JP2005016582A - 上下動機構および寝台 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下動機構における送りねじ軸にかかるラジアル荷重を低減する。
【解決手段】物体を支持する支持体に略平行に配置され、両端部が回転可能に止着された送りねじ軸に螺合されるとともに、支持体に連結されたナット部の回転に応じて支持体を上下させる上下動機構において、前記ナット部に、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が送りねじ軸に係合され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体を両面から挟持して成る調心手段を備えた。
これにより、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によってミスアライメントが補正され、送りねじ軸に作用するラジアル荷重が低減される。
【選択図】 図3
【解決手段】物体を支持する支持体に略平行に配置され、両端部が回転可能に止着された送りねじ軸に螺合されるとともに、支持体に連結されたナット部の回転に応じて支持体を上下させる上下動機構において、前記ナット部に、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が送りねじ軸に係合され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体を両面から挟持して成る調心手段を備えた。
これにより、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によってミスアライメントが補正され、送りねじ軸に作用するラジアル荷重が低減される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体を上下させるための上下動機構および寝台に係り、特に調心手段を備えた上下動機構および寝台に関する。
【0002】
【従来の技術】
リードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸による駆動機構を用いて、物体を上下動させるものにおいて、加工精度や組立精度のばらつきによるミスアライメントを避けることはできない。このミスアライメントが生じると、リードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸にラジアル荷重とモーメントが作用することとなり、上下動をスムーズに行わせることができなくなるばかりではなく、故障の原因ともなるものである。そこで従来から、これらの駆動機構に自動調心玉軸受などの調心機構を付加することによって、組立時のミスアライメントを吸収することが行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−50247号公報(第4頁、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の調心機構は送りねじ軸であるリードスクリューやボールスクリューなどを片持支持した場合に、自動調心玉軸受の内輪を、外輪に対して傾かせることによって送りねじ軸への負担を軽減させるものであり、送りねじ軸の両端が軸受によって支持されている場合の調心機構としては、十分な効果を期待することはできなかった。
そこで本発明は、両端が軸受によって支持されているリードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸に対して、ラジアル荷重を低減することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、物体を支持する支持体と、この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合されるとともに前記支持体に連結されたナット部と、前記送りねじ軸を駆動する駆動手段とを有し、前記送りねじ軸の回転に応じて前記ナット部を介して前記支持体を上下させる上下動機構において、前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体を両面から挟持して成る調心手段を、前記ナット部に備えたことを特徴とする。
これにより、組立時にミスアライメントがあっても、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によって、そのミスアライメントを補正するので、調心が極めてスムーズに行われ、送りねじ軸に作用するラジアル荷重も低減することができ、上下動機構の信頼性を向上することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、被検体を載置する天板部を支持する支持体と、 この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され、球面軸受を介して外囲体で囲まれているナット部と、このナット部を前記支持体に連結する連結手段と、前記ナット部に設けられ、前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合されており、一方の面が前記ナット部により、他方の面が前記連結手段により挟持され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体と、 前記送りねじ軸を駆動する駆動手段と、この駆動手段により駆動される前記送りねじ軸を介して上下動する前記支持体を案内する案内手段とを具備することを特徴とする寝台である。
これにより、組立時のミスアライメントが効果的に補正されるので、寝台に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることが防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る上下動機構および寝台の一実施の形態を、医療機器として使用される寝台に適用した場合について、図1ないし図7を参照して詳細に説明する。
図1は、医療機器として使用される寝台の一例を示した外観図である。この寝台10は、ベース11に設置され上下動機構を備えた支持部12と、支持部12に載置された天板保持部13と、天板保持部13に保持された被検体を載置する天板14と、支持部12の上下動機構や天板14を長手方向へ進退させるための駆動源となるモータ15とから成り、天板保持部13には医師または技師により寝台10を操作するための操作器16が備えられている。
よって、操作器16を操作することにより、支持部12を上下動させて天板14の高さを被検体の乗り降りに適した位置に調整したり、図示しない撮影装置の高さに合わせたりし、或いは、被検体の撮影部位に合わせて天板14を撮影装置へ送り込んだりする。なお、支持部12は通常化粧カバーに覆われているので、外部から上下動機構を見ることはできない。
【0008】
次に、図2を参照して、支持部12における上下動機構の一実施の形態について説明する。
図2は、支持部12の正面図を示したものである。支持部12は、ベース11に立設された筒状の構造体21と、この構造体21に略平行に配置されたリードスクリュー22と、構造体21内を上下方向に移動しながら荷重(例えば、天板保持部13)を支える移動体23と、リードスクリュー22に螺合されるとともに、一端が移動体23に固着されたナット部24とから構成されている。
そして、リードスクリュー22は、その上端がL字状の金具25によって構造体21に、またその下端は止め具26によってベース11に、それぞれ回転可能に止着されている。また、リードスクリュー22に螺合されているナット部24は、移動体23に対してL字状の金具27によって固着されている。よって、構造体21のリードスクリュー22に対向する面には、移動体23の上下方向への移動に支障とならないように、L字状の金具27を貫通させる切り欠が形成されている。
一方、移動体23の図示左側面を除く三方の面には、縦方向に延びたレール28が溶接などによって取着されている。そして、レール28は、構造体21の内壁に設けられたそれぞれ対をなす複数のローラ29に案内されるようになっており、移動体23が上下に移動する際に横揺れを生じさせないようにしている。なお、リードスクリュー22を駆動するための駆動機構の図示は省略したが、リードスクリュー22は、図1に示したモータ15を動力源として回転駆動される。
すなわち、モータ15を正転させるとリードスクリュー22は時計方向へ回転し、ナット部24を上方へ移動させるので、移動体23が上昇する。逆に、モータ15を逆転させるとリードスクリュー22は反時計方向へ回転し、ナット部24を下方へ移動させるので、移動体23は下降する。よって、移動体23に支持されている天板保持部13を任意に上下動させることができることになる。
ところで、通常リードスクリュー22のラジアル荷重の負担能力が小さいので、上記のようなリードスクリュー22の上下両端を支持したような構造の上下動機構では、レール28とローラ29によってラジアル荷重とモーメントを受け持ち、リードスクリュー22はスラスト荷重のみを受けるようにしている。しかしながら、上下動機構の各構成要素がいかに精度良く製作されていたとしても、組立時のミスアライメントを避けることは難しく、そのため、リードスクリュー22にラジアル荷重やモーメントが作用するおそれがある。
【0009】
そこで本発明では、ナット部24に、図3ないし図7に示すような調心機構を採用することにより、リードスクリュー22にラジアル荷重やモーメントが作用するのを防止している。
図3は、調心機構を有するナット部24の、内部構造の一実施の形態を示した縦断面図である。すなわち、リードスクリュー22に断面が略凸状をしたナット24aが螺合しており、ナット24aの凸部に球面軸受24bが勘合している。球面軸受24bの外囲体24cはナット24aにねじ24dなどにより強固に固着されているとともに、その上面24eは平らに形成され、その平らな面24eに輪状の転動体24fが、リードスクリュー22を挿通させるとともに、輪の内側がリードスクリュー22に接触しないように余裕をもって載置されている。
さらに、転動体24fは押さえ部材24gによって、周辺が囲まれるように、上方から移動体23の荷重によって押さえつけられている。この押さえ部材24gは、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27の一部を構成するものであり、転動体24fに対向する面は平らに形成されている。なお、転動体24fの外周側は押さえ部材24gに対して所定の空隙をもって囲まれているとともに、押さえ部材24gは外囲体24cの周りに、リードスクリュー22を間にして対向する2箇所でねじ24hなどによって揺動可能に係止されている。
【0010】
このようなナット部24の調心機構の主要部分を図4に斜視図で示し、さらにその各部分の概略を図5ないし図7に示してある。
すなわち、調心機構の主要部分は図4に示すように、上面24eが平らに形成された凸状の外囲体24c(図4(c)参照)と、外囲体24cの上面24eに載置される転動体24f(図4(b)参照)と、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27の一部を構成する押さえ部材24g(図4(a)参照)とから構成され、それぞれリードスクリュー22を挿通させる貫通孔Hが穿設されている。
外囲体24cは、前述のように球面軸受24bの外側を囲んでおり、図5(a)に側面図、同図(b)に平面図で示すように、円形の平面を有し、側面から見ると凸状を為している。そして、この凸状の上面24eに転動体24fが載置される。一例を示すと、凸状をした外囲体24cの基部は約150φ、上面24eは約120φである。
転動体24fは、図6(a)に平面図、同図(b)に側面図を示すように、輪状の平らな金属製の板に周状に複数の鋼製のボール24iを嵌め込んだものであり、ボール24iの一部は板の上下両面から突出しているとともに、外力を受けて軽く回転されるものである。この転動体24fの大きさは、外囲体24cの凸状の上面24eより若干小さい直径に形成されている。例えば、外径は約90φ、リードスクリュー22を挿通させる貫通孔は約40φ、板厚は約7mm、ボール24iの直径は約10mmであり、リードスクリュー22は例えば30φである。
【0011】
さらに、外囲体24cの平らな上面24eに載置された転動体24fは、押さえ部材24gによって上方から押さえられている。この押さえ部材24gの一例として、L字状の金具27の内、移動体23に連結される側の部分を省略した要部を、図7(a)に上面図、同図(b)に側面図、同図(c)に底面図として示してある。
すなわち、押さえ部材24gは、凸状をした外囲体24cの基部と同程度の直径に形成されており、上面および底面ともに平らに形成され、周囲には、下方へ向けた突出部24jが幾つか形成されている。そして、この押さえ部材24gは、外囲体24cの上面24eに載置された転動体24fに被せられ、突出部24jのうち、リードスクリュー22を間にして対向する2箇所で、外囲体24cの周りにねじ24hなどによって揺動可能に係止される。なお、押さえ部材24gの外径は例えば約150φである。
【0012】
次に、上記のように構成された支持部12における上下動機構の作用について説明する。
上下両端が止着されて回転可能となっているリードスクリュー22は、その回転に伴ってナット部24を介して移動体23を上下動させる。その際、組立時のミスアライメントによって、僅かながらリードスクリュー22の芯が傾いたり、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27に傾きが生じたりしていると、このミスアライメントを補正する如く、ねじ24hを軸として外囲体24cに係止された押さえ部材24gが揺動する。同時に、転動体24fが外囲体24cの平らな上面24eと押さえ部材24gとの間を、ボール24iの作用によって水平方向へ自由に移動する。
すなわち、押さえ部材24gが揺動することと転動体24fが水平方向へ移動することとの相乗作用によって、水平方向のミスアライメントを吸収する調心作用が働き、さらに、ボール24iが転がるために摩擦も極めて少なく、調心がスムーズに行われる。ちなみに、ボール24iによる転動体24fの摩擦係数は、約0.001程度と僅少である。加えて、転動体24fは周方向に限られることなく、水平方向へ任意に移動することができるので、調心が極めてスムーズに行われ、リードスクリュー22に作用するラジアル荷重も低減される。
よって、本発明に係る上下動機構を医療用の寝台10に適用した場合には、寝台10を上下動させて天板14の高さを調整するような際でも、寝台10に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板14に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることを防止できる。
【0013】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、両端部が回転可能に止着された送りねじ軸に螺合されるナット部を介して支持体を上下させる上下動機構において、組立時にミスアライメントがあっても、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によって、そのミスアライメントを補正するので、調心が極めてスムーズに行われ、送りねじ軸に作用するラジアル荷重も低減することができ、上下動機構の信頼性を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、組立時のミスアライメントが効果的に補正されるので、寝台に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上下動機構が適用される、医療機器用寝台の一実施の形態を示した外観図である。
【図2】図1における支持部の一実施の形態を示した正面図である。
【図3】図2におけるナット部の、内部構造の一実施の形態を示した縦断面図である。
【図4】図3におけるナット部の、調心機構部分の一実施の形態を展開して示した説明図である。
【図5】調心機構を構成する外囲体の一実施の形態を示した説明図である。
【図6】調心機構を構成する転動体の一実施の形態を示した説明図である。
【図7】調心機構を構成する押さえ部材の一実施の形態を示した説明図である。
【符号の説明】
22 リードスクリュー
24 ナット部
24a ナット
24b 球面軸受
24c 外囲体
24d ねじ
24e 上面
24f 転動体
24g 押さえ部材
24h ねじ
24i ボール
24j 突出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体を上下させるための上下動機構および寝台に係り、特に調心手段を備えた上下動機構および寝台に関する。
【0002】
【従来の技術】
リードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸による駆動機構を用いて、物体を上下動させるものにおいて、加工精度や組立精度のばらつきによるミスアライメントを避けることはできない。このミスアライメントが生じると、リードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸にラジアル荷重とモーメントが作用することとなり、上下動をスムーズに行わせることができなくなるばかりではなく、故障の原因ともなるものである。そこで従来から、これらの駆動機構に自動調心玉軸受などの調心機構を付加することによって、組立時のミスアライメントを吸収することが行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−50247号公報(第4頁、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の調心機構は送りねじ軸であるリードスクリューやボールスクリューなどを片持支持した場合に、自動調心玉軸受の内輪を、外輪に対して傾かせることによって送りねじ軸への負担を軽減させるものであり、送りねじ軸の両端が軸受によって支持されている場合の調心機構としては、十分な効果を期待することはできなかった。
そこで本発明は、両端が軸受によって支持されているリードスクリューやボールスクリューなどの送りねじ軸に対して、ラジアル荷重を低減することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、物体を支持する支持体と、この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合されるとともに前記支持体に連結されたナット部と、前記送りねじ軸を駆動する駆動手段とを有し、前記送りねじ軸の回転に応じて前記ナット部を介して前記支持体を上下させる上下動機構において、前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体を両面から挟持して成る調心手段を、前記ナット部に備えたことを特徴とする。
これにより、組立時にミスアライメントがあっても、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によって、そのミスアライメントを補正するので、調心が極めてスムーズに行われ、送りねじ軸に作用するラジアル荷重も低減することができ、上下動機構の信頼性を向上することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、被検体を載置する天板部を支持する支持体と、 この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され、球面軸受を介して外囲体で囲まれているナット部と、このナット部を前記支持体に連結する連結手段と、前記ナット部に設けられ、前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合されており、一方の面が前記ナット部により、他方の面が前記連結手段により挟持され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体と、 前記送りねじ軸を駆動する駆動手段と、この駆動手段により駆動される前記送りねじ軸を介して上下動する前記支持体を案内する案内手段とを具備することを特徴とする寝台である。
これにより、組立時のミスアライメントが効果的に補正されるので、寝台に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることが防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る上下動機構および寝台の一実施の形態を、医療機器として使用される寝台に適用した場合について、図1ないし図7を参照して詳細に説明する。
図1は、医療機器として使用される寝台の一例を示した外観図である。この寝台10は、ベース11に設置され上下動機構を備えた支持部12と、支持部12に載置された天板保持部13と、天板保持部13に保持された被検体を載置する天板14と、支持部12の上下動機構や天板14を長手方向へ進退させるための駆動源となるモータ15とから成り、天板保持部13には医師または技師により寝台10を操作するための操作器16が備えられている。
よって、操作器16を操作することにより、支持部12を上下動させて天板14の高さを被検体の乗り降りに適した位置に調整したり、図示しない撮影装置の高さに合わせたりし、或いは、被検体の撮影部位に合わせて天板14を撮影装置へ送り込んだりする。なお、支持部12は通常化粧カバーに覆われているので、外部から上下動機構を見ることはできない。
【0008】
次に、図2を参照して、支持部12における上下動機構の一実施の形態について説明する。
図2は、支持部12の正面図を示したものである。支持部12は、ベース11に立設された筒状の構造体21と、この構造体21に略平行に配置されたリードスクリュー22と、構造体21内を上下方向に移動しながら荷重(例えば、天板保持部13)を支える移動体23と、リードスクリュー22に螺合されるとともに、一端が移動体23に固着されたナット部24とから構成されている。
そして、リードスクリュー22は、その上端がL字状の金具25によって構造体21に、またその下端は止め具26によってベース11に、それぞれ回転可能に止着されている。また、リードスクリュー22に螺合されているナット部24は、移動体23に対してL字状の金具27によって固着されている。よって、構造体21のリードスクリュー22に対向する面には、移動体23の上下方向への移動に支障とならないように、L字状の金具27を貫通させる切り欠が形成されている。
一方、移動体23の図示左側面を除く三方の面には、縦方向に延びたレール28が溶接などによって取着されている。そして、レール28は、構造体21の内壁に設けられたそれぞれ対をなす複数のローラ29に案内されるようになっており、移動体23が上下に移動する際に横揺れを生じさせないようにしている。なお、リードスクリュー22を駆動するための駆動機構の図示は省略したが、リードスクリュー22は、図1に示したモータ15を動力源として回転駆動される。
すなわち、モータ15を正転させるとリードスクリュー22は時計方向へ回転し、ナット部24を上方へ移動させるので、移動体23が上昇する。逆に、モータ15を逆転させるとリードスクリュー22は反時計方向へ回転し、ナット部24を下方へ移動させるので、移動体23は下降する。よって、移動体23に支持されている天板保持部13を任意に上下動させることができることになる。
ところで、通常リードスクリュー22のラジアル荷重の負担能力が小さいので、上記のようなリードスクリュー22の上下両端を支持したような構造の上下動機構では、レール28とローラ29によってラジアル荷重とモーメントを受け持ち、リードスクリュー22はスラスト荷重のみを受けるようにしている。しかしながら、上下動機構の各構成要素がいかに精度良く製作されていたとしても、組立時のミスアライメントを避けることは難しく、そのため、リードスクリュー22にラジアル荷重やモーメントが作用するおそれがある。
【0009】
そこで本発明では、ナット部24に、図3ないし図7に示すような調心機構を採用することにより、リードスクリュー22にラジアル荷重やモーメントが作用するのを防止している。
図3は、調心機構を有するナット部24の、内部構造の一実施の形態を示した縦断面図である。すなわち、リードスクリュー22に断面が略凸状をしたナット24aが螺合しており、ナット24aの凸部に球面軸受24bが勘合している。球面軸受24bの外囲体24cはナット24aにねじ24dなどにより強固に固着されているとともに、その上面24eは平らに形成され、その平らな面24eに輪状の転動体24fが、リードスクリュー22を挿通させるとともに、輪の内側がリードスクリュー22に接触しないように余裕をもって載置されている。
さらに、転動体24fは押さえ部材24gによって、周辺が囲まれるように、上方から移動体23の荷重によって押さえつけられている。この押さえ部材24gは、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27の一部を構成するものであり、転動体24fに対向する面は平らに形成されている。なお、転動体24fの外周側は押さえ部材24gに対して所定の空隙をもって囲まれているとともに、押さえ部材24gは外囲体24cの周りに、リードスクリュー22を間にして対向する2箇所でねじ24hなどによって揺動可能に係止されている。
【0010】
このようなナット部24の調心機構の主要部分を図4に斜視図で示し、さらにその各部分の概略を図5ないし図7に示してある。
すなわち、調心機構の主要部分は図4に示すように、上面24eが平らに形成された凸状の外囲体24c(図4(c)参照)と、外囲体24cの上面24eに載置される転動体24f(図4(b)参照)と、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27の一部を構成する押さえ部材24g(図4(a)参照)とから構成され、それぞれリードスクリュー22を挿通させる貫通孔Hが穿設されている。
外囲体24cは、前述のように球面軸受24bの外側を囲んでおり、図5(a)に側面図、同図(b)に平面図で示すように、円形の平面を有し、側面から見ると凸状を為している。そして、この凸状の上面24eに転動体24fが載置される。一例を示すと、凸状をした外囲体24cの基部は約150φ、上面24eは約120φである。
転動体24fは、図6(a)に平面図、同図(b)に側面図を示すように、輪状の平らな金属製の板に周状に複数の鋼製のボール24iを嵌め込んだものであり、ボール24iの一部は板の上下両面から突出しているとともに、外力を受けて軽く回転されるものである。この転動体24fの大きさは、外囲体24cの凸状の上面24eより若干小さい直径に形成されている。例えば、外径は約90φ、リードスクリュー22を挿通させる貫通孔は約40φ、板厚は約7mm、ボール24iの直径は約10mmであり、リードスクリュー22は例えば30φである。
【0011】
さらに、外囲体24cの平らな上面24eに載置された転動体24fは、押さえ部材24gによって上方から押さえられている。この押さえ部材24gの一例として、L字状の金具27の内、移動体23に連結される側の部分を省略した要部を、図7(a)に上面図、同図(b)に側面図、同図(c)に底面図として示してある。
すなわち、押さえ部材24gは、凸状をした外囲体24cの基部と同程度の直径に形成されており、上面および底面ともに平らに形成され、周囲には、下方へ向けた突出部24jが幾つか形成されている。そして、この押さえ部材24gは、外囲体24cの上面24eに載置された転動体24fに被せられ、突出部24jのうち、リードスクリュー22を間にして対向する2箇所で、外囲体24cの周りにねじ24hなどによって揺動可能に係止される。なお、押さえ部材24gの外径は例えば約150φである。
【0012】
次に、上記のように構成された支持部12における上下動機構の作用について説明する。
上下両端が止着されて回転可能となっているリードスクリュー22は、その回転に伴ってナット部24を介して移動体23を上下動させる。その際、組立時のミスアライメントによって、僅かながらリードスクリュー22の芯が傾いたり、移動体23とナット部24とを連結しているL字状の金具27に傾きが生じたりしていると、このミスアライメントを補正する如く、ねじ24hを軸として外囲体24cに係止された押さえ部材24gが揺動する。同時に、転動体24fが外囲体24cの平らな上面24eと押さえ部材24gとの間を、ボール24iの作用によって水平方向へ自由に移動する。
すなわち、押さえ部材24gが揺動することと転動体24fが水平方向へ移動することとの相乗作用によって、水平方向のミスアライメントを吸収する調心作用が働き、さらに、ボール24iが転がるために摩擦も極めて少なく、調心がスムーズに行われる。ちなみに、ボール24iによる転動体24fの摩擦係数は、約0.001程度と僅少である。加えて、転動体24fは周方向に限られることなく、水平方向へ任意に移動することができるので、調心が極めてスムーズに行われ、リードスクリュー22に作用するラジアル荷重も低減される。
よって、本発明に係る上下動機構を医療用の寝台10に適用した場合には、寝台10を上下動させて天板14の高さを調整するような際でも、寝台10に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板14に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることを防止できる。
【0013】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、両端部が回転可能に止着された送りねじ軸に螺合されるナット部を介して支持体を上下させる上下動機構において、組立時にミスアライメントがあっても、送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能な転動体によって、そのミスアライメントを補正するので、調心が極めてスムーズに行われ、送りねじ軸に作用するラジアル荷重も低減することができ、上下動機構の信頼性を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、組立時のミスアライメントが効果的に補正されるので、寝台に振動を与えることなくスムーズに上下動させることができ、天板に寝かされている被検体に不快な振動を与えたり、不安にさせたりすることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上下動機構が適用される、医療機器用寝台の一実施の形態を示した外観図である。
【図2】図1における支持部の一実施の形態を示した正面図である。
【図3】図2におけるナット部の、内部構造の一実施の形態を示した縦断面図である。
【図4】図3におけるナット部の、調心機構部分の一実施の形態を展開して示した説明図である。
【図5】調心機構を構成する外囲体の一実施の形態を示した説明図である。
【図6】調心機構を構成する転動体の一実施の形態を示した説明図である。
【図7】調心機構を構成する押さえ部材の一実施の形態を示した説明図である。
【符号の説明】
22 リードスクリュー
24 ナット部
24a ナット
24b 球面軸受
24c 外囲体
24d ねじ
24e 上面
24f 転動体
24g 押さえ部材
24h ねじ
24i ボール
24j 突出部
Claims (2)
- 物体を支持する支持体と、この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合されるとともに前記支持体に連結されたナット部と、前記送りねじ軸を駆動する駆動手段とを有し、前記送りねじ軸の回転に応じて前記ナット部を介して前記支持体を上下させる上下動機構において、
前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体を両面から挟持して成る調心手段を、前記ナット部に備えたことを特徴とする上下動機構。 - 被検体を載置する天板部を支持する支持体と、
この支持体に略平行に配置される両端部が回転可能に止着された送りねじ軸と、
この送りねじ軸に螺合され、球面軸受を介して外囲体で囲まれているナット部と、
このナット部を前記支持体に連結する連結手段と、
前記ナット部に設けられ、前記送りねじ軸に直交する方向に対して移動可能となるように略中心部が前記送りねじ軸に係合されており、一方の面が前記ナット部により、他方の面が前記連結手段により挟持され、平板の両面に突出するように複数のボールが回転自在に嵌入されている輪状の転動体と、
前記送りねじ軸を駆動する駆動手段と、
この駆動手段により駆動される前記送りねじ軸を介して上下動する前記支持体を案内する案内手段と、
を具備することを特徴とする寝台。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003179769A JP2005016582A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 上下動機構および寝台 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003179769A JP2005016582A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 上下動機構および寝台 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005016582A true JP2005016582A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34181014
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003179769A Pending JP2005016582A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 上下動機構および寝台 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005016582A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20110139372A1 (en) * | 2009-12-10 | 2011-06-16 | Wendell Thomas Blonigan | Showerhead assembly for vacuum processing apparatus |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179769A patent/JP2005016582A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20110139372A1 (en) * | 2009-12-10 | 2011-06-16 | Wendell Thomas Blonigan | Showerhead assembly for vacuum processing apparatus |
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