JP2005103603A - 内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法 - Google Patents

内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法 Download PDF

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伸明 日名子
Chikara Saeki
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Abstract

【課題】 圧延荷重の変化による素管の形状変化及び破断を防止することができる内面溝付管の製造装置及びこの製造装置を使用する内面溝付管の製造方法を提供する。
【解決手段】 ノズル22から素管1の外面に潤滑性が優れた潤滑油20を供給し、保持ダイス3及び保持プラグ2により素管1を縮径加工すると共に素管1の外面から潤滑油20を除去する。次に、ノズル23から素管1の外面に潤滑油20よりも冷却性能が高い潤滑油21を供給し、転造部7aにおいてその内面に溝を形成し、サイジングダイス8aにより素管1に縮径加工を施すと共に素管1の外面から潤滑油21を除去する。次に、ノズル23から素管1の外面に潤滑油21を供給し、転造部7bにおいて素管1の内面に溝を形成し、サイジングダイス8bにより素管1に縮径加工を施すと共に素管1の外面から潤滑油21を除去して、内面溝付管19を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ルームエアコン、パッケージエアコン又は自動販売機等に使用される熱交換器に組み込まれる伝熱管として好適なシームレス内面溝付管の製造装置及びこの装置を使用する内面溝付管の製造方法に関し、特に、溝付プラグ及び圧延ロールを使用する内面溝付管の製造装置及び製造方法に関する。
内面溝付管は、エアコンディショナ等に使用される空冷式熱交換器に組み込まれる伝熱管として使用されている。内面溝付管には、転造加工により製造されるシームレス内面溝付管及び高周波誘導溶接等により製造される溶接内面溝付管の2種類がある。溶接内面溝付管は、溶製後の鋳塊を一旦板材に成形し、この板材に溝ロールにより溝加工を施し、その後ロールフォーミングにより前記板材を円弧状に丸め、高周波誘導溶接又はTIG(Tungsten Inert Gas)溶接により管に成形することにより製造される。一方、シームレス内面溝付管は、溶製後の鋳塊から直接管を成形し、この管に溝加工を施すことにより製造される。このため、シームレス内面溝付管は、溶接内面溝付管よりも製造に要する工程が少なく、生産性において溶接内面溝付管よりも優れている。また、溶接内面溝付管の製造においては、生産性を向上させるために加工速度を増加すると、溶接品質の安定性が低下すると共に、高電流を加熱コイルに流すことになるため、加熱コイルの寿命が短くなる。更に、電力消費量が大きくなり、製造コストがかえって増大する。
シームレス内面溝付管の製造方法には、ボール転造による製造方法とロール加工による製造方法とがある。先ず、ボール転造による内面溝付管の製造方法(以下、ボール転造法という)を説明する。素材には、光輝焼鈍又はインダクションヒーターによる焼鈍により調質された焼鈍材(O材)からなる素管を使用する。この素管の内部に、外面に溝が形成された溝付プラグを挿入すると共に、前記素管の外面に転接して遊星回転する転造ボールを前記溝付プラグに対応する位置に配置する。転造ボールの遊星回転は磁気浮上式高速モータにより行う。そして、この転造ボールにより前記素管を前記溝付プラグに向けて押圧すると共に、前記素管を引き抜くことにより、溝付プラグは管軸を中心に回転し、前記素管の内面全体に前記溝付プラグの溝が転写され、溝が形成される。
しかしながら、前述のボール転造法には以下に示すような問題点がある。先ず、ボール転造法においては、転造ボールを高速で回転させるために磁気浮上式高速モータを使用する必要がある。この磁気浮上式高速モータは極めて高価な装置であるため、設備コストが高くつくという問題点がある。
また、ボール転造法において、シームレス内面溝付管の生産性を向上させ、製造コストを低減するためには、管の引き抜き速度を速くする必要がある。一方、ボール転造法において、管内面の溝成形性に影響を及ぼす因子の一つに加工ピッチ(1個のボールが1公転する間に進む素管の長さ)がある。この加工ピッチを従来と同程度にして溝成形性を維持しながら引き抜き速度を速くするためには,転造ボールの公転速度を早くする必要がある。しかしながら、通常の磁気浮上式高速モータにおいては、回転速度の上限値は約30,000rpmである。このため、管の加工ピッチが1回転当たり2mmである場合、引き抜き速度の上限値は約60m/分となる。現有する最高速度の磁気浮上式高速モータにおいても、回転速度は約45,000rpmが限界であり、従って、引き抜き速度は約90m/分が限界である。このため、ボール転造法においては、管の引き抜き速度をあまり速くすることができず、生産性の向上にも限界がある。
更に、ボール転造法においては、素管として焼鈍材(O材)を使用する必要がある。これは、ボール転造法は、公転する転造ボールにより素管を管径方向に変形させるため、素管が焼鈍材のように軟質な材料によって構成されていないと、素管が十分に変形することができず、溝を形成できないためである。このため、ボール転造法によりシームレス内面溝付管の製造する場合、ボール転造を行う前に素管を焼鈍材により構成する必要があり、製造コストが高くつく。なお、溶接管を使用する場合、焼鈍を行っていない材料(H材)でも溝形成は可能であるが、溝ロールに欠損を生じやすく、かえってコストアップになるため、溝成形性の向上を考慮して、素管を焼鈍材により構成することが好ましい。
このように、ボール転造法によるシームレス内面溝付管の製造は、溶接内面溝付管の製造よりは製造コストを低減できるものの、製造設備に磁気浮上式高速モータを設ける必要があるため設備コストが高くなり、また、管の引き抜き速度を速くすることが困難であり、製造コストの低減には限界がある。
更にまた、ボール転造法においては、管の材料が溝付プラグの外面に刻まれた溝に流れ込みながら管が引き抜かれるため、管の引き抜きに伴い溝付プラグが回転する。この回転により、溝付プラグの管に対する相対的な移動が潤滑に行われる。しかしながら、溝付きプラグの溝のリード角、即ち、溝付プラグの側面における軸方向に平行な直線と溝が延びる方向とのなす角度を0゜(管の引き抜き方向に平行)にすると、溝付プラグが回転しなくなり、管の破断が生じる。このため、ボール転造法においては、管内面に管軸方向に平行な溝を形成することが困難である。
更にまた、溝付プラグの外面に相互に異なるリード角を有する複数個の溝を形成しても、溝付プラグは回転できなくなる。このため、ボール転造法により管内面に交差溝を形成することはできない。更にまた、溝付プラグの外面にリード角は等しいがピッチが異なる溝を形成した場合、この溝付プラグは管の引き抜きに伴って回転することはできる。しかしながら、転造ボールが公転する際、この公転に伴って管の材料が管周方向に移動して溝付プラグの溝に流れ込み、管内面に溝を形成するため、公転ボールが溝付プラグにおける溝が密な領域から溝が疎な領域に移動したときに、管の材料の逃げ場がなくなってしまう。この結果、管内面に形成される溝形状が不安定になったり、引き抜き荷重が変動することにより管の破断を生じたりする。
更にまた、転造加工を2回行うことにより、管内面に交差溝及びピッチが異なる溝を形成することが原理的に可能となるが、実際には、2回目の転造加工において溝付プラグに印加される負担が大きくなりすぎ、溝付プラグが欠損しやすくなる。このため、2回の転造加工により管内面に交差溝又はピッチが異なる溝を形成することは、実際上は極めて困難である。
更にまた、ボール転造法においては、管内面を管周方向において複数の領域に分割し、夫々の領域において異なる種類の溝を形成又は一部の領域にのみ溝を形成し、残りの領域には溝を形成しないことは不可能である。このように、ボール転造法においては、管の内面にリード角及びピッチが一定な単純な螺旋溝しか形成できず、管内面に形成できる溝パターンの自由度が極めて小さいという問題点がある。
これらの問題点を解決する手段として、ロール加工によるシームレス内面溝付管の製造方法がある(例えば、特許文献1乃至3参照。)。ロール加工によるシームレス内面溝付管の製造方法(以下、ロール転造法という)を以下に説明する。
図3は従来のロール転造法によるシームレス内面溝付伝熱管の製造装置及び製造方法を示す断面図であり、図4は図3に示す製造装置の転造部を示す拡大断面図であり、図5は図4に示すA−A線による断面図である。図3に示すように、銅又は銅合金(以下、総称して銅という)からなる素管1の内部に、保持プラグ2が挿入されている。保持プラグ2の形状は、管供給側(上流側)の外径が素管1の内径よりやや小さく、管引抜き側(管引き抜き方向下流側)の外径は管供給側の外径よりも小さくなっている。保持プラグ2と整合する位置における素管1の外面には、保持プラグ2と共に素管1を縮径加工する保持ダイス3が配置されている。また、保持プラグ2にはプラグ軸4を介して溝付プラグ15が連結されている。溝付プラグ15の外周面には、素管1の内周面に形成すべき形状の溝が加工されている。溝付プラグ15はプラグ軸4を軸として自在に回転することができる。
そして、素管1の外側における溝付プラグ15に整合する位置には、1対の圧延ロール6が素管1の外面に転接するように配設されている。各圧延ロール6は自転することができ、その回転軸の方向は素管1の管軸方向に直交している。なお、溝付プラグ15及び圧延ロール6により転造部17が構成されている。また、転造部17の管引抜き方向下流側には、内面に溝が形成された素管1の外径を所定の寸法に縮径加工するサイジングダイス8が設けられている。
図4に示すように、管引き抜き方向において、圧延ロール6の回転軸は、溝付プラグ15の長手方向中心付近に位置している。そして、図5に示すように、圧延ロール6の形状はロール中央部の直径がロール両端部の直径よりも小さい鼓形であり、この圧延ロール6の回転軸を含む断面において、側縁の形状が素管1の外面形状に略整合するようになっている。即ち、圧延ロール6の側面の曲率半径は素管1の外面の曲率半径と略等しくなっている。
次に、従来の内面溝付管の製造方法について説明する。図3に示すように、先ず、素管1の内部における保持プラグ2の上流側に抽伸油10を充填する。そして、素管1を保持プラグ2及び保持ダイス3により縮径加工する。次に、この縮径加工された素管1の外面を、この外面に転接して自転する圧延ロール6によって押圧することによって縮径すると共に、溝付プラグ15に向けて押圧する。これにより、素管1の内面に溝付プラグ15の溝が転写される。このとき、溝付プラグ15はプラグ軸4を介して保持プラグ2に連結されており、保持プラグ2は素管1の引抜きによる摩擦力及び保持ダイス3からの抗力により、保持ダイス3と整合する位置に係止しているため、溝付プラグ15も圧延ロール6と整合する位置に停止している。次に、転造部17を通過した内面に溝が形成された素管1は、サイジングダイス8により更に縮径されると共に管軸直交断面の形状が真円形となるように成形され、所定の外径を有する内面溝付管9となる。
従来の内面溝付管の製造方法においては、保持ダイス3、サイジングダイス8及び転造部17による縮径加工において、素管1の外面に潤滑油が供給される。この潤滑油の役割は、摩擦及び摩耗の低減、焼付きの抑制並びに冷却等であり、潤滑油にはこれらの機能の他に、加工後の内面溝付管を焼鈍する際に残存しにくいこと及び発煙性が低いこと等が要求される。この潤滑油としては、一般に、鉱油に合成高分子化合物及び油性向上剤等を添加して潤滑性及び粘性を高めた潤滑油(以下、鉱物系潤滑油という)が使用されている。また、素管1が内面溝付管9に加工された後、管外面の潤滑油は除去される。なお、この除去された潤滑油は、回収され再利用される。
このように、ロール転造法においては、転造ボールを使用しないため、転造ボールを回転させるための磁気浮上式高速モータが不要である。このため、設備コストを抑えることができる。また、転造ボールを使用しないため、管の引き抜き速度が転造ボールの公転速度によって決定されることがない。このため、管の引き抜き速度を向上させ、生産性を向上させることができる。
特公平3−5882号公報 (第2−4頁、第1図) 特開平1−99713号公報 (第2−5頁、第1図) 特開平4−302999号公報 (第3−4頁、第1−2図)
しかしながら、前述の従来の技術には、以下に示す問題点がある。素管1の加工に伴い、素管1が加工発熱する。これにより、素管1を加工する各工具の温度が上昇して熱膨張する。特に、溝付プラグ15及び圧延ロール6が熱膨張すると、圧延荷重が変化して、加工開始時と加工終了時とで素管1の内面に形成される溝の形状、即ち、溝深さ及び底肉厚等が変化するという問題点がある。また、圧延荷重が増加し、素管1の破断荷重を超えて、加工途中で素管1が破断するという問題点もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、圧延荷重の変化による素管の形状変化及び破断を防止することができる内面溝付管の製造装置及びこの製造装置を使用する内面溝付管の製造方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係る内面溝付管の製造装置は、金属管の外面に接触する保持ダイスと、前記金属管の内部に配置され前記保持ダイスに係合されて前記保持ダイスと共に前記金属管を縮径加工する保持プラグと、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと、前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置され前記金属管の外面に転接して前記金属管を前記溝付プラグに向けて押圧し前記金属管の内面に溝を形成する1対の圧延ロールと、この圧延ロール対よりも前記金属管の引き抜き方向下流側に配置され前記金属管の外面に接触して前記金属管を縮径加工するサイジングダイスと、前記保持ダイスよりも前記金属管の引き抜き方向上流側における前記金属管の外面に第1の潤滑油を供給する第1の供給手段と、前記保持ダイスと前記圧延ロール対との間における前記金属管の外面に前記第1の潤滑油より冷却性能が高い第2の潤滑油を供給する第2の供給手段と、を有することを特徴とする。
本発明においては、第1の潤滑油を潤滑性が優れた潤滑油とし、第2の潤滑油を冷却性能が優れた潤滑油とすることにより、保持プラグと素管との動摩擦係数を低減すると共に、転造部における圧延ロール及び溝プラグの温度上昇を抑制し、圧延ロール及び溝プラグの熱膨張を抑制することができる。これにより、加工中に管が破断することを防止すると共に、加工開始時と加工終了時における溝形状の変動を防止することができ、溝形状が安定した内面溝付管を製造することができる。
前記第1の潤滑油としては、例えば、鉱油を含む潤滑油を使用することができ、前記第2の潤滑油としては、例えば、水溶性エマルジョンを使用することができる。
前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部と前記サイジングダイスは、前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置されていてもよい。これにより、金属管内面に溝をより均一に形成することができる。また、金属管の内面に複数種類の溝を形成することができる。
前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部は前記金属管の引き抜き方向に2段配置され、各転造部における圧延ロール対の対向方向は相互に直交し、少なくとも一方の圧延ロール対はこの直交する基本位置からその対向方向を角度θだけ変化させることができる。この角度θは、例えば、0乃至90°の範囲である。これにより、金属管内面に溝をより均一に形成することができる。
前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径で、前記圧延ロールを前記金属管方向に押圧する1対のバックアップロールが転接されていてもよい。これにより、前記圧延ロールが前記金属管を押圧する力が均一化される。
本願第2発明に係る内面溝付管の製造方法は、第1の供給手段により金属管の外面に第1の潤滑油を供給する工程と、前記金属管の管外に配置された保持ダイス及び管内に配置され前記保持ダイスに係合する保持プラグにより前記第1の潤滑油供給後の前記金属管を縮径加工すると共に前記金属管の外面から前記第1の潤滑油を除去する工程と、第2の供給手段により前記金属管の外面に前記第1の潤滑油よりも冷却性能が高い第2の潤滑油を供給する工程と、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置された1対の圧延ロールとにより前記金属管を前記溝付プラグに押圧して前記金属管の内面に溝を形成する工程と、サイジングダイスにより前記金属管に縮径加工を施すと共に前記金属管の外面から前記第2の潤滑油を除去する工程と、を有することを特徴とする。
本発明においては、保持プラグに潤滑性が優れた潤滑油を使用し、圧延ロールには冷却性能が優れた潤滑油を使用することにより、保持プラグと素管との動摩擦係数を低減すると共に、転造部における圧延ロール及び溝プラグの温度上昇を抑制し、これらの熱膨張を抑制することができる。これにより、加工中に管が破断することを防止することができると共に、加工開始時と加工終了時とで溝形状が変動することを防止することができ、溝成形性が優れた内面溝付管を製造することができる。
前記第1の潤滑油は、例えば、鉱油を含む潤滑油が使用され、前記第2の潤滑油には、例えば、水溶性エマルジョンが使用される。
また、前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部と前記サイジングダイスとが前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置され、前記第2の潤滑油を供給する工程、前記溝を形成する工程及び前記サイジングダイスにより縮径加工を施すと共に前記第2の潤滑油を除去する工程が複数回行われてもよい。これにより、金属管内面に溝をより均一に形成することができる。また、金属管の内面に複数種類の溝を形成することができる。
更に、前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部は前記金属管の引き抜き方向に2段配置され、各転造部における圧延ロール対の対向方向は相互に直交し、少なくとも一方の圧延ロール対はこの直交する基本位置からその対向方向を角度θだけ変化させることができる。この角度θは0乃至90°の範囲とすることが好ましい。これにより、金属管内面に溝をより均一に形成することができる。
更にまた、前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径の1対のバックアップロールが転接されていてもよく、このバックアップロールにより前記圧延ロールが前記金属管方向に押圧される。これにより、前記圧延ロールにより前記金属管を均一に押圧することができる。
本発明によれば、保持プラグに潤滑性が優れた潤滑油を使用し、圧延ロールには冷却性能が優れた潤滑油を使用することにより、保持プラグと素管との動摩擦係数を低減して管が破断することを防止すると共に、転造部における圧延ロール及び溝プラグの温度上昇を抑制して圧延荷重を安定させ、加工開始時と加工終了時とで溝形状が変動することを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る内面溝付管の製造装置について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る内面溝付管の製造装置及び製造方法を示す断面図である。なお、図1に示す構成要素のうち、図3乃至5に示す従来の装置の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1に示すように、本実施形態の内面溝付管の製造装置は、保持プラグ2に、プラグ軸4を介して溝付プラグ5aと、この溝付プラグ5aより小径の溝付プラグ5bとが連結されている。これら溝付プラグ5a及び5bは、相互に回転可能に取り付けられており、その外周面には素管1の内周面に形成すべき形状の溝が加工されている。また、溝付プラグ5a及び5bは、超微粒子超合金により構成されていることが好ましく、例えば、直径が0.5μm以下のタングステンカーバイド(WC)の微粒子を含む超微粒子合金であることがより好ましい。
また、素管1の外側における溝付プラグ5aに整合する位置には相互に平行な回転軸を有する1対のワークロール(圧延ロール)16aが、溝付プラグ5bに整合する位置には相互に平行な回転軸を有する1対のワークロール16bが、夫々素管1の外面に転接するように配設されている。ワークロール対16a及び16bは、それらの回転軸が延びる方向が素管1の管軸方向に直交し、更にワークロール対16aの対向方向とワークロール対16bの対向方向とが相互に直交する位置(以下、この位置を基本位置という)に配置されている。そして、この製造装置においては、ワークロール対16a及び16bのうち少なくとも一方ワークロール対の対向方向を、前述の基本位置から角度θだけ変化させることができる。この角度θは、例えば、0乃至90°の範囲である。また、ワークロール16a及び16bは自転することができ、その形状は両端部が太く中央部が細い鼓形である。なお、本製造装置においては、回転軸を含む断面において、その側面の曲率半径は素管1の外面の半径と略等しくなっており、それらの側縁形状は素管1の外面形状に略整合し、ワークロール16a及び16bは素管1に略均等に線接触している。
更に、このワークロール16aより大径で、ワークロール16aを素管1方向に押圧する1対のバックアップロール18aが、ワークロール16aに転接するように配置されている。同様に、ワークロール16bより大径で、ワークロール16bを素管1方向に押圧する1対のバックアップロール18bが、ワークロール16bに転接するように配設されている。このように、バックアップロールでワークロールを押圧することにより、素管1に均一に力を加えることができる。前述のワークロール及びバックアップロールは、例えば、超硬合金又はSUJ−2等のベアリング鋼により構成することができる。なお、溝付プラグ5a、ワークロール対16a及びバックアップロール対18aにより転造部7aが形成され、溝付プラグ5b、ワークロール対16b及びバックアップロール対18bにより転造部7bが形成されている。
そして、1段目の転造部7aと2段目の転造部7bとの間には、素管1を成形するサイジングダイス8aが設けられており、2段目の転造部7bより管引き抜き方向下流側には、内面に溝が形成された素管1の外径を所定の寸法に加工するサイジングダイス8bが設けられている。即ち、本実施形態の内面溝付管の製造方法で使用される製造装置は、圧延ロールが2段設けられたダンデム圧延方式の装置である。
また、本実施形態の内面溝付管の製造装置には、素管1の外面に潤滑油20を供給するノズル22を備えた潤滑油供給装置24と、潤滑油21を供給するノズル23を備えた潤滑油供給装置25とが設けられている。このノズル21は保持ダイス3より管引き抜き方向上流側に配置され、ノズル23はワークロール16a及び16b並びにサイジングダイス8a及び8bより管引き抜き方向上流側に配置されている。なお、本実施形態の内面溝付管の製造装置における上記以外の構成は、図3乃至5に示す従来の製造装置と同様である。
次に、上述の如く構成された内面溝付管の製造装置の動作、即ち、本実施形態に係る内面溝付管の製造方法について説明する。本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、図1に示すように、先ず、前述の如く構成された製造装置の所定の位置に素管1を設置する。この素管1を形成する材料は、管に加工可能な金属であれば何でもよいが、例えば、伝熱性及び加工性が良好な銅又は銅合金等のH材が使用され、特に、JIS H 3300で規定されているC1201及びC1220等が好適である。次に、素管1の内部における保持プラグ2の上流側に抽伸油10を充填する。そして、素管1に対して管引き抜き方向に引抜力を印加して、素管1を引き抜く。これにより、送出装置(図示せず)が素管1を繰り出し、素管1が引き抜き方向に沿って移動を開始する。そして、素管1は保持ダイス3、転造部7a、サイジングダイス8a、転造部7b及びサイジングダイス8bを順次通過することにより、内面溝付管19に加工される。以下、素管1のある部分が移動に伴って施される処理についてより詳細に説明する。
先ず、保持ダイス3より管引き抜き方向上流側において、ノズル22により素管1の外面に潤滑油20を供給する。この潤滑油20としては、潤滑性が優れたものであり、例えば、鉱油系潤滑油が使用される。具体的には、出光興産株式会社製ダフニーマスタードロー533WD又はダフニーマスタードロー560等を使用することができる。保持ダイス3は、素管1の内面に保持プラグ2を保持しており、この保持プラグ2にはプラグ軸4を介して溝付プラグ5a及び5bが連結されているため、保持ダイス3上には管軸方向に大きな引張り応力が働いている。また、保持ダイス3を通過する素管1の引き抜き速度が100m/分を超えるため、保持ダイス3と素管1との値の動摩擦係数が大きくなる。そのため、保持ダイス3においては、潤滑性が優れた(油膜切れしにくい)潤滑油が必要である。そこで、本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、保持ダイス3においては摩擦抵抗を減少させる鉱油系潤滑油を使用する。そして、素管1を保持ダイス3及び保持プラグ2により縮径加工すると共に、素管1の外面から潤滑油20を除去する。なお、この除去された潤滑油20は、回収されて再利用される。
次に、ワークロール16aより管引き抜き方向上流側において、ノズル23により素管1の外面に潤滑油21を供給する。この潤滑油21としては、潤滑油20より冷却性が優れたものであり、例えば、水溶性エマルジョンが使用される。具体的には、共英油化株式会社製ストロールCS等を使用することができる。転造部7aは、素管1の加工発熱、ワークロール16aと素管1との摩擦による発熱等によりワークロール16aが膨張して圧延荷重が変化する。このため、保持ダイス3と同じ潤滑油を使用すると、発熱を抑えることができない。そこで、本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、前述の保持ダイス3に使用する潤滑油より冷却性能が高い潤滑油、例えば、前述の鉱物系潤滑油より熱容量が大きい水溶性の潤滑油等を使用する。この水溶性潤滑油は、油部分が潤滑作用を有し、水部分が冷却作用を有する。これにより、内面溝付管19における溝加工性を向上させることができる。
そして、1段目の転造部17aにおいて、バックアップロール18aがワークロール16aを押圧しながら回転することにより、ワークロール16aが素管1を押圧しながら回転する。これにより、溝付プラグ5aの外面の溝が素管1の内面に転写されて素管1の内面に溝が形成される。本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、バックアップロールにより圧延荷重を制御する。次に、サイジングダイス8aにより、素管1を縮径すると共に、素管1の外面から潤滑油21を除去する。なお、この除去された潤滑油21は、回収されて再利用される。
次に、ワークロール16bより管引き抜き方向上流側において、ノズル23により素管1の外面に潤滑油21を供給する。そして、2段目の転造部17bにおいて、バックアップロール18bがワークロール16bを押圧しながら回転することにより、ワークロール16bが素管1を押圧しながら回転する。これにより、溝付プラグ5bの外面の溝が素管1の内面に転写されて素管1の内面に溝が形成される。次に、サイジングダイス8bにより、素管1を縮径して所定の外径に整形すると共に、素管1の外面から潤滑油21を除去することにより、内面溝付管19にする。このとき、サイジングダイス8bにおける加工率(縮径率)は20%以下に、また、サイジングダイス8b直後の引き抜き速度は5m/秒以下になるように設定されている。水溶性の潤滑油は、鉱物系潤滑油に比べて冷却性能は高いが、潤滑性が劣る場合がある。そこで、サイジングダイス8bにおける加工率及びサイジングダイス8b直後の引き抜き速度を上述の範囲にすることにより、素管1とサイジングダイス8bとの間の動摩擦係数の増加を抑制する。これにより、素管1とサイジングダイス8bとの間の動摩擦係数の増加により、引き抜き荷重が増加して管が破断することを防止することができる。なお、この除去された潤滑油21は、回収されて再利用される。
本実施形態の内面溝付管の製造方法で使用される潤滑油21及び22の温度は、10乃至35℃とし、その変動は±5℃以内にすることが好ましい。このため、潤滑油を回収して循環使用する際は、この回収した潤滑油をタンクに貯蔵し、前記温度の範囲内になるように油温を制御する。また、ノズル22及び23により供給される潤滑油20及び21の量は、加工率(縮径率)及びワークロール16a及び16bの回転速度に応じて変化させる。更に、保持ダイス3において、必ずしも素管1の外面から潤滑油20を完全に取り除く必要はなく、サイジングダイス8a及び8bにおいて回収される潤滑油21が、大きく変質せずに再利用できる程度に取り除けばよい。
なお、本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、溝付プラグ5a及び5bは、プラグ軸4を介して保持プラグ2に連結されており、この保持プラグ2は素管1の引き抜きによる摩擦力及び保持ダイス3からの抗力により、保持ダイス3と整合する位置に係止されているため、溝付プラグ5a及び5bもワークロール16a及び16bと整合する位置に停止している。
また、一般に、転造部7aで溝付加工された素管1は、転造部7aに設けられた溝付プラグ5aの回転により多少ねじられる。一般に、2段目の転造部7bは、転造部7aで溝が形成されない領域に溝を形成するために設置される。例えば、転造部7aで素管1の上側及び下側の半分に溝加工が行われる場合、素管1に捻れがないのであれば、ワークロール16aの回転軸線と、ワークロール16bの回転軸線は、素管1の引き抜き方向に垂直な断面において、90°の角度をなしていればよい。ところが、実際には、上述のように、転造部7aで溝付加工された素管1は、転造部7bの位置に達したとき、捻れにより溝の形成されていない領域がずれている。
そこで、本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、転造部7bにおいて転造部7aで溝が形成されていない領域に溝を形成されるように、ワークロール対16a及び16bのうち少なくとも一方のワークロール対の対向方向を、前述の基本位置から角度θだけ変化させる。この角度θは、形成される溝形状及び加工条件等を考慮して、0乃至90°の範囲内で適宜設定することができる。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。本発明の実施例として、図1に示すタンデム圧延方式の製造装置及び転造部が1個のシングル方式の製造装置により、潤滑油の組み合わせを変えて、長さ2000mの素管に内面溝付加工を行って内面溝付管を製造した。その際の加工条件を表1及び2に示す。
Figure 2005103603
Figure 2005103603
なお、上記表1に示す圧延加工率D(%)は、ロール圧延前後の管の断面積の変化率であり、圧延前の素管の断面積をSとし、圧延ロール直後のサイジングダイスを通過した後の管の断面積をSとして、下記数式1により求められる。但し、圧延前の素管の断面積Sは、ロールが1段である場合は、保持ダイス及び保持プラグによる縮径加工後の素管の断面積とし、ロールが2段の場合は1段目のロールによる圧延及びその直後のサイジングダイスを通過した後の管の断面積とした。また、サイジングダイス通過後の管の断面積Sは、ロールが1段の場合は、1段目のロール及びその直後のサイジングダイスを通過した後の管の断面積とし、ロールが2段の場合は2断面のロール及びその直後のサイジングダイスを通過した後の管の断面積とした。この断面積S及びSは、各段階で圧延を一旦止めて管を採取し、その質量及び比重から求めた。
Figure 2005103603
また、上記表1に示すトータル加工率T(%)は、内面溝付加工前後の管の外径の変化率であり、加工前の素管の外径をLとし、サイジングダイス通過後の管の外径をLrとして、下記数式2より求められる。但し、サイジングダイス通過後の管の外径をLrは、ロールが1段の場合は1段目のロール及びその直後のサイジングダイスを通過した後の管の外径とし、ロールが2段の場合は2段目のロール及びその直後のサイジングダイスを通過した後の管の外径とした。
Figure 2005103603
本実施例においては、鉱物系潤滑油として出光興産社製ダフニーマスタードローWDを使用し、高冷却性能油として水性エマルジョンである共英油化製C6Sを使用した。前述の表1及び表2に示す条件で、潤滑油の組み合わせを変えて作製した実施例及び比較例の内面溝付管について、形状変化量、ロール素油速度、引き抜き速度、加工直後の管温度及び破断の有無を確認した。その結果を表3に示す。なお、下記表3に示す形状変化量は、圧延開始部及び終了部から採取した内面溝付管における溝付部の最も深い部分の溝深さの差であり、この差が小さい程よい。
Figure 2005103603
表3に示すように、シングル方式の製造装置を使用し、保持ダイス及び転造部共に鉱物系潤滑油を使用した比較例1は、破断は発生しなかったが、最終管温度が195℃と高く、形状変化量が大きかった。また、タンデム方式の製造装置を使用し、保持ダイス及び転造部共に鉱物系潤滑油を使用した比較例2では、最終管温度が224℃と高く、1段目及び2段目共に形状変化量が大きく、管の破断が発生した。更に、同様に保持ダイス及び転造部共に鉱物系潤滑油を使用し、引き抜き速度及びロール周速度を前述の比較例2より速くした比較例3は、加工途中で管が破断した。一方、シングル方式及びタンデム方式の製造装置を使用し、保持ダイスに鉱物系油を、転造部に水溶性エマルジョンを使用した実施例1及び3は、最終管温度が84℃と低く、形状変化量も少なかった。また、同様に、保持ダイスに鉱物系油を、転造部に水溶性エマルジョンを使用し、前述の実施例1及び3より引き抜き速度及びロール周速度を速くした実施例2及び4も、最終管温度が100℃以下であり、管を破断させずに、形状変化量が少ない内面溝付管を製造することができた。
次に、実施例3及び比較例2と同じ条件で3400mの内面溝付管を製造し、素管の温度変化を調べた。その結果を表4に示す。また、図2は横軸に加工長さをとり、縦軸に管の温度をとって、実施例3及び比較例2の条件で内面溝付管を製造した場合の加工長さと管の温度との関係を示すグラフ図である。
Figure 2005103603
図2及び表4に示すように、保持プラグ及び転造部の両方に鉱物油を使用した比較例2は、加工長さに比例して素管の温度が上昇し、1200mで224℃に達し、その後管が破断した。一方、保持プラグに潤滑性能が高い鉱物系潤滑油を使用し、転造部には冷却性能が高い水性エマルジョンを使用した実施例3では、80℃程度まで素管の温度は上昇したが、その後80乃至85℃の間で保持されていた。その結果、管が破断することなく、3400mの内面溝付管を製造することができた。
本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置及び製造方法を示す断面図である。 横軸に加工長さをとり、縦軸に管の温度をとって、実施例3及び比較例2の条件で内面溝付管を製造した場合の加工長さと管の温度との関係を示すグラフ図である。 従来のロール転造法によるシームレス内面溝付管の製造装置及び製造方法を示す断面図である。 図3に示す製造装置の転造部を示す拡大断面図である。 図4に示すA−A線による断面図である。
符号の説明
1;素管
2;保持プラグ
3;保持ダイス
4;プラグ軸
5a、5b、15;溝付プラグ
6;圧延ロール
7a、7b、17;転造部
8、8a、8b;サイジングダイス
9、19;内面溝付管
10;抽伸油
11;円柱部
12;テーパ部
16、16a、16b;ワークロール
18a、18b;バックアップロール
20、21;潤滑油
22、23;ノズル
24、25;潤滑油供給装置

Claims (12)

  1. 金属管の外面に接触する保持ダイスと、前記金属管の内部に配置され前記保持ダイスに係合されて前記保持ダイスと共に前記金属管を縮径加工する保持プラグと、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと、前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置され前記金属管の外面に転接して前記金属管を前記溝付プラグに向けて押圧し前記金属管の内面に溝を形成する1対の圧延ロールと、この圧延ロール対よりも前記金属管の引き抜き方向下流側に配置され前記金属管の外面に接触して前記金属管を縮径加工するサイジングダイスと、前記保持ダイスよりも前記金属管の引き抜き方向上流側における前記金属管の外面に第1の潤滑油を供給する第1の供給手段と、前記保持ダイスと前記圧延ロール対との間における前記金属管の外面に前記第1の潤滑油より冷却性能が高い第2の潤滑油を供給する第2の供給手段と、を有することを特徴とする内面溝付管の製造装置。
  2. 前記第1の潤滑油は鉱油を含む潤滑油であり、前記第2の潤滑油は水溶性エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の内面溝付管の製造装置。
  3. 前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部と前記サイジングダイスとが前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内面溝付管の製造装置。
  4. 前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部は前記金属管の引き抜き方向に2段配置され、各転造部における圧延ロール対の対向方向は相互に直交し、少なくとも一方の圧延ロール対はこの直交する基本位置からその対向方向を角度θだけ変化させることができることを特徴とする請求項3に記載の内面溝付管の製造装置。
  5. 前記角度θは0乃至90°の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の内面溝付管の製造装置。
  6. 前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径で、前記圧延ロールを前記金属管方向に押圧する1対のバックアップロールが転接していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造装置。
  7. 第1の供給手段により金属管の外面に第1の潤滑油を供給する工程と、前記金属管の管外に配置された保持ダイス及び管内に配置され前記保持ダイスに係合する保持プラグにより前記第1の潤滑油供給後の前記金属管を縮径加工すると共に前記金属管の外面から前記第1の潤滑油を除去する工程と、第2の供給手段により前記金属管の外面に前記第1の潤滑油よりも冷却性能が高い第2の潤滑油を供給する工程と、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置された1対の圧延ロールとにより前記金属管を前記溝付プラグに押圧して前記金属管の内面に溝を形成する工程と、サイジングダイスにより前記金属管に縮径加工を施すと共に前記金属管の外面から前記第2の潤滑油を除去する工程と、を有することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  8. 前記第1の潤滑油には鉱油を含む潤滑油を使用し、前記第2の潤滑油には水溶性エマルジョンを使用することを特徴とする請求項7に記載の内面溝付管の製造方法。
  9. 前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部と前記サイジングダイスとが前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置され、前記第2の潤滑油を供給する工程、前記溝を形成する工程及び前記サイジングダイスにより縮径加工を施すと共に前記第2の潤滑油を除去する工程が複数回行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の内面溝付管の製造方法。
  10. 前記溝付プラグ、前記圧延ロール対及び前記第2の供給手段からなる転造部は前記金属管の引き抜き方向に2段配置され、各転造部における圧延ロール対の対向方向は相互に直交し、少なくとも一方の圧延ロール対はこの直交する基本位置からその対向方向を角度θだけ変化させることができることを特徴とする請求項9に記載の内面溝付管の製造方法。
  11. 前記角度θは0乃至90°の範囲であることを特徴とする請求項10に記載の内面溝付管の製造方法。
  12. 前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径の1対のバックアップロールが転接されており、このバックアップロールにより前記圧延ロールが前記金属管方向に押圧されることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造方法。
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