JP2005092019A - 潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 像担持体に塗布する潤滑剤を無駄なく有効に最後まで使用できるようにする。
【解決手段】 潤滑剤塗布装置7は、外周部が潤滑剤13bにより形成されて中心線回りに回転駆動される円柱状潤滑部材13と、円柱状潤滑部材13の中心線と平行な中心線をもって配置され、円柱状潤滑部材13の外周面とトナー像が形成される像担持体1の外周面とに接触しつつ中心線回りに回転駆動されるブラシ状塗布部材14とを具備する。画像形成動作時において、円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14とがそれぞれ中心線回りに回転し、円柱状潤滑部材13の潤滑剤13bがブラシ状塗布部材14により削られ、削られた潤滑剤13bが像担持体1の外周面に塗布される。円柱状潤滑部材13が中心線回りに回転することにより、潤滑剤13bは外周部分から均等に削られ、全体が無駄なく有効に最後まで使用される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
画像形成を行うための装置として広く普及しているファクシミリ、レーザープリンター、複写機など電子写真方式を用いた画像形成装置は、像担持体である感光体、感光体上にトナー像を形成する作像手段(例えば、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等)、定着装置等から構成される。
これらの画像形成装置に使用される感光体には、従来、酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、a−Se、a−AsSeなどのアモルファスセレン系、a−Si:H、a−Si:Ge:Hなどのアモルファスシリコン系、ポリビニルカルバゾール等の感光材料が使用されてきたが、公害問題や、製造コストが高いなど、今の時代にマッチしない不具合が生じたため、省エネルギー、省資源、製造容易性、高感度設計が可能、低コスト、無公害等の多くのメリットを有する有機感光体への転換が図られている。
市場で流通している多くの有機感光体の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層との2層から構成される機能分離型感光体と、電荷発生材料と電荷輸送材料が混合された単層構成の有機感光体などがあるが、主流は最表層に電荷輸送層が構成された機能分離型の感光体である。
最表層を電荷輸送層とする機能分離型の感光体は、アルミニウム等のドラム状導電性支持体上に1〜20μmの下引き層、0.1〜2μmの電荷発生層、10〜50μmの電荷輸送層が順に積層されたものである。
電荷輸送層を感光体の最上層に構成する事により、機械的耐久性に対する設計の自由度が広がるというメリットがある。電荷輸送層のバインダー樹脂には、アモルファスポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン樹脂(PS)、A型、C型、Z型などのポリカーボネート樹脂(PC)があるが、感光体としての耐久枚数は感光体が受けるハザードによって大きく左右される(直流電圧より、交流電圧を重畳した直流電圧の方がハザードは数倍大きい。)。耐久性は接触帯電装置+直流電圧の場合、A4サイズ用紙換算で大体4〜8万枚程度である。
画像形成装置では、画像形成にあたって感光体に一様な電荷付与(帯電)が行われる。画像形成装置で使用される帯電装置には、コロナ帯電法、接触帯電法、感光体から30〜100μm程度離して配設される非接触帯電法(なお、コロナ帯電法も非接触帯電法であるが、ここでは、区別して記載する)などが有る。これらの帯電方式はいずれも放電を伴う帯電法であるため、オゾンやNOxなどの放電生成物(化学物質)の生成がある。
放電生成物が感光体に作用(表面付着や滲入)すると、帯電特性、感度、残留電位などの電子写真特性が劣化し、表面特性を変質させる。
電子写真特性の劣化は、可塑剤や、酸化防止剤などの特性改良材を感光層中に添加することによって、改善する事が可能である。
また、感光体に放電生成物が付着すると、紙粉やトナー成分などの付着も起こり、摩擦係数が大きくなる。摩擦係数が大きくなると感光体とクリーニングブレードとの間の摩擦抵抗が増加し、クリーニングブレードの摺擦力がアップするため、感光層は傷つき摩耗が促進され、感光体やクリーニングブレードの耐久性低下を起こす。
また、摩擦係数の増大はクリーニングブレードのスティックスリップ現象を起こし、ブレードエッジの僅かな浮き部に潜り込んだトナーはクリーニング不良を起こし、フィルミング現象となり、さらなる摩擦抵抗の増大を引き起こし益々クリーニング不良となり、トナー像の転写不良などの要因にもなる。
近年、高画質化の要求に伴い、0.96〜0.98程度の高円形度を持つ球形トナーが使用されるようになっており、感光体の表面特性、特に、摩擦係数を如何に下げ維持するかという課題が益々重要となっている。
摩擦係数を下げるとクリーニングブレードの摺擦力が低下するため、クリーニングブレードの押圧が見かけ上低下し、感光体に対する負担が低下し、スティックスリップ現象も改善される。この事により、クリーニングブレードのエッジの歪みが解消され、クリーニングブレードの耐久性を延ばす事が可能になる。また、感光体の表面自由エネルギーが低下するため、感光体へのトナーの吸着力が低下し、トナーの転写効率がアップする。
感光体の感光層に使用される樹脂は耐摩耗性に優れたものであるが、帯電工程でのオゾンやNOxなどによって受ける化学的ハザードに、クリーニングブレードや現像剤による摺擦などが加わり、感光層は次第に摩耗し易くなり耐久性が低下する。このため、次第に画像形成に必要なコントラスト電位を確保することができなくなり、感光体の所期耐久性を全うし得なくなる。前記した耐久枚数(A4サイズ換算で4〜8万枚)は一般的な使いかたではほぼ十分であるが、近年、複写枚数は増加傾向にあり、またコスト削減や省エネルギーや省資源、高画質維持などの観点から、耐久性の向上が益々重要になってきている。
感光体の耐久性を延ばす手段としては、感光体自身を高耐久化する方法の他に、潤滑剤を感光体に付与し、摩擦係数を低下させる方法などが有る。前者の手段では、耐久化はクリヤーできても、摩擦係数の増大は依然として残り、転写性やクリーニング性などの改善はできない。後者の手段、すなわち潤滑剤付与による摩擦係数の低減化は、塗布量のコントロールが十分に行われれば、機械的な耐久性向上のみならず、転写性、クリーニング性の向上にとって有利な方法である。しかし、放電生成物、紙粉、トナー構成物の付着や、感光体の傷つきなどがあるため、感光体の表面状態は常に変化しており、目標とする摩擦係数を維持することはなかなか難しい状況にある。
潤滑剤を感光体に付与して感光体表層の摩擦係数を低減化するために、潤滑剤を塗布ローラやブラシローラを介して感光体に塗布する発明が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平08−320643号公報 特開2000−338819公報
上述した特許文献1,2に開示された発明では、潤滑剤が固定され、潤滑剤の片面にのみ塗布ローラやファーブラシが接触している。このため、潤滑剤は、片面の中央部分だけが削られ、潤滑剤の効率的な使用ができず、潤滑剤の無駄が生じてコストアップになる。
また、上述した特許文献1,2に開示された発明では、感光体に必要量以上の潤滑剤が塗布されることを抑制することができない。感光体に必要量以上の潤滑剤が塗布されると、画像流れや、潤滑剤によって帯電部材が汚染されることが原因となる帯電部材の帯電性能低下が発生する。
本発明の目的は、潤滑剤を無駄なく有効に最後まで使用することである。
本発明の別の目的は、潤滑剤が感光体に過剰に塗布されることを防止することである。
請求項1記載の発明の潤滑剤塗布装置は、外周部が潤滑剤により形成されて中心線回りに回転駆動される円柱状潤滑部材と、前記円柱状潤滑部材の中心線と平行な中心線をもって配置され、前記円柱状潤滑部材の外周面とトナー像が形成される像担持体の外周面とに接触しつつ中心線回りに回転駆動されるブラシ状塗布部材と、を具備する。
したがって、像担持体が回転する画像形成動作時において、円柱状潤滑部材とブラシ状塗布部材とをそれぞれ中心線回りに回転させると、円柱状潤滑部材の潤滑剤がブラシ状塗布部材により削られ、削られた潤滑剤が像担持体の外周面に塗布される。円柱状潤滑部材が中心線回りに回転することにより、潤滑剤は外周部分から均等に削られ、全体が無駄なく有効に最後まで使用される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の潤滑剤塗布装置において、前記像担持体の回転方向に沿った前記ブラシ状塗布部材の下流側に配置され、前記像担持体の外周面に当接される潤滑剤塗布量抑制部材を具備する。
したがって、像担持体の外周面に潤滑剤が過剰に塗布された場合、過剰に塗布された潤滑剤が潤滑剤塗布量抑制部材により除去される。これにより、潤滑剤の過剰塗布が原因となる画像流れ、現像性低下が防止される。また、潤滑剤の過剰塗布が原因となる帯電部材の汚れが防止され、帯電部材が潤滑剤で汚れることが原因となる帯電不良の発生、画像濃度ムラの発生が防止される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤塗布量抑制部材は、JIS−A硬度が60〜90度のポリウレタン製の板状部材である。
したがって、このような潤滑剤塗布量抑制部材を使用することにより、像担持体の外周面に過剰に塗布された潤滑剤の除去を効果的に行える。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の潤滑剤塗布装置において、前記板状部材には、前記像担持体に当接する側に向けて厚み寸法が次第に小さくなるナイフエッジ部が形成されている。
したがって、像担持体の外周面に過剰に塗布された潤滑剤を除去する性能がアップする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレンとステアリン酸亜鉛との何れか一種である。
ポリテトラフルオロエチレンとステアリン酸亜鉛とは、少ない量で効果的に摩擦係数を低減することができる材料であり、潤滑剤の塗布量を少なくしても十分に摩擦係数を低減することができ、円柱状潤滑部材を長期間にわたって使用することが可能となる。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置において、前記ブラシ状塗布部材は、ナイロンとポリエステルとポリプロピレンとレーヨンとのうちの少なくとも一種の繊維で形成されて放射状に延出するブラシ部を有する。
したがって、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン等は柔らかな材質であり、それらの繊維で形成されたブラシ部の穂先に潤滑剤が付着し、潤滑剤が付着したブラシ部の穂先が像担持体の外周面に接触することにより像担持体への潤滑剤の塗布が行われる。これにより、像担持体への潤滑剤を塗布するためにブラシ部が像担持体に接触しても像担持体の傷付きが防止される。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の潤滑剤塗布装置において、前記ブラシ部の前記円柱状潤滑部材への食い込み量が0.5〜2mmである。
したがって、ブラシ部が円柱状潤滑部材の潤滑剤に1回接触するごとにおけるブラシ部への潤滑剤の付着量が少量に抑えられ、円柱状潤滑部材の寿命が長くなる。
請求項8記載の発明のプロセスカートリッジは、外周面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体を回転可能に保持するカートリッジケースと、前記カートリッジケース内に保持され、前記像担持体の外周面に対向配置された請求項1ないし7のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置と、を具備する。
ここで、プロセスカートリッジとは、トナー像が形成される像担持体とトナー像の形成に関与する作像手段(帯電装置、現像装置、クリーニング装置)の少なくとも一つをカートリッジケース内に収容してユニット化したものであり、画像形成装置内に着脱可能に取り付けられている。
したがって、このプロセスカートリッジでは、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の作用を奏する。
請求項1ないし7のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置をプロセスカートリッジ内に保持することにより、感光体の周囲に配置されている画像形成に関与する部材の故障発生時に、プロセスカートリッジを全体として交換すればよく、メンテナンス性能が向上する。また、潤滑剤塗布装置をプロセスカートリッジ内に組み込むことにより、潤滑剤の作用により像担持体などの寿命が延び、ひいては、プロセスカートリッジの高寿命化に寄与することとなる。
請求項9記載の発明の画像形成装置は、外周面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体の外周面にトナー像を形成する作像手段と、前記像担持体の外周面に対向配置された請求項1ないし7のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置と、を具備する。
したがって、この画像形成装置では、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の作用を奏する。
請求項10記載の発明の画像形成装置は、記録媒体収容部から記録媒体排出部に至る記録媒体搬送路と、前記記録媒体搬送路の途中に着脱可能に配置された請求項8記載のプロセスカートリッジと、を具備する。
したがって、この画像形成装置によれば、請求項8記載の発明と同様の作用、即ち、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の作用を奏する。
請求項1記載の発明によれば、円柱状潤滑部材の潤滑剤の全体を無駄なく有効に最後まで使用できる。
請求項2記載の発明によれば、像担持体に過剰に塗布された潤滑剤を除去することができ、像担持体に潤滑剤が過剰に塗布されたことが原因となって発生す様々な不都合、例えば、画像流れ、現像性低下、帯電不良、画像濃度ムラ等を防止できる。
請求項3記載の発明によれば、像担持体に過剰に塗布された潤滑剤の除去を効果的に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、像担持体に過剰に塗布された潤滑剤を除去する性能をアップさせることができる。
請求項5記載の発明によれば、円柱状潤滑部材を長期間にわたって使用することができる。
請求項6記載の発明によれば、ブラシ状塗布部材のブラシ部が像担持体の外周面に接触することによる像担持体の傷付きを防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、円柱状潤滑部材の寿命を長くすることができる。
請求項8記載の発明のプロセスカートリッジによれば、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の効果を奏することができる。
請求項9記載の発明の画像形成装置によれば、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の効果を奏することができる。
請求項10記載の発明の画像形成装置によれば、請求項8記載の発明と同様の効果、即ち、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。図1は電子写真方式の画像形成装置であるプリンタを示す概略側面図、図2は感光体の構造を示す断面図、図3は潤滑剤塗布装置を拡大して示す概略側面図、図4は円柱状潤滑部材とブラシ状塗布部材との距離を一定に維持する機構を説明する概略図、図5は円柱状潤滑部材を示す斜視図である。
このプリンタは、本体ケース(図示せず)内の略中央部に像担持体であるドラム状の感光体1が配置され、この感光体1は中心線回りに回転可能に支持されている。感光体1の中心線回りの回転は、感光体1の回転軸(図示せず)に連結されているモータ(図示せず)の駆動により行われる。
感光体1の周囲には、感光体1の外周面にトナー像を形成するための作像手段やその他の部材が配置されている。感光体1の周囲に配置されている作像手段やその他の部材としては、感光体1の外周面を一様に帯電する帯電ローラ2を備えた作像手段である帯電装置3、一様に帯電された感光体1の外周面を画像データに応じて露光することにより静電潜像を形成する画像露光装置4、静電潜像にトナーを供給してその静電潜像をトナー像として顕像化する作像手段である現像装置5、顕像化されたトナー像を記録媒体Sに転写させる転写装置8、転写終了後の記録媒体Sを感光体1の外周面から剥がす分離装置9、トナー像が転写された後の感光体1表面をクリーニングする作像手段であるクリーニング装置6、感光体1の外周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置7等である。
本体ケース内の下部には、記録媒体Sを収容する記録媒体収容部10が設けられ、この記録媒体収容部10からトナー像が転写された記録媒体Sが排出される記録媒体排出部11aに至る記録媒体搬送路11が形成されている。この記録媒体搬送路11上に、上述した感光体1、転写装置8、記録媒体Sに転写されたトナー像を溶融して定着させる定着装置12等が配置されている。
このような構成において、本実施の形態のプリンタにおける画像形成動作の概略を説明する。画像データの入力などによりプリンタが始動されると、感光体1、帯電装置3、現像装置5、転写装置8、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置7等が駆動される。
帯電装置3では、600〜2000(V)の直流電圧、若しくは直流電圧に800〜2500(V)の電圧と800〜2500(Hz)の周波数の交流電圧を重畳した電圧を印加して、感光体1の表面を画像形成に必要な400〜800V程度の表面電位に帯電する。感光体1が電荷輸送層を最表層に有する形式であれば、極性はマイナス(−)である。
帯電された感光体1は画像露光装置4によりドットパターンが照射され、画像形成に必要なコントラスト電位を有する静電潜像が形成される。静電潜像はトナーとキャリアからなる2成分系の現像剤が入った磁気ブラシ方式の現像装置5により顕像化されてトナー像が形成される。トナーには平均円形度が0.85〜0.92程度のいびつな形状の粉砕トナーと、重合法で製造される平均円形度が0.96〜1.0とほぼ球形に近いトナー(球形トナー)とが有り、本発明ではいずれのトナーでも使用できる。トナーの平均粒径は5〜8μmが主流であるが、近年では高解像度化の要求に伴い小粒径化の方向にある。また、高品質、高解像化、再現性などの要求に伴い、粉砕トナーから球形トナーへの転換が行われている。
なお、平均円形度とは、例えば、シスメックス社のFPIA−1000型測定装置を使用し下式で算出する。測定粒子数は1000粒子以上とし、5μm以上の粒子径のものを選定し、トナー像を投影して周囲長を算出する。
平均円形度
=Σ(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長÷粒子投影像の周囲長)÷測定粒子数
現像が終了したトナー像は、転写装置8により逐次コピー用紙やOHPシートなどの記録媒体Sに転写され、トナー像が転写された記録媒体Sは分離装置9により感光体1から剥がされ、定着装置12により定着されてハードコピーとなる。
一方、転写後の感光体1は、クリーニング装置6により残留トナーがクリーニングされる。
クリーニング装置6によりクリーニングされた後の感光体1にはクリーニング装置6と帯電装置3との間に配設された潤滑剤塗布装置7によって、感光体1の表面に潤滑剤が塗布される。
以下、本発明のプリンタで使用される構成部品等について個々に詳しく説明する。
<感光体1>
感光体1は、導電性支持体101、下引層102、電荷発生層103および電荷輸送層104から構成される。高耐久性を必要とする場合には、図7に示す様に、電荷輸送層104の上に高耐摩耗化された第2の電荷輸送層105を形成してもよい。高耐摩耗化された電荷輸送層105とするのは、繰り返し使用時の電子写真特性の劣化をできるだけ少なくするためで、膜厚は3〜10μm程度であり、耐摩耗性物質は平均粒径が0.1〜1μm程度の微粒金属酸化物(αアルミナ、酸化チタン、酸化錫など)が好適である。
<導電性支持体101>
導電性支持体101は、10Ω・cm以下の導電性を示すものはほとんど使用可能であるが、好適には肉厚が0.6〜3mm、外径がφ40〜120mmの、JIS規定3003系アルミニウム合金製ドラムが好適である。ただし、クリーニング装置6と帯電装置3との間にスペースを確保できるのであれば、更に小径のドラムも使用可能である。
<下引き層102>
デジタル方式の感光体1では、下引き層102を形成することが望ましい。これは画像形成に必要な帯電電位、静電コントラスト及び均一画像(モアレ防止、ドットパターンの再現など)を確保するためで、膜厚は1〜10μm、好適には3〜6μmである。
下引き層102に使用される樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などを挙げることができる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層102は、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層102として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
<電荷発生層103>
電荷発生層103は、画像露光装置4から照射された光子により画像形成に必要な電子−正孔対を生成する層で、電子−正孔対の生成量が多いほど感度は高くなる。生成された電子又は正孔を帯電装置3で付与された表面、若しくは導電性支持体101の電荷に向かってスムーズに移動させるためには、電荷発生層103と接している電荷輸送層104又は下引き層102との界面の障壁はできるだけ低い方が望ましく、この条件を満たすものであれば、本発明の感光体1には無機系、有機系材料を問わず、いずれの材料も使用できる。
無機系材料の電荷発生材としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコンなどを挙げることができる。
有機系の電荷発生材としては、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などを挙げることができる。
電荷発生層103に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質(電子輸送物質又は正孔輸送物質)を添加してもよい。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質を挙げることができる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に示す電子供与性物質を挙げることができる。例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などである。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層103は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするものから形成されるが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層103を形成する方法としては、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とを挙げることができる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層103を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布する。塗布は、浸漬塗工法やスプレー塗工法、ビードコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層103の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。通常は0.1〜0.3μmの厚さに塗布される。
電荷発生層103の膜厚が薄すぎると感度不良を生じるが、厚すぎると空間電荷による光減衰劣化、残留電位上昇が生じ、画像濃度低下、解像度低下などの画像品質低下につながる。
<電荷輸送層104>
電荷輸送層104は十分な帯電電位と、画像形成に必要な十分なコントラスト電位を確保するために形成される。電荷輸送層104には一般的に極性依存性が小さく、1014〜1018Ω・cm程度の体積抵抗率を有するポリカーボネート樹脂(A型、C型、Z型など)や、スチレン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂などがバインダー樹脂として使用され、さらにドナー、酸化防止剤、レベリング材などが添加される。
電荷輸送層104を構成する低分子電荷輸送物質には、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することができる。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下に示す公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。例えば、
1)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有する重合体には、
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
2)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には、
例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
3)ポリシリレン重合体には、
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
4)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には、
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
5)その他の重合体には、
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖および/または側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートを有効に使用できる。
一方、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、又は、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができるが、環境破壊を考慮してハロゲン系の溶媒の使用は避けた方が望ましい。
なお、本発明では耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層103、電荷輸送層104、下引き層102等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することができる。
電荷輸送層104の膜厚は、10〜30μm程度に設定する。膜厚が10μm以下では、画像形成に必要な表面電位を確保することができなくなるためである。画像形成にはコントラスト電位として、少なくとも250V以上が必要であるが、10μm以下ではコントラスト電位が小さくなり、膜厚のムラが顕著になり、SN比が良好な画像品質が保証できないためである。一方、電荷輸送層104の膜厚を厚くすることによって、十分な表面電位が確保されるため、SN比が良好な画像品質が得るための余裕度が生じる。しかし、厚くなるにしたがい電荷輸送層104中には構造欠陥が増加するため、残像などの好ましくない現象が生じやすくなる他、膜質の均一性低下、製造コストアップなどが生じる。通常、画像形成に必要なコントラスト電位は500Vあれば十分で、そのときの感光体1の表面電位は800V程度である。
800V帯電させるための電荷輸送層104の膜厚は30μmあれば十分で、それ以上の厚さでは、残像(ゴースト)や残留電位の上昇でコントラスト電位が確保されにくくなり、画像品質の悪化が生じる。
感光体1の表面粗さは10点平均粗さRzJIS(JIS B 0601)で0.1μm以上、1.0μm以下で有ることが好ましい。これはシャープな画像品質を得るためであり、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aが当接したとき、クリーニングブレード6aのエッジに歪みが生じてクリーニング不良に陥らないためである。
円形度が高い球形トナーを使用したときには、プリンタの稼働時にクリーニングブレード6aのエッジに少しでも歪みや欠損を生じると、トナーの抜けや潜り込み現象が起こりやすくなるためで、球形トナーを使用する際には、クリーニング不良を生じるよう様な要因(欠陥)を少しでも減らすことが重要である。
<電荷輸送層105>
図2に示した感光体1は、電荷輸送層104が直接クリーニングブレード6aや現像剤と接触するため、感光体1としての耐久性はA4用紙換算で4〜8万枚程度であるが、一般的な使用ではほぼ十分な耐久性を有している。ただし、本発明での潤滑剤塗布装置7を併用した場合には、更に耐摩耗性を維持することができる。設定された摩擦係数によっても左右されるが、10万枚以上の耐久性を確保する事は可能である。
近時コピーボリュームが増加する傾向にあり、またメンテナンスフリー化も推進する必要があり、さらに高耐久化しておく事が望ましい。そこで、図7に示すように、電荷輸送層104の上に第2の電荷輸送層105を形成した。
感光体1を高耐久化するためには、電子写真特性を確保しながら感光体1の耐摩耗性を向上させる必要である。この手段として本発明では、電荷輸送層105中に感度が犠牲にならずに、帯電能が確保され、残留電位の異常な蓄積が生ぜず、耐摩耗性が達成されるような透光性良好な高硬度フィラーを添加する方法で実現する。
電子写真特性を確保して、コントラスト電位を十分得る手段として、バインダー樹脂にフィラーおよび特性改善剤としての添加剤を適当配合した塗工液を電荷輸送層104上に1〜10μm形成することもできる。
電荷輸送層104上に溶剤を使用した新たな薄膜を形成するには、使用する溶剤による制約があるが、添加するフィラーの種類や添加量に応じた耐摩耗性が設定でき、電荷輸送層104上にフィラーを添加した別の感光層(電荷輸送層105)を形成しても、両層の界面に障壁が形成されにくいという点で優れており、繰り返し使用に対しても十分耐えうる電子写真特性が得られる。また、樹脂を使用しているため、クリーニングブレード6aなどの接触部材で表面層が適度に削れる。したがって、表面に保護層を形成した感光体に比べると、画像流れなどに代表される電子写真特性の劣化を低く抑えることが可能である。また、スプレー塗工法が使用できるため、容易に作製でき、低コスト化が可能であるという点で有利である。
図7に示す感光体1の電荷輸送層105は、図2に示した感光体1に対し、バインダー樹脂に適当量のフィラーと分散助剤やドナーなどと共に均一分散された樹脂液をスプレー法、浸漬塗工法などを使用して塗工し形成される。添加するフィラーの粒径や量は要求される耐久性や、帯電特性、感度、画像品質等電子写真特性を損なわない範囲で設定される。
添加されるフィラーは、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以上、1×1015Ω・cm以下、平均一次粒径が0.01〜1.0μmの高硬度無機フィラーが望ましく、例えば、アルミナ(α−Al)や酸化チタンなどの無機フィラーが、バインダー樹脂中にドナーや分散助剤などと共に、2〜40(重量%)、好ましくは10〜30(重量%)分散される。無機フィラーの粒径は許容される残留電位や画像品質に応じて適宜選択される。ただ、粒径が大きくなると、感光体1の耐久性はアップするが、感光体1の表面粗さが大きくなるため、クリーニングブレード6aのエッジのダメージが大きくなり、欠損や歪みが生じクリーニング不良を起こしやすくなる。したがって、可能な限り小さい粒径の無機フィラーを選定する方が望ましい。通常は0.1〜0.3μm程度の粒径の無機フィラーが好適に使用される。
電荷輸送層105の膜厚は分散するフィラーや、要求される耐久性によって異なるが、通常2〜10μm、好ましくは3〜8μmとし、電荷輸送層104と電荷輸送層105との総膜厚を10〜30μmに設定する。すなわち、電荷輸送層105は電荷輸送層104の一部であるという考えに基づくものである。したがって、フィラーを分散しても機械的な強度以外の電子写真特性は同等な特性を持つようにする事が望ましい。電荷輸送層104と電荷輸送層105との間には正孔の移動を阻害するような障壁が形成されないようにすることが重要である。すなわち、両層に使用されるバインダー樹脂、ドナー、溶媒等は同じ材料を使用することが望ましい。
電荷輸送層105を積層した後の感光体1の表面抵抗率は1×1015〜1×1017Ω・cmで、体積抵抗率は1×1013〜1×1015Ω・cm程度である。
この様にして作製された感光体1の耐久性は、A4用紙換算で10万枚〜30万枚程度であり、潤滑剤塗布装置7の併用により更に高耐久化が望める。
感光体1の表面粗さはフィラーの分散状態や塗工条件等で左右される。高品位画像を得るためには、電荷輸送層104上に塗工して熱乾燥後(使用前)の表面粗さが10点平均粗さRzJISで0.1〜0.5μm程度となる様に塗工することが必要である。
10点平均粗さRzjisは複写が進むと削られて大きくなるが、余り大きくなり過ぎると、シャープ性などの画像品質に影響を与える様になり、転写後の残留粉体のクリーニング性にも影響を与える。
クリーニング不良は感光体1の表面抵抗、およびクリーニングブレード6aのエッジの表面粗さ(欠損)に依存するが、感光体1の表面粗さが大きいと、円形度が大きい球形トナーにはクリーニングブレード6aのエッジの少しの歪みや、スティックスリップ現象も影響してくるため、できるだけ大きくならないようなシステム条件にする事が必要である。
一方、感光体1の表面粗さが余り小さい(0.1μm以下)と、感光体1とクリーニングブレード6aとの間の密着性が良くなりすぎて、クリーニングブレード6aの接触面積が増加し、クリーニングブレード6aがスティックスリップ現象、歪みなどを起こしやすくなり、また、感光体1の回転性に支障がでることがあるため、少なくとも0.1μm以上になる様にする事が望ましい。
<クリーニング装置6>
クリーニング装置6は、基本的にはクリーニングブレード6aのみで構成されるが、円形度が大きい球形トナーを使用する場合には、クリーニングブラシ6bを併用する方が好結果を得られやすい。トナーのクリーニング性は画像品質に影響を与え、クリーニング不良を起こした場合には、トナーフィルミング現象が起こり、摩擦係数が大きく暴れ、低減させる事ができなくなる。したがって、クリーニング工程以降の工程に影響が及ばないように十分にクリーニングする必要がある。
クリーニングブレード6aは使用していくうちに感光体1に接触しているエッジ部が劣化して欠損を生じ、クリーニング不良が生じやすくなるが、クリーニングブラシ6bで予めプレクリーニングを行い、クリーニングブレード6aに流れ込むトナーやトナーの固まり、削れたフィラーなどをできるだけ少なくすることで、クリーニングブレード6aの負担を軽くして、エッジ部の欠損を少なくし、耐久性を図る事ができる。
<クリーニングブレード6a>
クリーニングブレード6aは、クリーニングブレード6a全体がJIS−A硬度で70〜90度のポリウレタンゴムを使用するか、他の弾性部材、例えば、クロロプレンゴムにJIS−A硬度が70〜90度のポリウレタンゴムを張り合わせた構成とすることも可能である。
クリーニングブレード6aの自由長は2〜10mmであれば十分で、通常は3〜8mmに設定する。なお、自由長というのは、クリーニングブレード6aにおける、このクリーニングブレード6aを支持する支持基体の先端部から感光体1に当接する先端部までの支持基体に固定されていない部分の寸法をいう。
平均円形度が0.97〜1.0と大きな球形トナーを使用する場合、硬度は少し高め(80〜90度)に設定した方が望ましい傾向にある。
クリーニングブレード6aの硬度が低すぎると、感光体1の摩擦抵抗の影響を受けやすく、少しの特性値の違いでも歪みやすくなる。一方、硬度が余り高いと感光体1の表面性への追随性が無くなり、また感光体1に摺擦傷を付けやすい。
他の弾性部材へ張り合わせる場合、ポリウレタンゴムの肉厚は、1〜1.5mmあれば十分である。
なお、クリーニングブレード6aの反発弾性率(JIS K 6301、リュプケ方式)は30〜70%のものが使用でき、通常は30〜50%程度のものを使用する。感光体1に当接するクリーニングブレード6aのエッジ部は短冊状にカットした平型形状でもよく、又は、感光体1に当接する側に向けて厚み寸法が次第に小さくなるナイフエッジ部が形成されていてもよい。当接角は15〜40°で、感光体1に対する食い込み量は0.5〜2mm、通常は1mmである。食い込み量が大きいとニップ幅が大きくなるため、感光体1との摩擦抵抗が高く成りすぎて感光体1の負担が大きくなり、感光体1がロックすることがある。また、食い込み量が小さい場合には、感光体1に生じたスクラッチの溝をクリーニングブレード6aで覆うことができないため、トナー抜けを生じてクリーニング不良が起こる場合もある。
感光体1に対するクリーニングブレード6aの当接圧は大きい程、クリーニングブレード6a、感光体1の双方に圧力が加わるため、感光体1には深い摺擦傷、クリーニングブレード6aではエッジ部欠損が生じやすくなる。
近年トナーには円形度が大きいほぼ球形の球形トナーが使用される傾向が増えているが、球形トナーはクリーニングブレード6aのエッジ部を抜けやすく、クリーニング不良を起こしやすい。このため、当接圧は40〜60gf/cm、あるいはそれ以上に高めに設定されている。当接圧が高めに設定される事で、感光体1とクリーニングブレード6aとの負担が大きくなり、耐久性が低下し、また感光体1にスクラッチが入り画像品質が悪化するという問題がある。
クリーニングブレード6aの当接圧は感光体1表面の摩擦係数によって加減が必要で、通常は40gf/cmあれば十分なクリーニング性が達成できる。しかし、常時40gf/cmあるいはそれ以上の当接圧が感光体1に加えられていると、感光体1は摩耗し易く、また摺擦傷も増加するため、当接圧はトナークリーニングに支障無い範囲で低く設定されることが望ましい。
一方、当接圧が低すぎた場合には、トナーがクリーニングブレード6aと感光体1との間に潜りやすくなり、クリーニング不良を起こしやすくなる。当接圧を10gf/cm以下に低くすると、クリーニングブレード6aでのトナーの抑止力が無くなり、クリーニング性が維持できない。したがって、望ましい当接圧は10〜40gf/cm、好ましくは15〜25gf/cmである。
クリーニングブレード6aのエッジ部の表面粗さはトナーのクリーニング性を維持する上で重要である。エッジ部が欠損し、表面粗さが大きくなった場合にはトナーは筋状にクリーニング不良を起こし、それがフィルミング現象となり、感光体1の摩擦係数が増加し、益々クリーニング不良が悪化する。
<クリーニングブラシ6b>
クリーニングブラシ6bはクリーニングブレード6aに並べて併設されている。クリーニングブラシ6bを設置する目的は、クリーニングブレード6aの補助的手段(プレクリーニング)、すなわち、クリーニングブレード6aに大量の残留粉体がなだれ込まないように、予め残留粉体をクリーニングブレード6a前で排除して、残留粉体により与えられるダメージを極力減らすことである。
また、クリーニングブラシ6bの摺擦力によって、感光体1表面に付着する放電生成物、紙粉、トナー構成物などによる汚染物を削り取る事によって、画像品質に与える弊害(解像度低下など)を抑制する事も行う。
クリーニングブレード6aと感光体1とに、トナーのクリーニング性を十分に行う条件が揃っていれば、クリーニングブラシ6bの併設は不要であるが、高ボリュームの画像形成装置では長期にわたって画像形成が行われるため、設置した方が望ましい事が多い。
画像形成を長時間にわたって行うと、次第にクリーニングブレード6aのエッジ部にトナーの固着が起こり、固着したトナーが感光体1とブレードエッジ6aとの間に挟まれ、クリーニングブレード6aや感光体1を傷つけ、またトナーなどの残留粉体のクリーニング性が低下するようになる。この固着現象はクリーニングブレード6aへのトナーの搬送量が多いほど頻繁に起こる。すなわち、クリーニングブラシ6bによって、クリーニングブレード6aへのトナーの搬送量を減らすことによって、クリーニングブレード6aの負担を軽減することができる。また、クリーニングブラシ6bを設けることにより、感光体1上への異物付着抑制及び、異物付着に伴う摩擦抵抗の上昇を抑制することができる。
クリーニング装置6のクリーニングブラシ6bには、直毛ブラシ(カットパイルブラシ)とループブラシの2種類があり、殆どの画像形成装置では直毛ブラシが使用されている。
直毛ブラシの場合、穂先で感光体1表面を摺擦するために、鋭利に摺擦傷が入りやすく、感光体1に点状の傷が発生し易い。ループブラシでは、繊維の腹(または背)の面で摺擦するため、感光体1に摺擦傷を与えにくく、クリーニング性に優れているという利点があり、摩耗力が高いために、解像度低下や画像流れなどの画像品質低下の進行が抑制されるという効果も生まれる。しかし、クリーニング性が優れることによって電荷輸送層104,105は摩耗し易く、感光体1の耐摩耗性が低くなるということもある。
ループブラシには、絶縁性のブラシと導電性を持たせたブラシとがあるが、本発明では導電性を有するブラシが有効である。絶縁性ブラシはブラシ自体が帯電しても放電に時間を要するため、トナーや紙粉等が付着してもブラシからの離れが悪くなるため、トナーが装置内に溜まりやすくなり、クリーニング効率の低下や、形成された画像の地肌汚れの原因となりやすい。しかし、導電処理されたブラシは、ブラシが帯電しても放電し易く、付着したトナーの電荷も放電するため、絶縁性ブラシで指摘したようなトナー、紙粉付着が緩和される。
クリーニングブラシ6bは、感光体1に対して均等に面接触(当接)するように設置されている。感光体1への食い込み量は1〜2mmが好適である。不均一な設置は電荷輸送層104,105のみならず、クリーニングブラシ6bにも偏摩耗を起こさせる。クリーニングブラシ6bの回転体1に対する回転方向は、カウンター方向(逆方向)、トレーリング方向(順方向)のいずれでも良い。
摩耗の大きい感光体1を使用する場合には、トレーリング方向に回転させ、フィラーを添加して耐摩耗性を向上させた感光体1を使用する場合には、カウンター方向に回転させることが好ましい。これはカウンター設置とトレーリング設置とで感光体1に対するハザードが異なり、トレーリング方向で設置した方が摩耗力は少なく、カウンター方向で設置した方が摩耗力は高めになる為である。
クリーニングブラシ6bの回転数は、通常100〜300rpmの間で設定されている。
クリーニング用に供されるループブラシの材質には、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維等があり、繊維メーカーはユニチカ、東レ、カネボウ、クラレ、三菱レーヨンなどがある。
ループブラシに使用される繊維の繊維径は10〜20(D)、密度は24〜48フィラメント/450ループ、ループの長さ(繊維長さ)は2〜5mmである。Dはデニールで、糸の重さ(g)×9000÷糸の長さ(m)で表され、数値が小さいほど糸径は小さくなる。
ループブラシは、ひも状にカットした繊維を芯金上に螺旋状に隙間無く巻き付け、ずれが無いように固定する方法が一般的である。固定する手段には接着剤や両面粘着テープ、熱融着などが使用される。この様な製法を取ることにより、ずれなく、安定した、ムラのないクリーニング性を維持できる。
ループブラシは直毛ブラシに比べて、感光体1に摺擦傷を与え難い。一般に、硬度の低い感光体1ではクリーニングブレード6aやクリーニングブラシ6b、現像剤で摺擦されることによって、感光体1表面には大なり小なり摺擦傷が生じるが、直毛ブラシを使用した場合、100〜250rpm程度の回転数で回転する繊維先端部のカット面が感光体1に当たるため、感光体1に細かい傷や摺擦傷が入ったり、ループブラシに比べて感光体1に与える機械的なダメージは大きい。
これらの機械的なダメージは、特に画像品質上黒点や白点、細線などの異常画像になる事は少ないが、大きな溝が生じた場合には潤滑剤などを塗布する事によって、あるいは、放電生成物が入り込んだりした場合には、スクイズが十分に行われないため、長期的には異常画像(白ポチ、黒ポチ)を起こす事も考えられる。
ループブラシの場合には、繊維の腹、若しくは背の部分で摺擦するために、深いスクラッチや細かい打痕を発生させることが少なく、浅い均一な摺擦傷になる場合が殆どであるが、電荷輸送層104,105の摩耗は直毛ブラシに比べて多くなる傾向が見られる。
本発明に好適に使用できるループブラシには、アクリル系繊維として、SA−7(東レ社)、ナイロン系ベルトロン([ナイロン系繊維、カネボウ社、タイプ931,961など]、ポリエステル系ベルトロン[ポリエステル系繊維、カネボウ社、タイプB31など])がある。
上述したように、クリーニングブラシ6bは感光体1との摺擦により、摩擦帯電が起こり、トナーが付着しやすくなり、次第にクリーニング性が低下する現象が見られる。したがって、クリーニングブラシ6bは導電処理されていることが望ましい。導電処理の方法としては、繊維の製造の段階で導電性カーボンを繊維内に充填する方法、樹脂が溶融状態時に導電性カーボンや、錫、金、チタン等の金属微粒子を入れて繊維化する方法、繊維とされた後に導電性繊維と混織する方法が挙げられる。
但し、抵抗が余り低いと、感光体1からの放電が有り、異常画像の原因になるため、抵抗は10〜1010Ω・cm程度とすることが望ましい。SA−7やベルトロンはいずれも導電性が付与されており、帯電しても自己放電能力を備えているため、トナーが静電的に吸着されても、画像形成動作終了後はクリーニングブラシ6bより離脱させる事ができる。ベルトロンの場合は内部にカーボンなどの導電性微粒子を内蔵しており、SA−7ではカーボンが分散されている。除電能力はベルトロンの方がSA−7より高い傾向が見られる。但し、電荷が充分に放電するには数秒から数十秒必要である。
クリーニングブラシ6bの使用に際しては、ブラシ部分と芯材(金属、若しくは導電処理された樹脂など)とを電気的に結合させ、その芯材を筐体にアース(接地)するか、トナー及び感光体1の保有する電荷を除電する電圧を印加するのが望ましい。画像形成動作終了後の残留粉体の保有する電荷の極性は均一では無い(プラスにもマイナスにも帯電したものが混在する)ため、状況を十分に把握し電圧条件を決定する必要があり、システム条件によっては接地にした方がクリーニングは良好に行われることもある。
重合法で作製された球形トナーの場合は、転写後でも残留電荷の極性は比較的揃っており、直流電圧を印加しても差し支えないが、トナーの帯電のバラツキを考慮して、交流電圧単独、若しくはプラス電圧を重畳した交流電圧を印加するのが望ましいが、状況によっては電圧を印加せず接地(0V)にした方が良い場合もある。
電圧の条件例は、50〜2000Hz/300〜1000Vの交流電圧、直流電圧では+50〜+500V程度の範囲で設定される。電圧が過剰な場合には異常帯電が起こり、画像ノイズになる場合があるため、可能な限り低めに設定することが望ましい。
<摩擦係数、摩擦係数の低減化について>
感光体1をプリンタ内で繰り返し使用すると、潤滑剤が塗布されていない状態では、感光体1表面の摩擦係数はオイラーベルト方式で測定して、初期値(作像前の無垢な状態)は比較的低い値(0.3前後)を示すが、複写を行う毎に上昇し、ついには0.6を越えるような高い値になる。摩擦係数の上昇にしたがい、クリーニングブレード6aと感光体1との間の摩擦抵抗は増大し、クリーニングブレード6aはスティックスリップ現象がおこり始め、次第にクリーニング不良が発生しやすくなる。摩擦係数は低いほど感光体1に対するクリーニングブレード6aの摩擦抵抗が軽減されるため、スティックスリップ現象は起こりにくくなる。しかし、摩擦係数が0.1〜0.15のレベルまで下がりすぎると、トナー、特に、球形トナーがクリーニングブレード6aのエッジ部へ潜り込みを生ずるようになり、スティックスリップ現象が起こらなくてもクリーニング不良が起こりやすくなる。したがって、摩擦係数は0.15以上、好ましくは0.2以上で有り、上限値に関しては、0.4以下、好ましくは0.35程度以下であることが好ましい。摩擦係数が大きいほどスティックスリップ現象は起こりやすくなるため、画像品質の低下が起こらない範囲でできるだけ小さい方が望ましい。
<潤滑剤塗布装置7>
潤滑剤塗布装置7は、図3に示すように円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14とを有し、これらの円柱状潤滑部13とブラシ状塗布部材14とがABS樹脂製のケース15に収納されている。潤滑剤塗布装置7はクリーニング装置6と帯電装置3との間に配設されている。
<円柱状潤滑部材13>
円柱状潤滑部材13は、図5に示すように、例えば、ロッド状のステンレス製、真鍮製、あるいはステンレスメッキした鉄製、樹脂層被覆の金属製の芯金13aに潤滑剤(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)若しくはステアリン酸亜鉛のうちの何れか一種)13bを必要な外径になる様に被覆して形成されている。円柱状潤滑部材13は、中心線回りに回転可能であって、中心線が感光体1の中心線と平行となる向きに配置されている。なお、潤滑剤13bは、図5に示したように円筒状でもよく、又は、図8に示すように、シート状のものを巻き付けた構造であってもよい。
円柱状潤滑部材13の感光体1の長手方向の有効長さは、クリーニングブレード6aと同等若しくはクリーニングブレード6aより1〜2mm程度長めに設定されている。潤滑剤13bは上述したように円筒状でもよく、又は、シート状でもよい。円柱状潤滑部材13の作製方法に関しては、潤滑剤13bがPTFEの場合、芯金13aを円筒状の潤滑剤13bに挿入して作製することができる。潤滑剤13bがステアリン酸亜鉛の場合、芯金13aにゲル状又は液体状の潤滑剤13bを被覆、冷却して固化した後、円柱状に研削して作製することができる。
円柱状潤滑部材13に要求される耐久性を10万枚と仮定すると、潤滑剤13bの厚さは1mm程度、50万枚と仮定すると、5mm程度以上の厚さが有ればよい。潤滑剤13bが摩耗仕切るまで使用できる。円柱状潤滑部材13の外径は設置スペースや要求枚数等に応じて、φ10〜20mmの範囲で設定する。本実施の形態では、設置スペースに余裕があれば、潤滑剤13bの肉厚が制限されることがないため、100万枚の耐久性が必要な場合には、それに応じた肉厚の潤滑剤13bを使用する事ができる。勿論交換時期を知らせるセンサーを取り付けるか、若しくは、一定時間経過後に交換するようにすれば、小径の円柱状潤滑部材13であっても良い。
円柱状潤滑部材13の芯金13aの両端にはベアリング(図示せず)が取り付けられ、ケース15に保持されている。芯金13aの片端にはギア若しくは駆動装置(例えば、ブラシレス小型DCモーター)が直付けされており、入力電圧の制御により回転数がコントロールされる。回転数は50〜300rpm程度に設定するが、ブラシ状塗布部材14の回転数、回転方向等による感光体1への塗布され具合(摩擦係数の低減化及び維持状態=目安の摩擦係数は約0.2〜0.3の間に維持されるのが良い)、クリーニング性、画像品質等を考慮して設定する。
なお、駆動手段として上記方法に限定されず、ギアやタイミングベルトと駆動装置とを併用して行う事もできる。
<ブラシ状塗布部材>
ブラシ状塗布部材14は、円柱状の基体14aと基体14aに植毛した繊維を放射状に延出させたブラシ部14bとにより形成されており、中心線が円柱状潤滑部材13や感光体1の中心線と平行になる向きに配置されている。
ブラシ部14bは、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンおよびレーヨンの何れか1種の繊維で作製されるが、混合タイプであってもよい。
繊維の太さは10〜50(D/F)、ブラシ密度は1万〜10万(F/inch)の範囲が好適に使用できる。繊維の形態は繊維が基体より立ち上がるように植毛された直毛ブラシ(カットパイルブラシ)が有効である。織物タイプでは基体14aに立毛となる様に織ったベルベットが良好に用いられる。ブラシ状塗布部材14に直毛ブラシを使用するのは、潤滑剤13bが穂先に付着するだけであるので、ループブラシほど繊維の間に入り込み固化する事は少ないので、目詰まりが少なく、長期的に使用できることと、潤滑剤13bが穂先に付着しているために、感光体1への繊維のアタックが緩和され、感光体1に細かい傷が入りにくい為である。ベルベット様な立毛のパイルを使用した織物の場合には、更にソフトになるため、感光体1が傷付くことは全くない。
感光体1へのブラシ部14bの食い込み量は、直毛ブラシと織物のベルベットでは若干異なるが、食い込み量としては0.5〜2mmが好ましく、より好ましくは0.5〜1mmである。これは感光体1への潤滑剤13bの塗布量をコントロールするためと、できるだけ穂先を使用することで、塗布ムラが起こらないようにするためである。塗布量が多くなると、感光体1の全面に亘って、潤滑剤13bが塗布され厚くなるため、摩擦係数が下がりすぎ解像度低下や画像流れ、クリーニング不良などの不具合が生じる。
ベルベットの立毛長さは1mm程度であり、繊維の先端部から0.5mmの間に潤滑剤13bが塗布される事によって、感光体1に良好な塗布が可能である。
円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14とは、図4に示すように、例えば、抑え用のバネ部材16と互いに反発するバネ部材17とを使用して食い込み量がバランスされる。この様にすることにより、円柱状潤滑部材13はブラシ状塗布部材14との距離を一定に維持される。円柱状潤滑部材13へのブラシ状塗布部材14のブラシ部14bの食い込み量が、0.5〜2mm、好ましくは0.5〜1mmに設定されている。これにより、ブラシ14bの穂先への潤滑剤13bの付着が良好に行われる。
<潤滑剤塗布量抑制部材>
潤滑剤塗布装置7のケース15には、図3に示すように、潤滑剤塗布量抑制部材18が固定されている。この潤滑剤塗布量抑制部材18は、感光体1の回転方向に沿ったブラシ状塗布部材14の下流側に配置され、その先端部が感光体1の外周面に感光体1の中心線方向に沿った幅方向の全域に当接されている。なお、ケース15への潤滑剤塗布量抑制部材18の取付けは、図3に示すように直接行ってもよく、又は、図10に示すように取付金具19を介して行ってもよい。さらに、潤滑剤塗布量抑制部材18を、潤滑剤塗布装置7と帯電装置3との間に単独で設けてもよい。
潤滑剤塗布量抑制部材18は、その先端部を感光体1の外周面に当接することにより、感光体1の外周面に過剰に塗布された潤滑剤13bを除去する(削り取る)働きをする。この潤滑剤塗布量抑制部材18を設けることにより、感光体1への潤滑剤13bの過剰塗布が防止される。
潤滑剤塗布量抑制部材18は、クリーニングブレード6aと同じポリウレタンゴムを使用し、図3に示したような短冊形状、若しくは、図9、図10に示すように感光体1に当接する側に向けて厚み寸法が次第に小さくなるようにカットされたナイフエッジ部20を有する形状に形成されている。ナイフエッジ部20の先端部(感光体1の外周面に当接する部分)の幅寸法は、0.3〜1mmが好適である。ナイフエッジ部20を形成することにより、潤滑剤13bを削り取る性能が高くなる。しかし、先端部の幅寸法が1mm以上になると、ナイフエッジ部20を形成したことによる削り取り性能の向上は見られなくなる。一方、ナイフエッジ部20の先端部の幅寸法が狭すぎると、先端部が簡単に反転(感光体1の回転方向へのめくれ上がり)を起こすため、潤滑剤13bの削り取り性能が損なわれる。
ナイフエッジ部20のカット角度は80〜30°が好ましく、より好ましいのは70〜40°である。カット角度を設けることで、感光体1の外周面に塗布された潤滑剤13bの押さえ込みが無くなるため、潤滑剤13bの除去効率がアップする。カット角度が約30°以下では強度不足になるため、感光体1との間に浮きを生じ易くなり、除去効率が低下する。
潤滑剤塗布量抑制部材18の厚み寸法は1.5〜5mmで、好適には2〜3mmである。厚みが薄くなると強度不足で除去効率が低下する。一方厚くなった場合には潤滑剤13bを押さえ込むため、すり抜けが生じやすくなり除去効率が低下する。
潤滑剤塗布量抑制部材18の硬度は、JIS−A硬度で60〜90度、好適には70〜80度である。60度以下では強度不足となる。90度以上では感光体1に摺擦傷(スクラッチ)を付ける確率が高くなり、感光体1の回転方向に形成された摺擦傷内に潤滑剤13bが入り込み、潤滑剤13bの除去効率は低下する。潤滑剤13bの付着厚さは数十〜数百Åであるが、これを十数Åにまで抑えることが望ましいため、潤滑剤塗布量抑制部材18と感光体1との双方とも可能な限り傷付かない様にする事が望ましい。
潤滑剤塗布量抑制部材18は感光体1の回転方向に対してカウンター方向になる様に取り付ける。この様にする事によって、感光体1に食い込む様に作用するため、除去効率が高くなる。なお、摩擦係数が0.1〜0.15程度まで低下すると、効果が小さくなるため、潤滑剤13bの塗布量を制限して、摩擦係数が0.2以上0.4以下になる様にコントロールする事が望ましい。
<摩擦係数の測定方法>
感光体1の摩擦係数の測定方法について説明する。測定用の感光体1を台座に固定し、幅30mm、長さ290mmにカットした厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルト状に感光体に掛け渡し、ベルト(上質紙)端部の一方に100gのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルト(上質紙)の移動開始時の重量を読みとり、下式1より(静止)摩擦係数μsを計算する。
(式1)
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重
W:分銅の重さ π:円周率
図6に摩擦係数の測定結果のグラフを示す。
測定用の装置としてイマジオMF6550改造機(リコー製)を使用した。帯電は接触帯電とし、外部電源により帯電電位は−800V、現像バイアスを−650V、画像部電位を−180Vに設定した。トナーには粉砕トナー(約7.5μm、リコー製)を使用した。円柱状潤滑部材13は、φ5mmのステンレス製の芯金13aに、厚さ約3mmの円筒状に加工したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、又はステアリン酸亜鉛を被覆したものを使用した。ブラシ状塗布部材14は、ブラシ部14bの長さが3mmのポリエステル繊維から構成されたものを使用した。感光体1と円柱状潤滑部材13とへのブラシ部14bの食い込み量は約1.5mmで、ブラシ状塗布部材14の感光体1に対する回転方向はトレーリング方向(順方向)であり、円柱状潤滑部材13のブラシ状塗布部材14への回転方向はカウンター方向(逆方向)若しくはトレーリング方向(順方向)である。回転は円柱状潤滑部材13を110rpm、ブラシ状塗布部材14の回転数を130rpmに夫々設定した。
使用した感光体1は、φ100mmでZタイプのポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として電荷輸送層に使用した感光体(詳細は実施例に記載)である。なお、評価環境は24.5〜25.4℃、65〜68%RHである。
図6のグラフにおいて、
aは、PTFE製の潤滑剤13bを使用し、円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14との回転方向がカウンター方向であり、潤滑剤塗布量抑制部材18が有る場合を示す。
bは、PTFE製の潤滑剤13bを使用し、円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14との回転方向がカウンター方向であり、潤滑剤塗布量抑制部材18が無い場合を示す。
cは、ステアリン酸亜鉛製の潤滑剤13bを使用し、円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14との回転方向がトレーリング方向であり、潤滑剤塗布量抑制部材18が無い場合を示す。
dは、ステアリン酸亜鉛製の潤滑剤13bを使用し、円柱状潤滑部材13とブラシ状塗布部材14との回転方向がトレーリング方向であり、潤滑剤塗布量抑制部材18が有る場合を示す。
eは、円柱状潤滑部材13と潤滑剤塗布量抑制部材18とがともに無い場合を示す。
eを除いて、100枚程度で摩擦係数は0.3以下に低減した。上記条件ではdが少し高めであるが、摩擦係数は0.2〜0.3の間でほぼコントロールされている。摩擦係数以外に評価した項目では、画像品質はbとcが僅かに文字太り(解像度は4.5〜5.0(本/mm)程度で、通常は5.6〜6.3(本/mm)である)が見られたが、潤滑剤塗布量抑制部材18が無いために、潤滑剤13bが多めに感光体1上に残った結果、放電生成物の影響が出たものと思われる。
もう少し潤滑剤13bの塗布量を減らし、摩擦係数を0.25〜0.3程度にすれば、画像品質は改善されるものと思われる。なお、トナークリーニング性に関しては特に問題は無かった。また、帯電部材の汚染はa〜dのいずれにも生じたが、帯電特性に影響を与えるレベルではなかったが、潤滑剤塗布量抑制部材18を設置した場合では、付着は明らかに少なく、抑制効果が認められた。
潤滑剤を塗布しないdでは摩擦係数が増加した。解像度に関しては問題なかったが、微かに地汚れが確認された。
本発明の第2の実施の形態を図11に基づいて説明する。なお、図1ないし図10において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同じ)。
本実施の形態の画像形成装置であるプリンタは、上述した実施の形態で説明した潤滑剤塗布装置7を構成部品の一つとしたプロセスカートリッジ21を有している。
プロセスカートリッジ21は、カートリッジケース22、カートリッジケース22内に中心線回りに回転可能に収容保持された感光体1、カートリッジケース22内に収容された帯電装置3、現像装置5、クリーニング装置6の各作像手段、カートリッジケース22内に収容された潤滑剤塗布装置7等により構成されている。
プリンタの本体ケース(図示せず)内の下部には記録媒体収容部10が設けられ、この記録媒体収容部10からトナー像が転写された記録媒体Sが排出される記録媒体排出部111aに至る記録媒体搬送路11が形成されている。この記録媒体搬送路11の途中に、プロセスカートリッジ21、転写装置8、定着装置12等が配置されている。プロセスカートリッジ21は、本体ケースに対して着脱可能に取り付けられている。
このような構成において、このプロセスカートリッジ21を備えた画像形成装置における画像形成動作は第1の実施の形態のプリンタでの画像形成動作と同じように行われる。
画像形成装置において潤滑剤塗布装置7を構成部材としたプロセスカートリッジ21を使用することにより、感光体1の周囲に配置される各種の部材、例えば、帯電装置3、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置7等の故障発生時には、プロセスカートリッジ21を全体として交換すればよく、メンテナンス性能が向上する。また、潤滑剤塗布装置7をプロセスカートリッジ22内に組み込むことにより、潤滑剤13bの作用により感光体1の寿命が延び、ひいては、プロセスカートリッジ22の高寿命化に寄与することとなる。
なお、本実施の形態では、プロセスカートリッジ21を一つ有するモノクロ用のプリンタを例に挙げて説明したが、異なる色の画像を形成する複数の画像形成部を有するタンデムタイプのカラー画像形成装置において、各画像形成部において上述した潤滑剤塗布装置7を含む構成のプロセスカートリッジ21を使用することができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
<有機感光体の作製例>
評価用の有機感光体を以下の手段で作製した。
厚さ1.2mm、φ100mmのアルミニウムドラムに、下記仕様の下引層(UL)用塗工液で浸漬塗工した後、120℃で25分乾燥し、約3.5μmの下引き層を形成した。
次に、化1に記載の下記電荷発生材を用いた電荷発生層(CGL)用塗工液で浸漬塗工した後、120℃で20分間加熱乾燥し、0.2μmの電荷発生層を形成した。
引き続き、化2に記載の電荷輸送材を使用した電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積塗工した後、135℃で20分の加熱乾燥を行い、膜厚が25μmの電荷輸送層を有する評価用の感光体を作製した。
感光層(電荷輸送層)の膜厚測定にはフィッシャー社の渦電流式膜厚計(タイプmms)を使用した。下記記載の「部」はいずれも重量部である。
<下引き層用塗工液>
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製) 4部
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
<電荷発生層用塗工液>
下記“化1”構造のトリスアゾ顔料 2.5部
Figure 2005092019
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
<電荷輸送層用塗工液>
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万) 10部
下記“化2”構造の低分子電荷輸送物質 8部
テトラヒドラフラン 200部
メチルフェニルシリコーンオイル(50cs) 0.01部
Figure 2005092019
<潤滑剤塗布装置の作製例>
評価用の複写機兼プリンターイマジオMF6550改造機(リコー製)用の潤滑剤塗布装置を作製した。
潤滑剤塗布装置用の円柱状潤滑部材として、φ5mmのステンレス製芯金に厚さ3mmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)又はステアリン酸亜鉛(Z.Sと表示する)を被覆したものを2種類用意した。外径は約φ11mmとした。有効長さは328mmである。
ブラシ状塗布部材は繊維長さが3mmのポリプロピレン繊維((株)槌屋製;P.Pと表示する)を植毛したものと、繊維の長さが1mmのベルベット(織物;B.Bと表示する)の2種類を用意し、8mmの幅にカットしたものを、滑り止め(例えば両面テープや粘着剤を使用)を施したφ5mmのステンレス製芯金上に、螺旋状に巻き付けて端末処理して外径が13mmになる様に仕上げた。
ポリプロピレン繊維(P.P)の太さは680D/40Fで、密度は27000F/inchである。取り付けはポリプロピレン製のブラシ状塗布部材の場合、円柱状潤滑部材への食い込み量が約1mm、ベルベット製(B.B)の場合が約0.5mmになるように取り付け位置及びバネ部材の調整を図った。
円柱状潤滑部材とブラシ状塗布部材との駆動は、小型のDCモーターを直結し、直流電源の電圧を調整することによって回転数を可変するようにした。
<潤滑剤塗布量抑制部材の作製例>
厚さ:2mm、幅:15mm、長さ:326mm、JIS−A硬度:77度、反発弾性率:40%(JIS6301、リュプケ式)、100%モデュラス:3.9Mpaのポリウレタンゴム(東洋ゴム製)製の板状部材(潤滑剤塗布量抑制部材)を、自由長(取付金具の先端から板状部材先端までの幅寸法)が6mmになる様に取付金具にホットメルト接着剤を使用して取り付け、潤滑剤塗布装置にネジ止めした。潤滑剤塗布装置にネジ止めしたときの板状部材の感光体に対する当接圧は約25gf/cmとした(第1型の潤滑剤塗布量抑制部材)。
上記した部材(板状部材+取付金具)とは別に、厚さ:2.8mm、幅:15mm、カット傾斜角度:50°、エッジ部幅:0.8mm、長さ:326mm、JIS−A硬度:62度、72度、88度、92度反発弾性率:30〜40%(JIS6301、リュプケ式)、100%モデュラス:3.1〜4.8Mpaのナイフエッジ状ポリウレタンゴム(バンドー化学製)を自由長(取付金具の先端から板状部材先端までの長さ)が6mmになる様に取付金具にホットメルト接着剤を使用して取り付けた部材を、潤滑剤塗布装置にネジ止めした。潤滑剤塗布装置にネジ止めしたときの板状部材の感光体に対する当接圧は約25gf/cmになる様に設定した(第2型の潤滑剤塗布量抑制部材)。
<実施例1〜8>
評価機(イマジオMF6550改造機(リコー製))に、作製例に示した感光体、潤滑剤被覆部材、ブラシ状塗布部材、円柱状潤滑部材を夫々装着し、3万枚のA−4サイズ用紙での評価を実施した。なお、帯電装置はコロナ帯電方式を接触帯電用に改造し、帯電部材にはφ14mmの帯電ローラを使用した。帯電ローラは6mmのステンレス製丸棒に、カーボンを均一分散し、電気抵抗率を6×10Ω・cm(100VDC印加時)に調整したエピクロルヒドリンゴムを3mmの厚さになるように塗布して研磨し、その層上にエピクロルヒドリンゴムにカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散し、電気抵抗率が(3〜5)×10Ω・cm(100VDC印加時)になる様に調合したエピクロルヒドリンゴムを厚さ1mmに均一塗布して、φ14mm×314mm(有効帯電幅:312mm)の寸法形状にしたものである。
現像剤には、平均円形度0.92,粒径7.5μmの粉砕トナー(リコー製)に、平均粒径が60μmのキャリアFPC−300LC(パウダーテック社製)を5重量%で混合したものを使用した。
円柱状潤滑部材の回転数は130rpm、ブラシ状塗布部材の回転数は150rpmに設定し、感光体と潤滑剤被覆部材は同方向回転、潤滑剤被覆部材とブラシ状塗布部材の回転方向は逆方向回転(カウンター方向)とした。また、感光体の帯電電位は−750V、画像部電位は−180V、現像バイアス電位は−620Vに設定した。画像評価は解像力チャート(コダック社製 JISZ 6008 1982)を貼り付けた専用のA−3サイズテストチャートを用い、解像度、シャープ性及び地汚れ度を評価し、感光体を評価機より取り外して、帯電装置前後の感光体表面を10倍ルーペで観測し、クリーニング性を評価した。更に、膜厚計(渦電流式膜厚計、タイプmms、フィッシャー社製)で初期と3万枚後の膜厚を測定し、観光層(電荷輸送層)の摩耗量を確認した。結果を表1に示す。
Figure 2005092019
実施例4に示す潤滑剤にステアリン酸亜鉛、ブラシ状塗布部材にベルベット、潤滑剤量抑制部材がない場合に、摩擦係数が0.1台に下がったために画像品質がやや低下した(ライン画像、ドットパターンが細くなり、一部歪みが生じ、ハーフトーン画像にもムラが少し見られた)以外、解像度の低下も無く、画像品質、クリーニング性、感光体の耐摩耗性も共に良好であった。
潤滑剤塗布量抑制部材を使用した場合には(実施例5〜8)、摩擦係数も良好なレベルで比較的安定しており、画像品質的には良好であった。摩耗量は潤滑剤塗布量抑制部材を使用しない場合より増加したが、これは潤滑剤の削り取りに伴う摩擦力の増加に因るものと推測されるが、摩耗量にはまだ十分に余裕があり問題は見られなかった。
帯電部材(帯電ローラ)への潤滑剤付着は、潤滑剤塗布量抑制部材が無い場合に少し白っぽく観測されたが、帯電不良になるようなレベルにはなく、ハーフトーン画像への影響も見られなかった。潤滑剤塗布量抑制部材を配設した場合でも僅かではあるが確認された。この場合についても問題は無かった。
<比較例1〜2>
上述した評価機より円柱状潤滑部材、ブラシ状塗布部材、潤滑剤量抑制部材を全て外した場合(比較例1)、円柱状潤滑部材の回転を停止して固定とし、ブラシ状塗布部材にポリプロピレン樹脂製を使用し、潤滑剤量抑制部材を配設しない場合(比較例2)の2例について、3万枚の評価を実施した。装置類の設定方法及び、評価方法は実施例1〜8と同等とした。結果を表2に示す。
Figure 2005092019
比較例1の場合には、潤滑剤の作用が無いため、摩擦係数の増大が生じた。その結果、感光層(電荷輸送層)に大幅な摩耗が生じた。また、感光体の外観検査で表層にクリーニング不良が見られ、透明粘着テープでの隔離試験で、テープ全体に明らかトナーの付着が観測され、コピー用紙上で微細な砂を撒いたような微かな汚れが観測された。
比較例2の場合には、円柱状潤滑部材を回転させず固定とした場合、3万枚終了後の摩擦係数が0.45あり、クリーニング性という面で不十分であり、膜厚の増加は感光層(電荷輸送層)上にフィルミングが生じたことを意味しており、放電生成物の研削不良も相まって、画像流れにまでは到っていないが、文字画像に細りが見られ、画像の後端のエッジが切れ切れになる現象が生じ、解像力低下となった。また、ハーフトーン画像には全面に亘って、筋模様が薄く確認され、画像の一部にはボケも認められた。
さらに、帯電部材には潤滑剤の他トナーの付着も見られ、外観的には白っぽい筋模様が生じハーフトーン画像の筋模様の一因と考えられる。
<実施例9〜12>
円柱状潤滑部材にステアリン酸亜鉛,ブラシ状塗布部材にポリプロピレン樹脂製ブラシを夫々使用し、潤滑剤塗布量抑制部材にはゴム硬度を62〜92度の間で変えたナイフエッジ部を形成した板状部材を使用し、実施例1〜8と同様な方法で3万枚の評価を実施した。装置、設定条件等はいずれも実施例1〜8に同様である。結果を表3に示す。
Figure 2005092019
潤滑剤塗布量抑制部材のゴム硬度は潤滑剤の削り取り量と、感光体への摺擦傷を左右させ、結果的にトナーのクリーニング性、画像品質に関係する。
ゴム硬度が低くなると潤滑剤の削り取り量が少なくなるため、感光体表層の潤滑剤量が十分にコントロールされないために、結果的に画像流れなどを起こす事になるが、ゴム硬度が62度の場合(実施例9)では若干掻き取り不良もあるが、摩擦係数も0.2台とほぼ良好にコントロールされており、クリーニング性も良好であった。一方、92度に硬度をアップした場合には(実施例12)、感光体に筋状の摺擦傷は多くなり、帯電部材に筋模様が生じたが、画像上筋模様として現れるまでには到らなかった。しかしシャープ性に少し低下が見られた。一方、ゴム硬度が88度、72度の場合について、問題は特に生じなかった。
帯電部材の汚染は比較的良好で、ゴム硬度が高い方が板状部材先端への潤滑剤、トナーの付着が多い傾向にあることが認められた。
<比較例3〜4>
円柱状潤滑部材の潤滑剤として、PFA(四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)を使用し、回転させた場合(比較例3)と、回転させずに固定した場合(比較例4)とについて行った。
また、ブラシ状塗布部材にはポリプロピレン樹脂製、ナイロン製樹脂ブラシを使用したものとし、潤滑剤量抑制部材は装着せず、A−4サイズ用紙での1万枚評価を行った。装置、条件、評価法等は実施例1〜8に同等とした。結果を表4に示す。
Figure 2005092019
PFA(四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)を使用した場合(比較例3)、フッ素樹脂であるにも関わらず、感光体への潤滑剤の転移が十分に行われず、摩擦抵抗を下げる事ができず、1万枚で0.6μmの大きな削れとなった。また、トナーのクリーニング性は不十分で、微かにではあるがクリーニング不良が生じた。
PFAを固定にした場合には、ブラシ状塗布部材はナイロン製としたが、結果的にはナイロン樹脂の方が摩擦係数の低減効果は良かった。しかし、摩擦係数の低減効果は不十分で0.5程度のレベルに留まった。その結果、摩擦係数の低減が不十分でクリーニング不良(トナー抜け)が局部的に生じ、また、帯電部材も白っぽく汚れ、ハーフトン画像が一部長手方向に、濃度ムラとして帯状に生じた。
<実施例13〜15>
円柱状潤滑部材の潤滑剤にPTFE、ブラシ状塗布部材にポリプロピレン樹脂製、潤滑剤塗布量抑制部材に短冊状(JIS−A硬度:77度)又はナイフエッジ部を有する板状部材(JIS−A硬度:88度)を使用し、トナーには球形トナー(平均円形度:0.973)、粒径:6.3μm(リコー製重合トナー試作品)を使用し、A−4サイズ用紙での3万枚の評価を実施した。装置の設定条件及び、その他の条件は実施例1〜8に同じである。結果を表5に示す。
Figure 2005092019
実施した実施例は3例とも、摩擦係数は低く抑えられたため、トナーのクリーニング性はほぼ良好であり、地肌汚れは殆ど確認されなかった。
表5には記載していないが、潤滑剤の潤滑剤塗布量抑制部材での抑制効果はナイフエッジ部を有する場合が最も良く、ついで短冊状であったが、感触的に帯電部材の摩擦係数が低下した様子があったことから、若干でも潤滑剤の付着があった様に思われる。この程度の付着は帯電には全く問題はなく、コピー画像上でも異常は認められなかった。
潤滑剤塗布量抑制部材を配設しない場合では潤滑剤の帯電部材への付着は認められ、ハーフトーン画像のコピー用紙の長手方向にわたって帯状模様が薄く生じた。
摩擦抵抗の低下はトナーのクリーニング性に有効に働いたが、解像度の低下が確認され、実用的には下限値近いレベルとなった。
本発明の第1の実施の形態の画像形成装置であるプリンタを示す概略側面図である。 感光体の構造を示す断面図である。 潤滑剤塗布装置を拡大して示す概略側面図である。 円柱状潤滑部材とブラシ状塗布部材との距離を一定に維持する機構を説明する概略図である。 円柱状潤滑部材を示す斜視図である。 印刷枚数に応じた感光体の摩擦係数の測定結果を示すグラフである。 感光体の変形例の構造を示す断面図である。 円柱状潤滑部材の変形例を示す斜視図である。 潤滑剤塗布装置の変形例を示す概略側面図である。 潤滑剤塗布装置の他の変形例を示す概略側面図である。 本発明の第2の実施の形態の画像形成装置であるプロセスカートリッジを使用したプリンタを示す概略側面図である。
符号の説明
1 像担持体
7 潤滑剤塗布装置
10 記録媒体収容部
11 記録媒体搬送路
11a 記録媒体排出部
13 円柱状潤滑部材
13b 潤滑剤
14 ブラシ状塗布部材
14b ブラシ部
18 潤滑剤塗布量抑制装置
20 ナイフエッジ部
22 カートリッジケース

Claims (10)

  1. 外周部が潤滑剤により形成されて中心線回りに回転駆動される円柱状潤滑部材と、
    前記円柱状潤滑部材の中心線と平行な中心線をもって配置され、前記円柱状潤滑部材の外周面とトナー像が形成される像担持体の外周面とに接触しつつ中心線回りに回転駆動されるブラシ状塗布部材と、
    を具備する潤滑剤塗布装置。
  2. 前記像担持体の回転方向に沿った前記ブラシ状塗布部材の下流側に配置され、前記像担持体の外周面に当接される潤滑剤塗布量抑制部材を具備する請求項1記載の潤滑剤塗布装置。
  3. 前記潤滑剤塗布量抑制部材は、JIS−A硬度が60〜90度のポリウレタン製の板状部材である請求項2記載の潤滑剤塗布装置。
  4. 前記板状部材には、前記像担持体に当接する側に向けて厚み寸法が次第に小さくなるナイフエッジ部が形成されている請求項3記載の潤滑剤塗布装置。
  5. 前記潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレンとステアリン酸亜鉛との何れか一種である請求項1ないし4のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置。
  6. 前記ブラシ状塗布部材は、ナイロンとポリエステルとポリプロピレンとレーヨンとのうちの少なくとも一種の繊維で形成されて放射状に延出するブラシ部を有する請求項1ないし5のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置。
  7. 前記円柱状潤滑部材への前記ブラシ部の食い込み量が0.5〜2mmである請求項6記載の潤滑剤塗布装置。
  8. 外周面にトナー像が形成される像担持体と、
    前記像担持体を回転可能に保持するカートリッジケースと、
    前記カートリッジケース内に保持され、前記像担持体の外周面に対向配置された請求項1ないし7のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置と、
    を具備するプロセスカートリッジ。
  9. 外周面にトナー像が形成される像担持体と、
    前記像担持体の外周面にトナー像を形成する作像手段と、
    前記像担持体の外周面に対向配置された請求項1ないし7のいずれか一記載の潤滑剤塗布装置と、
    を具備する画像形成装置。
  10. 記録媒体収容部から記録媒体排出部に至る記録媒体搬送路と、
    前記記録媒体搬送路の途中に着脱可能に配置された請求項8記載のプロセスカートリッジと、
    を具備する画像形成装置。
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