JP2005162702A - リポソーム製剤の製造方法、リポソーム製剤およびその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、薬剤等を内包するリポソーム製剤を、超臨界二酸化炭素を用いて菌を混入させることなく製造する方法、リポソーム製剤およびその製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のリポソーム製剤の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程と、前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
本発明は、薬剤等を内包するリポソーム製剤を、超臨界二酸化炭素を用いて菌を混入させることなく製造する方法、リポソーム製剤およびその製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のリポソーム製剤の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程と、前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、超臨界二酸化炭素を用いたリポソーム製剤の製造方法、リポソーム製剤およびその製造装置に関し、さらに詳しくは雑菌の混入がないリポソーム製剤の製造方法、およびその製造装置に関する。
リポソームは、リン脂質によって形成される2分子膜(リポソーム膜)の閉鎖小胞体であり、生体膜と類似の構造や機能を有するため、従来から様々な研究材料として用いられてきている。このリポソームは、内部に有する水相には水溶性の薬効成分を、二分子膜の内部には油溶性の薬効成分を保持するという、いわゆるカプセル構造を構築できることから、診断、治療、化粧などの様々な分野で用いられてきている。さらに、近年では、薬物送達システム(DDS)を利用したリポソーム製剤が盛んに研究されている。
リポソーム製剤を製造するにあたっては、一般に下記の(1)〜(3)の工程により行われている。
(1)リポソーム膜成分をクロロホルムのようなハロゲン系有機溶媒に溶解する。
(2)上記(1)で得られた溶液中の溶媒をエバポレーターなどにより除去し、エバポレー
ターのナスフラスコ表面にリポソーム膜成分の薄膜を形成する。
(3)上記(2)で薄膜が形成されたナスフラスコに、水溶性薬剤の水溶液を入れ、ボルテ
ックスなどにより振とうして膜物質を水和させる。
(1)リポソーム膜成分をクロロホルムのようなハロゲン系有機溶媒に溶解する。
(2)上記(1)で得られた溶液中の溶媒をエバポレーターなどにより除去し、エバポレー
ターのナスフラスコ表面にリポソーム膜成分の薄膜を形成する。
(3)上記(2)で薄膜が形成されたナスフラスコに、水溶性薬剤の水溶液を入れ、ボルテ
ックスなどにより振とうして膜物質を水和させる。
このような製造工程により得られたリポソーム製剤は、その貯蔵の必要性または生体内投与のために滅菌することを目的として、さらに孔径0.2μm程度のフィルターで濾過滅菌する必要がある。しかしながら、リポソーム製剤を調製する最終段階で濾過により滅菌する方法では、工程途中で雑菌が混入した場合には、工程中にその菌が増殖するため、菌の代謝産物が原因となる発熱性物質の現出が避けられない。そして、従来行われているリポソームの製造においては、解放系で行う操作があるのが通常であるため、上述したような菌の混入が常に問題となる。
そのような問題を解決するものとして、リポソーム膜成分物質を含有する溶液を濾過滅菌する工程と、滅菌水とを用いて、滅菌された密閉系においてリポソームを得る製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法においては、0.2μm以上の大きさの細菌はろ過による滅菌は
できるものの、数十nmのウイルスは滅菌することができないため、万が一密閉系にウイルス等小さな菌が混入した場合にはこれを除くことが困難であった。したがって、依然として菌の代謝産物が原因となる発熱性物質の現出が問題となっていた。
できるものの、数十nmのウイルスは滅菌することができないため、万が一密閉系にウイルス等小さな菌が混入した場合にはこれを除くことが困難であった。したがって、依然として菌の代謝産物が原因となる発熱性物質の現出が問題となっていた。
一方、近年では、リポソームを含有する化粧料、皮膚外用剤を、超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法においては、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であり、さらに、得られるリポソーム製剤への菌の混入が問題となっていた。
特開2002−128660号公報
特開2003−119120号公報
本発明は、薬剤等を内包するリポソーム製剤を、超臨界二酸化炭素を用いて菌を混入させることなく製造する方法、リポソーム製剤およびその製造装置を提供することを目的とする。
本発明のリポソーム製剤の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と、
を有することを特徴とする。
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と、
を有することを特徴とする。
薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を得た後に、圧力容器内にフィルター滅菌された気体を供給する工程を有することが好ましい。
リポソームの水性分散液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜で濾過する工程を有することも好ましい。
また、本発明のリポソーム製剤の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する工程と、
前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を攪拌下に供給して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と
を有することを特徴とする。
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する工程と、
前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を攪拌下に供給して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と
を有することを特徴とする。
前記リポソーム粉末を調製する工程が、二酸化炭素と有機溶媒とが減圧溜去された混合溶液を0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜で濾過し、次いで凍結乾燥する工程であることが好ましい。
さらに、前記リポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程を有することも好ましい。
前記薬剤が、水溶性かつ非イオン性のヨウド系化合物であることが好ましい。
本発明のリポソーム製剤は、前記の製造方法により得られることを特徴とする。
前記リポソーム製剤は、薬剤がリポソーム膜構成成分に対して3〜8倍の重量比となる量で内包されているリポソームを含有していることが好ましい。
前記リポソームが、実質的に一枚膜であることも好ましい。
本発明のリポソーム製剤の製造装置は、超臨界二酸化炭素を用いた製造装置であって、
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を供給する薬剤水溶液供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により薬剤水溶液と超臨界二酸化炭素との混合溶液を調製した後に、圧力容器内を大気圧以下に減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去することにより薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製するリポソーム調製制御部と
を備えることを特徴とする。
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を供給する薬剤水溶液供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により薬剤水溶液と超臨界二酸化炭素との混合溶液を調製した後に、圧力容器内を大気圧以下に減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去することにより薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製するリポソーム調製制御部と
を備えることを特徴とする。
前記圧力容器内に、フィルター滅菌手段を介して気体を供給する気体供給部を備えることが好ましい。
本発明のリポソーム製剤の製造装置は、超臨界二酸化炭素を用いた製造装置であって、
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第4の濾過滅菌手段を介して水を供給する水供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により超臨界二酸化炭素と水との混合溶液を調製した後、圧力容器内を大気圧以下に減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製するリポソーム粉末調製制御部と、
前記リポソーム粉末に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を攪拌下に供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する薬剤水溶液供給部と
を備えることを特徴とする。
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第4の濾過滅菌手段を介して水を供給する水供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により超臨界二酸化炭素と水との混合溶液を調製した後、圧力容器内を大気圧以下に減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製するリポソーム粉末調製制御部と、
前記リポソーム粉末に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を攪拌下に供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する薬剤水溶液供給部と
を備えることを特徴とする。
さらに、前記リポソームの水性分散液を濾過して粒径を制御する濾過手段を備えることも好ましい。
前記濾過手段が、0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜であることが好ましい。
前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填
する充填部を備えることを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造装置。
する充填部を備えることを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造装置。
本発明のリポソーム製剤の製造方法によれば、製造工程が全て無菌状態に管理され、さらに超臨界二酸化炭素を用いてリポソームを調製しているため、リポソーム製剤を無菌的に製造することができる。したがって、この製造方法により得られる本発明のリポソーム製剤は無菌であり、かつ、死菌による発熱性物質の現出もないので、薬物の担体や人工酸素運搬体として好適に使用することができる。さらに、得られるリポソーム製剤に含まれるリポソームは、実質的に一枚膜であるので、従来のリポソームに比べて薬剤の内包率が高い。
また、本発明のリポソーム製剤の製造装置は、本発明のリポソーム製剤の製造方法を実施するのに好適に用いることができる。
<リポソーム製剤の製造方法>
本発明に係る薬剤を内包したリポソームの製造方法を以下に説明する。
本発明に係る薬剤を内包したリポソームの製造方法を以下に説明する。
まず、第1の実施態様について説明する。
(第1の実施態様)
本発明に係るリポソーム製剤の第1の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程(第1工程)と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程(第2工程)と、
第1および第2工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程(第3工程)と、
第3工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程(第4工程)と、
第4工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程(第5工程)と
を有する。
本発明に係るリポソーム製剤の第1の製造方法は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程(第1工程)と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程(第2工程)と、
第1および第2工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程(第3工程)と、
第3工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程(第4工程)と、
第4工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程(第5工程)と
を有する。
また、前記第5工程において薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を得た後に、圧力容器内にフィルター滅菌された気体を供給する工程(第6工程)をさらに有することも好ましい。
さらに、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜で濾過する工程(第7工程)をさらに有することも好ましい。
前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程(第8工程)をさらに有することも好ましい。
以下、第1の実施態様における、最も好ましい形態を各工程に沿って説明する。
第1工程
本実施例においては、第1,2工程として説明するがその順序は特に限定されない。
本実施例においては、第1,2工程として説明するがその順序は特に限定されない。
第1工程では、リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する。
まず、各成分について説明する。
リポソーム膜構成成分としては、通常リン脂質および/または糖脂質が好ましく使用される。
本発明のリポソームにおける好ましい中性リン脂質として、大豆、卵黄などから得られるレシチン、リゾレシチンおよび/またはこれらの水素添加物、水酸化物の誘導体を挙げることができる。これらは単独でも併用してもよい。
その他のリン脂質として、卵黄、大豆またはその他、動植物に由来するホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、合成により得られるホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホス
ファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などを挙げることができる。
ファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などを挙げることができる。
これらのリン脂質は通常、単独で使用されるが、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質を併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。
糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
必要に応じリポソームの膜構成成分として、上記の他に他の成分を加えることもできる。その例として、膜安定化剤またはポリアルキレンオキシド基導入用アンカーとしてコレステロール、コレステロールエステルなどのステロール類、荷電物質であるジセチルホスフェートといったリン酸ジアルキルエステルなどが挙げられる。
本発明における好ましいリポソームの別の態様として、膜構成成分としてホスファチジルコリンおよびホスファチジルセリンからなる群より選ばれるリン脂質を用いることができ、両者を組み合わせてもよい。
有機溶媒は、低級アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、炭酸アルキル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用すると、前記の超臨界
あるいは亜臨界流体に対するリポソーム膜構成成分の溶解性が向上し、更に好ましい。
あるいは亜臨界流体に対するリポソーム膜構成成分の溶解性が向上し、更に好ましい。
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、安全性の面から、エタノールが特に望ましい。
グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチルカービトール、ブチルカービトール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、これらグリコール類のアルキルエステル等が挙げられる。
炭酸アルキルとしては、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の炭酸アルキルが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このようなリポソーム膜構成成分と有機溶剤とを、従来公知の方法により混合して、リポソーム膜構成成分が溶解された溶液を調製する。このとき、所定の温度に加温して、リポソーム膜構成成分を有機溶剤に溶解させることが好ましい。
また、この溶液には、生体に投与しても害のないプルロニックFRシリーズ(アデカ社製界面活性剤)などの界面活性剤が溶解されていてもよい。
次いで、このようにして得られたリポソーム膜構成成分溶液を、濾過滅菌して圧力容器に供給する。
濾過滅菌は、リポソーム膜構成成分を溶解した溶液を、濾過滅菌フィルターを通すことにより行う。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌は、膜成分物質を有機溶媒に溶解した際の温度を維持しながら行うのが好ましい。濾過滅菌後の溶液の温度が、溶解時の温度より低くなると、膜成分物質が析出する場合がある。
圧力容器は、超臨界二酸化炭素法に用いることができ、耐熱耐圧構造を有していれば特に限定されずに用いることができる。
第2工程
第2工程では、圧力容器に、濾過滅菌された液化二酸化炭素を供給する。
第2工程では、圧力容器に、濾過滅菌された液化二酸化炭素を供給する。
液化二酸化炭素を調製するには、従来公知の方法により、気体の二酸化炭素を冷却、加圧することによって行われる。
次いで、このようにして得られた液化二酸化炭素を、濾過滅菌する。
濾過滅菌は、液化二酸化炭素を、濾過滅菌フィルターを通すことにより行う。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌は、液化二酸化炭素の状態を維持しながら行う。
このように溶液と液化二酸化炭素とを圧力容器に供給すると、第3工程に進む。
第3工程
第3工程では、第1、第2工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする。
第3工程では、第1、第2工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする。
具体的には、圧力容器内を、二酸化炭素が臨界状態となるように調整することにより、液化二酸化炭素を超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素とする。
本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の好適な圧
力は、50〜500kg/cm2、好ましくは100〜400 kg/cm2である。また好適な臨界状態の二酸化炭素の温度としては、25〜200℃、好ましくは31〜100℃、さらに好ましくは35〜80℃である。これらの範囲内で、温度および圧力を適宜選択して組み合わせることにより、超臨界状態(亜臨界状態を含む)を確立するのが好ましい。このように圧力容器内で、超臨界二酸化炭素を生成させ、さらに後述するように有機溶剤を混合すると、これらの相互作用により圧力容器内に混入した細菌やウイルスの細胞壁が破壊され、圧力容器内が無菌状態に保たれる。本発明においては、原材料を予めろ過滅菌しており、圧力容器内には実質的に細菌等が混入しないが、ろ過滅菌されなかった(フィルターを通過した)微細なウイルスが仮に混入した場合においても、圧力容器内を無菌状態に保つことができる。
力は、50〜500kg/cm2、好ましくは100〜400 kg/cm2である。また好適な臨界状態の二酸化炭素の温度としては、25〜200℃、好ましくは31〜100℃、さらに好ましくは35〜80℃である。これらの範囲内で、温度および圧力を適宜選択して組み合わせることにより、超臨界状態(亜臨界状態を含む)を確立するのが好ましい。このように圧力容器内で、超臨界二酸化炭素を生成させ、さらに後述するように有機溶剤を混合すると、これらの相互作用により圧力容器内に混入した細菌やウイルスの細胞壁が破壊され、圧力容器内が無菌状態に保たれる。本発明においては、原材料を予めろ過滅菌しており、圧力容器内には実質的に細菌等が混入しないが、ろ過滅菌されなかった(フィルターを通過した)微細なウイルスが仮に混入した場合においても、圧力容器内を無菌状態に保つことができる。
一方、従来のリポソーム製剤の製造法においても、通常圧力容器内は殺菌されてから使用され、さらに供給されるいずれの原料等も濾過滅菌処理されているため、無菌状態でリポソーム製剤を調製する試みがなされている。しかしながら、このように無菌状態を管理していても圧力容器内に細菌やウイルスが混入することは避けられず、製造工程中に増殖し、菌の代謝産物が原因となる発熱性物質の現出が問題となっていた。しかしながら、本発明の製造方法によれば、たとえ圧力容器内にウイルスが混入しても、圧力容器内を、二酸化炭素の臨界状態にするため殺菌することができ、圧力容器内を常時無菌状態に保つことができる。したがって、リポソーム製剤を無菌的に製造することができる。
このように、圧力容器内において超臨界二酸化炭素が生成されると、第4工程に進む。
第4工程
第4工程では、第3工程において生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に
、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給する。
第4工程では、第3工程において生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に
、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給する。
具体的には、超臨界二酸化炭素を所定の攪拌手段により攪拌しながら、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給する。
濾過滅菌は、薬剤水溶液を、濾過滅菌フィルターを通すことにより行う。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
第4工程において供給される薬剤水溶液としては、具体的には薬剤水溶液が用いられる。この薬剤水溶液(水相)の添加により、水相/二酸化炭素エマルジョンを形成する。このエマルジョン系において脂質成分はミセル状となり離合集散をしていると推定される。しばらく撹拌を続行してミセルを含むエマルジョンが安定化した後に、さらに二酸化炭素相と水相とが分離するまで水を連続的に添加する。水相の増大とともに系の相転移が起こり、水/炭酸ガスエマルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相系を経て、過剰な炭酸ガスが炭酸ガス/水エマルジョンと分離すると考えられる。
薬剤としては、特に限定されず、造影剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、発毛促進剤、保湿剤、ホルモン剤、ビタミン類、色素、およびタンパク質類などが挙げられる。
本発明のリポソーム製剤を造影剤に用いる場合には、水溶性ヨウド系化合物を用いることが好ましい。
この水溶性ヨウド系化合物は、造影性があればイオン性、非イオン性を問わず、特に規定されない。一般的には非イオン性ヨウド化合物の方が、イオン性ヨウド化合物よりも浸透圧が低く、投与された人体に対する負荷が小さいためにより望ましい。水溶性の非イオ
ン性ヨウド系化合物としてヨウ化フェニルを含み、例えば2,4,6−トリヨードフェニル基
を少なくとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
ン性ヨウド系化合物としてヨウ化フェニルを含み、例えば2,4,6−トリヨードフェニル基
を少なくとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
具体的には、そのような非イオン性ヨウド化合物として、イオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオプロミド、イオトロラン、イオメプロール、N,N′−ビス
〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
また、その他のヨウド系化合物として、ジアトリゾイン酸;ジアトリゾエートナトリウム;メグルミンジアトリゾエート;アセトリゾイン酸およびその可溶性塩;ジプロトリゾ酸;ヨーダミド,ヨージパミドナトリウム、メグルミンヨージパミド、ヨード馬尿酸およびその可溶性塩;ヨードメタム酸;ヨードピラセットヨード−2−ピリドン−N−酢酸、3,5−ジヨード−4−ピリドン−N−酢酸(ヨードピラセット);前記酸のジエチルアン
モニウム塩;イオタラム酸;メトリゾイン酸およびその塩;イオパノ酸、イオセファム酸、イオフェノ酸およびそれらの可溶性塩;チロパノエートナトリウム、イオポダートナトリウムおよび他の同様なヨウ素化された化合物などを挙げることができる。
モニウム塩;イオタラム酸;メトリゾイン酸およびその塩;イオパノ酸、イオセファム酸、イオフェノ酸およびそれらの可溶性塩;チロパノエートナトリウム、イオポダートナトリウムおよび他の同様なヨウ素化された化合物などを挙げることができる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。またその例示に限定されるものではない。なお本明細書において、化合物は遊離形態の化合物の他に、その塩、水和物なども含めて言及することがある。
本発明に好ましく用いられる薬剤としてヨウド系造影剤がある。そのヨウド系造影剤に用いられる好適なヨウド系化合物として、高度に親水性であり、かつ高濃度でも浸透圧が高くならないイオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールなどが好ましい。特にイオトラン、イオジキサノールといった二量体非イオン性ヨウド化合物では、同一ヨウド濃度の造影剤を調製しても全体のモル数が低いために浸透圧を低下させる利点がある。
本発明のリポソーム製剤において水溶性ヨウド系化合物の濃度は、該リポソーム製剤の性質、意図する最終生成物の投与経路および臨床上の指標といった要因に基づき任意に設定することができる。リポソーム内に封入されたヨウド系化合物量は、典型的にはリポソーム製剤における全ヨウド化合物の5〜90質量%、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは20〜70質量%である。特に、ヨウド化合物をカプセル化したリポソームの浸透圧効果による不安定化を充分に防止するには、リポソーム内に封入されたヨウド系化合物量は、全ヨウド化合物の5〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%であることが望ましい。この場合リポソーム内部に5〜25質量%封入されたヨウド化合物は、残り75〜95質量%が存在す
るリポソーム外へ流出することは実質的に無視できる。
るリポソーム外へ流出することは実質的に無視できる。
第4工程に用いられる薬剤水溶液には、このような薬剤以外にも添加物として、トロメタモール、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa-Ca)、pH調整剤などが溶解
していてもよい。
していてもよい。
上記のようにして超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、攪拌手段により混合すると、第5工程に進む。
第5工程
第5工程では、前記工程で超臨界二酸化炭素と薬剤水溶液とを混合した後に、圧力容器内を減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。
第5工程では、前記工程で超臨界二酸化炭素と薬剤水溶液とを混合した後に、圧力容器内を減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。
具体的には、溜去する有機溶媒の沸点に合わせ圧力と温度を設定し、溜去を行う。但し温度はリポソーム膜物質が熱で劣化しないように、30〜70℃の範囲で行うことが好ましい。有機溶媒の溜去は、圧力容器のトラップ部(例えば、エバポレータのトラップ部)に、有機溶媒がトラップされなくなるまで行う。
第4工程において、リポソームは水相に転相していると推定されるため、系内を減圧して二酸化炭素を排出すると、薬剤を内包するリポソームが分散している水性分散液が生成する。この場合、該リポソームの内部以外の水相に薬剤が含まれていてもよい。リポソーム内部にも上記水溶液が封入されているため、薬剤はリポソームの外部水相のほか、主としてリポソーム内部の水相に存在し、いわゆる「内包」の状態にある。
上記のようにして薬剤が内包されたリポソームの水性分散液が調製されると第6工程に進む。
第6工程
第6工程では、第5工程において薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を得た後に、圧力容器内にフィルター滅菌された気体を供給する。
第6工程では、第5工程において薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を得た後に、圧力容器内にフィルター滅菌された気体を供給する。
この気体としては、大気、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、このような気体を滅菌フィルターを通すことに供給する。滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの滅菌フィルターを用いる。
このようにフィルター滅菌された気体を供給することにより、圧力容器内が大気圧に調整されると、第7工程に進む。
第7工程
第7工程では、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、さらに濾過膜で濾過する。このように濾過によりリポソームの粒径を容易に調整することができる。
第7工程では、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、さらに濾過膜で濾過する。このように濾過によりリポソームの粒径を容易に調整することができる。
具体的には、濾過膜として0.1〜0.4μmの孔径のフィルターを装着したエクストルーダーに通すことにより、1枚膜の中心粒径として 100〜300nmのリポソームを効率よく調製することができる。このようにリポソーム粒子のサイズおよびその分布を調整することにより、リポソーム製剤の目的とする効果を得ることができる。
粒径はヨウド化合物を内包するリポソームを含む分散液を凍結し、その後破砕した界面をカーボン蒸着し、このカーボンを電子顕微鏡で観察すること(凍結破砕TEM法)により測定することができる。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒径を指している。
このように粒径の調整が行われると、第8工程に進む。
第8工程
第8工程では、前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する。
第8工程では、前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する。
本発明の上記工程によれば、リポソームの水性分散液は菌に汚染されていないため、無菌条件下において滅菌容器に充填することにより、実質的に無菌状態の薬剤が内包されたリポソーム製剤を製造することができる。
このような本発明の、リポソーム製剤の製造方法(第1の実施態様)によれば、リポソーム製剤を無菌的に製造することができる。
さらに、得られるリポソーム製剤に含まれるリポソームは、実質的に一枚膜であるので、従来のリポソームに比べて薬剤の内包率が高い。具体的には、薬剤が、リポソーム膜構成成分に対して3〜8倍の重量比となる量で内包される。
本発明のリポソームは、実質的に1枚膜リポソーム、すなわちリン脂質二重層が1つの層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実質的
に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture)レプリカ法による透過型電子顕微鏡(
TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められるリン脂質二重層により
リポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差のないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、薬効物質または造影物質中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture)レプリカ法による透過型電子顕微鏡(
TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められるリン脂質二重層により
リポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差のないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、薬効物質または造影物質中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
次に、本発明に係る薬剤を内包したリポソームの製造方法の第2の実施態様について説明する。
(第2の実施態様)
本発明に係るリポソーム製剤の製造方法の第2の実施態様は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程(第1の工程)と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程(第2の工程)と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程(第3の工程)と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する工程(第4の工程)と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する工程(第5の工程)と、
前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を攪拌下に供給して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程(第6の工程)と
を有する。
本発明に係るリポソーム製剤の製造方法の第2の実施態様は、
リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程(第1の工程)と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程(第2の工程)と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程(第3の工程)と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する工程(第4の工程)と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する工程(第5の工程)と、
前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を攪拌下に供給して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程(第6の工程)と
を有する。
前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程(第7の工程)を有することも好ましい。
以下、第2の実施態様における、最も好ましい形態を各工程に沿って説明する。
第1〜3工程
第1〜3工程は上記第1の実施態様と同一であるので説明を省略する。
第1〜3工程は上記第1の実施態様と同一であるので説明を省略する。
第4工程
本発明の第2の実施態様における第4工程では、前記工程において生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する。具体的には、超臨界二酸化炭素を所定の攪拌手段により攪拌しながら、濾過滅菌された水を供給する。
本発明の第2の実施態様における第4工程では、前記工程において生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する。具体的には、超臨界二酸化炭素を所定の攪拌手段により攪拌しながら、濾過滅菌された水を供給する。
濾過滅菌は、水を濾過滅菌フィルターに通すことにより行う。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
この水(水相)の添加により、水相/二酸化炭素エマルジョンを形成する。このエマルジョン系において脂質成分はミセル状となり離合集散をしていると推定される。しばらく撹拌を続行してミセルを含むエマルジョンが安定化した後に、さらに二酸化炭素相と水相とが分離するまで水を連続的に添加する。水相の増大とともに系の相転移が起こり、水/
炭酸ガスエマルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相系を経て、過剰な炭酸ガスが炭
酸ガス/水エマルジョンと分離すると考えられる。
炭酸ガスエマルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相系を経て、過剰な炭酸ガスが炭
酸ガス/水エマルジョンと分離すると考えられる。
上記のようにして超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、濾過滅菌された水を供給し攪拌手段により混合して、混合溶液を調製すると、第5工程に進む。
第5工程
第5工程では、圧力容器内を大気圧以下に減圧して、第4工程により得られた混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する。
第5工程では、圧力容器内を大気圧以下に減圧して、第4工程により得られた混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する。
具体的には、溜去する有機溶媒の沸点に合わせ圧力と温度を設定し、溜去を行う。但し温度はリポソーム膜物質が熱で劣化しないように、30〜70℃の範囲で行うことが好ましい。有機溶媒の溜去は、圧力容器のトラップ部(例えば、エバポレータのトラップ部)に、有機溶媒がトラップされなくなるまで行う。
混合溶液において、リポソームは水相に転相していると推定されるため、系内を減圧して二酸化炭素を排出すると、水を内包したリポソームが分散している水性分散液(混合溶液)が生成する。
このような減圧溜去後の混合溶液を、さらに濾過膜で濾過することも好ましい。濾過膜は、0.1〜0.4μmの孔径を有しており、このような濾過膜を通過させることによりリポソームの粒径調整を容易に行うことができる。
このような混合溶液は、薬剤水溶液が内包されたリポソームが分散している混合溶液に比べ、粘度が低く容易に濾過することができ、粒径の調整を容易に行うことができる。第5工程において濾過した場合には、後述する第6工程において濾過を行う必要がない。
上述のように、混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒との減圧溜去を確認すると(好ましくは、さらに濾過膜を通過させると)、次いで、圧力容器内を、13Pa以下に減圧し、−5〜−80℃、好ましくは−30℃以下の温度に急速に冷却する。このようにして、減圧溜去後の混合溶液を凍結乾燥し、混合溶液中の水を昇華させ、リポソーム粉末を調製すると第6工程に進む。
第6工程
第6の工程では、圧力容器内において攪拌手段で攪拌しながら、前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。薬剤水溶液としては、上述の第1の実施態様(第4工程)において用いられるものと同一の薬剤水溶液が用いられる。
第6の工程では、圧力容器内において攪拌手段で攪拌しながら、前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。薬剤水溶液としては、上述の第1の実施態様(第4工程)において用いられるものと同一の薬剤水溶液が用いられる。
第6の工程では、まず、減圧され冷却されている圧力容器内に、濾過滅菌された気体を供給するとともに圧力容器内を所定の温度とし、攪拌手段により攪拌しながら、濾過滅菌
された薬剤水溶液を供給する。これにより、薬剤水溶液がリポソーム内に浸透し、薬剤水溶液が内包されたリポソームの水性分散液を調製することができる。リポソーム内に薬剤水溶液が内包されたことは、得られた液のリポソーム外の薬剤を透析により除き、さらにリポソームをエタノールなどにより壊し内容物を定量することにより確認される。
された薬剤水溶液を供給する。これにより、薬剤水溶液がリポソーム内に浸透し、薬剤水溶液が内包されたリポソームの水性分散液を調製することができる。リポソーム内に薬剤水溶液が内包されたことは、得られた液のリポソーム外の薬剤を透析により除き、さらにリポソームをエタノールなどにより壊し内容物を定量することにより確認される。
また、リポソームの水性分散液を、さらに濾過膜で濾過してもよい。濾過膜は、0.1〜0.4μmの孔径を有しており、このような濾過膜を通過させることによりリポソームの粒径調整を容易に行うことができる。
上述のように薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製すると第7工程に進む。
第7工程
第7工程は、前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程である。
第7工程は、前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程である。
本発明の上記工程によれば、リポソームの水性分散液は菌に汚染されていないため、無菌条件下において滅菌容器に充填することにより、実質的に無菌状態の薬剤が内包されたリポソーム製剤を製造することができる。
このような本発明の、リポソーム製剤の製造方法(第1の実施態様)によれば、リポソーム製剤を無菌的に製造することができる。
さらに、得られるリポソーム製剤に含まれるリポソームは、実質的に一枚膜であるので、従来のリポソームに比べて薬剤の内包率が高い。具体的には、薬剤が、リポソーム膜構成成分に対して3〜8倍の重量比となる量で内包される。
本発明のリポソームは、実質的に1枚膜リポソーム、すなわちリン脂質二重層が1つの層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実質的
に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture)レプリカ法による透過型電子顕微鏡(
TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められるリン脂質二重層により
リポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差のないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、薬効物質または造影物質中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture)レプリカ法による透過型電子顕微鏡(
TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められるリン脂質二重層により
リポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差のないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、薬効物質または造影物質中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
以下に、本発明のリポソーム製剤の製造方法に用いる製造装置について説明する。
<リポソーム製剤の製造装置>
以下、図面を参照しながら本発明のリポソーム製剤の製造装置について説明する。
<リポソーム製剤の製造装置>
以下、図面を参照しながら本発明のリポソーム製剤の製造装置について説明する。
なお、上述の第1の実施態様の製造方法に用いる製造装置については、第1の実施態様、上述の第2の実施態様の製造方法に用いる製造装置については、第2の実施態様として説明するが、これらの製造装置に限定されるものではない。
まず、第1の実施態様の製造装置について説明する。なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記す。
(第1の実施態様)
図1は、本発明のリポソーム製剤の製造装置(第1の実施態様)全体の概略図である。
図1は、本発明のリポソーム製剤の製造装置(第1の実施態様)全体の概略図である。
図1に示すように、本発明のリポソーム製剤の製造装置(第1の実施態様)は、
圧力容器10と、
前記圧力容器10に、第1の濾過滅菌手段22を介して、リポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部24と、
前記圧力容器10に、第2の濾過滅菌手段32を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部34と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器10に供給された後に、圧力容器10内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部40と、
前記超臨界制御部40によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器10内に、第3の濾過滅菌手段52を介して薬剤水溶液を供給する薬剤水溶液供給部54と、
前記圧力容器10内において攪拌手段12により薬剤水溶液と超臨界二酸化炭素との混合溶液を調製した後に、圧力容器10内を減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製するリポソーム調製制御部60と
を基本的に備える。
圧力容器10と、
前記圧力容器10に、第1の濾過滅菌手段22を介して、リポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部24と、
前記圧力容器10に、第2の濾過滅菌手段32を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部34と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器10に供給された後に、圧力容器10内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部40と、
前記超臨界制御部40によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器10内に、第3の濾過滅菌手段52を介して薬剤水溶液を供給する薬剤水溶液供給部54と、
前記圧力容器10内において攪拌手段12により薬剤水溶液と超臨界二酸化炭素との混合溶液を調製した後に、圧力容器10内を減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒を減圧溜去して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製するリポソーム調製制御部60と
を基本的に備える。
さらに、圧力容器10内に、フィルター滅菌手段72を介して気体を供給する気体供給部74を備えることも好ましい。
またさらに、圧力容器10内において調製された、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する充填部78を備えることもさらに好ましい。
リポソーム製剤の製造装置に用いられる圧力容器10としては、特に限定されないが、500気圧まで耐圧可能であり、内部をガラス窓により目視観察することができるように構成されているステンレス製のオートクレーブが好ましい。
この圧力容器10は、図1に示すように、溶液供給部24、液化二酸化炭素供給部34、加圧手段44、薬剤水溶液供給部54、リポソーム調製制御部60、気体供給部74と配管を介して連結されており、原料や気体が流通可能に構成されているとともに、圧力容器10は、充填部78と配管を介して連結されており、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を移送可能に構成されている。
溶液供給部24は、攪拌手段26、加熱手段28を備えており、図示しない投入口から有機溶剤と、リポソーム膜構成成分を供給し、加熱手段28で溶液供給部24内を加熱しながら攪拌手段26で攪拌して、リポソーム膜構成成分を有機溶剤に溶解させる。
溶液供給部24内で、リポソーム膜構成成分の溶液が調製されると、溶液供給部24から第1の濾過滅菌手段22を通過させて、この溶液を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段22としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
一方、液化二酸化炭素供給部34においては、二酸化炭素が液化される。
この液化二酸化炭素供給部34には、図示しない冷却手段、加圧手段が備えられており、従来公知の方法により液化二酸化炭素が調製される。
液化二酸化炭素供給部34内で、液化二酸化炭素が調製されると、液化二酸化炭素供給部34から第2の濾過滅菌手段32を通過させて、この液化二酸化炭素を圧力容器10内
に供給する。濾過滅菌手段32としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
に供給する。濾過滅菌手段32としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
このように、濾過滅菌されたリポソーム膜構成成分の溶液、濾過滅菌された液化二酸化炭素が供給管を通じて圧力容器10内に供給されると、攪拌手段12で攪拌しながら、圧力容器10内を臨界制御部40により所定の条件となるように加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする。
この臨界制御部40は、加温手段42と加圧手段44とからなる。加温手段42は圧力容器10を囲むように配置されており、圧力容器10内を所定の温度に加温することができる。加圧手段44は、フィルター滅菌手段46を通過させて気体を供給することによって圧力容器10内を所定の圧力に加圧することができる。
このように臨界制御部40により温度と圧力とを制御して超臨界二酸化炭素を生成させた後、供給部54から第3の濾過滅菌手段52を通過させ、供給管を通じて圧力容器10内に薬剤水溶液を供給する。
薬剤水溶液供給部54には、攪拌手段56、加熱手段58が備えられており、図示しない投入口から水と、薬剤とを薬剤水溶液供給部54内に供給し、必要に応じて加熱手段58により薬剤水溶液供給部54内を加熱しながら攪拌手段56で攪拌して、薬剤を溶解させる。
薬剤水溶液供給部54内で、薬剤水溶液が調製されると、薬剤水溶液供給部54から第3の濾過滅菌手段52を通過させ、供給管を通じてこの溶液を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段52としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
圧力容器10内に薬剤水溶液供給部54から薬剤水溶液を供給しながら、攪拌手段12により薬剤水溶液を混合し、混合溶液を調製する。
混合溶液を得た後に、圧力容器10内を、リポソーム調製制御部60により所定の圧力となるように減圧して、この混合溶液から二酸化炭素とともに有機溶媒を減圧溜去して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。
このリポソーム調製制御部60としては、減圧装置が挙げられる。
薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製した後、さらに、圧力容器10内に、気体供給部74からフィルター滅菌手段72を通過させ、供給管を通じて気体を供給し、圧力容器10内を大気圧にする。この気体としては、大気、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。また、濾過滅菌手段72としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
このように圧力容器10内において、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液が調製されると、圧力容器10の底部から分散液を抜き出し、濾過手段76を通過させ、供給管を通じて無菌状態に保持された充填部78に供給し、この分散液を滅菌容器に充填する。
濾過手段76としては濾過膜が挙げられる。この濾過膜は0.1〜0.4μmの孔径を有して
おり、このような濾過膜を通過させることにより粒径の調整を容易に行うことができる。
おり、このような濾過膜を通過させることにより粒径の調整を容易に行うことができる。
この充填部78は、無菌状態が保持された滅菌室であれば特に限定することなく用いることができ、従来公知の自動制御された充填装置を有することが好ましい。このように無菌条件下で滅菌容器にリポソームの水性分散液を充填することにより、本発明のリポソーム製剤を調製することができる。
第1の実施態様の製造装置においては、いずれの供給部、調製部、供給管等の原料や気体が接する箇所は滅菌処理されている。したがって、得られるリポソーム製剤は無菌であり、かつ、発熱性物質の現出もないので、薬物の担体や人工酸素運搬体として好適に使用することができる。
このような本発明に用いられる第1の実施態様の製造装置は、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、第2の実施態様の製造装置について説明する。なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記す。
(第2の実施態様)
図2は、本発明のリポソーム製剤の製造装置(第2の実施態様)全体の概略図である。
図2は、本発明のリポソーム製剤の製造装置(第2の実施態様)全体の概略図である。
図2に示したように本発明のリポソーム製剤の製造装置(第2の実施態様)は、
圧力容器10と、
前記圧力容器10に、第1の濾過滅菌手段22を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部24と、
前記圧力容器10に、第2の濾過滅菌手段32を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部34と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器10に供給された後に、圧力容器10内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部40と、
前記超臨界制御部40によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器10内に、第4の濾過滅菌手段82を介して水を供給する水供給部84と、
前記圧力容器10内において攪拌手段12により超臨界二酸化炭素と水との混合溶液を調製した後、圧力容器10内を大気圧以下に減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製するリポソーム粉末調製制御部90と、
前記リポソーム粉末に、第3の濾過滅菌手段52を介して薬剤水溶液を攪拌下に供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する薬剤水溶液供給部54と
を基本的に備える。
圧力容器10と、
前記圧力容器10に、第1の濾過滅菌手段22を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部24と、
前記圧力容器10に、第2の濾過滅菌手段32を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部34と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器10に供給された後に、圧力容器10内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部40と、
前記超臨界制御部40によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器10内に、第4の濾過滅菌手段82を介して水を供給する水供給部84と、
前記圧力容器10内において攪拌手段12により超臨界二酸化炭素と水との混合溶液を調製した後、圧力容器10内を大気圧以下に減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製するリポソーム粉末調製制御部90と、
前記リポソーム粉末に、第3の濾過滅菌手段52を介して薬剤水溶液を攪拌下に供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する薬剤水溶液供給部54と
を基本的に備える。
さらに、圧力容器10内において調製された、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を濾過して粒径を制御する濾過手段94を備えることが好ましい。
またさらに、圧力容器10内において調製された、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する充填部78を備えることもさらに好ましい。
リポソーム製剤の製造装置に用いられる圧力容器10としては、特に限定されないが、500気圧まで耐圧可能であり、内部をガラス窓により目視観察することができるように構成されているステンレス製のオートクレーブが好ましい。
この圧力容器10は、図2に示すように、溶液供給部24、液化二酸化炭素供給部34、加圧手段44、薬剤水溶液供給部54、リポソーム調製制御部60、気体供給部74、水供給部84と配管を介して連結されており、原料や気体が流通可能に構成されているとともに、圧力容器10は、充填部78と配管を介して連結されており、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を移送可能に構成されている。
溶液供給部24は、攪拌手段26、加熱手段28が備えており、図示しない投入口から有機溶剤と、リポソーム膜構成成分を供給し、加熱手段28で溶液供給部24内を加熱しながら攪拌手段26で攪拌して、リポソーム膜構成成分を溶解させる。
溶液供給部24内で、リポソーム膜構成成分の溶液が調製されると、溶液供給部24から第1の濾過滅菌手段22を通過させ、供給管を通じてこの溶液を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段22としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
一方、液化二酸化炭素供給部34において、二酸化炭素が液化される。
この液化二酸化炭素供給部34には、図示しない冷却手段、加圧手段が備えられており、従来公知の方法により液化二酸化炭素を調製する。
液化二酸化炭素供給部34内で、液化二酸化炭素が調製されると、液化二酸化炭素供給部34から第2の濾過滅菌手段32を通過させ、供給管を通じてこの液化二酸化炭素を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段32としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
このように、圧力容器10内に、濾過滅菌して得られたリポソーム膜構成成分の溶液、濾過滅菌して得られた液化二酸化炭素が供給されると、攪拌手段12で攪拌しながら、圧力容器10内を臨界制御部40により所定の条件となるように加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする。
また、臨界制御部40は加温手段42と加圧手段44とからなる。加温手段42は圧力容器10を囲むように配置されており、圧力容器10内を所定の温度に加温することができる。加圧手段44は、フィルター滅菌手段46を通過させて加圧気体を供給することによって圧力容器10内を所定の圧力に加圧することができるように構成されている。
このように臨界制御部40により温度と圧力とを制御して超臨界二酸化炭素を生成させた後、第4の濾過滅菌手段82を通過させ、供給管を通じて水供給部84から濾過滅菌された水を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段82としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
圧力容器10内に水供給部84から濾過滅菌された水を供給しながら、攪拌手段12により超臨界二酸化炭素と混合し、混合溶液を調製する。
混合溶液を得た後に、圧力容器10内を、リポソーム粉末調製制御部90により大気圧以下に減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する。このリポソーム粉末調製制御部90は、
冷却装置92、減圧装置60からなる。図2において、加温手段42と冷却手段92は、同一の部分を指すが、これら2つの機能を有する場合を例にとって説明する。
冷却装置92、減圧装置60からなる。図2において、加温手段42と冷却手段92は、同一の部分を指すが、これら2つの機能を有する場合を例にとって説明する。
まず、減圧装置60により圧力容器10内を所定の圧力となるように減圧して、この混合溶液から二酸化炭素とともに有機溶媒を減圧溜去して、水が内包されたリポソームの水性分散液を調製する。
水が内包されたリポソームの水性分散液を調製した後、このような分散液を、濾過手段94を通過させて、濾過することも好ましい。
濾過手段94は、図2に示すように、圧力容器10に循環流通路が備えられ、この水性分散液が循環するように構成されている場合には、その循環管の途中に設けられていてもよく、一方、分散液を移送通路を介して圧力容器10から別の容器に移送するように構成されている場合には、その移送管の途中に設けられていてもよい。濾過膜は、0.1〜0.4μmの孔径を有しており、このような濾過膜を通過させることによりリポソームの粒径調整を容易に行うことができる。
次いで、圧力容器10内を減圧装置60で減圧するとともに、冷却手段92で冷却して、水が内包されたリポソームの水性分散液を凍結乾燥して水を昇華させ、リポソーム粉末を調製する。
リポソーム粉末を調製した後、さらに、圧力容器10内に、気体供給部74からフィルター滅菌手段72を通過させ、供給管を通じて気体を供給し、圧力容器10内を大気圧にすることもできる。また、濾過滅菌手段72としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
このようにリポソーム粉体を調製した後、薬剤水溶液供給部54から薬剤水溶液を送液し第3の濾過滅菌手段52を通過させて圧力容器10内のリポソーム粉体に供給する。圧力容器10内において、攪拌手段12により薬剤水溶液とリポソーム粉体とを混合すると、薬剤水溶液がリポソーム粉体の内部に浸透し、薬剤水溶液が内包されたリポソームの水性分散液が調製される。
薬剤水溶液供給部54には、攪拌手段56、加熱手段58が備えられており、図示しない投入口から水と、薬剤を供給し、必要に応じて加熱手段58により薬剤水溶液供給部54内を加熱しながら攪拌手段56で攪拌して、薬剤を溶解させる。
薬剤水溶液供給部54内で、薬剤水溶液が調製されると、薬剤水溶液供給部54から第3の濾過滅菌手段52を通過させ、供給管を通じてこの溶液を圧力容器10内に供給する。濾過滅菌手段52としては、濾過滅菌フィルターが用いられる。濾過滅菌フィルターは、孔径0.45μm以下であるのが好ましい。例えば、孔径0.2μmの濾過滅菌フィルターが用いられる。
このように圧力容器10内において、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液が調製されると、圧力容器10の底部から分散液を抜き出し、供給管を通じて無菌状態に保持された充填部78に供給し、この分散液を滅菌容器に充填する。この供給管には、濾過手段が備えられていてもよい。
この充填部78は、無菌状態が保持された滅菌室であれば特に限定することなく用いることができ、従来公知の自動制御された充填装置を有することが好ましい。このように無
菌条件下で滅菌容器に分散液を充填することにより、本発明のリポソーム製剤を調製することができる。
菌条件下で滅菌容器に分散液を充填することにより、本発明のリポソーム製剤を調製することができる。
このような第2の実施態様の製造装置においては、いずれの供給部、調製部、供給管等の原料や気体が接する箇所は滅菌処理されている。したがって、得られるリポソーム製剤は無菌であり、かつ、発熱性物質の現出もないので、薬物の担体や人工酸素運搬体として好適に使用することができる。
このような本発明に用いられる第2の実施態様の製造装置は、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
リポソーム製剤の製造は、図1に示される本発明の第1の態様の装置を用いて行った。
攪拌手段26と、加温手段28とを装備した溶液供給部24内において、攪拌手段26で攪拌しながらジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)0.04gをエタノール0.9ml
に溶解させ、定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター22(アドバンテック社製 セルロース混合エステルタイプメンブレンフィルターA020A025A)で濾過滅菌しながら圧力容器10に供給した。圧力容器10内を加温手段42で60℃に加熱し、液化二酸化炭素を供給部34から定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター32で濾過滅菌しながら圧力容器10に13g供給した。仕込み後、この圧力容器10を加圧手段44で50kg/cm2から200kg/cm2まで加圧して超臨界二酸化炭素を生成させ
、次いで、薬剤溶液供給部54内で調製されたイオヘキソール溶液647mg/ml(ヨウド含有率300mg/ml)、トロメタモール1.21mg/ml、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa-Ca)0.1mg/mlを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整した溶液5gを定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター52で濾過滅菌しながら攪拌下に連続的に注入した。その後圧力容器10内を、リポソーム調製制御部(減圧装置)60で減圧して二酸化炭素とエタノールを排出し、イオヘキソールを含有するリポソームの水性分散液を得た。減圧溜去後、気体供給部74から系内に孔径0.2μmの滅菌フィルター72でフィルター滅菌しながら大気を導入し、圧力容器10内を大気圧にした。さらに得られた分散液を、孔径0.1μmの濾過膜76(アドバンテック社製のセルロース系フィルターA010A025A)で加圧濾過しながら、無菌状態に管理された充填部78に送液し、充填部78において滅菌されたガラスバイアル中に充填し、リポソーム製剤を封入した。
に溶解させ、定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター22(アドバンテック社製 セルロース混合エステルタイプメンブレンフィルターA020A025A)で濾過滅菌しながら圧力容器10に供給した。圧力容器10内を加温手段42で60℃に加熱し、液化二酸化炭素を供給部34から定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター32で濾過滅菌しながら圧力容器10に13g供給した。仕込み後、この圧力容器10を加圧手段44で50kg/cm2から200kg/cm2まで加圧して超臨界二酸化炭素を生成させ
、次いで、薬剤溶液供給部54内で調製されたイオヘキソール溶液647mg/ml(ヨウド含有率300mg/ml)、トロメタモール1.21mg/ml、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa-Ca)0.1mg/mlを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整した溶液5gを定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター52で濾過滅菌しながら攪拌下に連続的に注入した。その後圧力容器10内を、リポソーム調製制御部(減圧装置)60で減圧して二酸化炭素とエタノールを排出し、イオヘキソールを含有するリポソームの水性分散液を得た。減圧溜去後、気体供給部74から系内に孔径0.2μmの滅菌フィルター72でフィルター滅菌しながら大気を導入し、圧力容器10内を大気圧にした。さらに得られた分散液を、孔径0.1μmの濾過膜76(アドバンテック社製のセルロース系フィルターA010A025A)で加圧濾過しながら、無菌状態に管理された充填部78に送液し、充填部78において滅菌されたガラスバイアル中に充填し、リポソーム製剤を封入した。
得られたリポソーム製剤は、以下に示す吸光度の測定により、薬剤がリポソーム膜構成成分に対して7.4倍の重量比となる量で内包されていることが確認された。また、以下に
示す凍結破砕法による電子顕微鏡観察によって、リポソームが、実質的に一枚膜であり、平均粒径は120nmであることが確認された。
示す凍結破砕法による電子顕微鏡観察によって、リポソームが、実質的に一枚膜であり、平均粒径は120nmであることが確認された。
得られたリポソーム製剤の無菌試験を行った。無菌試験は、クリーンベンチの中で約1gのリポソーム製剤を取り、滅菌した下記組成の寒天培地に塗抹し、72時間、35℃の条件で培養したときのコロニー数を確認することにより行った。その結果、コロニー数は0であった。
<SCDA培地(40.0g/1000mL)組成>
トリプトン(カゼインペプトン) 15.0g
ソイペプトン(ソーヤペプトン) 5.0g
塩化ナトリウム5.0g
寒天抹 15.0g
精製水 1000mL
pH7.3±0.1
<ヨウド化合物のヨウドの定量>
得られたリポソーム製剤を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊して、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量を求めた。
<凍結破砕法>
得られたリポソーム製剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム製剤(リポソーム分散液)を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
<SCDA培地(40.0g/1000mL)組成>
トリプトン(カゼインペプトン) 15.0g
ソイペプトン(ソーヤペプトン) 5.0g
塩化ナトリウム5.0g
寒天抹 15.0g
精製水 1000mL
pH7.3±0.1
<ヨウド化合物のヨウドの定量>
得られたリポソーム製剤を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊して、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量を求めた。
<凍結破砕法>
得られたリポソーム製剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム製剤(リポソーム分散液)を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
平均粒径は、観察されたリポソーム粒子約20個の粒径を測定し、その平均値から求めた。リポソーム粒子の構造は、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差のないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。約20個の粒子を観察し、一枚膜構造のものが8割以上であるものを実質的に一枚膜リポソームであると判定した。
リポソーム製剤の製造は、図2に示される本発明の第2の態様の装置を用いて行った。
攪拌手段26と、加温手段28とを装備した溶液供給部24内において、攪拌手段26で攪拌しながらジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)0.04gをエタノール0.9ml
に溶解させ、定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター22(アドバンテック社製 セルロース混合エステルタイプメンブレンフィルターA020A025A)で濾過滅菌しながら圧力容器10に供給した。圧力容器10内を加温手段42で60℃に加熱し、液化二酸化炭素を供給部34から定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター32で濾過滅菌しながら圧力容器10に13g供給した。仕込み後、この圧力容器10を加圧手段44で50kg/cm2から200kg/cm2まで加圧して超臨界二酸化炭素を生成させ
、次いで、水供給部84から注射用水を定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター82で濾過滅菌しながら攪拌下に連続的に注入した。その後圧力容器10内をリポソーム調製制御部(減圧装置)60で減圧して二酸化炭素、エタノールを排出してリポソームの水性分散液を得た後、孔径0.1μmの濾過膜94(アドバンテック社製のセルロース系フィルターA010A025AP33)で加圧濾過して粒径を調整した。次いで、圧力容器10内を、リポソーム調製制御部(減圧装置)60で8Paまで減圧し、冷却装置92で−78℃に冷却して、混合溶液を凍結乾燥し、リポソーム粉体を得た。凍結乾燥後、気体供給部74から圧力容器10内に孔径0.2μmの滅菌フィルター72でフィルター滅菌しながら大気を導入し、圧力容器10内を大気圧にするとともに室温とする。このリポソーム粉体が存在する圧力容器10内に、攪拌装置12で攪拌しながら次いで、薬剤溶液供給部54内で調製されたイオヘキソール溶液647mg/ml(ヨウド含有率300mg/ml)、トロメタモール1.21mg/ml、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa-Ca)0.1mg/mlを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整した溶液5gを定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター52で濾過滅菌しながら連続的に注
入し、イオヘキソールを含有するリポソームの水性分散液を得た。得られた分散液を、無菌状態に管理された充填部78に定量ポンプを用いて送液し、充填部78において滅菌されたガラスバイアル中に充填し、リポソーム製剤を封入した。
に溶解させ、定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター22(アドバンテック社製 セルロース混合エステルタイプメンブレンフィルターA020A025A)で濾過滅菌しながら圧力容器10に供給した。圧力容器10内を加温手段42で60℃に加熱し、液化二酸化炭素を供給部34から定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター32で濾過滅菌しながら圧力容器10に13g供給した。仕込み後、この圧力容器10を加圧手段44で50kg/cm2から200kg/cm2まで加圧して超臨界二酸化炭素を生成させ
、次いで、水供給部84から注射用水を定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター82で濾過滅菌しながら攪拌下に連続的に注入した。その後圧力容器10内をリポソーム調製制御部(減圧装置)60で減圧して二酸化炭素、エタノールを排出してリポソームの水性分散液を得た後、孔径0.1μmの濾過膜94(アドバンテック社製のセルロース系フィルターA010A025AP33)で加圧濾過して粒径を調整した。次いで、圧力容器10内を、リポソーム調製制御部(減圧装置)60で8Paまで減圧し、冷却装置92で−78℃に冷却して、混合溶液を凍結乾燥し、リポソーム粉体を得た。凍結乾燥後、気体供給部74から圧力容器10内に孔径0.2μmの滅菌フィルター72でフィルター滅菌しながら大気を導入し、圧力容器10内を大気圧にするとともに室温とする。このリポソーム粉体が存在する圧力容器10内に、攪拌装置12で攪拌しながら次いで、薬剤溶液供給部54内で調製されたイオヘキソール溶液647mg/ml(ヨウド含有率300mg/ml)、トロメタモール1.21mg/ml、エデト酸カルシウム2ナトリウム(EDTANa-Ca)0.1mg/mlを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整した溶液5gを定量ポンプを用い、孔径0.2μmのろ過滅菌フィルター52で濾過滅菌しながら連続的に注
入し、イオヘキソールを含有するリポソームの水性分散液を得た。得られた分散液を、無菌状態に管理された充填部78に定量ポンプを用いて送液し、充填部78において滅菌されたガラスバイアル中に充填し、リポソーム製剤を封入した。
得られたリポソーム製剤は、以下に示す吸光度の測定により、薬剤がリポソーム膜構成成分に対して7.8倍の重量比となる量で内包されていることが確認された。また、以下に
示す凍結破砕法による電子顕微鏡観察によって、リポソームが、実質的に一枚膜であり、平均粒径は120nmであることが確認された。
示す凍結破砕法による電子顕微鏡観察によって、リポソームが、実質的に一枚膜であり、平均粒径は120nmであることが確認された。
得られたリポソーム製剤の無菌試験を行った。無菌試験は、クリーンベンチの中で約1gのリポソーム製剤を取り、滅菌した下記組成の寒天培地に塗抹し、72時間、35℃の条件で培養したときのコロニー数を確認することにより行った。その結果、コロニー数は0であった。
本発明のリポソーム製剤の製造方法によれば、製造工程が全て無菌状態に管理され、さらに超臨界二酸化炭素を用いてリポソームを調製しているため、リポソーム製剤を無菌的に製造することができる。したがって、この製造方法により得られる本発明のリポソーム製剤は無菌であり、かつ、死菌による発熱性物質の現出もないので、薬物の担体や人工酸素運搬体として好適に使用することができる。さらに、得られるリポソーム製剤に含まれるリポソームは、実質的に一枚膜であるので、従来のリポソームに比べて薬剤の内包率が高い。
また、本発明のリポソーム製剤の製造装置は、本発明のリポソーム製剤の製造方法を実施するのに好適に用いることができる。
10 圧力容器
12,26,56 攪拌手段
22 第1の濾過滅菌手段
24 溶液供給部
28 加熱手段
32 第2の濾過滅菌手段
34 液化二酸化炭素供給部
40 超臨界制御部
42 加温手段
44 加圧手段
46 フィルター滅菌手段
52 第3の濾過滅菌手段
54 薬剤水溶液供給部
58 加熱手段
60 リポソーム調製制御部
72 フィルター滅菌手段
74 気体供給部
76 濾過手段
78 充填部
82 第4の濾過滅菌手段
84 水供給部
90 リポソーム粉末調製制御部
92 冷却装置
12,26,56 攪拌手段
22 第1の濾過滅菌手段
24 溶液供給部
28 加熱手段
32 第2の濾過滅菌手段
34 液化二酸化炭素供給部
40 超臨界制御部
42 加温手段
44 加圧手段
46 フィルター滅菌手段
52 第3の濾過滅菌手段
54 薬剤水溶液供給部
58 加熱手段
60 リポソーム調製制御部
72 フィルター滅菌手段
74 気体供給部
76 濾過手段
78 充填部
82 第4の濾過滅菌手段
84 水供給部
90 リポソーム粉末調製制御部
92 冷却装置
Claims (16)
- リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された薬剤水溶液を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と、
を有することを特徴とするリポソーム製剤の製造方法。 - 前記工程において薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を得た後に、圧力容器内にフィルター滅菌された気体を供給する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のリポソーム製剤の製造方法。
- リポソームの水性分散液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜で濾過する工程を有することを特徴とする請求項2に記載のリポソーム製剤の製造方法。
- リポソーム膜構成成分を有機溶媒に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌するとともに圧力容器に供給する工程と、
濾過滅菌された液化二酸化炭素を圧力容器に供給する工程と、
前記工程により溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする工程と、
前記工程により生成された超臨界二酸化炭素を攪拌しながら濾過滅菌された水を供給し、混合溶液を調製する工程と、
前記工程で混合溶液を得た後に、圧力容器内を減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製する工程と、
前記工程で得られたリポソーム粉末に、濾過滅菌された薬剤水溶液を攪拌下に供給して、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する工程と
を有することを特徴とするリポソーム製剤の製造方法。 - 前記リポソーム粉末を調製する工程が、二酸化炭素と有機溶媒とが減圧溜去された混合溶液を0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜で濾過し、次いで凍結乾燥する工程であることを特徴とする請求項4に記載のリポソーム製剤の製造方法。
- 前記リポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する工程を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造方法。
- 前記薬剤が、水溶性かつ非イオン性のヨウド系化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とするリポソーム製剤。
- 薬剤がリポソーム膜構成成分に対して3〜8倍の重量比となる量で内包されているリポソームを含有していることを特徴とする請求項8に記載のリポソーム製剤。
- 前記リポソームが、実質的に一枚膜であることを特徴とする請求項8または9に記載のリポソーム製剤。
- 超臨界二酸化炭素を用いたリポソーム製剤の製造装置であって、
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を供給する薬剤水溶液供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により薬剤水溶液と超臨界二酸化炭素との混合溶液を調製した後に、圧力容器内を大気圧以下に減圧して、この混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去することにより薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製するリポソーム調製制御部と
を備えることを特徴とする、リポソーム製剤の製造装置。 - 前記圧力容器内に、フィルター滅菌手段を介して気体を供給する気体供給部を備えることを特徴とする、請求項11に記載のリポソーム製剤の製造装置。
- 超臨界二酸化炭素を用いたリポソーム製剤の製造装置であって、
圧力容器と、
前記圧力容器に、第1の濾過滅菌手段を介してリポソーム膜構成成分が溶解している溶液を供給する溶液供給部と、
前記圧力容器に、第2の濾過滅菌手段を介して液化二酸化炭素を供給する液化二酸化炭素供給部と、
前記溶液と液化二酸化炭素とが圧力容器に供給された後に、圧力容器内を加温加圧して液化二酸化炭素を超臨界状態とする超臨界制御部と、
前記超臨界制御部によって生成された超臨界二酸化炭素が存在する圧力容器内に、第4の濾過滅菌手段を介して水を供給する水供給部と、
前記圧力容器内において攪拌手段により超臨界二酸化炭素と水との混合溶液を調製した後、圧力容器内を大気圧以下に減圧して該混合溶液から二酸化炭素と有機溶媒とを減圧溜去し、次いで該混合溶液を凍結乾燥してリポソーム粉末を調製するリポソーム粉末調製制御部と、
前記リポソーム粉末に、第3の濾過滅菌手段を介して薬剤水溶液を攪拌下に供給することにより、薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を調製する薬剤水溶液供給部と
を備えることを特徴とする、リポソーム製剤の製造装置。 - 前記リポソームの水性分散液を濾過して粒径を制御する濾過手段を備えることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造装置。
- 前記濾過手段が、0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜であることを特徴とする請求項14に記載のリポソーム製剤の製造装置。
- 前記薬剤が内包されたリポソームの水性分散液を、無菌条件下において滅菌容器に充填する充填部を備えることを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載のリポソーム製剤の製造装置。
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