JP2005199260A - 油水分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱いが容易でかつ回収も容易であり、しかも、コンディショニングなどの煩雑な前処理を必要としない油水分離材を使用することにより、乳化油の分離除去を効率的になし得る小型の油水分離装置を提供する。
【解決手段】ケーシング内に充填される油水分離材として、親油性または親水性を有する繊維基材11に官能基12を導入したアニオン交換繊維10を用い、マイナスに帯電している乳化油の油粒子をプラスを帯びている官能基12の周りに凝集して粗粒化させ、該粗粒化した油粒子の一部を繊維基材に吸着させると共に、残りの一部を濾過作用により油水分離材に捕捉させる。また、所望により、油水分離材の後段に活性炭を配置し、前記油水分離材の層を通過した、粗粒化した油粒子を活性炭に吸着させて、さらなる油水分離を図る。
【選択図】図2

Description

本発明は、油を含む排水(含油排水)から油分を分離除去するための油水分離装置、特に乳化油の分離除去に向けて好適な油水分離装置に関する。
近年、産業用機械や生産設備に多種、多量の油が使用されており、これら機械、設備から排出される含油排水の量も膨大となっている。含油排水の性状は、油に含有されている酸化防止剤、各種安定化剤などの影響や、機械、設備の運転条件あるいは環境条件によって大きく変わるので、含油排水の処理は最も難しい技術の一つとされている。含油排水中の油分は、通常、水中で油粒子として目視にて判別できる状態にある浮上油と、油粒子が目視で判別できず、水中に懸濁状態(エマルジョン化した状態)にある乳化油とに大きく分けられる。このうち、浮上油については、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの有機化合物を基材とした繊維、織物、不織布などの吸油作用を有する親油性高分子材料に接触させることで、比較的容易に吸着除去できることが確認されている。しかし、乳化油については、これを効果的に分離除去する技術がいまだ確立しておらず、下記のごとき種々の方策が試みられているのが現状である。
その一つは、イオン系界面活性剤やイオン系高分子化合物を乳化油に添加して解乳化(油粒子の粗大化)した後、無機系凝集剤または有機系凝集剤を用いて凝集沈殿させて分離除去する方法である。しかし、この方法によれば、薬剤を使用するため、薬剤の計量並びに送液に特別の装置や制御が必要になることに加え、薬剤添加時のpH調整などの面倒な作業が必要になり、コスト的負担の増大や設置スペースの拡大が避けられない、という問題があった。
また、アミン系化合物を不織布や支持体に添着することによって、乳化油の油粒子を粗大化させる方法、あるいは樹脂繊維の表面に硫酸バリウム、酸化アルミニウム等の無機化合物の微粒子を添着することによって、乳化油の油粒子を粗大化させる方法などもあったが、何れの方法とも、不織布や支持体あるいは樹脂繊維に対して化合物を強固に結合させることが困難で、長期にわたって機能を維持することができない、という問題があった。
一方、イオン交換樹脂(アニオン交換樹脂)を含油排水に添加して攪拌し、エマルジョンを破壊することによって油分を浮上分離して除去する方法(特許文献1)、あるいはイオン交換樹脂の流動部に含油排水を通してエマルジョンを破壊し、油分を浮上分離して除去する方法(特許文献2)もある。このイオン交換樹脂の利用によれば、薬剤を使用したり、基材に化合物の微粒子を担持させる必要がなく、また化合物が基材から滑落するおそれがないので、比較的簡単にかつ長期的に安定して乳化油を分離除去できるようになる。
特開昭54−3363号公報 特開昭54−104654号公報
しかしながら、上記したイオン交換樹脂を用いてエマルジョンを破壊する方法によれば、所望の油分離除去効果を得るには、被処理水(含油排水)との接触面積を増やす必要があり、そのためには、イオン交換樹脂として粒径の細かい(0.5mm)ものを使用しなければならず、その取扱いが面倒であるばかりか、使用後の分別回収が困難になる、という問題があった。また、イオン交換樹脂は、保冷保管する必要があることに加え、使用前に官能基を転換するため、塩酸等の薬品のコンディショニングを行う必要があり、準備に煩雑な作業を要する、という問題があった、また、前記コンディショニングによりイオン交換樹脂の体積が15〜20%膨潤するため、油水分離装置としてユニット化する場合に装置が大型化する、という問題もあった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、取扱いが容易でかつ回収も容易であり、しかも、コンディショニングなどの煩雑な前処理を必要としない油水分離材を使用することにより、乳化油の分離除去を効率的になし得る小型の油水分離装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の発明は、繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維を油水分離材として用いたことを特徴とする。このように構成した油水分離装置においては、マイナスに帯電している乳化油の油粒子がプラスを帯びているアニオン交換繊維の官能基の周りに凝集して粗粒化し、繊維基材に吸着または捕捉される。
本第1の発明において、上記アニオン交換繊維の繊維基材は、親油性を有するものであっても、親水性を有するものであってもよい。また、該アニオン交換繊維の製造方法としては、放射線グラフト重合法を利用するのが望ましい。また、上記油水分離材は、アニオン交換繊維の不織布としても、アニオン交換繊維の成形体としてもよい。
上記課題を解決するため、第2の発明は、繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維と親油性を有する繊維とを油水分離材として併用したことを特徴とする。このように構成した油水分離装置においては、アニオン交換繊維の官能基の周りに凝集した油分が親油性繊維に効率よく吸着されるので、高価なアニオン交換繊維の一部をより価格の安い親油性繊維に置換しても、油水分離機能がそれほど低下しない。
本第2の発明において、そのアニオン交換繊維の繊維基材は、親水性を有するものとすることができる。また、油水分離材は、アニオン交換繊維と親油性繊維とを含む不織布とすることができるほか、アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とからなる構成とすることができる。成形体とする場合、前記アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とは、含油排水の流れ方向に交互に配置されるようにしても、あるいは前記アニオン交換繊維の成形体が含油排水の流れ方向の前段に、前記親油性繊維の成形体が該含油排水の流れ方向の後段に配置されるようにしてもよい。
本発明に係る油水分離装置は、上記油水分離材の後段に、活性炭を配置した構成としてもよいものである。
さらに、本発明に係る油水分離機は、特にその適用範囲を問わないが、空気圧縮機のドレン水排出系に介装してもよいものである。
第1の発明によれば、アニオン交換繊維を用いて効率よく乳化油を分離除去できるので、その構造は小型かつ簡単となる。また、油水分離材として繊維を取扱うので、取扱いが容易であるばかりかメンテナンスも容易となり、コンディショニングなどの煩雑な前処理も必要としないこともあって、コスト負担が著しく低減し、各種産業用機械や生産設備から排出される含油排水の油水分離に向けて好適となる。
本第1の発明において、そのアニオン交換繊維の繊維基材として親油性を有するものを用いた場合は、繊維基材に対して油が効率よく吸着されるので、油水分離機能がより一層向上する。また、そのアニオン交換繊維の繊維基材として親水性を有するものを用いた場合は、親油性を有するものを用いた場合もよりも材料費が低減する。また、アニオン交換繊維の製造方法として、放射線グラフト重合法を利用する場合は、繊維基材に対する官能基の結合が安定し、油水分離機能が長期的に安定維持される。また、油水分離材をアニオン交換繊維の不織布とした場合は、取扱いが容易になり、さらに、該油水分離材をアニオン交換繊維の成形体とした場合は、取扱いが容易になることに加え、組付性が向上する。
また、第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果が得られるほか、高価なアニオン交換繊維の一部をより価格の安い親油性繊維に置換するので、材料費が低減する。
本第2の発明において、そのアニオン交換繊維の繊維基材として、親水性を有するものを用いた場合は、親油性の繊維基材を用いる場合よりも材料費が低減する。また、その油水分離材を、アニオン交換繊維と親油性繊維とを含む不織布からなる構成とした場合は、取扱いが容易となり、また、該油水分離材を、アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とからなる構成とした場合は、取扱いが容易になることに加え、組付性が向上する。さらに、前記アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とを、含油排水の流れ方向に交互に配置した場合、または前記アニオン交換繊維の成形体が含油排水の流れ方向の前段に、前記親油性繊維の成形体が該含油排水の流れ方向の後段に配置されるようにした場合は、アニオン交換繊維の油粒子凝集機能と親油性繊維の油吸着機能とが効率よく発揮される。
また、油水分離材の後段に活性炭を配置した場合は、油水分離材により粗粒化された油粒子が、後段の活性炭に吸着されてさらに除去されるので、油水分離が一層進む。
さらに、本油水分離装置を空気圧縮機のドレン排出系に介装した場合は、小型で場所をとらないので、空気圧縮機の付帯装置として好適となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、空気圧縮機のドレン排出系に適用する場合の第1の実施形態を示したものである。同図において、1は空気圧縮機、2は、この空気圧縮機のエアタンクおよびエアドライヤーから排出されるドレン(含油排水)3を貯留するドレン回収タンク、4は、前記ドレン回収タンク2から本発明に係る油水分離装置5にドレン3を給送するポンプである。本油水分離装置5は、ケーシング6内に、後述のアニオン交換繊維10(図2)からなる油水分離材7を充填してなっており、ドレン回収タンク2から給送されたドレン3は、このケーシング6の一端から該ケーシング6内に流入し、ケーシング6内で油水分離された処理水がケーシング6の他端から排出される。なお、ドレン3に含まれる浮上油は、ドレン回収タンク2内で、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの親油性を有する繊維状物により除去される。
上記油水分離材7として用いられるアニオン交換繊維(イオン交換繊維)10は、図2に示されるように、繊維基材11とこの繊維基材11の表面に導入された官能基12とからなっており、前記官能基12はプラスに帯電している。一方、空気圧縮機1から排出されるドレン3内に含まれる乳化油の油粒子はマイナスを帯びている。したがって、前記したアニオン交換繊維10を油水分離材7として用いた油水分離装置5を上記した空気圧縮機1のドレン排出系に介装した場合は、ケーシング6内の油水分離材7の間をドレン3が流通する間に、ドレン3内に含まれる乳化油の油粒子がアニオン交換繊維10の表面の官能基12に引き寄せられる。そして、前記官能基12に引き寄せされた油粒子は、該官能基12の周りに凝集して粗粒化し、その一部は繊維基材11に吸着され、残りの一部は濾過作用により油水分離材7に捕捉される。すなわち、ドレン3は、本油水分離装置5内を通過する間に油水分離され、油水分離装置5のケーシング6からは、油分の著しく少ない水分が排出されるようになる。
本第1の実施形態において、上記アニオン交換繊維10の製造方法は任意であるが、放射線グラフト重合法を利用するのが望ましい。この放射線グラフト重合法によれば、繊維基材11の表面を直接改質することによって官能基12が形成されるので、該官能基12と繊維基材11との結合強度は十分となり、油水分離機能が長期にわたって安定維持される。
また、上記繊維基材11としては、ポリオレフィン系などの親油性繊維を用いても、ポリビニルアルコール系などの親水性の繊維を用いてもよい。繊維基材11として親油性繊維を用いた場合は、該親油性繊維の持つ吸油特性により、官能基12の周りに凝集した油粒子が繊維基材11に吸着され、油水分離効果が最大限に発揮される。一方、繊維基材11として親水性繊維を用いた場合は、繊維基材11の油吸着効果はあまり期待できないが、官能基12と凝集した油粒子との電気的な結合と油水分離材7全体の濾過作用とにより油分が捕捉され、この場合でも十分なる油水分離効果が得られる。
繊維基材11として親水性繊維を用いる場合は、繊維基材11の油吸着効果を補うため、図3に示されるように、親水性繊維を基材11としたアニオン交換繊維10に、イオン交換化しない親油性繊維(例えば、ポリオレフィン系繊維)13を適当量混入するようにしてもよい。このように親油性繊維13を適当量混入することで、アニオン交換繊維10の官能基12の周りに凝集した油粒子が、その近傍の親油性繊維13に吸着され、繊維基材11として親油性繊維を用いたアニオン交換繊維にほぼ近い油水分離効果が得られるようになる。
上記油水分離材7は、単に集合させた状態で上記ケーシング6内に充填してもよいが、不織布に加工した状態、または成形体の状態でケーシング6内に充填してもよく、何れの場合も、油水分離材7の取扱いはきわめて容易となり、しかもケーシング6内への組付けも容易となる。ここで、成形体の状態で充填し、かつ親水性繊維を基材11としたアニオン交換繊維10とイオン交換化しない親油性繊維13とを併用する場合は、前者と後者とを別々に成形体としてもよい。この場合、図4(A)に示すように、親水性繊維を基材11としたアニオン交換繊維10からなる第1成形体21と親油性繊維13からなる第2成形体22とをそれぞれ薄く形成して、両成形体21と22とをドレン3の流れ方向Fに交互に配置しても、あるいは図4(B)に示すように、両成形体21、22を厚く形成して、第1の成形体21をドレン3の流れ方向Fの前段に、第2成形体22をドレン3の流れ方向Aの後段に配置してもよい。何れの形態においても、アニオン交換繊維10の油粒子凝集機能と親油性繊維の油吸着機能とが効率よく発揮される。
図5は、上記した空気圧縮機のドレン排出系に適用する場合の第2の実施形態を示したものである。本第2の実施形態の特徴とするところは、上記した油水分離材7を充填したケーシング6の後段に、活性炭30を充填した槽(活性炭槽)31を配置した点にある。上記したようにドレン中に含まれる乳化油は、官能基12を有する繊維基材11に接触して粗粒化し、繊維基材11に吸着され、かつ濾過作用により油水分離材7に捕捉されるが、ここで粗粒化した油粒子の一部は、処理水と一緒にケーシング6から排出される。しかし、本第2の実施形態においては、前記ケーシング6から排出された処理水が活性炭槽31に導入され、かつ該槽31内を流通するので、この流通の間、処理水中に含まれる、粗粒化した油粒子が活性炭30に吸着される。
すなわち、本第2の実施形態によれば、前段の油水分離材7と後段の活性炭30との相乗効果で油水分離がより一層促進され、活性炭槽31からは、油分の著しく少ない水分が排出される。また、油水分離材7による油水分離効果は、その層高が高くなるほど大きくなるが、その層高を高くすると、圧損の増加が避けられないようになる。しかし、本第2の実施形態によれば、後段の活性炭30が油水分離効果を補うので、前記油水分離材7の層高を低くすることができ、結果として、ケーシング6内での圧損の増加が抑えられて、油水分離処理は長期的に安定する。ここで、前記活性炭30は、ケーシング6から独立した槽31内に配置することなく、ケーシング6内に油水分離材7とともにその後段に層状に配置してもよいものである。
なお、上記各実施の形態では、浮上油を回収する槽と本発明の油水分離材が充填される槽(ケーシング)とを独立に形成したが、これに限らず、両者は一つの槽内に配置してもよい。また、上記各実施の形態では、油水分離装置5内にドレン3を給送するためにポンプ4を用いたが、これに限らず、例えば水頭差を利用してドレン3を給送するようにしてもよい。
親油性のポリオレフィン系繊維基材に放射線グラフト重合法により官能基を導入したアニオン交換繊維と、親水性のポリビニルアルコール系繊維基材に官能基を化学的に導入したアニオン交換繊維とを、不織布の状態に加工した。そして、各繊維からなる不織布を、上記図1に示したケーシング6(内径20mm)内に油水分離材7として3g充填し、この油水分離装置5を、図1に示した態様で空気圧縮機1のドレン排出系に介装して通水試験を行った。通水試験は、前記ドレン回収タンク2に回収したドレン3から浮上油を除去し、乳化油を含むドレン3(油分281mg/L)のみを、ポンプ4の運転により油水分離装置5内に4.3mL/分の流速で給送し、油水分離装置5から排出される水を採取して、排水中に含まれるn−ヘキサン抽出物質濃度(n−hex)を経時的に測定する方法で行い、前記n−ヘキサン抽出物質濃が排水基準である5mg/Lに達するまでのドレン総通水量を求めた。この通水量は、油水分離材7の寿命に相当し、通水量が多いほど長いことを意味する。なお、比較のため、親水性のポリビニルアルコール系繊維基材に官能基を導入したカチオン交換繊維についても、同様の通水試験を行った。結果を図6に示す。
図6に示す結果より、親油性を有する繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維を油水分離材7として用いた実施例Aが、最もドレン総通水量が多くなっており、長期にわたって安定して油水分離機能が維持されることが明らかになった。一方、親水性を有する繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維を油水分離材7として用いた実施例Bは、前記実施例Aに及ばないものの、その総通水量はかなり高いレベルにあり、十分に油水分離機能が発揮されることが明らかとなった。なお、親水性を有する繊維基材に官能基を導入したカチオン交換繊維を油水分離材7として用いた比較(例)の場合は、n−hexが初期段階から排水基準を超え、乳化油を含むドレンの油水分離材としての使用は不可能であることが分った。
図7に示すカラム試験装置内の第1カラム(内径25mm)40に、前記アニオン交換繊維10(図2)からなる油水分離材7を層高100mmの高さとなるように11g充填すると共に、該第1カラム40に接続された第2カラム(内径25mm)41に、前記活性炭30(図1)を層高70mmとなるように20g充填して連続通水実験を行った。連続通水実験は、予め原水タンク42に全有機体炭素濃度(TOC)150〜330mg/Lの乳化油含有原水43を貯留し、室温(20〜25℃)の条件で、この乳化油含有原水42をポンプ44により前記第1、第2カラム40、41に給送し、2.0mL/minの流量で流通させる方法で行った。そして、一定時間経過後、第1カラム40から排出される処理水と第2カラム41から排出される処理水とを採取し、各処理水について油粒子(エマルジョン)の粒度分布を求めた。なお、原水タンク42内の乳化油含有原水43は、原水タンク42の下部に配置したマグネチックスターラー45により運動する撹拌子46により撹拌されるようになっている。
図8は、上記連続通水実験(実施例2)の結果を示したものである。図8中、IE10は第1カラム40から排出された処理水の結果を、IE10+AC7は第2カラム41から排出された処理水の結果をそれぞれ表わしており、各粒径におけるTOCの差が活性炭30により処理(除去)されたエマルジョンの量を示している。これより、活性炭は、粒径約5μmよりも大きいエマルジョンの除去に有効であることが明らかで、したがって、活性炭によるエマルジョンの除去効果を高めるには、前段の油水分離材との接触で、エマルジョンを5μm以上に粗粒化することが望ましい、とえる。
図7に示したと同様のカラム試験装置を用い、その第1カラム(内径25mm)40に、前記アニオン交換繊維10(図2)からなる油水分離材7を層高400mmの高さとなるように44g充填すると共に、第2カラム(内径25mm)41に、前記活性炭30(図1)を層高210mmとなるように60g充填して連続通水実験を行った。連続通水実験は、上記実施例2と同じ条件で、原水タンク42から乳化油含有原水43をポンプ44により前記第1、第2カラム40、41に給送し、同じ2.0mL/minの流量で流通させる方法で行った。そして、経時的に第1カラム40から排出される処理水と第2カラム41から排出される処理水とを採取し、各処理水についてn−ヘキサン抽出物質濃度(n−hex)を測定した。
図9は、上記連続通水実験(実施例3)の結果を示したものである。図9中、IE40は第1カラム40から排出された処理水の結果を、IE40+AC21は第2カラム41から排出された処理水の結果をそれぞれ表わしている。これより、n−hexが排水基準である5mg/Lに達するまでの時間(日数)は、アニオン交換繊維(油水分離材)のみで処理した場合、約10日となっているのに対し、活性炭による処理を付加した場合、約18日となっており、活性炭による処理の付加が、本油水分離装置全体の寿命延長に大きく寄与することが明らかとなった。
本発明に係る油水分離装置を空気圧縮機のドレン排出系に適用した第1の実施形態を示す模式図である。 本油水分離装置内の油水分離材を構成するアニオン交換繊維の集合状態を示す模式図である。 本油水分離材を構成するアニオン交換繊維の、他の集合状態を示す模式図である。 本油水分離材を種類の異なる繊維の成形体で構成した場合の、成形体の配列状態を示す模式図である。 本発明に係る油水分離装置を空気圧縮機のドレン排出系に適用した第2の実施形態を示す模式図である。 本発明の実施例1における通水試験の条件並びに結果を示す図表である。 本発明の実施例2、3で用いたカラム試験装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例2の通水試験結果を示したもので、本油水分離材のみで処理を行った場合と活性炭による処理を付加した場合とにおける、エマルジョンの粒度分布を示すグラフである。 本発明の実施例3の通水試験結果を示したもので、本油水分離材のみで処理を行った場合と活性炭による処理を付加した場合とにおける、n−hexに及ぼす処理時間の影響を示すグラフである。
符号の説明
1 空気圧縮機
2 ドレン回収タンク
3 ドレン
4 ポンプ
5 油水分離装置
6 ケーシング
7 油水分離材
10 アニオン交換繊維
11 繊維基材
12 官能基
21、22 成形体
30 活性炭
31 活性炭槽

Claims (13)

  1. 繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維を油水分離材として用いたことを特徴とする油水分離装置。
  2. アニオン交換繊維の繊維基材が、親油性を有することを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  3. アニオン交換繊維の繊維基材が、親水性を有することを特徴とする請求項1に記載の油水分離装置。
  4. アニオン交換繊維が、放射線グラフト重合法により製造されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の油水分離装置。
  5. 油水分離材が、アニオン交換繊維の不織布からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の油水分離装置。
  6. 油水分離材が、アニオン交換繊維の成形体からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の油水分離装置。
  7. 繊維基材に官能基を導入したアニオン交換繊維と親油性を有する繊維とを油水分離材として併用したことを特徴とする油水分離装置。
  8. アニオン交換繊維の繊維基材が、親水性を有すること特徴とする請求項7に記載の油水分離装置。
  9. 油水分離材が、アニオン交換繊維と親油性繊維とを含む不織布からなることを特徴とする請求項7または8に記載の油水分離装置。
  10. 油水分離材が、アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とからなり、前記両成形体は、含油排水の流れ方向に交互に配置されることを特徴とする請求項7または8に記載の油水分離装置。
  11. 油水分離材が、アニオン交換繊維の成形体と親油性繊維の成形体とからなり、前記アニオン交換繊維の成形体が含油排水の流れ方向の前段に、前記親油性繊維の成形体が該含油排水の流れ方向の後段に配置されることを特徴とする請求項7または8に記載の油水分離装置。
  12. 油水分離材の後段に、活性炭を配置したことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の油水分離装置。
  13. 空気圧縮機のドレン排出系に介装したことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の油水分離装置。

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