しかしながら、上記特許文献1によれば、加熱手段120により沸き上げを完了した直後における貯湯タンク100内の蓄熱用流体の湯温は、全量高温状態(例えば、85℃程度)であるが、蓄熱用流体と給湯用水とが熱交換される給湯使用後において、所定時間経過後の沸き上げ運転を開始するときに、図9に示すように、貯湯タンク100内の上方に高温部(例えば、85℃程度)、下方に低温部(例えば、9℃程度)および上方と下方との間に中温部(例えば、45℃程度)が比重差により形成される。
ところで、加熱手段として、例えば、ヒートポンプサイクルからなるヒートポンプ方式の加熱手段においては、蓄熱用流体を目標温度(例えば、65〜90℃)まで加熱する場合、加熱前の蓄熱用流体の湯温が高いほど高圧圧力が高くなることで運転効率(COP=加熱能力/消費電力)が低下する問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、中温の蓄熱用流体を積極的に給湯用熱交換器に流通するように構成させることで、加熱手段の運転効率の低下を防止することが可能な貯湯式給湯装置を提供することにある。
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項13に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、蓄熱用流体を内部に貯える貯湯タンク(10)と、この貯湯タンク(10)内の最下部の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)内の最上部に送る流体加熱用流路(21)と、この流体加熱用流路(21)に設けられ、流体加熱用流路(21)を流れる蓄熱用流体を加熱する加熱手段(20)と、貯湯タンク(10)内の蓄熱用流体が流通する第1の流通部(30a)と給湯用水が流通する第2の流通部(30b)とを隣接して設け、かつ蓄熱用流体と給湯用水とが対向流となるように構成され、両者間で熱交換を行なう給湯用熱交換器(30)とを備える貯湯式給湯装置において、
給湯用熱交換器(30)は、第1の流通部(30a)の下流端が貯湯タンク(10)の下方部に連通するように構成され、かつ加熱手段(20)により加熱された貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、高温の蓄熱用流体、もしくは中温の蓄熱用流体、もしくは高温と中温の蓄熱用流体の両方を前記第1の流通部(30a)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第1の流通部(30a)を流通した後の蓄熱用流体の湯温を中温よりもさらに低下することができる。これにより、加熱前の蓄熱用流体の湯温を低下させることで沸き上げ運転時における加熱手段(20)の運転効率の低下が防止できる。
請求項2に記載の発明では、貯湯タンク(10)には、高温の蓄熱用流体を取り出す高温取り出し配管(12)と、中温の蓄熱用流体を取り出す中温取り出し配管(13)とが設けられ、給湯用熱交換器(30)は、高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体と中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体との両方を第1の流通部(30a)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、具体的には、中温取り出し配管(13)により中温の蓄熱用流体を取り出して給湯用熱交換器(30)に流通するように構成されたことにより、中温の蓄熱用流体よりも温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことで、沸き上げ運転時における加熱手段(20)の運転効率の低下が防止できる。
請求項3に記載の発明では、給湯用熱交換器(30)は、第1の流通部(30a)の上流端が高温取り出し配管(12)の下流側に接続され、かつ第1の流通部(30a)の中途が中温取り出し配管(13)の下流側に接続されていることを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、給湯用水が流通する第2の流通部(30b)の上流側と、中温の蓄熱用流体とが熱交換されることになるので、効率的に温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことができる。
請求項4に記載の発明では、中温取り出し配管(13)の上流端近傍には、蓄熱用流体の湯温を検出する水温センサ(55)が設けられ、給湯用熱交換器(30)は、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度未満のときに高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体を第1の流通部(30a)に流通させ、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度以上のときに中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を第1の流通部(30a)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことができる。これにより、中温以下の蓄熱用流体の貯えが多量となって、沸き上げ運転時における加熱手段(20)の運転効率の低下が防止できる。
請求項5に記載の発明では、高温取り出し配管(12)と中温取り出し配管(13)との下流側合流部位にぞれぞれの流量比を調節する流量比調節手段(16)が設けられ、この流量比調節手段(16)は、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を第1の流通部(30a)に流通するように調節されたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、水温センサ(55)と流量比調節手段(16)とにより貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことが容易にできる。
請求項6に記載の発明では、中温取り出し配管(13)には、この中温取り出し配管(13)内を流通する中温の蓄熱用流体の流量を調節する第1流量調節手段(16a)が設けられ、この第1流量調節手段(16a)は、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管(12)から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を第1の流通部(30a)に流通するように調節されたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、上述した請求項5と同じように、水温センサ(55)と第1流量調節手段(16a)とにより貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことが容易にできる。
また、第1流量調節手段(16a)により第1の流通部(30a)に流通する中温の蓄熱用流体の流量を制御することができるため、熱交換後の蓄熱用流体の湯温を所定温度以上にならないように制御することができる。これにより、貯湯タンク(10)に戻す湯温が高くなることはない。
請求項7に記載の発明では、貯湯タンク(10)には、中温の蓄熱用流体を取り出す中温取り出し配管(13)が設けられるとともに、貯湯タンク(10)内には、給湯用熱交換器(30)により熱交換された給湯用水を加熱する熱交換器(36)が設けられ、給湯用熱交換器(30)は、中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体を第1の流通部(30a)に流通するように構成され、かつ第2の流通部(30b)からの給湯用水が熱交換器(36)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、給湯用水を熱交換する熱交換器として、給湯用熱交換器(30)と熱交換器(36)とが直列に配設されていても、上述した請求項3と同じように、給湯用水が流通する第2の流通部(30b)の上流側と、中温の蓄熱用流体とが熱交換されることになるので、効率的に温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことができる。
請求項8に記載の発明では、中温取り出し配管(13)の上流端近傍には、蓄熱用流体の湯温を検出する水温センサ(55)が設けられ、給湯用熱交換器(30)は、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体を第1の流通部(30a)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、上述した請求項4と同じように、貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことができる。これにより、中温以下の蓄熱用流体の貯えが多量となって、沸き上げ運転時における加熱手段(20)の運転効率の低下が防止できる。
請求項9に記載の発明では、中温取り出し配管(13)には、この中温取り出し配管(13)内を流通する中温の蓄熱用流体の流量を調節する第1流量調節手段(16a)が設けられ、この第1流量調節手段(16a)は、水温センサ(55)により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管(13)から取り出される中温の蓄熱用流体を第1の流通部(30a)に流通するように調節されたことを特徴としている。
請求項9に記載の発明によれば、上述した請求項5および請求項6と同じように、水温センサ(55)と第1流量調節手段(16a)とにより貯湯タンク(10)内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク(10)に戻すことが容易にできる。
請求項10に記載の発明では、中温取り出し配管(13)は、少なくとも二つ以上の複数個設けられ、そのうちのいずれか一つの中温の蓄熱用流体を選択して第1の流通部(30a)に流通するように構成されたことを特徴としている。
請求項10に記載の発明によれば、中温の蓄熱用流体が貯えられる部位は、貯湯タンク(10)の垂直方向に一様でないため複数個の中温取り出し配管(13)が設けられることにより、的確にかつ積極的に中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができる。
請求項11に記載の発明では、第1の流通部(30a)に流通する中温取り出し配管(13)から取り出された中温の蓄熱用流体の湯温を検出する熱交換前水温センサ(54)が設けられ、流量比調節手段(16)もしくは第1流量調節手段(16a)は、熱交換前水温センサ(54)により検出された湯温が所定温度以上となるように調節されることを特徴としている。
請求項11に記載の発明によれば、給湯用熱交換器(30)に流通する湯温を所定温度以上とすることにより、第2の流通部(30b)下流側の給湯用水を所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)以上確保することができる。
請求項12に記載の発明では、第2の流通部(30b)の下流側には、給湯用熱交換器(30)により熱交換された給湯用水に給湯用熱交換器(30)で熱交換される前の給湯用水とを混合して給湯用水の温度調節する給湯温度調節手段(35)が設けられることを特徴としている。
請求項12に記載の発明によれば、給湯用熱交換器(30)により熱交換された給湯用水が給湯直後における過渡時のオーバーシュートもしくは定常の給湯中に給湯流量の変動などにより給湯温度が多少変動しても給湯温度調節手段(35)より給湯温度を再度水道水と混合して調節することにより、これらから生ずる給湯温度の変動を容易に吸収することができるとともに、設定温度に対して給湯用水の温度制御を精度良く行なうことができる。
請求項13に記載の発明では、加熱手段(20)は、冷媒の高圧側圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプであり、臨界圧力以上に昇圧された冷媒により蓄熱用流体を加熱することを特徴としている。請求項12に記載の発明によれば、超臨界ヒートポンプサイクルにおいては、蓄熱用流体を目標温度(例えば、65〜90℃)まで加熱する場合、加熱前の蓄熱用流体の湯温が低いほど、高圧圧力が低くなることでサイクル効率(COP=加熱能力/消費電力)が向上する。従って、加熱前の給湯用水の温度近傍まで低減された蓄熱用流体を超臨界ヒートポンプサイクルにて加熱することにより、サイクル効率が向上し、省動力運転を行なうことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による貯湯式給湯装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は本発明を適用させた貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図であり、図2は給湯用熱交換器30を構成する外側管30aと内側管30bの断面形状を示す断面図である。また、図3は本実施形態の変形例である貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
本実施形態の貯湯式給湯装置は、一般家庭用として使用されるものであり、図1に示すように、蓄熱用流体を内部に貯える貯湯タンク10と、この貯湯タンク10内の最下部の蓄熱用流体を貯湯タンク10内の最上部に送る流体加熱用流路21と、この流体加熱用流路21を流れる蓄熱用流体を加熱する加熱手段であるヒートポンプユニット20と、貯湯タンク10内の蓄熱用流体が流通する第1の流通部である外側管30aと給湯用水が流通する第2の流通部である内側管30bとを隣接して設け、かつ蓄熱用流体と給湯用水とが対向流となるように構成され、両者間で熱交換を行なう給湯用熱交換器30と、貯湯タンク10内の蓄熱用流体を給湯用熱交換器30の外側管30a側に流通させた後、貯湯タンク10内の下部に戻すための循環回路11と、給湯用熱交換器30の内側管30bの上流側に接続される給水用配管31と、内側管30bの下流側に接続される給湯用配管32、33と、本給湯システムの作動を制御する制御装置(給湯制御部41、熱源制御部42)などから構成されている。
本実施形態の貯湯タンク10は、空気孔10aを通じて大気に開放され、貯湯タンク10内部が大気圧に保たれている。この貯湯タンク10は、例えば、樹脂材料で形成され直方体形状に設けられている。また、貯湯タンク10内の蓄熱用流体に蓄えられた熱が貯湯タンク10の壁面より大気中へ放出されることを低減するために、貯湯タンク10の外周をグラスウールやウレタン等の断熱材で覆っても良い。また、使用される蓄熱用流体は主成分が水であり、防腐剤、凍結防止剤、LLC等が必要に応じて添加されている。なお、これらの他に高比熱を有する蓄熱材料をマイクロカプセルなどの手法にて封入し、それを水に分散混合させるか、またはスリラー化させて流動可能な蓄熱材を用いても良い。
また、貯湯タンク10の外壁面には、蓄熱用流体の貯湯量、もしくは貯湯温度を検出するための水温センサである複数(本例では7つ)の貯湯サーミスタ55が縦方向(貯湯タンク10の高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、貯湯タンク10内に満たされた蓄熱用流体の各水位レベルでの温度情報を後述する給湯制御部41に出力するようになっている。
従って、給湯制御部41は複数の貯湯サーミスタ55からの温度情報に基づいて、貯湯タンク10内上方の沸き上げられた湯温と貯湯タンク10内下方の沸き上げられる前の低温の蓄熱用流体との境界位置を検出できるとともに、各水位レベルでの蓄熱用流体の湯温を検出できる。なお、複数の貯湯サーミスタ55のうち、最上部に設けられた貯湯サーミスタ55は高温の蓄熱用流体を出湯する出湯温度を検出する機能を有している。
蓄熱用流体を加熱するヒートポンプユニット20は、例えば、炭酸ガスを冷媒として使用することにより、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルを使用している。このヒートポンプサイクルは、周知のように図示しない圧縮機、蓄熱用熱交換器、膨張弁、蒸発器、およびアキュムレータ等の冷凍サイクル機能部品より構成されている。因みに、圧縮機(図示しない)は、内蔵する電動モータ(図示しない)によって駆動され、アキュムレータより吸引した気相冷媒を臨界圧力以上まで圧縮して吐出する。
蓄熱用熱交換器(図示しない)は、冷媒と蓄熱用流体とを熱交換するもので、例えば、冷媒が流れる冷媒通路(図示しない)と蓄熱用流体が流れる蓄熱用流体通路(図示しない)とが二重管構造に設けられ、かつ冷媒の流れ方向と蓄熱用流体の流れ方向とが対向するように構成された対向流式の蓄熱用熱交換器(図示しない)である。膨張弁(図示しない)は、蓄熱用熱交換器から流出する冷媒を減圧して蒸発器(図示しない)に供給する。蒸発器(図示しない)は、膨張弁(図示しない)で減圧された冷媒を大気との熱交換によって蒸発させる。アキュムレータ(図示しない)は、蒸発器より流出する冷媒を気液分離して、気相冷媒のみ圧縮機に吸引させるとともに、サイクル中の余剰冷媒を蓄えている。
また、蓄熱用熱交換器の蓄熱用流体通路(図示しない)は、上述した流体加熱用流路21を介して貯湯タンク10に接続され、図示しない電動ポンプが作動することで、貯湯タンク10内の蓄熱用流体が循環する。なお、流体加熱用流路21の上流端が貯湯タンク10の底部10bに接続され、流体加熱用流路21の下流端が貯湯タンク10の上部10cに接続されている。これにより、蓄熱用熱交換器(図示せず)で冷媒との熱交換により加熱された蓄熱用流体が貯湯タンク10の上部10cへ送り込まれるため、貯湯タンク10内の上部側から下部側へ向かって順次蓄熱用流体に蓄熱されていく。
なお、ヒートポンプユニット20は後述する熱源制御部42からの制御信号により作動するとともに、作動状態を熱源制御部42に出力するようになっている。また、これらの動力源として交流電力を用い、主に料金設定の最も安い深夜時間帯における深夜電力を用いて、貯湯タンク10内の蓄熱用流体を沸き上げる蓄熱運転を行なっているが、昼間時間帯においても蓄熱用流体の湯温が低下してくると沸き上げ運転を行なうよう制御される。因みに、超臨界ヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温(例えば、85〜90℃)の蓄熱用流体を内部に貯えることができる。
次に、循環回路11は、貯湯タンク10内の蓄熱用流体を後述する給湯用熱交換器30の外側管30aに流通させ、給湯用熱交換器30により熱交換された蓄熱用流体を貯湯タンク10内の下方部10eに戻すための循環回路であり、高温取り出し管12、中温取り出し管13、往き管14、戻し管15、流量比調節手段である高中温混合弁16、および第1循環ポンプ17とから構成されている。
高温取り出し管12は、貯湯タンク10内に貯えられる蓄熱用流体のうち、高温の蓄熱用流体を取り出すための配管であり、貯湯タンク10内の上方部10dに上流端が接続されている。中温取り出し管13は、貯湯タンク10内に貯えられる蓄熱用流体のうち、高温の蓄熱用流体よりも湯温の低い中温の蓄熱用流体を取り出すための配管であり、貯湯タンク10内の上方部10dと下方部10eとの間に上流端が接続されている。
往き管14は上流端が後述する高中温混合弁16の出口側に接続され、下流端が給湯用熱交換器30の外側管30aの上流端に接続されている。戻し管15は上流端が外側管30aの上流端に接続され、下流端が貯湯タンク10内の下方部10eに接続されている。なお、往き管14には、給湯用熱交換器30の外側管30aに流通させる蓄熱用流体の湯温を検出する熱交換前水温センサである熱交換前サーミスタ54が設けられ、往き管14内の温度情報を後述する給湯制御部41に出力するようにしている。
次に、高中温混合弁16は、高温取り出し管12と中温取り出し管13との下流側合流部位に設けられ、給湯用熱交換器30の外側管30aに流通させる蓄熱用流体の湯温を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比を調節することで、高温取り出し管12から取り出した高温の蓄熱用流体と中温取り出し管13から取り出した中温の蓄熱用流体との混合比を調節するようにしている。
そして、この高中温混合弁16は、後述する給湯制御部41に電気的に接続されており、上記、貯湯サーミスタ55および熱交換前サーミスタ54により検出される蓄熱用流体の温度情報に基づいて制御される。因みに、本実施形態では、貯湯サーミスタ55(中温取り出し配管13の近傍)により検出された蓄熱用流体の湯温が所定温度(例えば、30℃)未満のときに、高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体を外側管30aに流通するように制御される。
一方、貯湯サーミスタ55(中温取り出し配管13の近傍)により検出された蓄熱用流体の湯温が所定温度(例えば、30℃)以上のときに中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体との両方から混合させて外側管30aに流通するように制御される。
さらに、高中温混合弁16は、熱交換前サーミスタ54により検出された一次側通路30A(外側管30a)に流通する蓄熱用流体の湯温を所定温度以上となるように温度調節することで二次側通路30B(内側管30b)を流れる給湯用水を所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)以下とならないようにしている。これにより、高温の蓄熱用流体よりも所定温度(例えば、30℃)近傍の中温の蓄熱用流体をより多く外側管30aに流通するようにしている。また、高中温混合弁16は熱交換前サーミスタ54により検出された熱交換前の蓄熱用流体の湯温に基づいてフィードバック制御を行なうようにしている。
第1循環ポンプ17は戻し管15の中途に配置されており、貯湯タンク10内の蓄熱用流体を給湯用熱交換器30に流通させるポンプである。そして、後述する熱交換後サーミスタ52により検出された給湯用熱交換器30の内側管30bより熱交換された給湯用水の湯温に基づいて回転数が制御されるように後述する給湯制御部41に電気的に接続されている。なお、循環回路11および流体加熱用流路21には排水栓18が設けられており、必要に応じて貯湯タンク10内および循環回路11内の蓄熱用流体を手動により排水することができるようにしている。
次に、給湯用熱交換器30は、循環回路11に接続されて貯湯タンク10内の蓄熱用流体が流れる一次側通路30Aと、給水用配管31および給湯用配管32に接続された二次側通路30Bとを有し、例えば、図2に示すように、一次側通路30Aを形成する第1の流通部である外側管30aの内部に二次側通路30Bを形成する第2の流通部である内側管30bが挿通する二重管構造である。ここで、外側管30aは、熱ロスを低く抑えるために樹脂材を使用し、内側管30bは熱伝導率の高い銅材を使用することが望ましい。
また、内側管30bは、外側管30aと同様に円筒管でも良いが、例えば、図2に示すように、その壁面に径方向の凹凸形状を設けても良い。この場合、一次側通路30Aと二次側通路30Bとの伝熱面積が増加して、蓄熱用流体と給湯用水との熱交換効率を向上できる。なお、図中に示す30cは蓄熱用流体の放熱を防止するための断熱材である。
そして、給湯用熱交換器30は、図1に示すように、貯湯タンク10の外部に上下方向に配置されて外側管30a(一次側通路30A)の下流端が貯湯タンク10の下方部10dと連通するように戻し管15に接続され、外側管30a(一次側通路30A)の上流端が往き管14に接続されている。また、内側管30b(二次側通路30B)は、その上流端が給水用配管31に接続され、下流端が給湯用配管32に接続されている。従って、給湯用熱交換器30は、図1に矢印で示すように、外側管30aを上から下へ向かって流れる蓄熱用流体の流れ方向と、内側管30bを下から上へ向かって流れる給湯用水の流れ方向とが対向する対向流式の熱交換器である。
なお、給水用配管31の上流は水道配管に接続されて水道水が給湯用熱交換器30に導水されるようにしている。また、給水用配管31には給水サーミスタ51が設けられており、水道水の温度情報を後述する給湯制御部41に出力するようにしている。また、給湯用配管32には、内側管30bにて熱交換された給湯用水の流量を調節する流量調節弁34と、給湯用配管32の下流端と給水用配管31の合流部位において給湯温度調節手段である給湯用混合弁35が設けられている。そして、この給湯用混合弁35の出口側に給湯用配管33が接続されている。
給湯用配管33は台所、浴室などの図示しない給湯水栓に通ずる給湯配管である。そして、その中途に給湯サーミスタ53および流量カウンタ58が設けられ、給湯サーミスタ53は給湯用配管33内の温度情報を、流量カウンタ58は給湯用配管33内の流量情報を後述する給湯制御部41に出力するようにしている。なお、給湯用配管32には、給湯用熱交換器30により熱交換された蓄熱用流体の湯温を検出する熱交換後サーミスタ52が設けられ、給湯用配管33内の温度情報を後述する給湯制御部41に出力するようにしている。
流量調節弁34は、内側管30bを流通する流量を調節する弁であり、内側管30bを流通する流量が所定流量以下となるように後述する給湯制御部41により制御される。つまり、給水される水道圧および給湯経路の圧力損失のばらつきにより流量が過大とならないように熱交換後サーミスタ52により検出される給湯用水の湯温に基づいて制御される。
次に、給湯用混合弁35は、給湯用配管33に出湯させる給湯用水の湯温を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比を調節することで、内側管30bで熱交換された給湯用水と水道水との混合比を調節して設定温度に調節するように制御される。そして、給湯用混合弁35は、後述する給湯制御部41に電気的に接続されており、上記、給水サーミスタ51、熱交換後サーミスタ52、および給湯サーミスタ53により検出される給湯用水の温度情報に基づいて制御される。
因みに、給湯用混合弁35に流通される内側管30bで熱交換された給湯用水の湯温は、例えば、設定温度+5℃程度となるようにしている。つまり、循環回路11を循環する流量とその熱交換前サーミスタ54により検出される蓄熱用流体の湯温を制御させている。なお、給湯用混合弁35は、給湯サーミスタ53により検出される給湯用水の湯温に基づいてフィードバック制御を行なうようにしている。
次に、給湯制御部41は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、各サーミスタ51〜55からの温度情報、流量カウンタ58からの流量情報および図示しない操作盤に設けられた操作スイッチからの操作信号等に基づいて、第1循環ポンプ17、高中温混合弁16、流量調節弁34、給湯用混合弁35などの循環回路11および給湯用配管32、33内のアクチュエータ類を制御するように構成されている。
また、熱源制御部42は、給湯制御部41と同じように、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、図示しない各種サーミスタからの温度情報などに基づいてヒートポンプユニット20内のアクチュエータ類を制御する。この熱源制御部42では、蓄熱用熱交換器(図示しない)で加熱された蓄熱用流体の湯温を一定温度に保つために、加熱後の蓄熱用流体温度を検出する貯湯サーミスタ53の検出温度に基づいて電動ポンプ(図示しない)の回転数制御を行っている。
なお、本実施形態では、循環回路11において、貯湯タンク10内の上方部10dと下方部10eとの間に中温取り出し管13を一つ設けたが、これに限らず、図3に示すように、複数の中温取り出し管13を設けるとともに、そのうちのいずれか一つを選択するための切換弁19を設けても良い。これによれば、貯湯タンク10内に貯えられる蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を容易に検出でき、かつ取り出すことができる。
次に、以上の構成による貯湯式給湯装置の作動について説明する。まず、図示しない電源スイッチがオンされると、例えば、深夜時間帯に達すると、熱源制御部42によりヒートポンプユニット20内のヒートポンプサイクル部品(図示しない)と電動ポンプ(図示しない)などのアクチュエータ類を制御させて貯湯タンク10内の蓄熱用流体を加熱して高温(例えば85℃)の蓄熱用流体が貯えられる。
そして、貯えられた高温の蓄熱用流体を熱源として、給湯用熱交換器30により熱交換された給湯用水と水道水とを混合させて台所、洗面所、浴槽などの給湯対象個所に給湯するものである。必要に応じて、使用者が給湯用配管33の末端にある給湯水栓(図示しない)を開いて、流量カウンタ58により流量情報が給湯制御部41に出力されると、まず、第1循環ポンプ17が作動する。この第1循環ポンプ17が作動すると、貯湯タンク10内の蓄熱用流体が給湯用熱交換器30の一次側通路30A(外側管30a)に流通される。これにより、給湯用熱交換器30の二次側通路30B(内側管30b)を流れる給湯用水が蓄熱用流体の熱エネルギーを受けて加熱される。
ここで、給湯制御部41は、熱交換後サーミスタ52により検出される給湯用水の湯温が所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)になるように第1循環ポンプ17の駆動状態(回転数)を制御する。つまり、熱交換後サーミスタ52により検出される湯温が所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)より低いときは、第1循環ポンプ17の回転数を大きくして一次側通路30A(外側管30a)を流れる蓄熱用流体の循環量を増加させる。これにより、一次側通路30A(外側管30a)を流れる蓄熱用流体と二次側通路30B(内側管30b)を流れる給湯用水との熱交換量が増加するため、給湯用水の湯温が上昇する。
また、逆に、熱交換後サーミスタ52により検出される湯温が所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)より高いときは、第1循環ポンプ17の回転数を小さくして一次側通路30A(外側管30a)を流れる蓄熱用流体の循環量を減少させる。これにより、一次側通路30A(外側管30a)を流れる蓄熱用流体と二次側通路30B(内側管30b)を流れる給湯用水との熱交換量が減少するため、給湯用水の湯温が上昇する。
そして、このときに熱交換前サーミスタ54により検出される蓄熱用流体の湯温が所定温度以上となるように高中温混合弁16により制御されている。具体的には、貯湯サーミスタ55により検出された貯湯タンク10内の蓄熱用流体の湯温が所定温度(例えば、30℃)未満のときに、高温取り出し配管12から取り出される所定温度以上の高温の蓄熱用流体を一次側通路30A(外側管30a)に流通するように制御される。
一方、貯湯サーミスタ55により検出された貯湯タンク10内の蓄熱用流体の湯温が所定温度(例えば、30℃)以上のときは、中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体との両方から混合させて所定温度以上の湯温の蓄熱用流体を一次側通路30A(外側管30a)に流通するように制御される。
これにより、中温の蓄熱用流体が一次側通路30A(外側管30a)に多く流通されることで貯湯タンク10内の下方部10eに低温(例えば、給水温度+5℃程度)の蓄熱用流体が戻されることになる。
なお、このときに中温の蓄熱用流体の流通が少ないときは、上記低温の蓄熱用流体よりも高めの温度となって貯湯タンク10内に戻されるが、貯湯タンク10内に戻された蓄熱用流体は、時間経過とともに、その蓄熱用流体の比重差により上方に高温、下方に低温および上方と下方との間に中間層(中温)が形成される。
一方、給湯用混合弁35aでは、二次側通路30B(内側管30b)で熱交換された所定温度(設定温度+5℃程度)の給湯用水と、給水用配管31から給水される水とが混合されて設定温度に調節された給湯用水が給湯用配管33から出湯される。この給湯により、給湯用熱交換器30から戻り管15を介して貯湯タンク10内の下方部10eに低温(例えば、給水温度+5℃程度)の蓄熱用流体が戻されることになる。
以上の第1実施形態の貯湯式給湯装置によれば、貯湯タンク10には、高温の蓄熱用流体を取り出す高温取り出し配管12と、中温の蓄熱用流体を取り出す中温取り出し配管13とが設けられ、給湯用熱交換器30は、高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体と中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体との両方を一次側通路30Aに流通するように構成されたことにより、中温の蓄熱用流体が貯湯タンク10から消費され、さらに、中温の蓄熱用流体よりも温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク10に戻すことで、沸き上げ運転時におけるヒートポンプユニット20の運転効率の低下が防止できる。
また、具体的には、中温取り出し配管13の上流端近傍、つまり、貯湯タンク10に複数の貯湯サーミスタ55が設けられ、給湯用熱交換器30は、この貯湯サーミスタ55により検出された湯温が所定温度未満のときに高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体を一次側通路30A(外側管30a)に流通させ、貯湯サーミスタ55により検出された湯温が所定温度以上のときに中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を一次側通路30A(外側管30a)に流通するように構成したことにより、貯湯タンク10内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク10に戻すことができる。これにより、中温以下の蓄熱用流体の貯えが多量となって、沸き上げ運転時におけるヒートポンプユニット20の運転効率の低下が防止できる。
また、高温取り出し配管12と中温取り出し配管13との下流側合流部位にぞれぞれの流量比を調節する高中温混合弁16が設けられ、この高中温混合弁16は、貯湯サーミスタ55により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を一次側通路30A(外側管30a)に流通するように調節されたことにより、貯湯タンク10内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク10に戻すことが容易にできる。
また、一次側通路30A(外側管30a)に流通する中温取り出し配管13から取り出された中温の蓄熱用流体の湯温を検出する熱交換前サーミスタ54が設けられ、高中温混合弁16は、熱交換前サーミスタ54により検出された湯温が所定温度以上となるように調節されることにより、二次側通路30B(内側管30b)下流側の給湯用水を所定温度(例えば、設定温度+5℃程度)以上確保することができる。
また、図3に示すように、中温取り出し配管13は、少なくとも二つ以上の複数個設けられ、そのうちのいずれか一つの中温の蓄熱用流体を選択して一次側通路30A(外側管30a)に流通するように構成されたことにより、中温の蓄熱用流体が貯えられる部位は、貯湯タンク10の垂直方向に一様でないため複数個の中温取り出し配管13が設けられることで、的確にかつ積極的に中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができる。
また、二次側通路30B(内側管30b)の下流側には、給湯用熱交換器30により熱交換された給湯用水に水道水とを混合して給湯用水の温度調節する給湯用混合弁35が設けられることにより、給湯用熱交換器30により熱交換された給湯用水が給湯直後における過渡時のオーバーシュートもしくは定常の給湯中に給湯流量の変動などにより給湯温度が多少変動しても給湯用混合弁35により給湯温度を再度水道水と混合して調節することにより、これらから生ずる給湯温度の変動を容易に吸収することができるとともに、設定温度に対して給湯用水の温度制御を精度良く行なうことができる。
また、ヒートポンプユニット20は、冷媒の高圧側圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプであり、臨界圧力以上に昇圧された冷媒により蓄熱用流体を加熱することにより、超臨界ヒートポンプサイクルにおいては、蓄熱用流体を目標温度(例えば、65〜90℃)まで加熱する場合、加熱前の蓄熱用流体の湯温が低いほど、高圧圧力が低くなることでサイクル効率(COP=加熱能力/消費電力)が向上する。従って、加熱前の給湯用水の温度近傍まで低減された蓄熱用流体を超臨界ヒートポンプサイクルにて加熱することにより、サイクル効率が向上し、省動力運転を行なうことができる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、高温取り出し配管12と中温取り出し配管13との下流側合流部位にぞれぞれの流量比を調節する流量比調節手段である高中温混合弁16を設けたが、これに限らず、中温取り出し配管13に第1流量調節手段である流量調節弁16aを設けて、中温取り出し配管13の下流端を高温取り出し配管12の下流端に合流させても良い。
具体的には、図4に示すように、高中温混合弁16の代わりに中温取り出し配管13に流量調節弁16aを設けたものであり、この流量調節弁16aは給湯制御部41により制御されるものであり、第1実施形態と同じように、貯湯サーミスタ55により検出された湯温が所定温度未満のときに高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体を一次側通路30A(外側管30a)に流通させ、貯湯サーミスタ55により検出された湯温が所定温度以上のときに、中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体、もしくは中温取り出し配管13から取り出される中温の蓄熱用流体と高温取り出し配管12から取り出される高温の蓄熱用流体との両方を一次側通路30A(外側管30a)に流通するように制御される。
以上の第2実施形態の貯湯装置によれば、第1実施形態と同じように、貯湯サーミスタ55と流量調節弁16aとにより貯湯タンク10内に貯えられた蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体を積極的に取り出すことができるとともに温度低下した湯温の蓄熱用流体を貯湯タンク10に戻すことが容易にできる。従って、沸き上げ運転時におけるヒートポンプユニット20の運転効率の低下が防止できる。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、給湯用熱交換器30の一次側通路30A(外側管30a)の上流端に中温の蓄熱用流体が流通するように循環回路11を構成したが、図5に示すように、一次側通路30A(外側管30a)の上流端に高温取り出し配管12を接続し、一次側通路30A(外側管30a)の中途に中温取り出し配管13の下流端が接続するように構成しても良い。このときには上記第2実施形態と同じように、中温取り出し配管13に第1流量調節手段である流量調節弁16aが設けられている。
また、本実施形態の熱交換前サーミスタ54は、中温取り出し配管13の下流側に設けられており、熱交換前サーミスタ54により検出された一次側通路30A(外側管30a)に流通する中温の蓄熱用流体の湯温を所定温度以上とならないように流量調節弁16aで調節すると良い。これにより、熱交換後の蓄熱用流体の湯温(戻り管15)を所定温度以上にならないように制御することができる。従って、貯湯タンク10内の下方部10eに戻される蓄熱用流体の湯温が高くならないように制御される。なお、戻り管15に流通する湯温を検出する1次熱交換後サーミスタ56を設けると、より正確に貯湯タンク10内の下方部10eに戻される湯温が検出できる。
なお、本実施形態では流量調節弁16aを中温取り出し配管13に設けたが、図6に示すように、中温取り出し配管13の下流端と一次側通路30A(外側管30a)の中途との合流位置に第1実施形態と同じように、流量比調節手段である高中温混合弁16を設けても良い。また、本実施形態では、給湯用熱交換器30を一体で形成したが、別体であっても良い。以上の第3実施形態の貯湯式給湯装置によれば、第1および第2実施形態と同じ効果を奏する。
(第4実施形態)
以上の実施形態では、給湯用熱交換器30を一体で形成して貯湯タンク10の外部に配置したが、これに限らず、図7に示すように、中温取り出し配管13の下流端と一次側通路30A(外側管30a)の中途との合流位置を分岐し、その上方側をスパイラル状に形成した熱交換器36を設けて、この熱交換器36を貯湯タンク10内の上方に収納させたものである。つまり、上記、合流位置から上方は貯湯タンク10内の蓄熱用流体と二次側通路30B内の給湯用水が熱交換されるようにしたものである
従って、外部に配置された給湯用熱交換器30の一部は第3実施形態と同じように、貯湯タンク10内の蓄熱用流体のうち、中温の蓄熱用流体が一次側通路30A(外側管30a)に流通するように構成されていることにより、第3実施形態と同じ効果を奏する。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、冷媒に二酸化炭素を用いたヒートポンプユニット20を熱源装置として説明したが、これに限らず、フロン、代替フロンなどの冷媒を用いる一般的なヒートポンプサイクルでも良い。
また、以上の実施形態では、貯湯タンク10は、必ずしも樹脂材料を使用する必要はなく、金属材料で成形しても良い。また、貯湯タンク10の形状は、直方体形状でなくても、例えば円筒形状でも良い。また、貯湯タンク10を大気開放形に形成したが、密閉タイプ構造の貯湯タンクでも良い。ただしこの場合には、減圧弁、圧力逃がし弁などのタンクを保護するための部品が必要となる。
また、以上の実施形態では、給湯用熱交換器30の一次側通路30A(外側管30a)の内側に二次側通路30B(内側管30b)を設けたが、その逆に一次側通路30Aの外側に二次側通路30Bを設けても良い。また、上述した内側管30bおよび外側管30aに使用される材料は一例であり、例えば、内側管30bは熱伝導率の高いアルミニウムを使用することができ、外側管30aは金属製でも良い。また、給湯用熱交換器30は、内側管30bと外側管30aからなる二重管構造に限定されるものでなく、図8に示すように、複数の流通部を有する一次側通路30A(外側管30a)、および二次側通路30B(内側管30b)を接合した対向流式の熱交換器で構成しても良い。さらに、同様の構造を金属製からなる板材より形成しても良い。