JP2005016465A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】この発明の目的は、小排気量で発熱量の小さいエンジンのアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止することにある。
【構成】このため、この発明は、少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置を設け、アイドル回転数制御手段を設け、点火時期制御手段を設け、エンジン水温検出手段を設け、エンジンがアイドル運転状態であり、空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【構成】このため、この発明は、少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置を設け、アイドル回転数制御手段を設け、点火時期制御手段を設け、エンジン水温検出手段を設け、エンジンがアイドル運転状態であり、空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの制御装置に係り、特に、小排気量で発熱量の小さいエンジンのアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止し得るエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、エンジンのエンジン冷却水を熱源として利用するヒータやエンジンの駆動力を利用して冷媒を圧縮するクーラを備えた空調装置を設けているものがある。エンジン冷却水を熱源として利用するヒータを備えた空調装置は、エンジンが小排気量の場合に、エンジンの発熱量が小さいことから、アイドル運転時にヒータの放熱量が減少して暖房性能が低下する問題がある。
【0003】
このような問題に対処するエンジンの制御装置には、車両アイドル状態におけるヒータ使用時に、空気温度が設定値以下にあるとともに冷却水温度が設定値以上にある際には、アイドル回転数を上昇させるように制御するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来のエンジンの制御装置には、要求する暖房能力が所定値以上であり、且つエンジンがアイドル状態であると判定されたときに、アイドル目標回転数を増量させてアイドルアップさせるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−155637号公報(第4頁、第2図)
【特許文献2】
特開平3−160136号公報(第6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータを備えた空調装置においては、エンジンが小排気量で発熱量が小さい場合に、前記のようにアイドル運転時にヒータの放熱量が減少して暖房性能が低下する問題がある。
【0006】
特に、寒冷時における小排気量のエンジンの冷機始動後であって、暖機完了前の未暖機状態でヒータを作動させてヒータファンを最強にし、エンジンをアイドル運転状態で放置した場合には、エンジンの発熱量が小さいことからエンジン水温が上昇しにくく(例えば、摂氏80度以上にならない)、ヒータの放熱量が減少して暖房性能が著しく低下する不都合がある。
【0007】
また、小排気量のエンジンの冷機始動後であって、暖機完了後の完全暖機状態におけるアイドル運転時にヒータを作動させた場合には、エンジンの発熱量が小さいことからエンジン水温が徐々に下がってしまい(例えば、摂氏90度から摂氏70度に下がる)、ヒータの放熱量が減少して暖房性能が著しく低下する不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、エンジンの少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置を設け、前記エンジンのアイドル運転時にエンジン回転数が目標アイドル回転数になるように制御するアイドル回転数制御手段を設け、前記エンジンの点火時期が目標点火時期になるように制御する点火時期制御手段を設け、前記エンジンのエンジン水温を検出するエンジン水温検出手段を設け、前記エンジンがアイドル運転状態であり、前記空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明のエンジンの制御装置は、制御手段によって、エンジンがアイドル運転状態であり、空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御することにより、エンジン水温の変化を監視して、例えば、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化しあるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を利用する空調装置の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジンの発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図6は、この発明の実施例を示すものである。図6において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッド、8はシリンダ、10はピストン、12は燃焼室である。エンジン2は、燃焼室12に連通する吸気ポート14と排気ポート16とを設け、吸気ポート14と排気ポート16とを夫々開閉する吸気弁18と排気弁20とを設け、吸気ポート14に連通する吸気通路22と排気ポート16に連通する排気通路24とを設けている。
【0011】
このエンジン2は、燃焼室12に臨ませて点火プラグ26を夫々設けている。点火プラグ26には、点火コイル28を接続して設けている。エンジン2には、吸気ポート14に指向させて燃料噴射弁30を設け、燃料噴射弁30上流側の吸気通路22に吸入空気量を調整するスロットルバルブ32を設けている。吸気通路22には、スロットルバルブ32をバイパスして連通するバイパス通路34を設け、バイパス通路34のバイパス空気量を調整するアイドル制御弁36を設けている。
【0012】
このエンジン2を搭載した車両には、少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置38を設けている。この空調装置38は、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータ40を備えている。ヒータ40は、エンジン冷却水を循環させて通過する空気を加熱するヒータコア42を設け、加熱した空気を車室(図示せず)に送風するヒータファン44を設けている。ヒータ40は、インストルメントパネル(図示せず)等に設けられたヒータスイッチ46のON・OFFにより作動・非作動状態になり、ヒータコア42に冷却水を循環・停止されるとともにヒータファン44を駆動・停止される。
【0013】
前記点火コイル28と燃料噴射弁30とアイドル制御弁36とヒータスイッチ46とは、エンジン2の制御装置48を構成する制御部(ECU)50に接続して設けている。
【0014】
制御部50には、エンジン冷却水のエンジン水温を検出するエンジン水温検出手段である水温センサ52と、図示しないクランク軸のクランク角を検出するクランク角センサ54と、スロットルバルブ32のスロットル開度を検出するスロットルセンサ56と、エンジン2のエンジン回転数を検出する回転数センサ58と、を接続して設けている。また、制御部50には、エンジン2のイグニションスイッチ60と、スタータモータ(図示せず)を駆動するスタータスイッチ62と、を接続して設けている。
【0015】
この制御部50には、アイドル運転時に負荷条件に応じてエンジン回転数が目標アイドル回転数になるようにアイドル制御弁36を制御するアイドル回転数制御手段64を設け、点火プラグ26の点火時期が目標点火時期になるように点火コイル28を制御する点火時期制御手段66を設け、また、噴射量が目標噴射量になるように燃料噴射弁30を制御する燃料噴射量制御手段68を設けている。
【0016】
制御部50は、各センサ52〜各スイッチ62から信号を入力し、アイドル回転数制御手段64と点火時期制御手段66と燃料噴射量制御手段68とによって点火コイル28とアイドル制御弁36と燃料噴射弁30とを制御する。
【0017】
また、制御部50には、エンジン2の発熱量を制御する制御手段70を設けている。
【0018】
制御手段70には、エンジン2の冷機始動後であって、暖機完了前の未暖機状態における制御の実行・停止を判定する未暖機条件として、1.エンジン水温が設定水温値T1(例えば、摂氏60度)以下(エンジン水温≦T1)であること、2.設定時間内における現在と前回(例えば、100秒前)とのエンジン水温の変化量が設定変化値T2(例えば、5度)以下(現在水温−前回水温≦T2)であること、3.ヒータスイッチ46がONであること、4.エンジン2がアイドル運転状態であること、を設定している。
【0019】
また、制御手段70には、エンジン2の冷機始動後であって、暖機完了後の完全暖機状態における制御の実行・停止を判定する完全暖機条件として、5.エンジン水温が設定水温値T3(例えば、摂氏90度)以下(エンジン水温≦T3)であること、6.設定時間内における現在と前回(例えば、100秒前)とのエンジン水温の変化量が設定変化値T4(例えば、−1度)以下(現在水温−前回水温≦T4)であること、7.ヒータスイッチ46がONであること、8.エンジン2がアイドル運転状態であること、を設定している。
【0020】
制御手段70は、スロットルセンサ56の検出するスロットル開度によってエンジン2がアイドル運転状態であり、ヒータスイッチ46のONによって空調装置38のヒータ40が作動状態であり、水温センサ52の検出するエンジン水温が設定水温値よりも低く、且つ水温センサ52の検出するエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい前記条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御して、エンジン2の発熱量を増大させる。
【0021】
このとき、制御手段70は、エンジン水温の低下に応じて目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を増加させるように制御し、また、エンジン2の暖機状態(未暖機状態・完全暖機状態)に応じて設定水温値を異ならせる(T1・T3)ように制御する。
【0022】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0023】
エンジン2の制御装置48は、図1に示す如く、イグニションスイッチ60のONにより制御部50の制御手段70のプログラムがスタートして(100)、スタータスイッチ62のONによりエンジン2を始動させると(102)、未暖機条件1〜4または完全暖機条件5〜8のいずれが成立するかを判断する(104)。
【0024】
この判断(104)がNOの場合は、この判断(104)を繰り返す。
【0025】
この判断(104)がYESの場合は、基本回転数に上昇量N1(図4に示すテーブルTN1で参照)を加えて目標アイドル回転数を上昇させる(目標アイドル回転数=基本回転数+N1)ように制御し、且つ基本進角から遅角量A1(図5に示すテーブルTA1で参照)を引いて目標点火時期を遅角させる(目標点火時期=基本進角−A1)ように制御する(106)。
【0026】
このとき、エンジン2の冷機始動後の暖機完了前であって、図2に示す如く、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化して、未暖機条件が成立する場合には、目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を瞬時に増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を瞬時に増加させように制御する。
【0027】
また、エンジン2の冷機始動後の暖機完了後であって、図3に示す如く、エンジン水温の低下が増大する方向に変化して、完全暖機条件が成立する場合には、目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を緩やかに増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を緩やかに増加させように制御する。
【0028】
これらの制御は、エンジン2が停止されると(108)、エンドにする(110)。
【0029】
このように、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の変化を監視し、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化し、あるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータ40の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジン2の発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができ、ヒータ40の放熱量の減少を防止することができる。
【0030】
このため、このエンジン2の制御装置48は、小排気量で発熱量の小さいエンジン2のアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止することができる。
【0031】
また、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の変化によってヒータ40の作動・非作動状態を推定することができることにより、ヒータスイッチ46が制御部50に接続されていず、ヒータ40の作動・非作動状態を示す信号が入力されていない場合にも、ヒータ40の作動・非作動状態を判定することができるため、条件からヒータ40の作動条件を外して制御を実施することができ、制御プログラムを簡素化することができる。
【0032】
さらに、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の低下に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増加させ、且つ目標点火時期の遅角量を増加させるように制御していることにより、精度の高いエンジン2の制御を実現することができ、暖房性能向上と燃料消費量低減を両立することができる。
【0033】
さらにまた、このエンジン2の制御装置48は、エンジン2の暖機状態(未暖機状態・完全暖機状態)に応じて、設定水温値を異ならせるように制御していることにより、条件に応じた精度の高い空調装置38の制御を実施することができる。
【0034】
なお、この実施例においては、エンジン水温の低下に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増加させ、且つ目標点火時期の遅角量を増加させるように制御しているが、ヒータファン44の回転数変化に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増減させ、且つ目標点火時期の遅角量を増減させるように制御することにより、要求暖房性能に応じて発熱量を増大量を増減させることができ、暖房性能を確保することができる。
【0035】
また、この実施例においては、目標アイドル回転数の上昇と目標点火時期の遅角とによってエンジン2の発熱量を増大させて暖房性能の低下を防止しているが、目標アイドル回転数の上昇と目標点火時期の遅角とに併せて、燃焼温度が最高になる空燃比(例えば、15付近)になるよう燃料噴射量を制御することにより、エンジン2の発熱量をさらに増大させて暖房性能の低下をより効果的に防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
このように、この発明のエンジンの制御装置は、エンジン水温の変化を監視し、例えば、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化し、あるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を利用する空調装置の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジンの発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができる。
このため、このエンジンの制御装置は、小排気量で発熱量の小さいエンジン2のアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの制御装置の実施例を示す制御のフローチャートである。
【図2】暖機完了前の未暖機状態における制御のタイムチャートである。
【図3】暖機完了後の完全暖機状態における制御のタイムチャートである。
【図4】目標アイドル回転数の上昇量のテーブルを示す図である。
【図5】目標点火時期の遅角量のテーブルを示す図である。
【図6】エンジンの制御装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 エンジン
12 燃焼室
22 吸気通路
24 排気通路
26 点火プラグ
28 点火コイル
30 燃料噴射弁
32 スロットルバルブ
34 バイパス通路
36 アイドル制御弁
38 空調装置
40 ヒータ
42 ヒータコア
44 ヒータファン
46 ヒータスイッチ
48 制御装置
50 制御部
52 水温センサ
54 クランク角センサ
56 スロットルセンサ
58 回転数センサ
60 イグニションスイッチ
62 スタータスイッチ
64 アイドル回転数制御手段
66 点火時期制御手段
68 燃料噴射量制御手段
70 制御手段
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの制御装置に係り、特に、小排気量で発熱量の小さいエンジンのアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止し得るエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、エンジンのエンジン冷却水を熱源として利用するヒータやエンジンの駆動力を利用して冷媒を圧縮するクーラを備えた空調装置を設けているものがある。エンジン冷却水を熱源として利用するヒータを備えた空調装置は、エンジンが小排気量の場合に、エンジンの発熱量が小さいことから、アイドル運転時にヒータの放熱量が減少して暖房性能が低下する問題がある。
【0003】
このような問題に対処するエンジンの制御装置には、車両アイドル状態におけるヒータ使用時に、空気温度が設定値以下にあるとともに冷却水温度が設定値以上にある際には、アイドル回転数を上昇させるように制御するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来のエンジンの制御装置には、要求する暖房能力が所定値以上であり、且つエンジンがアイドル状態であると判定されたときに、アイドル目標回転数を増量させてアイドルアップさせるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−155637号公報(第4頁、第2図)
【特許文献2】
特開平3−160136号公報(第6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータを備えた空調装置においては、エンジンが小排気量で発熱量が小さい場合に、前記のようにアイドル運転時にヒータの放熱量が減少して暖房性能が低下する問題がある。
【0006】
特に、寒冷時における小排気量のエンジンの冷機始動後であって、暖機完了前の未暖機状態でヒータを作動させてヒータファンを最強にし、エンジンをアイドル運転状態で放置した場合には、エンジンの発熱量が小さいことからエンジン水温が上昇しにくく(例えば、摂氏80度以上にならない)、ヒータの放熱量が減少して暖房性能が著しく低下する不都合がある。
【0007】
また、小排気量のエンジンの冷機始動後であって、暖機完了後の完全暖機状態におけるアイドル運転時にヒータを作動させた場合には、エンジンの発熱量が小さいことからエンジン水温が徐々に下がってしまい(例えば、摂氏90度から摂氏70度に下がる)、ヒータの放熱量が減少して暖房性能が著しく低下する不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、エンジンの少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置を設け、前記エンジンのアイドル運転時にエンジン回転数が目標アイドル回転数になるように制御するアイドル回転数制御手段を設け、前記エンジンの点火時期が目標点火時期になるように制御する点火時期制御手段を設け、前記エンジンのエンジン水温を検出するエンジン水温検出手段を設け、前記エンジンがアイドル運転状態であり、前記空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明のエンジンの制御装置は、制御手段によって、エンジンがアイドル運転状態であり、空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御することにより、エンジン水温の変化を監視して、例えば、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化しあるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を利用する空調装置の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジンの発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができる。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図6は、この発明の実施例を示すものである。図6において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッド、8はシリンダ、10はピストン、12は燃焼室である。エンジン2は、燃焼室12に連通する吸気ポート14と排気ポート16とを設け、吸気ポート14と排気ポート16とを夫々開閉する吸気弁18と排気弁20とを設け、吸気ポート14に連通する吸気通路22と排気ポート16に連通する排気通路24とを設けている。
【0011】
このエンジン2は、燃焼室12に臨ませて点火プラグ26を夫々設けている。点火プラグ26には、点火コイル28を接続して設けている。エンジン2には、吸気ポート14に指向させて燃料噴射弁30を設け、燃料噴射弁30上流側の吸気通路22に吸入空気量を調整するスロットルバルブ32を設けている。吸気通路22には、スロットルバルブ32をバイパスして連通するバイパス通路34を設け、バイパス通路34のバイパス空気量を調整するアイドル制御弁36を設けている。
【0012】
このエンジン2を搭載した車両には、少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置38を設けている。この空調装置38は、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータ40を備えている。ヒータ40は、エンジン冷却水を循環させて通過する空気を加熱するヒータコア42を設け、加熱した空気を車室(図示せず)に送風するヒータファン44を設けている。ヒータ40は、インストルメントパネル(図示せず)等に設けられたヒータスイッチ46のON・OFFにより作動・非作動状態になり、ヒータコア42に冷却水を循環・停止されるとともにヒータファン44を駆動・停止される。
【0013】
前記点火コイル28と燃料噴射弁30とアイドル制御弁36とヒータスイッチ46とは、エンジン2の制御装置48を構成する制御部(ECU)50に接続して設けている。
【0014】
制御部50には、エンジン冷却水のエンジン水温を検出するエンジン水温検出手段である水温センサ52と、図示しないクランク軸のクランク角を検出するクランク角センサ54と、スロットルバルブ32のスロットル開度を検出するスロットルセンサ56と、エンジン2のエンジン回転数を検出する回転数センサ58と、を接続して設けている。また、制御部50には、エンジン2のイグニションスイッチ60と、スタータモータ(図示せず)を駆動するスタータスイッチ62と、を接続して設けている。
【0015】
この制御部50には、アイドル運転時に負荷条件に応じてエンジン回転数が目標アイドル回転数になるようにアイドル制御弁36を制御するアイドル回転数制御手段64を設け、点火プラグ26の点火時期が目標点火時期になるように点火コイル28を制御する点火時期制御手段66を設け、また、噴射量が目標噴射量になるように燃料噴射弁30を制御する燃料噴射量制御手段68を設けている。
【0016】
制御部50は、各センサ52〜各スイッチ62から信号を入力し、アイドル回転数制御手段64と点火時期制御手段66と燃料噴射量制御手段68とによって点火コイル28とアイドル制御弁36と燃料噴射弁30とを制御する。
【0017】
また、制御部50には、エンジン2の発熱量を制御する制御手段70を設けている。
【0018】
制御手段70には、エンジン2の冷機始動後であって、暖機完了前の未暖機状態における制御の実行・停止を判定する未暖機条件として、1.エンジン水温が設定水温値T1(例えば、摂氏60度)以下(エンジン水温≦T1)であること、2.設定時間内における現在と前回(例えば、100秒前)とのエンジン水温の変化量が設定変化値T2(例えば、5度)以下(現在水温−前回水温≦T2)であること、3.ヒータスイッチ46がONであること、4.エンジン2がアイドル運転状態であること、を設定している。
【0019】
また、制御手段70には、エンジン2の冷機始動後であって、暖機完了後の完全暖機状態における制御の実行・停止を判定する完全暖機条件として、5.エンジン水温が設定水温値T3(例えば、摂氏90度)以下(エンジン水温≦T3)であること、6.設定時間内における現在と前回(例えば、100秒前)とのエンジン水温の変化量が設定変化値T4(例えば、−1度)以下(現在水温−前回水温≦T4)であること、7.ヒータスイッチ46がONであること、8.エンジン2がアイドル運転状態であること、を設定している。
【0020】
制御手段70は、スロットルセンサ56の検出するスロットル開度によってエンジン2がアイドル運転状態であり、ヒータスイッチ46のONによって空調装置38のヒータ40が作動状態であり、水温センサ52の検出するエンジン水温が設定水温値よりも低く、且つ水温センサ52の検出するエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい前記条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御して、エンジン2の発熱量を増大させる。
【0021】
このとき、制御手段70は、エンジン水温の低下に応じて目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を増加させるように制御し、また、エンジン2の暖機状態(未暖機状態・完全暖機状態)に応じて設定水温値を異ならせる(T1・T3)ように制御する。
【0022】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0023】
エンジン2の制御装置48は、図1に示す如く、イグニションスイッチ60のONにより制御部50の制御手段70のプログラムがスタートして(100)、スタータスイッチ62のONによりエンジン2を始動させると(102)、未暖機条件1〜4または完全暖機条件5〜8のいずれが成立するかを判断する(104)。
【0024】
この判断(104)がNOの場合は、この判断(104)を繰り返す。
【0025】
この判断(104)がYESの場合は、基本回転数に上昇量N1(図4に示すテーブルTN1で参照)を加えて目標アイドル回転数を上昇させる(目標アイドル回転数=基本回転数+N1)ように制御し、且つ基本進角から遅角量A1(図5に示すテーブルTA1で参照)を引いて目標点火時期を遅角させる(目標点火時期=基本進角−A1)ように制御する(106)。
【0026】
このとき、エンジン2の冷機始動後の暖機完了前であって、図2に示す如く、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化して、未暖機条件が成立する場合には、目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を瞬時に増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を瞬時に増加させように制御する。
【0027】
また、エンジン2の冷機始動後の暖機完了後であって、図3に示す如く、エンジン水温の低下が増大する方向に変化して、完全暖機条件が成立する場合には、目標アイドル回転数の上昇量(アイドルアップ量)を緩やかに増加させ且つ目標点火時期の遅角量(リタード量)を緩やかに増加させように制御する。
【0028】
これらの制御は、エンジン2が停止されると(108)、エンドにする(110)。
【0029】
このように、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の変化を監視し、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化し、あるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を熱源として利用するヒータ40の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジン2の発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができ、ヒータ40の放熱量の減少を防止することができる。
【0030】
このため、このエンジン2の制御装置48は、小排気量で発熱量の小さいエンジン2のアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止することができる。
【0031】
また、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の変化によってヒータ40の作動・非作動状態を推定することができることにより、ヒータスイッチ46が制御部50に接続されていず、ヒータ40の作動・非作動状態を示す信号が入力されていない場合にも、ヒータ40の作動・非作動状態を判定することができるため、条件からヒータ40の作動条件を外して制御を実施することができ、制御プログラムを簡素化することができる。
【0032】
さらに、このエンジン2の制御装置48は、エンジン水温の低下に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増加させ、且つ目標点火時期の遅角量を増加させるように制御していることにより、精度の高いエンジン2の制御を実現することができ、暖房性能向上と燃料消費量低減を両立することができる。
【0033】
さらにまた、このエンジン2の制御装置48は、エンジン2の暖機状態(未暖機状態・完全暖機状態)に応じて、設定水温値を異ならせるように制御していることにより、条件に応じた精度の高い空調装置38の制御を実施することができる。
【0034】
なお、この実施例においては、エンジン水温の低下に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増加させ、且つ目標点火時期の遅角量を増加させるように制御しているが、ヒータファン44の回転数変化に応じて、目標アイドル回転数の上昇量を増減させ、且つ目標点火時期の遅角量を増減させるように制御することにより、要求暖房性能に応じて発熱量を増大量を増減させることができ、暖房性能を確保することができる。
【0035】
また、この実施例においては、目標アイドル回転数の上昇と目標点火時期の遅角とによってエンジン2の発熱量を増大させて暖房性能の低下を防止しているが、目標アイドル回転数の上昇と目標点火時期の遅角とに併せて、燃焼温度が最高になる空燃比(例えば、15付近)になるよう燃料噴射量を制御することにより、エンジン2の発熱量をさらに増大させて暖房性能の低下をより効果的に防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
このように、この発明のエンジンの制御装置は、エンジン水温の変化を監視し、例えば、エンジン水温の上昇が減少する方向に変化し、あるいはエンジン水温の低下が増大する方向に変化している場合には、エンジン冷却水を利用する空調装置の作動によりエンジン水温が低下していると推定できることから、目標アイドル回転数を上昇させ、また目標点火時期を遅角させることによってエンジンの発熱量を増大させることができ、エンジン水温を上昇させることができる。
このため、このエンジンの制御装置は、小排気量で発熱量の小さいエンジン2のアイドル運転状態における暖房性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの制御装置の実施例を示す制御のフローチャートである。
【図2】暖機完了前の未暖機状態における制御のタイムチャートである。
【図3】暖機完了後の完全暖機状態における制御のタイムチャートである。
【図4】目標アイドル回転数の上昇量のテーブルを示す図である。
【図5】目標点火時期の遅角量のテーブルを示す図である。
【図6】エンジンの制御装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 エンジン
12 燃焼室
22 吸気通路
24 排気通路
26 点火プラグ
28 点火コイル
30 燃料噴射弁
32 スロットルバルブ
34 バイパス通路
36 アイドル制御弁
38 空調装置
40 ヒータ
42 ヒータコア
44 ヒータファン
46 ヒータスイッチ
48 制御装置
50 制御部
52 水温センサ
54 クランク角センサ
56 スロットルセンサ
58 回転数センサ
60 イグニションスイッチ
62 スタータスイッチ
64 アイドル回転数制御手段
66 点火時期制御手段
68 燃料噴射量制御手段
70 制御手段
Claims (3)
- エンジンの少なくともエンジン冷却水を利用する空調装置を設け、前記エンジンのアイドル運転時にエンジン回転数が目標アイドル回転数になるように制御するアイドル回転数制御手段を設け、前記エンジンの点火時期が目標点火時期になるように制御する点火時期制御手段を設け、前記エンジンのエンジン水温を検出するエンジン水温検出手段を設け、前記エンジンがアイドル運転状態であり、前記空調装置が作動状態であり、エンジン水温が設定水温値よりも低く、且つエンジン水温の設定時間内における変化量が設定変化値よりも小さい条件が成立する場合には、目標アイドル回転数を上昇させ且つ目標点火時期を遅角させるように制御する制御手段を設けたことを特徴とするエンジンの制御装置。
- 前記制御手段は、エンジン水温の低下に応じて目標アイドル回転数の上昇量を増加させ、且つ目標点火時期の遅角量を増加させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- 前記制御手段は、エンジンの暖機状態に応じて設定水温値を異ならせるように制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003184454A JP2005016465A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | エンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2003184454A JP2005016465A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | エンジンの制御装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005016465A true JP2005016465A (ja) | 2005-01-20 |
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ID=34184222
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003184454A Pending JP2005016465A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | エンジンの制御装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
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- 2003-06-27 JP JP2003184454A patent/JP2005016465A/ja active Pending
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