JP2005152193A - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機器を大型化しなくても、より短時間で効率良く衣類を乾燥することが可能な洗濯乾燥機を提供することである。
【解決手段】 洗濯乾燥機100は水槽2と回転ドラム3と空気加熱ヒータ10と循環ファン9と光ヒータユニット20とを備える。回転ドラム3は水槽2内で回転可能に支持され、開口部と外周壁面とを有する。空気加熱ヒータ10は空気を加熱するためのものである。循環ファン9は空気加熱ヒータ10によって加熱された空気を回転ドラム3の開口部から回転ドラム3内に送るためのものである。光ヒータユニット20は回転ドラム3の外周壁面に向かって光を放射するためのものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 洗濯乾燥機100は水槽2と回転ドラム3と空気加熱ヒータ10と循環ファン9と光ヒータユニット20とを備える。回転ドラム3は水槽2内で回転可能に支持され、開口部と外周壁面とを有する。空気加熱ヒータ10は空気を加熱するためのものである。循環ファン9は空気加熱ヒータ10によって加熱された空気を回転ドラム3の開口部から回転ドラム3内に送るためのものである。光ヒータユニット20は回転ドラム3の外周壁面に向かって光を放射するためのものである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、一般的には洗濯乾燥機に関し、特定的には回転ドラム内で洗濯対象物の洗濯から乾燥までを行なう洗濯乾燥機に関するものであり、より特定的には洗濯乾燥機における乾燥機能の改善に関するものである。
従来の洗濯乾燥機は、洗濯ドラム内に熱風を供給して洗濯物を乾燥し、蒸発した水分を冷却器で凝縮させる構造としたものが一般的である。このような洗濯乾燥機においては、洗濯物全体に均等に熱風が当たらずに乾燥の効率が悪いという問題がある。
そこで、たとえば、特開2000―325688号公報(特許文献1)に開示されているように、回転ドラムの回転制御、回転ドラムの周壁面の単位面積当りの小孔の開口面積等を調整することによって乾燥の効率を向上させている。
特開2000―325688号公報
しかしながら、この種の改善を図った洗濯乾燥機においても所望の乾燥度を得るためには、洗濯対象物の量が多い高負荷時、2〜3時間乾燥運転する必要があり、また含水量の多い木綿布が洗濯対象物に多く含まれる負荷状態では、4時間以上乾燥運転する必要がある。このため、洗濯乾燥機の使用者は、乾燥工程の時間が長い、電気代がかかる等の不満を抱いているのが現状である。
そこで、乾燥性能(乾燥度の向上、乾燥時間の短縮)を向上させるために、投入電力(加熱量)を増加させることが考えられる。しかし、ヒータ容量を高容量にした場合、循環ファンの風量が一定であると熱風の温度が上昇し、洗濯対象物としての衣類に損傷(縮み、変色等)を与えるという問題がある。この対策として送風機の性能を増大する必要がある。
また、洗濯対象物の量が多い高負荷の場合は、回転ドラム内が衣類で充満するので送風(循環)抵抗が非常に大きく、送風機の性能を増大させても風量が性能に応じて増加しない場合がある。このため、熱風吹出し温度が上昇し、吹出し口付近に位置する衣類が局所的に過熱するという不都合が生じる。
したがって、送風機の性能を増大する場合には、衣類の量に対して回転ドラムの容積を大きくすることも同時に必要となるので、機器が大型化するという問題があった。家庭用洗濯乾燥機の場合は設置スペースがある程度制約されるので、機器の大型化によって性能は確保できたとしても設置することが不可能になる等の問題がある。
この発明の目的は、機器を大型化しなくても、より短時間で効率良く衣類を乾燥することが可能な洗濯乾燥機を提供することである。
この発明の一つの局面にしたがった洗濯乾燥機は、水槽と回転ドラムと空気加熱手段と送風手段と光放射加熱手段とを備える。回転ドラムは、水槽内で回転可能に支持され、開口部と外周壁面とを有する。空気加熱手段は、空気を加熱するためのものである。送風手段は、空気加熱手段によって加熱された空気を回転ドラムの開口部から回転ドラム内に送るためのものである。光放射加熱手段は、回転ドラムの外周壁面に向かって光を放射するためのものである。
本発明の洗濯乾燥機は、洗濯対象物としての衣類から水分を蒸発させるための加熱源として、空気加熱手段に加えて、光(電磁波)を放射する光放射加熱手段を備えている。これにより、回転ドラム内で洗濯された衣類に含まれる水分は、加熱された空気によって蒸発するとともに、回転ドラムの外周壁面に放射された光による熱によって蒸発する。このようにして、加熱空気を媒体とした熱の対流と、光放射による熱の輻射と、回転ドラムの外周壁面を通じた熱の伝導とを併用することにより、回転ドラム内の衣類を乾燥させるために、過度の熱風温度上昇を伴わないで加熱量を増加させることができるとともに、衣類に対する加熱分布を改善することができる。したがって、均一で効率的な加熱が可能となり、機器を大型化することなく、乾燥時間の短縮を図ることが可能となる。
この発明の一つの局面にしたがった洗濯乾燥機においては、光放射加熱手段は、色温度が2200K付近の光放射体を含むのが好ましい。この場合、光放射加熱手段に与えられるエネルギのうち、大部分のエネルギを放射エネルギに変換することができ、また、その放射エネルギのうち大部分を近赤外線波長域に集中させることができる。このため、高い効率で加熱することができるとともに、洗濯対象物である衣類の色調に依存せずに衣類による熱吸収とそれによる発熱作用を得ることができる。
また、本発明の洗濯乾燥機においては、光放射加熱手段から放射される光を回転ドラムの外周壁面に向かう方向に反射させるための反射手段をさらに備えるのが好ましい。この場合、光放射加熱手段から放射される光を有効に活用することができる。
さらに、本発明の洗濯乾燥機においては、光放射加熱手段は水槽に設けられ、回転ドラムの外周壁面には回転ドラム内に貫通する複数の孔が形成されているのが好ましい。この場合、光放射加熱手段を水槽に設けることによって機器が大型化することはない。また、回転ドラムの外周壁面に放射された光は、その外周壁面に接触することなく、回転ドラムの外周壁面を加熱するとともに、回転ドラムの外周壁面に形成された複数の孔を通じて回転ドラム内に収容された洗濯対象物としての衣類に直接照射される。このため、その熱は、熱媒体なしで衣類に吸収されて直接熱交換作用に寄与して、より効果的に回転ドラム内の衣類を加熱することができる。
本発明の洗濯乾燥機においては、空気加熱手段と光放射加熱手段は各々単独で運転可能で、かつ、同時に運転可能に制御されるのが好ましい。この場合、衣類の乾燥工程の進行状況に応じて効率的な加熱量を制御することが可能となる。
本発明の洗濯乾燥機においては、回転ドラムの外周壁面は、可視光線吸収率と赤外線吸収率が相対的に高く、赤外線放射率が相対的に低くなるように処理された表面を有するのが好ましい。この場合、回転ドラムの外周壁面は光放射加熱手段からの放射エネルギを高い効率で吸収して熱に変換するとともに、それによって加熱された回転ドラムの外周壁面は外部に熱を放射し難いので、回転ドラムの内周壁面を通じて衣類側に熱を効果的に伝導することができる。
この発明の別の局面にしたがった洗濯乾燥機は、第1と第2と第3の乾燥手段を備える。第1の乾燥手段は、加熱された空気の対流を利用して洗濯対象物を乾燥させるためのものである。第2の乾燥手段は、熱の輻射を利用して洗濯対象物を乾燥させるためのものである。第3の乾燥手段は、熱の伝導を利用して洗濯対象物を乾燥させるためのものである。
この発明の別の局面にしたがった洗濯乾燥機においては、加熱空気を媒体とした熱の対流と、熱の輻射と、熱の伝導とを併用することにより、衣類を乾燥させるために、過度の熱風温度上昇を伴わないで加熱量を増加させることができるとともに、衣類に対する加熱分布を改善することができる。したがって、均一で効率的な加熱が可能となり、機器を大型化することなく、乾燥時間の短縮を図ることが可能となる。
この発明の洗濯乾燥機においては、第1の乾燥手段は、空気を加熱するための空気加熱ヒータと、空気加熱ヒータによって加熱された空気を洗濯対象物に送るためのファンとを含み、第2の乾燥手段は、洗濯対象物に光を放射する光放射ヒータを含み、第3の乾燥手段は、前記光放射ヒータから放射された熱を吸収し、その吸収された熱を洗濯対象物に伝導することができるように洗濯対象物を収容する容器を含むのが好ましい。
以上のようにこの発明によれば、均一で効率的な加熱が可能となり、機器を大型化することなく、乾燥時間の短縮を図ることが可能となる。
以下、この発明の一つの実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の一つの実施の形態として洗濯乾燥機の概略的な構成を示す側断面図である。図1に示すように、洗濯乾燥機100は、本体1と、本体1の内部に取り付けられた水槽2と、水槽2の内部で回転可能に支持された回転ドラム3とを備える。
回転ドラム3の底には、モータ4で回転ドラム3を正逆に回転させる回転機構部が取り付けられている。回転ドラム3内の衣類を攪拌するためにバッフル5が回転ドラム3の内周壁面に取り付けられている。衣類6を出し入れすることができ、かつ、気密性と水密性を保つためにドアユニット7が回転ドラム3の開口部に対して開閉可能に取り付けられている。ドアユニット7には、外部から衣類6の状態を視認することができるようにドアガラス71が設けられている。
乾燥装置は、循環ファン9と空気加熱ヒータ10と光ヒータユニット20とを備える。空気加熱ヒータ10は空気を加熱する。循環ファン9は、空気加熱ヒータ10によって加熱された空気が衣類からの水分を蒸発させ、除湿するための経路として水槽2の内部、回転ドラム3の内部および冷却器8を連通して空気を循環させる。光ヒータユニット20は、光放射ヒータであるハロゲンヒータ21を備えており、水槽2に設置され、回転ドラム3の外周壁面と衣類6とに、矢印Pで示す方向に光を直接、照射することができるように構成されている。回転ドラム3の外周壁面には、ハロゲンヒータ21から放射される光を効率良く熱に変換し、放熱が少ない表面処理またはコーティングである光吸収表面処理層31が形成されている。また、回転ドラム3の外周壁面には、ハロゲンヒータ21から放射される光が通過し、衣類6を照射することができるように回転ドラム3の内部に貫通する多数の小孔32が形成されている。光ヒータユニット20には、ハロゲンヒータ21から放射された光を回転ドラム3の外周壁面に向かう方向へ反射させるために反射板22が設けられている。また、光ヒータユニット20には、ハロゲンヒータ21を洗濯用水と脱水される水とから保護するために光透過性が高い耐熱ガラス板23が設けられている。光ヒータユニット20は、反射板22が背面になるように水槽2の外周壁面に固着され、耐熱ガラス板23が水槽2の外周壁面に密着固定されるようにして、取り付けられている。具体的には、耐熱性(熱絶縁性)と防水性を備えたシール材または接着剤等を用いて水槽2と耐熱ガラス板23をシールした状態で、光ヒータユニット20が水槽2の外周壁面にビス等で固定されている。
次に、以上のようにして構成された本発明の洗濯乾燥機の動作について説明する。
図示しない制御手段の信号により、モータ4が正逆に回転し、モータ4に直接に接続された回転ドラム3も同様に正逆に回転する。この回転により、回転ドラム3内の内周壁面に固定して設けられたバッフル5が衣類6を持ち上げ、下方に落下させる動作を繰り返すことにより、洗い工程は行なわれる。このようにして、洗い工程が、いわゆる叩き洗い効果を利用して行なわれる。
洗い工程が終了すると、排水ポンプ11を駆動させて水槽2内の水は排水ホース12から排出される。その後、すすぎ工程、脱水工程へ移行して洗濯工程が終了する。
次に、乾燥工程の動作について説明する。
洗濯工程を終了し、乾燥運転を開始すると、回転ドラム3の正逆の回転により、衣類6の上下運動による攪拌作用が起きるとともに、循環ファン9と空気加熱ヒータ10に電力が供給され、空気温度が上昇する。この加熱空気によって加熱された衣類から水分が蒸発して冷却器8内へ流入する。冷却器8内には、対向配置された上方の冷却水入口管13から冷却水が供給されているので、蒸発した水分が冷却されて凝縮する。この凝縮水は、排水ポンプ11側へ流れて冷却水と混合して排水される。除湿された空気は再び空気加熱ヒータ10に還流して加熱される。加熱空気は回転ドラム3内に流入して衣類6を加熱して、衣類6に含まれている水分を蒸発させる。この繰り返しによって衣類6の乾燥が進行する。この乾燥工程で用いられる衣類の加熱源は空気加熱ヒータ10である。一般的に空気加熱ヒータ10は、空気循環ダクト内に設けられ、抵抗発熱線を金属被覆して形成されたシーズヒータが用いられる。
上述の空気加熱を行なう乾燥工程において、乾燥時間を短縮させるためには、加熱量を増加させること、単位面積当りの熱量(熱流束Q:W/cm2)を大きくすることが考えられる。
熱風温度をt1、衣類表面温度をt2、強制対流熱伝達率をαとすると、基本的には、単位面積当りの熱量QはQ=α×(t1−t2)で表わされる。したがって、熱風温度t1を上昇させると、温度差(t1−t2)を大きくすることができ、比較的容易に熱量(熱流束)を増加させることができる。
しかしながら、衣類を乾燥させるために熱風温度t1を上昇させると、乾燥しやすい化繊系の衣類と水分を多く含む木綿系の衣類との間で乾燥速度が大きく異なるため、乾燥が進行しやすい化繊系の衣類が過熱して縮む等の損傷が発生する。木綿系の衣類でも150℃を越えるような温度の熱風を与えると、黄ばみや焦げる等の損傷が発生する。したがって、衣類を乾燥させるために現状の熱風温度(130℃付近)以上に熱風温度を上昇することは好ましくない。
一方、加熱量を増加させるためには、(a)空気加熱ヒータの容量を大きくし、かつ循環風量(風速)を増大させて強制対流熱伝達率αを大きくすること、(b)回転ドラム内に衣類を長時間滞留させること、が考えられる。
しかし、(a)では、回転ドラム内に収容される衣類の量が多く、負荷が大きい場合、衣類が空気循環抵抗となって風量(風速)増大による効果が得られず、結果として風量が減り、熱風温度が上昇して衣類に損傷を与える場合がある。また、このような悪影響を考慮して風量を確保するためには大型の循環ファンや大容量の回転ドラムが必要になり、機器が大型化する。
(b)は、実質的に乾燥時間を増加させることになり、非現実的である。
上述のような状況から、本発明の洗濯乾燥機100は、乾燥時間を短縮させるのに必要な熱量の増加分を光放射ヒータで確保することができるように構成されたものである。この実施の形態では、水槽2に取り付けた光ヒータユニット20は、その内部に色温度が2200K付近のハロゲンヒータ21を備えている。ハロゲンヒータ21は、回転ドラム3の外周壁面と、回転ドラム3の外周壁面から内部に貫通する多数の小孔32とを通じて、矢印Pで示す方向に光を衣類6に照射することができるように設けられている。
また、回転ドラム3の外周壁面には、ハロゲンヒータ21のエネルギを95%以上吸収し、かつ、吸収発熱した熱を赤外線として放射し難い低放射率の表面処理またはコーティングである光吸収表面処理層31が形成されている。
ハロゲンヒータ21を点灯させると、回転ドラム3の外周壁面が光を高効率で吸収して加熱されて、加熱された外周壁面を通じて回転ドラム3内に収容されている衣類6に熱が伝導される。この熱の伝導とともに、回転ドラム3の外周壁面から内部に貫通した多数の小孔32から漏れた光が直接、衣類6に照射され、衣類6の持つ吸収率で直接、熱変換作用が行なわれ、衣類6の加熱が行なわれる。ここで、回転ドラム3の外周壁面の加熱量と衣類6への光輻射量とは小孔32の開口率で調整される。開口率は、回転ドラム3の外周壁面の面積に対する小孔32の開口面積の合計値の割合である。小孔32の開口率としては効果的な設計値が存在するが、ヒータエネルギの1/2ずつを回転ドラム3の外周壁面の加熱量と衣類6への光輻射量とで振り分けるとすれば、小孔32の開口率は50%程度が望ましい。小孔32の大きさは、衣類の脱水性または空気通過性とドラム強度との関係を考慮する必要があり、むやみに大きくできないが、3.5mm程度が好ましい。回転ドラム3の回転中において衣類6への光照射を均一にするために、小孔32は回転ドラム3の外周壁面に均一に分布して形成されるのが好ましい。
したがって、回転ドラム3の内周壁面では熱の伝導によって衣類6が加熱され、衣類6に照射された光は熱の輻射(放射)によって衣類6を加熱することになる。一方、空気加熱ヒータ10は、熱風(加熱された空気)の強制対流による熱伝達で従来通り、衣類6を加熱する。そうすると、従来の熱風(加熱された空気)の強制対流による加熱のみと比較すると、衣類6の加熱される面積を大きくすることができ、非常に均一性の高い加熱が可能になる。また、この発明の洗濯乾燥機では、加熱手法として、熱伝達の3要素である熱の輻射、対流、伝導をすべて使った効率的な加熱ができるとともに、熱風温度に依存しない熱の伝導、輻射によって加熱量の増加を得ることができる。
また、この実施の形態で用いられる色温度が2200K付近のハロゲンヒータ21では、そのエネルギ分布が波長域として約0.4μm〜3μmの範囲にあり、エネルギのピークは約1〜1.5μm付近の近赤外線域にある。このような色温度の高い光ヒータは、投入エネルギの約94%が放射エネルギに変換され、そのうち86%が赤外線として放射され、残りの8%が可視光線として放射される特性があるので、非常に熱損失の少ない高効率の輻射加熱源である。
一般的に輻射エネルギ(放射熱量:W/cm2)は絶対温度の四乗に比例して大きくなるため、熱源の温度が高くなる光源ほど大きな放射熱量が得られる。ただし、色温度が上昇すれば、その放射波長は短波長側へシフトし、太陽光に近似するような色温度が5500K付近では、ピーク波長が0.5μm付近の可視光線域になる。このため、衣類6への放射を考えた場合、色温度が上昇すれば、衣類6の色調によって吸収率が大きく変化し、白系布と黒系布では加熱量に大きな差が出る不都合が生じることから、2200K付近の色温度のヒータが好適である。このような色温度では、可視光線が全放射量の約7%程度と少なく、衣類の色調に依存せず、比較的大きな熱放射を得ることができる。
図2は、乾燥木綿布の分光特性(反射率)を測定した結果を示す。図2に示すように、
可視光線域(波長が約400nm〜800nm)では色調による差が大きく、近赤外線域(波長が約800nm〜2500nm)では色調による差がほとんどないことがわかる。言い換えれば、近赤外線域をピーク波長(色温度で2000K〜3000K程度)とする光ヒータでは色調に依存しない加熱が可能であるといえる。ただし、乾燥布では近赤外域での反射率が高く、効率的な熱変換がなされないことがわかる。
可視光線域(波長が約400nm〜800nm)では色調による差が大きく、近赤外線域(波長が約800nm〜2500nm)では色調による差がほとんどないことがわかる。言い換えれば、近赤外線域をピーク波長(色温度で2000K〜3000K程度)とする光ヒータでは色調に依存しない加熱が可能であるといえる。ただし、乾燥布では近赤外域での反射率が高く、効率的な熱変換がなされないことがわかる。
図3は、含水木綿布の分光特性(反射率)を測定した結果を示す。図3に示すように、含水時の特性は色調による傾向差が見られなかったが、木綿布の含水率に対する反射率は、乾燥時と異なり、含水率が上昇するほど、顕著に低下する(吸収率が高くなる)ことがわかる。言い換えれば、反射率は水の吸収に依存する傾向が大きいことがわかる。
含水率の定義は下式の通りである。
含水率[%]={(含水布重量[g]−乾燥布重量[g])/乾燥布重量[g]}×100
上述のような衣類の分光特性から、乾燥工程の開始時のように衣類含水率の大きいときは光吸収率が大きいので、光輻射による加熱が効果的であり、乾燥工程の後期のように衣類の含水率が低下する状況では、あまり効果的ではないといえる。このことから、乾燥工程の前半においては空気加熱ヒータ10とハロゲンヒータ21を併用して衣類を加熱し、乾燥工程の後半ではハロゲンヒータ21を停止するか、電圧を制御してハロゲンヒータ21の出力を低下すれば、無駄な投入電力を低減させることができ、効率的な乾燥が可能になる。
上述のような衣類の分光特性から、乾燥工程の開始時のように衣類含水率の大きいときは光吸収率が大きいので、光輻射による加熱が効果的であり、乾燥工程の後期のように衣類の含水率が低下する状況では、あまり効果的ではないといえる。このことから、乾燥工程の前半においては空気加熱ヒータ10とハロゲンヒータ21を併用して衣類を加熱し、乾燥工程の後半ではハロゲンヒータ21を停止するか、電圧を制御してハロゲンヒータ21の出力を低下すれば、無駄な投入電力を低減させることができ、効率的な乾燥が可能になる。
以上の知見に基づいて、本発明の洗濯乾燥機100は、効率面(省エネルギ)を考慮して、空気加熱ヒータ10とハロゲンヒータ21は、乾燥工程の進行と負荷の大小(衣類の量)によって、それぞれ単独で運転可能であり、かつ、同時に運転可能に制御するように構成されるのが好ましい。
図4は、光ヒータユニット20の構成例を示す概略的な側断面図(A)と正面図(B)である。正面図(B)では、耐熱ガラス板23を取り外した状態を示す。
図4に示すように、ハロゲンヒータ21の裏面には光反射効率の高い反射板22が設けられ、回転ドラム3の外周壁面側に向く光照射面には光透過率の高い耐熱ガラス板23が設けられている。耐熱ガラス板23でハロゲンヒータ21を覆うとともに、光ヒータユニット20の筐体は金属製の防水ケースからなる。防水ケースはステンレス鋼、亜鉛めっき鋼板等の一般的な金属板で形成すればよい。このようにして、光ヒータユニット20は洗い、すすぎ、脱水工程で飛散する水を遮蔽することができる防水性のヒータユニット仕様になっている。図4に示す構成例では、ハロゲンヒータ21はリング状の形態を有するが、取り付け面積を低減するために直線状の管のものを用いてもよい。光の吸収がほとんどないため、反射板22の材質はアルミニウムを採用するのが最も好ましく、金属光沢のあるステンレス鋼等を用いてもよい。耐熱ガラス板23の材質は、耐熱性と熱衝撃性の高い材料であればよく、たとえば結晶性ガラスを採用するのが好ましい。
回転ドラム3の外周壁面に形成される光吸収表面処理層31は、可視光線吸収率と赤外線吸収率の高い特性を持ち、かつ、赤外線放射率の低い特性を持つものである。このような光吸収表面処理層31を回転ドラム3の外周壁面に形成することによって、回転ドラム3の外周壁面はハロゲンヒータ21の放射エネルギ範囲(波長域で0.4μm〜3μm)を効率良く吸収して加熱される。上記の波長域が可視光線域を含む理由は、可視光線域のウエイトはハロゲンヒータ21の全放射量のうち約7%程度で少ないが、無駄にはできないためである。光吸収表面処理層31を回転ドラム3の外周壁面に形成する理由は以下のとおりである。
加熱により回転ドラム3の外周壁面の温度が上昇すると、回転ドラム3の外周壁面から赤外線(波長域で約2.5μm〜30μm)として熱が水槽2の内周壁面に放射されるため、回転ドラム3自体の温度が上昇し難くなる。この熱放射をできるだけ少なくすることができるように、すなわち、赤外線放射率を低くするために、光吸収表面処理層31として、効率の高い太陽熱温水器等の集熱板材料に使用されるような選択吸収被膜または選択吸収塗料等を施す必要がある。たとえば、光吸収率が0.93〜0.96、赤外放射率が0.2〜0.4の特性を示す被膜または塗膜を回転ドラム3の外周壁面に形成する必要がある。具体的には、商品名がオキツモソーラーペイントAP−1Aの塗料を施す、または、ステンレス鋼自体を高温で熱処理して得られる高温酸化被膜処理を施すのが好ましい。
以上、本発明の洗濯乾燥機における空気加熱ヒータと光放射ヒータを併用する加熱量増大方法では、熱風温度を大きく上昇させることなく、衣類への加熱量を増加させることができることに加え、衣類と回転ドラム自体を高効率な放射熱源で直接加熱する構成であるため、衣類の量が多い場合でも局部的な熱風温度上昇による加熱ムラが少なく、衣類の損傷もない、均一で効率的な加熱が可能となり、省電力で、かつ、乾燥時間の短縮が可能である。
また、加熱量の増加が循環熱風量に依存していないため、送風系の構成と回転ドラムのサイズが大型化せず、機器の小型化が可能になる。
上記の実施の形態にしたがって構成された洗濯乾燥機100の実験機を製作し、JIS C9608に準拠して標準衣類4kgを乾燥させた結果の一例を以下に示す。
洗濯乾燥機100には、電力1.2kWの空気加熱ヒータと、ほぼ同等の電力1.3kWの光放射ヒータ(色温度が2200K)を設けた。空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合、循環風量を増加しない、回転ドラムの容量を増加しない条件で電力1.2kWの空気加熱ヒータのみを使用した時の乾燥時間195分に対して乾燥時間が85分となり、56%短縮された。加熱ムラを表わす乾燥度の標準偏差は、空気加熱ヒータのみを使用した場合には図5に示すように6.7%であったのに対し、空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合には図6に示すように4.6%に向上した。
なお、空気加熱ヒータのみを使用した場合と空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合とでは、乾燥度は103.3%で同一とした。乾燥度 R(%)は、次の式で表わされる。ここで、Wsは乾燥試験前の洗濯物の質量(kg)、Wxは乾燥試験後の洗濯物の質量(kg)である。JIS C9608に準拠して行なった試験である。
R(%)=(Ws/Wx)×100
また、消費電力量(Wh)は、電力1.2kWの空気加熱ヒータのみを使用した時より、空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合には、乾燥時間の短縮効果が大きく、入力値が倍電力で大きいものの、乾燥終了時の消費電力量を3224Whから2906Whに10%削減することができた。
また、消費電力量(Wh)は、電力1.2kWの空気加熱ヒータのみを使用した時より、空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合には、乾燥時間の短縮効果が大きく、入力値が倍電力で大きいものの、乾燥終了時の消費電力量を3224Whから2906Whに10%削減することができた。
空気加熱ヒータと光放射ヒータとを同時に併用して加熱した場合には、熱風温度が最高135℃程度であったことから、空気加熱ヒータのみを使用した時の120〜135℃に比べて熱風温度を上昇させることなく、加熱量を増加することができた。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
1:本体、2:水槽、3:回転ドラム、6:衣類、9:循環ファン、10:空気加熱ヒータ、20:光ヒータユニット、21:ハロゲンヒータ、22:反射板、23:耐熱ガラス板、31:光吸収表面処理層、32:小孔、100:洗濯乾燥機。
Claims (8)
- 水槽と、
水槽内で回転可能に支持され、開口部と外周壁面とを有する回転ドラムと、
空気を加熱するための空気加熱手段と、
前記空気加熱手段によって加熱された空気を前記回転ドラムの開口部から前記回転ドラム内に送るための送風手段と、
前記回転ドラムの外周壁面に向かって光を放射するための光放射加熱手段と、
を備えた、洗濯乾燥機。 - 前記光放射加熱手段は、色温度が2200K付近の光放射体を含む、請求項1に記載の洗濯乾燥機。
- 前記光放射加熱手段から放射される光を前記回転ドラムの外周壁面に向かう方向に反射させるための反射手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機。
- 前記光放射加熱手段は前記水槽に設けられ、前記回転ドラムの外周壁面には前記回転ドラム内に貫通する複数の孔が形成されている、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 前記空気加熱手段と前記光放射加熱手段は各々単独で運転可能で、かつ、同時に運転可能に制御される、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 前記回転ドラムの外周壁面は、可視光線吸収率と赤外線吸収率が相対的に高く、赤外線放射率が相対的に低くなるように処理された表面を有する、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
- 加熱された空気の対流を利用して洗濯対象物を乾燥させるための第1の乾燥手段と、
熱の輻射を利用して洗濯対象物を乾燥させるための第2の乾燥手段と、
熱の伝導を利用して洗濯対象物を乾燥させるための第3の乾燥手段と、
を備えた、洗濯乾燥機。 - 前記第1の乾燥手段は、空気を加熱するための空気加熱ヒータと、前記空気加熱ヒータによって加熱された空気を洗濯対象物に送るためのファンとを含み、
前記第2の乾燥手段は、洗濯対象物に光を放射する光放射ヒータを含み、
前記第3の乾燥手段は、前記光放射ヒータから放射された熱を吸収し、その吸収された熱を洗濯対象物に伝導することができるように洗濯対象物を収容する容器を含む、請求項7に記載の洗濯乾燥機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003393593A JP2005152193A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 洗濯乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003393593A JP2005152193A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 洗濯乾燥機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005152193A true JP2005152193A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34719908
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003393593A Pending JP2005152193A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 洗濯乾燥機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005152193A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007061206A1 (en) * | 2005-11-24 | 2007-05-31 | Lg Electronics Inc. | Clothes dryer |
| KR100724444B1 (ko) * | 2005-11-24 | 2007-06-04 | 엘지전자 주식회사 | 드럼식 의류 건조기 및 그 제어 방법 |
| FR2986539A1 (fr) * | 2012-02-03 | 2013-08-09 | Francois | Dispositif de sechage de textiles utilises en boulangerie |
-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393593A patent/JP2005152193A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007061206A1 (en) * | 2005-11-24 | 2007-05-31 | Lg Electronics Inc. | Clothes dryer |
| KR100724444B1 (ko) * | 2005-11-24 | 2007-06-04 | 엘지전자 주식회사 | 드럼식 의류 건조기 및 그 제어 방법 |
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