JP2005012940A - インバータ装置 - Google Patents

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Nobumitsu Tada
伸光 田多
Toshiharu Obe
利春 大部
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Abstract

【課題】直流平滑コンデンサからパワー半導体素子までの配線部分に寄生するインダクタンスを低減し得、小形で信頼性が高いインバータ装置の提供。
【解決手段】コンデンサモジュール1は、複数のコンデンサエレメント11A,12A,13Aを、正負の結線導体52,62により並列に接続すると共に一端をコンデンサ正負端子としてなる3つのエレメント対をケース4に内蔵してなり、コンデンサ正負端子112〜114と半導体モジュール2の正負端子102〜104,202〜204との間を接続する正負の絶縁積層導体5,6を備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流平滑回路を構成するコンデンサモジュールと、三相インバータや単相インバータの全相もしくは一相分の逆変換回路を構成するパワー半導体モジュールとを、同一の筐体に収納したインバータ装置に係り、特に、電気自動車用など比較的装置容量が小さく且つ小形で高い信頼性が求められるインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー資源の有効活用や地球環境保護のためインバータ装置の重要性が大きくなると共にインバータ装置への小形化、高信頼性化のニーズも増している。インバータ装置の小形化、高信頼性化を図るためには、主変換部のパワー半導体素子を効率良く利用することが不可欠である。すなわち、素子の電圧、電流などの通電定格の許容上限値にできるだけ近い値まで通電できることが望ましい。
【0003】
しかしながら、実際には素子の製造ばらつきや外部回路要因などのため、通電電流・電圧に安全マージンを加味した装置構成とする必要がある。外部回路要因として、直流平滑コンデンサからパワー半導体素子に至る回路インダクタンスによって発生するスイッチングサージ電圧がある。素子に印加できる最大電圧からサージ電圧分を差し引いた値が実際に通電できる電圧になるので、発生サージ電圧を小さく抑制すれば、実際に通電できる電圧を大きくすることができる。
【0004】
素子のターンオフ時のスイッチングサージ電圧ΔV(単位V)は、回路インダクタンスをL(単位H)、電流変化率をdi/dt(単位A/s)とすると、
ΔV=−L・di/dt
で表される。素子はスイッチング速度向上を指向しており、電流変化率を抑制することは好ましくないので、素子の効率を図るためには、インダクタンスLを低減することが重要である。
【0005】
回路インダクタンス低減のためには、直流平滑コンデンサの内部配線、パワー半導体素子の内部配線、およびコンデンサから素子に至る外部配線に寄生するインダクタンスを小さくする必要がある。それには、コンデンサや素子の内部配線形状、相互の位置関係、外部配線形状が重要な要素であり、様々な構成や構造が提案されている。
【0006】
例えば、電気自動車用に適用されるインバータ装置において、スイッチングユニット、コンデンサ及び冷却ブロックとの配置関係と、コンデンサの充放電端子を工夫することにより、接続導体の長さを短縮して、インダクタンスの低減を図るものが知られている(特許文献1参照)。
【0007】
また、同様に、電気自動車用に適用されるインバータ装置において、インバータの上部に扁平形コンデンサを設けることで、両者の接続ラインのインダクタンスを低減するものが知られている(特許文献2参照)。
【0008】
この種のインバータ装置の従来例を、図10〜図16を用いて説明する。図10は三相インバータ装置の回路図で、直流平滑回路と逆変換回路の部分を示したものである。図11は、装置構成を加味して図10を若干書き換えたもので、内容は図10と同じである。図12は図11の回路図に対応するインバータ装置構成を示す立体図である。図13は図12の構成を補足説明する分解図であり、図14は図13を補足する部分分解図である。また、図15はコンデンサモジュールの内部を示した平面図、図16は、コンデンサから素子までの外部配線形状を示した平面図である。
【0009】
図10において、平滑コンデンサ10が直流平滑回路の主要部品であり、スイッチングデバイス21〜26および各スイッチングデバイスに逆並列に接続されたダイオード31〜36で逆変換回路を構成している。装置容量が比較的小さい場合、スイッチングデバイスおよびダイオードはモジュールとして1個の部品にまとめられる。図11は、そのような場合の装置構成を示した回路図であり、コンデンサモジュール1、パワー半導体モジュール2およびそれら相互間の配線形態を示したものである。
【0010】
図11において、直流平滑コンデンサの内部配線に寄生するインダクタンスは、回路図上でコンデンサモジュール1のコンデンサ正側端子101〜コンデンサ負側端子201間のインダクタンスに相当し、これを小さくする構成が求められる。また、パワー半導体素子に寄生するインダクタンスは、W相の場合、W相の素子正側端子104〜W相の素子負側端子204間のインダクタンスに相当する。またU相、V相の場合も同様に、正側端子102〜負側端子202間、正側端子103〜負側端子203間のインダクタンスに相当し、すべての相のインダクタンスを小さくする構成が求められる。
【0011】
さらに、コンデンサから素子に至る外部配線に寄生するインダクタンスは、W相の場合、コンデンサモジュール1の正側端子101〜パワー半導体モジュール2のW相正側端子104間と、コンデンサモジュール1の負側端子201〜パワー半導体モジュール2のW相負側端子204間との、配線に寄生するトータルのインダクタンスに相当し、図11に太線で示した部分に当たる。U相、V相の場合も同様であり、すべての相のインダクタンスを均等に小さくする構成が求められる。
【0012】
図12は、図11の回路に対応するインバータ装置の構成例である。パワー半導体モジュール2は通電時に発生する熱を放熱するため、冷却器であるヒートシンク3に搭載されている。コンデンサモジュール1には、耐熱性に優れたフィルムコンデンサエレメント11A〜11C,12A〜12C,13A〜13Cが、例えばPPS(ポリ・フェニレン・サルファイト)樹脂製のコンデンサケース4に収納されている。コンデンサモジュール1〜パワー半導体モジュール2間は、正側接続導体5および負側接続導体6で接続されている。
【0013】
図13は図12の分解図であり、ここではヒートシンクの記載を省略している。コンデンサエレメント11A〜11C,12A〜12C,13A〜13Cは正側結線導体50と負側結線導体60で並列接続されている。正側結線導体50の端部にはコンデンサ正側端子101が、負側結線導体60の端部にはコンデンサ負側端子201が形成されている。正側導体5は、コンデンサ正側端子101とパワー半導体モジュール2の各相の正側端子102,103,104を接続し、負導体6は同様にコンデンサ負側端子201とパワー半導体モジュール2の各相の負側端子202,203,204を接続するものであり、各端子部に六角ボルト7で固定されている。
【0014】
図14は図13の部分分解図であり、コンデンサモジュール1の各構成部品、特に正側結線導体50と負側結線導体60の形状を明示した図である。
【0015】
図15(a)はコンデンサモジュール1の平面図であり、図15(b)は同側面図であり、この図に示すように、コンデンサケース4にコンデンサエレメント11A他が正側結線導体50と負側結線導体60とで並列接続された状態で収納され、コンデンサケース4の空間に例えばポリウレタン樹脂製の封止材8を充填することでモールドされている。
【0016】
図16(a)は正側導体5の形状の一例を示した平面図、図16(b)は負側導体6の形状の一例を示した平面図であり、厚さ2mmの銅などの電気良導体材料で形成され、図12に示したように相互の間隔を小さく(例えば1mm)保持できるように図示していない絶縁材を介して積層している。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−298641号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2000−152662号公報
【0019】
【発明が解決しようとしている課題】
上述した従来のインバータ装置には次ような課題がある。
【0020】
上述のインバータ装置は、コンデンサ1からパワー半導体素子に至る外部配線に寄生するインダクタンスを小さくすることを目的として、コンデンサモジュール1の正側端子101、負側端子201と、パワー半導体モジュール2の正側端子102,103,104、負側端子202,203,204との距離が近くなるようにコンデンサモジュール1とパワー半導体モジュール2を配置し、絶縁積層した正側導体5と負側導体6とで、正負端子間を接続したものである。
【0021】
互いに逆向きの電流が流れる二個の導体は、絶縁したうえ積層すれば、負の相互インダクタンスが発生し、自己インダクタンスを相殺できることが知られている。
【0022】
上述のインバータ装置においても、この効果を期待して端子の配置や導体形状を設定している。両導体の幅が広く、両導体の間隔が小さく、さらに積層部分の距離が大きければ、大きなインダクタンス相殺効果が得られる。
【0023】
しかし、導体端部の端子接続部では、接触抵抗の抑制や耐機械振動の配慮のため、例えばボルト締結により適正な機械的結合状態を確保する必要がある。端子接続部では、ボルトの頭が突出し、さらに接触部まわりは絶縁が困難なうえ気中絶縁に必要な絶縁距離を確保する必要がある。そのため端子接続部付近は、導体を絶縁積層することがほぼ不可能である。
【0024】
図16は、正側導体5と負側導体6の形状例を示した平面図である。正側導体5にはコンデンサ正側接続部101AからW相素子正側接続部104Aまでの電流経路を、負側導体6にはW相素子負側接続部204Aからコンデンサ負側接続部201Aまでの電流経路を、それぞれ矢印で示した。
【0025】
図16より分るように、電流経路において、逆向きの電流が実際に積層状態となっている部分は、図に斜線を記入した部分であり、全体からみとる少ない。従って、上述のような導体端子接続部の制約のため、正負導体を絶縁積層する構成を採用したとしても、大きなインダクタンス相殺効果を得ることができない。
【0026】
例えば、導体を厚さ2mmの銅などの電気良導体材料で形成し、導体の相互間隔を1mmとした場合、図16に図示した電流経路のインダクタンス解析値は、
自己インダクタンス:42.7nH(正側、負側とも同値)
相互インダクタンス:−21.6nH
トータルインダクタンス:(42.7−21.6)×2=42.2nH
となる。なお、U相の場合も同等の値になる。
【0027】
一方、V相の場合は値が異なる。正側導体5の電流経路はコンデンサ正側接続部101AからV相素子正側接続部103Aまで、負側導体6の電流経路はV相素子負側接続部203Aからコンデンサ負側接続部201Aまでとなる。W相やU相の場合と異なり導体に積層部分がないものの、コンデンサと素子との両端子間距離が小さいため電流経路長は他相より小さい。V相の場合のインダクタンス解析値は、
自己インダクタンス:16.4nH(正側、負側とも同値)
相互インダクタンス:−5.0nH
トータルインダクタンス:(16.4−5.0)×2=22.8nH
となる。絶縁積層していないものの、電流の向きがお互いに逆のため、負の相互インダクタンスが発生している。
【0028】
上記の解析値によれば、W相とU相インダクタンスのV相インダクタンスに対する比は、185%であり、W,U相はV相より85%も大きい。このため、V相のインダクタンスは小さいものの、大きい方のW,U相インダクタンス値を基準にして装置を構成しなければならない。すなわちインダクタンスが大きいため、それに比例する発生サージ電圧が大きくなり、その結果、実際に通電できる電圧が小さくなる。通電可能電圧の制約は相対的に装置の大形化を招く。また、大きなサージ電圧の繰り返しは素子への電気的ストレス蓄積となるため、信頼性が低下する。
【0029】
本発明の目的は、直流平滑コンデンサからパワー半導体素子までの配線部分に寄生するインダクタンスを低減し得、小形で信頼性が高いインバータ装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、パワー半導体モジュールと、コンデンサモジュールとを備え、前記半導体モジュールと前記コンデンサモジュールとの直流端子間を接続してなるインバータ装置において、
前記コンデンサモジュールは、複数のコンデンサエレメントと、この複数のコンデンサエレメントを並列に接続すると共に一端をコンデンサ正負端子とした正負の結線導体と、この正負の結線導体及び前記複数のコンデンサエレメントからなるエレメント対を複数備えてなり、
前記コンデンサ正負端子と前記半導体モジュールの正負端子との間を接続する正負の絶縁積層導体を備えることを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、絶縁積層導体はコンデンサ正負端子と半導体モジュールの正負端子とを接続するので、各相におけるコンデンサ正負端子と半導体モジュールの正負端子との給電経路はほぼ同じとなり、しかも複数のエレメント対は並列接続したものとなるため、全ての相のインダクタンスは均等且つ小さいものとすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態:請求項1〜3に対応)
本発明の第1の実施形態について図1、図2、図3を用いて説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態のインバータ装置の立体図であり、従来のインバータ装置の図12に対応している。図2は図1の分解図であり、従来のインバータ装置の図13に対応し、ここでは冷却器であるヒートシンクの記載を省略している。図3はコンデンサモジュールに収納した1相分のコンデンサエレメントと、正側結線導体、負側結線導体の形状とを示した分解図である。
【0035】
図3において、3個のコンデンサエレメント13A,13B,13Cを、正側接続端子114を有する正側結線導体54と、負側接続端子214を有する負側結線導体64で並列接続されてコンデンサエレメント対を構成している。
【0036】
図2において、図3に示した3組のエレメント対が、例えばPPS樹脂製のコンデンサケース4−1に収納され、図示しない例えばポリウレタン樹脂製の封止材で絶縁封止されてコンデンサモジュール1−1を構成している。
【0037】
正側導体5−1には、素子正側接続部102A,103A,104Aとともにコンデンサ正側接続部112A,113A,114Aが形成されている。また側導体6−1には、素子負側接続部202A,203A,204Aとともにコンデンサ負側接続部212A,213A,214Aが形成されている。そしてコンデンサモジュール1−1の各端子と、パワー半導体素子2の各端子間が、正側導体5−1と負側導体6−1とで接続されている。図1は各部品が結合した状態を示す。
【0038】
正側導体5−1と負側導体6−1は、正負の絶縁積層導体であり、例えば厚さ2mmの銅などの電気良導体材料で形成され、図1に示したように相互の間隔を小さく(例えば1mm)保持できるように図示していない絶縁材を介して積層している。このような正負の絶縁積層導体は、先に述べたように、負の相互インダクタンスが発生し、自己インダクタンスを相殺できることが知られており、好ましくは、両導体の幅を広くし、両導体の間隔を小さくし、さらに積層部分の距離を大きくすることで、大きなインダクタンス相殺効果が得られる。
【0039】
このようにインバータ装置を構成した場合、正側導体5−1と負側導体6−1は、コンデンサ正負端子から半導体モジュールの正負端子への給電経路を形成するとともに、コンデンサケース4の内部ではお互いに連結されていない3組のコンデンサエレメント対を並列に接続する役割も果たすことになる。
【0040】
ここで、W相について、コンデンサモジュールからパワー半導体モジュールまでの配線経路に検討する。W相に対する配線経路は、コンデンサモジュール1の正側端子114〜パワー半導体モジュールの負側端子104間および負側端子204〜負側端子214間、もしくは正側端子113〜正側端子104間および負側端子204〜負側端子213間、もしくは正側端子112〜正側端子104間および負側端子204〜負側端子212間の3組となる。
【0041】
これら3組の経路のうち、正側端子114〜負側端子104間および負側端子204〜負側端子214間の経路が、最もインダクタンスが小さく、従来の構成で示したV相のインダクタンス(解析値:トータルで22.8nH)と同等である。
【0042】
また、U相のコンデンサモジュールからパワー半導体モジュールまでの配線経路についても、同様に3組となり、正側端子112〜負側端子102間および負側端子202〜負側端子212間の経路が最もインダクタンスが小さく、従来の構成で示したV相のインダクタンス(解析値:トータルで22.8nH)と同等である。
【0043】
さらに、V相について、コンデンサモジュールからパワー半導体モジュールまでの配線経路についても、同様に3組となり、正側端子113〜負側端子103間および負側端子203〜負側端子213間の経路が最もインダクタンスが小さく、従来の構成のV相インダクタンス(解析値:トータルで22.8nH)と同等である。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、コンデンサモジュール1−1を構成する複数のエレメント対を並列接続し、絶縁積層導体である正側導体5−1と負側導体6−1により、コンデンサ正負端子と半導体モジュールの正負端子とを接続するので、U相、V相、W相いずれの相についてもコンデンサモジュール1−1からパワー半導体モジュール2の各素子までのインダクタンスを同等且つ小さい値に抑制することができ、小形で信頼性が高いインバータ装置が提供できる。
【0045】
(第2の実施形態:請求項4に対応)
次に、本発明の第2の実施形態を、図1〜図3と同一部分には同一符号を付した図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態で示したインバータ装置のコンデンサモジュール1−2の部分を取り出して示した立体図である。
【0046】
図4において、正側導体5−2と負側導体6−2をコンデンサケース4−2に内蔵し、該ケース4−2の内部で各相の正側結線導体52−1,53−1,54−1の片端を正側導体5−2に直接接続し、各相の負側結線導体62−1,63−1,64−1の片端を負側導体6−2に直接接続している。
【0047】
具体的には、コンデンサケース4−2に収納する前に、正側導体5−2、負側導体6−2及び各相の正側結線導体52−1,53−1,54−1を一体で形成するか、又は正側導体5−2、負側導体6−2及び各相の正側結線導体52−1,53−1,54−1を互いにロー付けなどの手段で接合する形態を採る。
【0048】
なお、正側導体5−2と負側導体6−2は第1の実施形態と同様に積層配置されており、この部分はコンデンサエレメントと同様に図示していない封止材で絶縁モールドされている。
【0049】
このような構成の本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。
【0050】
すなわち、図4のようにコンデンサモジュール1−2を構成した場合、第1の実施の形態では必要であった、図2における正側導体5、負側導体6と、コンデンサモジュール1の正負端子間をボルトで締結する必要がなくなる。
【0051】
また第1の実施形態では、充電したボルト頭部まわりには、近接して別部品を配置することができないのに対して、ボルトが不要になったため、空いたスペースを別部品の設置スペースなどに転用できる。逆に言えば、転用スペース分の小形化が可能になる。
【0052】
さらに、正側導体5−2と負側導体6−2をコンデンサエレメント1−2と同時に封止できるので、組立工数削減とともに、製造コストを低減することができる。
【0053】
(第3の実施の形態:請求項5に対応)
次に、本発明の第3の実施形態を、図1〜図3と同一部分には同一符号を付した図5を参照して説明する。図5も同様に、第1の実施形態で示したインバータ装置におけるコンデンサモジュール1−1の部分を取り出して示した立体図である。
【0054】
図5において、結線導体の正側端子および負側端子の配列を、負側端子212、正側端子112、正側端子113、負側端子213、負側端子214、正側端子114の順になるように、コンデンサエレメント対をコンデンサケース4−1に収納する。すなわち、エレメント対の隣接部では、結線導体の正負極性が同じになるように構成したものである。
【0055】
このような構成の本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。すなわち、このようにコンデンサモジュール1−1を構成した場合、正側端子112と正側端子113、負側端子213と負側端子214は、各々同じ極性であるため気中絶縁のための離隔距離確保が不要になる。そのため、端子相互間の間隔を縮小することができ、その結果コンデンサモジュール1−1の体積を縮小することができる。すなわち、インバータ装置を小形化することができる。
【0056】
(第4の実施の形態:請求項6に対応)
次に、本発明の第4の実施形態を、図1〜図3と同一部分には同一符号を付した図6を参照して説明する。
【0057】
図6も図4,図5と同様に、第1の実施形態で示したインバータ装置におけるコンデンサモジュール1−3の部分を取り出して示した立体図である。図6において、コンデンサケース4−3には、エレメント対の相互間を間仕切る隔壁41,42が形成されている。この隔壁41,42は、コンデンサケース4−3を製作する工程で、例えば射出成形法などにより一体で形成する。
【0058】
このようにコンデンサモジュール1−3を構成した場合、コンデンサケース4−3には、3個の小部屋が形成され、各部屋にコンデンサエレメント対が1組ずつ収納され、各々図示しない封止材で絶縁モールドされることになる。第1の実施形態では、コンデンサケース4−1全体を封止材8で絶縁モールドしていたのに対し、本実施形態では、ケース全体の1/3の容積を3箇所、絶縁モールドする形態となる。
【0059】
また、2個の隔壁41,42があるため、絶縁モールド1箇所分の容積が1/3になり、ケース4−3と封止材8の接着面積が、従来例である図15に示す従来例又は先の実施形態に比べて、隔壁41,42の両表面分だけ増加する。
【0060】
このような構成の本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。すなわち、封止材8のコンデンサケース4との接着強度がより増大し、コンデンサモジュール1−3の周囲温度の増大や、使用時の温度サイクル変化量の増大に対しても、経時劣化で接着部からクラックが入る可能性が低減する。その結果エレメントの絶縁性能が阻害される可能性も少なくなり、エレメントの寿命短縮や封止材の経時劣化を抑制できることから、インバータ装置の信頼性は向上する。
【0061】
(第5の実施の形態:請求項7に対応)
次に、本発明の第5の実施形態を、図6と同一部分には同一符号を付した図7を参照して説明する。
【0062】
図7も図4〜図6と同様に、インバータ装置におけるコンデンサモジュール1の部分を取り出して示した立体図である。
【0063】
図7において、コンデンサケース4−4には、エレメント対相互間を間仕切る隔壁41,42に加え、コンデンサケース4−4の開口表面付近に、エレメント対の並列結線したエレメント相互間を部分的に間仕切る、部分隔壁43A,43B,44A,44B,45A,45Bが形成されている。
【0064】
第4の実施形態の隔壁41,42と同様に、これらの部分隔壁43A,43B,44A,44B,45A,45Bもコンデンサケース4−4を製造する工程で、射出成形法などにより一体で形成する。
【0065】
このような構成の本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。すなわち、本実施形態のようにコンデンサモジュールを構成すると、コンデンサケース4−4の開口表面付近でケース4−4と封止材の接着面積を部分隔壁の分だけさらに大きくすることができる。その結果、経時劣化で接着部からクラックが入る可能性がさらに低減し、エレメントの絶縁性能が阻害される可能性もより少なくなり、一層、エレメントの寿命短縮や封止材の経時劣化を抑制できることから、インバータ装置の信頼性を高くなる。
【0066】
(第6の実施の形態:請求項8に対応)
次に、本発明の第6の実施形態を、図8を参照して説明する。
【0067】
図8も図4〜図7と同様に、インバータ装置におけるコンデンサモジュール1の部分を取り出して示した立体図である。図8において、コンデンサケース4の外囲器4Aを例えばアルミニウムなどの熱伝導率の大きい材料で形成し、コンデンサ端子台4Bを例えばPPS樹脂などの絶縁材料で形成したものである。
【0068】
なお、コンデンサ対は、コンデンサケース外囲器4A内に、図示しない封止材で絶縁モールドされている。
【0069】
このような構成の本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。すなわち、本実施形態のようにコンデンサモジュールを構成すると、コンデンサケース外囲器4Aの熱伝導率が大きいため、外囲器表面の温度差が小さくなり、有効放熱面積が増加する。そのため、コンデンサエレメントの温度上昇が低減し、その結果エレメントの長寿命化が図られ、この点でインバータ装置の信頼性は向上する。
【0070】
(第7の実施の形態:請求項9に対応)
次に、本発明の第7の実施形態を、図9を参照して説明する。
【0071】
図9も図4〜図8と同様に、第7の実施の形態のインバータ装置の立体図である。第6の実施形態で示したものと同様に、コンデンサケースの外囲器4Aを熱伝導率の大きい材料で形成し、コンデンサ正負端子台4Bを絶縁材料で形成したうえ、コンデンサモジュール1を、冷却器3に搭載している。図9では、パワー半導体モジュール2と一緒に冷却器3に搭載している。ただし、別個の冷却器を用意しても良い。
【0072】
このような構成の本実施形態によれば、先の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、次のような格別の効果も得られる。すなわち、本実施形態のようにコンデンサモジュールを冷却器に搭載すると、コンデンサエレメントの発熱を、図示しない封止材、ケース外囲器4Aを介して冷却器3で放熱することができる。そのため、外囲器表面の温度差が小さくなり、有効放熱面積が増加する。その結果、コンデンサエレメントの温度上昇を大きく低減することができ、エレメントの寿命がさらに増大する。
【0073】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、直流平滑コンデンサからパワー半導体素子までの配線部分に寄生するインダクタンスを低減し、かつ平滑コンデンサに内蔵したエレメントの寿命を大きくし、エレメントの封止材の経時劣化を抑制することが可能な構造を実現し、小形で信頼性が高いインバータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインバータ装置の立体構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態のインバータ装置の分解図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるコンデンサモジュールに収納した1相分のコンデンサエレメントと、正側結線導体、負側結線導体とを示した分解図。
【図4】本発明の第2の実施形態のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分を示した立体図。
【図5】本発明の第3の実施形態のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分を示した立体図。
【図6】本発明の第4の実施形態のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分を示した立体図。
【図7】本発明の第5の実施形態のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分を示した立体図。
【図8】本発明の第6の実施形態のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分を示した立体図。
【図9】本発明の第7の実施形態のインバータ装置の立体構成図。
【図10】三相インバータ装置の直流平滑回路と逆変換回路の部分を示した回路図。
【図11】装置構成を加味した三相インバータ装置の直流平滑回路と逆変換回路の部分を示した回路図。
【図12】従来のインバータ装置の立体構成図。
【図13】従来のインバータ装置の分解図。
【図14】従来のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの部分の分解図。
【図15】従来のインバータ装置におけるコンデンサモジュールの内部を示した平面図。
【図16】従来のインバータ装におけるコンデンサから素子までの外部配線の形状を示した平面図。
【符号の説明】
1−1,1−2,1−3,1−4…コンデンサモジュール、2…パワー半導体モジュール、3…ヒートシンク、4−1,4−2,4−3,4−4…コンデンサケース、4A…外囲器、4B…コンデンサ端子台、5−1,5−2…正側導体、6−1,6−2…負側導体、7…六角ボルト、8…封止材、10…直流平滑コンデンサ、11A〜11C,12A〜12C,13A〜13C…コンデンサエレメント、21〜26…スイッチングデバイス、31〜36…ダイオード、41,42…隔壁、43A,43B,44A,44B,45A,45B…部分隔壁、50,52−1,52A,53−1,53A,54−1,54A…正側結線導体、60,62−1,62A,63−1,63A,64−1,64A…負側結線導体、101、112,113,114…コンデンサ正側端子、101A,112A,113A,114A…コンデンサ正側接続部、102,103,104…素子正側端子、102A,103A,104A…素子正側接続部、201,212,213,214…コンデンサ負側端子、201A,212A,213A,214A…コンデンサ負側接続部、202,203,204…素子負側端子、202A,203A,204A…素子負側接続部。

Claims (9)

  1. パワー半導体モジュールと、コンデンサモジュールとを備え、前記半導体モジュールと前記コンデンサモジュールとの直流端子間を接続してなるインバータ装置において、
    前記コンデンサモジュールは、複数のコンデンサエレメントと、この複数のコンデンサエレメントを並列に接続すると共に一端をコンデンサ正負端子とした正負の結線導体と、この正負の結線導体及び前記複数のコンデンサエレメントとからなるエレメント対を複数備えてなり、
    前記コンデンサ正負端子と前記半導体モジュールの正負端子との間を接続する正負の絶縁積層導体を備えることを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記半導体モジュールは複数の相からなると共に当該相毎に正負端子を有し、前記コンデンサモジュールは前記相に対応した数のエレメント対を有することを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記コンデンサモジュールは、前記複数組のエレメント対を内蔵するコンデンサケースを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ装置。
  4. 前記絶縁積層導体を、前記コンデンサケースに内蔵すると共に前記結線導体の一端を前記コンデンサケース内で前記絶縁積層導体に直接接続したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のインバータ装置。
  5. 前記複数のエレメント対を、隣接する結線導体の正負極性が同じになるように前記コンデンサケースに収納したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のインバータ装置。
  6. 前記コンデンサケースに、前記エレメント対相互間を間仕切りする隔壁を形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のインバータ装置。
  7. 前記コンデンサケースの開口表面付近に、前記エレメント対の並列結線したエレメント相互間を間仕切りする部分隔壁を形成したことを特徴とする請求項6記載のインバータ装置。
  8. 前記コンデンサケースを、外囲器は熱伝導率の大きい材料で形成し、コンデンサ端子台は絶縁材料で形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載のインバータ装置。
  9. 前記コンデンサケースを、冷却器に搭載したことを特徴とする請求項8記載のインバータ装置。
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