JP2005140973A - 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005140973A
JP2005140973A JP2003376995A JP2003376995A JP2005140973A JP 2005140973 A JP2005140973 A JP 2005140973A JP 2003376995 A JP2003376995 A JP 2003376995A JP 2003376995 A JP2003376995 A JP 2003376995A JP 2005140973 A JP2005140973 A JP 2005140973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
temperature
roller
heating roller
standby state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003376995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamaji
博之 山地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003376995A priority Critical patent/JP2005140973A/ja
Publication of JP2005140973A publication Critical patent/JP2005140973A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 待機状態における消費電力を抑制するとともに、待機状態から復帰する際の復帰時間を短縮し、かつ、良好な画質で定着処理を行い得る加熱装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 加熱装置50は、加熱源5によって局所的に加熱される加熱ローラ1と、加圧ローラ2とを備えている。制御部9は、待機状態にて、加熱ローラ1表面における最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、加熱源5による加熱部材の加熱を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加熱部材と、該加熱部材を押圧する加圧部材により、記録材上のトナー像を加熱圧着して定着させる加熱装置及び該加熱装置を備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置に備えられる、記録用紙上に粉体現像剤(トナー)を加熱定着させる加熱装置として、加熱ローラを用いた加熱ローラ型の加熱装置が広く実用に供されている。この加熱ローラ型の加熱装置は、粉体現像剤からなるトナー像が転写された記録用紙を加熱しつつ搬送する加熱ローラと、該加熱ローラに対して記録用紙を押圧しつつ搬送する加圧ローラとを備えている。このような加熱装置では、加熱ローラと加圧ローラとの圧接部分であるニップ部が定着ポイントとなる。つまり、この圧接部に記録用紙を通過させることによって、記録用紙上にトナー像を溶融圧着して定着させることができる。
上記加熱装置に備えられている加熱ローラとして、従来では、肉厚が厚く、熱容量の大きい円筒状のアルミ部材が使用されている。しかしながら、この構成の加熱ローラでは、熱容量が大きいために、定着処理に必要な所定の温度まで昇温するのに要する時間、すなわち立ち上がり時間が長くなってしまう。さらに、上記構成の加熱ローラでは、該加熱ローラの昇温に要する消費電力が大きくなるという問題もある。そこで、これらの問題に対しては、加熱ローラの薄肉化が有効であり、これにより、加熱装置の熱容量を低減して、立ち上がり時間及び消費電力の低減を図っている。
上記加熱装置の加熱ローラを加熱するための加熱源は、加熱ローラの内部又は加熱ローラの外部に配置される。この加熱源によって加熱装置を加熱する加熱方式として、ハロゲンランプ等のヒータランプを用いて加熱ローラを加熱するヒータランプ方式や、誘導加熱コイルを用いた電磁誘導加熱を利用して、加熱ローラ又は後述するフィルムを発熱させる誘導加熱方式が知られている。このうち、誘導加熱方式は、ヒータランプ方式に比べて、加熱装置の立ち上がり時間及び消費電力の低減を図ることができるため、誘導加熱方式を利用した加熱装置の開発が盛んに行われている。
上記誘導加熱方式では、(a)比較的厚肉の金属ローラを用いてローラ全体を発熱させる金属ローラを用いる手法、(b)数十μm程度の発熱層を有するフィルムを用い、フィルムを摺動させつつ加熱する手法、(c)数十μm程度の中空の金属円筒の内側に断熱スポンジ等の弾性体を設け、そのさらに内側に芯金を設けてローラ構造体を用いる手法等が知られている。
上記(a)の金属ローラを用いる手法では、ローラ自体の剛性を得ることができる一方、熱容量が大きくなるため、立ち上がり時間を大幅に短縮することは困難である。また、ローラを用いない、上記(b)に記載のフィルム摺動方式では、フィルムを用いているので熱容量が小さく、立ち上がり時間の短縮を実現することはできる。一方、フィルムを用いているので、安定した回転駆動が困難であり、定着処理の高速化には不向きである。
これに対し、上記(c)のローラ構造体を用いる手法では、薄肉化された金属円筒が発熱層となるので、熱容量を小さくすることができる。また、金属円筒の内側に断熱性の弾性体を設けているので、加熱された金属円筒を保温する保温性を有している。そのため、加熱装置の加熱ローラとして、ローラ構造体を用いれば、高速かつ安定な回転駆動とともに、立ち上がり時間の短縮、及び、消費電力の低減を図ることができる。このようなローラ構造体を加熱ローラとして用いた加熱装置が、特許文献1に開示されている。
上記特許文献1には、上記ローラ構造体を加熱ローラとして用い、薄肉化された金属円筒としての金属スリーブを備え、ハロゲンランプを加熱源として用いた実施例が開示されている。この実施例では、画像形成装置が動作していない状態では、加熱ローラへの加熱は行っていないが、加熱装置が加熱されていない状態(待機状態)から、作動状態に復帰するまでに要する立ち上がり時間を15秒以内で実現している。
特開平8−129313号公報(公開日:1996年5月21日)
しかしながら、上記特許文献1に記載されている加熱装置では、特に、カラー画像の定着処理を行う場合に、急速な昇温を実現することが困難となってしまう。すなわち、カラー画像の定着処理に際して、記録用紙上のカラートナーを十分に溶融するためには、加熱ローラ表面を、記録用紙上のカラートナー像の凹凸に追従させる必要がある。そのため、カラー画像の定着処理にて、良好な画質を実現するためには、金属スリーブの外表面にシリコーンゴム層等の弾性層を設け、加熱ローラ表面を、記録用紙上のトナー像の凹凸に密着させてトナーを十分に加熱することが必要となる。
これに対し、上記特許文献1に記載の加熱装置のように、金属スリーブの外表面に弾性層がない、あるいは、弾性層が薄い場合には、加熱ローラ表面が、記録用紙上のトナー像の凹凸に追従することが困難となる。そのため、上記特許文献1の加熱装置では、カラー画像の定着処理に際して、トナーが十分に溶融されず、定着処理後の画像に発生する光沢むらが顕著になってしまう。このような光沢むらを解消するためには、上記したように、金属スリーブの外表面に弾性層を設ければよいが、弾性層を設けると、待機状態から作動状態に復帰する際の、加熱ローラの昇温速度が低下してしまう。
具体的には、本発明者等が、上記特許文献1に記載の構成の加熱ローラを用い、誘導加熱方式にて、立ち上がり時間を測定したところ、20秒以上の立ち上がり時間が必要であり、15秒以内の立ち上がり時間を達成することはできなかった。
より具体的に説明すれば、まず、加熱装置を定着可能温度まで昇温させた(以下、初期の立ち上げと記載する)後、加熱ローラを加熱することなく約5分間待機させた。その後、再度、定着可能温度(約170℃)まで復帰させた(以下、再立ち上げと記載する)。そして、初期の立ち上げ時からの、加熱ローラの温度を経時的に測定した。図6は、加熱ローラの温度を経時的に測定した結果を示すグラフである。
図6に示すように、初期の立ち上げに要する立ち上がり時間は28秒であり、再立ち上げに要する立ち上がり時間(復帰時間)は23秒であった。従って、本発明者等が行った実験に用いた加熱装置にて、特許文献1と同等の立ち上がり時間を達成するためには、誘導加熱コイルに大きな電流を流す、あるいは、定着温度を下げる必要があると考えられる。しかしながら、一般に、画像形成装置に使用することができる電力量は限られているので、加熱装置に投入することができる電力量には制限がある。そのため、加熱ローラの昇温速度の高速化には限界がある。また、定着温度を下げるためには、トナーの溶融温度を下げる必要があるという問題がある。
また、図6には示していないが、待機時間が長くなればなるほど、復帰時間は、初期立ち上げに要する立ち上がり時間と同じ立ち上がり時間である28秒に近づくことがわかった。従って、長時間、待機状態にある画像形成装置に対してジョブ処理を要求した場合にも、ジョブ処理が開始されるまでに、ユーザは、初期の立ち上げに要する立ち上がり時間とほぼ同等の時間、待たなければならなくなり、非常に使い勝手の悪いものとなってしまう。
さらに、上記特許文献1に記載の加熱装置は、待機状態では加熱されていないので、立ち上がり時間は、加熱装置の周囲の温度(以下、環境温度と記載する)に依存すると考えられる。すなわち、環境温度が低い場合には、加熱装置の立ち上がり時間は、長くなる傾向にあると考えられ、15秒以内での加熱装置の立ち上がりを実現することが困難となる可能性がある。
そのため、待機状態においても、加熱ローラを加熱する必要がある。しかしながら、通常、待機状態の加熱装置では、加熱ローラの耐久性の観点から、回転していない。そのため、上記特許文献1に記載の加熱装置のように、加熱ローラの外部に加熱源を配置する場合に、待機状態で加熱を行うと、加熱ローラには、加熱される領域(加熱領域)と加熱されない領域(非加熱領域)とが混在することになる。このような加熱ローラ表面の温度むらは、待機状態から作動状態に復帰して定着処理を行った際に、記録用紙上に定着されたトナー像の光沢むら等による画質劣化を引き起こす原因となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、待機状態における消費電力を抑制するとともに、待機状態から復帰する際の復帰時間を短縮し、かつ、良好な画質で定着処理を行い得る加熱装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る加熱装置は、上記課題を解決するために、加熱源によって局所的に加熱されるローラ状の加熱部材に圧接してニップ部を形成するローラ状の加圧部材を有し、上記加熱部材及び加圧部材の回転により、上記ニップ部に記録材を搬送して、該記録材上に現像剤像を加熱定着する加熱装置において、上記加熱部材及び加圧部材の回転が停止する待機状態にて、上記加熱源によって加熱部材を加熱するように制御するとともに、上記待機状態にて、加熱部材表面における最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、上記加熱源による加熱部材の加熱を制御する制御部を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記制御部は、上記温度差が80℃以下となるように、加熱源による加熱を制御することが好ましい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材は、少なくとも、上記加熱源によって加熱される金属層と、該金属層の内側に形成された断熱性の弾性体層とを有していることを特徴としている。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記制御部は、待機状態に移行して所定時間の経過後に、上記加熱部材の設定温度を下げるように加熱源による加熱を制御するものであってもよい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材は、待機状態にて、間欠的に回転するものであってもよい。
また、本発明に係る加熱装置は、上記の加熱装置において、上記加熱部材は、待機状態に移行してから、該加熱部材表面における最低温度を示す領域が温度上昇を開始するまでの温度下降時間よりも短い時間間隔で、間欠的に回転することが好ましい。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記の加熱装置のうちのいずれかを備えてなることを特徴としている。
本発明に係る加熱装置は、加熱部材及び加圧部材の回転が停止する待機状態にて、加熱源によって加熱部材を加熱するように制御している。このように、上記加熱装置では、待機状態においても、加熱部材の予熱を行っているので、待機状態から、加熱装置を定着可能温度にまで上昇させる際の復帰時間を短縮することができる。
また、上記加熱装置では、加熱源が局所的に加熱部材を加熱しているので、待機状態にて、加熱部材表面に温度むらが発生することになる。このような温度むらは、定着処理における加熱部材表面の温度むらによる定着むらを引き起こし、定着処理後の画像の乱れや画質劣化の原因となる。そのため、上記加熱装置では、制御部によって、加熱部材表面の温度差を120℃以下に設定するように制御している。これにより、待機状態から定着可能温度まで復帰する場合にも、短い復帰時間で、加熱部材表面の温度むらを速やかに解消することができる。また、温度むらの抑制された加熱部材によって、定着処理が行われるので、記録材上に形成される画像の画質を良好なものとすることができる。
また、上記温度差を80℃以下となるようにすることによって、より一層速やかに、加熱部材表面の温度むらを解消することができる。それゆえ、温度差が80℃以下である場合には、温度差が80℃を超える場合に比べて、復帰時間を短縮することができる。これにより、待機状態からの復帰時に必要となる、加熱部材を加熱するための電力量を低減することができる。従って、温度差を80℃以下に設定することにより、復帰時間を短くするとともに、復帰時に加熱源に供給される電力量、さらには待機時の電力量も削減できることから、より一層消費電力量を抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る加熱装置は、上記加熱部材は、少なくとも、上記加熱源によって加熱される金属層と、該金属層の内側に形成された断熱性の弾性体層とを有している。このように、金属層の内側に弾性体層を備えているので、該弾性体層によって、加熱された金属層からの放熱を抑制することができる。従って、上記弾性体層によって、金属層の保温性を高めることができるので、効率的に加熱部材の加熱を行うことができる。
また、本発明に係る加熱装置は、上記制御部が、待機状態に移行して所定時間の経過後に、上記加熱部材の設定温度を下げるように加熱源による加熱を制御してもよい。待機状態における加熱部材表面の温度差は、待機状態へ移行した直後には増加する傾向にあるが、所定時間が経過すると減少する傾向にある。従って、待機状態が所定時間を経過する場合には、加熱部材の設定温度を下げても、復帰時間が大幅に増加することはないと考えられる。これに対し、待機状態における消費電力量は、加熱部材の設定温度が低いほど低減される。それゆえ、待機状態の途中にて、加熱部材の設定温度を下げることにより、短い復帰時間にて、消費電力量を抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る加熱装置は、上記加熱部材を、待機状態にて、間欠的に回転させてもよい。上記加熱装置は、加熱源によって加熱部材を局所的に加熱している。そのため、加熱部材及び加圧部材の回転が停止する待機状態にて、加熱部材を回転させることなく加熱を行うと、加熱部材表面の一部が加熱されて、温度差が急激に広がることになる。従って、一定時間の経過時に、加熱部材を回転させて、加熱源による加熱位置を変えれば、待機状態における加熱部材表面の温度差を低減することができる。これにより、加熱部材表面の温度むらを低減することができるので、短い復帰時間で、加熱部材表面の温度むらを速やかに解消することができるという効果を奏する。
また、上記加熱装置にて、上記加熱部材は、待機状態に移行してから、該加熱部材表面における最低温度を示す領域が温度上昇を開始するまでの温度下降時間よりも短い時間間隔で、間欠的に回転することが好ましい。
すなわち、加熱部材表面の最大温度を示す領域には、加熱源が配置されているので、待機状態においても、表面温度はほぼ一定に保たれる。一方、最低温度を示す領域は、加熱源の影響を受け難いため、待機状態へ移行した直後は、表面温度が急速に下がり、その後、徐々に表面温度が増加することになる。そこで、加熱部材表面の最低温度を示す領域が温度上昇を開始するよりも短い時間間隔、すなわち、加熱部材表面の温度差が最大となるよりも短い時間間隔で、加熱部材を回転させることにより、加熱部材表面の温度むらをより一層低減することができる。これにより、定着処理時における加熱部材表面の温度むらを速やかに解消することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の加熱装置のうちのいずれかを備えているので、待機状態から、短い復帰時間で、加熱部材表面の温度むらを速やかに解消して、定着処理を良好に行うことができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の一形態について図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1及び図3に、本実施の形態の加熱装置50の概略断面図を示す。加熱装置50は、例えば電子写真方式の画像形成装置に備えられ、記録用紙(記録材)P上の未定着のトナー(現像剤)からなる未定着トナー像を溶融して、記録用紙P上へのトナー像の加熱加圧定着を行っている。上記加熱装置50は、図1に示すように、加熱ローラ(加熱部材)1と、加圧ローラ(加圧部材)2と、加熱源5と、励磁回路3と、第1の温度検知部材(以下、温度検知部材と記載する)7と、制御部9と、定着入口ガイドSとを備えている。また、図3に示すように、加熱装置50は、さらに、第2の温度検知部材(以下、第2検知部材と記載する)7aを備えている。なお、図3は、図1に示す加熱装置50の構成に、第2検知部材7aを設けた場合の概略断面図を示すものであって、第2検知部材7a以外の構成は同一である。
上記加熱ローラ1は、記録用紙P上のトナーを溶融するとともに、該加熱ローラ1と加圧ローラ2との加圧力によって、記録用紙P上にトナー像を定着させる。加熱ローラ1は、図示しない駆動手段からの駆動力を受けて、図3中の矢印R1の方向に、周速V1で回転駆動される。
上記加熱ローラ1は、図3に示すように、芯金(金属層)1aの外表面に、加熱側第1の弾性体層(弾性体層)1b、図示しない接着層、Ni(ニッケル)発熱層1c、加熱側第2の弾性体層1d、加熱側離型層1eが、この順に形成されてなる。図2に、該加熱ローラ1の層構造の部分断面図を示す。
上記芯金1aは、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属素管からなる。上記芯金1aは、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の耐熱樹脂やセラミックで形成することもできる。上記加熱側第1の弾性体層1bは、後述するNi発熱層1cで発生した熱を芯金1a側に放熱されないように設けられた断熱層である。また、上記加熱側第1の弾性体層1bは、加熱ローラ1と加圧ローラ2とが圧接した際に形成されるニップ部4を所定幅に確保するために設けられたものである。該加熱側第1の弾性体層1bを設けることにより、加熱ローラ1が弾性変形し、より広いニップ幅を有するニップ部4を形成することができる。上記加熱側第1の弾性体層1bは、例えば、シリコンゴムを発泡させてなるシリコンスポンジ等の弾性体にて形成されている。
また、上記Ni発熱層1cは、詳細は後述するが、加熱源5に発生する交番磁界の作用によって発熱する発熱層である。本実施の形態のNi発熱層1cは、Niにて形成されているが、銀、銅、アルミニウム等の金属でも良く、特に鉄、コバルト、マンガン、磁性ステンレス、フェライト等の強磁性体にて形成されることが好ましい。
加熱側第2の弾性体層1dは、記録用紙P上の未定着トナー像の凹凸に追従して、加熱ローラ1表面が弾性変形するように設けられている。上記加熱側第2の弾性体層1dを設けることにより、カラー印刷等のように各色のトナーが重なり合っている場合においても、トナーを均一に溶融定着することができる。上記加熱側第2の弾性体層1dは、シリコーンゴムに限定されず、フッ素ゴム等の弾性材料にて形成されていてもよい。
上記加熱側離型層1eは、トナーとの離型性を高めて、加熱ローラ1表面にトナーが付着することを防止するために設けられている。すなわち、加熱ローラ1は、記録用紙P上のトナーと直接接触するので、溶融したトナーが付着しやすい。そのため、加熱ローラ1表面の離型性を高めることによって、トナーの付着を防止している。本実施の形態では、加熱側離型層1eとして、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブを用い、加熱側第2の弾性体層1dをPFAチューブで覆ってなる。なお、上記加熱側離型層は、離型性に優れていればよく、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂を表面コートすることで形成されていてもよい。
また、上記加圧ローラ2は、図3に示すように、上記加熱ローラ1に圧接し、該加圧ローラ2と加熱ローラ1との間にて、未定着トナー像を担持する記録用紙Pを挟持して搬送し、記録用紙P上にトナー像を固着させる。上記加圧ローラ2は、図示しない加圧バネ等の付勢手段によって、所定の押圧力(当接圧)で加熱ローラ1に圧接している。加圧ローラ2は、加熱ローラ1の回転に伴って、図3中、矢印R2方向に、周速V2で従動回転する。
上記加圧ローラ2は、芯金2aの外表面に、加圧側弾性体層2b、加圧側離型層2cが、この順に形成されてなる。上記芯金2aは、鉄、アルミニウム、ステンレス等の円柱状の回転体である金属素管からなる。上記芯金2aは、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の耐熱樹脂やセラミックで形成することもできる。上記加圧側弾性体層2bは、例えば、シリコーンゴムやシリコーンゴムを発泡させてなるシリコーンスポンジ等の弾性体にて形成されている。上記加圧側離型層2cは、加圧ローラ2表面を離型性に優れたものとするために設けられ、PFAチューブや、PFA、PTFE等のフッ素系樹脂を表面コートすることで形成すればよい。本実施の形態の加圧側離型層2cは、例えば、PFAチューブによって、加圧側弾性体層2bを覆って形成することができる。
また、上記加熱源5は、加熱ローラ1のNi発熱層1cを発熱させるために設けられている。上記加熱源5は、誘導コイル(加熱源)5aと、ホルダーケース5bとを備えている。上記誘導コイル5aは、加熱ローラ1の中心軸に平行な方向である加熱ローラ1の長手方向に、酸化膜で被膜されたアルミニウム単線、絶縁被膜を有する銅線やそれらを複数本束ねたリッツ線等を巻き回してなる。ここで、リッツ線とは、素線径が0.05mm〜0.8mm程度の絶縁材料で被覆された銅線を10本〜150本程度束ねたものである。誘導コイル5aとして、リッツ線を用いる場合には、該リッツ線を5〜20回程度巻き回せばよい。上記ホルダーケース5bは、内部に誘導コイル5aを収容する絶縁性の支持体である。上記ホルダーケース5bは、図3に示すように、加熱ローラ1の外周面に沿って、該加熱ローラ1のほぼ半周分を覆うような大きさを有する。
また、上記励磁回路3は、誘導コイル5aに接続され、該誘導コイル5aに交番電流を与えて、交番磁界を発生させる。上記励磁回路3は、例えば、後述する制御部9によって、10〜100kHz程度の高周波電流を誘導コイル5aに流すように制御されている。
上記温度検知部材7及び第2検知部材7aは、図3に示すように、加熱ローラ1の外周面に当接して、加熱ローラ1表面の温度を検出する。詳細は後述するが、上記温度検知部材7は、加熱ローラ1の表面温度の昇温状態を検知するものであるため、加熱ローラ1表面の最も発熱している領域あるいはその近傍の温度を検知するように、配置される。
上記第2検知部材7aは、少なくとも、待機状態にて、加熱ローラ1表面のうち最低温度を検出するものであるため、加熱ローラ1表面の発熱していない領域に配置される。また、上記第2検知部材7aは、必要に応じて、加熱ローラ1の動作時の温度検知に使用することも可能である。温度検知部材7及び第2検知部材としては、一般的には、サーミスタを挙げることができる。
上記制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、上記温度検知部材7によって検出された加熱ローラ1表面の温度に基づいて、励磁回路3内の図示していないIGBT等のスイッチング素子を制御すること等により、誘導コイル5aに供給される高周波電流を制御している。
上記定着入口ガイドSは、後述する画像形成装置15の画像形成手段から加熱装置50に搬送される、未定着トナー像を保持した記録用紙Pを、加熱ローラ1と加圧ローラ2との接触部分であるニップ部4に案内する。すなわち、定着入口ガイドSは、図3に示す記録用紙Pの搬送方向である矢印Kp方向に沿って、ニップ部4よりも上流側に配設される。そして、加熱装置50に記録用紙Pが供給される際に、該記録用紙Pの未定着トナー像を保持していない側である裏面に接触して、記録用紙Pの先端を円滑かつ適正に、ニップ部4へ進入させる。
上記構成の加熱ローラ1、加圧ローラ2、加熱源5、温度検知部材7、第2検知部材7a等を備えた加熱装置50では、図3に示すように、加熱ローラ1に圧接するように、加圧ローラ2が配置されて保持される。加熱ローラ1には、加熱側第1の弾性体層1bが設けられているので、加圧ローラ21が加熱ローラ1に圧接することによって、加熱ローラ1が弾性変形する。これにより、加熱ローラ1と加圧ローラ2との接触部分である幅広い帯状のニップ部4が形成される。具体的には、上記加熱装置50では、上記ニップ部4のニップ幅は、7mm程度に設定されている。
また、加熱ローラ1の外表面のうち、上記ニップ部4の形成位置以外の領域に対向するように、局所的に加熱源5が設けられている。加熱源5は、加熱ローラ1の外周面に沿って所定の曲率を有しており、上記したように、加熱ローラ1のほぼ半周分を覆っている。加熱源5と加熱ローラ1の外周面とは、3mm程度の間隔を隔てて配置される。
さらに、この加熱源5と加熱ローラ1との間に、温度検知部材7が配置される。温度検知部材7は、加熱ローラ1表面のうち、加熱源5によって発熱した領域に設けられる必要があり、特に、最も発熱した領域に設けられることが好ましい。上記加熱装置50では、後述するように、加熱ローラ1表面のうち最も発熱している領域は、加熱源5と加熱ローラ1との間に存在する。そのため、図3に示すように、加熱源5と加熱ローラ1との間にて、加熱ローラ1に当接するように、温度検知部材7が設けられている。一方、第2検知部材7aは、加熱源5から離れた、該加熱源5によって発熱しない領域に設けられる必要がある。そのため、ニップ部4の近傍の領域にて、加熱ローラ1に当接するように、第2検知部材を設けている。
次に、上記構成の加熱装置50にて、記録用紙P上への未定着トナー像の定着処理を行う場合の動作について、詳細に説明する。すなわち、加熱装置50が備えられている画像形成装置15に対し、ジョブ処理要求がなされると、加熱装置50を定着可能温度まで上昇させるウォームアップが開始される。具体的には、まず、制御部9は、温度検知部材7によって検出された温度に基づいて、加熱ローラ1が所定の定着温度となるように、励磁回路3を制御して、誘導コイル5aに交番電流を流す。これにより、誘導コイル5aに交番電流が供給され、誘導コイル5aには交番磁界が発生する。この交番磁界が、加熱ローラ1のNi発熱層1cに作用すると、該Ni発熱層1cに渦電流が発生する。Ni発熱層1cは固有の抵抗を有しているので、Ni発熱層1cに発生した渦電流によって、ジュール熱が発生する。その結果、加熱ローラ1が発熱する。
一般に、Ni発熱層1cのような導電性の部材(以下、導体と記載する)に対し、上記交番磁界のような高周波磁界を作用させた場合には、導体の表皮効果の影響を受けて、交番磁界が遮蔽される。そのため、上記交番磁界は、導体の表面近傍にのみ作用することになる。具体的には、上記交番磁界が作用する導体の表面からの深さ(以下、表皮深さと記載する)δは、下式で表される。
Figure 2005140973
式中、ρは導体の電気抵抗率であり、μは透磁率であり、fは交番磁界の周波数を表す。
上記表皮深さδは、交番磁界の吸収量を示す指標となる。すなわち、交番磁界が作用する導体の表面からの深さがδよりも深い位置では、導体による交番磁界の吸収量が1/e以下に減衰する。この位置では、交番磁界が作用しても、導体の発熱には、ほとんど寄与しない。
このことから、上記加熱ローラ1のNi発熱層1cにおける発熱量は、誘導コイル5aから得られる交番磁界の磁束密度によって決定されることがわかる。従って、上記加熱ローラ1では、該加熱ローラ1表面の発熱分布によって求めた最大の発熱量の1/e以上となっている表面領域が発熱領域となり、発熱量が1/e未満となっている表面領域が非発熱領域となる。
上記発熱領域及び非発熱領域について、図5(A)(B)に基づいて、より具体的に説明する。図5(A)(B)は、加熱ローラ1が静止した状態で、誘導コイル5aに交番電流を流した場合にて、ニップ部4の入紙位置から、図3中の矢印R1とは反対方向で、排紙位置に至る際の、加熱ローラ1の表面の発熱状態を説明する図である。ここで、図5(A)は、図5(B)に示す加熱ローラ1表面の発熱状態のグラフと、誘導コイル5aの配置位置との対応関係を明確にするために、便宜的に、加熱ローラ1の外周を直線的に表している。
ここで、加熱ローラ1表面のうち、最大発熱領域A、すなわち最大の発熱量が得られる領域の発熱量をQ0(図5(B))とすると、発熱領域は、Q0/e以上の発熱量を示す領域となる。従って、図5(A)(B)に示すように、加熱ローラ1の外周表面のうち、誘導コイル5aと対向する表面領域の発熱量が大きく、誘導コイル5aから離れるほど発熱量が小さくなることがわかる。つまり、誘導コイル5aと対向していない表面領域では、発熱量がQ0/e未満の発熱量となっており、上記したように、Ni発熱層1cの発熱にはほとんど寄与していないことがわかる。
このように、加熱ローラ1を停止した状態で加熱源5による加熱を行うと、図5(B)に示すように、加熱ローラ1表面に温度むら(リップル)が発生することになる。従って、温度むらを低減するためには、加熱ローラ1表面を順次、誘導コイル5aと対向させて、加熱ローラ1の表面温度を均一にする必要がある。そのため、加熱装置50のウォームアップ時には、加熱ローラ1を回転駆動させて、加熱ローラ1全体を均一に加熱する。これにより、加熱ローラ1表面の温度むらを抑制することができるので、加熱ローラ1の表面温度を均一にして、所定温度まで昇温させることができる。
なお、前述したように、上記加熱装置50では、加熱源5と加熱ローラ1との間に、温度検知部材7(図3)を設けている。この理由は、図5(B)に示すように、加熱ローラ1の発熱領域は、誘導コイル5aと対向する領域に存在することにある。つまり、加熱ローラ1の発熱領域に温度検知部材7を設けることによって、加熱ローラ1の昇温状態を検知することができる。ここで、温度検知部材7の配置位置は、上記加熱源5と加熱ローラ1との間のうち、加熱ローラ1の最大発熱領域Aの位置、すなわち発熱量Q0の位置とすることが好ましい。最大発熱領域Aに当接するように温度検知部材7を設ければ、加熱ローラ1表面の最高温度を検知することができる。従って、加熱ローラ1が異常に昇温していることを素早く検知することができる。これにより、加熱ローラ1の表面温度を安定化し、かつ加熱ローラ1を安全な状態で作動するように、制御することができる。
一方、第2検知部材7a(図3)は、加熱源5から離れた、ニップ部4の近傍の領域に設けられている。この理由は、図5(B)に示すように、加熱ローラ1の非発熱領域は、誘導コイル5aとは対向していない領域のうち、誘導コイル5aから離れた領域に存在するためである。
上記のようにして、加熱装置50のウォームアップが開始されると、図3に示す制御部9が温度検知部材7の検知結果を検出する。加熱ローラ1が所定温度まで上昇したことを確認すると、ウォームアップを終了して、定着処理を開始する。すなわち、ウォームアップが完了すると、後述する画像形成装置の画像形成手段から、未定着トナー像を保持した記録用紙Pが搬送される。このとき、定着入口ガイドSが記録用紙Pに接触し、該定着入口ガイドSに案内されて、記録用紙Pがニップ部4に搬送される。該ニップ部4にて、記録用紙P上のトナーがまず、溶融される。続いて、加熱ローラ1と加圧ローラ2とによって挟持されて搬送されることにより、溶融したトナーが記録用紙P上に圧着される。その後、記録用紙Pが加熱ローラ1から剥離され、溶融したトナーが、自然冷却によって完全に硬化する。これにより、記録用紙P上にトナー像が定着される。
このようにして、一連のジョブ処理が終了すると、加熱装置50は、定着処理を行わない待機状態に移行する。ここで、加熱装置50が待機状態に移行した際に、加熱ローラ1の回転及び誘導コイル5aへ供給される交番電流を停止すると、加熱ローラ1は急速に冷却される。しかしながら、加熱ローラ1が完全に冷却されると、再び作動状態となる際のウォームアップ時間が長くなってしまう。
そこで、本実施の形態の加熱装置50では、待機状態にて、加熱ローラ1表面の周方向における最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、励磁回路3から誘導コイル5aに供給される交番電流を制御部9が制御している。ここで、加熱ローラ1表面の周方向とは、加熱ローラ1の外周面の、回転方向R1に平行な方向である。
すなわち、加熱装置50が待機状態に移行すると、加熱ローラ1の回転が停止される。そのため、加熱ローラ1表面には、図5(B)に示すように、発熱量がQ0/e以上となる発熱領域と、発熱量がQ0/eより小さい非発熱領域とが存在することになる。そこで、制御部9は、温度検知部材7で検知された温度を加熱ローラ1の最高温度として検出し、第2検知部材7aで検知された温度を加熱ローラ1の最低温度として検出する。この検出結果に基づいて、制御部9は、加熱ローラ1の周方向における温度差が120℃以下であれば、励磁回路3から誘導コイル5aへ交番電流が流れるように、励磁回路3を制御する。これに対し、加熱ローラ1の周方向における温度差が120℃を超える場合には、励磁回路3から誘導コイル5aへ交番電流が流れないように、励磁回路3を制御し、上記温度差を120℃以下とする。
上記のように、誘導コイル5aに交番電流を供給して、加熱ローラ1の予熱を行っているので、待機状態から作動状態に復帰する際のウォームアップ時間を短縮することができる。また、誘導コイル5aへの交番電流の供給を、加熱ローラ1の周方向における温度差が120℃以下となるように制御している。そのため、少なくとも、加熱装置50の電源が投入されてからウォームアップが完了するまでのウォームアップ時間よりも短い時間で、加熱ローラ1を所定温度まで上昇させることができる。
また、上記温度差を120℃以下に制御することにより、待機状態から作動状態へ復帰した場合にも、加熱ローラ1表面における温度むらを素早く解消して、加熱ローラ1全体の温度を均一にすることができる。加熱ローラ1の周方向における温度むらを低減することができれば、定着処理時の温度むらが低減される。従って、定着されたトナー像の光沢むら等の画質劣化を引き起こすことなく、良好な画質での定着処理を実現することができる。
これに対し、上記温度差が120℃を超えると、加熱ローラ1表面における温度むらが大きくなり、定着処理による画質劣化が生じやすくなる。また、上記温度差が120℃を超えると、温度むらを解消するための時間が長くなる結果、ウォームアップ時間に要する時間が長くなる傾向にあり、また待機状態における消費電力が増大する傾向にある。
また、待機状態における消費電力をさらに低減するためには、上記温度差が80℃以下となるように、制御部9によって、励磁回路3から誘導コイル5aに与えられる交番電流を制御することが好ましい。これにより、待機状態からの復帰する際に、加熱ローラ1表面の温度むらをより一層速やかに解消することができるので、ウォームアップ時間を短縮することができる。従って、ウォームアップに必要な電力量を低減することができるので、待機状態から復帰する際の消費電力を抑制することができると同時に、待機時の消費電力量も削減可能となる。
あるいは、待機状態における消費電力をさらに低減するために、待機状態に移行後に、加熱ローラ1の設定温度を下げるようにしてもよい。すなわち、待機状態に移行後、所定時間は、加熱ローラ1の設定温度を高い温度に設定し、所定時間経過後は、加熱ローラ1をより低い設定温度に設定する。これにより、待機状態へ移行した直後は、加熱ローラ1の設定温度を高くしておくことによって、できるだけ短時間でのウォームアップの実行を可能にしている。
一方、待機状態における加熱ローラ1の温度差は、後述するように、待機状態への移行直後には大きく増加し、その後、所定時間が経過すると徐々に減少する。そのため、待機状態が長時間に渡る場合には、待機状態の途中にて、加熱部材の設定温度を下げても、復帰時間が大幅に増加することはないと考えられる。これに対し、加熱ローラ1の設定温度を低い温度に下げることによって、待機状態における消費電力は抑制される。従って、待機状態が長時間に及ぶ場合には、待機状態に移行して所定時間が経過した後に、加熱ローラ1の設定温度を下げることによって、復帰時間を増大させることなく、消費電力量を抑制することができる。
このように、待機状態となった後、再び作動状態となるまでの時間の長短に応じて、待機状態における加熱装置50の予熱状態を変化させている。従って、加熱装置50の待機状態に応じて、待機状態時の消費電力を低減することによって、結果的に、加熱装置50全体としての消費電力を抑制することができる。
なお、上記温度差を120℃以下とするとは、待機状態においても加熱ローラ1の予熱を行っている場合の温度差を120℃以下とすることをいう。従って、加熱ローラ1の上記温度差の下限値は、0℃以上となる。
以上のように、上記加熱装置50では、待機状態にて、加熱ローラ1の回転を停止した場合に、加熱ローラ1の周方向の温度差が120℃以下となるように、加熱ローラ1の予熱を行っている。これにより、待機状態から作動状態への復帰を短時間で行うとともに、温度むらを低減して、加熱ローラ1の表面全体を均一な温度に加熱することができる。
また、上記では、待機状態にて、加熱ローラ1を回転させない場合を例に挙げて説明したが、該待機状態にて、加熱ローラ1を回転させるようにしてもよい。すなわち、図5(A)(B)に基づいて既述したように、加熱ローラ1が静止した状態で、誘導コイル5aに交番電流を流した場合、加熱ローラ1表面には、発熱領域と非発熱領域とが存在する。そのため、作動状態から待機状態へと移行した直後には、加熱ローラ1表面の発熱領域と非発熱領域との間での温度差が急速に広がることになる。つまり、上記加熱装置50では、待機状態に移行後も予熱されているため、発熱領域では、誘導コイル5aによる加熱が行われる。そのため、加熱コイル1の発熱領域は冷却されにくい。これに対し、誘導コイル5aに交番電流を与えても、非発熱領域は発熱にはほとんど寄与しないため、急速に冷却される。
従って、待機状態における加熱ローラ1表面の周方向における温度差をできるだけ小さくするためには、待機状態においても、加熱ローラ1を一定時間毎に回転させればよい。加熱ローラ1の回転角度は、加熱ローラ1の発熱領域が、少なくとも加熱源5(誘導コイル5a)と対向しない領域に移動する角度とすればよい。これにより、加熱ローラ1表面が順次加熱されるので、加熱ローラ1表面の温度差を低減することができる。また、加熱ローラ1の回転を一定時間毎に間欠的に行うことにより、加熱ローラ1の回転による摩擦や摩耗等を抑制することができるので、加熱ローラ1の耐久性を低下させることもない。
ところで、待機状態へ移行した直後の発熱領域と非発熱領域との温度差は、非発熱領域での急速な冷却によって急速に広がる。一方、温度差が急速に広がった後は、非発熱領域に発熱領域で発生した熱が伝導して、非発熱領域も徐々に温められる。そのため、待機状態へ移行して所定時間が経過すると、発熱領域と非発熱領域との温度差は、徐々に小さくなる。従って、上記加熱ローラ1の回転は、待機状態に移行後、発熱領域と非発熱領域との温度差が最大となる前に行うことが好ましい。具体的には、発熱領域と非発熱領域との温度差が最大となるのは、加熱装置50の周囲の環境にも依存するが、待機状態に移行後、120秒〜300秒程度である。
それゆえ、上記加熱装置50にて、待機状態にて加熱ローラ1を回転させる場合には、温度差が最大となる時間が経過する前に、加熱ローラ1を上記した角度だけ回転させて、停止する。その後、再び、温度差が最大となる時間が経過する前に、加熱コイル1を回転させる。この動作を、作動状態への復帰要求がなされるまで繰り返す。このように、加熱ローラ1を間欠的に回転させることにより、待機状態における加熱ローラ1表面の温度むらをより一層抑制することができる。また、加熱ローラ1の温度むらを抑制しているので、作動状態への復帰を短時間で行うことができるとともに、作動状態への復帰後の加熱ローラ1表面の温度むらを低減することができる。
なお、本実施の形態では、図3に示すように、第2検知部材7aを設けて、加熱ローラ1表面の最低温度を測定しているが、図1に示すように、第2検知部材7aを設けない構成であってもよい。この場合には、例えば、待機状態への移行後の経過時間と最低温度との関係を記憶するテーブルから、最低温度を予測するようにすればよい。すなわち、タイマー回路等の計時手段によって待機状態への移行後の経過時間を測定し、該経過時間での最低温度を上記テーブルから読み出すことによって、最低温度を決定すればよい。
また、本実施の形態では、加熱ローラ1側に加熱源5を設けているが、加圧ローラ2に熱源を設けた場合にも、待機状態における加熱ローラ1表面の周方向における温度差を120℃以下にすることによって、短いウォームアップ時間にて、定着可能温度への復帰後の加熱ローラ1表面の温度むらを抑制することができる。加圧ローラに熱源を設けた加熱装置53の概略断面図を図4に示す。なお、以下では、説明の便宜上、上記図1及び図3に示す加熱装置に備えられている部材と同様の機能を有する部材に対しては、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
上記加熱装置53では、図4に示すように、加圧ローラ54は、アルミニウム、鉄、ステンレス等の素管からなる中空状の芯金55の外表面に、最表層に加圧側離型層54cを形成してなる。上記芯金55の内部に、熱源であるハロゲンランプ13が設けられている。
上記の加熱装置53にて、定着処理を行う場合には、まず、ウォームアップ時には、誘導コイル5aに交番電流を供給し、ハロゲンランプ13に電力を供給して、加熱ローラ1及び加圧ローラ54を所定温度まで昇温させる。なお加熱ローラ1及び加圧ローラ54が所定温度に達すると、加熱ローラ1および加圧ローラ2への供給電力をウォームアップ時よりも小さくなるように切り替えても良い。ここで、ウォームアップ時と定着処理時とで電力量を切り替えるのは、定着処理時には、複写機全体が動作を開始するために、加熱装置53に投入できる電力量が制限されるためである。その後、前述したように、加熱ローラ1と加圧ローラ54との圧接部分であるニップ部に、未定着トナー像を保持した記録用紙を通紙させて、トナーの溶融及び定着を行う。
定着処理の終了後、待機状態に移行した場合には、加熱ローラ1の回転を停止する。このとき、加熱ローラ1表面の周方向における最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、加熱ローラ1および加圧ローラ2の温度を制御する。具体的には、励磁回路3から加熱ローラ1に供給される交番電流およびハロゲンランプの点灯制御を制御部9によって制御する。
上記加熱装置53においても、加熱ローラ1の発熱領域と非発熱領域との温度むらを低減するために、加熱ローラ1を間欠的に回転させるようにしてもよい。この場合、加圧ローラ54に接触することによって加圧ローラ54からの熱伝導で昇温する領域が誘導コイル5aに対向しない非発熱領域に配置され、かつ、誘導コイル5aに対向する発熱領域が誘導コイル5aにも対向せず加圧ローラ54にも当接しない位置に配置されるように、回転角度を制御することが好ましい。
以上のように、本実施の形態では、加熱ローラ1の外部に加熱源5として誘導コイル5aを配置しているが、加熱源5は、ハロゲンランプやセラミックヒータ等であってもよい。また、ハロゲンランプやセラミックヒータ等を内蔵した別のローラを加熱ローラ1の外部に設け加熱するようにしてもよい。さらにまた、図4に示す加熱装置53では、加圧ローラ54内部に熱源を設ける構成としているが、加熱ローラ1と同様に、外部に、誘導コイル又はランプヒータを設ける構成としてもよい。
次に、上記加熱装置50を備えた画像形成装置15について、図7に基づいて詳細に説明する。
図7は、本実施の形態の画像形成装置15の内部構成を示す概略断面図である。画像形成装置15は、原稿21の画像データに基づいて、普通紙、OHPシート等の所定の記録用紙に対して画像を形成する複写機能を有するものである。
画像形成装置15は、筐体状に形成された装置本体14内に、既に説明した加熱装置50とともに、帯電、露光、現像、転写、清掃等の画像形成プロセスにより画像を形成する画像形成手段11、給紙カセット10、手差し給紙台12、排紙トレイ19を具備している。また、装置本体14内には、用紙搬送路40、給紙装置34・36、搬送装置48、排紙ローラ対52が設けられている。さらに、上記装置本体14には、図示しない入力/表示手段としてのコントロールパネルが該装置本体14の上面前端縁部に配置され、装置本体14の上面には、原稿載置台としてのプラテンガラス6及び該プラテンガラス6上にセットされた原稿21を押さえるプラテンカバー8が設けられている。
上記画像形成手段11は、感光体ドラム16、除電装置18、帯電装置20、LED消去アレイ22、露光装置24、現像装置26、転写装置28、剥離装置30、及びクリーナ装置32を備えている。
上記感光体ドラム16は、装置本体14内のほぼ中央部に像担持体として回転駆動自在に設けられており、該感光体ドラム16の周囲に、その回転方向(図中矢印)に沿って除電装置18、帯電装置20、LED消去アレイ22、露光装置24、現像装置26、転写装置28、剥離装置30、及びクリーナ装置32がこの順に配置されている。
上記帯電装置20は、複写したい画像データに応じて感光体ドラム16の表面を一様に帯電する。上記帯電装置20は、図7に示すように、例えば、接触型のブラシ型やローラ型であり、あるいは、非接触型のチャージャー型であってもよい。上記露光装置24は、装置本体14内上部に配設され、光学系移動式の露光手段として、帯電した上記感光体ドラム16をスリット露光する。上記露光装置24としては、例えば、発光素子をアレイ状に並べたLED書込みヘッド、EL書込みヘッド、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)が用いられる。上記除電装置18は、感光体ドラム16に光を照射して、残留電荷を除去する。上記LED消去アレイ22は、感光体ドラム16上の非画像形成領域の電荷を除去する。上記現像装置26は、感光体ドラム16表面に形成された静電潜像を、粉体現像剤(以後、トナーという)を用いて顕像化する。転写装置28は、感光体ドラム16に対向する像転写部38にて、感光体ドラム16上に顕像化されたトナー像を記録用紙上に転写する。剥離装置30は、例えば、ACコロナ放電により、トナー像が転写された記録用紙を感光体ドラム16から剥離する剥離手段である。クリーナ装置32は、トナー像の転写後に、感光体ドラム16上に残存するトナーを掻き落とす清掃手段である。
また、上記給紙カセット10は、装置本体14の底部に設けられ、画像形成手段11に供給される記録用紙を収容する。上記手差し給紙台12は、装置本体14の図中右側に設けられ、ユーザによる記録用紙の給紙が可能となっている。上記排紙トレイ19は、装置本体14の図中左側に設けられ、定着処理済みの記録用紙を収容する。
さらに、上記用紙搬送路40は、給紙カセット10あるいは手差し給紙台12から給送された記録用紙を、像転写部38を経て排紙トレイ14まで導く。上記用紙搬送路40には、記録用紙の搬送方向に対して、像転写部38よりも上流側に位置して、レジストローラ対42が配設されている。上記レジストローラ対42は、給送される記録用紙の先端位置を整えるための整位手段であるとともに、記録用紙の搬送手段としての機能を兼ね備えている。また、上記レジストローラ対42よりも上流側に用紙検知手段としてのレジストローラ前検知器44が配設されている。さらに、上記レジストローラ対42と像転写部38との間には、案内手段としての進入ガイド46が配設されている。
給紙装置34・36は、ピックアップローラおよび給紙ローラ等からなり、それぞれ、給紙カセット10・手差し給紙台12から記録用紙を繰り出して給紙する。また、上記搬送装置48は、無端ベルトにて形成され、像転写部38にてトナー像が転写された記録用紙を加熱装置50に搬送する。さらに、上記排紙ローラ対52は、加熱装置50を経てトナー像が定着された記録用紙を排紙トレイ19へ送り出す。
上記構成の画像形成装置にて、画像形成動作は、以下のように行われる。すなわち、複写したい画像データを有する原稿21を、プラテンガラス6上に配置し、プラテンカバー8によって上記原稿21を押さえる。この状態で、複写動作を開始すると、帯電装置20は、感光体ドラム16の表面を一様に帯電する。一方、露光装置24は、プラテンガラス6上の原稿21を走査し、原稿21の露光によって得られた原稿21からの反射光に応じて、帯電した感光体ドラム16をスリット露光する。これにより、感光体ドラム16の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム16表面に形成された静電潜像は、上記現像装置26によって、トナーが供給されることにより、顕像化される。
上記感光体ドラム16上へのトナー像の形成と並行して、上記給紙カセット10からピックアップローラおよび給紙ローラ等からなる給紙装置34を介して、あるいは手差し給紙台12から給紙装置36を介して、記録用紙が給送される。上記記録用紙は、用紙搬送路40を搬送され、停止中のレジストローラ対42に当接して、先端整位が行われる。その後、レジストローラ前検知器44により先端検知が行われ、感光体ドラム16上のトナー像の先端と整合するタイミングで、レジストローラ対42が回転して、記録用紙が像転写部38に向けて搬送される。この搬送される用紙は、進入ガイド46により用紙の先端が感光体ドラム16に密着するように案内されて像転写部38に送り込まれる。
像転写部38に記録用紙が搬送されると、上記転写装置28によって、感光体ドラム16に形成されたトナー像を、記録用紙に転写する。該トナー像が転写された記録用紙は、剥離装置30において感光体ドラム16から剥離される。その後、搬送装置48を介して加熱装置50に導かれ、該加熱装置50によってトナー像が記録用紙に溶融定着て、排紙ローラ対52により排紙トレイ14上に排出される。記録用紙にトナー像が転写された後の感光体ドラム16に残存するトナーは、クリーナ装置32において掻き落とされ、次の複写動作を可能な状態になる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3に示す構成の加熱装置50として、以下の構成の加熱ローラ1、加圧ローラ2、加熱源5、温度検知部材7を用いた。すなわち、加熱ローラ1として、外径28mm、肉厚3mmの中空状のアルミニウム製素管の外表面に、厚み6mmのシリコンスポンジにて形成された加熱側第1の弾性体層1b、厚み40μmのNi発熱層1c、厚み400μmのシリコンゴムからなる加熱側第2の弾性体層1dをこの順に形成し、さらに最表層に、加熱側離型層として厚み30μmのPFAチューブを設けたものを用いた。また、加圧ローラ2として、直径20mmの鉄製の円柱状の芯金2aに、厚み5mmのシリコンスポンジにて形成された加圧側弾性体層2bを設け、さらに該加圧側弾性体層2b表面に厚み30μmのPFAチューブ層を設けたものを用いた。さらに、上記加熱ローラ1と加圧ローラ2との接触によって形成されるニップ部のニップ幅は、約7mmに設定した。
また、加熱源5の誘導コイル5aとしてリッツ線を用い、加熱ローラ1表面から3mmの間隔を隔てて配置した。さらに、温度検知部材7及び第2検知部材7aとして、サーミスタを用い、温度検知部材7を誘導コイル5aと加熱ローラ1との間に配置し、第2検知部材7aを、ニップ部の、記録用紙Pの搬送方向に対して上流側近傍の加熱ローラ1表面の非発熱領域に配置した。
上記加熱装置50の電源投入後、加熱ローラ1を117mm/secで回転させながら、励磁回路3から誘導コイル5aに交番電流を供給し、定着温度170℃に到達するまで、ウォームアップを行った。続いて、加熱ローラ1の回転を停止し、加熱ローラ1の周方向の最高温度と最低温度との温度差を所定温度となるように、誘導コイル5aに交番電流を供給しながら、約5分間待機状態とした。待機状態へ移行直後の5分間は、上記温度差が増加する傾向にある。
その後、再び加熱ローラ1を回転させて、上記ウォームアップを行って、定着温度170℃まで加熱した。待機状態における上記温度差を変化させ、それぞれの温度差から加熱ローラ1が均一に定着温度まで上昇させるのに必要な復帰時間(ウォームアップ時間)を測定した。その結果を図8に示す。また、図8には、待機状態の5分間の平均消費電力もあわせて示している。さらに、図9に、待機状態での温度差を120℃として、ウォームアップを行った場合の、温度検知部材7にて測定した加熱ローラ1表面の温度、及び、加圧ローラ1表面の温度の経時変化を示す。
図8に示すように、温度差が大きくなるにつれて、復帰時間が徐々に短くなる。例えば、加熱ローラ1の温度を130℃に制御して、温度差を80℃にすると、復帰時間は、約16秒にまで短縮された。一方、温度差が80℃を超えると、復帰時間が徐々に長くなる。温度差が120℃では、図9に示すように、光沢むら等に影響を与えないレベルと考えられる温度むら10℃以内(図中点線で示す範囲内)まで収束するのに要する時間は約23秒(図中、二点鎖線)であった。さらに、加熱ローラ1の温度を190℃に制御して、待機状態における温度差を135℃とした場合には、後述する比較例に示す、温度差0℃の場合(全く加熱を行わない場合)と同程度の復帰時間が必要であった。このことから、待機状態にて、温度差が120℃以下となるように、加熱ローラ1を加熱することによって、復帰時間を短縮することができることがわかる。
なお、温度差が80℃を超えると、待機状態における温度差が広がるにつれて、復帰時間が増加する理由は、待機状態における加熱ローラ1の温度履歴によって説明される。すなわち、ウォームアップ開始直後は、発熱領域と非発熱領域とで表面温度が異なるために、図9に示すように、加熱ローラ1表面に温度むらが生じている。この温度むらは、ウォームアップ時に、加熱ローラ1を回転させながら加温するによって徐々に低減されて解消される。しかしながら、待機状態における加熱ローラ1表面の温度差が大きくなると、待機状態における温度履歴(温度むら)を解消するための時間が増加する傾向にあるので、復帰時間が増加すると考えられる。
〔比較例〕
実施例1で説明した構成の加熱装置50を用い、待機状態で加熱ローラ1の加熱を行わない以外は、同様の操作を行い、温度検知部材7にて測定された加熱ローラ1の表面温度の経時変化を調べた。その結果を図6及び図8に示す。
図6に示すように、加熱装置50への電源投入後に行われたウォームアップ(図中、ウォーミングアップ)では、加熱ローラ1が定着温度まで上昇するまでに約28秒必要であった。その後、待機状態に移行すると、加熱ローラ1表面が急速に冷却されることがわかった。5分間の待機状態から定着温度まで上昇する際には、約23秒の復帰時間が必要であった。ここで、上記待機状態では、図8中、温度差0℃にて示すように、加熱ローラ1表面全体が、加熱装置50の周囲の温度と同程度となっている。
上記実施例1及び比較例から、待機状態においても、加熱ローラ1の予熱を行うとともに、加熱ローラ1の発熱領域と非発熱領域部の温度差を制御することで待機状態からの復帰時間を短縮することができることがわかった。
実施例1で説明した構成の加熱装置50に、さらに、図10(A)に示すように、加熱源5に対向しているが誘導コイル5aとは対向していない位置の加熱ローラ1表面(以下、位置Cと記載する)、及び、加熱源5に対向する領域のうち加熱ローラ1の周方向の最端部の加熱ローラ1表面(以下、位置D)に、それぞれにサーミスタを設け、実施例1と同様に、加熱ローラ1を回転させて、定着温度でウォームアップを行った。その後、加熱ローラ1の回転を停止し、加熱ローラ1の周方向の最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、誘導コイル5aに交番電流を供給しながら、待機状態とした。該待機状態へ移行後の加熱ローラ1表面の、温度検知部材7の設置位置(図10(A)中、A;以下、位置Aと記載する)、第2検知部材の設置位置(図10(A)中、B;以下、位置Bと記載する)、上記位置C・Dの各部の温度を経時変化を測定した。その結果を図11に示す。
なお、図10(A)(B)は、前述した図5(A)(B)と同じ図であり、加熱ローラ1が静止した状態での、加熱ローラ1の各位置における表面温度を説明する図である。すなわち、図10(B)に示すように、加熱ローラ1表面のうち、発熱領域のうち最大の発熱量が得られる図10(A)中の位置Aであり、位置Bは、発熱領域のうち最小の発熱量が得られる位置であり、位置C及び位置Dは、非発熱領域である。
図11に示されるように、位置Aでは、待機状態においても発熱するので、待機状態に移行した後も、定着温度に保たれることがわかった。また、位置Bでは、待機状態に移行すると温度が少し低下するが、定着温度近くの温度に保たれることがわかった。これに対し、位置C・Dは、非発熱領域であるため、待機状態へ移行した直後は急激に温度が低下した。このうち、位置Cは、誘導コイル5aと対向する領域近傍に位置しているので、発熱領域からの熱伝導によって温度低下は小さい。一方、位置Dは、ニップ部近傍に位置しているので、発熱領域からの熱伝導の影響が小さく、温度低下が著しい。しかしながら、図11に示されるように、位置C・Dのいずれにおいても、約240秒を経過した後は、再び温度が緩やかに上昇することがわかった。
従って、位置Aと位置Dとの温度差が最大となるまでの時間内、つまり本実施例では240秒以内に、加熱ローラ1を回転させて加熱位置を変えることにより、待機状態における加熱ローラ1表面の温度むらを有効に低減可能であることが示唆される。
実施例1で説明した構成の加熱装置50を用い、実施例1と同様に、加熱ローラ1を回転させて、定着温度でウォームアップを行った。続いて、加熱ローラ1の回転を停止し、加熱ローラ1の設定温度を130℃に保って、待機状態とした。待機状態の時間を、1分間、3分間、5分間、15分間とし、各待機状態の時間が経過した後、再び加熱ローラ1を回転させて、上記ウォームアップを行って、定着温度まで加熱し、復帰時間を測定した。
上記待機状態へ移行後、0分後〜1分後、1分後〜3分後、3分後〜5分後、5分後〜15分後までの間の平均消費電力、及び、それぞれの時間の待機状態を経た後の復帰時間を表1に示す。
Figure 2005140973
表1に示すように、待機状態の時間が5分までは、待機状態が長くなると、復帰時間が長くなる傾向にあることがわかる。一方、待機状態の時間が5分を超えると、加熱ローラ1の発熱領域から非発熱領域への熱伝導により、加熱ローラ1表面の温度むらが低減されて、復帰時間が短くなった。
実施例1で説明した構成の加熱装置50を用い、待機状態における加熱ローラ1の設定温度を、待機状態へ移行後5分間は、130℃とし、5分後〜15分後までを120℃とした以外は、実施例3と同様の操作を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2005140973
表2に示すように、待機状態の時間が5分までの傾向は、実施例3で観測された結果と同じであるが、5分後〜15分後の平均消費電力は、実施例3の対応する平均消費電力よりも約15%削減されることがわかった。一方、15分の待機状態を経た後の復帰時間は、実施例3の対応する復帰時間とほぼ同等であった。
これらの結果から、待機状態に移行して所定時間が経過した後、加熱ローラ1の設定温度を下げた場合においても、設定温度の低下による復帰時間の大幅な増加はないことがわかった。また、待機状態における消費電力量は、加熱部材の設定温度が低いほど低減されるため、待機状態の途中で、所定時間が経過した場合に、加熱部材の設定温度を下げることにより、復帰時間の遅延なく、消費電力量を抑制することができることがわかった。
本発明の加熱装置は、記録材上にトナー像を定着させることによって、記録材上への画像形成を行うプリンタ、複写機、ファックス、これらの機能を備えたデジタル複合機等の画像形成装置に備えられて用いることができる。
上記加熱装置は、待機状態から復帰させた場合の加熱ローラの温度むらを速やかに解消することができるので、ウォームアップを短時間で行うことができる画像形成装置を提供することができる。また、加熱装置を待機モードから復帰させた場合の復帰時間を短縮することができるので、消費電力を低減する効果も有するので、画像形成装置の省電力化を実現することができる。
本発明に係る加熱装置の実施の一形態を示す概略断面図である。 上記加熱装置の加熱ローラを示す部分断面図である。 上記加熱装置に第2の温度検知部材を設けた構成を示す概略断面図である。 本発明に係る加熱装置の他の実施の形態を示す概略断面図である。 (A)は、上記加熱装置の加熱ローラ及び誘導コイルを便宜的に示す断面図であり、(B)は、(A)に示す加熱ローラ表面の各位置における発熱量を示すグラフである。 待機状態にて加熱ローラの加熱を行わない場合の加熱ローラ表面の温度変化を示すグラフである。 本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略断面図である。 加熱ローラ表面の周方向における温度差と、加熱ローラが定着温度まで復帰するための復帰時間及び待機状態における平均消費電力量との関係を示すグラフである。 加熱ローラのウォームアップ開始後の加熱ローラ及び加圧ローラの温度変化を示すグラフである。 (A)は、上記加熱装置の加熱ローラ及び誘導コイルを便宜的に示す断面図であり、(B)は、(A)に示す加熱ローラ表面の各位置における発熱量を示すグラフである。 待機状態における、図10に示す加熱ローラの位置A、B、C、Dにおける温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 加熱ローラ(加熱部材)
1a 芯金(金属層)
1b 加熱側第1の弾性体層(弾性体層)
1c Ni発熱層
1d 加熱側第2の弾性体層
1e 加熱側離型層
2 加圧ローラ(加圧部材)
2a 芯金
2b 加圧側弾性体層
2c 加圧側離型層
3 励磁回路
4 定着ニップ部
5 加熱源
5a 誘導コイル(加熱源)
5b ホルダーケース
7 第1の温度検知部材(温度検知部材)
7a 第2の温度検知部材(第2検知部材)
8 プラテンカバー
9 制御部
10 給紙カセット
11 画像形成手段
12 手差し給紙台
13 ハロゲンランプ
14 装置本体
15 画像形成装置
16 感光体ドラム
18 除電装置
20 帯電装置
22 LED消去アレイ
24 露光装置
26 現像装置
28 転写装置
30 剥離装置
32 クリーナ装置
34 給紙装置
36 給紙装置
38 像転写部
40 用紙搬送路
42 レジストローラ対
44 レジストローラ前検知器
46 進入ガイド
50 加熱装置
52 排紙ローラ対
53 加熱装置
54 加圧ローラ
54c 加圧側離型層

Claims (7)

  1. 加熱源によって局所的に加熱されるローラ状の加熱部材に圧接してニップ部を形成するローラ状の加圧部材を有し、上記加熱部材及び加圧部材の回転により、上記ニップ部に記録材を搬送して、該記録材上に現像剤像を加熱定着する加熱装置において、
    上記加熱部材及び加圧部材の回転が停止する待機状態にて、上記加熱源によって加熱部材を加熱するように制御するとともに、
    上記待機状態にて、加熱部材表面における最高温度と最低温度との温度差が120℃以下となるように、上記加熱源による加熱部材の加熱を制御する制御部を備えていることを特徴とする加熱装置。
  2. 上記制御部は、上記温度差が80℃以下となるように、加熱源による加熱を制御することを特徴とする請求請1記載の加熱装置。
  3. 上記加熱部材は、少なくとも、上記加熱源によって加熱される金属層と、該金属層の内側に形成された断熱性の弾性体層とを有していることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱装置。
  4. 上記制御部は、待機状態に移行して所定時間の経過後に、上記加熱部材の設定温度を下げるように加熱源による加熱を制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載の加熱装置。
  5. 上記加熱部材は、待機状態にて、間欠的に回転することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱装置。
  6. 上記加熱部材は、待機状態に移行してから、該加熱部材表面における最低温度を示す領域が温度上昇を開始するまでの温度下降時間よりも短い時間間隔で、間欠的に回転することを特徴とする請求項5記載の加熱装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱装置を備えてなる画像形成装置。
JP2003376995A 2003-11-06 2003-11-06 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置 Withdrawn JP2005140973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003376995A JP2005140973A (ja) 2003-11-06 2003-11-06 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003376995A JP2005140973A (ja) 2003-11-06 2003-11-06 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005140973A true JP2005140973A (ja) 2005-06-02

Family

ID=34687875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003376995A Withdrawn JP2005140973A (ja) 2003-11-06 2003-11-06 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005140973A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008033084A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置
JP7650186B2 (ja) 2021-04-13 2025-03-24 シャープ株式会社 定着装置及びそれを備えた画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008033084A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置
JP7650186B2 (ja) 2021-04-13 2025-03-24 シャープ株式会社 定着装置及びそれを備えた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4635783B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP2002189380A (ja) 定着装置
JP2014199417A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6160227B2 (ja) 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2006259683A (ja) 画像形成装置の定着装置
JPH01263679A (ja) 定着装置
WO2001048560A1 (en) Image forming device and fixing device
JP6111657B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6127580B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US7437112B2 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus
JPWO2001048559A1 (ja) 画像形成装置および定着装置
JP2003330291A (ja) 定着装置
JP4170197B2 (ja) 加熱装置およびそれを備えた画像形成装置、並びに加熱装置の加熱方法
JP2004055395A (ja) 加熱装置および画像形成装置
US9223266B2 (en) Image heating apparatus including an endless belt configured and positioned to heat a toner image on a sheet
JP2010282054A (ja) 画像形成装置
JP2005140973A (ja) 加熱装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2003140499A (ja) 誘導加熱装置及び該誘導加熱装置を用いた画像形成装置
JPH06175517A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2005345989A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP6648558B2 (ja) 定着装置と画像形成装置
JP4387657B2 (ja) 加熱定着装置
JPH10134937A (ja) 加熱体、加熱装置及び画像形成装置
JP2003302865A (ja) 加熱定着装置
JP2003228249A (ja) 定着装置及びこれを備えた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109