンクで必要となる波長チャネル数を導出する(ステップ308)。そして、リンク#Lmaxで必要となる波長チャネル数が迂回前よりも減少しない場合は、ステップ307に戻って、その次の順位を有する仮想バーストパス経路を設定し、同様の操作を繰り返す。次の順位の仮想バーストパスが存在しなくなり、且つ、#Lmaxと同数の波長チャネル数を有する別のリンクが存在しない場合は、計算を終了する。#Lmaxと同数の波長チャネルを有する別のリンクが存在する場合は、該当するリンクを#Lmaxとした後(ステップ310)、ステップ305に戻る。
【0049】
一方、各リンクで必要となる波長チャネル数の最大値が迂回前よりも減少する場合は、波長チャネル数が#Lmaxの元の値より大きくなるリンクが発生したならばステップ307に戻るが、発生しないならば、仮想バーストパスデータおよび波長チャネル割当データを更新し(ステップ309)、ステップ304に戻る。
【0050】
ステップ304あるいはステップ305からの操作を繰り返しているうちに、#Lmaxに必要とされるチャネル数が減少しなくなる。なお、規定回数を繰り返しても、#Lmaxに収容される波長チャネル数が減少しない場合は計算を終了する。
【0051】
このようにして、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103により算出された仮想バーストパスの端点、経由ノード、割当波長チャネル情報を、通信機能部101が制御通信網110を介して各仮想バーストパスの始点ノードに通知する。すなわち、パス管理制御装置より仮想バーストパスの始点ノードに該当制御回線を通じて転送され、仮想バーストパスの始点ノード#Sは、パス管理制御装置100より通知された仮想バーストパスの転送経路、及びチャネル情報を元に、仮想バーストパスの隣接ノード#C1に仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを受信したノード#C1は、仮想バーストパスを収容するチャネルの確保を行い、仮想バーストパス経路上の次の隣接ノード#C2に向かって仮想バーストパス設定メッセージを送信する。これを仮想バーストパスの終点ノード#Dまで繰り返し行うことにより各ノード上に仮想バーストパスの設定を行い、仮想バーストパス上で転送される光ブロック信号の入出力が可能となるように処理される。
【0052】
〈実施例2〉
本実施例2においては、本発明の仮想バーストパス収容設計方法は、図4に示されるような波長分割多重光伝送網に適用される。図4において、401〜403はノード装置(OXC)、411は一つの波長チャネルを示す。この波長分割多重光伝送綱の各ファイバリンクには、例えば32本の波長チャネルが存在している。これら波長チャネルの伝送速度は例えば10Gbit/sであり、1本の波長チャネル411にN本の仮想バーストパスが収容される。これは、各ノード装置401〜403の光スイッチ機能部に波長変換機能が保持されていないためである。それに伴い、仮想バーストパスの設計手順も、先の実施例1の場合とは少し異なっている。図5に、本実施例2に対応する本発明の仮想バーストパス収容設計方法の処理フロー例を示す。
【0053】
パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103では、仮想バーストパスを設定する場合、まず、最初に設定する仮想バーストパスの端点、当該仮想バーストパス上で転送される光ブロックの平均長、光ブロックの生成率、仮想帯域幅(光ブロックの平均長×光ブロックの生成率)、要求平均転送待機時間を入力する(ステップ501)。次に、仮想バーストパスの最短経路をダイクストラ法などにより検索し、仮想バーストパスの経路を決定する(ステップ502)。同様の操作を全ての仮想バーストパスに対して行った後に、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないように収容設計する場合の、仮想バーストパスの波長を割り当てる。
【0054】
まず、同一の波長面に収容する仮想バーストパスの組み合わせを決定し(ステップ503)、仮想バーストパス本数の多い組から順に選抜してλ1,λ2,…,λNといった波長を割り当てる(ステップ504)。図4にこの様子を示す。その上で、各リンクで必要となる最大波長番号を導出する。これを踏まえて、最大波長番号が最大であるリンク#Lmaxを検索し(ステップ505)、最大波長番号λmaxに収容されている仮想バーストパスを選び出す(ステップ506)。さらに、選び出した仮想バーストパスに順位を付与する(ステップ507)。本実施例でも、ホップ数が大きい仮想バーストパスから順に迂回処理する(ステップ508)。
【0055】
まず、迂回の順位1となった仮想バーストパス#Nの経路をPn,1とする。すると、前記Pn,1とは異なる経路Pn,2を検索し、リンク#Lmaxを迂回するような仮想バーストパス経路を再設定する。その上で、経路を再検索する仮想バーストパスが存在する場合、各仮想バーストパスの平均転送待機時間が要求値を上回らないようにするのと同時に、迂回しようとする仮想バーストパスが収容されている最大波長番号よりも小さな番号を有する波長番号で転送できるような経路を探索する(ステップ509)。そして、リンク#Lmaxで必要となる最大波長番号が迂回前よりも減少しない場合は、ステップ508に戻って、その次の順位を有する仮想バーストパス経路を設定し、同様の操作を繰り返す。次の順位の仮想バーストパスが存在しなくなり、且つ、#Lmaxと同数の最大波長番号を有する別のリンクが存在しない場合は、計算を終了する。#Lmaxと同数の最大波長番号を有する別のリンクが存在する場合は、該当するリンクを#Lmaxとした後(ステップ511)、ステップ506に戻る。
【0056】
一方、各リンクで必要となる波長チャネル数の最大値が迂回前よりも減少する場合は、最大波長番号が#Lmaxの元の値よりも大きくなるリンクが発生したならばステップ508に戻るが、発生しないならば、仮想バーストパスデータおよび波長チャネル割当データを更新し(ステップ510)、ステップ505に戻る。
【0057】
ステップ505あるいはステップ506からの操作を繰り返しているうちに、#Lmaxに必要とされる最大波長番号が減少しなくなる。なお、規定回数を繰り返しても、#Lmaxに根容される最大波長番号が減少しない場合は計算を終了する。
【0058】
このようにして、パス管理制御装置100の仮想バーストパス収容設計機能部103により算出された仮想バーストパスの端点、経由ノード、割当波長チャネル情報を、通信機能部101が制御通信網110を介して各仮想バーストパスの始点ノードに通知する。以下の動作は、先の実施例1の場合と同じである。
【0059】
なお、図1で示したパス管理制御装置における一部もしくは全部の処理機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、あるいは、図3及び図5で示した処理手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもない。また、コンピュータでその処理機能を実現するためのプログラム、あるいは、コンピュータにその処理手順を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、FDやMO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、提供したりすることができるとともに、インターネット等のネットワークを通してそのプログラムを配布したりすることが可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、仮想バーストパスをベースとした光バースト転送ネットワークの設計が可能になり、光バーストパスに入力しょうとする光ブロックの入力転送待機時間に対して一定の制約を与えた条件下で、各リンクで必要となるチャネル数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の適用例を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の適用例の処理フロー図である。
【図4】本発明の実施例2の適用例を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の適用例の処理フロー図である。
【図6】光バースト転送技術の概要を説明する図である。
【図7】光バーストトラフィックの衝突回避の第1の方法を説明する図である。
【図8】光バーストトラフィックの衝突回避の第2の方法を説明する図である。
【図9】One−way signaling方式を説明する図である。
【図10】Two−way signaling方式を説明する図である。
【図11】One−way signaling方式における転送待機時間を説明する図である。
【図12】Two−way signaling方式における転送待機時間を説明する図である。
【図13】複数のシグナリングによる同一時刻の同一帯域の奪い合いを説明する図である。
【符号の説明】
100 パス管理制御装置
101 通信機能部
102 管理データベース
103 仮想バーストパス収容設計機能部
110 制御通信網
120 光スイッチ機能部内蔵ノード装置
130 波長多重光伝送路
Claims (4)
- 転送信号を任意長のブロック単位で切替処理する複数の光クロスコネクト装置と複数の伝送チャネルを有するリンクとで構成される光通信網を想定し、光ブロック(光バースト)信号を転送する複数の仮想パス(仮想バーストパス)を定義し、前記仮想バーストパスの経路を設定する光バースト転送ネットワーク設計方法において、
設定すべき各仮想バーストパスの始点・終点ノード間の最短経路を探索し、前記経路を各リンクのチャネルに収容する第一のステップと、
これまでにチャネルに収容した各仮想バーストパスのそれぞれが転送する光ブロック信号の各平均転送待機時間が、それぞれに対して要求された各平均転送待機時間よりも小さくなるように各リンクで最低限必要となるチャネルを割り当てる第二のステップを有することを特徴とする光バースト転送ネットワーク設計方法。 - これまでにチャネルに収容した各仮想バーストパスのそれぞれが転送する光ブロック信号の各平均転送待機時間が、それぞれに対して要求された各平均転送待機時間よりも小さくしながら各リンクで最低限必要となるチャネル数が均等になるように、最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を順次別のリンクに迂回するように繰り返し再設定する第三のステップを更に有することを特徴とする請求項1記載の光バースト転送ネットワーク設計方法。
- 最低限必要となるチャネル数が最も多いリンクを通過する仮想バーストパスの経路を迂回させる際には、経由ノード数の最も多い仮想バーストパスから順に迂回させることを特徴とする請求項2記載の光バースト転送ネットワーク設計方法。
- 仮想バーストパスを収容するチャネルが波長チャネルの場合、一つの仮想バーストパスは、始点から終点まで同一の波長チャネルを通過するように仮想バーストパスを収容することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光バースト転送ネットワーク設計方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003172988A JP2005012402A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 光バースト転送ネットワーク設計方法 |
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| JP2003172988A JP2005012402A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 光バースト転送ネットワーク設計方法 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2003172988A Pending JP2005012402A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 光バースト転送ネットワーク設計方法 |
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| JP (1) | JP2005012402A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009503928A (ja) * | 2005-07-23 | 2009-01-29 | ルーセント テクノロジーズ インコーポレーテッド | ハイブリッド光/データネットワーク |
| JP2012142933A (ja) * | 2011-01-05 | 2012-07-26 | Mitsubishi Electric Research Laboratories Inc | 光ネットワーク内でバイパスを作成する方法 |
| JP2013168804A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | カットスルー構成を実現するネットワーク設計方法およびネットワーク設計装置 |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003172988A patent/JP2005012402A/ja active Pending
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