JP2005143594A - 医療用複室容器 - Google Patents

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冨士夫 井上
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Abstract

【課題】 各収納室を仕切る仕切り用封止部に加え、収納室と排出部との間に排出規制用封止部が設けられている医療用複室容器において、各封止部を同時に開封することが可能な医療用複室容器を提供する。
【解決手段】 薬剤を収納する複数の収納室9,11及びこれら収納室を仕切る仕切り用封止部13を有する容器本体5と、この容器本体5に取り付けられ収納室から薬剤を排出可能な排出部7とを備え、仕切り用封止部13が使用に際して開封されることで複数の収納室9,11が連通される医療用複室容器であって、収納室11と排出部7との間を仕切り、使用に際して開封可能な排出規制用封止部15をさらに備えており、仕切り用封止部13及び排出規制用封止部15の少なくとも一方は、容器本体周縁部3のいずれか2箇所を結ぶ直線状に形成されており、しかも、仕切り用封止部13及び排出規制用封止部15の一端部は、容器本体周縁部3の同一箇所に接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、同時に配合すると経時変化を起こすような不安定な各種薬剤(液剤、粉末若しくは固形剤)を個別に収納する複数の収納室を備え、各室間を仕切っている封止部を開封することにより、各収納室内に収納されている薬剤を無菌状態で且つ異物を発生させることなしに混合できる医療用複室容器に関するものである。
静脈注射により患者に投与される薬剤の中には、予め配合すると望ましくない経時的変化を起こすような不安定な薬剤がある。例えばアミノ酸輸液とブドウ糖輸液とを配合して保存しておくと、いわゆるメイラード反応によって混合液が褐変する。また、脂肪乳剤と電解質溶液とを配合して保存しておくと、脂肪分が凝集を生じ、リン酸含有液とカルシウム含有液を配合しておくと、リン酸カルシウムの沈殿を生じ、望ましくない変化を起こす。
このような薬剤に対しては、次のような医療用複室容器が用いられることが多い。この医療用複室容器は、薬剤を収納する2つの収納室を備えたプラスチックフィルム製の容器本体と、この容器本体から薬剤を排出する排出部とを備えている。2つの収納室は、容器本体の内壁面同士を熱融着した仕切り用封止部によって仕切られている。使用に際しては、いずれかの収納室の中央付近を押圧し、収納室内の圧力を高めて仕切り用封止部を開封する。これによって両収納室が連通し、2つの薬剤が混合される。その後、排出部を開封し、混合後の薬剤を患者に投与する。
ところで、上記のような複室容器では、仕切り用封止部の開封前に、排出部を開封すると、混合前の薬剤が排出されるという問題があった。これを解決するため、例えば特許文献1及び特許文献2では、排出部と、これと隣接する収納室との間に、排出規制用の封止部を設けた医療用容器が提案されている。このような排出規制用の封止部を設けると、仕切り用封止部の開封前に、排出部を開封しても、排出規制用封止部によって収納室から薬剤が排出されるのを防止することができる。
特開平9−327498号公報 特開2001−187111号公報
ところが、上記各特許文献に記載の複室容器では、封止部が2つ設けられているため、使用時には、2つの封止部を別個に開封する必要があり、作業が煩雑になるという問題があった。これに対して、特許文献1に記載の容器では、排出規制用封止部の開封強度と仕切り用封止部の開封強度とを同等にし、これら封止部に挟まれた収納室を押圧することで、両封止部を同時に開封することが記載されている。しかしながら、両封止部を同時に開封するには、これら封止部に均一に圧力が作用するように収納室を押圧する必要があるが、このように押圧することは、現実には非常に困難であり、結局は各封止部を個別に開封する必要があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、各収納室を仕切る仕切り用封止部に加え、収納室と排出部との間に排出規制用封止部が設けられている医療用複室容器において、各封止部を同時に開封することが可能な医療用複室容器を提供することを目的とする。
本発明は、薬剤を収納する複数の収納室及びこれら収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出可能な排出部とを備え、前記仕切り用封止部が使用に際して開封されることで前記複数の収納室が連通される医療用複室容器であって、上記問題を解決するためになされたものであり、前記収納室と排出部との間を仕切り使用に際して開封可能な排出規制用封止部をさらに備えており、前記仕切り用封止部及び排出規制用封止部の少なくとも一方は、前記容器本体周縁部のいずれか2箇所を結ぶ直線状に形成されており、しかも、前記仕切り用封止部及び排出規制用封止部の一端部は、前記容器本体周縁部の同一箇所に配置されている。
この構成によれば、仕切り用封止部及び排出規制用封止部の一端部が、容器本体周縁部の同一箇所に配置されているため、収納室を押圧したときに発生する圧力がこの箇所に作用すると、両封止部を同時に開封することができる。したがって、一回の押圧操作で、封止部を開封することができるため、薬剤を投与する際の作業を簡素化することができる。特に、本発明では、両封止部の一端部が容器本体周縁部に接続されているので、収納室を押圧したときに発生する圧力を、この周縁部に向けやすくなっている。そのため、押圧時に発生する圧力を効率よく周縁部に作用させることができ、比較的小さい力で封止部を開封することができる。
さらに、上記複室容器は、少なくとも一方の封止部が容器本体周縁部のいずれか2箇所を結ぶ直線状に形成されているので、この封止部に沿って容器本体を折り畳むことができる。これにより、複室容器を小型化することができ、輸送、保管時に必要なスペースを節約することができる。また、封止部に沿って容器本体を折り畳むと、その近傍の容器本体内壁面同士が離間しにくくなるため、封止部の開封を防止できる。特に、容器の輸送時には、不意に外力が作用することが多いため、このように容器本体を折り畳めるように構成しておくと有利である。なお、封止部が接続される容器本体周縁部上のいずれか2箇所は、容器本体周縁部の対向する部分であることが好ましい。例えば容器本体が矩形状に形成されている場合には、対向する辺や角であり、円形の場合は、中心付近を挟んで対向する円周上の部分であることが好ましい。
また、仕切り用封止部と排出用封止部との接続部分では、両封止部が鋭角をなして接続していることが好ましい。このように構成すると、仕切り用封止部と排出用封止部との間の収納室を押圧した場合、収納室内で高まった圧力が両封止部の接続部分に集中しやすくなり、両封止部の開封を容易に行うことができる。
本発明によれば、仕切り用封止部及び排出規制用封止部を同時に開封することが可能となり、開封作業を簡単に行うことができる。
以下、本発明に係る医療用複室容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る医療用複室容器の平面図である。
図1に示すように、この医療用複室容器1は、矩形状の2枚のフィルムの周縁部3を熱融着して扁平の袋状に形成された容器本体5と、この容器本体5に接続され内部にゴム栓(図示省略)を有する薬剤排出部7とを備えている。
容器本体5には、長手方向の中間部に、同図の左右方向に延びる仕切り用封止部13が形成されており、これによって容器本体5の上半部には薬剤が封入される第1収納室9が形成されている。一方、容器本体5の下半部には、排出規制用封止部15が形成されており、この封止部15よって容器本体5の下半部には2つの室が形成されている。排出規制用封止部15は、容器本体周縁部3の右下の角部から斜め上方に延び、仕切り用封止部13の右側の端部に接続されている。そして、この排出規制用封止部15と仕切り用封止部13との間に形成された室が薬剤を収納する第2収納室11を形成している。また、容器本体周縁部3の下端部と排出規制用封止部15との間に形成される室は、薬剤が収納されない空室19となっている。
上記した薬剤排出部7は容器本体周縁部3の下端部、つまり空室19と連通するように接続されている。また、容器本体5において薬剤排出部7と反対側の端部には、容器1を吊り掛けるための吊掛孔17が形成されている。
容器本体5を構成するフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等、種々の樹脂材料を採用することができる。但し、後述するように仕切り用封止部13及び排出規制用封止部15は容器本体5の内壁面同士を融着することから、容器本体5のフィルムは互いに相溶性が乏しく融点の異なる樹脂を混合した混合樹脂で形成することが好ましい。このようにすると、融着強度の制御が容易になるという利点がある。そのような樹脂の組み合わせとしては、例えばスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、又はポリプロピレンから選ばれる樹脂と、ポリエチレンとの混合樹脂を例示することができる。そのうち、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂、及びポリエチレンと環状オレフィン樹脂との混合樹脂は、医療用として安全性が確認されていること、及び製造上の取り扱いが確立されていることから特に好ましい。
また、容器本体5を形成するフィルムは、上述した樹脂のみからなる単層のフィルムの他、多層構造のフィルムを使用することができる。この場合、容器本体5の最内層を構成する樹脂層が上記のような樹脂から形成されていればよい。
仕切り用封止部13及び排出規制用封止部15は、上記のように容器本体5の内壁面同士を熱融着することで構成されており、収納室9,11の内圧を高めると開封するようになっている。このような融着強度としては、例えば、直径100mmの円板でいずれかの収納室を押圧し、10〜30kg程度の力をかけたときに封止部13,15が開封するようなものが適当である。
仕切り用封止部13によって仕切られた各収納室9,11には、予め混合或いは溶解しておくとメイラード反応等の経時変化を起こすため隔離する必要がある各種薬剤a,bがそれぞれ封入されている。例えば一方の収納室にアミノ酸を含有する溶液、他方の収納室にブドウ糖を含有する溶液を収納することができる。また、必要に応じていずれか一方の収納室に電解質等を封入することもできる。さらに、液剤だけでなく、いずれか一方の収納室に固形または粉末薬剤を収納することもできる。
次に、上記のように構成された医療用複室容器の使用方法について説明する。複室容器1内の薬剤を患者に投与するには、まず、第1収納室9を手で押さえる等して押圧し、収納室内の圧力を高める。この圧力の作用により、仕切り用封止部13は開封する。このとき、仕切り用封止部13の端部には、排出規制用封止部15が接続されているため、仕切り用封止部13の開封と同時に、排出用封止部15もその端部から開封していく。こうして、第1収納室9、第2収納室11、及び空室19が連通し、両収納室9,11の薬剤が混合される。続いて、薬剤排出部7のゴム栓に導管(図示省略)が接続された刺栓針(図示省略)を刺入すると、混合された薬液が導管を介して患者に投与される。
なお、排出規制用封止部15と排出部7との間の室は、上記のように空室19であるため、仕切り用封止部13の開封前に、排出部7に導管を刺入したとしても、混合前の薬剤が排出されるのを防止することができる。
以上のように、本実施形態によれば、仕切り用封止部13の端部に排出規制用封止部15が接続されている。つまり、両封止部13,15の端部が容器本体周縁部3の同一箇所Sに接続されているため、仕切り用封止部13を開封すると、排出規制用封止部15も同時に開封する。したがって、従来のように、各封止部を個別に開封する必要がなく、開封作業を一回で行うことができる。その結果、複室容器の使用時における作業性を大きく向上することができる。また、本実施形態では、両封止部13,15の接続部分が容器本体周縁部3に形成されているため、押圧時に発生する圧力を周縁部3に向けて作用させ易くなっており、押圧力を効率よく作用させることができる。
また、上記複室容器では、仕切り用封止部13が容器本体5の左右の端部間で直線状に延びているため、この仕切り用封止部13に沿って、容器本体5を折り畳むことができる。これにより、複室容器を小型化することができ、輸送、保管時に必要なスペースを節約することができる。このように、仕切り用封止部13に沿って容器本体5を折り畳むと、その近傍の容器本体内壁面同士が離間しにくくなるため、仕切り用封止部13の開封を防止できる。これにより、輸送中に不意に外力が作用した場合であっても、封止部13が開封するのを未然に防止することができる。
上記説明では、第1収納室9を押圧することで、両封止部13,15を開封させたが、第2収納室11を押圧することで封止部13,15を開封することもできる。図1に示すように、両封止部13,15は鋭角αをなして延びているため、その間の第2収納室11を押圧すると、高まった圧力は両封止部13,15の接続部分Sに集中して作用する。そのため、この接続部分Sの開封が容易になり、両封止部13,15の同時開封を促進することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、両封止部13,15の延びる方向は、上記したものに限定されるものではなく、各封止部の端部が容器本体周縁部3の同一箇所に接続されていればよい。以下、図2にその例を示す。図2(a)に示す例では、容器本体5の右上及び右下の角部から仕切り用封止部13及び排出規制用封止部13がそれぞれ延び、左側の端部中央Sで接続されている。また、図2(b)の例では、容器本体5の下部の排出部7に近い位置で排出規制用封止部15を左右方向に延びるように形成し、仕切り用封止部13を、左上の角部と排出規制用封止部15の右側端部Sとの間で延びるように形成している。さらに、図2(c)の例では、仕切り用封止部13を左上の角部と右下の角部Sとの間で延びるように形成し、排出用封止部15を右下の角部Sと排出部7に近い左側端部との間で延びるように形成している。
また、上記実施形態では、容器本体周縁部2の対向する辺を結ぶように仕切り用封止部13を形成しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも一方の封止部が容器本体周縁部3のいずれか2箇所を結ぶように形成されていればよい。例えば、図3の例では、各封止部13,15が容器本体周縁部3の隣接する辺を結ぶように形成されている。このように封止部が容器本体周縁部のいずれか2箇所を結ぶようにしておくと、この封止部に沿って容器本体を折り畳むことができる。
また、上記実施形態では、薬剤が収納される収納室の数を2つにした容器本体について説明したが、これに限定されるものではなく、3以上の収納室を設けることもできる。この場合、収納室の数に応じて仕切り用封止部の数も増えるが、すべての仕切り用封止部及び排出規制用封止部の端部が、容器本体周縁部の同一箇所に接続されていれば、本発明の効果を得ることができる。その例を図4に示す。同図に示すように、この例は、図1の容器本体5に新たな仕切り用封止部を形成したものである。すなわち、容器本体5の上半部を第2の仕切り用封止部14によってさらに2つの収納室9,18に仕切っている。この第2の仕切り用封止部14は、右上の角部から左側端部の中央まで延びている。これにより、2つの仕切り用封止部13,14及び排出規制用封止部15の端部は、容器本体周縁部3の同一箇所Sに接続される。
本発明に係る医療用複室容器の一実施形態を示す平面図である。 本発明に係る医療用複室容器の他の例を示す平面図である。 本発明に係る医療用複室容器の他の例を示す平面図である。 本発明に係る医療用複室容器の他の例を示す平面図である。
符号の説明
1 医療用複室容器
5 容器本体
9,11 収納室
13 仕切り用封止部
15 排出規制用封止部

Claims (2)

  1. 薬剤を収納する複数の収納室及びこれら収納室を仕切る仕切り用封止部を有する容器本体と、当該容器本体に取り付けられ前記収納室から薬剤を排出可能な排出部とを備え、前記仕切り用封止部が使用に際して開封されることで前記複数の収納室が連通される医療用複室容器であって、
    前記収納室と排出部との間を仕切り、使用に際して開封可能な排出規制用封止部をさらに備えており、
    前記仕切り用封止部及び排出規制用封止部の少なくとも一方は、前記容器本体周縁部のいずれか2箇所を結ぶ直線状に形成されており、しかも、
    前記仕切り用封止部及び排出規制用封止部の一方の端部は、前記容器本体周縁部の同一箇所に接続されている医療用複室容器。
  2. 前記仕切り用封止部と排出用封止部との接続部分では、両封止部が鋭角をなして接続している請求項1に記載の医療用複室容器。
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