JP2005201422A - 車両の減速制御装置 - Google Patents

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邦裕 岩月
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Abstract

【課題】追従制御中にマニュアルシフトされた場合や、マニュアルシフト中に追従制御条件が成立した場合に、適切な減速制御が行われる車両の減速制御装置を提供する。
【解決手段】車両に制動力を生じさせる制動装置200の作動と、前記車両の変速機10を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより減速制御を行う車両の減速制御装置であって、前記車両が走行する道路勾配及び道路形状の少なくともいずれか一つを含む車両走行環境に基づく前記減速制御、又は手動による変速を伴う前記減速制御が行われているときに、前記車両と前記車両の前方の先行車を含む障害物との距離に基づく前記減速制御が行われるための条件が成立した場合には、前記距離に基づく減速制御が行われることなく、前記車両走行環境に基づく前記減速制御、又は前記手動による変速を伴う減速制御が行われるように制御される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の減速制御装置に関し、特に、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、自動変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する動作により、車両の減速制御を行う車両の減速制御装置に関する。
自動変速機とブレーキとを協調制御する技術としては、自動変速機をエンジンブレーキを働かせる方向にマニュアルシフトする際に、ブレーキを作動させるものが知られている。そのような自動変速機とブレーキの協調制御装置として、特許第2503426号公報(特許文献1)に開示された技術がある。
上記特許文献1には、自動変速機(A/T)においてエンジンブレーキを動作するためのマニュアルシフトの際に、変速開始時から実際にエンジンブレーキが働くまでのニュートラル状態による空走を車両のブレーキを作動して防止する技術が開示されている。
また、上記特許文献1には、以下のように記載されている。マニュアルダウンシフトの変速指令時間から所定時間又はエンジンブレーキが効きはじめる(A/Tの出力軸の負トルクが大きくなる)まで、変速の種類と車速等から求められる変速時のエンジン負トルクのピーク値に対応して、車両のブレーキを作動させる。マニュアルシフト時に車両のブレーキが変速時の負のA/T出力軸トルクに対応した制動力で作動されることから、マニュアルシフト時にエンジンブレーキの大きさに対応して、車両に制動力が加えられる。マニュアルシフトが行われた時から変速が完了する時まで、安定した制動力が車両に加えられ、マニュアルシフト時に応答性が高くかつ安定した制動力が得られる。自動変速機のニュートラル状態の間、車両のブレーキが作動されて急激にエンジンブレーキがかからないので、制動力の変動が小さくなる。
一方、自車と先行車との車間距離が所定値以下にならないように、自動変速機のシフトダウンと制動装置の作動とを行う減速制御が知られている。特開2001−30792号公報(特許文献2)には、スロットルバルブ全閉とシフトダウンのみでは目標減速度が達成されないときはシフトダウンを実行せずにスロットルバルブ全閉と自動ブレーキの作動とによって目標減速度を達成させ、シフトダウンによる変速ショックを回避して乗り心地を向上させ、目標減速度が所定減速度よりも小さいときは、緊急時であるとしてスロットルバルブ全閉とシフトダウン実行と自動ブレーキの作動とを同時に行う旨が記載されている。
特許第3123384号公報(特許文献3)には、車間距離が小さくなったときに実施される変速機の低速段側への変速による減速制御は、車間距離がさらに小さくなったときに変速機の低速段側への変速とともに実施される車輪の制動による減速制御が変速機の低速段側への変速による減速制御の開始から所定時間経過するまでの間に開始されると、解除手段によって解除され、これにより、車両が運転フィーリングの悪化なく車輪の制動のみによって減速制御されて良好に走行する旨が開示されている。
特許第2503426号公報 特開2001−30792号公報 特許第3123384号公報
ところで、マニュアルダウンシフトの際に併せてブレーキを作動させる技術と、追従制御(車間距離制御)のために変速制御とブレーキ制御を同時に実行する技術とは、制御ロジックに異なる部分が生じる。そのため、追従制御中にマニュアルシフトされた場合や、マニュアルシフト中に追従制御条件が成立した場合に、どのように制御するかが問題となる。
本発明の目的は、車両に制動力を生じさせる制動装置の制御と自動変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速制御により減速制御を行う減速制御装置であって、追従制御中にマニュアルシフトされた場合や、マニュアルシフト中に追従制御条件が成立した場合に、適切な減速制御が行われる車両の減速制御装置を提供することである。
本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより減速制御を行う車両の減速制御装置であって、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の前記減速制御が行われているときに、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の前記減速制御が行われるための条件が成立した場合には、前記第2の減速制御が行われることなく、前記第1の減速制御が行われるように制御されることを特徴としている。
上記本発明では、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の減速制御が行われているときには、その第1の減速制御が優先され、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の減速制御が行われるための条件が成立した場合であっても、その第2の減速制御は実施されない。これにより、運転者の意思が優先された減速制御が行われる。上記本発明において、前記減速制御では、前記制動装置の作動(ブレーキ制御)と前記変速動作(変速制御)とが協調して同時に又は並行して実施されることができる。
本発明の車両の減速制御装置は、車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより減速制御を行う車両の減速制御装置であって、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の前記減速制御が行われているときに、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の前記減速制御が行われるための条件が成立した場合には、前記第2の減速制御により生じる制動力から制動特性の変更が行われるように制御されることを特徴としている。
上記本発明では、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の減速制御が行われているときに、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の減速制御が行われるための条件が成立したときには、その運転者の意思に基づく減速の意思を優先させて、それまでの制御内容が変更される。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1の減速制御は、前記車両が走行する道路勾配及び道路形状の少なくともいずれか一つを含む車両走行環境に基づく前記減速制御、又は手動による変速を伴う前記減速制御であり、前記第2の減速制御は、前記車両と前記車両の前方の先行車を含む障害物との距離に基づく前記減速制御であることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記制動特性の変更は、前記第2の減速制御の目標減速度の時間的変化の割合を変更することであることを特徴としている。
上記本発明では、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の減速制御が行われるための条件が成立したときには、目標減速度の勾配を大きくして、運転者に応答感を与えることが可能である。
本発明の車両の減速制御装置において、前記制動特性の変更は、前記第2の減速制御の目標減速度に対するフィードバック制御を行うことなく、前記変更の後の前記減速制御による生じる制動力を、前記第2の減速制御の目標減速度に対応する制動力よりも大きな値に変更することであることを特徴としている。
上記本発明では、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の減速制御が行われるための条件が成立したときには、制動装置の作動量を大きな値に変更することができる。フィードバック制御による目標減速度を変更する場合に比べて、応答性が高い。
本発明の車両の減速制御装置において、前記第1の減速制御による目標減速度の最大値が、前記第2の減速制御による目標減速度の最大値よりも大きいときは、前記第2の減速制御の目標減速度の最大値よりも前記変更の後の前記減速制御による目標減速度の最大値が大きくなるように変更されることを特徴としている。
上記本発明では、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の減速制御の目標減速度の最大値が新たな目標減速度に設定されることができる。
本発明の車両の減速制御装置において、前記制動装置は、前記車両の車輪の回転を停止させる手段、及び前記車輪の回転力を利用して発電を行う手段の少なくともいずれか一方であることを特徴としている。
(1) 本発明は、追従走行時、マニュアルシフト時、及びコーナRや路面勾配による変速点制御時にブレーキと自動変速機を協調制御するものにおいて、マニュアルシフト時、又はコーナRや路面勾配による変速点制御中に、追従制御の実施条件が成立した時には、これを無視して、マニュアルシフト、又はコーナRや路面勾配による変速点制御を続行し、追従制御中にマニュアルシフト及びコーナRや路面勾配による変速点制御が行われるときには、それまでの制御内容を変更する制御装置である。
(2) 追従制御中のマニュアルシフト及びコーナRや路面勾配による変速点制御の条件成立時には、初期の減速度勾配を変更する上記(1)の装置である。
(3) 追従制御中のマニュアルシフト及びコーナRや路面勾配による変速点制御の条件成立時には、ブレーキのフィードバック制御を中断し、ブレーキ圧を嵩上げする上記(1)の装置である。
(4) 追従制御中のマニュアルシフト及びコーナRや路面勾配による変速点制御の条件成立時には、最大目標減速度を超えるエンジンブレーキ力が得られるシフトの場合、最大目標減速度を増大変更する装置である。
本発明の車両の減速制御装置によれば、追従制御中にマニュアルシフトされた場合や、マニュアルシフト中に追従制御条件が成立した場合に適切な減速制御が行われる。
以下、本発明の車両の減速制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図11を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、制動装置と自動変速機の協調制御を行う車両の減速制御装置に関する。
本明細書において、マニュアルダウンシフトとは、運転者がエンジンブレーキ力の増加を望むときに手動操作により行うダウンシフトを意味する。また、変速点制御とは、車両の前方のコーナRや路面勾配を含む車両が走行する道路に関する走行道路情報や、車間距離を含む車両が走行する道路の交通に関する道路交通情報等の情報に基づく変速である。
まず、図1を参照して、第1実施形態の基本制御フローについて説明する。
[ステップS1]
まず、ステップS1では、車間距離に基づく変速点制御(いわゆる追従制御)を実行中であるか否かが判定される。その判定の結果、追従制御を実行中であると判定された場合には、ステップS2に進み、そうではないと判定された場合には、ステップS5に進む。なお、本実施形態の追従制御は、ブレーキ制御と変速制御が協調して同時に実行されるものである(その詳細については後述する)。
[ステップS2]
次いで、ステップS2では、マニュアルダウンシフト判断又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御実行判断の有無が判定される。その判定の結果、マニュアルダウンシフト判断又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御実行判断がなされている場合には、ステップS3に進み、そうでない場合には、ステップS4に進む。なお、本実施形態のマニュアルダウンシフト時の減速制御及びコーナRや路面勾配に基づく変速点制御のそれぞれは、ブレーキ制御と変速制御が協調して同時に実行されるものである(その詳細については後述する)。
[ステップS3]
ステップS3では、制御内容が変更される(その詳細については後述する)。ステップS3の後に、本制御フローはリセットされる。
[ステップS4]
ステップS4では、車間距離に基づく変速点制御が続行される。ステップS4の後に、本制御フローはリセットされる。
[ステップS5]
ステップS5では、マニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御を実行中であるか否かが判定される。その判定の結果、マニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御を実行中であると判定された場合には、ステップS6に進み、そうでない場合には、本制御フローはリセットされる。
[ステップS6]
ステップS6では、車間距離に基づく変速点制御の実施条件が成立したか否かが判定される。その判定の結果、車間距離に基づく変速点制御の実施条件が成立したと判定された場合及び、そうでない場合のいずれの場合であってもステップS7に進む。
[ステップS7]
ステップS7では、マニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が続行される。ステップS7の後に、本制御フローはリセットされる。
上記ステップS5〜S7に示すように、マニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御を実行中である場合(ステップS5−Y)には、車間距離に基づく変速点制御の実施条件が成立しても(ステップS6−Y、S6−N)、そのマニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が優先されてそのまま続行され、車間距離に基づく変速点制御は実行されない(ステップS7)。そのマニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が終了した後(本制御フローリセット後のステップS5−N)に、通常一般の通りに、追従制御条件が成立するか否かが判定され(図示せず)、その判定結果に応じて追従制御の実行の有無が決定される(図示せず)。
上記ステップS1〜S3に示すように、追従制御の実行中に、マニュアルダウンシフト判断又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御実行判断がなされた場合(ステップS2−Y)には、その判断を優先させて、それまでの制御内容が変更される(ステップS3)。運転者の意思に基づく減速を優先させて、運転者に違和感を与えないためである。
マニュアルダウンシフトは、運転者の意思に基づく変速(有意変速)である。一方、追従制御は、アクセルオフ時(又はブレーキオン時)のエンジンブレーキ力を補助的に増大させるという制御であり、運転者の意思に直接基づくものではなく、車両側で前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるように運転(者)を補助するという点において黒子的意味合いの制御である。このことから、追従制御の実行中に、マニュアルダウンシフト判断があった場合には、運転者の意思に基づく減速を優先させて、それまでの制御内容が変更される(ステップS3)。
ここで、本実施形態において、コーナRや路面勾配に基づく変速点制御は、マニュアルダウンシフトと同じ取り扱いとされる(ステップS2、S5、S7)。運転者は、自己の意思に基づいて、コーナ手前や勾配のある路面の所定の位置にてアクセルオフ等のトリガの操作を実行することがあり、これらは運転者の意思による減速であると捉えることができるため、マニュアルダウンシフトと同じ取り扱いとする。
即ち、後述する制御回路のROM(図1の符号133参照)には、マニュアルダウンシフトと、コーナRや路面勾配に基づく変速点制御は、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速(第1の減速制御)であることが前提として記述されたプログラム(図5−1〜図5−3参照)が予め登録されている。一方、その制御回路のROMに予め登録されたプログラムは、追従制御(車間距離に基づく変速点制御)が、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速(第2の減速制御)であることが前提として記述されている。
なお、上述した図1のフローチャートにおいては、本実施形態の特徴を明らかにする説明の便宜上、ステップS6が記載されているが、実際の制御工程においては、ステップS6のステップは実行されなくてもよい。即ち、ステップS5においてマニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が実行中であると判定された場合(ステップS5−Y)には、ステップS6のステップを実行することなく、マニュアルダウンシフトに伴う制御又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が続行されることができる(ステップS7)。
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態の構成について説明する。
図2において、符号10は自動変速機、40はエンジン、200はブレーキ装置である。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。入力軸回転速度センサ124は、自動変速機10の入力軸(図示せず)の回転速度を検出する。
加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。マニュアルシフト判断部95は、運転者の手動操作に基づいて、運転者の手動操作によるダウンシフト(マニュアルダウンシフト)又はアップシフトの必要性を示す信号を出力する。相対車速検出・推定部97は、自車と前方の車両との相対車速を検出又は推定する。車間距離計測部101は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、先行車両との車間距離を計測する。
コーナ計測・推定部119は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから得られる道路形状の情報や車両の前方に搭載されたカメラの撮像画像などに基づいて、車両前方のコーナの有無と、コーナの大きさを計測又は推定する。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、車間距離計測部101による計測結果を示す信号を入力し、また、マニュアルシフト判断部95からのシフトの必要性を示す信号を入力し、相対車速検出・推定部97及びコーナ計測・推定部119のそれぞれによる検出又は推定の結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、車間距離計測部101、相対車速検出・推定部97、コーナ計測・推定部119、及びマニュアルシフト判断部95のそれぞれからの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138c、及びブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線L1が接続されている。ブレーキ制動力信号線L1では、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
ROM133には、予め図5−1〜図5−3のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が格納されているとともに、自動変速機10の変速段を変速するための変速マップ及び変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられるホイールシリンダ208、209、210、211とを備えている。各ホイールシリンダ208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
次に、自動変速機10の構成を図3に示す。図3おいて、内燃機関にて構成されている走行用駆動源としてのエンジン40の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機10に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達される。入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。
トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機10の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
自動変速機10は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸120cに連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられる。
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられる。
以上のように構成された自動変速機10では、例えば図4に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段の何れかに切り換えられる。図4において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
次に、図5−1〜図13を参照して、本実施形態の動作について説明する。
図5−1〜図5−3は、本実施形態の制御フローを示すフローチャートである。
図11は、本実施形態を説明するためのタイムチャートである。図11には、自動変速機10の入力回転速度、アクセル開度、変速出力、ブレーキ制御量、クラッチトルク、車両に作用する減速加速度(G)が示されている。T0の時点において、現在の減速度(減速加速度、車両の実減速度)は、符号303に示すように、現状変速段減速度Gfと同じである。
[ステップSA1]
まず、図5−1のステップSA1に示すように、制御回路130により、フラグFがチェックされる。本制御の最初は、フラグFは0であるので、ステップSA2に進む。一方、フラグFが1である場合には、図5−2のステップSA11に進む。
[ステップSA2]
ステップSA2において、制御回路130では、車間距離計測部101から入力した車間距離を示す信号に基づいて、自車と前方の車両との車間距離が所定値以下であるか否かを判定する。ステップSA2の結果、車間距離が所定値以下であると判定されれば、ステップSA3に進む。一方、車間距離が所定値以下であると判定されなければ、図5−3に示すように、本制御フローはリセットされる。
制御回路130では、車間距離が所定値以下であるか否かを直接的に判定する代わりに、車間距離が所定値以下に詰まったことが判るパラメータ、例えば衝突時間(車間距離/相対車速)、車間時間(車間距離/自車速)、それらの組み合わせなどにより、間接的に車間距離が所定値以下であるか否かを判定してもよい。
[ステップSA3]
ステップSA3では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態か否かが判定される。ステップSA3の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップSA4に進む。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、本制御フローはリセットされる。図11では、アクセルの全閉操作は、T0の時点で行われている。ステップSA2及びSA3が上記図1のステップS6に示した「車間距離に基づく変速点制御の実施条件」である。ステップSA4から車両の追従制御が開始される。
[ステップSA4]
ステップSA4では、制御回路130により、目標減速度が求められる。目標減速度は、自車に対してその目標減速度に基づく減速制御(後述)が行われたときに、前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるような値(減速加速度)として求められる。
目標減速度は、予めROM133に記憶された目標減速度マップ(図6)を参照して求められる。図6に示すように、目標減速度は、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。なお、ここで、車間時間は、上記の通り、車間距離/自車速である。
図6において、例えば、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]であるときの目標減速度は−0.20(G)である。自車と前方車両との関係が安全な相対車速や車間距離に近づく程、目標減速度は、小さな値として(減速しないように)設定される。即ち、目標減速度は、自車と前方車両との距離が十分に確保される程、図6の目標減速度マップの右上側の小さな値として求められ、自車と前方車両とが接近している程、同目標減速度マップの左下側の大きな値として求められる。
このステップSA4で求められる目標減速度は、減速制御の開始条件(ステップSA2及びSA3)が成立した後、変速制御(ステップSA8)及びブレーキ制御(ステップSA9)が実際に実行される前の時点(減速制御開始時点)での目標減速度として、特に、最大目標減速度Gtと称される。即ち、後述するように、目標減速度は、減速制御の途中段階においてもリアルタイムに設定されるため、ブレーキ制御及び変速制御が実際に実行された後(実行継続中)に設定される目標減速度と区別する意味で、ステップSA4で求められる目標減速度は、特に、最大目標減速度Gtと称される。ステップSA4の次に、ステップSA5が実行される。
[ステップSA5]
ステップSA5では、目標減速度403が設定される。ここで、目標減速度403は、現在(本制御の開始時:図11のT0)の減速度303(現状変速段減速度Gf)から所定の勾配αで最大目標減速度Gtに至るように設定される。その所定の勾配αは、路面の摩擦係数μや本制御の開始時のアクセルの戻し速度、アクセルを戻す前の開度に基づいて設定される。例えば、路面の摩擦係数μが低い場合には勾配(傾斜)は小さくされ、アクセル戻し速度又はアクセルを戻す前の開度が大きい場合には勾配が大きくされる。
図11の例では、上記所定の勾配αに基づいて、目標減速度403が設定された結果、目標減速度403が最大目標減速度Gtに到達するのは、T3の時点である。その設定された目標減速度403を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。ここで設定された目標減速度403は、ブレーキ装置200と自動変速機10の協調制御の全体の目標減速度である。なお、本実施形態では、上記協調制御の結果として、車両の実減速度303が速やかに目標減速度403に一致するように制御されるとして説明されており、図11では、実減速度303と目標減速度403は同じ線で示されている。
[ステップSA6]
ステップSA6では、制御回路130により、自動変速機10による目標減速度(以下、変速段目標減速度Gsと称する)が求められ、その変速段目標減速度Gsに基づいて、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定される。ここで決定される、上記選択すべき変速段は、上記協調制御の全体の目標減速度403に適合した変速段として選択される変速段に対応する。以下、このステップSA6の内容を(1)、(2)に項分けして説明する。
(1)まず、変速段目標減速度Gsを求める。
変速段目標減速度Gsは、自動変速機10の変速制御により得ようとするエンジンブレーキ力(減速加速度)に対応したものである。変速段目標減速度Gsは、最大目標減速度Gt以下の値として設定される。変速段目標減速度Gsの求め方としては、以下の3つの方法が考えられる。
まず、変速段目標減速度Gsの第1の求め方について説明する。
変速段目標減速度Gsは、ステップSA4において図6の目標減速度マップにより求めた最大目標減速度Gtに、0よりも大きく1以下の係数を乗算した値として設定する。例えば、ステップSA4の上記例の場合と同様に、最大目標減速度Gtが−0.20Gである場合には、例えば0.5の係数を乗算してなる値である、−0.10Gが変速段目標減速度Gsとして設定されることができる。
次に、変速段目標減速度Gsの第2の求め方について説明する。
予めROM133に、変速段目標減速度マップ(図7)が登録されている。図7の変速段目標減速度マップが参照されて、変速段目標減速度Gsが求められる。図7に示すように、変速段目標減速度Gsは、図6の目標減速度403と同様に、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。例えば、ステップSA4の上記例の場合と同様に、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]である場合には、−0.10Gが変速段目標減速度Gsとして求められる。図6及び図7から明らかなように、相対車速が大きく急激に接近する場合、車間時間が短い場合、あるいは車間距離が短い場合は、早期に車間距離を適正な状態にする必要があるため、減速度をより大きくする必要がある。また、このことから、上記の状況ではより低速段が選択されることになる。
次に、変速段目標減速度Gsの第3の求め方について説明する。
まず、自動変速機10の現状の変速段のアクセルOFF時のエンジンブレーキ力(減速G)を求める(以下、現状変速段減速度Gfと称する)。予めROM133に現状変速段減速度マップ(図8)が登録されている。図8の現状変速段減速度マップが参照されて、現状変速段減速度Gf(減速加速度)が求められる。図8に示すように、現状変速段減速度Gfは、変速段と自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに基づいて求められる。例えば、現状変速段が5速で出力回転数が1000[rpm]であるときには、現状変速段減速度Gfは−0.04Gである。
なお、現状変速段減速度Gfは、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況に応じて、現状変速段減速度マップにより求めた値を補正してもよい。また、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況毎に、複数の現状変速段減速度マップをROM133に用意しておき、それらの諸状況に応じて使用する現状変速段減速度マップを切り換えてもよい。
次いで、現状変速段減速度Gfと最大目標減速度Gtとの間の値として、変速段目標減速度Gsが設定される。即ち、変速段目標減速度Gsは、現状変速段減速度Gfよりも大きく、最大目標減速度Gt以下の値として求められる。変速段目標減速度Gsと現状変速段減速度Gf及び最大目標減速度Gtとの関係の一例を図9に示す。
変速段目標減速度Gsは、以下の式により求められる。
変速段目標減速度Gs=(最大目標減速度Gt−現状変速段減速度Gf)×係数+現状変速段減速度Gf
上記式において、係数は0より大きく1以下の値である。
上記例では、最大目標減速度Gt=−0.20G、現状変速段減速度Gf=−0.04Gであり、係数を0.5と設定して計算すると、変速段目標減速度Gsは−0.12Gとなる。
上記のように、変速段目標減速度Gsの第1及び第3の求め方では、係数が用いられたが、その係数の値は、理論上から求まる値ではなく、各種条件から適宜設定可能な適合値である。即ち、例えば、スポーツカーでは、減速すべきときには相対的に大きな減速度が好まれるため、上記係数の値を大きな値に設定することができる。また、同じ車両であっても、車速や変速段に応じて、上記係数の値を可変に制御することができる。運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を意図した所謂スポーツモードと、運転者の操作に対する車両の応答性をゆったりとしたものとして、低燃費となるような車両走行を意図した所謂ラグジュアリーモードやエコノミーモードと呼ばれるモードが選択可能な車両の場合、スポーツモード選択時には、変速段目標減速度Gsはラグジュアリーモードやエコノミーモードよりも大きな変速段変化が起きるように設定される。
変速段目標減速度Gsは、このステップSA6で求められた後は、減速制御が終了するまで再度設定し直されることはない。即ち、変速段目標減速度Gsは、この減速制御開始時点(ブレーキ制御(ステップSA9)及び変速制御(ステップSA8)が実際に実行される前の時点)で求められた後は、減速制御が終了するまで同じ値として設定される。図9に示すように、変速段目標減速度Gs(破線で示される値)は、時間が経過しても同じ値である。
(2)次に、上記(1)で求めた変速段目標減速度Gsに基づいて、自動変速機10の変速制御に際して選択すべき変速段が決定される。予めROM133に、図10に示すようなアクセルOFF時の各変速段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、上記例と同様に、出力回転数が1000[rpm]であり、変速段目標減速度Gsが−0.12Gである場合を想定すると、図10において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ変速段目標減速度Gsの−0.12Gに最も近い減速度となる変速段は、4速であることが判る。これにより、上記例の場合、ステップSA6では、選択すべき変速段は、4速であると決定される。
なお、ここでは、変速段目標減速度Gsに最も近い減速度となる変速段を選択すべき変速段として選択したが、選択すべき変速段は、変速段目標減速度Gs以下(又は以上)の減速度であって変速段目標減速度Gsに最も近い減速度となる変速段を選択してもよい。ステップSA6の次にステップSA7が実行される。
[ステップSA7]
ステップSA7では、制御回路130により、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であるか否かが判定される。ステップSA7において、ブレーキがOFF状態であるとは、運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作がなくてブレーキがOFF状態であることを意味しており、ブレーキ制御回路230を介して入力したブレーキセンサ(図示せず)の出力に基づいて判定される。ステップSA7の判定の結果、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されれば、ステップSA8に進む。一方、アクセルがOFFの状態でかつブレーキがOFFの状態であると判定されなければ、ステップSA15に進む。
図11のT0の時点では、符号301に示すように、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)の状態で、かつ符号302に示すように、ブレーキがOFF(ブレーキ力がゼロ)の状態である。
[ステップSA8]
ステップSA8では、制御回路130により、変速制御が開始される。即ち、ステップSA6で決定された選択すべき変速段(上記例では、4速)に変速制御される。即ち、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cにダウンシフト指令(変速指令)が出力される。ダウンシフト指令に応答して、電磁弁駆動部138a〜138cは、電磁弁121a〜121cを通電又は非通電にする。これにより、自動変速機10では、ダウンシフト指令に指示される変速(上記例では、4速への変速)が実行される。ステップSA8の変速制御に基づくダウンシフト指令は、T0の時点に出力される。
T0の時点において、符号304に示すように、自動変速機10に変速制御によるダウンシフト指令が出力される(ステップSA8)と、その時点T0から変速の種類(例えば4速→3速、3速→2速のように、変速前の変速段と変速後の変速段の組合わせ)に基づいて決定される時間taが経過した後のT2の時点で、自動変速機10の変速が実際に開始されて、クラッチトルク408が上昇し始めるとともに、自動変速機10の変速による減速度402が上昇し始める。ステップSA8の次に、ステップSA9が実行される。
なお、上記ステップSA3では、アクセルの全閉操作が、T0の時点で行われた例について説明したが、ステップSA8が行われる時期T0よりも以前に行われていればよい。図11の例では、マニュアルシフト判断部95から出力されたダウンシフトする必要性を示す信号、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づいて生成されたダウンシフトの必要性を示す信号に関して、制御回路130では、T0の時点において、ダウンシフトする必要性有りと判定された場合が示されている。
[ステップSA9]
ステップSA9では、ブレーキ制御回路230により、ブレーキ制御が開始される。即ち、現在の減速度303がステップSA5にて設定された目標減速度403になるように、ブレーキをフィードバック制御する。符号302に示すように、ブレーキのフィードバック制御は、変速制御によるダウンシフト指令が出力された時点T0にて開始される。
即ち、T0の時点から目標減速度403を示す信号がブレーキ制動力信号SG1として制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力(ブレーキ制御量302)を発生させる。
ステップSA9のブレーキ装置200のフィードバック制御において、目標値は目標減速度403であり、制御量は車両の実減速度であり、制御対象はブレーキ(制動装置208、209、210、211)であり、操作量はブレーキ制御量302であり、外乱は主として自動変速機10の変速による減速度402である。車両の実減速度は、加速度センサ90により検出される。
即ち、ブレーキ装置200では、車両の実減速度303が目標減速度403となるように、ブレーキ制動力(ブレーキ制御量302)が制御される。即ち、ブレーキ制御量302は、車両に目標減速度403を生じさせるに際して、自動変速機10の変速による減速度402では不足する分の減速度を生じさせるように設定される。
図11の例では、変速制御によるダウンシフト指令が出力された時点T0から自動変速機10の変速が実際に開始される時点T2までは、自動変速機10による減速度402はゼロであるため、ブレーキで目標減速度403の全ての減速度が生じさせるような、ブレーキ制御量302とされている。T2の時点から自動変速機10の変速が開始され、自動変速機10による減速度402が増加するに伴って、ブレーキ制御量302は減少する。
このように、本実施形態のブレーキ装置200は、上述の通り、目標減速度(403、後述する符号403aを含む)に適合した変速段(ダウンシフト指令に対応するダウンシフト先)への変速による減速度と、目標減速度(403、後述する符号403aを含む)の差分を補って、ブレーキ装置200と自動変速機10の協調制御の全体の結果として、目標減速度(403、後述する符号403aを含む)が車両に作用するように、フィードバック制御される。そのブレーキのフィードバック制御の結果として、現在の減速度303は目標減速度(403、後述する符号403aを含む)に追従しながら増加する。
なお、ブレーキ制御によるブレーキ力302は、自動変速機10の入力軸回転数の時間微分値とイナーシャにより決まる変速イナーシャトルク分を考慮して決定してもよい。
ここで、ステップSA9における「目標減速度」には、ステップSA5で設定された目標減速度403と、後述するステップSA22で変更され、又はステップSA26、SA27で設定される目標減速度403aの両方が含まれ、ステップSA9のブレーキ制御は、ステップSA15にてブレーキ制御が終了するまで継続して実行される。ステップSA9の次には、ステップSA10が実行される。
[ステップSA10]
ステップSA10では、制御回路130により、フラグFが1にセットされる。ステップSA10の次には、図5−2のステップSA11が行われる。
[ステップSA11]
ステップSA11では、制御回路130により、マニュアルシフト判断(指令)又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御実行判断(指令)の有無が判定される。ここでは、マニュアルシフト判断部95から、自動変速機10の変速段を相対的に低速側に変速(ダウンシフト)する必要性を示す信号が出力されているか否か、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づいて自動変速機10の変速段を相対的に低速側に変速する必要性を示す信号が生成されているか否か、が判定される。その信号には、そのダウンシフト先の変速段を示すデータが含まれている。
このステップSA11は、上述した図1のステップS2に対応している。図5−2のステップSA11、SA23、SA25及び図11の変速出力のそれぞれでは、「マニュアルシフト」についてのみ記述されているが、本実施形態で説明するように、「マニュアルシフト」のみならず「コーナRや路面勾配に基づく変速点制御」の場合も含む。
マニュアルシフト判断部95からダウンシフトの必要性を示す信号が出力された場合、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づいてダウンシフトの必要性を示す信号が生成された場合には、運転者が、その信号に含まれるダウンシフト先へのダウンシフトによって得られる減速度を、上述のブレーキ装置200と自動変速機10の合同の目標として設定される上記「目標減速度403、403a」として設定したことを意味する。また、その場合、運転者がその信号に含まれるダウンシフト先の変速段を「目標減速度403、403aに適合した変速段」として設定したことを意味する。
図11では、T1の時点でステップSA11の判定が行われる。ステップSA11の判断の結果、マニュアルシフト判断部95から、ダウンシフトする必要性を示す信号が出力されていると判定された場合、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づいてダウンシフトの必要性を示す信号が生成された場合(ステップSA11−Y)には、ステップSA22に進む。一方、そのように判定されない場合(ステップSA11−N)には、ステップSA12に進む。
上記ステップSA11において、マニュアルシフト判断部95からダウンシフトする必要性を示す信号の出力、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づくダウンシフトの必要性を示す信号の生成がなされていない場合(ステップSA11−N)には、追従制御が続行される(ステップSA12〜SA20、図1のステップS4に対応する)。
一方、上記ステップSA11において、マニュアルシフト判断部95からダウンシフトする必要性を示す信号の出力、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づくダウンシフトの必要性を示す信号の生成が行われた場合(ステップSA11−Y)には、制御内容が変更される(ステップSA22〜SA27、図1のステップS3に対応)。
[ステップSA12]
ステップSA12では、制御回路130により、現在の減速度303が、設定された目標減速度403の終点の減速度であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が、設定された目標減速度403の終点の減速度であると判定されれば、ステップSA13に進む。一方、現在の減速度303が、設定された目標減速度403の終点の減速度であると判定されなければ、ステップSA9に戻る。図11のT3の時点までは現在の減速度303は、設定された目標減速度403の終点の減速度(ここでは、最大目標減速度Gt)に到達していないため、それまではステップSA9においてブレーキのフィードバック制御が継続される。ステップSA12の次には、ステップSA13が行われる。
[ステップSA13]
ステップSA13では、目標減速度403が再度設定される。制御回路130は、ステップSA4と同様に、上記目標減速度マップ(図6)を参照して、目標減速度403を設定する。目標減速度403は、上述した通り、相対車速や車間距離に基づいて設定されており、減速制御(変速制御及びブレーキ制御の両方)が始まると、相対車速や車間距離も変化するので、その変化に応じた目標減速度403がリアルタイムで設定される。
ステップSA13にてリアルタイムに目標減速度403が設定されると、ステップSA9にて開始されて継続中のブレーキのフィードバック制御により、現在の減速度303が目標減速度403になるようにブレーキ力302が与えられる。
ステップSA13の目標減速度403を求める動作は、ステップSA15にてブレーキ制御が終了するまで継続して行われる。後述するように、ブレーキ制御は、現在の減速度303が変速段目標減速度Gs(正確には、変速によって得られる最終減速度Ge)に一致するまで、継続される(ステップSA14、SA15)。上記のように、現在の減速度303は、目標減速度403に一致するように制御されるため(ステップSA9、SA12)、結果として、ステップSA13の目標減速度403を設定する動作は、その設定された目標減速度403が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致するまで継続される(図11の時点T6では、目標減速度403が変速段目標減速度Geに一致ている)。
ステップSA13の時点では、既に減速制御が行われている分だけ、減速制御開始前のステップSA4の時点よりも自車の車速が低下している。このことから、ステップSA13において、目標の車間距離や相対車速にするために設定される目標減速度403は、通常、ステップSA4で求めた最大目標減速度Gtに比べて小さな値となる。
図11のT3〜T6の時点では、“リアルタイムに目標減速度403を設定して現在の減速度303がその目標減速度403に合うようにフィードバック制御によりブレーキ力302を与える”という動作が繰り返されるが、その間、ブレーキ制御が継続される結果として、ステップSA13で繰り返し設定される目標減速度403が概ね漸次小さくなり、その目標減速度403の値の減少に応じて、ブレーキ制御のフィードバック制御で与えられるブレーキ力302も概ね漸次小さくなり、現在の減速度303は、その目標減速度403に概ね一致しながら概ね漸次減少する。ステップSA13の次には、ステップSA14が実行される。
[ステップSA14]及び[ステップSA15]
ステップSA14では、制御回路130により、現在の減速度303が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致したか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度303が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致したと判定されれば(ステップSA14−Y)、ブレーキ制御は終了する(ステップSA15)。ブレーキ制御の終了は、ブレーキ制動力信号SG1によってブレーキ制御回路230に伝達される。一方、現在の減速度303が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致しなければ(ステップSA14−N)、ブレーキ制御は終了しない。図11のT6の時点で現在の減速度303が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致するので、車両に与えられるブレーキ力302はゼロになる(ブレーキのフィードバック制御の終了)。
[ステップSA16]
ステップSA16では、制御回路130により、アクセルがONにされたか否かが判定される。アクセルがONにされた場合には、ステップSA17に進む。アクセルがONにされていない場合には、ステップSA20に進む。図11の例では、アクセルがONにされたときの状態の記載は省略されている。
[ステップSA17]
ステップSA17では、復帰タイマーがスタートする。ステップSA17の次にステップSA18に進む。復帰タイマーは、制御回路130のCPU131に設けられている(図示せず)。
[ステップSA18]
ステップSA18では、制御回路130により、復帰タイマーのカウント値が所定値以上であるか否かが判定される。カウント値が所定値以上でなければ、ステップSA16に戻る。カウント値が所定値以上になれば、ステップSA19に進む。
[ステップSA19]
ステップSA19では、制御回路130による、変速制御(ダウンシフト制御)が終了し、予めROM133に格納された通常の変速マップ(変速線)に従いアクセル開度と車速に基づき決定される変速段に復帰する。ステップSA19の次に、ステップSA21が行われる。
[ステップSA20]
ステップSA20では、制御回路130により、車間距離が所定値を超えたか否かが判定される。このステップSA20は、ステップSA2に対応したものである。車間距離が所定値を超えていると判定されれば、ステップSA19に進む。車間距離が所定値を超えていると判定されなければ、ステップSA16に戻る。図11の例では、車間距離が所定値を超えたときの状態の記載は省略されている。
[ステップS21]
ステップSA21では、制御回路130により、フラグFが0にリセットされる。ステップSA21が実施されると、本制御フローはリセットされる。
[ステップSA22]
図5−2のステップSA22では、制御回路130により、目標減速度403の勾配が変更される。図11では、ステップSA22により変更された目標減速度を符号403aで示す。目標減速度403aは、目標減速度403の勾配αよりも大きな勾配で最大目標減速度Gtに到達するように設定される。
ステップSA22では、時点T1にて、マニュアルシフト判断部95からダウンシフトする必要性を示す信号の出力、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づくダウンシフトの必要性を示す信号の生成が行われたと判断されると(ステップSA11−Y)、その時点T1において、目標減速度403aの勾配が大きくなるように変更される。ステップSA22において、新たな目標減速度403aが設定されたことに対応して、ステップSA9で開始され現在も継続中のブレーキのフィードバック制御により、ブレーキ制御量が増大する(符号302a参照)。これにより、運転者は、マニュアルダウンシフト、又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるダウンシフトの応答感や実減速度303の増大の感覚が確実に得られる。ステップSA22の次に、ステップSA23が行われる。
[ステップSA23]
ステップSA23では、制御回路130により、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による変速段が、現在の変速段(ステップSA8にて変速された変速段)よりも低いか否かが判定される。その判定の結果、ステップSA11にて判断された変速段が現在の変速段よりも低い場合には、ステップSA24に進み、そうでない場合には、ステップSA12に進む。即ち、ステップSA23の判定の結果、ステップSA11にて判断された変速段が現在の変速段よりも低くなければ、新たに変速(ステップSA24以降)が行われる必要が無いため、ステップSA12に進む。
[ステップSA24]
ステップSA24では、制御回路130により、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるダウンシフト指令が出力される。これにより、運転者の意思による変速(マニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御)が追従制御による変速よりも優先され、運転者の意思に基づく減速が実現される。ステップSA24に次いで、ステップSA25が行われる。
なお、図11の例では、追従制御で変速された変速段(ステップSA8にて変速された変速段)と、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による変速段が、同じケースを示している。即ち、図11では、ステップSA23の判定の結果、ステップSA11にて判断された変速段が現在の変速段よりも低くない場合(ステップSA23−N)を示しており、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御の判断がなされた時点T1以降において、新たなダウンシフト指令は出力されていない(符号304参照)。
図11のケースでは、ステップSA11におけるマニュアルシフト判断、又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御実行判断がなされたときに、目標減速度403aの勾配が大きな値に変更されるため(ステップSA22)、その分の応答感が運転者に伝わるが、その勾配の目標減速度403aに沿って実減速度303がスイープ低下した後(T2時点以降)は、運転者には応答感が伝わらない(追従制御の最大目標減速度Gtを超える減速度が生じるわけではない)。これは、通常のコーナRや路面勾配に基づく変速点制御中にマニュアルダウンシフトがなされたときの従来の動作と同様であり、特に問題はない。
[ステップSA25]
ステップSA25では、制御回路130により、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による減速度の最大値(以下、最大目標減速度Gtaと称する)が、ステップSA4で求めた追従制御による最大目標減速度Gtよりも大きいか否かが判定される。
ここで、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による最大目標減速度Gtaは、ステップSA4(追従制御)で求めた最大目標減速度Gtとは異なり、以下の方法により求められる。
最大目標減速度Gtaは、制御回路130により求められ、上述のブレーキ装置200と自動変速機10の合同の目標として設定される上記「目標減速度」(ステップSA4)に含まれる。ここで、最大目標減速度Gtaは、変速の種類と車速から決まる最大減速度(後述)と同じ(又は付近)となるように決定される。
図12において、符号402aで示す破線は、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による自動変速機10の出力軸120cの負トルク(制動力、エンジンブレーキ)に対応した減速加速度を示しており、変速の種類と車速によって決まる。
自動変速機10の変速により車両に作用する減速度402aの最大値(上記最大減速度)402amaxと概ね同じとなるように、最大目標減速度Gtaが決定される。自動変速機10の変速による減速度402aの最大値402amaxは、予めROM133に格納された最大減速度マップが参照されて決定される。その最大減速度マップには、最大減速度402amaxの値が変速の種類と車速に基づく値として定められている。
ステップSA25の判定の結果、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による最大目標減速度が、ステップSA4で求めた追従制御による最大目標減速度Gtよりも大きい場合には、ステップSA26に進み、そうでない場合には、ステップSA12に戻る。
[ステップSA26]
ステップSA26では、制御回路130により、ステップSA4で求めた追従制御による最大目標減速度Gtが、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による最大目標減速度Gtaに変更される。これにより、運転者の意思による変速(マニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御)が追従制御による変速よりも優先され、運転者の意思に基づく減速が実現される。ステップSA26に次いで、ステップSA27が行われる。
なお、ステップSA25及びSA26に代えて、またはステップSA25及びSA26とともに、目標減速度403a以上の減速度が発生する変速段までのマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が行われる場合には、その目標減速度403aが変更され、その勾配も変更されることができる。
[ステップSA27]
ステップSA27では、制御回路130により、目標減速度403aの勾配が再度設定される(その再設定された勾配を図12の符号αaで示し、その目標減速度を符号403fで示す)。ステップSA22において、目標減速度403aの勾配が大きな値に変更されたが、ステップSA26において、追従制御による最大目標減速度Gtから、マニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御による最大目標減速度Gtaに変更されたことに伴い、目標減速度403fの勾配αaが再設定される。
勾配αaの決定に際しては、まず、ステップSA11におけるマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるダウンシフト指令が出力されてから(ステップSA24、図12のt1の時点に出力されたとする)、変速が実際に(実質的に)開始(t3)されるまでの時間tbに基づいて、その変速開始時点t3までに車両に実際に作用する減速度(以下、車両の実減速度という)が最大目標減速度Gtaに到達するように目標減速度403aの初期の勾配最小値が決定される。上記において、ダウンシフト指令が出力された時点t1から実際に変速が開始される時点t3までの時間tbは、変速の種類に基づいて決定される。
図12において、符号404で示す二点鎖線が上記初期の目標減速度の勾配最小値に対応している。また、予め、目標減速度403fとして設定可能な勾配には、減速に伴うショックが大きくならないように、かつ、車両に不安定現象が発生したときにその対応(不安定現象の回避)が可能なように、勾配上限値と下限値が設定されている。図12の符号405で示す二点鎖線が上記の勾配上限値に対応している。
なお、車両の不安定現象とは、車両に減速加速度(ブレーキ制御によるもの及び/又は変速によるエンジンブレーキによるもの)が作用している時に、路面の摩擦係数μの変化やステアリング操作を含む何らかの理由により、例えばタイヤのグリップ度が減少したり、滑ったり、挙動が不安定になるなど、車両が不安定な状態になることを意味する。
ステップステップSA27において、目標減速度403fの勾配αaは、図12に示すように、勾配最小値404よりも大きく、勾配上限値405よりも小さな勾配となるように設定される。
目標減速度403fの初期の勾配αaは、車両の初期の減速度の変化を滑らかにしたり、車両の不安定現象の回避のために、最適な減速度の変化態様を設定する意義を有する。勾配αは、アクセル戻し速度や、路面の摩擦係数μ等に基づいて決定されることができる。また、勾配αaは、マニュアルシフトの場合とコーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるシフトの場合とで変更されることができる。これらについて、図13を参照して、以下に具体的に説明する。
図13は、勾配αaの設定方法の一例を示している。図13に示すように、路面μが小さいほど勾配αaは小さくなるように設定され、アクセル戻し速度が大きいほど勾配αaは大きくなるように設定される。また、コーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるシフトの場合には、マニュアルシフトの場合と比べて、勾配αaが小さくなるように設定される。変速点制御によるシフトは、運転者の意思に直接基づく変速ではないため、減速の割合を緩やかに(減速加速度を相対的に小さく)設定するためである。なお、図13では、勾配αaと路面μやアクセル戻し速度等との関係は、線形な関係になっているが非線形な関係となるように設定することもできる。ステップSA27の次には、ステップSA12に戻る。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、追従制御中にマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御の判断がなされた場合には、そのような運転者の意思に基づく変速が追従制御による変速よりも優先される。即ち、運転者の意思に基づく減速が、運転者が違和感を感じることを最小限に抑制されつつ実現される。その運転者に伝わる減速の応答感は、運転者にとって違和感がないものであり、また、減速性能を悪化させるものではない。
また、図1に示したように、マニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御の実行中に、追従制御の実施条件が成立した場合であっても、そのマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御を優先し、そのマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御が終了するまでは、追従制御は実施されない。これにより、運転者は自分の意思に適合する減速を、運転者が違和感を殆ど感じることなく行うことができる。
減速制御において、変速段を低速段側に変速する変速制御と制動装置を作動させるブレーキ制御には、それぞれ長所と短所がある。変速制御には、定常的なエンジンブレーキ力が増加するという長所がある一方、応答性や制御性が良くないという短所がある。ブレーキ制御には、応答性、制御性が良いという長所がある一方で、耐久性の観点、信頼性の観点から長時間ブレーキをかけ続けることができない。
この点に関し、上記特許文献1では、マニュアルダウンシフトの際に、併せてブレーキを作動させる技術については開示されているが、そのブレーキの制御内容についての検討が不十分である。特に、上記特許文献1には、自車と先行車との車間距離が所定値以下にならないように、自動変速機のシフトダウンと制動装置の作動とを行う減速制御(追従制御)については記載されていない。
上記特許文献2の技術は、ダウンシフトとブレーキ制御を同時に行う場合には、ドライバビリティが悪化するため、緊急時のみダウンシフトとブレーキ制御を同時に行うものである。上記特許文献3の技術は、ブレーキ制御が始まったらダウンシフトによる減速制御を解除するというものである。
上記特許文献2及び3のいずれの技術も積極的にダウンシフトとブレーキ制御を同時に行うものではなく、ダウンシフトとブレーキ制御を同時に行う利点(ブレーキ制御の応答性、制御性の良さ、ダウンシフトの定常的なエンジンブレーキ力の増加)が生かされていない。変速制御とブレーキ制御の両方の長所を活かすべく、追従制御に際して、変速制御とブレーキ制御を同時に実行して効果的な減速制御が行われることが望まれる。
この点に関し、本実施形態においては、車間距離制御のために必要な減速度を協調制御の全体の目標減速度として設定し、その設定された目標減速度を達成すべく、応答性の良いブレーキがフィードバック制御されるので、現在の減速度が協調制御の全体の目標減速度(車間距離制御のために必要な減速度)になるように、良好に追従することができる。これにより、時々刻々と変化する車間距離に対する追従制御(車間距離制御)をスムーズに行うことができる。
本実施形態では、変速段目標減速度Gsが現状変速段減速度Gfと最大目標減速度Gtとの間になるように設定される(ステップSA6)。即ち、選択すべき変速段へのダウンシフト(変速制御)により得られるエンジンブレーキ力による減速度が、減速制御開始前の変速段のエンジンブレーキ力(現状変速段減速度Gf)と最大目標減速度Gtとの間となるように設定される(ステップSA7)。これにより、ブレーキ制御と変速制御を協調して同時に行う減速制御を実施した場合(ステップSA8、SA9)であっても、過度な減速度にならず、運転者に違和感を与えることがない。しかも、車間距離や相対車速が目標値に到達し、ブレーキ制御を終了した後(ステップSA15)でも、ダウンシフトによるエンジンブレーキが継続して効くので、ブレーキ制御の終了(ステップSA15)に伴う車速の増加(特に下り坂の場合)によるブレーキ制御のハンチングも有効に抑えられる。
また、本実施形態では、現在の減速度303が最大目標減速度Gtに一致(ステップSA12)した後の、図11のT3〜T6の時点では、現在の減速度303は、リアルタイムに演算される目標減速度403に概ね一致しながら漸次減少し、ステップSA14及びSA15に示すように、目標減速度403(ここでは現在の減速度303と同じ)が変速段目標減速度Gs(Ge)に一致するまで減少した時点で、ブレーキ制御は終了する。つまり、ブレーキ制御は、リアルタイムに演算される目標減速度403が変速段目標減速度Gs(Ge)(ダウンシフト制御後の減速度)に一致したときに、終了する。即ち、目標減速度403(ここでは現在の減速度303)が、減速制御が開始された時点(T0)での減速度(現状変速段減速度Gf)に戻るまでブレーキ制御が継続されるわけではない。
仮に変速制御を行うことなくブレーキ制御のみで減速制御を行う場合には、目標減速度403が現状変速段減速度Gf近くまで戻り、現状変速段減速度Gfのみで目標の車間距離や相対車速が実現される状態になるまで、ブレーキ制御を継続する必要がある。これに対し、本実施形態では、変速制御とブレーキ制御とが同時に協調して実行されるため、目標減速度403が変速制御により得られる減速度(変速段目標減速度Gs(Ge))に概ね一致し、変速制御により得られる減速度のみで目標の車間距離や相対車速が実現される状態になると、ブレーキ制御を終了することができる。これにより、本実施形態では、より短い時間でブレーキ制御を終了することができる。これにより、ブレーキの耐久性が確保(ブレーキのフェードやパッド、ディスクの磨耗の防止)される。
また、本実施形態では、ブレーキ制御は、目標減速度403(ここでは現在の減速度303)が変速段目標減速度Gs(Ge)(ダウンシフト制御後の減速度)に一致したときに終了し、その時点から変速制御のみの減速制御が行われる。これにより、現在の減速度303と変速制御後の減速度(エンジンブレーキ力による減速度)とが概ね一致した状態で、変速制御のみの減速制御になるので、エンジンブレーキ力による減速にスムーズに移行することができる。
上記のように、ブレーキ制御は、目標減速度403が変速段目標減速度Gs(Ge)(変速制御後のエンジンブレーキ力による減速度)に概ね一致したときに終了する。一方、変速制御は、ブレーキ制御終了(ステップSA15)後のアクセルオンから所定時間経過後か(ステップSA16〜SA18)、又はブレーキ制御終了後に車間距離が所定値を超えた時(ステップSA20)に、終了する。このように、ブレーキ制御と変速制御の終了(復帰)条件を分けることにより、ブレーキ制御は短時間で終了することができ、ブレーキの耐久性の確保につながる。また、車間距離が所定値を超えない限り、変速制御が終了しないため、エンジンブレーキが継続して効く。
(第2実施形態)
次に、図14及び図15を参照して、第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
図14は、上記第1実施形態の図5−2に対応するフローチャートである。第2実施形態では、上記第1実施形態の図5−1及び図5−3に対応する部分の動作がそのまま適用され、図5-2に対応する動作が図14に示す内容に置き換えられる。
図15は、第2実施形態の動作を示すタイムチャートである。
図14を参照して、第2実施形態の動作について説明する。
なお、ステップSB11〜SB14は、それぞれ上記第1実施形態の図5−2のステップSA11〜14と同じであり、ステップSB15、SB16は、それぞれ図5−2のステップSA23、SA24と同じであるため、その説明を省略する。
[ステップSB17]及び[ステップSB18]
ステップSB17は、図14に示すように、図15の時点T1にて、マニュアルシフト判断部95からダウンシフトする必要性を示す信号の出力、若しくは、コーナ計測・推定部119又は道路勾配計測・推定部118からの計測・推定結果に基づくダウンシフトの必要性を示す信号の生成が行われたと判断されると(ステップSB11−Y)、必ず(ステップSB15の成否に関わらず)、実行される。
ステップSB17では、制御回路130により、ブレーキのフィードバック制御が中断される。即ち、ステップSA9にて開始され現在も継続中であったブレーキ制御が、ステップSB11において肯定的に判定されると、一時的に中断され、ブレーキ制御量が所定値上昇するように制御される(ステップSB18)。図15の時点T1にて、ステップSB11の判定が肯定的に判断されると、フィードバック制御が中断され(ステップSB17)、ブレーキ制御量302が所定値ΔFbだけ上昇するように制御される(ステップSB18、図15の符号302b参照)。これにより、実減速度303は、時点T1から符号403bに示すように、より大きな値に変化する。
上記ブレーキ制御量302を上昇させる量(所定値ΔFb)は、例えば、ステップSA8の変速制御における変速の種類に応じて定められることができる。フィードバック制御では、目標変更→偏差発生→油圧修正という順番でブレーキ量が制御されるため、応答時間が長くなるという可能性がある。そこで、ステップSB11の判定で肯定的に判断された場合には、フィードバック制御を中断して、所定値ΔFbだけブレーキ制御量302を上昇させるようにすることで、応答性を高めている。これにより、運転者は、マニュアルダウンシフト、又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御によるダウンシフトの応答感や実減速度303の増大の感覚が確実かつ迅速に得られる。
ステップSB18において、ブレーキ制御量302を所定値ΔFbだけ上昇させるに際しては、過渡的にショックを防止するため、所定の勾配で上昇させることができる。図15の例では、所定時間(T1からT2の時間)の間に、所定の勾配でブレーキ制御量302が所定値ΔFbだけ上昇するように制御される。ステップSB18の次に、ステップSB19が行われる。
[ステップSB19]
ステップSB19では、制御回路130により、車両の実減速度の変化が終了したか否かが判定される。その判定に際しては、加速度センサ90により検出された実減速度303の検出値がステップSB18におけるブレーキ油圧の上昇後に一定値に収束したか否かによって判定されることができる。この場合、前回のサンプリング値と今回の値との差が所定値以下であることが所定回連続した場合に、ステップSB19の条件が成立したと判定することが可能である。または、ブレーキ油圧が上昇されてから実減速度303が一定値に確実に収束するまでに要する時間を求めておき、その時間の経過をタイマーで検出することにより、ステップSB19の条件が成立したと判定することが可能である。図15の例では、T2の時点でステップSB19の条件が成立したとされている。ステップSB19の次に、ステップSB20が行われる。
[ステップSB20]
ステップSB20では、制御回路130により、目標減速度403が再演算される。ステップSB18におけるブレーキ制御量302の上昇により、実減速度303が変化している(符号403b参照)ことが予想されるため、ステップSB19の条件が成立した時点(T2)を起点に目標減速度403が設定し直される(ステップSB20)。その再設定方法は、ステップSA5における目標減速度403の設定方法と同様である。その再設定された目標減速度403を符号403cで示す。なお、ステップSB19の条件が成立した時点(T2)での実減速度303を符号Gkで示す。ステップSB20の次に、ステップSB21が行われる。
[ステップSB21]
ステップSB21では、制御回路130により、ブレーキのフィードバック制御が再開される。このときのフィードバック制御では、再設定された目標減速度403cに基づいて行われる。図15では、T2の時点からブレーキのフィードバック制御が再開されている。その再開後のブレーキ制御量302を符号302cで示す。ステップSB21の次には、ステップSB12が行われる。
以上に述べた第2実施形態によれば、運転者の意思によりマニュアルシフト又はコーナRや路面勾配に基づく変速点制御の判断がなされた場合には、高い応答性を持って、その実減速度303の増大の応答感を運転者に与えることができる。その応答感は、運転者にとって違和感がないものであり、また、減速性能を悪化させるものではない。所定量ΔFbだけブレーキ制御量302を嵩上げした後にブレーキのフィードバック制御を再開するに際しては、ΔFbの嵩上げによる実減速度303の変化点Gkを起点に目標減速度403cを設定し直すため、連続的な特性が得られる。
なお、上記実施形態においては、ブレーキの制御を用いた例について説明したが、ブレーキに代えて、パワートレーン系に設けたMG装置(ハイブリッドシステムの場合等)による回生制御を用いることができる。また、上記においては、変速機として、有段の自動変速機10を用いた例について説明したが、ハイブリッド車に搭載された自動変速機は勿論のこと、CVTにも適用することが可能である。また、上記においては、車両が減速される量を示す減速度として、減速加速度(G)を用いたが、減速トルクをベースに制御を行うことも可能である。
本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の基本制御フローの制御内容を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における自動変速機を示すスケルトン図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における自動変速機の作動表を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の制御内容の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の制御内容の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の制御内容の更に他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における変速段目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における出力軸回転数と変速段に応じて生じる減速度を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における変速段目標減速度と現状変速段減速度と最大目標減速度との関係を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における各変速段の車速毎の減速度を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作を示すタイムチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の目標減速度の勾配を説明するための説明図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の目標減速度の勾配の決め方を説明するための説明図である。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の制御内容の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 マニュアルシフト判断部
97 相対速度検出・推定部
101 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
116 エンジン回転数センサ
117 パターンセレクトスイッチ
118 道路勾配計測・推定部
119 コーナ計測・推定部
120c 出力軸
121a〜121c 電磁弁
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
138a〜138c 電磁弁駆動部
200 ブレーキ装置
220 油圧制御回路
230 ブレーキ制御回路
301 アクセル開度
302 ブレーキ制御量
302a ブレーキ制御量
302b ブレーキ制御量
302c ブレーキ制御量
303 実減速度
304 変速出力
402 自動変速機の変速による減速度
403 目標減速度
403a 目標減速度
404 目標減速度の勾配最小値
405 勾配上限値
408 クラッチトルク
L1 ブレーキ制動力信号線
Gt 追従制御による最大目標減速度
Gta マニュアルシフト又はコーナRや路面勾配による変速点制御による最大目標減速度
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号
α 勾配
ΔFb ブレーキ制御量

Claims (7)

  1. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の前記減速制御が行われているときに、運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の前記減速制御が行われるための条件が成立した場合には、前記第2の減速制御が行われることなく、前記第1の減速制御が行われるように制御される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  2. 車両に制動力を生じさせる制動装置の作動と、前記車両の変速機を相対的に低速用の変速段又は変速比に変速する変速動作とにより減速制御を行う車両の減速制御装置であって、
    運転者の意思と相対的に関係が小さい減速であるとして予め登録された第2の前記減速制御が行われているときに、運転者の意思と相対的に関係が大きい減速であるとして予め登録された第1の前記減速制御が行われるための条件が成立した場合には、前記第2の減速制御により生じる制動力から制動特性の変更が行われるように制御される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両の減速制御装置において、
    前記第1の減速制御は、前記車両が走行する道路勾配及び道路形状の少なくともいずれか一つを含む車両走行環境に基づく前記減速制御、又は手動による変速を伴う前記減速制御であり、
    前記第2の減速制御は、前記車両と前記車両の前方の先行車を含む障害物との距離に基づく前記減速制御である
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  4. 請求項2記載の車両の減速制御装置において、
    前記制動特性の変更は、前記第2の減速制御の目標減速度の時間的変化の割合を変更することである
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  5. 請求項2記載の車両の減速制御装置において、
    前記制動特性の変更は、前記第2の減速制御の目標減速度に対するフィードバック制御を行うことなく、前記変更の後の前記減速制御による生じる制動力を、前記第2の減速制御の目標減速度に対応する制動力よりも大きな値に変更することである
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記第1の減速制御による目標減速度の最大値が、前記第2の減速制御による目標減速度の最大値よりも大きいときは、前記第2の減速制御の目標減速度の最大値よりも前記変更の後の前記減速制御による目標減速度の最大値が大きくなるように変更される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記制動装置は、前記車両の車輪の回転を停止させる手段、及び前記車輪の回転力を利用して発電を行う手段の少なくともいずれか一方である
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
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