JP2005193281A - 内装リングを有する上部ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】 SN装置に内装リングを有する上部ノズルにおいて、鋳造後の酸素洗浄作業の際の内孔溶損を低減すること。
【解決手段】 上部ノズル1は、上部ノズル本体2と、モルタル4を介して上部ノズル本体の内孔に段差4によって形成された拡径部6に装着された内装リング3とから成る。 上部ノズル1の取鍋の底には下端面にモルタル4を介して配置されているSNの上部プレート8が取り付けられている。内装リング3の交換は上部プレート8を取り外し、内装リング3を拡径部6から引き下ろすことによって行われる。
【選択図】 図2
【解決手段】 上部ノズル1は、上部ノズル本体2と、モルタル4を介して上部ノズル本体の内孔に段差4によって形成された拡径部6に装着された内装リング3とから成る。 上部ノズル1の取鍋の底には下端面にモルタル4を介して配置されているSNの上部プレート8が取り付けられている。内装リング3の交換は上部プレート8を取り外し、内装リング3を拡径部6から引き下ろすことによって行われる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、溶鋼の連続鋳造でスライディングノズル(SN)装置に使用される上部ノズル構造、とくに、内装リングを有する上部ノズルに関する。
SN装置を構成する上部ノズル、上部プレート、下部プレート、下部ノズルなどには、耐火物として優れた耐食性、耐酸化摩耗性、耐熱衝撃性などを具備することが要求され、従来からこの要求に対応すべくアルミナ・カーボン質の耐火物が広く使用されている。
中でも、取鍋に設けられたSN装置は、鋳造後には、必ず上部ノズル内孔と上部プレート内孔に付着した地金を除去するために酸素吹き付けによる酸素洗浄作業が行われている。
この酸素洗浄作業は、鉄製のランスパイプからの酸素吹き付けによって付着した地金を発熱酸化除去するものであるが、高温の溶融FeOを多量に生じ、これが耐火物と反応して耐火物、とくに、上部ノズルの内孔を著しく溶損する。そして、使用回数が増すに従って溶損量が増大し、上部プレートと上部ノズルのノズル孔の径を拡大して、流量制御の安定性が保てなくなる。また、上部プレートのダボ部の残肉厚が薄くなり、溶鋼の漏洩の危険性が高くなる。
このため、この酸素洗浄作業によるノズル孔の溶損の対策が従来から種々講じられている。
例えば、特許文献1には、損耗した上部ノズルの内孔を酸素で洗浄した後、筒状耐火物からなる内装リングを挿入し、ノズル孔内壁と内装リングとの間にモルタルを充填することで内装リングを取り付けることが記載されている。しかしながら、その内装リングは酸素洗浄時の溶損によって生じた内孔の凹凸面に充填したモルタルによって取り付けられることになるので、モルタルによる目地厚のバラツキが生じ、熱膨張による応力吸収が不十分になったり、内装リングの取り付け状態が不良となるなどの不具合が生じる。さらには内装リングは、支持機構もなく、フリーの状態で支持されるので、脱落しやすい問題もある。また、上部ノズルの溶損形態によっては、上部、すなわち取鍋の内部からモルタルを充填する作業が必要であり、非常に手間を要することにもなる。さらには、筒状耐火物の材質として、高アルミナ質、溶融シリカ質、ジルコン質、あるいは粘土質が使用されているが、これらの耐火物では、酸素洗浄に対して十分な耐用性がない。
また、特許文献2には、上部ノズルを仮焼アルミナ20〜40重量%と金属粉を5〜25重量%含有する緻密化されたアルミナカーボン質から構成することによって、仮焼アルミナと金属粉との作用によりマトリックスを緻密化して、溶融FeOに対する耐抗性を改善し、溶損を低減させることが記載されている。これによって、材質的に上部ノズルの耐用性はかなり向上したものの、使用回数を増やすためには、さらに、酸素洗浄による溶損を抑制することが必要である。
特開昭55−54261号公報
特開平11−246264号公報
本発明の第1の課題は、SN装置に内装リングを有する上部ノズルにおいて、鋳造後の酸素洗浄作業の際の内孔溶損を低減することにある。
他の課題は、上部ノズル本体の溶損による影響を無くすことができる内装リングを装着した上部ノズルを提供することにある。
さらに、他の課題は、内装リングを装着した上部ノズルにおいて、内装リングを交換可能に設置した上部ノズルを提供することにある。
さらに、他の課題は、上部ノズル本体間のモルタルによる目地厚のバラツキがなく、リングが確実に拘束される上部ノズルの構造を提供することにある。
さらに、他の課題は、SN装置が稼働状態にあっても、簡単に内装リングを交換できる上部ノズルを提供することにある。
本発明は、溶鋼の連続鋳造に用いられるスライディングノズル装置の上部ノズル構造であって、上部ノズル本体の内孔面の下流側端部に段差のある拡径部を形成し、この拡径部内にマグネシアクロム質のリング状耐火物をモルタルを介して装着したことを特徴とする。
段差のある拡径部とは、段差によって内径が拡大し、内孔が1つの段差によって下流側拡径部の段差開始部から下流方向に下端面まで直線状をなしている部分である。しかも、拡径部は下流方向に内孔径が拡大するように傾斜していても良い。
内装リングの上端面は上部ノズル本体の内孔の段差面に、また、下端面はプレートのダボ部の上面に確実に拘束される構造になっており確実な取り付けが可能である。しかも、交換時は、上部プレート本体を外すと、上部ノズルの拡径部に嵌合した内装ノズルの下端面が露出し、拘束がなくなるので使用済み(溶損した)内装リングを新品と簡単に交換することができる。したがって、このリングは、上部ノズルがSN装置に設置されているいわゆる使用状態においても、内装リングのみの交換が可能である。
リングの材質としては、耐FeO性、耐熱衝撃性、耐酸化性、及び耐溶鋼摩耗性等により、マグネシアクロム質が好ましい。通常、上部ノズル、下部ノズル、プレート等の溶鋼通過孔を有するノズルは、非常に厳しい耐スポーリング性を要求されるため、近年ではほとんどが炭素結合による耐火物しか使用されていない。炭素結合とすることで、低弾性率化と低膨張率化するため、炭素を含有しない耐火物に比較すると耐用性が格段に優れていることが当然である。しかしながら、本発明においては、炭素結合を有しないマグネシアクロム質が十分適用でき、しかもアルミナカーボン質、マグネシアカーボン質、スピネルカーボン質、及びスピネル質等の炭素含有れんがよりも勝っていることを知見した。
しかしながら、内装リングを構成するマグネシアクロム質は、優れた耐酸化性と耐FeO性を有するものであるが、耐スポーリング性に劣るという欠点を有する。このマグネシアクロム質の前記の上部ノズル本体への取り付け構造により、マグネシアクロム質の欠点を低減することで、耐酸化性及び耐FeO性に優れるメリットを活かして、他材質よりも格段に耐用性が向上する。しかも、上部プレートの内孔溶損も大きく低減する。
マグネシアクロム質としては、製鋼用、セメントロータリーキルン、廃溶融炉等で耐火物として一般的に使用されているマグネシアクロムれんがの材質であれば問題なく使用できる。
モルタルとしては、連続鋳造用ノズル間、取鍋やタンディッシュにおいて羽口れんがに対して上部ノズルを装着する場合、あるいは羽口れんがに対してポーラスプラグを装着する際に一般的に使用されているモルタルを使用することができる。このようなモルタルは、焼付きにくい利点をもっており、比較的容易にリングの取り外し、取り付けに際して、簡単に除去できる。具体的には、カーボンを含有したモルタル等で、比較的焼結しにくいアルミナ等の原料粉末を主成分として、バインダーとしては水ガラスやリン酸類を使用したものが使い易い。また、シート状、あるいは板状をしたモルタルも使用することが可能である。
モルタルの目地厚は、好ましくは0.5〜3mmである。目地厚が0.5mm未満では、リングの高さ方向および厚さ方向への膨張により生じる応力の吸収代が小さく、リング自体に圧縮応力が、また、母体には引っ張り応力が生じ、リングの圧壊もしくは、母体に亀裂が生じる。また、目地厚が3mmを越えると、ノズル内孔部からの地金および溶融FeOの差込が顕著となり、目地部の溶損から溶鋼の漏洩につながる危険性が高くなる。このような目地を設けることにより、リング状耐火物の膨張代が吸収され、応力が軽減される。
本発明の上部ノズルは、通常の上部ノズルに段差を有する拡径部を設けるものであるが、これは成形時に型枠によって成形することができるし、成形、加熱後に旋盤等で加工することもできる。また、マグネシアクロム質リングも同様に作成することができる。そして、通常は加熱あるいは焼成後の上部ノズルに、焼成後のリングをモルタルでセットする。
本発明の上部ノズル構造は、上部ノズルの下方の内装リングのみを交換する構造とし、かつその内装リングの材質をマグネシアクロム質とすることで、上部ノズルの耐用性が飛躍的に向上し、さらに上部プレートもダボ部の溶損を少なく抑えることができる。その結果、流量制御の操業条件が安定し、しかも大幅なコストダウンを達成し、さらに漏鋼に対する安全性が向上する。
本発明の上部ノズル構造は、上部ノズル本体の内孔、とくに、内装リングを取り付ける拡径部の内面は溶損することがない。このため、新しい内装リングに交換するときも上部ノズル本体と内装リング間の目地厚のバラツキがほとんど無くなり、正確な取り付けが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を実施例によって説明する。
図1は、本発明の上部ノズル1の縦断面図を示す。
同図において、上部ノズル1は、上部ノズル本体2と、モルタル4を介して上部ノズル本体の内孔に配置された内装リング3とから成る。円筒形状の内装リング3は、上部ノズル本体2の内孔5に形成された拡径部に装着されている。
この拡径部は6として示されており、上部ノズル本体の内孔5に設けられた段差によって形成されたものである。
この拡径部6の内面は、下端部まで直線状に、且つ、その内径は上端部より下端部の方が少し大きくなるように形成されている。そして、内装リング3も、それに合わせて、下端部の径を上端部より少し大きく、例えば、上端部の外径を120mmに、下端部の外径を122mmに、また高さを60mmに、平均肉厚を22mmに調製している。こうすることでリングをノズルの下側から装着する際に、モルタル4の充填性が向上する。
さらに、61は、図2に示す上部プレート8のダボを装着するために拡径部6の下端面に形成された凹部を示す。
図2は、図1に示す上部ノズル1を取鍋の底の羽口れんが7の内孔にモルタル4を介して装着した例を示す。
8は上部ノズル1の下端面にモルタル4を介して配置されているSNの上部プレートを示す。
上部プレート8は、図示していない下部プレートにより上方向に押圧された状態で、上部プレート8のダボ部81は、拡径部6の下端面に形成された凹部に装着される。従って、上部プレート8の拡径部6にモルタル4を介して取り付けられた内装リング3の上下方向の動きが規制されることになる。
内装リング3の交換に際しては、この内装リング3は、上部プレート8を取り外してそのまま引き抜くか、あるいはブレーカー等で崩すかによって、上部ノズル1の本体から簡単に取り外すことができる。
既設の内装リング3を取り外した後は、上部プレート本体の拡径部の内面に残ったモルタルを除去する。その後、交換用の新しい内装リングの上端面と外周面とにモルタルを塗布しておき、図の下側から挿入する簡便な作業で装着することができる。
内装リングは筒形であるが、その大きさは耐スポーリング性と耐酸素洗浄性の面からあまり大きくない方が良く。より好ましくは、内装リングの外径が150mm以下、高さが50〜150mm、肉厚が10〜25mmである。
外径は大きいと耐スポーリング性が低下する問題があり150mm以下が好ましい、下限はノズル孔の大きさに必要な内装リングの肉厚を加えた大きさである。一般的には40mm以上がより好ましい。内装リングの高さは、酸素洗浄による溶損の大きさと耐スポーリング性を考慮すると50mm以上150mm以下が好ましい。50mm未満では酸素洗浄による溶損部位をカバーすることが難しくなり、150mmを超えると耐スポーリング性が悪くなる。肉厚は10〜25mmであることがより好ましく、10mm未満では、内装リングの強度に問題があり、25mmを超えると耐スポーリング性が低下する。上部ノズルの拡径部及び内装リングは先端の外形が小さくなるようにしておくと、内装リングを挿入しやすくしかもモルタルの充填性も良くなり、よりセットがし易くなる。
図1に示す上部ノズル1において、表1に示す材質で作成した内装リング3を装着し、それぞれ取鍋に装着してテストを行った。
実施例1はダイレクトボンドのマグネシアクロム質、実施例2は実施例1とは化学成分が異なるセミリボンドのマグネシアクロム質、比較例1は不焼成のアルミナカーボン質、比較例2は黒鉛を含有しない低カーボンタイプの不焼成マグネシアカーボン質、比較例3は黒鉛を含有する低カーボンタイプの不焼成マグネシアカーボン質、比較例4は焼成高アルミナ質、比較例5は焼成マグスピネル質である。
テストは実際の取鍋のSN装置に取り付け毎回の鋳造後に酸素洗浄を行い、その後上部ノズルの内装リングの溶損状況を目視で観察し、溶損が大きくなった時点で上部ノズルを羽口れんがから引き抜き、内装リングの平均損傷寸法を算出した。評価は内装リングの平均損傷寸法で行った。
マグネシアクロム質である実施例1および2の内装リングは、比較例1と比較して、内装リングの内孔の溶損が大幅に軽減され、亀裂も軽微であった。溶損速度および内装リングの肉厚22mmから、使用可能回数は、現行材質の2倍近い耐用が得られることが判った。
比較例2である黒鉛を含有しないマグネシアカーボン質は、熱膨張率が高いことから、稼働面にスポーリングによる亀裂が生じマグネシア粒子が脱落することにより、内孔の損耗が大きく、使用可能回数が劣る結果となった。
比較例3である黒鉛を含有するマグネシアカーボン質は、稼働面の亀裂は軽微であったが、酸化によるぼろつきから内孔の損耗が大きく、使用可能回数の改善が認められなかった。
比較例4である焼成高アルミナ質は、稼働面の亀裂は軽微であったが、溶融FeOと低融点物資を生成するSiO2成分を含むことから、溶損が大きく、改善が認められなかった。比較例5である焼成マグスピネルは、稼働面の亀裂からの骨材粒子の脱落により損耗が大きくなり、使用可能回数の改善が認められなかった。
本発明の上部ノズルは、溶鋼の連続鋳造用のSN装置に好適であり、取鍋やタンディッシュ等で使用できる。
1 上部ノズル
2 上部ノズル本体
3 内装リング
4 モルタル
5 上部ノズルの内孔
6 拡径部 61 拡径部の下端に設けられた凹部
7 羽口れんが
8 上部プレート 81 上部プレートのダボ
9 SN装置の金枠
10 取鍋の鉄皮
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8 上部プレート 81 上部プレートのダボ
9 SN装置の金枠
10 取鍋の鉄皮
Claims (2)
- 上部ノズルの内孔の下流側端部に段差のある拡径部を形成し、この拡径部内に円筒状のマグネシアクロム質内装リングをモルタルを介して装着した内装リングを有する上部ノズル。
- 拡径部は、上部ノズルの内孔面に形成された1つの段差によって内径が拡大しており、 段差位置から下端面まで直線状をなす請求項1に記載の内装リングを有する上部ノズ ル。
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101524753B (zh) * | 2008-03-04 | 2011-05-11 | 苏州博能炉窑科技有限公司 | 易于快速更换的流口砖装置的设计方法 |
| JP2012200747A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Kurosaki Harima Corp | 上ノズル |
| JP2012200746A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Kurosaki Harima Corp | 上ノズル |
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2004
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