JP2005183232A - 燃料電池用電極−膜接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極−膜接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池用電極−膜接合体の発電性能を確保することができる燃料電池用電極−膜接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池用電極−膜接合体の製造方法は、負極側拡散層21に塗布する負極側下地層22を、カーボン28、バインダーおよび溶媒29で構成し、カーボン28とバインダーと溶媒29との質量和を分母とし、カーボン28とバインダーとの質量和を分子として得る値を、負極側下地層22の固形分率と呼び、カーボン28の粒径を0.1〜10μmとし、負極側下地層22の固形分率を2〜20wt%とし、負極側下地層22の粘度を0.05〜1Pa・sとし、負極側下地層22を、表面22aをブレード44でならすことで負極側拡散層21に塗布するものである。
【選択図】図4

Description

本発明は燃料電池用電極−膜接合体の製造方法に係り、特に、正・負極側の拡散層、正・負極側の下地層、正・負極側の電極層および電解質膜を積層した燃料電池用電極−膜接合体の製造方法に関するものである。
図10は従来の燃料電池用電極−膜接合体を示す断面図である。
燃料電池用電極−膜接合体100は、負極側拡散層101に負極側下地層102を積層し、負極側下地層102に負電極層103を積層し、負電極層103に電解質膜104を積層し、電解質膜104に正電極層105を積層し、正電極層105に正極側下地層106を積層し、正極側下地層106に正極側拡散層107を積層したものである。
この燃料電池用電極−膜接合体100を製造する際に、一例としてアルコールを用いて燃料電池用電極−膜接合体100の接合性を保つ製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−130375号公報
この公報の技術は、例えば正電極層106のカーボン108…に触媒として白金を胆持し、この表面にナフィオン(登録商標:デュポン社)製の膜を形成し、このナフィオン膜の一部をアルコールでゲル状に溶解し、白金を胆持したカーボン108…同士の結着性を良好に確保するものである。
通常、燃料電池用電極−膜接合体100には、負極側拡散層101として多孔質のカーボンペーパーを用い、負極側下地層102としてカーボン108とバインダー(図示せず)とを混合したものを用いる。
このカーボンペーパーは多孔質のシートである。このため、カーボンペーパーの表面に孔が形成され、表面は比較的大きな凹凸状になっている。
このため、負極側拡散層101に塗布した負極側下地層102の表面が、比較的大きな凹凸状になり、負極側下地層102に塗布した負電極層103の表面が、比較的大きな凹凸状になる。
よって、負電極層103の表面に塗布する電解質膜104の膜厚を均一に確保することは難しい。
次図で、電解質膜104の膜厚について詳しく説明する。
図11は図10の11部拡大図であり、電解質膜104を形成する工程を説明する図である。
まず、負極側拡散層101としてのカーボンペーパーの表面101aに、負極側下地層102をスクリーン印刷(図示せず)で塗布する。
ここで、スクリーン印刷とは、網目状のスクリーンをカーボンペーパーの上方に配置し、このスクリーンの表面をスキージで加圧しながら、スキージを負極側拡散層101に沿って移動することで、スクリーンの網目から負極側拡散層101に負極側下地層102を塗布することをいう。
スクリーン印刷の際に、スキージを負極側拡散層101に沿って移動するので、負極側下地層102を負極側拡散層101の表面101aに倣わせて塗布することになる。
負極側拡散層101としてカーボンペーパーを用いることで、表面101が比較的大きな凹凸状になる。この負極側拡散層101の表面101aに沿って負極側下地層102をスクリーン印刷することで、負極側下地層102の表面102aが大きな凹凸状になる。
さらに、スクリーン印刷完了後、スクリーンを負極側下地層101の表面101aから離す際に、スクリーンの網目が負極側下地層101の表面101aに残る。
加えて、負極側下地層102は、比較的大粒のカーボン109…(…は複数を示す)を含んでいる。このため、大粒のカーボン109…で負極側拡散層101の表面101aを凹凸状にする虞がある。
以上の理由から、負極側下地層102の表面102aはさらに大きな凹凸状になることが考えられる。
この負極側下地層102の表面102aに負電極層103をスプレー塗工で塗布する。
このため、負電極層103の表面103aが負極側下地層102の表面102aと同様に比較的大きな凹凸状になる。
この負電極層103の表面103aに、電解質膜104をブレード塗工で塗布する。
ここで、ブレード塗工とは、電解質膜104を塗布した直後に、塗布した電解質膜104の表面104aに沿って、ブレードを移動することで塗布量を制御することをいう。
よって、電解質膜104をブレード塗工で塗布することで、電解質膜104の塗布量を好適に調整することが可能になり、加えて電解質膜104の表面104aを平坦にできるという利点がある。
しかし、電解質膜104をブレード塗工すると、電解質膜104の表面104aをブレードで平坦に形成することになり、負電極層103の凸部103bの箇所で電解質膜104の膜厚t1が薄くなる。
このように、電解質膜104の膜厚t1が、負電極層103の凸部103bの箇所で薄くなる。電解質膜104の膜厚104aに局部的に膜厚t1の薄い箇所があると、燃料電池用電極−膜接合体100を発電する際に、燃料電池用電極−膜接合体100の発電性能を確保することは難しい。
本発明は、燃料電池用電極−膜接合体の発電性能を確保することができる燃料電池用電極−膜接合体の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、正・負極の一方側の拡散層に下地層を塗布し、この下地層が未乾燥のうちに、正・負極の一方の電極層を塗布し、この電極層が未乾燥のうちに電解質膜を塗布し、この電解質膜が未乾燥のうちに、正・負極の他方の電極層を塗布し、この電極層が未乾燥のうちに、正・負極の他方側の拡散層に下地層を塗布した二層体を重ね合わせて未乾燥状態の電極−膜接合体を得、この未乾燥状態の電極−膜接合体を乾燥する燃料電池用電極−膜接合体の製造方法であって、前記正・負極の一方側の拡散層に塗布する下地層を、カーボン粒、バインダーおよび溶媒で構成し、カーボン粒とバインダーと溶媒との質量和を分母とし、カーボン粒とバインダーとの質量和を分子として得る値を、この下地層の固形分率と呼び、このカーボン粒の粒径を0.1〜10μmとし、この下地層の固形分率を2〜20wt%とし、この下地層の粘度を0.05〜1Pa・sとし、この下地層の表面をブレードでならすことで前記正・負極の一方側の拡散層に塗布することを特徴とする。
粘度には、パスカル秒(Pa・s)、ポアズ(P)、センチポアズ(cP)、重量キロウラム秒毎平方メートル(kgf・s/m)などの単位が用いられているが、ここではSI単位のパスカル秒(Pa・s)を使用する。
正・負極の一方側の拡散層に下地層を塗布する。この下地層に含むカーボン粒の粒径を0.1〜10μmとすることでカーボン粒を小径にし、この下地層の固形分率を2〜20wt%とすることで粘度を0.05〜1Pa・sと下げた。
加えて、正・負極の一方側の拡散層に下地層を塗布する際に、この下地層の表面をブレードでならすようにした。
このように、カーボン粒を小径にするとともに下地層の粘度を下げ、かつ下地層を塗布する際に下地層の表面をブレードでならすことで、下地層の表面を平坦にする。
この下地層に、正・負極の一方の電極層を塗布し、この電極層に電解質膜を塗布することで、電解質膜を平坦に塗布する。
ここで、下地層に含むカーボン粒の粒径を0.1〜10μmとした理由は以下の通りである。
すなわち、カーボン粒の粒径が0.1μm未満になると、カーボン粒の粒径が小さくなりすぎて、正・負極の一方側の拡散層にカーボン粒が染み込んでしまう。
よって、多孔質の拡散層に目詰まりが生じてしまい、発電の際にガスの拡散性が低下する。
加えて、カーボン粒の粒径が0.1μm未満になると、カーボン粒の粒径が小さくなりすぎて、下地層の密度が密になりすぎて、発電の際にガスの拡散性が低下する。
そこで、カーボン粒の粒径を0.1μm以上にすることで、拡散層の目詰まりを抑え、かつ下地層の密度をある程度粗に保つようにした。これにより、発電の際にガスの拡散性を好適に保つことができる。
一方、カーボン粒の粒径が10μmを超えると、カーボン粒の粒径が大きくなりすぎて、下地層の表面を平坦することが難しい。
そこで、カーボン粒の粒径を10μm以下にすることで、下地層の表面を平坦にするようにした。
さらに、下地層の固形分率を2〜20wt%とした理由は以下の通りである。
すなわち、下地層の固形分率が2wt%未満になると、カーボン粒およびバインダーが少量になり、粘度が下がりすぎる。
よって、下地層が拡散層に染み込み易くなり、多孔質の拡散層に目詰まりが生じてしまい、ガスの拡散性が低下する。そこで、下地層の固形分率を2wt%以上にすることで、拡散層の目詰まりを抑え、発電の際にガスの拡散性を好適に保つようにした。
一方、下地層の固形分率が20wt%を超えると、カーボン粒およびバインダーが多量になり、粘度が上がりすぎる。このため、下地層の表面張力が大きくなりすぎて、下地層の表面を平坦することが難しい。
そこで、下地層の固形分率を20wt%以下にすることで、下地層の表面を平坦にするようにした。
加えて、下地層の粘度を0.05〜1Pa・sとした理由は以下の通りである。
すなわち、下地層の粘度が0.05Pa・s未満になると、下地層の粘度が下がりすぎてしまう。よって、下地層が拡散層に染み込み易くなり、多孔質の拡散層に目詰まりが生じてしまい、発電の際にガスの拡散性が低下する。
そこで、下地層の粘度を0.05Pa・s以上にすることで、拡散層の目詰まりを抑え、ガスの拡散性を好適に保つようにした。
一方、下地層の粘度が1Pa・sを超えると、下地層の粘度が上がりすぎる。このため、下地層の表面張力が大きくなりすぎて、下地層の表面を平坦することが難しい。
そこで、下地層の粘度が1Pa・s以下にすることで、下地層の表面を平坦にするようにした。
請求項1に係る発明では、下地層の表面を平坦にすることで、電解質膜の膜厚を均一にして、燃料電池用電極−膜接合体の発電性能を確保することができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体を備えた燃料電池ユニットを示す分解斜視図である。
燃料電池ユニット10は、複数(2個)の燃料電池単体(セル)11,11で構成したものである。
この燃料電池単体11は、燃料電池用電極−膜接合体12の両側にそれぞれ負極側セパレータ13および正極側セパレータ14を備える。
燃料電池用電極−膜接合体12は、負極側拡散層21、負極側下地層22、負電極層23、電解質膜24、正電極層25、正極側下地層26、正極側拡散層27を積層したものである。
負極側拡散層21および正極側拡散層27で燃料電池用電極−膜接合体12の両側を構成する。
負極側拡散層21に負極側セパレータ13を積層する。負極側セパレータ13の流路溝15を負極側拡散層21で覆い、負極側拡散層21および流路溝15で水素ガス流路17を形成する。
また、正極側拡散層27に正極側セパレータ14を積層する。正極側セパレータ14の流路溝16を正極側拡散層27で覆い、正極側拡散層27および流路溝16で酸素ガス流路18を形成する。
燃料電池用電極−膜接合体12は、負極側拡散層21、負極側下地層22、負電極層23、電解膜質24、正電極層25、正極側下地層26、正極側拡散層27を積層したものである。
このように、構成した燃料電池単体11を複数個(図1では2個のみを示す)備えることで、燃料電池ユニット10を構成する。
なお、燃料電池用電極−膜接合体12については図2で詳しく説明する。
燃料電池ユニット10によれば、水素ガス流路17に水素ガスを供給するとともに、酸素ガス流路18に酸素ガスを供給することで、電子(e)を矢印の如く流して電流を発生する。
図2は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体を示す説明図である。
燃料電池用電極−膜接合体12は、負極側拡散層21に負極側下地層22を積層し、負極側下地層22に負電極層23を積層し、負電極層23に電解質膜24を積層し、電解質膜24に正電極層25を積層し、正電極層25に正極側下地層26を積層し、正極側下地層26に正極側拡散層27を積層したものである。
負極側拡散層21および正極側拡散層27は、一例として多孔質のカーボンペーパーに撥水性処理を施したものである。
負極側下地層22は、一例として粒状のカーボン(カーボン粒)28、バインダー(図示せず)および溶媒29で構成したものである。
負極側下地層22のバインダーとして、例えば熱可塑性フッ素樹脂(THV)を用い、溶媒29として、NMP(N−メチル・2・ピロリドン)、メチルエチルケトン(MEK)などを用いる。
負極側下地層22のバインダーとして、熱可塑性フッ素樹脂(THV)を用いることで、負極側下地層22を撥水性に優れた層とする。
なお、負極側下地層22のバインダーは、熱可塑性フッ素樹脂(THV)に限定するものではなく、溶媒29は、NMP(N−メチル・2・ピロリドン)、メチルエチルケトン(MEK)に限定するものではない。
正極側下地層26は、一例として粒状のカーボン(カーボン粒)31、バインダー(図示せず)および溶媒32で構成したものである。
正極側下地層26のバインダーとして、例えばパーフルオロスルホン酸系ポリマーを用い、溶媒32として、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどを用いる。
正極側下地層26のバインダーとして、パーフルオロスルホン酸系ポリマーを用いることで、正極側下地層26を吸水性に優れた層とする。
なお、正極側下地層26のバインダーは、パーフルオロスルホン酸系ポリマーに限定するものではなく、溶媒32は、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノールに限定するものではない。
負電極層23は、負極用の溶媒に触媒(電極粒)を混合し、塗布後に溶媒を乾燥することで固化したものである。負電極層23の触媒は、カーボンの表面に触媒として白金−ルテニウム合金を担持したものである。
正電極層25は、正極用の溶媒に触媒(電極粒)を混合し、塗布後に溶媒を乾燥することで固化したものである。正電極層25の触媒は、カーボンの表面に触媒として白金を担持したものである。
電解質膜24は、炭化水素系固体高分子に溶媒を加えてペースト状にしたものを負電極層23に塗布した後、溶媒を除去するとともに乾燥することで、負電極層23および正電極層25と一体に固化したものである。
なお、電解質膜24は、膜厚tを略均一に形成したものである。
以下、燃料電池用電極−膜接合体12の製造方法を図3〜図9に基づいて説明する。
図3(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側拡散層に負極側下地層を塗布する例を説明する図である。
(a)において、載置台41に負極側拡散層21をセットする。負極側拡散層21は、多孔質のカーボンペーパーであり、その表面21aは比較的大きな凹凸状になっている。
(b)において、負極側拡散層21に負極側下地層22をブレード塗布装置42でブレード塗工(blade cating)する。
すなわち、ブレード塗布装置42の吐出ノズル43から、負極側拡散層21に、スラリー状の負極側下地層22を吐出させながら、吐出ノズル43を矢印aの如く移動する。
吐出ノズル43の後方からブレード44を矢印bの如く移動する。
ここで、負極側下地層22に含むカーボン28の粒径を0.1〜10μmとすることでカーボン28を小径にした。
加えて、負極側下地層22の固形分率を2〜20wt%とすることで粘度を0.05〜1Pa・s(50〜1000センチポアズ(cP))に下げた。
図4(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側拡散層に負極側下地層を塗布した状態を説明する図である。
(a)において、ブレード44を矢印bの如く移動することで、ブレード44の下辺44aで負極側下地層22の表面22aをならす。
負極側下地層22に含むカーボン28の粒径を0.1〜10μmと小径にし、負極側下地層22の固形分率を2〜20wt%として粘度を0.05〜1Pa・sと下げ、負極側下地層22の表面22aをブレード44の下辺44aでならす。
これにより、負極側下地層22の表面22aを、負極側拡散層21の凹凸状の表面21aの影響を受けないで平坦にすることができる。
ここで、負極側下地層22の固形分率とは、負極側下地層22のカーボン28とバインダー(図示せず)と溶媒29との質量和を分母とし、カーボン28とバインダー(図示せず)との質量和を分子として得る値である。
すなわち、負極側下地層22の固形分率(wt%)=
[(カーボン28の質量)+(バインダーの質量)]/[(カーボン28の質量)+(バインダーの質量)+(溶媒29の質量)]の関係が成立する。
ここで、負極側下地層22に含むカーボン28の粒径を0.1〜10μmとした理由は以下の通りである。
すなわち、カーボン28の粒径が0.1μm未満になると、カーボン28の粒径が小さくなりすぎて、負極側拡散層21にカーボン28が染み込んでしまう。
よって、多孔質の負極側拡散層21に目詰まりが生じてしまい、発電の際にガスの拡散性が低下する。
加えて、カーボン28の粒径が0.1μm未満になると、カーボン28の粒径が小さくなりすぎて、負極側下地層22の密度が密になりすぎて、発電の際にガスの拡散性が低下する。
そこで、カーボン28の粒径を0.1μm以上にすることで、負極側拡散層21の目詰まりを抑え、かつ負極側下地層22の密度をある程度粗に保つようにした。
これにより、発電の際にガスの拡散性を好適に保つことができる。
一方、カーボン28の粒径が10μmを超えると、カーボン28の粒径が大きくなりすぎて、負極側下地層22の表面22aを平坦することが難しい。
そこで、カーボン28の粒径を10μm以下にすることで、負極側下地層22の表面22aを平坦にするようにした。
さらに、負極側下地層22の固形分率を2〜20wt%とした理由は以下の通りである。
すなわち、負極側下地層22の固形分率が2wt%未満になると、カーボン28およびバインダー(図示せず)が少量になり、粘度が下がりすぎる。
よって、負極側下地層22が負極側拡散層21に染み込み易くなり、多孔質の負極側拡散層21に目詰まりが生じてしまい、発電の際にガスの拡散性が低下する。
そこで、負極側下地層22の固形分率を2wt%以上にすることで、負極側拡散層21の目詰まりを抑え、発電の際にガスの拡散性を好適に保つようにした。
一方、負極側下地層22の固形分率が20wt%を超えると、カーボン28およびバインダー(図示せず)が多量になり、粘度が上がりすぎる。
このため、負極側下地層22の表面張力が大きくなりすぎて、負極側下地層22の表面22aを平坦することが難しい。
そこで、負極側下地層22の固形分率を20wt%以下にすることで、負極側下地層22の表面22aを平坦にするようにした。
加えて、負極側下地層22の粘度を0.05〜1Pa・sとした理由は以下の通りである。
すなわち、負極側下地層22の粘度が0.05Pa・s未満になると、負極側下地層22の粘度が下がりすぎてしまう。
よって、負極側下地層22が負極側拡散層21に染み込み易くなり、多孔質の負極側拡散層21に目詰まりが生じてしまい、発電の際にガスの拡散性が低下する。
そこで、負極側下地層22の粘度を0.05Pa・s以上にすることで、負極側拡散層21の目詰まりを抑え、発電の際にガスの拡散性を好適に保つようにした。
一方、負極側下地層22の粘度が1Pa・sを超えると、負極側下地層22の粘度が上がりすぎる。このため、負極側下地層22の表面張力が大きくなりすぎて、負極側下地層22の表面22aを平坦することが難しい。
そこで、負極側下地層22の粘度が1Pa・s以下にすることで、負極側下地層22の表面22aを平坦にするようにした。
(b)において、負極側下地層22の表面22aをブレード44の下辺44a((a)参照)で平坦にならした後、負極側下地層22が、負極側拡散層21の凹凸状の表面21aに倣って僅かに凹凸状になる。
しかし、負極側下地層22の表面22aをブレード44で平坦にならしてあるので、負極側下地層22が、負極側拡散層21の凹凸状の表面21aに倣っても、負極側下地層22の表面22aを略平坦の状態に保つ。
図5(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側下地層に負電極層を塗布する例を説明する図である。
(a)において、負極側下地層22が未乾燥のうちに、負極側下地層22の上方に、スプレー塗布装置47の噴射ノズル48を配置する。
噴射ノズル48から、スラリー状の負電極層23を噴射させながら、噴射ノズル48を矢印cの如く負極側下地層22の表面22aに沿って移動する。
(b)において、噴射ノズル48((a)参照)から負電極層23を噴射させて、未乾燥状態の負極側下地層22の表面22aに負電極層23をスプレー塗布する。
負極側下地層22の表面22aが略平坦なので、負電極層23の表面23aを、負極側下地層22の表面22aと同様に略平坦の状態に保つ。
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負電極層に電解質膜を塗布する例を説明する図である。
(a)において、負電極層23が未乾燥のうちに、負電極層23に、ワニス状の電解膜質24をブレード塗布装置51でブレード塗工する。
すなわち、ブレード塗布装置51の吐出ノズル52から、未乾燥状態の負電極層23に電解膜質24を吐出させながら、吐出ノズル52を矢印dの如く移動する。
吐出ノズル52の後方からブレード53を矢印eの如く移動することで、ブレード53の下辺53aで負電極層24の表面24aをならす。
電解質膜24をブレード塗工で塗布することで、電解質膜24の塗布量を好適に調整することが可能になり、加えて電解質膜24の表面24aを平坦にできるという利点がある。
(b)において、負電極層23の表面23aが略平坦の状態に形成されているので、電解質膜24の表面24aを、ブレード53の下辺53aでならした状態、すなわち平坦の状態を保つ。
ここで、負電極層23の表面23aに電解質膜24の下側の表面24bが接触する。電解質膜24の下側の表面24bは、負電極層23の表面23aと同様に、略平坦の状態を保つ。
このように、電解質膜24の下側の表面24bを略平坦に形成するとともに、電解質膜24の表面24aを平坦に形成することで、電解質膜24の膜厚tを略均一にする。
図7(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の電解質膜に正電極層を塗布する例を説明する図である。
(a)において、電解質膜24が未乾燥のうちに、電解質膜24の上方に、スプレー塗布装置56の噴射ノズル57を配置する。
噴射ノズル57から、スラリー状の正電極層25を噴射させながら、噴射ノズル57を矢印fの如く電解質膜24の表面24aに沿って移動する。
(b)において、噴射ノズル57((a)参照)から正電極層25を噴射させて、未乾燥状態の電解質膜24に正電極層25をスプレー塗布する。
電解質膜24の表面24aが平坦なので、正電極層25の表面25aを、電解質膜24の表面24aと同様に平坦の状態に保つ。
図8(a),(b)は本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の正電極層に、正極側拡散層に正極側下地層を塗布した二層体を重ね合わせる例を説明する図である。
(a)において、正電極層25が未乾燥のうちに、正極側拡散層27に正極側下地層26を塗布した二層体61を矢印gの如くを重ね合わせる。なお、正極側下地層26も未乾燥状態を保つ。
このように、正電極層25に二層体61を重ね合わせることで、未乾燥状態の電極−膜接合体12を得る。
ここで、正極側拡散層27に正極側下地層26を塗布する方法は任意である。
すなわち、正極側拡散層27に正極側下地層26を塗布する方法は、図3(b)および図4(a)で示す負極側拡散層21に負極側下地層22を塗布する方法と同一でなくともよい。
しかしながら、正極側拡散層27に正極側下地層26を塗布する方法を、図3(b)および図4(a)で示す方法と同一にすることも可能である。
すなわち、正極側下地層26に含むカーボン31の粒径を0.1〜10μmと小径にし、正極側下地層26の固形分率を2〜20wt%として粘度を0.05〜1Pa・sと下げ、この正極側下地層26を塗布する際に、正極側下地層26の表面26aをブレードでならすことも可能である。
これにより、正極側下地層26の表面26aを、正極側拡散層27の凹凸状の表面27aの影響を受けないで平坦にすることができる。
(b)において、未乾燥状態の電極−膜接合体12を得た後、未乾燥状態の電極−膜接合体12に荷重Fをかけた状態でヒータ63で矢印hの如く加熱する。
未乾燥状態の電極−膜接合体12をヒータ63で加熱することで、未乾燥状態の電極−膜接合体12から溶媒を矢印iの如く蒸発させて、未乾燥状態の電極−膜接合体12を乾燥する。
図9は図8(b)の9部拡大図を示す図である。
電極−膜接合体12を乾燥して電極−膜接合体12から溶媒(図示せず)を除去した後において、電極−膜接合体12を乾燥する前の状態と同様に、電解質膜24の下側の表面24bを略平坦に保つとともに、電解質膜24の表面24aを平坦に保つ。
このため、電解質膜24の膜厚を、乾燥前の膜厚tと同様あるいは、乾燥前の膜厚tより僅かに薄くなった状態で、略均一に保つことが可能である。
これにより、燃料電池用電極−膜接合体12の発電性能を確保することができる。
なお、前記実施の形態では、燃料電池用電極−膜接合体12を、負極側拡散層21、負極側下地層22、負電極層23、電解質膜24、正電極層25、正極側下地層26、正極側拡散層27の順に積層したものを例に説明したが、これに限らないで、燃料電池用電極−膜接合体12を、正極側拡散層27、正極側下地層26、正電極層25、電解質膜24、負電極層23、負極側下地層22、負極側拡散層21の順に積層することも可能である。
また、前記実施の形態では、ブレード塗布装置42を移動して負極側下地層22を塗布し、ブレード塗布装置51を移動して電解質膜24を塗布する例について説明したが、これに限らないで、ブレード塗布装置42,51を固定し、被塗布層側を移動して、負極側下地層22や電解質膜24を塗布することも可能である。
さらに、前記実施の形態では、スプレー塗布装置47,56などの噴射ノズル48,57などを移動して、負電極層23や正電極層25などを塗布する例について説明したが、これに限らないで、スプレー塗布装置47,56などを固定し、被塗布層側を移動して、負電極層23や正電極層25などを塗布することも可能である。
また、前記実施の形態では、電解質膜24をブレード塗布装置51を用いて塗布した例について説明したが、これに限らないで、スプレー塗布装置を用いて電解質膜24を塗布することも可能である。
本発明は、正・負極側の拡散層、正・負極側の下地層、正・負極側の電極層および電解質膜を積層した燃料電池用電極−膜接合体の製造方法に好適である。
本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体を備えた燃料電池ユニットを示す分解斜視図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体を示す説明図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側拡散層に負極側下地層を塗布する例を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側拡散層に負極側下地層を塗布した状態を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負極側下地層に負電極層を塗布する例を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の負電極層に電解質膜を塗布する例を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の電解質膜に正電極層を塗布する例を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用電極−膜接合体の正電極層に、正極側拡散層に正極側下地層を塗布した二層体を重ね合わせる例を説明する図である。 図8(b)の9部拡大図を示す図である。 従来の燃料電池用電極−膜接合体を示す断面図である。 図10の11部拡大図である。
符号の説明
10…燃料電池ユニット、12…燃料電池用電極−膜接合体、21…負極側拡散層、22…負極側下地層、23…負電極層、24…電解質膜、25…正電極層、26…正極側下地層、27…正極側拡散層、28,31…カーボン(カーボン粒)、29,32…溶媒。

Claims (1)

  1. 正・負極の一方側の拡散層に下地層を塗布し、この下地層が未乾燥のうちに、正・負極の一方の電極層を塗布し、この電極層が未乾燥のうちに電解質膜を塗布し、この電解質膜が未乾燥のうちに、正・負極の他方の電極層を塗布し、この電極層が未乾燥のうちに、正・負極の他方側の拡散層に下地層を塗布した二層体を重ね合わせて未乾燥状態の電極−膜接合体を得、この未乾燥状態の電極−膜接合体を乾燥する燃料電池用電極−膜接合体の製造方法であって、
    前記正・負極の一方側の拡散層に塗布する下地層を、カーボン粒、バインダーおよび溶媒で構成し、
    カーボン粒とバインダーと溶媒との質量和を分母とし、カーボン粒とバインダーとの質量和を分子として得る値を、この下地層の固形分率と呼び、
    このカーボン粒の粒径を0.1〜10μmとし、
    この下地層の固形分率を2〜20wt%とし、
    この下地層の粘度を0.05〜1Pa・sとし、
    この下地層の表面をブレードでならすことで前記正・負極の一方側の拡散層に塗布することを特徴とする燃料電池用電極−膜接合体の製造方法。
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