JP2005135532A - 適応等化装置、復号装置、及び誤差検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PR等化を行いながら閾値判定器よりも判定性能の向上したFDTSにより判定値を得る。
【解決手段】 通信や磁気記録、光記録再生装置などの波形等化装置において、前段にFFF を配置し、その後にDFE または判定装置をFDTSを用いたFDTS/DFE を配置した構成において、FFF で等化した波形のISI の最初の部分(前縁ISI )のみPR(Partial Response)応答であって、それ以降の応答(後縁ISI )を考慮しない等化を行い、FBF で後縁ISI の応答を作り出し、それをDFE 構成によりFFF 後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光記録や磁気記録装置において再生波形をパーシャルレスポンス(PR)等化する適応等化装置、並びにその適応等化を利用した復号装置、及び誤差検出装置に関する。
従来より、LMS(Least Mean Square )アルゴリズムなどを用いて適応等化を行う適応等化装置が知られている。
また、従来より信号判定手段にFDTS(Fixed Delay Tree Search) を用いたDFE(Decision Feedback Equalizer)であるFDTS/DFEが知られている(非特許文献1参照)。
JEAKYUN MOON, "Performance Comparison of Detection Methods in Magnetic Recording" IEEE Transaction on magnetics, vol.26 No.6
しかしながら、上述したLMSアルゴリズムなどを用いて適応等化を行う際に、波形から元のデータを仮判定しなければならない。そして、その仮判定としてノイズや等化誤差などの多いSDNRの低いデータを閾値検出すると判定結果に大きく誤りを含み、適応ゲインを上げて高速に追従させることが困難になる。
また、PLL(フェイズロックドループ)やAGC(オートゲインコントロール)といったダイナミックにより速く追従させたいものにとっても同様で、SDNRの低いデータを閾値検出して誤差信号を得ると誤りが多く、高速に追従させることが困難である。
また、PRに必要な周波数領域に出力の乏しい、または欠落した部分のある入力波形をPR等化しようとしても、どうしても等化出来ない周波数領域がある。このような誤差は入力データのパターンに強く依存した等化誤差となって残留してしまい、復号装置の性能を強く劣化させ、BER 低下につながる。
また、上述したFDTS/DFEにおいて、FFF(Feed Forward Filter)は因果律を満たした波形に等化する必要がある。もし、前縁ISI (FFF で等化した波形のISI(Inter-Symbol Interference)の最初の部分)が残留していて因果律を満たさない波形がFDTS/DFEに入力すると、DFE 構造では後縁ISI (前縁ISI 以降の部分)を除去することしかできないので、前縁ISI に起因する等化誤差は取り除くことができない。よって、FDTSは前縁ISI に起因する等化誤差により誤り率の増加を招くことになる。
また、FFF は通常雑音白色化の機能も持たせることが一般的である。これはFDTSが雑音白色化による判定性能向上を狙っているものであるが、前記の因果律を満たしながら雑音白色化という性能を持たせたFFF を設計することは入力波形によっては非常に困難である。
さらに、FFF を雑音白色化かつ因果律を満たす基準で選んだ場合、FDTSの検出距離が通常のPR等化の場合と比較して短くなる傾向にある。
FFF が因果律を満たした等化を行わない場合、FDTS/DFEからFFF を制御するために、LMS アルゴリズムを用いてアダプティブにしてもうまく因果律を満たすようには働かない。これはFDTS/DFEで得られた誤差検出では前縁ISI によるものなのか後縁ISI によるものなのかの判断がつかないため、局所的最小解に落ち着き、等化誤差の多く残った等化しかできないためである。
そこで本発明は、FDTS/DFE等を用いた適正な等化処理を行なうことが可能な適応等化装置、復号装置、及び誤差検出装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の適応等化装置は、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにしたことを特徴とする。
また本発明の復号装置は、前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした適応等化装置の前記FDTS/DFEのフィードバックループの内部にノイズプレディクタを配置し、前記ノイズプレディクタの出力をNPMLに接続して復号することを特徴とする。
また本発明の誤差検出装置は、前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした適応等化装置の前記FDTSの出力である判定値を用いて、AGC及びPLLの少なくとも一方へフィードバックする誤差情報となる信号の誤差検出を行うことを特徴とする。
また本発明の適応等化方法は、前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにしたことを特徴とする。
本発明にかかる適応等化装置、復号装置、及び誤差検出装置によれば、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにしたことから、PR等化を行ないながら、FDTS/DFE等を用いた適正な等化処理を行なうことができ、さらに有効な復号処理や誤差検出に利用することが可能となる。
本発明の実施の形態では、通信や磁気記録、光記録再生装置などの波形等化装置において、前段にFFF(Feed Forward Filter)を配置し、その後にDFE(Decision Feedback Equalizer)または、判定装置をFDTS(Fixed Delay Tree Search) を用いたFDTS/DFEを配置した構成において、FFF で等化した波形のISI(Inter-Symbol Interference)の最初の部分のみPR(Partial Response)応答であって、それ以降の応答(以下後縁ISI と呼ぶ)を考慮しない等化を行い、FBF(Feed Back Filter) で後縁ISI の応答を作り出し、それをDFE 構成によりFFF 後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本実施例を適用した光記録装置または磁気記録装置の基本的な構成を示すブロック図である。
図示のように、本実施例装置は、変調回路10と、記録レーザや磁気ヘッドの記録電流を変調信号に応じて制御する記録制御回路20と、記録及び再生を行うレーザーピックアップまたは磁気ヘッド30と、再生アンプ40と、AGC(Automatic Gain Control)50と、PLL(Phase Locked Loop )60と、PR等化装置70と、最尤復号器80と、復調回路90とを有し、メディア100に各種データの記録または再生を行なうものである。
図2は図1におけるPR等化装置の詳細を示すブロック図である。
図示のように、このPR等化装置70は、FFF110、LMS−FFF111、LMS−FBF112、FBF113、FBW114、FDTS115、遅延器116、LMS−プレディクタ117、プレディクタ118等を有して構成されている。
そして、FFF110にはPLL60によって再生入力波形が所望のPRの検出点のタイミングになるように標本化された離散データがクロック毎に供給され、図2のすべてのブロックはこのクロックで動作するデジタル回路である。
以下、入力波形と等化波形などを例に挙げて説明する。しかし、あくまでも、これは一例であり本特許の請求を制限するものではない。
まず、図2のFFF110には図3に波形(a) に示すような標本化された読み出し波形が入力される。例えば最初の2データ分をPR(11)に等化しようとすると、出力として図3(b) に示すような等化波形が得られる。
このFFF110は、
Figure 2005135532
の演算を行うデジタルフィルタであり、図4に示すように、遅延器120、乗算器121、加算器122を図示のように接続した構造を有している。ここで、係数fi、hi(iは整数)は後述するFFFのLMSブロックにより供給される値を設定する。また、x(n-N1-2) 、y0(n-N2-2)を得るために、それぞれFDTSのツリー長分(ここでは2)の遅延素子を有している。これは上記のデジタルフィルタ演算とは関係ないが、後述するFFFのLMSブロックの演算で必要となる。
また、図2のFBFには図3に波形(b) で示された等化波形の3データ目以降の後縁ISIを打ち消すために、後述するFBFのLMSブロックにより供給されるbi(i=0,1,...,L1)、ci(i=0,1,...,L2)のタップ係数が設定され、
Figure 2005135532
の演算を行うデジタルフィルタであり、図5に示すように、遅延器140、乗算器141、加算器142を図示のように接続した構造を有している。ただし、前述の説明においては、hk(k=0,1,...,L2)の値はすべて0であると仮定して説明した。また、a(n-2-L1-2) 、y1(n-L2-2)を得るために、それぞれFDTSのツリー長分(ここでは2)の遅延素子を有している。これは上記のデジタルフィルタ演算とは関係ないが、後述するFBFのLMSブロックの演算で必要となる。このFBFにはFDTSの判定結果である0または1のデータa(n-2)が入力される。
ただし、この後縁ISIbkがすべて0の場合はFBFが無いことと等価であり、このFBFは必ずしも必要としない。
この結果が引き算器によりFFFの等化波形(図3の波形(a) )から引かれて、図3の波形(c) のPR(11)の波形に整形される。この波形をy2(n) として式で表すと、
Figure 2005135532
となる。
図2のプレディクタ(Predictor )は雑音白色化を行うブロックであって、そのための予測係数pk(k=1,2,...,N) が設定される。このpkの求め方については後述する。このプレディクタは、
Figure 2005135532
の演算を行うデジタルフィルタであり、図6に示すように、遅延器150、乗算器151、加算器152を図示のように接続した構造を有している。
次に、FDTSの動作を説明する。
FDTSのブランチメトリックの演算は、E.Eleftheriou and W.Hirt "Noise-Predictive Maximum-Likelihood(NPML) Detection for the Magnetic Recording Channel" の(7) 式に記述されているように行う。ただし、本例では、メトリックは最小のものを用いるとして式の符号は逆転して考えるものとする。また、この論文ではPR4 を例にして書かれているが、本例ではPR(11)の例として計算する。またここでは、FDTSの打ち切り深度τ=1を例に考える。
プレディクタの伝達関数P(D)は、
Figure 2005135532
で表すことができる。
PR(11)の伝達関数は1+D であるので、G(D)を下記のように定義する。
Figure 2005135532
この係数giは後に説明する図16のLMSプレディクタのG(D)演算ブロックで計算される。
また、時刻nのブランチメトリックは以下のようになる。
Figure 2005135532
ここでDFE構造におけるFBWは仮判定値を用いて、
Figure 2005135532
の演算を行っている部分であり、その構造は図8に示すような遅延器160、乗算器161、加算器162で構成される。
次に、図2のy4を用いてブランチメトリックの式を書き直すと、
Figure 2005135532
のようになる。
また、τ=1のFDTSのツリー構造を図7に示す。また、このFDTS演算装置の内部構造を図9に示す。図9に示すように、このFDTS演算装置は、パスメトリック演算ブロック161、162、ブランチメトリック演算ブロック163〜166、加算器167〜170、最小値選択回路171、172、及び比較回路173を有している。
ここで、図7に示す枝のa(n)、a(n-1)の値に従って、ブランチメトリックb11,b10,b01,b00 は以下の演算を行う。
Figure 2005135532
これらの演算は図9に示す各ブランチメトリック演算ブロック163〜166に相当する。
また、パスメトリックp11,p10,p01,p00 は以下の演算を行う。
Figure 2005135532
これらの演算は図9のパスメトリック演算ブロック161、162とブランチメトリック演算ブロック163〜166の出力を加算する加算器167〜170に相当する。
また、a(n-1)の値を判定するために、図9のそれぞれの最小値選択回路171、172でMIN1=min(p11,p10) 、MIN0=min(p01,p00) の計算を行い、比較回路にてMIN1<MIN0の場合、a(n-1)=1と判定し、MIN1≧MIN0の場合、a(n-1)=0と判定する。
また、図9の比較回路173にはパスメトリックp11,p10,p01,p00 が入力されており、次の候補のp1,p0 を選択して出力する。具体的には、MIN1<MIN0の場合にはp1=p11,p0=p10 、MIN1≧MIN0の場合にはp1=p01,p0=p00 となるように更新する。
次に、FFFのLMSブロックであるLMS−FFFの動作について説明する。
図10は、このLMS−FFFの内部を示したブロック図である。図示のように、FIR係数更新部181とIIR係数更新部182とからなる。係数更新結果は、FIR、IIRのそれぞれのタップ係数端子へ出力される。
FFF出力波形の評価関数として以下のF(n)を考える。ここでnは現在の時刻を表す。
Figure 2005135532
LMSアルゴリズムでは自乗誤差を最小するようにフィルタ係数を制御するものである。
例えばFFFのタップ番号i のFIR部の係数fiについて偏微分を行うと以下のようになる。
Figure 2005135532
しかし、実際にこのシステムではFDTSが固定遅延を持つので、τ+1=2の遅延した判定値を提供することになるので、以下の偏微分を計算することになる。
Figure 2005135532
この演算は図10のFIR係数更新部181の内部で行わる。
図11は図10のFIR係数更新部のi 番目のタップ係数fiの係数に対する詳細ブロック図である。この図11に示すFIR係数更新部はタップ係数の数N1+1だけ存在するが、すべて同じ構造であるので、i 番目を例にとって示した。
図示のように、FIR係数更新部はFIR偏微分演算部191、移動平均演算部192、乗算器193、減算器194、及び遅延器195を有する。
そして、上記の偏微分演算は、FIR偏微分演算部191にて行われる。この偏微分結果は移動平均演算部192により与えられた移動平均数M0の移動平均演算を行う。そして、その結果は更新係数α0 が掛け算され、1クロック前のfiから引き算されて更新される。
同様にIIR部の係数hiについて偏微分を行うと以下のようになる。
Figure 2005135532
しかし、実際にこのシステムではFDTSが固定遅延を持つので、τ+1=2の遅延した判定値を提供することになるので、以下の偏微分を計算することになる。
Figure 2005135532
この演算は図10のIIR係数更新部182にて行われる。
図12は図10のIIR係数更新部のi 番目のタップ係数hiの係数に対する詳細ブロック図である。この図12に示すIIR係数更新部はタップ係数の数N2+1だけ存在するが、すべて同じ構造であるので、i 番目を例にとって示した。
図示のように、IIR係数更新部はIIR偏微分演算部201、移動平均演算部202、乗算器203、減算器204、及び遅延器205を有する。
そして、上記の偏微分演算は、IIR偏微分演算部201にて行われる。この偏微分結果は移動平均演算部202により与えられた移動平均数M1の移動平均演算を行う。そして、その結果は更新係数α1 が掛け算され、1クロック前のhiから引き算されて更新される。
次にFBFのLMSブロックであるLMS−FBFの動作について説明する。
図13は、このLMS−FBFの内部を示したブロック図である。図示のように、このLMS−FBFは、FIR係数更新部211とIIR係数更新部212とを有している。そして、係数更新結果は、FIR、IIRのそれぞれのタップ係数端子へ出力される。
ここで、FBF出力波形の評価関数としてFFFの場合と同様にF(n)を考える。
例えばFBFのFIR部のタップ番号i の係数biについて偏微分を行うと以下のようになる。
Figure 2005135532
しかし、実際にこのシステムではFDTSが固定遅延を持つので、τ+1=2の遅延した判定値を提供することになるので、以下の偏微分を計算することになる。
Figure 2005135532
この演算はFIR係数更新部211の内部で行われる。
図14はFIR係数更新部のi 番目のタップ係数biの係数に対する詳細ブロック図である。この図14に示すFIR係数更新部はタップ係数の数L1+1だけ存在するが、すべて同じ構造であるので、i 番目を例にとり示した。
図示のように、FIR係数更新部はFIR偏微分演算部221、移動平均演算部222、乗算器223、減算器224、及び遅延器225を有する。
そして、上記の偏微分演算は、FIR偏微分演算部221にて行われる。この偏微分結果は移動平均演算部222により与えられた移動平均数M2の移動平均演算を行う。そして、その結果は更新係数α2 が掛け算され、1クロック前のfiから引き算されて更新される。
同様にIIR部の係数ciについて偏微分を行うと以下のようになる。
Figure 2005135532
この演算はIIR係数更新部212にて行われる。
しかし、実際にこのシステムではFDTSが固定遅延を持つので、τ+1=2の遅延した判定値を提供することになるので、以下の偏微分を計算することになる。
Figure 2005135532
図15はIIR係数更新部212のi 番目のタップ係数ciの係数に対する詳細ブロック図である。この図15に示すIIR係数更新部はタップ係数の数L2+1だけ存在するが、すべて同じ構造であるので、i 番目を例にとって示した。
図示のように、IIR係数更新部はIIR偏微分演算部231、移動平均演算部232、乗算器233、減算器234、及び遅延器235を有する。
そして、上記の偏微分演算は、IIR偏微分演算部231にて行われる。この偏微分結果は移動平均演算部232により与えられた移動平均数M3の移動平均演算を行う。そして、その結果は更新係数α3 が掛け算され、1クロック前のhiから引き算されて更新される。
次にLMSプレディクタについて説明する。
図16はLMSプレディクタの内部ブロック図である。
このLMSプレディクタは、係数更新部241、G(D)演算ブロック242等を有し、y2n とFDTSの判定値a(n-2)が入力されて、時刻n-2 のw(n-2)の誤差信号を計算する。このwn(n-2) をノイズプレディクタであるFIRに入力して、その結果とw(n-2-i)の信号を係数更新部に入力して各タップ係数piを更新する(i=1,2,...,N) 。
ここで、プレディクタの評価関数として以下のe^2(n)を考える。ここでnは現在の時刻を表している。
Figure 2005135532
そして、LMSアルゴリズムを用いてこれを最小にする方法を考える。
例えば、プレディクタのタップ番号i の係数piについて偏微分を行うと以下のようになる。
Figure 2005135532
しかし、実際にこのシステムではFDTSが固定遅延を持つので、τ+1=2の遅延した判定値を提供することになるので、以下の偏微分を計算することになる。
Figure 2005135532
この演算は係数更新部241の内部で行わる。
図17は係数更新部241のi 番目のタップ係数piの係数に対する詳細ブロック図である。この図17に示す係数更新部はタップ係数の数N だけ存在するが、すべて同じ構造であるので、i 番目を例にとり示した。
図示のように、この係数更新部は偏微分演算部251、移動平均演算部252、乗算器253、減算器254、及び遅延器255を有する。
そして、上記の偏微分演算は偏微分演算部251にて行われる。この偏微分結果は移動平均演算部252により与えられた移動平均数M4の移動平均演算を行う。そして、その結果は更新係数α4 が掛け算され、1クロック前のpiから引き算されて更新される。
以上がハイブリッド構成にしたFFF、FDTS/DFEのPR(11)適応等化器の構成である。
次に、ここまでは図3に示すような前縁ISI がない等化波形を想定していた。ここで、図18に示すような前縁ISI が存在する等化波形に対して等化する方法について説明する。
まず、この前縁ISI が存在する等化波形の位相を廻すような操作を考える。位相θを廻すということは、周波数軸上で考えると、図19のような特性を掛け合わせることになる。ただし、fsはサンプリング周波数のことである。
ここで、図19の周波数特性の逆DFT を行ったタップ係数を持つFIRを位相シフタ(Phase Shifter )と定義する。
そして、等化波形が位相シフタを通過した波形の様子を図20に示す。
ここで、位相θを大きくすると前縁ISI のオーバーシュートが大きくなり、位相θを小さくすると前縁ISI のアンダーシュートが大きくなる様子がわかる。この前縁ISI が小さくなるように自動制御でθに帰還をかければ、前縁ISI が適当に小さな値になるように等化できる。
図21は、位相シフタブロックを考慮した全体システムを示すブロック図である。
図2に示したブロック構成に加えて、位相シフタ261、位相コントローラ262、レベルエラー検出器263、タイミングエラー検出器264の各ブロックが設けられている。
位相シフタ261は、位相コントローラ262で計算されたθを与えられて、入力波形の位相をθだけ回転する。
図20のオーバーシュートは波形検出点での前縁ISI の干渉となって現れる。そして、図20のようにθが大きい場合、検出点での誤差が+方向に大きくなり、θが小さい場合は検出点での誤差が−方向に大きくなる。このことから以下の式を計算すれば、θの誤差に比例したものが計算できる。
Figure 2005135532
しかし、実際にはFDTSから与えられるデータは2クロック遅れてくる。また、数24のa(n+1)は時刻nの次のデータであり、次の判定を待たないと得ることはできない。そこでさらに1クロック遅れた判定値も用いることとして、合計3クロック遅れた判定値を用いて、以下の式の計算を行うこととする。
Figure 2005135532
これを用いて、θの更新を行うブロックが位相コントローラ262であり、その詳細ブロックを図22に示す。位相コントローラ262は、θ演算部271、移動平均加算部272、乗算器273、減算器274、及び遅延器275を有し、θ演算部271で上記の演算を行う。そして、移動平均加算部272でM5の間の移動平均を行い、α5 の更新係数を掛け合わせて、1クロック前のθから減算する。
次に、レベルエラー検出器について説明する。図23はレベルエラー検出器の構成を示すブロック図であり、遅延器281、加算器282、乗算器283を図示のように接続した構成となっている。
このようなレベルエラー検出器において、レベル誤差は以下の式を用いて演算される。
Figure 2005135532
しかし、実際にはFDTSから与えられるデータは2クロック遅れた判定値であるので、以下の式の計算を行うことになる。
Figure 2005135532
次に、タイミングエラー検出器について説明する。図24はタイミングエラー検出器の構成を示すブロック図であり、遅延器291、加算器292、乗算器293を図示のように接続した構成となっている。
このようなレベルエラー検出器において、タイミング誤差は以下の式を用いて演算される。
Figure 2005135532
しかし、実際にはFDTSから与えられるデータは2クロック遅れた判定値であるので、以下の式の計算を行うことになる。
Figure 2005135532
以上のような構成の本実施例によれば、PR等化を行いながら、閾値判定器よりも判定性能の向上したFDTSにより判定値を得ることができる。
そして、FFFの出力波形の最初の応答をPRにすることにより、後段にビタビ復号などのPRに適した最尤復号器を配置して復号することが可能になった。
また、ノイズプレディクタと組み合わせることにより、FDTSの判定性能が向上したものになった。また、このノイズプレディクタの出力をNPML復号器に与えることにより、ISIの減少した波形に対して、NPML復号を行うことができる。
さらに、FDTS/DFEにおいて、前縁ISIのある波形が入力した場合、従来等化誤差が後縁ISIに起因するものなのか、前縁ISIに起因するものなのかがわからなかったため、適応的にFFF出力の前縁ISIを取り除くことができなかったが、位相シフタを配置することにより、前縁ISIに起因するものを区別して等化することができるようになった。
また、ISIの減少した波形を用いて、また上記判定性能の向上したFDTSの判定値を用いてレベル誤差や位相誤差の検出を行うことができるようなった。
本発明の実施例を適用した光記録装置または磁気記録装置の基本的な構成を示すブロック図である。 図1におけるPR等化装置の詳細を示すブロック図である。 図2に示すPR等化装置の入力波形を示す説明図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるFFFの構成を示すブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるFBFの構成を示すブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるプレディクタの構成を示すブロック図である。 τ=1のFDTSのツリー構造を示す説明図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるFBWの構成を示すブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるFDTSの構成を示すブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるLMS−FFFの構成を示すブロック図である。 図10に示すFIR係数更新部のi 番目のタップ係数fiの係数に対する詳細ブロック図である。 図10に示すIIR係数更新部のi 番目のタップ係数hiの係数に対する詳細ブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるLMS−FBFの構成を示すブロック図である。 図13に示すFIR係数更新部のi 番目のタップ係数fiの係数に対する詳細ブロック図である。 図13に示すIIR係数更新部のi 番目のタップ係数hiの係数に対する詳細ブロック図である。 図2に示すPR等化装置に設けられるLMS−プレディクタの構成を示すブロック図である。 図13に示す係数更新部のi 番目のタップ係数fiの係数に対する詳細ブロック図である。 前縁ISI が存在する等化波形の一例を示す説明図である。 位相シフタの特性例を示す説明図である。 図18に示す等化波形が位相シフタを通過した波形の様子を示す説明図である。 位相シフタブロックを考慮したPR等化装置の詳細を示すブロック図である。 図21に示すPR等化装置に設けられる位相コントローラの構成を示すブロック図である。 図21に示すPR等化装置に設けられるレベルエラー検出器の構成を示すブロック図である。 図21に示すPR等化装置に設けられるタイミングエラー検出器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10……変調回路、20……記録制御回路、30……レーザーピックアップまたは磁気ヘッド、40……再生アンプ、50……AGC、60……PLL、70……PR等化装置、80……最尤復号器、90……復調回路、100……メディア。

Claims (29)

  1. 前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにしたことを特徴とする適応等化装置。
  2. 前段にFFFを配置し、その後にDFEを配置したことを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  3. 前記DFEは判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEであることを特徴とする請求項2記載の適応等化装置。
  4. 前記DFEの判定結果を用いてFFFで適応等化できることを特徴とする請求項2記載の適応等化装置。
  5. 前記後縁ISI以外の等化波形をPRの目的波形に適応等化できることを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  6. 前記DFEの判定結果を用いてFBFで適応等化できることを特徴とする請求項2記載の適応等化装置。
  7. 前記後縁ISIの部分に相当する波形を作り出すようなタップ係数を適応的に求めることを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  8. 前記DFEの判定結果を用いてFFFで適応等化する処理と、前記後縁ISI以外の等化波形をPRの目的波形に適応等化する処理とを同時に行なうことができることを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  9. 前記DFEの判定結果を用いてFBFで適応等化する処理と、前記後縁ISIの部分に相当する波形を作り出すようなタップ係数を適応的に求める処理とを同時に行なうことができることを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  10. 前記波形の遅延を合わせるべくFDTSのTee長の分、長い入力波形メモリをFFF内に持つことを特徴とする請求項4記載の適応等化装置。
  11. 前記波形の遅延を合わせるべくFDTSのTee長の分、長い入力波形メモリをFBF内に持つことを特徴とする請求項6記載の適応等化装置。
  12. 前記FFF及びFBFにFIRとIIRを混在させたことを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  13. 前記FFFにおいて等化した波形がPR応答の前に期待しない応答としての前縁ISIが生じた場合に、その前縁ISIを取り除くべく、前縁ISI除去手段を前段または後段に配置したことを特徴とする請求項1記載の適応等化装置。
  14. 前記前縁ISI除去手段が位相シフタ回路であることを特徴とする請求項13記載の適応等化装置。
  15. 前記前縁ISI除去手段が適応的に前縁ISIを除去することを特徴とする請求項13記載の適応等化装置。
  16. 前記前縁ISIを除去するのに必要な位相シフト量を適応的に与えて、適応的に前縁ISIを除去することを特徴とする請求項14記載の適応等化装置。
  17. 前記FDTS/DFEのフィードバックループの内部にノイズプレディクタを配置したことを特徴とする請求項3記載の適応等化装置。
  18. 前記ノイズプレディクタを前記FDTSの値を用いて適応的に雑音予測することを特徴とする請求項17記載の適応等化装置。
  19. 前記FFFの出力からFBFの結果を引いた波形とFDTSから基準波形とを作り出し、その差の誤差信号をプレディクタ係数でFIR演算し、LMSアルゴリズムを用いた適応等化演算を行なうことを特徴とする請求項18記載の適応等化装置。
  20. 前記ノイズプレディクタの出力をNPMLに接続して復号することを特徴とする請求項17記載の適応等化装置。
  21. 前記FDTSの出力である判定値を用いて、AGC及びPLLの少なくとも一方へフィードバックする誤差情報となる信号の誤差検出を行う誤差検出手段を有することを特徴とする請求項3記載の適応等化装置。
  22. 前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした適応等化装置の前記FDTS/DFEのフィードバックループの内部にノイズプレディクタを配置し、前記ノイズプレディクタの出力をNPMLに接続して復号することを特徴とする復号装置。
  23. 前記ノイズプレディクタを前記FDTSの値を用いて適応的に雑音予測することを特徴とする請求項22記載の復号装置。
  24. 前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにした適応等化装置の前記FDTSの出力である判定値を用いて、AGC及びPLLの少なくとも一方へフィードバックする誤差情報となる信号の誤差検出を行うことを特徴とする誤差検出装置。
  25. 前記誤差検出は信号のレベルまたはタイミングの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項24記載の誤差検出装置。
  26. 前段にFFFを配置し、その後に判定手段にFDTSを用いたFDTS/DFEを配置し、前段のFFFで等化した波形のISIの最初の部分のみPR応答であって、それ以降の後縁ISIを考慮しない等化を行い、FBFで後縁ISIの応答を作り出し、それをDFE構成によりFFF後の応答から差し引くことによって、その結果がPR応答になるようにしたことを特徴とする適応等化方法。
  27. 前記FDTS/DFEのフィードバックループの内部にノイズプレディクタを配置したことを特徴とする請求項26記載の適応等化方法。
  28. 前記ノイズプレディクタを前記FDTSの値を用いて適応的に雑音予測することを特徴とする請求項27記載の適応等化方法。
  29. 前記FFFの出力からFBFの結果を引いた波形とFDTSから基準波形とを作り出し、その差の誤差信号をプレディクタ係数でFIR演算し、LMSアルゴリズムを用いた適応等化演算を行なうことを特徴とする請求項28記載の適応等化方法。
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