JP2005201986A - 反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置の保護フィルムとして機能し、その表示画像にギラツキ感及び外光の写りこみがなく、こすり傷耐性が高く、塵埃付着が少なく、かつ密着不良のない反射防止フィルム、並びに上記特性に優れた画像表示装置を提供する。
【解決手段】膜厚が30〜120μmのセルロースアシレートフィルムからなる支持体上に、光拡散層または該支持体より屈折率の高い高屈折率層の少なくとも1層と、該支持体より低屈折率の低屈折率層を少なくとも1層とを順次設けて形成された反射防止層を有し、該セルロースアシレートフィルムが、長さ100〜5000m及び幅0.7m以上の長尺品であって、その膜厚変動幅が±3%以内であり且つ幅方向のカールが−7/m〜+7/mであり、そして該低屈折率層には、1.17〜1.40の屈折率を有する中空シリカ微粒子が含有されている反射防止フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、反射防止フィルム、それを用いた偏光板、及びこれらを用いた画像表示装置に関し、更に詳細には、保護フィルムとしての表示画像にギラツキ感や外光の写りこみがなく、耐擦傷性に優れ、塵埃付着が少なく、密着性に優れた反射防止フィルム、それを用いた偏光板、及びこれらを用いた画像表示装置に関する。
反射防止フィルムは一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、一般には表面突起による光の散乱或は多層薄膜の光干渉によって、反射率を低減する機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。
多層薄膜からなる反射防止フィルムの反射防止層は反射防止能を上げるために、高屈折率層と低屈折率層を主とした層構成を有するのが一般的である。効率的な反射防止能を出すためには高屈折率層と低屈折率層の屈折率差が特定の範囲であることが必要とされる(特許文献1参照)。このために低屈折率層に低屈折率素材としてMgF2とシリカを用いたり(特許文献2)、含フッ素化合物を用いたり(特許文献3)、無機微粒子を2個以上積み重ねてミクロボイドを形成させたり(特許文献4)する方法が検討されてきたが、材料の入手、安定性や膜強度や防汚性に難点があって、十分に満足のいく低屈折率素材が得られないのが実状であった。
他方、低屈折率素材として近年、中空シリカ粒子が提案されている(特許文献5、6、7参照)。この素材は低屈折率材料として優れているが、反射防止フィルムの低屈折率層に用いた場合に密着が不十分で、ディスプレイの最表面フィルムとしての商品価値を損ねるため、使用量を制限しなければならないことが分かってきた。
一方、近年、各種の画像表示装置(LCD、PDP、CRT等)の大画面化が進むとともに、防眩性反射防止フィルムを配置した液晶表示装置が増加してきており、高価な大画面の画像表示装置を保護するため、防眩性フィルムや反射防止フィルムに保護フィルムとしての、より高い視認性(表示画像にギラツキ感のないこと、外光の写りこみのないこと、画像鮮明性の高いこと、透明性が良いこと等)、指紋や塵埃付着によって表示画面が汚れないこと、及び擦り傷等の耐性の高いことが強く望まれている。また、液晶表示装置(LCD)において偏光板は不可欠な光学材料である。偏光板は一般に、偏光膜が2枚の保護フィルムによって保護されている構造を有しているが、液晶表示装置の構成部材の数を減らして、生産性、製造コストを削減する観点から、偏光板の保護フィルムに反射防止機能を付与することで、耐候性や物理的保護性および反射防止性を有し、かつ生産性、コスト削減と薄手化を実現させることが望まれている。
特開昭59−50401号公報 特開平2−245702号公報 特開2003−121606号公報 特開平11−6902号公報 特開平7−133105号公報 特開2001−233611号公報 特開2003−292831号公報
要するに、従来は、視認性を改良するために反射率の低い材料を十分に用いて、機械的強度の高い、塵埃付着の少ない反射防止フィルムは提案されていないのが現状である。
本発明の目的は、表示装置の保護フィルムとして機能し、その表示画像にギラツキ感及び外光の写りこみがなく、こすり傷耐性が高く、塵埃付着が少なく、かつ密着不良のない反射防止フィルムを提供することである。
本発明の他の目的は、表示画像にギラツキ感及び外光の写りこみがなく、こすり傷耐性が高く、かつ密着不良のない画像表示装置を提供することである。
本発明者らは、上述の目的を達成すべく鋭意検討した結果、低屈折率層に中空のシリカを用いても、特定の物性を有する長尺のセルロースアシレートフィルムを支持体として用いた反射防止フィルムが、さらに望ましくは支持体が特定の構造を有する可塑剤または特定の紫外線吸収剤等を含有するセルロースアシレートフィルムからなる反射防止フィルムが上記目的を達成しうることを見出した。
すなわち、本発明の目的は下記構成の反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置により達成される。
1.膜厚が30〜120μmのセルロースアシレートフィルムからなる支持体上に、光拡散層または該支持体より屈折率の高い高屈折率層の少なくとも1層と、該支持体より低屈折率の低屈折率層を少なくとも1層とを順次設けて形成された反射防止層を有する反射防止フィルムであって、
該セルロースアシレートフィルムが、長さ100〜5000m及び幅0.7m以上の長尺品であって、その膜厚変動幅が±3%以内であり且つ幅方向のカールが−7/m〜+7/mであり、
該低屈折率層には、1.17〜1.40の屈折率を有する中空シリカ微粒子が含有されていることを特徴とする反射防止フィルム。
2.セルロースアシレートフィルムが、下記式(1)および式(2)を満足することを特徴とする上記1に記載の反射防止フィルム。
式(1): 2.3≦SA’+SB’≦3.0
式(2): 0≦SA’≦3.0
(式中、SA’はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、またSB’はセルロースの水酸基を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。)
3.セルロースアシレートフィルムが、可塑剤として、脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸との多価アルコールエステルを含有し、かつセルロースアシレートフィルムの透湿度が20〜260(g/m2;24h,25℃、90%RH)であることを特徴とする上記1または2に記載の反射防止フィルム。
4.多価アルコールエステルのモノカルボン酸成分が、分子内に芳香環または脂環式環を有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
5.セルロースアシレートフィルムの滲出性が0〜2.0%の範囲にあることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
6.セルロースアシレートフィルムが、380nmにおけるモル吸光係数が4000以上である紫外線吸収性モノマーとエチレン性不飽和モノマーとの共重合ポリマーであり、かつ質量平均分子量が2000〜20000である紫外線吸収性共重合ポリマーを含有することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
7.セルロースアシレートフィルムの表面のJIS B0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.0005〜0.1μmであり、該表面の十点平均粗さ(Rz)が0.001〜0.3μmであり、表面凹凸の平均間隔(Sm)が2μm以下であり、かつ視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数が1m2当たり1個以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
8.反射防止フィルムの、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光のCIE1976L***色空間のL*、a*、b*値のそれぞれの値の面内における変化率が、20%以下であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
9.反射防止フィルムの耐候性試験前後の波長380nm〜680nmにおける平均反射率の変化が0.4%以下であり、かつ反射光の色味変化ΔEがL***色度図上で15以下であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム。
10.反射防止フィルムが、該セルロースアシレートフィルムと光拡散層または高屈折率層との間に導電性材料を含有する透明帯電防止層を有し、該帯電防止層の表面抵抗が2×1012Ω/□以下であり、且つ帯電防止層のヘイズが20%以下、並びに波長550nmの光の透過率が50%以上であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の反射防止フィルム。
11.透明帯電防止層が、3〜100nmの平均一次粒径を有する導電性無機微粒子を含有してなる硬化性樹脂層であって、その表面は、表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.03μm以下で、十点平均粗さ(Rz)が0.06μm以下であり、且つ最大高さ(Ry)が 0.09μm以下であることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
12.低屈折率層が、さらに下記一般式aで示される有機シリル化合物の加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかから構成される組成物を含有することを特徴とする上記1〜10いずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式a
mSi(X)n
(Xは−OH、ハロゲン原子、−OR10基、又はOCOR10基を表す。R及びR10は、それぞれ炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m+nは4であり、m及びnはそれぞれ0以上の整数である)
13.反射防止層の最表面の、表面エネルギーが15〜26mN/mであり、且つ動摩擦係数が0.05〜0.20であることを特徴とする上記1〜12のいずれかに記載の反射防止フィルム。
14.低屈折率層に、さらに硬化性反応性基を有する含フッ素化合物を含有することを特徴とする1〜13のいずれかに記載の反射防止フィルム。
15.偏光膜の少なくとも一方の側の保護フィルムが上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
16.偏光膜の一方の側の保護フィルムが上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルムであり、偏光膜のもう一方の側の保護フィルムが光学異方性のある光学補償フィルムであることを特徴とする偏光板。
17.上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルムあるいは上記15または16に記載の偏光板が、画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
本発明で支持体として用いられるセルロースアシレートフィルムは、長さ100〜5000m及び幅0.7m以上の長尺ロール形態で膜厚の変動幅が±3%以内であり、幅方向のカールが−7/m〜+7/mである。該フィルムの反射防止層塗設側の表面のJIS B0601−1994に基づく表面凹凸は、特定の凹凸形状を形成することが好ましい。
これらにより、長尺のロール形態であっても塗布面状にムラのない均一な反射防止層を塗設できると共に支持体との密着性が充分に保持され、作製された反射防止フィルムの光学的欠陥の抑制と膜厚の変動幅が制御されることにより反射防止フィルムの反射光の色味ムラが低減できた。
本発明で支持体として好ましく用いられるセルロースアシレートフィルムは、特定成分比からなるセルロースアシレートを主成分としており、好ましくは溶液流延製膜方法で作製される。加えてフィルムの物理的特性(カール、寸度安定性、引掻き強度、耐湿性)を向上させる本発明に係る可塑剤が、フィルム中に析出することなく均一に分布し、フィルムの透湿度を本発明の範囲に調節することで、フィルム自身の透明性が保持され且つ反射防止フィルムの上記の物理特性が良好となった。
該可塑剤は滲出性が少なく、これも層間密着性の向上に寄与したと推定される。滲出性とは高温多湿の環境下で可塑剤等の添加剤がフィルム外に滲出、気化してフィルム質量が減少することをいう。
更には、本発明のセルロースアシレートフィルムは、規定のモル吸光係数をもつ紫外線吸収性モノマーとエチレン性不飽和モノマーとを共重合させた紫外線吸収性ポリマーを含有する。これによって紫外線吸収剤がフィルム外へ析出しにくくなり、画像鮮明性および密着性が良好になった。
また、本発明の反射防止フィルムは、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光のCIE1976L***色空間のL*、a*、b*値のそれぞれの面内における変化率が20%以下にあること、及びJISK5600−7−7:1999に基づく耐候性試験前後の反射色味変化ΔEがL***色度図上で15以下であることにより、低反射と反射光の色味の低減を両立することができた。これにより室内の蛍光灯のような、輝度の高い外光が僅かに映り込んだ場合の色味がニュートラルで、表示画像の品位が良好となった。
このようなニュートラルな色味の反射光を有し、且つ低反射率を有する反射防止フィルムは、低屈折率層の屈折率と防眩性ハードコート層または高屈折率層の透光性樹脂の屈折率のバランスを最適化することにより達成される。
更には、本発明の反射防止フィルムは、支持体と光拡散層の間に透明帯電防止層を設けてなるのが好ましい。特に、導電性無機微粒子含有の硬化性組成物を塗設・硬化してなることにより長尺ロール形態で生産性良く作製される。形成された帯電防止層は光学的な欠陥のない特定の微細な凹凸形状の表面を形成し、この上に設けられる塗布層は均一な面状であり且つ密着性が充分となることを見出した。
更には、反射防止層の最表面(反射防止フィルムの最表面)の表面エネルギーが26mN/m以下であり、且つ動摩擦係数が0.25以下であることが好ましい。好ましくは、表面エネルギー15〜25.8mN/mであり、且つ動摩擦係数が0.05〜0.25である。より好ましくは、表面エネルギー15〜22mN/mであり、且つ動摩擦係数が0.05〜0.15である。この範囲において、保護フィルムとしての防汚性が良好となる。表面エネルギーの調整は、<低屈折率層>に詳述する。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層は有機シリル化合物の加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかから構成される組成物を含有することが好ましい。これによって密着性がさらに向上すると共に表面の耐擦傷性も向上させることができる。
本発明の反射防止フィルムは、表示装置の保護フィルムとして用いられ、その表示画像にギラツキ感及び外光の写りこみがなく、画像鮮明性が良好で視認性に優れ、しかも反射光の色味がニュートラルに近いことにより画像描画性良好である。また、密着性が良好で耐久性と耐候性に優れている。さらに、生産性に優れ、低コスト化が可能なものである。
本発明の偏光板は、本発明の反射防止フィルムを具備し、高品質で高耐久性である。
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止フィルムあるいは偏光板を配置したものであり、耐久性に優れた表示品位の高いものである。
以下に本発明の反射防止フィルムに関して詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムは、セルロースアシレートフィルムからなる支持体上に、光拡散層または高屈折率層と、該支持体より低屈折率の低屈折率層とを少なくとも順次積層して形成された反射防止層を有する反射防止フィルムである。
以下、支持体、反射防止層、その他の層の順に説明する。なお、本願明細書において、物性値を表す「(数値A)〜(数値B)」という記載は「(数値A)以上(数値B)以下」の意味を表す。
<支持体>
本発明の支持体は、セルロースアシレートフィルムからなる。その膜厚は30乃至120μmであり、好ましくは30〜100μmであり、更に好ましくは30〜80μmである。膜厚が上記範囲であると、製造時の支持体切断や皺の発生が抑制されると共に、偏光板や表示装置が薄くなり、更には光学諸特性、コスト、生産性、加工効率等に優れる。
本発明において上記支持体として用いるセルロースアシレートフィルムは、長さ100〜5000mで幅0.7〜2mの長尺ロール形態のものであり、反射防止フィルム、偏光板保護フィルムおよび画像表示装置を薄く軽量化したり、透過率を高めてコントラストや表示輝度を改善する等の良好な光学特性が安定して得られ、長尺で幅広な支持体を皺等の問題を生じることなくハンドリング性よく取り扱うことができる。
また、膜厚の変動幅は、±3%以内であり、好ましくは±2.5%以内、更に好ましくは±1.5%以内である。この変動内において、支持体厚みの反射防止性に実質上の影響を及ぼさない良好なものとなる。
膜厚変動幅を±3%以内とするには、(1)セルロースアシレートの低分子量体(オリゴマー体)を含まないこと、(2)該ポリマーフィルム形成用のセルロースアシレートを主成分とする組成物を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を流延する際の濃度及び粘度を調節すること、(3)乾燥工程において膜表面の乾燥温度、乾燥風を用いる場合の風量、風向等を調節すること等が有効である。溶解工程、流延工程および乾燥工程は、後述する[セルロースアシレートフィルムの製造方法]において記載する。
本発明に用いるセルロースアシレートフィルムの幅方向のカール値は、−7/m〜+7/mであり、好ましくは−5/m〜+5/mである。後述する反射防止層の設置を長尺で広幅のセルロースアシレートフィルムに対して行う際に、フィルムの幅方向のカール値が前述の範囲内であると、フィルムのハンドリングが良好になり、フィルムの切断が起きなくなる。また、フィルムのエッジや中央部などで、フィルムが搬送ロールと強く接触して発塵したり、フィルム上への異物付着が生じなくなり、反射防止フィルム、偏光板の点欠陥や塗布スジの頻度を許容値の範囲内とすることができる。また、カールを上述の範囲とすることで偏光膜貼り合せ時に気泡が入ることを防ぐことができる。
カール値は、アメリカ国家規格協会の規定する測定方法(ANSI/ASCPH1.29−1985)に従い測定することができる。
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムの原料のセルロースとしては、綿花リンター、ケナフ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等があり、何れの原料セルロースから得られるセルロースエステルでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。
本発明においてはセルロースからエステル化してセルロースアシレートを作製するが、特に好ましい前述のセルロースがそのまま利用できる訳ではなく、リンター、ケナフ、パルプを精製して用いられる。
本発明において、セルロースアシレートとは、セルロースの総炭素数2〜22のカルボン酸エステルのことである。
本発明に用いられるセルロースアシレートの炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、シクロアルキルカルボニルエステル、あるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの中で、好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニル、アダマンタンカルボニル、オレオイル、フェニルアセチル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、より好ましいアシル基は、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサンカルボニル、ドデカノイル、オクタデカノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースアシレートの合成方法は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行 発明協会)の9ページに詳細に記載されている。
本発明のセルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式(1)及び(2)を満足するものが好ましい。
式(1) : 2.3≦SA'+SB'≦3.0
式(2) : 0≦SA'≦3.0
ここで、SA'はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、またSB'はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。なお、SAはセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基を表し、SBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基を表す。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(各位それぞれ100%のエステル化は置換度1)を意味する。
本発明では、SAとSBの置換度の総和(SA'+SB')は、より好ましくは2.6〜3.0であり、特に好ましくは2.80〜3.00である。
また、SAの置換度(SA')はより好ましくは1.4〜3.0であり、特には2.3〜2.9である。
更に、下記式(3)を同時に満足することが好ましい。
式(3) : 0≦SB”≦1.2
ここで、SB”はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3又は4のアシル基を表す。
さらにSB”はその28%以上が6位水酸基の置換基であるのが好ましく、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%以上がさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位のSA'とSB”の置換度の総和が0.8以上であり、さらには0.85以上であり、特には0.90以上であるセルロースアシレートフィルムも好ましいものとして挙げることができる。これらのセルロースアシレートフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
尚、置換度はセルロース中の水酸基に結合した脂肪酸の結合度を測定し、計算によって得られる。測定方法としては、ASTM D−817−91、ASTM D−817−96に準拠して測定することができる。
又、水酸基へのアシル基の置換の状態は、13C−NMR法によって測定される。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に前記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。「実質的に」とは、全ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。セルロースアシレートは単独若しくは2種類以上の併用であっても良い。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは230〜550、更に好ましくは230〜350であり、特に好ましくは粘度平均重合度240〜320である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
該セルロースアシレートの数平均分子量Mnは、好ましくは7×104〜25×104範囲、より好ましくは、8×104〜15×104の範囲にあることが望ましい。また、該セルロースアシレートの質量平均分子量Mwとの比、Mw/Mnは、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0であることが望ましい。なお、セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定でき、これを用いて上記MnおよびMwを算出し、Mw/Mnを計算することができる。
本発明において用いられる上記セルロースアシレートフィルムは、上述の式(1)及び(2)を満足する範囲にあるセルロースアシレートが好ましく用いられる。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムは、フィルムの機械的強度と寸法安定性の向上、及び耐湿性を向上させるために疎水性の微粒子を含有することが好ましい。微粒子の1次平均粒子径は、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは、1〜100nmであり、微粒子の見掛け比重としては、70g/リットル以上が好ましい。微粒子の添加量はセルロースアシレート100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.05〜7質量部とするのが好ましい。
微粒子の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム、ITO、アンチモン酸亜鉛等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムのヘイズ上昇を抑制できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。
該微粒子は表面を疎水化処理されていることが好ましく、表面処理剤は微粒子表面と親和性がある極性基を有する有機化合物、カップリング剤が好ましく用いられる。
[可塑剤]
可塑剤は、セルロースアシレートフィルムに柔軟性を与える、寸法安定性の向上、耐湿性向上、カール低減させるために添加される成分である。本発明で用いる可塑剤として、セルロースアシレートの可塑剤として従来から知られている可塑剤を併用してもよい。これらの従来可塑剤としては、例えばリン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤等を好ましく用いることができる。リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェートトリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、グリコレート系可塑剤ではブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を用いることができる。さらに可塑剤は、フィルム中に安定に均一に分布し続けることが好ましく、滲出性に優れ、加水分解しにくいものが好ましい。
本発明でさらに好ましい可塑剤は、沸点が200℃以上で25℃で液体であるか、または融点が25〜250℃である固体であることが好ましい。更に好ましくは沸点が250℃以上で25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である可塑剤が挙げられる。可塑剤が液体の場合は、その精製は通常減圧蒸留によって実施されるが高真空ほど好ましく、本発明では、特に、200℃における蒸気圧が1333Pa以下の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧667Pa以下、更に好ましくは133〜1Paの化合物が好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは密着性改良のために、透湿度が20〜300(g/m2;24h,25℃、90%RH)が好ましく、20〜260(g/m2;24h,25℃、90%RH)がより好ましく、20〜200(g/m2;24h,25℃、90%RH)が最も好ましい。
本発明に係る滲出性とは、高温多湿の環境下で、可塑剤等の添加剤がフィルム外に析出や揮発すること等によりフィルムの質量が減量する性質をいい、具体的には、サンプルを、23℃、55%RHで1日放置後の質量を測定した後、80℃、90%RHの条件下で2週間放置し、さらに2週間放置後のサンプルを23℃、55%RHで1日放置後の質量を測定し、以下の式で計算した値である。
滲出性={(処理前のサンプル質量−処理後のサンプル質量)/処理前のサンプル質量}×100(%)
滲出性は2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが更に好ましい。
次に、本発明に可塑剤として用いられる脂肪族多価アルコールエステルについて詳細に説明する。本発明の脂肪族多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸とのエステルである。
(脂肪族多価アルコール)
本発明に用いられる脂肪族多価アルコールは、2価以上のアルコールで次の一般式3で表される。
一般式3:R1−(OH)n
ただし、R1はn価の脂肪族有機基、nは2以上の正の整数、複数個のOH基はそれぞれ独立に、アルコール性またはフェノール性水酸基を表す。
n価の脂肪族有機基としては、アルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等)、アルケニレン基(例えばエテニレン基等)、アルキニレン基(例えばエチニレン基等)、シクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキサンジイル基等)、アルカントリイル基(例えば1,2,3−プロパントリイル基等)が挙げられる。n価の脂肪族有機基は置換基(例えばヒドロキシ基、アルキル基、ハロゲン原子等)を有するものを含む。nは2〜20が好ましい。
好ましい多価アルコールの例としては、例えばアドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
(モノカルボン酸)
本発明の多価アルコールエステルにおけるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有するとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。これらは更に置換基を有しても良い。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、ビシクロノナンカルボン酸、ビシクロデカンカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸等のカルボン酸またはそれらの誘導体を挙げることができる。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
(多価アルコールエステル)
本発明に用いられる多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。滲出性の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
本発明の多価アルコールエステルにおけるカルボン酸は一種類でも、二種以上の混合でもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。好ましくは、分子内に芳香環もしくはシクロアルキル環を3つ以上有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールエステルの例を以下に示す。
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
多価アルコールエステルの種類と使用量は、本発明のフィルムの透湿度や特に滲出性、密着性等の物理特性に影響し、総合的観点から決まる。
使用量はセルロースアシレートに対して3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が更に好ましく、特に好ましくは5〜20質量%である。
[紫外線吸収剤]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルム自身の耐光性向上、或は偏光板、画像表示装置の液晶化合物、有機EL化合物等の画像表示部材の劣化防止のために紫外線吸収剤を含有する。
紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な画像表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものを用いることが好ましい。
例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられるが、これらに限定されない。
紫外線吸収剤としての具体例を下記に列記するが、本発明はこれらに限定されない。
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−(3",4",5",6"−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、(2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ヒドロキシ−4'−へキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン2'−エチルへキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3−(3',4'−メチレンジオキシフェニル)−2−アクリレート等が挙げられる。
また、特開平6−148430号公報に記載の紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来る。
また例えば、N,N'−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用してもよい。
これらの安定剤化合物の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して0.0001〜1.0質量部が好ましく、0.001〜0.1質量部が更に好ましい。
本発明に係る紫外線吸収剤は、波長370nmでの透過率が20%以下であることが望ましく、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
紫外線吸収剤は2種以上用いてもよい。紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
本発明において、紫外線吸収剤の使用量は、セルロースアシレート100質量部に対し0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.8〜7質量部である。
また本発明の紫外線吸収剤としては、析出による密着不良やヘイズ上昇等の悪影響の少ない紫外線吸収性ポリマーも好ましい。これらは共重合ポリマーであり、380nmに於けるモル吸光係数が4000以上である紫外線吸収性モノマーとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体であって、該共重合体の質量平均分子量が2000〜20000の紫外線吸収性共重合ポリマーが、自身の析出が少ない点で好ましい。
380nmに於けるモル吸光係数が4000以上であれば、紫外線吸収性能が良好であることを示し、紫外光を遮断しうるのに充分な効果が得られ、光学フィルム自身が黄色く着色することなく、光学フィルムの透明性が向上する。
本発明に於ける紫外線吸収性共重合ポリマーに用いる紫外線吸収性モノマーとしては、380nmに於けるモル吸光係数が4000以上、好ましくは8000以上、更に好ましくは10000以上のものを使用するのが良い。380nmに於けるモル吸光係数が4000未満の場合、所望のUV吸収性能を得るために多量の添加が必要となり、ヘイズの上昇或いは紫外線吸収剤の析出等により透明性の低下が著しく、かつフィルム強度の低下傾向大となる。
更に上記紫外線吸収性共重合ポリマーに用いる紫外線吸収性モノマーとしては、380nmのモル吸光係数に対する400nmのモル吸光係数の比が20以上であることを必要とし、この比が20未満の場合、着色が大きく光学フィルム用途に適さない。
即ち、より可視域に近い、400nm付近の光の吸収を抑え、所望のUV吸収性能を得るためには、紫外光を吸収する性能の高い紫外線吸収性モノマーを含有することが本発明においては好ましい。
a.紫外線吸収性モノマー
紫外線吸収性モノマーとしては、例えばサリチル酸系紫外線吸収剤(フェニルサリシレート、p−tert−ブチルサリシレート等)或いはベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン等)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール等)、シアノアクリレート系紫外線吸収剤(2'−エチルへキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3−(3',4'−メチレンジオキシフェニル)−アクリレート等)、トリアジン系紫外線吸収剤(2−(2'−ヒドロキシ−4'−へキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン等)或いは特開昭58−185677号、同59−149350号記載の化合物等が知られている。
本発明に於ける紫外線吸収性モノマーとしては、上記に示したような公知の様々なタイプの紫外線吸収剤の中から適宜基本骨格を選択し、エチレン性不飽和結合を含む置換基を導入し、重合可能な化合物とした上で、380nmに於けるモル吸光係数が4000以上であるものを選択して用いることが好ましい。本発明の紫外線吸収性モノマーとしては保存安定性の点で、ベンゾトリアゾール系化合物を用いることが好ましい。
特に好ましい紫外線吸収性モノマーは、下記一般式bで表される。
一般式b
Figure 2005201986
式中、R11は、ハロゲン原子、または酸素原子、窒素原子、あるいは硫黄原子を介してベンゼン環上に置換する基を表し、R12は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表し、R1315,及びR16は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表し、R14は、酸素原子または窒素原子を介してベンゼン環上に置換する基を表す。但しR11からR16で示される基の何れか一つは下記構造の基を部分構造として有する。nは1から4迄の整数を表す。
Figure 2005201986
式中、Lは2価の連結基を表し、R1は水素原子またはアルキル基を表す。
以下に本発明で用いられる好ましい紫外線吸収性モノマーを例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
b.ポリマー
本発明に用いられる好ましい紫外線吸収性共重合ポリマーは、上記紫外線吸収性モノマーとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体であって、該共重合体の質量平均分子量が2000〜20000であること好ましく、より好ましくは7000〜15000である。
紫外線吸収性モノマーの単独重合体の場合、ヘイズの上昇が著しく、透明度の低下が大きいため光学フィルム用途に適さない。又紫外線吸収性モノマーの単独重合体は溶媒に対する溶解度が低く、フィルム形成する場合の作業性に劣る。また、質量平均分子量が上記範囲であれば、樹脂との相溶性が良く、経時でもフィルム表面への滲出、着色がない。
上記紫外線吸収性モノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えばメタクリル酸及びそのエステル誘導体(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等)、或いはアクリル酸及びそのエステル誘導体(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等)、アルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等)、アルキルビニルエステル(ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等)、アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレン等を挙げることが出来る。
これらエチレン性不飽和モノマーの内、ヒドロキシル基またはエーテル結合を有するアクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸3−メトキシブチル)が好ましい。これらは1種単独で、または2種以上混合して、紫外線吸収性モノマーと共重合させることができる。
上記紫外線吸収性モノマーと共重合可能な上記エチレン性不飽和モノマーの使用割合は、得られる紫外線吸収性共重合ポリマーと透明樹脂との相溶性、光学フィルムの透明性や機械的強度、所望の紫外線吸収性能、共重合ポリマーの添加量とヘイズの上昇、共重合ポリマーの溶媒に対する溶解度等を考慮して選択される。好ましくは上記共重合体中に紫外線吸収性モノマーが20〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%含有される様に両者を配合するのが良い。
本発明に於ける紫外線吸収性共重合ポリマーを重合する方法は従来公知の方法を広く採用することができ、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。ラジカル重合法の開始剤としては、例えば、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられ、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソブチル酸ジエステル誘導体、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。重合溶媒は特に問わないが、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、水溶媒等が挙げられる。溶媒の選択により、均一系で重合する溶液重合、生成したポリマーが沈澱する沈澱重合、ミセル状態で重合する乳化重合を行うこともできる。
上記紫外線吸収性共重合ポリマーの質量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することが出来る。そのような分子量調節方法としては、例えば四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50〜100℃で行われる。
上記紫外線吸収性共重合ポリマーは、セルロースアシレートに対し、0.01〜40質量%の割合で混合することが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の割合である。この時、光学フィルムを形成したときのヘイズが0.5以下であれば特に制限はされないが、好ましくはヘイズが0.2以下である。更に好ましくは、光学フィルムを形成したときのヘイズが0.2以下であり、かつ380nmに於ける透過率が10%以下である。
また、上記紫外線吸収性共重合ポリマーは透明樹脂に混合する際に、必要に応じて他の低分子化合物、高分子化合物、無機化合物などと一緒に用いることもできる。例えば、上記紫外線吸収性共重合ポリマーと、他の低分子紫外線吸収剤を透明樹脂に同時に混合してもよく、同様に酸化防止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を同時に混合することも好ましい。
(他の添加剤)
更に、本発明のセルロースアシレート組成物には、各調製工程において用途に応じた他の種々の添加剤(例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン等)、光学異方性コントロール剤、剥離剤、帯電防止剤、赤外吸収剤等)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。また、赤外吸収染料としては、例えば特開平2001−194522号公報に記載されているものが用いられる。
これらの添加剤の添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、セルロースアシレート全組成物中、0.001〜20質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの製造方法]
本発明では、支持体として用いるセルロースアシレートフィルムは、溶液流延方法(ソルベントキャスト法)により製造することが好ましく、該溶液流延方法では、上記セルロースアシレート等を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いて製造される。
(溶液調製工程)
溶液流延方法において用いる有機溶媒としては、通常溶液流延方法に用いられる有機溶媒であれば特に制限されず、例えば溶解度パラメーターで17〜22の範囲ものが好ましい。具体的には、低級脂肪族炭化水素の塩化物、低級脂肪族アルコール、炭素原子数3〜12までのケトン、炭素原子数3〜12のエステル、炭素原子数3〜12のエーテル、炭素原子数5〜8の脂肪族炭化水素類、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。さらに、有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。前記有機溶媒が2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の上述の好ましい炭素数の範囲内であればよい。
具体的には、例えば前記の公技番号2001−1745号p12−16に詳細に記載されている化合物が挙げられる。
特に、本発明では、前記有機溶媒として、2種類以上の有機溶媒を混合した混合溶媒を用いることが好ましく、特に好ましくは、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素原子数が3〜4のケトンおよび炭素原子数が3〜4のエステル或いはその混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が5〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として沸点が30〜170℃のアルコール類または沸点が30〜170℃の炭化水素から選ばれることが好ましい。
とくに、酢酸エステルを20〜90質量%、ケトン類を5〜60質量%、アルコール類を5〜30質量%の混合比で混合してなる、酢酸エステル、ケトン類及びアルコール類の混合溶媒を用いることが、セルロースアシレートの溶解性の点から好ましい。
この混合溶媒中アルコール類の配合割合は、好ましくは全溶剤中2vol%以上40vol%以下、より好ましくは3vol%以上30vol%以下、さらに好ましくは5vol%以上20vol%以下である。
上記アルコール類は炭素原子数が1以上8以下のモノアルコールまたはジアルコールあるいは炭素原子数が2以上10以下のフルオロアルコールが好ましく、より好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールが挙げられる。これらは単独で添加しても、あるいは2種以上混合して添加しても良い。
特に、ハロゲン化炭化水素を含まない非ハロゲン系有機溶媒系、特に塩素原子を含まない実質的に非塩素系の溶剤(以下、単に「非塩素系溶媒」という)が好ましい態様として挙げられる。
技術的には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。また、製造したセルロースアシレートフィルムから、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
本発明に使用する非塩素系溶媒は、例えば特開2002−146043号公報段落番号〔0021〕〜〔0025〕、特開2002−146045号公報段落番号〔0016〕〜〔0021〕等に記載の溶媒系の例が挙げられる。
上記非塩素系溶媒としては、炭素原子数3以上12以下のエーテル、ケトン、エステルから選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と、アルコールとの混合溶媒であって、前溶媒中のアルコールの含有割合が2〜40質量%である混合溶媒が好ましい。
上記混合溶媒には、炭素原子数が5以上10以下の芳香族あるいは脂肪族の炭化水素を0vol%以上10vol%以下添加しても良い。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンが含まれる。
また、上記ドープには、上記有機溶媒以外に、フルオロアルコールを全有機溶媒量の10質量%以下、より好ましくは5質量%以下含有させることもフィルムの透明性を向上させたり、溶解性を早めたりする上で好ましい。該フルオロアルコールとしては例えば、特開平8−143709号公報段落番号[0020]、同11−60807号公報段落番号[0037]等に記載の化合物が挙げられる。これらのフルオロアルコールは一種または二種以上使用してもよい。
本発明においては、上記ドープを調製する際に、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満させてもよい。
また、ドープの製膜直前の粘度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常10ps・s〜2000ps・sの範囲に調製されることが好ましく、特に30ps・s〜400ps・sが好ましい。
上記ドープの調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよく、冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号公報、特開昭61−106628号公報、特開昭58−127737号公報、特開平9−95544号公報、特開平10−95854号公報、特開平10−45950号公報、特開2000−53784号公報、特開平11−322946号公報、さらに特開平11−322947号公報、特開平2−276830号公報、特開2000−273239号公報、特開平11−71463号公報、特開平04−259511号公報、特開2000−273184号公報、特開平11−323017号公報、特開平11−302388号公報などに記載のドープの調製法が挙げられ、これらの公報に記載されている支持体の原料ポリマーの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜これらの技術を適用できる。さらに、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いた場合のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液の濃縮と濾過が通常実施され、同様に前記の公技番号2001−1745号p.25に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解させる場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
更に、上記ドープに上記可塑剤、上記微粒子、及び必要に応じてレターデーション調製剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤を含有させる。
(微粒子の添加混合方法)
微粒子をセルロースアシレート溶液へ添加する場合は、前記したような粗大な粒子が存在しないこと、および凝集や析出などが生じないように安定に分散されていることが重要であり、これらを満たせれば、特に方法は限定せずに所望のセルロースアシレート溶液を得ることができる。上記微粒子は上記ドープ調整とは別に分散液を調製した後にドープに混合分散する方法が好ましい。
上記の微粒子以外の添加剤は、例えば、セルロースアシレートと溶媒を混合する段階で添加してもよいし、セルロースアシレートと溶媒で混合溶液を作製した後に、添加物を添加してもよい。更にはドープを流延する直前に添加混合してもよく、所謂直前添加方法でありその混合はスクリュー式混練をオンラインで設置して用いられる。これらの添加剤の混合は、添加物それ自身を添加してもよいが、予め溶媒やバインダー(好ましくはセルロースアシレート)を用いて溶解しておいたり、場合により分散して安定化した溶液として用いることも好ましい態様である。
(製膜工程)
次に、本発明において、ドープを用いたフィルムの製造方法について述べる。 セルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、セルロースアシレートフィルム製造に供するドラム方法若しくはバンド方法と称される、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。
製膜の工程を説明すると、溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜に一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。調製されたドープは精密濾過により凝集物、異物を除去することが重要である。具体的には、濾過のフィルターは、ドープ液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましい。濾過には絶対濾過精度が0.1〜100μmのフィルタが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.1〜25μmであるフィルタが好ましく用いられる。フィルタの厚さは、0.1〜10mmが好ましく、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、濾過圧力は15kgf/cm2 以下、より好ましくは10kgf/cm2 以下、更には2kgf/cm2 以下で濾過することが好ましい。
また、精密濾過のために、順次フィルターの孔径を小さくして濾過を数回行うことも好ましい。
精密濾過するための濾材のタイプは上記性能を有していれば特に限定されないが、例えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。分散物を精密濾過するための濾材の材質は上記性能を有しており、且つ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限定はされないが、例えばステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
調製したドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも称する)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。
流延工程でもちいる金属支持体は、その表面が算術平均粗さ(Ra)が0.015μm以下で、十点平均粗さ(Rz)が0.05μm以下であることが好ましい。より好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.01μmで、十点平均粗さ(Rz)が0.001〜0.02μmである。更に好ましくは、(Ra)/(Rz)比が0.15以上である。このように、金属支持体の表面粗さを所定の範囲とすることで、金属支持体からウェブを容易に均一剥離し、且つ製膜後のフィルムの表面形状を本発明の範囲内に制御できる。
これらの各製造工程(流延(共流延を含む)、乾燥、剥離、延伸などに分類される)については、前記の公技番号2001−1745号p.25−30に詳細に記載されている工程が好ましい。流延工程では1種類のドープを単層流延してもよいし、それぞれ異なるポリマーを溶解してなる2種類以上のドープを同時及び/または逐次共流延しても良い。
特に、上記したような組成物からなるドープからフィルムに製膜する工程において、添加した化合物が凝集や偏在することなく行われるには、乾燥工程が重要である。
支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、つまり支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側の裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の支持体の表面温度はドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。
帯状に流延したドープを乾燥させてフィルムを得るセルロースアシレートフィルムの乾燥工程における乾燥温度は5〜250℃、特に20〜180℃が好ましい。さらに残留溶媒を除去するために、30〜160℃で乾燥され、その場合逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが好ましく用いられている。以上の方法は、特公平5−17844号号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて適宜選べばよい。
最終仕上がりフィルムの残留溶媒量は2質量%以下、更に0.4質量%以下であることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。なお本発明においては、剥離剤で更に剥離時間を短縮でき、かつ剥離時の抵抗が低くなることで、面状(剥離時の横方向のムラ、ゲル状ブツの剥げ残りに起因するブツなど)の悪化がないセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
具体的には、ドープの流延から剥ぎ取りまでの平均乾燥速度を、良好な生産性の維持及び風ムラの発生の抑制を考慮して、好ましくは300質量%/分を超え、かつ1000質量%/分以下とし、さらに好ましくは400質量%/分を超え、かつ900質量%/分以下とし、もっとも好ましくは500質量%/分を超え、かつ800質量%/分以下とするのが望ましい。
平均乾燥速度とは、流延ドープの溶剤含有量の変化量を時間で割った値である。
平均乾燥速度を調整するには、乾燥風の温度、風量、溶剤ガスの濃度、流延支持体の表面温度、流延するドープの温度、流延するドープのウェット厚み、流延するドープの溶剤組成等を適宜調整することにより行うことができる。
(剥離工程)
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが出来る)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来るのである。金属支持体上でのウェブの乾燥が条件の強弱、金属支持体の長さ等により剥離残留溶媒量を決められる。
該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましい。更には10〜120質量%とすることが好ましい。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易くなってしまう。
本発明においては、剥離残留溶媒量は下記の式で表わすことが出来る。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMの質量のウェブを110℃で3時間乾燥させた後の質量である。
支持体から剥離後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってフィルムは巾方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程或いは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
(乾燥及び延伸工程)
剥離後、一般には、ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置、あるいは両方の装置を用いてウェブを乾燥する。乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃の範囲で行われる。より好ましくは40〜180℃である。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
最終的には、仕上げのセルロースアシレートフィルムにおける残留溶剤量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。
(延伸処理工程)
流延工程では流延方向(縦方向)等の一方向のみの1軸延伸、或いは流延方向及び他の方向(横方向)の2軸延伸等が行われることが好ましい。
作製されたセルロースアシレートフィルムは、フィルムの機械的強度、更には光学特性(レターデーション値)を調整することができる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好ましい。
下記(1)あるいは(2)または両者の延伸方法を採用した場合には、フィルムの平面性、膜の強度、光学特性等を所定の範囲内に調整できる。
(1)3乃至40%、より好ましくは7乃至38%、さらに好ましくは15乃至35%の延伸倍率で幅方向に延伸する。これに引き続き、長手方向に0.4%以上5%以下、より好ましくは0.7%以上4%以下、さらに好ましくは1%以上3.5%以下膨張させながら20〜160℃で処理する。
(2)延伸中に表裏に温度差を付与する。流延時に基板(バンドあるいはドラム)に接触していた面の温度を、その反対面より2℃以上20℃以下、より好ましくは3℃以上15℃以下、より好ましくは4℃以上12℃以下高くする。
このような方法により、延伸工程でのフィルム内に添加した添加剤(可塑剤、超微粒子、紫外線吸収剤等)の偏在化が解消されることで、得られたフィルムの光学特性が均質化されるとともに機械的特性が向上する。
さらにドープは、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)を同時に流延してもよい。
上述のように、本発明においては、上記支持体が、セルロースアシレートフィルムであって、該セルロースアシレートフィルムが、セルロースアシレートを実質的に非塩素系の溶剤に溶解してセルロースアシレート溶液を調製する溶液調製工程、セルロースアシレート溶液からセルロースアシレートフィルムを製膜する製膜工程、及び、セルロースアシレートフィルムを延伸する延伸工程により製造されたフィルムであるのが、好ましい。
セルロースアシレートフィルムの膜厚変動幅を±3%以内とするには、(1)該セルロースアシレートフィルムを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を流延する際の濃度及び粘度を調節する、(2)乾燥工程において膜表面の乾燥温度、乾燥風を用いる場合のその風量、風向等を調節することが有効である。
[セルロースアシレートフィルムの特性(表面形状)]
本発明の反射防止フィルムは、支持体として用いるセルロースアシレートフィルムが特定の表面形状を有するのが好ましい。以下、セルロースアシレートフィルムの表面形状について説明する。
前記セルロースアシレートフィルムの反射防止層を設ける側の表面は、JIS B0601−1994に基づくフィルムの表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.0005〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)が0.001〜0.3μm、及び最大高さ(Ry)が0.5μm以下で、好ましくは(Ra)が0.0002〜0.05μm、(Rz)が0.005〜0.1μm、(Ry)が0.3μm以下であり、特に好ましくは(Ra)が0.001〜0.02μm、(Rz)が0.002〜0.05μm、(Ry)が0.1μm以下である。
上記の範囲内において、塗布ムラの無い均一な塗布面状で、且つ支持体と塗布膜の密着性が良好な反射防止層が設けられる。
更には、微細な表面凹凸形態において、算術平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(Rz)との比(Ra/Rz)が0.1以上であるのが好ましく、且つJIS B0601−1994に基づくフィルム表面凹凸の平均間隔(Sm)が 2μm以下であることが好ましい。ここで、RaとRzの関係は表面の凹凸の均一性を示すものである。さらに好ましくは、(Ra/Rz)比が0.15以上、平均間隔(Sm)が1〜0.1、特に好ましくは(Ra/Rz)比が0.2以上で、平均間隔(Sm)が0.1〜0.001μmである。
表面の凹と凸の形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等により評価することが出来る。
また、上記セルロースアシレートフィルムにおける視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数は、1m2当たり1個以下であるのが、視覚的な欠陥の減少と歩留まり向上の点から好ましい。
この光学的な欠陥は、偏光顕微鏡を用い、クロスニコル下でフィルムの遅相軸を偏光子の吸収軸と平行にして観察することができる。輝点として見える欠点を円形に面積近似し、その直径が100μm以上のものを数える。100μm以上の輝点は、肉眼で容易に観測できる。
すなわち、上記セルロースアシレートフィルムは、その表面が、JIS B0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.0005〜0.1μm、十点平均粗さ(Rz)が0.001〜0.3μm、及び表面凹凸の平均間隔(Sm)が2μm以下であり、且つ視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数が1m2当たり1個以下であるのが好ましい。
[フィルムの光学的特性]
上記セルロースアシレートフィルムは、光透過率が90%以上、ヘイズが1%以下であることが好ましい。より好ましくは、光透過率が92%以上、ヘイズが0〜0.5%であることが好ましい。
ヘイズ値は、JIS−K−7105に準じヘ−ズメーター(例えば、日本電色工業(株)製MODEL 1001DP、村上色彩技術研究所製HR−100等)を用いて測定できる。
[フィルムの力学特性]
(引裂き強度)
上記セルロースアシレートフィルムは、そのJIS K7128−2:1998の引裂き試験方法(エルメンドルフ引裂き法)に基づく引裂き強度が、2g以上であるのが、前記の膜厚においても膜の強度が充分に保持できる点で好ましい。より好ましくは、5〜25gであり、更に好ましくは6〜25gである。また60μm換算では、8g以上が好ましく、より好ましくは8〜15gである。
具体的には、試料片50mm×64mmを、25℃、65%RHの条件下に2時間調湿した後に軽荷重引裂き強度試験機を用いて測定できる。
(引掻き強度)
また、引掻き強度は2g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましく、10g以上であることが特に好ましい。この範囲とすることにより、フィルム表面の耐傷性、ハンドリング性が問題なく保持される。
引掻き強度は、円錐頂角が90度で先端の半径が0.25mのサファイヤ針を用いて支持体表面を引掻き、引掻き跡が目視にて確認できる荷重(g)をもって評価することができる。
[フィルムの残留溶剤量]
本発明に用いる支持体の残留溶剤量は0〜1.5%にすることでカールを抑制できる。該残留溶剤量が0〜1.0%であることがより好ましい。
これは、前述のソルベントキャスト方法による成膜時に残留溶剤量を少なくすることで自由体積が小さくなることが主要な効果要因になるためと思われる。
具体的には、セルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。
[フィルムの透湿度及び含水量]
本発明に用いるセルロースアシレートフィルムの透湿度は、JIS規格JIS Z0208に記載の方法(温度25℃、湿度90%RH)において、前述の範囲に収めることが好ましい。これにより、反射防止層の密着不良を低減すると共に光学補償フィルムや偏光板の保護フィルムとして液晶表示装置に組み込まれた場合、色味の変化や視野角の低下を引き起こすことがなくなる。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)p.285−294:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することもできる。
セルロースアシレートフィルムの含水量は、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、30℃85%RH下で0.3〜12g/m2であることが好ましい。0.5〜5g/m2であることがより好ましい。12g/m2より大きいとレターデーションの湿度変化による依存性も大きくなって好ましくない。
《反射防止フィルム》
本発明に係る反射防止フィルムについて記す。
本発明の反射防止フィルムは、上記のセルロースアシレートフィルムの支持体上に光拡散層または高屈折率層、及び該支持体より低屈折率の低屈折率層を塗設して成る反射防止層を設けてなることを特徴とする。
更に本発明の反射防止フィルムは、波長380nm〜680nmにおける平均反射率(鏡面)が3%以下であり、ヘイズが0.1〜60%(光拡散層と低屈折率層の構成の場合は10〜60%、高屈折率層と低屈折率層の構成の場合は0.1〜5%)であることが好ましい。より好ましくは、平均反射率が2%以下、ヘイズが0.2〜55%(光拡散層と低屈折率層の構成の場合は10〜55%、高屈折率層と低屈折率層の構成の場合は0.2〜4%)である。反射防止機構によってヘイズの程度は大きく異なる。
反射防止フィルムの光学特性をこのような範囲に特定することで、画面が白っぽく見え過ぎたり画像表示のボケを抑制し、視角変化によるコントラスト低下および色相変化等が充分に抑えられた、外光の写り込みや画面のギラツキの無い、反射防止性に優れた、画像表示品位が良好なものとすることができる。
平均反射率は380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を分光光度測定装置で測定し、450〜650nmの平均反射率を算出する。5度入射における鏡面反射率は、サンプルの法線方向+5度から入射した光に対する法線方向−5度で反射した光の強度の割合であり、背景の鏡面反射による映り込みの尺度になる。
[光拡散層]
本発明における光拡散層は、少なくとも1種の平均粒子径0.5〜7μmの透光性粒子を透光性樹脂に分散してなり、該透光性粒子と該透光性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.2であり、該透光性粒子が光拡散層全固形分中に3〜30質量%含有されてなる層からなることを特徴とする。表面凹凸による光拡散効果が実質的にない内部散乱系も含める。
(透光性粒子)
本発明の透光性粒子は平均粒子径が0.5〜7.0μmの単分散性粒子であり、好ましくは1.5〜4.0μmである。透光性粒子は、有機化合物の粒子であっても無機化合物の粒子であっても良い。平均粒子径が0.5μm未満であると、光拡散効果が小さくなり、7.0μmを超えると、膜厚が厚くなってフィルムのカールが大きくなり、かつ光拡散効果も小さくなる。
粒径にばらつきがないほど、散乱特性にばらつきが少なくなりヘイズ価の設計が容易となる。
透光性粒子としては、透明度が高く、透光性樹脂との屈折率差が前述のような数値になるものであれば特に限定されない。例えば、有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.54)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率1.68)等が挙げられる。
無機微粒子としては、シリカビーズ(屈折率1.44)、アルミナビーズ(屈折率1.63)等が挙げられ、沈降防止や屈折率低下のために中空無機ビーズも好ましい。
透光性粒子と透光性樹脂との間の屈折率差は0.02〜0.20であり、0.04〜0.10であることが特に好ましい。その差が0.20を超えると、フィルムが白濁し、0.02未満であると十分な光拡散効果をえることができない。透光性粒子の透光性樹脂に対する添加量も屈折率同様、大きすぎるとフィルムが白濁し、小さすぎると十分な光拡散効果をえることができないため、透光性粒子の含有量は、光拡散層全固形分中3〜30質量%であり、5〜20質量%であることが特に好ましい。
透光性粒子としては、異なる2種以上の透光性粒子を併用して用いてもよい。2種類以上の透光性粒子を用いる場合には、複数種類の粒子の混合による屈折率制御を効果的に発揮するために、最も屈折率の高い透光性粒子と最も屈折率の低い透光性粒子との間の屈折率の差が0.02以上、0.10以下であることが好ましく、0.03以上、0.07以下であることが特に好ましい。またより大きな粒子径の透光性粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径の透光性粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに反射防止フィルムを貼り付けた場合に、ギラツキと呼ばれる光学性能上の不具合のないことが要求される。ギラツキは、フィルム表面に存在する凹凸(防眩性に寄与)により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、防眩性を付与する透光性粒子より小さな粒子径で、透光性樹脂の屈折率と異なる透光性粒子を併用することにより大きく改善することができる。
上記のような透光性粒子を添加する場合には、透光性樹脂中で透光性粒子が沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性粒子の沈降防止に有効であるが、光拡散層の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂に対して光拡散層の透明性を損なわない程度に、0.1質量%未満程度含有させるとよい。
(透光性樹脂)
前記光拡散層を形成する透光性樹脂としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、(1)電離放射線硬化型樹脂、(2)電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、(3)熱硬化型樹脂の3種類が好適に使用される。
また、光拡散層の厚さは、通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、さらに2μm〜10μmが好ましい。
透光性樹脂の屈折率は、好ましくは1.51〜2.00であり、より好ましくは1.51〜1.90であり、更に好ましくは1.51〜1.85であり、特に好ましくは1.51〜1.80である。なお、透光性樹脂の屈折率は、透光性粒子を含まずに測定した値である。
(1)電離放射線硬化型樹脂としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)などのオリゴマーまたはプレポリマー等が挙げられ、使用に際しては該電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して反応性希釈剤3〜30質量部を含有させて使用される。
上記反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール・ヘキサ(メタ)アクリレートと・ペンタ(メタ)アクリレートの混合物、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
これらの希釈剤のうち、特に多官能のモノマーは、上記樹脂なしで単独または併用してバインダーとして用いることもできる。
特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
上記の電離放射線硬化型樹脂等を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1等、また光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィン、DETX−Sなどを混合して使用することができる。
市販の光ラジカル重合開始剤、光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、日本チバガイギー(株)製のイルガキュア(651,184,500,907,369,1173,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等が挙げられる。
(2)電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤とを混合したものは、上記電離放射線硬化型樹脂100質量部に熱可塑性樹脂20〜100質量部及び溶剤20〜400質量部を混合したものである。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、セルロースエステル系樹脂(ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等)、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、オレフィン系樹脂等が挙げられる。
具体的には、上記熱可塑性樹脂としては、通常用いられるもののいずれも使用してよいが、支持体として用いるセルロースアシレートフィルムに対しての密着性の観点から、また塗膜を形成した際の透明性の観点から、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が好ましい。
また、上記溶剤としては、下記の透明性樹脂用の溶剤が好ましく用いられる。
(3)熱硬化型樹脂としては、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
熱硬化型樹脂には、必要に応じて、架橋剤(エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物等)、重合開始剤(アゾビス化合物、有機過酸化化合物、有機ハロゲン化合物、オニウム塩化合物等)等の硬化剤、重合促進剤(有機金属化合物、酸化合物、塩基性化合物等)等の従来公知の化合物(硬化剤、硬化促進剤)を加えて使用する。具体的には、例えば、山下普三、金子東助「架橋剤ハンドブック」(大成社、1981年刊)記載の化合物が挙げられる。これらの硬化剤は、用いる熱硬化型樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部用いることが好ましい。
透光性樹脂には、更に、高屈折率を有するモノマーおよび/または高屈折率を有する金属酸化物超微粒子等を添加混合することができる。
高屈折率モノマーの例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。
高屈折率を有する金属酸化物超微粒子は、屈折率が1.70〜2.80、一次粒子の平均粒径が3〜150nmのものが好ましい。屈折率が1.70未満の粒子では、皮膜の屈折率を高める効果が小さく、屈折率が2.80を越える粒子は着色している場合があるため好ましくない。また、一次粒子の平均粒径が150nmを越える粒子では光拡散層を形成したときのヘイズ値が高くなり、光拡散層の透明性を損なう場合があり、3nm未満では高い屈折率の保持の点で好ましくない。本発明で、より好ましい金属酸化物超微粒子は屈折率が1.80〜2.80で、一次粒子の平均粒径が3〜100nmの粒子であり、更に好ましくは屈折率が1.80〜2.80で、一次粒子の平均粒径が5〜80nmの粒子である。
好ましい高屈折率を有する金属酸化物超微粒子としては、Ti、Zr、Ta、In、Nd、Sn、Sb、Zn,La、W、Ce、Nb、V、Sm、Y等の酸化物或は複合酸化物、硫化物を主成分とする粒子が挙げられる。ここで、主成分とは粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分をさす。本発明で好ましいのはTi、Zr、Ta、In、Snから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む酸化物若しくは複合酸化物を主成分とする粒子である。本発明で使用される金属酸化物超微粒子には、粒子の中に種々の元素が含有されていても構わない。例えば、Li、Si、Al、B、Ba、Co、Fe、Hg、Ag、Pt、Au、Cr、Bi、P、Sなどが挙げられる。
具体例としては、ZrO2、TiO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO等が挙げられる。これらの中でも、特にZrO2が好ましく用いられる。
上記金属酸化物超微粒子は、表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物及び/または有機化合物を用いて該粒子表面の改質を実施し、金属酸化物超微粒子表面の濡れ性を調整し有機溶媒中での微粒子化、光拡散層形成用組成物中での分散性や分散安定性を向上する。粒子表面に物理化学的な吸着させる無機化合物としては、例えば、ケイ素を含有する無機化合物(SiO2など)、アルミニウムを含有する無機化合物(Al23,Al(OH)3など)、コバルトを含有する無機化合物(CoO2,Co23,Co34など)、ジルコニウムを含有する無機化合物(ZrO2,Zr(OH)4など)、鉄を含有する無機化合物(Fe23など)などが挙げられる。
表面処理に用いる有機化合物の例としては、従来公知の金属酸化物や無機顔料等の無機フィラー類の表面改質剤が挙げられる。例えば、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」第一章(技術情報協会、2001年刊行)等に記載されている。
具体的には、該金属酸化物超微粒子表面と親和性を有する極性基を有する有機化合物、カップリング化合物があげられる。
金属酸化物超微粒子表面と親和性を有する極性基としては、カルボキシ基、ホスホノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、環状酸無水物基、アミノ基等があげられ、分子中に少なくとも1種を含有する化合物が好ましい。例えば、長鎖脂肪族カルボン酸(例えばステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等)、ポリオール化合物(例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート等)、ホスホノ基含有化合物(例えばEO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリアクリレート等)、アルカノールアミン(エチレンジアミンEO付加体(5モル)等)が挙げられる。
カップリング化合物としては、従来公知の有機金属化合物が挙げられ、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。具体的には、例えば特開2002−9908号公報、同2001−310423号公報の段落番号「0011」〜「0015」記載の化合物等が挙げられる。
高屈折率を有するモノマーおよび/または金属酸化物超微粒子の添加量は、透光性樹脂100質量部に対して10〜90質量部が好ましく、20〜80質量部が更に好ましい。
また前記光拡散層は、界面結合剤として、後述の低屈折率層の項で詳述する一般式aで表される有機シリル化合物および/またはその有機シリル化合物の加水分解物および/またはその加水分解物の部分縮合物を含有することが好ましい。
界面結合剤として具体的には、例えばKBM−5103およびKBM−503(共に信越化学工業製)等の市販品、および/またはその加水分解物および/またはその部分縮合物が好ましい化合物として挙げられる。
界面結合剤の添加量は、光拡散層形成用組成物全固形分100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましい。
更に、前記光拡散層に界面活性剤を添加すると本発明の反射防止フィルムの面状均一性を向上させることができ好ましい。界面活性剤としては、例えば炭素数6〜12のパーフルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート共重合体、炭素数6〜12のパーフルオロビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、光拡散層形成用組成物全固形分100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
次に、上記支持体上に光拡散層を形成する過程について説明する。
本発明において、光拡散層は、上述の透明性樹脂、透明性粒子及び必要に応じて用いられる各種添加剤を塗布溶媒に溶解・分散してなる光拡散層形成用組成物を上記支持体上に塗布・乾燥して形成される。
塗布溶媒は、水、有機溶媒から適宜選択して用いることができ、沸点が50℃以上の液体であることが好ましく、沸点が60℃〜180℃の範囲の有機溶媒であることがより好ましい。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類アミド類、エーテル類、エーテルエステル類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。具体的には、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、乳酸エチル、等)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチルクロロホルム等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等)、エーテル(例、ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール、エチルセルソルブ、メチルカルビノール等)が挙げられる。単独での2種以上を混合して使用してもよい。好ましい分散媒体は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ブタノールが挙げられる。また、ケトン溶媒(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)を主にした塗布溶媒系も好ましく用いられる。
光拡散層は、上記支持体上に上記光拡散層形成用組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法等の公知の薄膜形成方法で塗布し該第1の透光性粒子及び第2の透光性粒子による透光性樹脂表面の凹凸形状が充分に形成されるまで放置、乾燥、光及び/または熱照射することにより作製することができる。
特に、マイクログラビアコート法による塗布方法が好ましい。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記支持体の上面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に塗布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法である。ロール形態の支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくともハードコート層乃至含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
マイクログラビアコート法による塗工条件としては、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、100〜300本/インチがより好ましく、グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、5〜200rpmであることがより好ましく、支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、1〜50m/分がより好ましい。
更には、塗布された組成物に光照射を行い、透光性樹脂を硬化させることが、迅速硬化することから好ましい。また、光硬化処理の後半で加熱処理することも好ましい。乾燥は室温付近の低温で送風乾燥してもよく、加熱して乾燥してもよい。加熱する場合の温度は、40〜180℃であり、80〜150℃が好ましい。乾燥時間は0.5〜60分が好ましい。
光照射の光源は電子線、紫外線光域或いは近赤外線光のものであればいずれでもよい。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50 〜1000KeV 、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が挙げられ、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が挙げられる。紫外線光の光源として、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライド灯、キセノン灯、太陽光等が挙げられる波長350〜420nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。また、近赤外光光源としてはハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプが挙げられ、波長750〜1400nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。
光照射による光ラジカル重合の場合は、空気または不活性気体中で行なうことができるが、ラジカル重合性モノマーの重合の誘導期を短くするか、または重合率を十分に高める等のために、できるだけ酸素濃度を少なくした雰囲気とすることが好ましい。照射する紫外線の照射強度は、0.1〜100mW/cm2程度が好ましく、塗布膜表面上での光照射量は100〜1000mJ/cm2が好ましい。また、光照射工程での塗布膜の温度分布は、均一なほど好ましく、±3℃以内が好ましく、更には±1.5℃以内に制御されることが好ましい。この範囲において、塗布膜の面内及び層内深さ方向での重合反応が均一に進行するので好ましい。
本発明の反射防止フィルムの好ましい一つの実施態様を模式的に示す概略断面図である図1に基づいて、本発明の光拡散層の好ましい一例を説明する。
反射防止フィルム10は、支持体12と、支持体12上に形成された光拡散層18と、光拡散層18上に形成された低屈折率層19とからなる。そして、光拡散層18は、透光性樹脂14中に2種類の異なる透光性粒子16,46が分散されてなる。
このようにすると、第1の透光性粒子及び第2の透光性粒子による凹凸が形成された光拡散層とすることができる。
なお、図1では、透光性粒子により凹凸が形成されたものを示したが、凹凸が形成されない光拡散層の表面に賦型加工或いは鏡面加工を施して表面凹凸を形成しても良い。
[高屈折率層]
本発明に係る反射防止フィルムでは、より良い反射防止能を付与するために、少なくとも1層の高屈折率層も前記光拡散層と選択的に用いられる。
高屈折率層の屈折率は屈折率1.55〜2.40であり、この範囲内の層があれば、本発明における高屈折率層が存在するといえる。この屈折率の範囲は、いわゆる高屈折率層あるいは中屈折率層といわれる範囲であるが、以下の本明細書では、これらの層を総称して高屈折率層と呼ぶ。なお、複数の高屈折率層が存在するときは、屈折率差によって、高屈折率層−1、同−2と表現するときもある。
また、高屈折率層と中屈折率層とが混在する場合、おおよそ屈折率1.8〜2.4の層を高屈折率層といい、屈折率1.8未満〜1.55の層を中屈折率層というが、高/中屈折率の関係は相対的であり、境界屈折率値は0.2程度動くこともある。屈折率は、添加する無機微粒子やバインダーの種類や比率で適宜調節できる。
図2は、本発明の反射防止フィルムの好ましい実施形態として、高屈折率層を用いた例を模式的に示す概略断面図である。図2において、反射防止フィルム1は、支持体2、ハードコート層3、高屈折率層−1(4)、高屈折率層−2(5)、低屈折率層6から構成される。
(二酸化チタンを主成分とする無機微粒子)
前記高屈折率層には、コバルト、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含有する二酸化チタンを主成分とする無機微粒子が含有される。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
本発明における二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。一次粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜100nm、特に好ましくは2〜80nmである。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子に、Co、Al及びZrから選ばれる少なくとも1つの元素を含有させることで、二酸化チタンが有する光触媒活性を抑えることができ、高屈折率層の耐候性を改良することができる。
本発明に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は表面処理してもよい。表面処理は、コバルトを含有する無機化合物、Al(OH)3、Zr(OH)4のような無機化合物または、シランカップリング剤のような有機化合物を用いて実施する。本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、特開2001−166104号公報記載のごとく、表面処理によりコア/シェル構造を形成していても良い。
高屈折率層に含有される二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましく、特に好ましくは不定形状、紡錘形状である。
(分散剤)
前記無機微粒子の分散には、分散剤を用いることができる。分散には、アニオン性基を有する分散剤を用いることが特に好ましい。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基(及びスルホ基)、リン酸基(及びホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、またはその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基及びその塩が好ましく、カルボキシル基及びリン酸基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1個以上含有されていればよいが、平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。アニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。さらに、分散剤は架橋または重合性官能基を含有することが好ましい。
分散剤は無機微粒子に対して、0.5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは3〜25質量%である。
(高屈折率層及びその形成法)
高屈折率層に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、分散物の状態で高屈折率層の形成に使用する。
無機微粒子の分散において、前記の分散剤の存在下で、分散媒体中に分散する。
分散媒体は、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、アミド、エーテル、エーテルアルコールが含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが好ましい。
特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
分散媒体は無機微粒子に対して、3000〜100質量%であることが好ましく、2000〜125質量%がより好ましい。
無機微粒子は、分散機を用いて分散する。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
無機微粒子分散物は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、質量平均径は1〜200nmである。好ましくは5〜150nmであり、さらに好ましくは10〜100nm、特に好ましくは10〜80nmである。
無機微粒子を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない高屈折率層を形成できる。
本発明に用いる高屈折率層は、前記のようにして分散媒体中に無機微粒子を分散した分散液に、好ましくは、さらにマトリックス形成に必要なバインダー前駆体(前述の防眩性ハードコート層と同様のもの)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層形成用の塗布組成物とし、透明支持体上に高屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、電離放射線硬化性化合物(例えば、多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)の架橋反応または重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。光ラジカル重合開始剤としては、前述の防眩性ハードコート層と同様のものが用いられる。
高屈折率層においてバインダーは、さらにシラノール基を有することが好ましい。バインダーがさらにシラノール基を有することで、高屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性がさらに改良される。
シラノール基は、例えば架橋または重合性官能基を有する前記一般式aで表される化合物を前記の高屈折率層形成用の塗布組成物に添加し、塗布組成物を透明支持体上に塗布して前記の分散剤、多官能モノマーや多官能オリゴマー、前記一般式aで表される化合物を架橋反応、または、重合反応させることによりバインダーに導入することができる。
一般式aで表される化合物の中でも、重合性基を有するものが好ましく、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等、およびこれらの加水分解物および/または部分縮合物等が好ましく用いられる。
高屈折率層においてバインダーは、アミノ基または四級アンモニウム基を有することも好ましい。アミノ基または四級アンモニウム基を有するモノマーは、高屈折率層における無機微粒子の良好な分散性を維持し、物理強度、耐薬品性、耐候性に優れた高屈折率層を作製することができる。
架橋または重合しているバインダーは、ポリマーの主鎖が架橋または重合している構造を有する。ポリマーの主鎖の例には、ポリオレフィン(飽和炭化水素)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミドおよびメラミン樹脂が含まれる。ポリオレフィン主鎖、ポリエーテル主鎖およびポリウレア主鎖が好ましく、ポリオレフィン主鎖およびポリエーテル主鎖がさらに好ましく、ポリオレフィン主鎖が最も好ましい。
バインダーは、アニオン性基を有する繰り返し単位と、架橋または重合構造を有する繰り返し単位とを有するコポリマーであることが好ましい。コポリマー中のアニオン性基を有する繰り返し単位の割合は、2〜96mol%であることが好ましく、4〜94mol%であることがさらに好ましく、6〜92mol%であることが最も好ましい。繰り返し単位は、二以上のアニオン性基を有していてもよい。コポリマー中の架橋または重合構造を有する繰り返し単位の割合は、4〜98mol%であることが好ましく、6〜96mol%であることがさらに好ましく、8〜94mol%であることが最も好ましい。
高屈折率層は前述の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の他にも微細な無機微粒子を含むことができる。該他の無機微粒子は前記光拡散層に含有される無機微粒子を用いても良く、微細に分散されていることが好ましく、好ましい分散後粒径と一次粒子粒径は光拡散層の欄に記載のとおりである。
高屈折率層における無機微粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機微粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋または重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止フィルムを作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.60〜2.20、更に好ましくは、1.65〜2.10、最も好ましくは1.7〜2.00である。
高屈折率層には、前記の成分(無機微粒子、重合開始剤、光増感剤など)以外に、樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、防眩性付与粒子、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、導電性の金属微粒子、などを添加することもできる。
高屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
高屈折率層の形成において、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応は、酸素濃度が10体積%以下、好ましくは酸素濃度が6体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。
[低屈折率層]
低屈折率層は、反射防止性を付与する目的で、支持体上に光拡散層を設けた側の最外層に設けられる。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.31〜1.48である。低屈折率層の屈折率は、上記支持体の屈折率よりも低いが、好ましくは0.2〜0.02低いのが望ましい。
低屈折率層の屈折率は、下記数式(III)を満すことが好ましい。
数式(III)
(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記数式(III)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(III)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層を設置する方法としては、従来公知のいずれの方法でもよいが、蒸着、スパッタ、CVDおよび塗布による方法が好ましく用いられる。塗布法にはゾル−ゲル法、および下記に示す硬化法があげられる。
本発明の低屈折率層は、耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のフッ素の導入、シリコーンの導入等から成る薄膜層の手段を適宜適用できる。すなわち、含フッ素化合物を含有することが好ましい。特に、本発明における低屈折率層は、熱硬化性または電離放射線硬化型の架橋性の含フッ素化合物を主体として形成された硬化した含フッ素樹脂により構成されているのが好ましい。
本発明において、「含フッ素化合物を主体とする」とは、低屈折率層中に含まれる含フッ素化合物が低屈折率層の全質量に対し、50質量%以上であることを意味し、60質量%以上含まれることがより好ましい。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含むことが好ましい。
含フッ素化合物には、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤、含フッ素エーテル、含フッ素シラン化合物、フッ素系化合物と称するフッ素系モノマー、オリゴマー類等が挙げられる。具体的には、例えば特開平9−222503号公報段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報段落番号[0019]〜[0030]、同2001−40284号号公報段落番号[0027]〜[0028]等の記載の化合物等が挙げられる。
本発明の低屈折率層は、上記含フッ素化合物に加え、さらに少なくとも下記素材を含有することが好ましい。
・平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%以上100%以下で、かつ中空構造を有し、屈折率が1.17〜1.40であるシリカ微粒子。
・平均粒径1〜150nmの無機微粒子。
・下記式(3)で示される有機シリル化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物から構成される組成物。
一般式a:RmSi(X)n
(一般式a中、Xは−OH、ハロゲン原子、−OR10基、またはOCOR10基を表す。R及びR10は、それぞれ炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m+nは4であり、m及びnはそれぞれ0以上の整数である)
・シリコーン系化合物。
・重合性基を少なくとも2個以上含有する多官能重合性化合物及び重合開始剤。
これらの素材を有機溶媒で希釈した塗布液を塗布し、硬化して形成される硬化膜であるのが好ましい。
以下、上記硬化性組成物の各素材について説明する。
(含フッ素ポリマー)
含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を含む繰り返し構造単位、架橋性若しくは重合性の官能基を含む繰り返し構造単位、それ以外の置換基からなる繰り返し構造単位からなる共重合体が好ましい。すなわち、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーとの共重合体、すなわち、架橋性もしくは重合性の官能基である硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーが好ましく、さらにその他のモノマーが共重合された含フッ素ポリマーを用いてもよい。
架橋性若しくは重合性の官能基としては従来公知の官能基の何れでも良い。
架橋性の官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有する化合物は塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
重合性の官能基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基が挙げられる。
好ましくは、ラジカル重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタニル基等)が挙げられる。
其の他の繰り返し構造単位としては、溶剤可溶化のために炭化水素系共重合成分により形成される繰り返し構造単位が好ましく、このような構造単位をポリマー全体中50質量%程度導入したフッ素系ポリマーが好ましい。この際には、シリコーン化合物と組み合わせることが好ましい。
シリコーン化合物としては、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、上市品のサイラプレーン(チッソ(株)製等)等の反応性シリコーン、特開平11−258403号公報に記載のポリシロキサン構造の両末端にシラノール基含有の化合物等が挙げられる。
架橋または重合性基を有する含フッ素ポリマーの架橋または重合反応は、最外層を形成するための硬化性組成物を塗布と同時または塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
この際、重合開始剤、増感剤等として、前記光拡散層用のものと同様のものが用いられる。
共重合してもよいその他のモノマーには特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号および特開平10−147739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
また、低屈折率層としては、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化して形成されるゾルゲル硬化膜も好ましく用いられる。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報等記載の化合物)、特開平9−157582号公報記載のパーフルオロアルキル基含有シランカップリング剤、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
併用する触媒としては、従来公知の化合物が挙げられ、上記文献中に記載のものが好ましく挙げられる。
本発明で特に有用な硬化性反応基を有する含フッ素ポリマーとしては、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体が挙げられる。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%を占めていることである。
本発明に用いられる共重合体の好ましい態様として下記一般式1で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005201986
一般式1中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH22−O−**、*−(CH22−NH−**、*−(CH24−O−**、*−(CH26−O−**、*−(CH22−O−(CH22−O−**、*−CONH−(CH23−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH23−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表す。
一般式1中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式1中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表し、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。但し、x+y+z=100である。
本発明に用いられる共重合体の特に好ましい態様として下記一般式2で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005201986
上記一般式2において、X、x、yは、一般式1と同じ意味を表し、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表し、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが挙げられる。
z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表し、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。但し、x+y+z1+z2=100である。
一般式1または2で表される共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。
以下に本発明で有用な共重合体の好ましい具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
Figure 2005201986
本発明に好ましく用いられる共重合体の合成は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合によって水酸基含有重合体等の前駆体を合成した後、高分子反応によって(メタ)アクリロイル基を導入することにより行なうことができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている方法が挙げられる。
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm2、特に、1〜30kg/cm2程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。
得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
(フッ素系化合物)
本発明の低屈折率層には、そのほかのフッ素系化合物(モノマー、オリゴマー類)を用いることが好ましい。フッ素系化合物は、フルオロアルキル基を有し、該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CF2CF3、−CH2(CF24H、−CH2(CF28CF3、−CH2CH2(CF24H等)であっても、分岐構造(例えば−CH(CF32、−CH2CF(CF32、−CH(CH3)CF2CF3、−CH(CH3)(CF25CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えば−CH2OCH2CF2CF3、−CH2CH2OCH248H、−CH2CH2OCH2CH2817、−CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はなく、用いられる。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(中空シリカ粒子)
本発明の低屈折率層中に用いることのでる中空シリカ粒子について、以下に記載する。
中空のシリカ微粒子は屈折率が1.17〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.17〜1.35、最もに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記数式(VIII)で算出される空隙率xは、
数式(VIII)
x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
好ましくは10〜60%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
なお、これら中空シリカ粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定を行った。
中空シリカの製造方法は、例えば特開2001−233611や特開2002−79616に記載されている。
中空シリカの塗設量は、低屈折率化や耐擦傷性の改良効果、低屈折率層表面への微細な凹凸の生成による黒の締まりなどの外観や積分反射率の悪化の抑制の観点から、1mg/m2〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5mg/m2〜80mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜60mg/m2である。
中空シリカの平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上150%以下が好ましく、より好ましくは30%以上100%以下、更に好ましくは40%以上70%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、中空シリカの粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上100nm以下、更に好ましくは、40nm以上70nm以下である。
シリカ微粒子の粒径が上記範囲であると、低屈折率化の低下が見込めると共に、低屈折率層表面に微細な凹凸の発生が抑制され、黒の締まりといった外観、積分反射率が向上する。
シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良い。また単分散粒子が好ましい。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
ここで、中空シリカの平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
(無機微粒子)
本発明においては、中空シリカと併用して空腔のないシリカまたはその他の無機微粒子を用いることができる。シリカ以外の無機微粒子としては、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の低屈折率化合物からなる粒子が好ましい。空腔のない無機微粒子の好ましい粒子サイズは、30nm以上150nm以下、更に好ましくは35nm以上80nm以下、最も好ましくは40nm以上60nm以下である。
また、平均粒径が低屈折率層の厚みの25%未満である無機微粒子(「小サイズ粒径の無機微粒子」と称す)の少なくとも1種を上記の粒径の無機微粒子(「大サイズ粒径の無機微粒子」と称す)と併用することが好ましい。
小サイズ粒径の無機微粒子は、大サイズ粒径の無機微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ粒径の無機微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ粒径の無機微粒子の平均粒径は、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このような無機微粒子を用いると、原料コストおよび保持剤効果の点で好ましい。
(中空)シリカまたはその他の無機微粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤による処理が特に有効である。
上記カップリング剤は、低屈折率層の無機フィラーの表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
(中空)シリカまたはその他の無機微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
(有機シリル化合物)
本発明の低屈折率層に用いられる下記一般式aの化合物について説明する。
本発明では下記一般式aで示される有機シリル化合物の加水分解物またはその部分縮合物、あるいはその両者から構成される組成物を低屈折率層が含有することが好ましい。
一般式a
mSi(X)n
(式中、Xは−OH、ハロゲン原子、OR10基、またはOCOR10基を表す。R及びR10は、それぞれ炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m+nは4であり、m及びnは、それぞれ独立に、0以上の整数である。)
一般式aの化合物は、加水分解して相互に縮合して所謂ゾル−ゲル法によってマトリックスを形成する。本発明においては、一般式aの化合物は、以下の4つの一般式で表される化合物を用いることができる。
(a)Si(X)4
(b)RSi(X)3
(c)R2Si(X)2
(d)R3Si(X)
(a)成分について具体的に説明する。具体的化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。特にテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランが好ましい。
次に(b)成分について説明する。(b)成分において、Rは炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。例えば、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、CF3CH2CH2CH2−、C25CH2CH2CH2−、C37CH2CH2CH2−、C25CH2CH2−、CF3OCH2CH2CH2−、C25OCH2CH2CH2−、C37OCH2CH2CH2−、(CF32CHOCH2CH2CH2−、C49CH2OCH2CH2CH2−、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF24CH2OCH2CH2CH2−、H(CF24CH2CH2CH2−、3−グリシドキシプロピル基、3−アクリルオキシプロピル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが挙げられる。また、オルガノシラン中のX は、−OH、ハロゲン原子、または好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数1〜4のアシルオキシ基であり、例えば、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、アセチルオキシ基などが挙げられる。
これらの(b)成分の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2CH2Si(OCH33 、C25CH2CH2CH2Si(OCH33、C25CH2CH2Si(OCH33 、C37CH2CH2CH2Si(OCH33、C25OCH2CH2CH2Si(OCH33 、C37OCH2CH2CH2Si(OC253、(CF32CHOCH2CH2CH2Si(OCH33 、C49CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、H(CF24CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33 、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルシラン等を挙げることができる。
このうち、フッ素原子を有するオルガノシランが好ましい。また、R としてフッ素原子を有さないオルガノシランを用いる場合、メチルトリメトキシシランまたはメチルトリエトキシシランを用いる事が好ましい。上記のオルガノシランは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用する事もできる。
次に(c) 成分について説明する。(c) 成分は、一般式R2Si(X)2(式中Rは前記(b) 成分に使用されるオルガノシランで定義されたR と同じ)で表されるオルガノシランである。ただし、複数あるR はお互いに同じ置換基でなくてもよい。本発明の組成物中では加水分解、縮合して得られる加水分解物または部分縮合物あるいはこれらの混合物となり、組成物中における結合剤としての働きをするとともに、塗膜を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるものである。
これらのオルガノシランの具体例は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH22Si(OCH32 、(CF3CH2CH2CH22Si(OCH32、(C37OCH2CH2CH22Si(OCH32、〔H(CF26CH2OCH2CH2CH22 Si(OCH32 、(C25CH2CH22Si(OCH32などを挙げる事ができ、好ましくはフッ素原子を有するオルガノシランである。またR としてフッ素原子有さないオルガノシランを用いる場合には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。また、(c)成分で表されるオルガノシランは、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用することもできる。
次に(d) 成分について説明する。(d) 成分は、一般式R3Si(X)(式中Rは前記(b) 成分に使用されるオルガノシランで定義されたR と同じ)で表されるオルガノシランである。ただし、複数あるR はお互いに同じ置換基でなくてもよい。本発明の組成物中では膜を疎水的にする働きをするとともに、塗膜の耐アルカリ性を向上させるものである。
これらのトリオルガノシランの具体例は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プピルエトキシシラン、トリ−i−プロピルメトキシシラン、トリ−i−プロピルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどが挙げられる。
本発明において(a)〜(d)の各成分の割合は、(a)成分を基準に、(b)成分は0〜150質量%、好ましくは5〜100質量%、さらに好ましくは10〜60質量%である。(b)成分は(a)成分を基準に0〜100質量%、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは1〜40質量%である。(c)成分は(a)成分を基準に0〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。(a)〜(d)の各成分のうち、(a)成分の割合が30質量%を下回ると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
(シリコーン系化合物)
シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端または側鎖、あるいはいずれにも置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164b、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(多官能重合性化合物)
多官能重合性化合物としては、前記光拡散層の透光性樹脂の項で記述した重合性基を少なくとも2個以上含有する電離放射線硬化型樹脂またはこれらの反応性希釈剤として挙げたモノマー類を用いるのが好ましい。両者の併用も好ましい。
上記多官能重合性化合物の配合量は、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、10〜900質量部とするのが好ましく、また多官能重合性化合物単独で用いることもできる。
上記硬化性組成物に用いることができる重合開始剤としては、前記光拡散層の透光性樹脂の項で記述した開始剤を用いることができる。
上記重合開始剤の配合量は、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.5〜15質量部とするのが好ましい。
また、本発明の低屈折率層は、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することが好ましい。これらの添加剤を添加する場合には硬化性組成物全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物やフッ素系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には硬化性組成物全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては大日本インキ(株)製、メガファックF−150(商品名)、東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、低屈折率層は、ミクロボイドを内包してもよい。具体的には、例えば特開平9−222502号公報、同9−288201、同11−6902号公報等に記載の内容が挙げられる。
また、本発明においては、有機微粒子を用いることもでき、該有機微粒子としては、例えば、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の化合物等があげられ、その形状は、上述の無機微粒子と同じである。
低屈折率層の厚さは20〜300nmが好ましく、40〜200nmがより好ましい。
本発明の低屈折率層は、その表面エネルギーが26mN/m以下であることが好ましい。更に好ましくは15〜25.8mN/mである。表面エネルギーをこの範囲にすることは防汚性の点で好ましく、本発明の低屈折率層が、含フッ素化合物を含有する熱硬化性または電離放射線硬化型の架橋性含フッ素化合物を含有する含フッ素硬化樹脂膜であることにより発現される。特に、最外層となる低屈折率層中に含まれる含フッ素化合物が最外層の全質量に対し、50質量%以上であることで膜表面全体がムラ無く安定した特性を示す。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液を偏光板保護膜面上に滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
また、最表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
また、低屈折率層表面の動摩擦係数は、0.25以下であることが好ましく、0.20〜0.03であることがより好ましい。更に好ましくは0.15〜0.03である。ここで記載した動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で表面を移動させたときの、表面とステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。
低屈折率層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K6902に従うテーバー試験での摩耗量は小さいほど好ましい。
《反射防止フィルムの他の層》
さらに、本発明の反射防止フィルムはハードコート層、透明帯電防止層、プライマー層、電磁遮蔽層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
[ハードコート層]
ハードコート層は反射防止フィルムに物理強度を付与するために必要により用いられ、支持体と光拡散層の間に用いることが好ましい。該層は電離放射線硬化性化合物の架橋反応、または重合反応により形成されることが好ましい。このために電離放射線硬化性多官能モノマーや多官能オリゴマーを塗布組成物に用いることが好ましく、重合性官能基として(メタ)アクリロイルル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられる。中でも(メタ)アクリロイルル基が好ましい。具体的には前記の光拡散層用の透明性樹脂で詳述されるものが好ましい。
ハードコート層は一次粒子の平均粒径が200nm以下の無機微粒子を含有することが好ましい。無機粒子の具体例としては前記のセルロースアシレートフィルムに混合する無機微粒子等が好ましく用いられる。
ハードコート層は、脆性の付与のために質量平均分子量が500以上のオリゴマーまたはポリマー、あるいは両者を添加してもよい。オリゴマー、ポリマーとしては、(メタ)アクリレート系、セルロース系、スチレン系の重合体や、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。好ましくは、側鎖に官能基を有するポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)やポリ(アリル(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
ハードコート層におけるオリゴマーまたはポリマー、あるいは両者の含有量は、ハードコート層の全質量に対し5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは35〜65質量%である。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層の形成において、電離放射線硬化性の化合物の架橋反応、または、重合反応により形成される場合、架橋反応、または、重合反応は酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で形成することにより、物理強度や耐薬品性に優れたハードコート層を形成することができる。
好ましくは酸素濃度が6体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。酸素濃度を10体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
ハードコート層は、透明支持体の表面に、ハードコート層形成用の塗布組成物を塗布することで構築することが好ましい。
塗布溶媒としては、高屈折率層で例示したメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤であることが密着性の点で好ましい。また、ケトン系溶媒以外の溶媒を含んでもよく、ケトン系溶媒の含有量が塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
ハードコート層の厚さは、0.3〜20μmであることが好ましく、0.6〜10μmであることがより好ましい。
[透明帯電防止層]
本発明においては、上記支持体と上記光拡散層との間に導電性材料を含有する透明帯電防止層を有するのがフィルム表面での静電気防止の点で好ましい。なお、液晶モードがIPSモード、VAモードの表示装置に設ける視認側の偏光板の外側表面エネルギーに対する保護には、透明帯電防止層として導電層を設けることが好ましい。
透明帯電防止層を形成する方法は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗工液を塗工する方法、導電性高分子の硬化膜を形成する方法、或いは透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法等の従来公知の方法を挙げることができる。
導電性微粒子としては例えば、金属の酸化物または窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または窒化物の例としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛および窒化チタンが挙げられる。酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。
透明帯電防止層の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.03〜7μmであることがより好ましく、0.05〜5μmであることがさらに好ましい。
また、透明帯電防止層の表面抵抗は、2×1012Ω/□以下であるのが好ましく、105〜1012Ω/□であることがより好ましく、105〜109Ω/□であることがさらに好ましく、105〜108Ω/□であることが最も好ましい。透明帯電防止層の表面抵抗は、四探針法により測定することができる。
透明帯電防止層のヘイズは25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下が最も好ましい。透明帯電防止層の波長550nmの光の透過率は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が最も好ましい。このときの値は帯電防止層塗設後の試料の測定値から塗設前の試料の測定値を差し引いた値である。帯電防止層の上に諸機能層を塗設することによって、通常、ヘイズや透過率は大きく変わる。
(透明帯電防止層の表面の形状)
本発明で設けられる透明帯電防止層の表面が、光学的に影響を与えない大きさの微細な表面凹凸形態を形成し、JIS B0601−1994に基づく該膜の表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.03μm以下で、十点平均粗さ(Rz)が0.06μm以下であるのが好ましく、且つ最大高さ(Ry)が 0.09μm以下であるのが好ましく、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.03μmで、十点平均粗さ(Rz)が 0.001〜0.06μmの範囲であることがより好ましい。更に好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.015μmで、十点平均粗さ(Rz)が0.002〜0.05μmの範囲であり、且つ最大高さ(Ry)が0.05μm以下である。特に好ましくは、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.010μmで、十点平均粗さ(Rz)が0.002〜0.025μmの範囲であり、且つ最大高さ(Ry)が0.04μm以下である。
更には、上記の光学的に影響を与えない大きさの微細な表面凹凸形態において、十点平均粗さ(Rz)との比(Ra/Rz)が0.15以上、且つJISB0601−1994に基づく該膜の表面凹凸の平均間隔(Sm)が2μm以下であることが好ましい。ここで、RaとRzの関係は表面の凹凸の均一性を示すものである。好ましくは、(Ra/Rz)比が0.17以上、平均間隔(Sm)が1〜0.01μmである。
表面の凹凸形状は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価することが出来る。
透明帯電防止層表面全体の表面凹凸の形状と分布を特定の範囲とすることで、長尺フィルムに連続して上層を設けた時にでも膜全面がムラなく均一にアンカリング効果が十分に行われて密着が保たれる。また、長期間を保存した後でも密着性が変化無く保持される。
本発明の導電性硬化膜上に塗設した上層(光拡散層)との密着性は、JIS K−6902に基づくテーバー磨耗試験における磨耗量が、50mg以下となる。具体的には、荷重1Kgで500回転後の磨耗量である。好ましくは40mg以下である。この範囲において、反射防止層としての耐擦傷性が十分に保持される。
《反射防止フィルムの特性》
(光学特性)
本発明の反射防止フィルムは、5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値(すなわち平均反射率)が2.5%以下であり、1.8%以下が好ましく、より好ましくは1.4%以下である。
上記の5度入射における鏡面反射率は、サンプルの法線方向+5度から入射した光に対する法線方向−5度で反射した光の強度の割合であり、背景の鏡面反射による映り込みの尺度になる。防眩性機能をもつ反射防止フィルムとして適用する場合には、防眩性付与のために設けた表面凹凸に起因する散乱光の分だけ、法線方向−5度で反射した光の強度は弱くなる。従って、鏡面反射率は防眩性と反射防止性の両方の寄与を反映する測定法といえる。
反射防止フィルムの5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が2.5%を越えると、背景の映り込みが気になり、表示装置の表面フィルムに適用したときの視認性が低下する為、好ましくない。
波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L***色空間のL*、a*、b*値が、それぞれ3≦L*≦20、−7≦a*≦7、且つ、−10≦b*≦10の範囲内とすることで、従来の多層反射防止フィルムで問題となっていた赤紫色から青紫色の反射光の色味が低減され、さらに3≦L*≦10、0≦a*≦5、且つ、−7≦b*≦0の範囲内とすることで大幅に低減され、液晶表示装置に適用した場合、室内の蛍光灯のような、輝度の高い外光が僅かに映り込んだ場合の色味がニュートラルで、気にならない。詳しくはa*>7では赤味が強く、a*<−7ではシアン味が強くなり、好ましくない。またb*<−7では青味が強く、b*>0では黄味が強くなり好ましくない。
本発明において、上記のL*、a*、及びb*の各値が表示画像の全面において一定であることが好ましく、特に各値の面内における変化率が20%以下であることが好ましい。更に好ましくは8%以下である。この範囲において、反射防止性能にムラのない視認性良好となる。
鏡面反射率及び色味の測定は、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価することができる。さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表すCIE1976L***色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価することができる。
これらは、セルロースアシレート支持体の膜厚の変動幅を上記内に抑制されたこと、該支持体自身の色味及びその変動幅が上記の範囲内に抑制されたこと、反射防止層塗設表面の凹凸形状を均一化されたフィルム表面に膜厚のムラを低減して反射防止層が形成されること等で、反射防止フィルムの膜厚ムラに起因する反射光の色味ムラが大幅に低減される。
更には反射光の色味がよりニュートラルであり、且つ耐候性に優れることを特徴とする。
反射光の色味均一性は、反射光の380nm〜680nmの反射スペクトルにより求めることができ、L***色度図上でa**の各平均値を求め、各*値の最大値と最小値の差(ΔA)を平均値で除して100を掛けて色味の変化率とした。変化率が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、8%以下であることが最も好ましい。
また、本発明の反射防止フィルムは、耐候性試験前後の色味の変化であるΔEが15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることが最も好ましい。
また、このような色味を有する場合に、耐光性試験前後における反射防止フィルムの波長380〜680nmにおける平均反射率の変化が0.4%以下であるのが好ましく、0.2%以下がより好ましい。
この範囲において、低反射と反射光の色味の低減を両立することができるため、例えば画像表示装置の最表面に適用した場合、室内の蛍光灯のような、輝度の高い外光が僅かに映り込んだ場合の色味がニュートラルで、表示画像の品位が良好と成り、好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、これらの光学特性及び膜の機械的特性が耐候性試験後も実質的に問題とならない範囲の変化に抑制されていることが特徴である。特に耐候性試験後に上記特性の変化が抑制されていることが特徴である。
本発明の耐候性試験は、JIS K5600−7−7:1999に基づく耐候性試験であり、サンシャインウエザーメーター(S−80、スガ試験機(株)製)、湿度50%、処理時間150時間)による耐候性試験を意味する。
このようなニュートラルな色味の反射光を有し、且つ低反射率を有する反射防止フィルムは、低屈折率層の屈折率と光拡散層の透光性樹脂の屈折率のバランスを最適化することで得られる。
本発明の反射防止フィルムの表面自由エネルギーは15〜26mN/mの範囲にあり、動摩擦係数が0.05〜0.20の範囲にあることが透湿度を制御するために好ましく、より好ましくは表面自由エネルギーが17〜22mN/m、動摩擦係数が0.07〜0.15の範囲である。
(導電性)
本発明の反射防止フィルムは、上記および後の液晶モードに関わらず以下のような導電性を有することが好ましい。
即ち、トリアセチルセルロース(TAC)あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)のいずれかに対して常温常湿で測定した垂直剥離帯電が−200pc(ピコクーロン)/cm2〜+200pc(ピコクーロン)/cm2であることが好ましい。より好ましくは−100pc/cm2〜+100pc/cm2であり、さらに好ましくは−50pc/cm2〜+50pc/cm2でる。ここで、単位のpc(ピコクーロン)は、10-12クーロンである。
さらに好ましくは、常温10%RHで測定した垂直剥離帯電が−100pc/cm2〜+100pc/cm2であり、さらに好ましくは−50pc/cm2〜+50pc/cm2でるあり、最も好ましくは0pc/cm2である。
垂直剥離帯電の測定方法は以下の通りである。
測定サンプルをあらかじめ測定温度湿度の環境下で2時間以上放置する。測定装置は測定サンプルを置く台と相手のフィルムを保持して測定サンプルに上から圧着と剥離を繰り返せるヘッドからなり、このヘッドに帯電量を測定するエレクトロメーターがつながっている。測定する反射防止フィルムを台に乗せ、ヘッドにTACあるいはPETを装着する。測定部分を除電したのち、ヘッドを測定サンプルに圧着させ剥離させることを繰り返し、1回目の剥離時と5回目の剥離時の帯電の値を読み、これを平均する。サンプルを変えて3サンプルでこれを繰り返し、全てを平均したものを垂直剥離帯電とする。
相手フィルムや測定サンプルの種類によってプラスに帯電する場合とマイナスに帯電する場合があるが、問題となるのは絶対値の大きさである。
また、一般的に低湿度の環境下の方が帯電の絶対値は大きくなる。本発明の反射防止フィルムはこの絶対値も小さいため、偏光板の保護フィルムとして好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、常温常湿及び常温10%RHでの垂直剥離帯電の絶対値を上記の範囲にすることにより、防塵性に優れ、好ましい。
垂直剥離帯電の値を上記の範囲とするには、反射防止フィルム表面の各種元素の割合を調節することによって行うことができる。
TN、OCB等の液晶モードの液晶表示装置の視認側の偏光板として、本発明の反射防止フィルムを用いる場合には、保護フィルムの表面抵抗値は、1×1011Ω/□以上とすることが好ましい。垂直剥離帯電の絶対値を小さくすることで防塵性を保持したまま、画像表示品位を低下させない。表面抵抗値の測定方法はJISに記載されている円電極法である。即ち、電圧印加後、1分後の電流値を読み、表面抵抗値(SR)を求める。
《反射防止フィルムにおける反射防止層の反対側の面について》
本発明の反射防止フィルムを、偏光板に用いる場合には、偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化して、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良することが好ましい。
親水化の手法としては、(1)予め親水化処理した支持体の一方の面に上記の各層(例、光拡散層、高屈折率層、低屈折率層、ハードコート層等)を塗設する手法、(2)支持体の一方の面に上記の各層(例、光拡散層、高屈折率層、低屈折率層、ハードコート層等)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を親水化処理する手法、の2つが考えられるが、(1)は光拡散層を塗設するべき面まで親水化され、支持体と光拡散層との密着性の確保が困難となるため、(2)の手法が好ましい。
(親水化処理)
支持体の表面の親水化処理は、公知の方法で行うことが出来る。例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ鹸化処理等で該フィルム表面を改質する方法が挙げられる。これらについては、前記の公技番号2001−1745の30頁〜32頁に詳細に記載されている。
(鹸化処理)
これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
(1)浸漬法
アルカリ液の中に反射防止フィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ鹸化処理液は、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は、0.1〜3.0Nの範囲にあることが好ましい。更に、アルカリ処理液として、フィルムに対する濡れ性が良好な溶媒(例、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メタノール、エタノール等)、界面活性剤、湿潤剤(例えば、ジオール類、グリセリン等)を含有することで、鹸化液の支持体に対する濡れ性、鹸化液の経時安定性等が良好となる。好ましいアルカリ液の液温は20〜70℃、特に好ましくは30〜60℃である。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、支持体の光拡散層を有する主面と反対の主面が親水化される。 偏光膜の保護フィルムは、通常、支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、光拡散層を有する側とは反対側の支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に光拡散層を有する主面までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる反射防止層の受けるダメージの指標として、反対側の主面の支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に支持体がセルロースアシレートフィルムであれば、好ましくは20度〜50度、より好ましくは30度〜45度となる。この範囲で、反射防止フィルムの受けるダメージに実害が無く、且つ偏光膜との接着性を保持でき、好ましい。
(2)アルカリ液塗布法
上述の浸漬法における反射防止フィルムへのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を反射防止フィルムを有する主面と反対側の主面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。アルカリ液及び処理は、特開2002−82226号公報、国際公開02/46809号パンフレットに記載の内容が挙げられる。
本発明の偏光板は、偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方に、本発明の反射防止フィルムを有する。該反射防止フィルムは、光拡散層を有する側とは反対側の支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が20度〜50度の範囲にあることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いることにより、物理強度、耐候性に優れた反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
《偏光板》
偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、前述の通り、上記の反射防止フィルムを切り出して用いる。他方の保護膜は、通常のセルロースアシレートフィルムを用いてもよい。
すなわち、本発明の偏光板は、(1)偏光膜の少なくとも一方の保護フィルムとして上述の本発明の反射防止フィルムを用いたもの、及び(2)偏光膜の一方の保護フィルムとして上述の本発明の反射防止フィルムを用い、もう一方の保護フィルムとして光学異方性のある光学補償フィルムを用いたものである。
液晶性化合物からなる光学異方性層を支持体上に設けてなる光学補償フィルムを偏光膜側に用いることが好ましい。反射防止フィルムと偏光膜、偏光膜と光学補償フィルムの積層に際しては周知の粘着剤、接着剤(例えばポリビニルアルコール系)を用いたり、その前に前述の鹸化処理等を行ってもよい。
偏光膜には、一般に、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
偏光板の生産性には保護フィルムの透湿性が重要である。偏光膜と保護フィルム(反射防止フィルムを含む。以下同じ)は、通常、水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護フィルム中を拡散することで、乾燥される。一般に保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
偏光板の透湿性は、保護フィルム(および重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100乃至1000g/m2・24hrsである事が好ましく、300乃至700g/m2・24hrsである事が更に好ましい。
保護フィルムの厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整する事が出来る。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することが出来る。この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの親疎水性は、添加剤により調整することが出来る。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることが出来る。
上記透湿性を独立に制御することにより、偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
[液晶化合物からなる光学異方性層のある光学補償フィルム]
上記光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物分子を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶化合物分子の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶化合物分子の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、p.411〜414に記載されている。
(液晶性化合物)
光学異方性層に用いられる液晶化合物は、棒状液晶でも、ディスコティック液晶でも良く、またそれらが高分子液晶、もしくは低分子液晶、さらには、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含む。最も好ましいのは、ディスコティック液晶である。
棒状液晶の好ましい例としては、特開2000−304932号公報に記載のものがあげられる。
ディスコティック液晶の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック液晶は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物質が前記化合物である必要はなく、例えば、低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載のものが挙げられる。
上記光学異方性層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物(例、可塑剤、界面活性剤、ポリマー等)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコティックネマチック相)を維持して冷却することにより得られる。あるいは、上記光学異方性層は、ディスコティック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等により)、さらに冷却することにより得られる。
光学異方性層の厚さは、0.1乃至10μmであることが好ましく、0.5乃至5μmであることがさらに好ましく、0.7乃至5μmであることが最も好ましい。ただし、液晶セルのモードによっては、高い光学的異方性を得るために、厚く(3乃至10μm)する場合がある。
《配向膜》
配向膜は、液晶分子の配向方向を規定する機能を有する為に通常用いられるが、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素として必ずしも必須のものではない。例えば、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光子上に転写して本発明の偏光板を作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。配向膜に使用するポリマーは、原則として、液晶分子を配向させる機能のある分子構造を有する。
本発明では、液晶分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができし、これらの組み合わせを複数使用することができる。
ポリマーの例としては、例えば特開平8−338913号公報、段落番号[0022]記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
これらの変性ポリビニルアルコール化合物及び架橋剤等の配向膜形成用組成物の具体例として、例えば特開2000−155216号公報、同2002−62426号公報等に記載のもの等が挙げられる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤を含む支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、支持体上に塗布した後、任意の時期に行なって良い。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。
配向膜は、支持体上または配向膜の下塗り層を設ける方法が挙げられる。支持体上に直接設ける場合は、前記の表面親水化処理が挙げられる。
また、下塗り層としては、例えば特開平7−333433号公報記載の下塗り層、或は疎水性基と親水性基との両方を含有するゼラチン等の樹脂層を一層のみ塗布する単層法第1層として高分子フィルムによく密着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として配向膜とよく密着するゼラチン等の親水性の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法(例えば、特開平11−248940号公報記載)の内容内容が挙げられる。
配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。次に、配向膜を機能させて、配向膜の上に設けられる光学異方性層の液晶分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させる。
配向膜の膜厚は、0.1乃至10μmの範囲にあることが好ましい。
[液晶化合物からなる光学異方性層を塗設する支持体]
該支持体は、高透過率なプラスティックフィルムであれば特に制限はないが、偏光板の保護フィルムであるセルロースアシレートを用いることが好ましい。
光学異方性層を塗設する支持体は、それ自身が光学的に重要な役割を果たすため、支持体のReレターデーション値を0〜200nm、そして、Rthレターデーション値が0〜400nmに調節される事が好ましい。
支持体のセルロースアシレートフィルムは、溶液の紫外線吸収スペクトルの吸収極大を与える波長(λmax)が400nmより短波長にある紫外線を吸収する化合物をレターデーション調整剤として含有することが好ましい。このような化合物の例として、フェニルサリチル酸類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収化合物を挙げることができる。また、少なくとも2つの芳香族環を有する芳香族化合物(例えば特開2000−111914号公報等)、トリフェニレン化合物(例えば特開2000−275434号公報等)、棒状化合物(例えば特開2002−363343号公報、同2003−35821号公報等)円盤状化合物(1,3,5−トリアジン骨格、ポルフィリン骨格を分子に含有の化合物等:例えば特開2001−166144号公報等)等が好ましい。これらの化合物類は、可視光領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性の支持体フィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は50乃至250nmであることが好ましい。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性の支持体フィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は100乃至400nmであることが好ましい。
なお、支持体フィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00乃至0.002であることが好ましい。また、フィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001乃至0.04であることが好ましい。
Reレターデーション値は、下記数式(V)に従って算出する。Rthレターデーション値は下記数式(VI)に従って算出する。
数式(V) :Reレターデーション値=(nx−ny)×d
数式(VI):Rthレターデーション値={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり;nyは、位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;nzは、フィルムの厚み方向の屈折率である。dは、単位をnmとするフィルムの厚さである。
更には、光学補償フィルムに用いるセルロースアシレートフィルムは、その吸湿膨張係数を30×10-5/%RH以下とすることが好ましい。吸湿膨張係数は、15×10-5/%RH以下とすることが好ましく、10×10-5/%RH以下であることがさらに好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
この吸湿膨張係数を調節することで、光学補償フィルムの光学補償機能を維持したまま、額縁状の透過率上昇(歪みによる光漏れ)を防止することができる。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。作製したセルロースアシレートフィルムから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R0)の雰囲気下にぶら下げる。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L0)を測定する。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R1)にして、長さ(L1)を測定する。吸湿膨張係数は下記の数式(VII)により算出する。
数式(VII):
吸湿膨張係数[/%RH]={(L1−L0)/L0}/(R1−R0)
セルロースアシレートフィルムの吸湿による寸度変化を小さくするには、疎水基を有する化合物或は微粒子等を添加することが好ましい。疎水基を有する化合物としては、分子中に脂肪族基や芳香族基のような疎水基を有する可塑剤や劣化防止剤の中で該当する素材が特に好ましく用いられる。これらの化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01乃至10質量%の範囲にあることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムに添加する上記した添加剤或は種々の目的に応じて添加できる添加剤(例えば、紫外線防止剤、剥離剤、帯電防止剤、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)及び赤外吸収剤等が挙げられる。)は、固体でもよく油状物でもよい。また、フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。これらの詳細は、前記の公技番号 2001−1745号技法の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されないが、ポリマーフィルム全組成物中、0.001〜25質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
光学補償フィルムに用いるセルロースアシレートフィルムの厚さは、30〜250μmであることが好ましく、40〜150μmであることがより好ましい。
《画像表示装置》
本発明の反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。反射防止フィルムは、反射防止フィルムの支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
本発明の反射防止フィルム、及び、本発明の偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
また、透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
すなわち、本発明の液晶表示装置は、上述の本発明の反射防止フィルムまたは上述の本発明の偏光板を配置してなる。
以下に本発明を実施例及び比較例に基づき、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<紫外線吸収性モノマーの分光特性>
以下の実施例、比較例において用いる紫外線吸収性モノマーの分光特性を表1に示す。
Figure 2005201986
表1においてε(380nm)は380nmにおけるモル吸光係数を表し、ε(380nm)/ε(400nm)は380nmのモル吸光係数に対する400nmのモル吸光係数の比を表す。
なお、分光吸収の測定はメチレンクロライド溶媒で行った。
比較UV−1と比較UV−2の構造式を以下に示す。
Figure 2005201986
[実施例1]
<支持体(実施例1−1)の作製>
(セルロースアシレート溶液(A−1)の調製)
下記の組成からなる混合物を攪拌溶解して、セルロースアシレート溶液(A−1)を調製した。
(セルロースアシレート溶液(A−1)組成)
置換度2.85(6位置換度0.90)のセルローストリアセテート
89.3質量部
可塑剤(多価アルコールエステル例示化合物No.8) 18.2質量部
下記のUV剤:UV−1 5.7質量部
メチレンクロライド 300.0質量部
メタノール 54.0質量部
1−ブタノール 11.0質量部
UV剤:UV−1
前記紫外線吸収性モノマーUVM−1とMMAの共重合体(質量平均分子量12000、UVモノマー含量55質量%)
(ドープの調製)
セルロースアシレート溶液(A−1)479質量部を充分に攪拌した後、更に室温(25℃)にて3時間放置し、得られたゲル状溶液を−70℃にて6時間冷却した後、50℃に加温・攪拌して完全に溶解したドープを得た。
次に、得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)にてフィルター濾過及び脱泡を行ってドープを調製した。
(溶液流延方法)
上述のセルロースアシレート溶液を調製する工程を行った後、得られたドープを、バンド流延機を用いて流延して、セルロースアシレート溶液からセルロースアシレートフィルムを製膜する工程を行った。
金属支持体(流延バンド)としては、ステンレススチールからなり、幅2m、長さ56m(面積112m2)からなるものを用いた。該金属支持体の算術平均粗さ(Ra)は0.006μmで、最大高さ(Ry)は0.06μmであり、また十点平均粗さ(Rz)は0.009μmであった。算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)の各測定は、JIS B 0601に規定によった。
流延されたドープは、流延直後の1秒間は風速0.5m/s以下で乾燥し、それ以降は風速15m/sで乾燥した。乾燥風の温度は50℃であった。
流延バンドから剥ぎ取った時のフィルムの残留溶剤量は230質量%であり、フィルムの温度は−6℃であった。流延から剥ぎ取りまでの間における平均乾燥速度は744質量%/分であった。また、剥ぎ取り時点でのドープのゲル化温度は約10℃であった。
金属支持体上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、乾燥風の温度を120℃とした。このときのフィルムの幅方向の温度分布は5℃以下であり、乾燥の平均風速は5m/s、伝熱係数の平均値は25kcal/m2・Hr・℃であり、フィルムの幅方向分布はいずれも5%以内であった。また乾燥ゾーン中におけるピンテンター担持部分は遮風装置により乾燥熱風が直接当らないようにした。
次に、セルロースアシレートフィルムを延伸する工程を行った。すなわち、残留溶剤量が15質量%のフィルムの状態で、130℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま50℃で30秒間保持した後クリップを外して巻き取りを行った。剥ぎ取りより巻取りまでの間で蒸発した溶剤は初期の溶剤量の97質量%であった。乾燥したフィルムは、さらにローラーで搬送しつつ乾燥させる乾燥工程において145℃の乾燥風により乾燥した後、湿度、温度を調整して巻取り時の残留溶剤量0.35質量%、水分量0.8質量%で巻き取り、実施例1−1の透明支持体としてのセルロースアシレートフィルム(CA1−1)(長さ3500m、幅1300mm、厚み80μm)を製造した。
製造したセルロースアシレートフィルム(CA1−1)膜厚の変動幅は±2.4%であった。幅方向のカール値は−4.5/mであった。
[比較例1−1〜1−4]
(比較例1−1)
実施例1−1において、流延製膜での乾燥風の平均風速24m/s、温度60℃及び延伸条件を変えて下記表2の物性となるようにして膜厚80μmのセルロースアシレートフィルム(CAR1−1)を作製した。
(比較例1−2)
実施例1において、可塑剤(多価アルコールエステル例示化合物No8)をゼロにして、その質量分をセルロースアセテートを増加た以外は、実施例1と同様にして、表2記載の膜厚79μmのセルロースアシレートフィルム(CAR1−2)を作製した。
(比較例1−3)
実施例1において、UV剤:UV−1をゼロにして、その質量分をセルロースアセテートを増加した以外は、実施例1と同様にして表2記載の膜厚80μmのセルロースアシレートフィルム(CAR1−3)を作製した。
(比較例1−4)
実施例1において、ジプロピレングリコールジベンゾエートをゼロにして、その質量分をトリフェニルフォスフェートを添加した以外は実施例1と同様にして表2記載の膜厚79μmのセルロースアシレートフィルム(CAR1−4)を作製した。
Figure 2005201986
(フィルム表面の凹凸形状)
得られたセルロースアシレートフィルムCA1−1、及びCAR1−1〜CAR1−4の各試料のバンド側面の表面の凹凸性状を測定した。その結果を表2に示す。また、以下の光学特性や力学的特性についても評価したその結果も併せて表2に示す。
(フィルムの光学特性)
(1)ヘイズ
ヘイズはヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。フィルム1サンプルにつき、5点を測定し、その平均値を採用した
(力学的特性の評価方法)
(2)カール
カール値は、アメリカ国家規格協会の規定する測定方法(ANSI/ASCPH1.29−1985、Method−A)に従い測定した。ポリマーフィルムを、幅方向に35mm、長手方向に2mmの大きさに切り取った後、カール板に設置する。これを温度25℃、相対湿度65%の環境下に1時間調湿後カール値を読みとる。そして同様に、ポリマーフィルムを、幅方向に2mm、長手方向に35mmの大きさに切り取った後、カール板に設置する。これを温度25℃、相対湿度65%の環境下に1時間調湿後カール値を読みとる。幅方向、長手方向の二方向で測定し、両者のうちの大きい値をカール値とした。カール値は、曲率半径(m)の逆数で表す。
(3)引き裂き強度
フィルムを幅65mm×長さ50mmに切断してサンプルを作製する。このサンプルを温度30℃、相対湿度85%の室内で2時間以上調湿し、ISO6383/2−1983の規格に従い、東洋精機製作所製軽荷重引裂強度試験器を用いて、引き裂きに要する荷重(g)を求めた。
(フィルムのその他の性状)
(4)光学的欠陥
1300mm幅のサンプル5mをクロスニコルに2枚に偏光板を配置して、この間に試料をおいて目視観察により輝度欠陥を評価した。大きさが100μm以上の輝点の数を計測し、1メートル当たりの換算値として表した。
(5)透湿度
JIS Z 0208に記載の方法で測定した(測定条件は25℃、90%RH)
(6)滲出性
フィルム試料を10×10cmのサイズに裁断し、23℃、55%RHで1日放置後の質量を測定した後、80℃、90%RHの条件下で2週間放置した。この試料を23℃、55%RHで1日放置した後、また質量を測定し、以下の式で残留性を計算した。
滲出性={(処理前の試料質量−処理後の試料質量)/処理前の試料質量}×100(%)
<反射防止フィルムの作製>
[実施例1a]
(反射防止フィルム(HK−01)の作製)
・光拡散層用塗布液の調製
光拡散層を構成する透光性樹脂は、紫外線硬化型樹脂(日本化薬(株)製、KAYARAD PET−30、屈折率1.51)を50質量部とし、硬化開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184 )を2質量部、第1の透光性微粒子としては、アクリル−スチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)を5質量部、第2の透光性微粒子としては、スチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)を5.2質量部、シランカップリング剤KBM−5103(信越化学工業製)を10質量部、下記のフッ素系ポリマー(f1)を0.03質量部、これらをトルエン50 質量部と混合して塗工液とした。
・光拡散層の塗設
上記のセルロースアシレートフィルム(CA1−1)をロール形態で巻き出してその上に、光拡散層用塗布液を乾燥膜厚6.0μmになるように塗設し、溶剤乾燥後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて光拡散層(HKF−01)フィルムを作製した。
Figure 2005201986
(低屈折率層の作製)
・低屈折率層塗布液(LL−1)の調製
下記構造の含フッ素ポリマー(FP−1)をメチルエチルケトンに3質量%の濃度になるように溶解し、中空シリカ(CS60−IPA、平均粒径60nm、シェル層厚10nm、屈折率1.31、イソプロパノール20質量%分散液、触媒化成(株)製)を含フッ素ポリマー固形分に対して中空シリカ固形分で30質量%、末端メタクリレート基含有シリコーン樹脂X−22−164C(信越化学(株)製)を固形分に対して3質量%、光ラジカル発生剤イルガキュア907(チバガイギー社製)を固形分に対して5質量%添加し、低屈折率層用塗布液LL−1を調製した。
Figure 2005201986
・低屈折率層の塗設
上記の低屈折率層用塗布液(LL−1)を上記光拡散層(HKF−01)の上にグラビアコーターを用いて塗布した。80℃、2分間乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層(屈折率1.43、膜厚86nm)を形成した。このようにして、本発明の反射防止フィルム(HK−01)を作製した。
[実施例1b]
(反射防止フィルム(HK−02)の作製)
支持体と光拡散層の作製は、上記実施例1aと全く同じに行った。すなわち、上記実施例1のセルロースアシレートフィルムCA1−1の上に上記光拡散層(HKF−01)を塗設した。
(低屈折率層の作製)
・低屈折率層用塗布液(LL−2)の調製
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン100g、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン200g、テトラエトキシシラン1700g、イソブタノール200g、アルミニウムアセチルアセトナート6gをフラスコに仕込み、撹拌した。次に0.25mol/lの酢酸水500gを少量ずつ滴下した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した。その後、ジアセトンアルコール600gを添加した。さらに上記低屈折率層塗布液(LL−1)と同じ中空シリカ(CS60−IPA、20質量%)を600g添加、撹拌して孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して低屈折率層用塗布液(LL−2)を調製した。
・低屈折率層の塗設
上記低屈折率層用塗布液(LL−2)の揮発性有機溶媒が蒸発した後の固形分に対して1質量%のイソホロンジイソシアネートを(LL−2)の塗布液に塗布直前に混合し、押し出しコーターで、該防眩性ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフィルム上に塗布した。80℃で5分間乾燥の後、更に120℃で20分硬化させた。その後、窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量200mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成させ巻き取った。このようにして、反射防止フィルム(HK−02)を作製した。
[実施例1c]
(反射防止フィルム(HK−03)の作製)
支持体と光拡散層の作製は、上記実施例1aと全く同じに行った。すなわち、上記実施例1のセルロースアシレートフィルムCA1−1の上に上記光拡散層(HKF−01)を塗設した。
(低屈折率層の作製)
・低屈折率層用塗布液(LL−3)の調製
上記の低屈折率層用塗布液(LL−2)調製工程に対して、最終段階でシリコーン系レベリング剤(直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー(商品名:L−9000(CS100)(日本ユニカー社製))30gを添加したこと以外は全く同様にして、低屈折率層用塗布液(LL−3)を調製した。
・低屈折率層の塗設
上記低屈折率層用塗布液(LL−2)を低屈折率層用塗布液(LL−3)に変更した以外は、上記HK−02と同様に塗設、乾燥、加熱、紫外線照射して、反射防止フィルム(HK−03)を作製した。
[比較例1−5]〜[比較例1−10]
実施例1aの反射防止フィルム(HK−01)に対して、構成の異なる下記の比較例試料を作製した。
(1)セルロースアシレート支持体がCAR1−1で、その他は実施例1aに同じ(フィルムNo.はHFR1)
(2)セルロースアシレート支持体がCAR1−2で、その他は実施例1aに同じ(HFR2)
(3)セルロースアシレート支持体がCAR1−3で、その他は実施例1aに同じ(HFR3)
(4)セルロースアシレート支持体がCAR1−4で、その他は実施例1aに同じ(HFR4)
(5)低屈折率層塗布液の中空シリカをゼロにし、これと等質量分の含フッ素ポリマーを増加して低屈折率層塗布液(LR−1)を調製し、実施例1aと同様に塗布した(HFR5)
(6)低屈折率層塗布液の中空シリカを、非中空(普通の)シリカ粒子(MEK−STの粒径ちがい品、粒径45nm、日産化学工業製)で等量置き換えて、低屈折率層塗布液(LR−2)を調製し、実施例1aと同様に塗布した(HFR6)
(反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、下記項目の評価を行った。その結果を表3に示す。
(1)反射防止性
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−47を装着して
450〜650nmの波長域において、入射角5°における出射角−5°の鏡面反射率を測定し、平均反射率を算出して鏡面反射率とした。値の低いほうが好ましい。
(2)防眩性
作成した反射防止フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(6500cd/m2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
◎:蛍光灯の輪郭が全くわからない
○:蛍光灯の輪郭がわずかにわかる
△:蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる
×:蛍光灯がほとんどぼけない
(3)密着性評価
反射防止フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。各反射防止フィルムの光拡散層を有する側の表面において、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)における密着試験を同じ場所で繰り返し3回行った。剥がれの有無を目視で観察し、下記の4段階評価を行った。
◎:100升において剥がれが全く認められなかったもの
○:100升において剥がれが認められたものが2升以内のもの
△:100升において剥がれが認められたものが10〜3升のもの
×:100升において剥がれが認められたものが10升をこえたもの
(4)スチルウール耐擦傷性の評価
前記露光前後の反射防止フィルムにおいて、#0000のスチルウールに500g/cm2の荷重をかけ、10往復したときの傷の状態を観察して、以下の3段階で評価した。
A:傷が全く付かない。
B:少し傷が付くが見えにくい。
C:顕著に傷が付く。
(5)防塵性(ゴミ付着防止性)
測定フィルムを硝子板に貼り、除電した後、東レ(株)のトレシーを用いて往復10回擦り、その後微細な発泡スチロールの粉を擬似ゴミとし、フィルム全体にかけた後フィルムを立て、疑似ゴミの落下の様子を観察し、下記の4段階評価を行った。
◎:擬似ゴミがほとんど全て落下する。
○:擬似ゴミが80%以上落下する。
△:擬似ゴミが50%以上落下する。
×:擬似ゴミが50%以上フィルム表面に残存している。
(6)色味均一性
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表すCIE1976L***色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、この中からa*値、b*値を用いて反射光の色味を評価した。
フィルムの測定点は、ロール形態の長さ方向から3点(塗工後ロールの先端部、中央部、及び終端部)、その各点において幅方向3点(中央並びに両端)の合計9点の測定を行った。
各フィルムのa*値、b*値それぞれの平均値を求め中央値とした。a*値、b*値各々の最大値と最小値の差(ΔA)を求め、この差を中央値で除し、100を掛けて色味の変化率とした。変化率を下記範囲で4段階に分けて評価した。また、a*値、b*値の変化率のうち大きいほうの結果を用いた。
◎:0〜8%
○:8〜20%
△:20〜30%
×:30%以上
(7)耐候性(色味変化)
サンシャインウエザーメーター(S−80、スガ試験機(株)製)、湿度50%)を用いて、露光時間200時間の各水準の耐候性試験を行った。
耐候性試験前後の試料について、傾斜角5°の入射光の反射スペクトルを鏡面反射率の測定方法と同様にして測定し、更に波長380nm〜780nmの波長領域におけるCIE色度図反射光の色味を計算することにより、耐候性試験前後の色味変化を求めた。色度図上で中心点から各試料の色味点までの距離ΔEを測定し、耐候性試験前後でのΔEの差を求め、下記の4段階評価を行った。
◎:ΔEが8以下
○:ΔEが8〜15
△:ΔEが15〜25
×:ΔEが25以上
Figure 2005201986
比較用の支持体からなる比較例1−5〜1−8は塗布膜の密着性、防塵性、耐候性が悪く、色味の均一性も低下した。
また、低屈折率層の中空シリカ粒子をゼロにした比較例1−9と、中空シリカを非中空シリカ粒子(従来シリカ粒子)に置き換えた比較例1−10は、反射防止性が劣るものであった。
さらに実施例1aの反射防止フィルムは比較例1−7に比べて透過画像がクッキリして、透過画像性が良好であった。
以上のように、本発明の反射防止フィルムは、反射防止性が格段に優れたものでありながら、これに伴う密着不良が改良され、耐擦傷性や耐光性も十分で、透過画像性も良好でその他の上記特性も良好であった。
[実施例2]
<反射防止フィルムの作製>
[実施例2a]
(反射防止フィルム(HK−11)の作製)
(ハードコート層の作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液とした。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、日本化薬(株)製)750.0質量部に、質量平均分子量15000のポリ(グリシジルメタクリレート)270.0質量部、メチルエチルケトン730.0質量部、シクロヘキサノン500.0質量部及び光重合開始剤(イルガキュア184、日本チバガイギー(株)製)50.0質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルム(CA1−1)をロール形態で巻き出して、その上にハードコート層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ8μmのハードコート層(HKH−01)フィルムを作製した。
(高屈折率層の作製)
・高屈折率層用二酸化チタン微粒子分散液の調製
二酸化チタン微粒子として、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129C、石原産業(株)製、TiO2:Co34:Al23:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5質量比)を使用した。
この粒子257.1質量部に、下記分散剤41.1質量部、およびシクロヘキサノン701.8質量部を添加してダイノミルにより分散し、質量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
分散剤
Figure 2005201986
・高屈折率層−1の作製
上記の二酸化チタン分散液99.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)68.0質量部、光重合開始剤(イルガキュア907)3.6質量部、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.2質量部、メチルエチルケトン279.6質量部およびシクロヘキサノン1049.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌したのち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層−1用塗布液を調製した。
上記のハードコート層(HKH−01)の上に高屈折率層−1用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布した。その後、90℃、30秒間乾燥し、さらに酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量400mJ/cm2の照射量で紫外線硬化した。このようにして高屈折率層−1(HKM−01)フィルムを作製した。
硬化後の高屈折率層−1は、屈折率1.630、膜厚67nmであった。
・高屈折率層−2の作製
上記の二酸化チタン分散液469.8質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)40.0質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.3質量部、光増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製)1.1質量部、メチルエチルケトン526.2質量部、およびシクロヘキサノン459.6質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層−2用の塗布液を調製した。
上記の高屈折率層−1(HKM−01)の上に高屈折率層−2用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布して高屈折率層−2(HKK−01)フィルムを作製した。高屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量400mJ/cm2の照射量とした。
硬化後の高屈折率層−2は屈折率1.905、膜厚107nmであった。
(反射防止フィルム(HK−11)の作製)
上記の高屈折率層−2(HKK−01)の上に、実施例1aと同じ上記の低屈折率層用塗布液(LL−1)をグラビアコーターを用いて、同じ工程条件で塗布して反射防止フィルム(HK−11)を作製した。
[実施例2b]
(反射防止フィルム(HK−12)の作製)
支持体、ハードコート層、高屈折率層−1、高屈折率層−2について、調液、塗設、乾燥条件すべてを上記実施例2aのハードコート層(HKH−01)、高屈折率層−1(HKM−01)、高屈折率層−2(HKK−01)と同じにして作製した。
(低屈折率層の作製)
上記実施例1bの低屈折率層の塗布液(LL−2)を用い、塗設、乾燥条件も実施例1bと全く同じにして、反射防止フィルム(HK−12)を作製した。
[実施例2c]
(反射防止フィルム(HK−13)の作製)
支持体、ハードコート層、高屈折率層−1、高屈折率層−2について、調液、塗設、乾燥条件すべてを上記実施例2aのハードコート層、高屈折率層−1、高屈折率層−2と同じにして作製した。
(低屈折率層の作製)
上記実施例1cの低屈折率層の塗布液(LL−3)を用い、塗設、乾燥条件も実施例1cと全く同じにして、反射防止フィルム(HK−13)を作製した。
[比較例2−1]〜[比較例2−6]
実施例2aの反射防止フィルム(HK−11)に対して、構成の異なる下記の比較例試料を作製した。(上記比較例1−5〜1−10と支持体が同じで、反射防止層の構成が異なる。)
(1)セルロースアシレート支持体がCAR1−1で、その他は実施例2aに同じ(フィルムNo.はHFR11)
(2)セルロースアシレート支持体がCAR1−2で、その他は実施例2aに同じ(HFR12)
(3)セルロースアシレート支持体がCAR1−3で、その他は実施例2aに同じ(HFR13)
(4)セルロースアシレート支持体がCAR1−4で、その他は実施例2aに同じ(HFR14)
(5)屈折率層塗布液の中空シリカをゼロにし、これと等質量分の含フッ素ポリマーを増加して低屈折率層塗布液(LR−1)を調製し、実施例2aと同様に塗布した(HFR15)
(6)低屈折率層塗布液の中空シリカを、非中空(普通の)シリカ粒子(MEK−STの粒径ちがい品、粒径45nm、日産化学工業製)で等量置き換えて、低屈折率層塗布液(LR−2)を調製し、実施例2aと同様に塗布した(HFR16)
(反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、防眩性を除いた他の評価項目について実施例1と同じに評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2005201986
評価の結果、実施例2a〜2cの本発明反射防止フィルムは、反射防止性が良好で、かつ塗布膜の密着性、スチールウール耐擦傷性、防塵性、色味均一性が良好であった。更に、耐候試験後も性能の低下は見られなかった。
比較用の支持体からなる比較例2−1〜2−6は塗布膜の密着性と耐候性が悪く、色味の均一性も低下した。
また、低屈折率層の中空シリカ粒子をゼロにした比較例2−5と、中空シリカを非中空シリカ粒子(従来シリカ粒子)に置き換えた比較例2−6は、反射防止性が不十分であった。
以上のように、実施例2の本発明の反射防止フィルムも、反射防止性が格段に優れたものでありながら、これに伴う密着不良が改良され、耐擦傷性や耐光性も十分で、その他の上記特性も良好であることが見出された。
実施例1と2の下記反射防止フィルムについて表面自由エネルギーと動摩擦係数を測定した。表面自由エネルギーは水と沃化メチレンの接触角を測定した値から計算した。動摩擦係数は25℃、60%RHで調湿した試料について、5mmφのステンレス鋼球、100g荷重でHEIDON動摩擦計を用いて測定した。
結果を表5に示す。
Figure 2005201986
[実施例3]
<支持体の作製>
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルムCA1−1において、脂肪族エステル系可塑剤とUV剤を下記表6に記載のように変更した以外はCA1−1と同様にして、セルロースアシレートフィルムCA2−1〜CA2−6を作製した。さらに製造条件や組成を変更して比較フィルムCAR2−1〜CAR2−3も作製した。これらのフィルムの組成、製造条件内容を表6に示す。
Figure 2005201986
上記表5中のUV剤は、下記のとおりである。
UV−2:
前記紫外線吸収性モノマーUVM−1とHPMAの共重合体(質量平均分子量8300、UVモノマー含量[質量%]32)
UV−3:
前記紫外線吸収性モノマーUVM−2とMMAの共重合体(質量平均分子量12000、UVモノマー含量[質量%]54)
UV−4:
前記紫外線吸収性モノマーUVM−5とMMAの共重合体(質量平均分子量8400、UVモノマー含量[質量%]50)
得られたセルロースアシレートフィルムについて実施例1と同様のの評価を行った。結果を表7、8に示す。
Figure 2005201986
Figure 2005201986
実施例3のセルロースアシレートフィルムを支持体にして、その上に実施例1の光拡散層と低屈折率層、または実施例1のハードコート層、高屈折率層−1、高屈折率−2、低屈折率層を塗設した。塗設内容一覧を表9に示し、実施例1と同じ評価を行った結果を表10に示す。
Figure 2005201986
Figure 2005201986
実施例1、2と同様に、本発明の可塑剤、UV剤を用い、低屈折率層に中空シリカを用いた実施例3の本発明反射防止フィルムは、膜厚変動幅、カールが小さくなっており、密着性、防塵性、色味均一性、耐候性に優れていることが分かる。
また実施例3−11〜3−17、比較例3−11〜3−13について防眩性を上記評価法で評価した結果、いずれの試料も評価ランク○だった。
[実施例4]
<反射防止フィルムの作製>
(導電層の作製)
下記表11記載のセルロースアシレートフィルム上に、ペルトロン4456−S7(ATOを分散したハードコート剤(固形分45%):ペルノックス(株)製 商品名)を塗設、乾燥後、紫外線を照射して硬化し、厚み1μmの導電性層(EL−1)を形成した。このフィルムの表面抵抗率は108Ω/□オーダーの導電性であった。
尚、表面抵抗率は、試料を(25℃/65%RH)の条件下に1時間放置した後、同条件下で三菱化学製 抵抗率計MCP−HT260を用いて測定した。
さらに、この試料のヘイズは13.8%であり、透過率は76%で、表面形状のRaが0.014で、Rzが0.041で、Ryが0.058であった。(測定法は前記方法に同じ)
(光拡散層の作製)
実施例1aの光拡散層と同様に形成した。
(低屈折率層用塗布液(LL−4))
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)130質量部、シリカゾル(シリカ、MEK−ST、平均粒径15nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)5質量部、中空シリカ(CS60−IPA、平均粒径60nm、シェル層厚10nm、屈折率1.31、イソプロパノール20質量%分散液、触媒化成(株)製)15質量部、下記のゾル液a 6質量部、メチルエチルケトン50質量部、およびシクロヘキサノン60質量部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液(LL−4)を調製した。
〈ゾル液a〉
攪拌機、還流冷却機を備えた反応機、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製、KBM−5103)を100部、ジイソプロピルアルミニウムアセテート(ホープ試薬製、ケロープ)3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。質量平均分子量は1600で、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。またガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
・低屈折率層用塗布液(LL−5)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)5.6質量部、前記含フッ素ポリマー(FP−1)1.4質量部、中空シリカ(CS60−IPA、イソプロパノール20質量%分散液、触媒化成(株)製)20.0質量部、RMS−033(反応性シリコーン、Gelest(株)製)0.7質量部、光重合開始剤イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.2質量部、ゾル液a(上記記載のもの)6.2質量部、メチルエチルケトン 315.9質量部を添加し、攪拌後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液(LL−5)を調製した。
・低屈折率層の塗設
上記光拡散層の上に低屈折率層用塗布液(LL−4)、(LL−5)各々について、線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有するロールとドクターブレードを用いてロール回転数30rpm、搬送速度15m/分の条件で塗設し、120℃で150秒乾燥の後、さらに140℃で8分乾燥させてから窒素パージ下で240w/cm2、照射量900mj/cm2の紫外線を照射して、厚さ90nmの低屈折率層を形成した。
以上の各塗布液と実施例1aの各塗布液と2aの各塗布液を表11に記載のように組み合わせて反射防止フィルムを作製した。
Figure 2005201986
得られた反射防止フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表12に示す。
Figure 2005201986
表12の結果より、導電層付きの本発明実施例4−11〜4−20の反射防止フィルムは、防塵性が全体に良くなり、その他の諸特性は実施例1〜3と同様の効果を示した。
また、試料No.実施例4−11〜4−16、比較例4−11〜4−13について防眩性評価を行った結果、いずれの試料も評価ランク○だった。
実施例4の下記表13の反射防止フィルムについて、耐候性(反射率変化)を下記方法で評価した。結果を表13に示した。
・耐候性(反射率変化)の評価
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を測定した。耐候性試験前後の平均反射率変化(ΔR)を求め、下記の4段階評価を行った。
◎:ΔRが0.1%以下
○:ΔRが0.1〜0.2%
△:ΔRが0.2〜0.4%
×:ΔRが0.4%以上
Figure 2005201986
表13に示される結果から、本発明の反射防止フィルム4−17〜4−20は、耐候性に優れることが分かる。
[実施例5]
(偏光板用保護フィルムの作製)
実施例1、実施例2、実施例3および実施例4で作製した反射防止フィルムについて、本発明の反射防止層を有する側とは反対側の支持体の表面を、水酸化カリウム57質量部、プロピレングリコール120質量部、イソプロピルアルコール535質量部、および288水質量部からなるアルカリ溶液を40℃に保温した鹸化液を塗布して鹸化処理した。
鹸化処理した支持体表面のアルカリ溶液を、水で十分に洗浄した後、100℃で十分に乾燥させた。このようにして、偏光板用の保護フィルムとしての反射防止フィルムを作製した。
(偏光板の作製)
膜厚75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製)を水1000g、ヨウ素7g、ヨウ化カリウム105gからなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いで、このフィルムを4質量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向に1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光膜を作製した。
接着剤としてポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の一方の面に表14に示す本発明の反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したセルロースアシレートフィルム面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には上記と同様にして鹸化処理したセルロースアシレートフィルム(TD−80UF、富士写真フイルム(株)製)を同じポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせ、表14に示す偏光板(視認側用)を作製した。
Figure 2005201986
(画像表示装置の評価)
このようにして作製した本発明の偏光板(実施例5−1〜5−3、実施例5−4〜5−6、実施例5−7〜5−17、実施例5−18〜5−27)を装着したTN,STN,IPS,VA,OCBのモードの透過型、反射型、または、半透過型の液晶表示装置は、反射防止性能に優れ、極めて視認性が優れていた。
[実施例6]
(偏光板の作製)
ディスコティック構造単位の円盤面がトリアセチルセルロースフィルムからなる支持体面に対して傾いており、かつ該ディスコティック構造単位の円盤面と支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する光学補償フィルム(ワイドビューフィルム A 12B、富士写真フィルム(株)製)の支持体の光学補償層を有する側とは反対側の表面を実施例5と同様の条件で鹸化処理した。
実施例5で作製した偏光膜に、接着剤としてポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の一方の面に、表15に示す反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したセルロースアシレートフィルム面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には鹸化処理した上記光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を同じポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせた。用いた反射防止フィルムと作製された偏光板は、表15記載のとおりである。比較例も一緒に表示した。
Figure 2005201986
<液晶表示装置>
(TNモード液晶表示装置)
TNモードで20インチの液晶表示装置〔TH−20TA3型(松下電器(株)製)〕に設けられている視認側の偏光板の代わりに上記で作製した偏光板(6H−1、6R−1)の光学異方性層が液晶セル側となるようにアクリル系粘着剤を介して、観察者側に一枚貼り付けた。また、またバックライト側には、光学異方性層側が液晶セル側となるように粘着剤を介して下記のバックライト側偏光板(BHB)を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
なお、バックライト側偏光板(BHB)は、実施例5と同様にして偏光膜を作製しこれを鹸化処理したセルロースアシレートフィルム(TD80UF)にポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせ、他の片面の偏光膜上に、上記の鹸化処理した光学補償フィルムを貼り合わせて作製した。
(OCBモード液晶表示装置)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを6μmに設定した。セルギャップにΔnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。作製したベンド配向セルを挟むように、上記の偏光板(6H−1、6R−1)を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、セルの視認側に貼り付けた。またバックライト側には、光学異方性層側が液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側偏光板(BHB)を貼り付けた。視認側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
(VAモード液晶表示装置)
VAモードで22インチの液晶表示装置〔TH22−LH10型(松下電器(株)製)〕に設けられている視認側の偏光板の代わりに上記の偏光板(6H−1、6R−1)の光学異方性層が液晶セル側となるようにアクリル系粘着剤を介して、観察者側に一枚貼り付けた。
(IPSモード液晶表示装置)
IPSモードで20インチの液晶表示装置:W20−lc3000型(日立製作所(株)製)に設けられている視認側の保護フィルムの代わりに上記の偏光板(6H−1、6R−1)の光学異方性層が液晶セル側となるようにアクリル系粘着剤を介して、視認側に一枚貼り付けた。
<液晶表示装置の描画性能>
上記の各液晶表示装置について、以下の内容の画像描画性を評価した。その結果を表16に示す。
尚、対応する各比較例は、視認側偏光板の最表面側に本発明の反射防止フィルムを設けていない偏光板を付設したものを用いた。
(画像描画性の評価方法)
(1)描画画像のムラ評価
測定機(EZ−Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)時の描画ムラを目視で観察した。
○:全く発生しない(10人が評価し、1人も認識できないレベル)
△:弱く発生する(10人が評価し、1〜5人が認識するレベル)
×:強く発生する(10人が評価し、6人以上が認識するレベル)
(2)外光の写り込み評価
外光の映り込みの評価を蛍光灯を用いて行い、目視にて下記4段階評価を行った。
◎:映り込みの変化はあるが全く気にならない
○:映り込みの変化はあるが殆ど気にならない
△:映り込みの変化は気になるが、許容できる
×:映り込みの変化が気になる
(3)コントラスト、及び視野角
液晶表示装置の液晶セルに、白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ−Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、コントラスト比及び左右方向(セルのラビング方向と直交方向)の視野角(コントラスト比が10以上となる角度範囲の広さ)を調べた。
◎:全く気にならない
○:変化はあるが殆ど気にならない
△:変化は気になるが、許容できる
×:変化が気になる
(4)色味変化
上記「(3)コントラスト、視野角」の評価方法と同様の装置を用いて、視野角が正面から60度の範囲内における色調の変化の度合いを目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:全く気にならない
○:変化はあるが殆ど気にならない
△:変化は気になるが、許容できる
×:変化が気になる
実施例6−1〜6−4及び比較例6a〜6dの各表示装置について、上記方法で描画画像の画像品位を評価した。その結果を表10に記載した。
Figure 2005201986
TNモードの表示装置の実施例6−1は、本発明の偏光板保護フィルムの無い比較例6aに比べて、外光写りこみの解消のみならず、上下のコントラスト、視野角、色味変化性が向上して良好な視認性が得られた。
OCBモードの表示装置の実施例6−2は、本発明の偏光板保護フィルムの無い比較例6bに比べて外光写りこみの解消のみならず、上下のコントラスト、色味変化性が著しく向上して良好な視認性が得られた。
VAモードの表示装置の実施例6−3は、本発明の偏光板保護フィルムの無い比較例6cに比べて、外光写りこみの解消のみならず、斜め方向からのコントラストが実用上に問題の無い性能に達し、且つ色味変化性が解消されて視認性が向上した。
IPSモードの表示装置の実施例6−4は、本発明の偏光板保護フィルムの無い比較例6dに比べて、外光写りこみの解消のみならず、コントラストの黒表示時の漏れ光が実用上に問題の無い視認性に改善された。
以上のように、本発明の反射防止フィルムを設けた偏光板を付設の液晶表示装置は、描画画像の視認性が極めて良好となった。
[実施例7]
実施例1〜4の反射防止フィルム試料の一部(HK−01、HK−02、HK−11、HK−23、HK−41、HK−43)を、各々、有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、いずれも視認性の高い表示装置が得られた。
[実施例8]
実施例6の各視認側偏光板(6H−1)を用いて、偏光板の反射防止膜を有している側の反対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示が得られた。
本発明の反射防止フィルムの好ましい一つの実施態様を模式的に示す概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムの好ましい実施形態として高屈折率層を用いた例を模式的に示す概略断面図である。
符号の説明
1 反射防止フィルム
2 透明支持体
3 ハードコート層
4 高屈折率層−1
5 高屈折率層−2
6 低屈折率層(最外層)
10 反射防止フィルム
12 支持体
14 透光性樹脂
16 第1の透光性粒子
18 光拡散層
19 低屈折率層
46 第2の透光性粒子


Claims (13)

  1. 膜厚が30〜120μmのセルロースアシレートフィルムからなる支持体上に、光拡散層または該支持体より屈折率の高い高屈折率層の少なくとも1層と、該支持体より低屈折率の低屈折率層を少なくとも1層とを順次設けて形成された反射防止層を有する反射防止フィルムであって、
    該セルロースアシレートフィルムが、長さ100〜5000m及び幅0.7m以上の長尺品であって、その膜厚変動幅が±3%以内であり且つ幅方向のカールが−7/m〜+7/mであり、
    該低屈折率層には、1.17〜1.40の屈折率を有する中空シリカ微粒子が含有されていることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. セルロースアシレートフィルムが、下記式(1)および式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
    式(1): 2.3≦SA’+SB’≦3.0
    式(2): 0≦SA’≦3.0
    (式中、SA’はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、またSB’はセルロースの水酸基を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。)
  3. セルロースアシレートフィルムが、可塑剤として、脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸との多価アルコールエステルを含有し、かつセルロースアシレートフィルムの透湿度が20〜260(g/m2;24h,25℃、90%RH)であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
  4. 多価アルコールエステルのモノカルボン酸成分が、分子内に芳香環または脂環式環を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. セルロースアシレートフィルムの滲出性が0〜2.0%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. セルロースアシレートフィルムが、380nmにおけるモル吸光係数が4000以上である紫外線吸収性モノマーとエチレン性不飽和モノマーとの共重合ポリマーであり、かつ質量平均分子量が2000〜20000である紫外線吸収性共重合ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. セルロースアシレートフィルムの表面のJIS B0601−1994に基づく表面凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.0005〜0.1μmであり、該表面の十点平均粗さ(Rz)が0.001〜0.3μmであり、表面凹凸の平均間隔(Sm)が2μm以下であり、かつ視覚的な大きさが100μm以上である光学的欠陥の数が1m2当たり1個以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. 反射防止フィルムの、波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光のCIE1976L***色空間のL*、a*、b*値のそれぞれの値の面内における変化率が、20%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  9. 反射防止フィルムの耐候性試験前後の波長380nm〜680nmにおける平均反射率の変化が0.4%以下であり、かつ反射光の色味変化記述ΔEがL***色度図上で15以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  10. 低屈折率層が、さらに下記一般式aで示される有機シリル化合物の加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかから構成される組成物を含有することを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の反射防止フィルム。
    一般式a
    mSi(X)n
    (Xは−OH、ハロゲン原子、−OR10基、又はOCOR10基を表す。R及びR10は、それぞれ炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。m+nは4であり、m及びnはそれぞれ0以上の整数である)
  11. 偏光膜の少なくとも一方の側の保護フィルムが請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
  12. 偏光膜の一方の側の保護フィルムが請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルムであり、偏光膜のもう一方の側の保護フィルムが光学異方性のある光学補償フィルムであることを特徴とする偏光板。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルムあるいは請求項11または12に記載の偏光板が、画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
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