JP2005071908A - アルカリ乾電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒部セパレータの底面側端部を固定し、かつアルカリ乾電池が振動や衝撃を受けた場合でも移動しない底部セパレータを用いることにより、放電特性に優れた高信頼性のアルカリ乾電池を提供する。
【解決手段】アルカリ乾電池における底部セパレータ9が、第一の底面部10a、および前記第一の底面部の周辺において円筒部セパレータ4の内側に沿って立ち上がる第一の立ち上がり部10bを有する第一の底紙10と、第二の底面部11a、および前記第二の底面部の周辺において円筒部セパレータの外側に沿って立ち上がる第二の立ち上がり部11bを有する第二の底紙とからなり、前記第一の立ち上がり部と、前記第二の立ち上がり部とにより前記円筒部セパレータの端部が挟まれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ乾電池、さらに詳しくはアルカリ乾電池における正極合剤とゲル状負極とを隔離するセパレータの構造に関する。
従来より、セパレータの隔離性および電池の放電特性を改善するために、円筒部セパレータおよび底部セパレータ(底紙)からなる有底円筒状のセパレータの構造を改良する試みがなされている。
例えば、特許文献1では、底紙の周辺に円筒部セパレータの内側に沿って立ち上がる立ち上がり部を設けることが提案されている。しかし、電池が振動や衝撃を受けると、ゲル状負極の流動に伴い底紙が歪んだり、ずれたりする可能性がある。このとき、円筒部セパレータと底紙との間に隙間が生じ、その隙間からゲル状負極が外側(正極を兼ねた電池ケース側)に漏れ出し、内部短絡を生じてしまうという問題がある。
また、特許文献2では、底紙の周辺に円筒部セパレータの外側に沿って立ち上がる立ち上がり部を設けることが提案されている。しかし、この立ち上がり部が円筒部セパレータの外側に位置するため、円筒部セパレータの側面を内側に押す力が働き、これによって円筒部セパレータが内側に曲がる場合がある。このとき、正極合剤とゲル状負極との極間距離が大きくなり、電池の内部抵抗が増大することにより、放電特性が低下するという問題がある。このような現象は、電池サイズが大きいほど起こりやすくなる。
特開平10−334878号公報 特開平11−329396号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を解決するために、円筒部セパレータの底面側端部を固定し、かつアルカリ乾電池が振動や衝撃を受けた場合でも移動しない底部セパレータを用いることにより、放電特性に優れた高信頼性のアルカリ乾電池を提供することを目的とする。
本発明のアルカリ乾電池は、電池ケース、前記電池ケースに内接する中空円筒状の正極合剤、前記正極合剤の内側に配された円筒部セパレータ、前記円筒部セパレータの一方の端に配された底部セパレータ、ならびに前記円筒部セパレータおよび底部セパレータの内側に充填されたゲル状負極を具備するアルカリ乾電池であって、
前記底部セパレータが、第一の底紙および前記第一の底紙の外側に重ねて配された第二の底紙からなり、
前記第一の底紙が、第一の底面部、および前記第一の底面部の周辺において前記円筒部セパレータの内側に沿って立ち上がる第一の立ち上がり部を有し、
前記第二の底紙が、第二の底面部、および前記第二の底面部の周辺において前記円筒部セパレータの外側に沿って立ち上がる第二の立ち上がり部を有し、
前記第一の立ち上がり部と、前記第二の立ち上がり部とにより前記円筒部セパレータの端部が挟まれていることを特徴とする。
前記第二の底紙が複数の層からなることが好ましい。
前記複数の層のうち少なくとも一つの層は、再生セルロースからなる薄膜であることが好ましい。
前記底部セパレータが、前記円筒部セパレータよりも薄いことが好ましい。
本発明によれば、円筒部セパレータの底面側端部を固定し、かつアルカリ乾電池が振動や衝撃を受けた場合でも移動しない底部セパレータを用いることにより、放電特性に優れた高信頼性のアルカリ乾電池を提供することができる。
以下、本発明のアルカリ乾電池の一実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、円筒形アルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。
正極端子を兼ね、底面中央に凹部を有する有底円筒形の電池ケース1の内側に、中空円筒状の正極合剤2が配され、正極合剤2の内側にセパレータを介してゲル状負極3が充填されている。
前記正極合剤2には、例えば、正極活物質として二酸化マンガンと、導電剤として黒鉛と、アルカリ電解液として水酸化ナトリウム水溶液とを所定の重量比で混合したものが用いられる。
前記ゲル状負極3には、例えば、負極活物質として亜鉛粉末と、ゲル化剤としてポリアクリル酸ナトリウムと、アルカリ電解液として水酸化ナトリウム水溶液とを所定の重量比で混合したものが用いられる。
前記セパレータは、円筒部セパレータ4および底部セパレータ9からなり、前記正極合剤2とゲル状負極3とを隔離している。前記底部セパレータ9は、第一の底紙10および前記第一の底紙10の外側に重ねて配された第二の底紙11からなる。
前記第一の底紙10は、円筒部セパレータ4の底面に位置する第一の底面部10a、および前記底面部10aの周辺において前記円筒部セパレータ4の内側に沿って立ち上がる第一の立ち上がり部10bを有する。一方、前記第二の底紙11は、円筒部セパレータ4の底面に位置する第二の底面部11a、および前記底面部11aの周辺において前記円筒部セパレータ4の外側に沿って立ち上がる第二の立ち上がり部11bを有する。そして、前記第一の立ち上がり部と、前記第二の立ち上がり部11bとにより前記円筒部セパレータ4の端部が挟まれている。前記第一の底面部10aは、第二の底面部11aと接していることが好ましく、ゲル状負極3の収納容積を大きくすることができる。
第二の底紙11の立ち上がり部11bにより円筒部セパレータ4の端部が内側へ曲がろうとしても、第一の底紙10の立ち上がり部10bがそれを阻止するため、円筒部セパレータ4を直立した状態で維持することができる。このため、円筒部セパレータ4が内側に曲がることにより、正極合剤2とゲル状負極3との極間距離が増大し、電池の内部抵抗が上昇し、電池の放電特性が低下するのを防止することができる。
また、電池が振動や衝撃を受けた場合でも、第一の底紙10が第二の底紙11により外側から挟持されるため、第一の底紙10の移動によるゲル状負極3の漏出を防止することができる。これにより、ゲル状負極3が電池ケース1側に漏出し、電池ケース1と接触することにより起こる内部短絡を防止することができる。
円筒部セパレータ4には、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布が用いられる。
前記第一の底紙10には、例えば、ポリビニルアルコール等の合成繊維、クラフト紙等が用いられる。
前記第二の底紙11には、イオンのみを透過させる微孔性フィルムが用いられ、例えば、再生セルロースからなる微孔性薄膜(セロハン)の両面にポリビニルアルコール系合成繊維からなる不織布をラミネートしたものが用いられる。
ゲル状負極3を増量できるため、前記底部セパレータ9が、前記円筒部セパレータ4よりも薄いことが好ましい。
前記第二の底紙11が複数の層からなり、そのうち少なくとも一つの層は、再生セルロースからなる薄膜であることが好ましい。再生セルロースの薄膜により、反応生成物である酸化亜鉛の針状結晶が、底紙を突き破ることにより生じる内部短絡を防止することができる。
ガスケット5および負極端子を兼ねた底板7と一体化した負極集電子6はゲル状負極3の中央に差し込まれている。そして、電池ケース1の開口端部が、ガスケット5の端部を介して底板7の周縁部にかしめつけられることにより、電池ケース1の開口部は封口される。電池ケース1の外表面には、外装ラベル8が被覆される。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は、これらのみに限定されない。
《実施例1》
以下に示す方法により図1と同様の構成のアルカリ乾電池を作製した。
正極活物質として二酸化マンガンと、導電剤として黒鉛とを90:10の重量比で混合した。この混合物と、電解液として40重量%の水酸化ナトリウム水溶液とを100:3の重量比で混合し、充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形した。ついで、フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状とし、これを篩によって分級し、10〜100メッシュのものを中空円筒状に加圧成形してペレット状の正極合剤2を得た。
この正極合剤2を電池ケース1内に3個挿入し、加圧治具により正極合剤2を再成形して電池ケース1の内壁に密着させた。
円筒状の所定の治具を用い、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布からなる厚さ0.25mmの不織布二枚を重ねたものを二重に巻くことにより、厚さ1.0mmの円筒部セパレータ4を得た。円筒部セパレータ4が治具に巻かれた状態で、さらにこの治具の先端に第二の底紙11を配した。そして、第二の底紙11が円筒部セパレータ4の端部を包み込むように、第二の底紙11および円筒部セパレータ4を正極合剤2の中空部に挿入した。このようにして、正極合剤2の内壁に円筒部セパレータ4を配し、電池ケース1の底部に第二の底紙11をそれぞれ配置した。さらに、治具の先端に第一の底紙10を備え付け、これを円筒部セパレータ4の内側に挿入することにより、円筒部セパレータ4の内側に沿って立ち上がる立ち上がり部10bを有する第一の底紙10を配した。このとき、第一の底面部10aが、第二の底面部11aと接するように配した。
このようにして、底部セパレータ9を第一の底紙10および第二の底紙11により構成した。
なお、第二の底紙11には、再生セルロースからなる薄膜の両面にポリビニルアルコール繊維からなる不織布をラミネートして得られた厚さ0.2mmの原紙を、一辺の長さが円筒部セパレータ4の外径より大きな正方形に切断したものを用いた。
また、第一の底紙10には、主にポリビニルアルコール繊維からなる厚さ約0.5mmの不織布を、一辺の長さが円筒部セパレータ4の内径より大きな正方形に切断したものを用いた。
上記のように設置した円筒部セパレータ4および底部セパレータ9からなる有底円筒状セパレータ内に、所定量のアルカリ電解液を注入した。所定時間経過した後、ゲル状負極3をこのセパレータ内に充填した。なお、ゲル状負極3には、ゲル化剤としてポリアクリル酸ナトリウムと、アルカリ電解液として40重量%の水酸化ナトリウムと、負極活物質として亜鉛粉末とを1:33:66の重量比で混合したものを用いた。
負極集電子6をゲル状負極3の中央に差し込んだ。なお、負極集電子6には、ガスケット5および負極端子を兼ねた底板7を一体化させた。そして、電池ケース1の開口端部を、ガスケット5の端部を介して底板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。外装ラベル8で電池ケース1の外表面を被覆して、単1形アルカリ乾電池を作製した。
《比較例1》
円筒状の所定の治具を用い、実施例1と同様の円筒部セパレータ4を得た。この円筒部セパレータ4を電池ケース1内に配された正極合剤2の中空部に挿入した。次に、治具の先端に実施例1の第一の底紙10と同様の底紙19を備え付けた。そして、これを円筒部セパレータ4の内側に挿入し、円筒部セパレータ4の内側に沿って立ち上がる立ち上がり部19aを有する底紙19を配することにより、底部セパレータを構成した。
このように底部セパレータを底紙19で構成した以外は、実施例1と同様の方法により図2に示す構成の単1形アルカリ乾電池を作製した。
《比較例2》
円筒状の所定の治具を用い、実施例1と同様の円筒部セパレータ4を得た。この円筒部セパレータ4が治具に巻かれた状態で、さらにこの治具の先端に実施例1の第二の底紙11と同様の底紙29を備え付けた。そして、底紙29が円筒部セパレータ4の端部を包み込むように底紙29および円筒部セパレータ4を電池ケース1内に配された正極合剤2の中空部に挿入した。このようにして、正極合剤2の内側に、円筒部セパレータ4、および前記円筒部セパレータ4の外側に沿って立ち上がる立ち上がり部29aを有する底紙29とを配した。
このように底部セパレータを底紙29で構成した以外は、実施例1と同様の方法により図3に示す構成の単1形アルカリ乾電池を作製した。
上記で得られた実施例1ならびに比較例1および2の各電池100個ずつを用いて下記の評価を行った。
[評価]
(1)振動試験
20℃環境下で電池電圧を測定した後、負極端子(底板)側を上にした状態でJIS規定の振動試験(JIS C 0036)に従い、試験条件として試験振動数範囲を1〜100Hzとし、加速度スペクトル密度を1.0(m/s22/Hzとし、平坦な加速度スペクトル密度曲線により試験を3分間実施した。振動試験が終了した後、1時間経過した時点で、20℃環境下で電池電圧を再度測定した。このとき、試験前後で電池電圧が2mV以上降下した電池の個数を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2005071908
比較例1では、振動で底紙19がずれることにより、ゲル状負極3が漏出して正極端子を兼ねた電池ケース1と接触したため、電池の内部短絡が生じ電池電圧が大きく低下した電池が多くみられた。また、比較例2では、電池電圧が大きく低下した電池がわずかにみられた。電圧低下の大きかった電池では、振動による底紙のずれはなかったが、円筒部セパレータ4と底紙29との隙間を少量のゲル状負極3が通り、正極合剤2と接触することにより、内部短絡を生じていた。
一方、実施例1では、第二の底紙11の立ち上がり部11bによる円筒部セパレータ4の内側にかかる力と、第一の底紙10の立ち上がり部10bによる円筒部セパレータ4の外側にかかる力により、第一の底紙10、第二の底紙11、および円筒部セパレータ4の3つの部位が固定された。このため、振動が加えられても、ゲル状負極3が円筒部セパレータ4および底部セパレータ9の外側に漏れ出すことがなく、電池電圧が大きく低下した電池は全くみられなかった。
(2)内部抵抗の測定
正極端子側を上にした状態で電池を20℃環境下で1週間保管した。そして、保管後の電池の内部抵抗を交流抵抗計にて測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005071908
比較例2では、内部抵抗値が高い電池がみられた。これは正極端子側における円筒部セパレータ4の端部が内側に曲がり、正極合剤2とゲル状負極3との極間距離が増大したためであると考えられる。
一方、実施例1では、第一の底紙10により円筒部セパレータ4の端部における内側への曲がりが抑えられたため、内部抵抗は小さく、またそのばらつきも小さかった。これにより、実施例1では信頼性の高い電池が得られることがわかった。
(3)放電試験
正極端子側を上にした状態で電池を20℃で1週間保管後、20℃環境下で1500mAの定電流で連続放電した。このとき、電池電圧が0.9Vを下回るまでの放電持続時間を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2005071908
実施例1の方が比較例2よりも、放電持続時間の最大値と最小値の差が小さく、放電特性のばらつきが小さいことがわかった。比較例2では、上記のように1週間保管した後に、円筒部セパレータ4の端部が内側に曲がり、内部抵抗が増大した電池がみられた。このため、内部抵抗がばらつき、放電性能のばらつきが大きくなったと考えられる。一方、実施例1では、第一の底紙10により円筒部セパレータ4の端部における内側への曲がりが抑えられたため、内部抵抗のばらつきが小さく、放電性能のばらつきが小さくなったものと考えられる。
以上のように、本発明のアルカリ乾電池は、円筒部セパレータの底面側端部を固定し、かつアルカリ乾電池が振動や衝撃を受けた場合でも移動しない底部セパレータを用いているため、高信頼性を要するアルカリ乾電池に適用できる。
本発明の実施例1のアルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。 従来の比較例1のアルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。 従来の比較例2のアルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 円筒部セパレータ
5 ガスケット
6 負極集電子
7 底板
8 外装ラベル
9 底部セパレータ
10 第一の底紙
10a 第一の底面部
10b 第一の立ち上がり部
11 第二の底紙
11a 第二の底面部
11b 第二の立ち上がり部
19、29 底紙
19a、29a 立ち上がり部

Claims (4)

  1. 電池ケース、前記電池ケースに内接する中空円筒状の正極合剤、前記正極合剤の内側に配された円筒部セパレータ、前記円筒部セパレータの一方の端に配された底部セパレータ、ならびに前記円筒部セパレータおよび底部セパレータの内側に充填されたゲル状負極を具備するアルカリ乾電池であって、
    前記底部セパレータが、第一の底紙および前記第一の底紙の外側に重ねて配された第二の底紙からなり、
    前記第一の底紙が、第一の底面部、および前記第一の底面部の周辺において前記円筒部セパレータの内側に沿って立ち上がる第一の立ち上がり部を有し、
    前記第二の底紙が、第二の底面部、および前記第二の底面部の周辺において前記円筒部セパレータの外側に沿って立ち上がる第二の立ち上がり部を有し、
    前記第一の立ち上がり部と、前記第二の立ち上がり部とにより前記円筒部セパレータの端部が挟まれていることを特徴とするアルカリ乾電池。
  2. 前記第二の底紙が複数の層からなることを特徴とする請求項1記載のアルカリ乾電池。
  3. 前記複数の層のうち少なくとも一つの層は、再生セルロースからなる薄膜であることを特徴とする請求項2記載のアルカリ乾電池。
  4. 前記底部セパレータが、前記円筒部セパレータよりも薄いことを特徴とする請求項1記載のアルカリ乾電池。
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