JP2005209643A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術とは異なる新たな手段によって、容易に膜厚を厚くでき、低駆動電圧で動作できる発光素子を提供する。またそれにより、消費電力が低く、なおかつ色純度の高い発光素子を提供する。また同時に、消費電力が低く、なおかつ歩留まりの高い発光素子を提供する。
【解決手段】 陽極101と陰極105との間に、発光物質を含む第1の層102、第2の層103、第3の層104が、陽極101から陰極105の方向に対して順に設けられ、第3の層104が陰極105に接する構成の発光素子を作製する。第2の層103は、n型半導体若しくはそれを含む混合物、又はキャリア輸送性を有する有機化合物と電子供与性の高い物質との混合物を用いて形成する。また第3の層104は、p型半導体若しくはそれを含む混合物、又はキャリア輸送性を有する有機化合物と電子受容性の高い物質との混合物を用いて形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、陽極と陰極との間に発光物質を含む層を有し、電界を印加することによって発光が得られる発光素子の層構造に関する。
有機半導体材料を機能性有機材料として用いたフォトエレクトロニクスデバイスの例として、発光素子や太陽電池が挙げられ、これらは有機半導体材料の電気物性(キャリア輸送性)および光物性(光吸収あるいは発光)を活かしたデバイスであり、中でも、発光素子はめざましい発展を見せている。
発光素子は、一対の電極(陽極と陰極)間に発光物質を含む層を挟んでなり、その発光機構は、両電極間に電圧を印加した際に陽極から注入される正孔(正孔)と、陰極から注入される電子が、発光物質を含む層中の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光するといわれている。なお、励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられている。
最近では、駆動電圧を低下させることに成功しており(例えば、特許文献1参照)、アルカリ金属やアルカリ土類金属、もしくは希土類金属等の低仕事関数の金属(電子供与性を示す金属)を有機化合物にドープし、電子注入層とすることで、陰極から有機化合物への電子注入におけるエネルギー障壁を低下させている。また、この手法によれば、陰極にはAlのような安定した金属を用いても、駆動電圧を低減することができる。
特開平10―270171号公報
さらに、この技術を応用することで、発光素子の発光スペクトルの制御にも成功している(例えば、特許文献2参照)。特許文献2においても、電子注入層として有機化合物に電子供与性を示す金属をドープしているが、この層の膜厚を厚くすることで、陰極と発光層との光学的距離を変化させ、光の干渉効果により外部に出射される発光スペクトルを制御することを実現している。
特開2001−102175号公報
特許文献2によれば、上述のような電子注入層を適用することにより、発光スペクトルを制御するために電子注入層の膜厚を厚くしても、駆動電圧の上昇は小さいとされている。しかしながら実際は、バソキュプロイン(BCP)等の配位子として機能する特殊な有機化合物を用いなければ、駆動電圧は大きく上昇してしまう。
すなわち、特許文献1および2で示された電子注入層の技術では、膜厚を厚くすることで、発光スペクトルを制御して色純度を向上させたり、あるいは歩留まりを向上させたりしたとしても、配位子として機能する有機化合物を選ばない限り駆動電圧が上昇し、消費電力が大きくなってしまうという問題点があった。
ここで、特許文献1や特許文献2に示された発光素子の動作原理について図2を用いて説明する。
図2は、上述した特許文献1や2で述べられている電子注入層を用いた従来の発光素子の基本的な素子構造である。
従来の発光素子(図2)では、順バイアスを印加すると、陽極201から注入された正孔と陰極204から注入された電子が発光物質を含む層202中で再結合し、発光に至る。この時、電子注入層203は、有機化合物に電子供与性の高い金属(アルカリ金属やアルカリ土類金属)をドープした構成である。
この電子注入層203は、電子を流して発光物質を含む層202に電子注入する役割を持つ。しかしながら、有機化合物の電子移動度は正孔移動度に比べて2桁程度小さいため、発光スペクトルを制御するなどの目的で可視光の波長程度(サブミクロンオーダー)の膜厚にすると、駆動電圧が高くなってしまう。
以上のような問題に鑑み、本発明では、従来技術のように配位子として機能するような物質を用いる発光素子とは異なる新たな手段によって、容易に膜厚を厚くでき、低駆動電圧で動作できる発光素子を提供することを課題とする。またそれにより、消費電力が低く、なおかつ色純度の高い発光素子を提供することを課題とする。また同時に、消費電力が低く、なおかつ歩留まりの高い発光素子を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を有する発光素子を提供することにより、課題を解決できることを見出した。
本発明は、陽極と陰極の間に、発光物質を含む第1の層と、n型半導体を含む第2の層と、p型半導体を含む第3の層と、を有し、前記陽極から前記陰極の方向に対し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順に設けられ、前記第3の層が陰極に接して設けられている発光素子である。
ここで、n型半導体は、金属酸化物であることが好ましく、特に、酸化亜鉛、酸化錫、および酸化チタンからなる群より選ばれるいずれかの一または二以上の化合物であることが好ましい。また、p型半導体は金属酸化物であることが好ましく、特に、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることが好ましい。
本発明は、陽極と陰極との間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および電子供与性を示す物質を含む第2の層と、p型半導体を含む第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順に設けられ、第3の層が陰極に接するように設けられている発光素子である。
ここで、p型半導体は、金属酸化物であることが好ましく、特に、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることが好ましい。また、第2の層の有機化合物は、電子輸送性を示す有機化合物であることが好ましく、特に、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体が好ましい。また、電子供与性を示す物質はアルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることが好ましい。
本発明は、陽極と陰極との間に、発光物質を含む第1の層と、n型半導体を含む第2の層と、有機化合物および電子受容性を示す物質を含む第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順に設けられ、第3の層が陰極に接するように設けられている発光素子である。
ここで、n型半導体は、金属酸化物であることが好ましく、特に、酸化亜鉛、酸化錫、および酸化チタンからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることが好ましい。また、第3の層の有機化合物は、正孔輸送性の有機化合物であることが好ましく、特に芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることが好ましい。また、電子受容性を示す物質は、金属酸化物であることが好ましい。
本発明は、陽極と陰極との間に、発光物質を含む第1の層と、第1の有機化合物および電子供与性を示す物質を含む第2の層と、第2の有機化合物および電子受容性を示す物質を含む第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順に設けられ、第3の層が陰極に接するように設けられている発光素子である。
ここで、第1の有機化合物は電子輸送性を示す有機化合物であることが好ましく、特に、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体であることが好ましい。また、電子供与性を示す物質は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることが好ましい。また、第2の有機化合物は、正孔輸送性の有機化合物であることが好ましく、特に、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることが好ましい。また、電子受容性を示す物質は、金属酸化物であることが好ましい。
本発明は、陽極と陰極との間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および金属を含む第2の層と、金属酸化物からなる第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順に設けられ、第3の層が陰極に接するように設けられている発光素子である。あるいはまた、陽極と陰極との間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および金属を含む第2の層と、第2の層に含まれる有機化合物と異なる有機化合物および金属酸化物を含む第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順に設けられ、第3の層が陰極に接するように設けられている発光素子である。
ここで、第2の層に含まれる有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であることが好ましく、特に、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体であることが好ましい。また、第3の層に含まれる第2の有機化合物は、正孔輸送性の有機化合物が好ましく、特に、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることが好ましい。また、金属は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることが好ましい。また、金属酸化物は、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることが好ましい。
なお、本発明の発光素子では、陰極の形成にスパッタリング法を用いた場合であっても、スパッタリングによる発光素子の損傷が少なく良好な特性を示す発光素子を得ることができる。このため、主にスパッタリング法によって形成されるインジウム錫酸化物(ITO:indium Tin Oxide)等の可視光を透過できる導電物を用いて陰極を形成することができる。このような、可視光を透過できる導電物から成る透明電極を用いた場合、陰極側からも発光を取り出すことのできる発光素子を得ることができる。
本発明によって、従来技術のように配位子として機能するような物質を用いる発光素子とは異なる新たな手段によって、容易に膜厚を厚くでき、低駆動電圧で動作できる発光素子を得ることができる。またそれにより、消費電力が低く、なおかつ色純度の高い発光素子を得ることができる。また同時に、消費電力が低く、なおかつ歩留まりの高い発光素子を得ることができる。
さらに、前記発光素子を用いて発光装置を作製することにより、色純度が高く歩留まりも良好で、消費電力の低い発光装置を提供することができる。
以下では、本発明の実施形態について、動作原理および具体的な構成例を挙げて詳細に説明する。
まず、本発明の発光素子の動作原理について、図1を用いて説明する。図1は本発明の発光素子の基本的な素子構造である。
本発明の発光素子は(図1)は、陽極101と陰極105との間に、第1の層102、第2の層103、第3の層104が、陽極101から陰極105の方向に対して順に設けられた構成となっている。なお、本発明における陽極とは、ホールを注入する電極のことをさす。また、本発明における陰極とは、電子を注入する電極として作用してもよいし、ホールを受け取る電極として作用してもよい。
第2の層103は、電子を生成し且つ電子を輸送する層であり、n型半導体若しくはそれを含む混合物、又はキャリア輸送性を有する有機化合物と電子供与性の高い物質との混合物から成る。また、第3の層104は、正孔を生成し且つ正孔を輸送する層であり、p型半導体若しくはそれを含む混合物、又はキャリア輸送性を有する有機化合物と電子受容性の高い物質との混合物から成る。さらに、第1の層102は、発光物質を含む層であり、単層または複数の層から成る。
なお、第1の層102、第2の層103、第3の層104は、第1の層102において発光領域が形成されるように、各層の膜厚および各層を構成する物質を選んで積層されている。
このような構成の発光素子に順バイアスを印加すると、図1に示す通り、第2の層103と第3の層104との界面近傍から、電子と正孔がそれぞれ逆方向に流れ出す。このようにして発生したキャリアのうち、電子の方は陽極101から注入された正孔と再結合し、第1の層102中にて発光に至る。一方、正孔はそのまま陰極105の方へ抜けていくことになる。なおこの時、第2の層103と第3の層104に着目すると、p−n接合に対して逆バイアスが印加されている状態であり、発生するキャリアの量は際だって多いものではないが、発光素子を駆動するには十分な量である。
以上のような、本発明の発光素子では、正孔を発生し、その正孔を移動することのできる第3の層の膜厚を厚くすることで、光学距離を調節できる。この点で、BCPを含んだ電子注入層203、つまり電子を発生し、その電子を輸送する層の膜厚を厚くすることで光学距離を調節している従来型の発光素子(図2)と異なる。
通常、正孔輸送材料として用いられている有機化合物の正孔移動度は、電子輸送材料として用いられている有機化合物の電子移動度よりも高移動度である。従って、本発明のように、正孔を移動することのできる層(第3の層)を厚くすることによって、光学距離を調整した方が、膜厚増加に伴う駆動電圧の増加を抑制できる。
以下、本発明の一態様について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から 逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明の発光素子について図3を用いて説明する。
図3では、基板300上に陽極301が形成され、陽極301上に発光物質が含まれる第1の層302が形成され、第1の層302上に第2の層303が形成され、第2の層303上に第3の層304が形成され、その上に陰極305が形成された構造を有する。
なお、ここで基板300に用いる材料としては、従来の発光素子に用いられているものであれば良く、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック、可撓性を有する基板などからなるものを用いることができる。
陽極301として用いることのできる陽極材料としては、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陽極材料の具体例としては、ITO(indium tin oxide)、珪素を含有するITO、酸化インジウムに2〜20[%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
一方、陰極305の形成に用いられる陰極材料としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陰極材料の具体例としては、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF2)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、Al、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。
なお、上述した陽極材料及び陰極材料は、蒸着法、スパッタリング法等により薄膜を形成することにより、それぞれ陽極301及び陰極305を形成する。膜厚は、10〜500nmとするのが好ましい。最後にSiN等の無機材料やテフロン(登録商標)、スチレンポリマー等の有機材料からなる保護層(バリア層)を形成してもよい。バリア層は、透明であっても不透明であってもよく、上記無機材料または有機材料は、蒸着法、スパッタリング法等により形成する。
さらに、発光素子の有機層や電極の酸化や湿気から防ぐためにSrOxやSiOx等の乾燥剤を電子ビーム照射法、蒸着法、スパッタリング法、ゾル・ゲル法等により形成してもよい。
また、本発明の発光素子において、第1の層である発光物質を含む層におけるキャリアの再結合により生じる光は、図3に示すとおり、陽極301または陰極305の一方、または両方から外部に出射される構成となる(図中の矢印が発光方向である)。すなわち、陽極301から光を出射させる場合(図3(A))には、陽極301を透光性の材料で形成することとし、陰極305側から光を出射させる場合(図3(B))には、陰極305を透光性の材料で形成することとし、陽極301および陰極305の両側から光を出射させる場合(図3(C))には、陽極301と陰極305を透光性の材料で形成する。
また、第1の層302は複数の層を積層することにより形成されるが、本実施の形態1では、第4の層311、第5の層312、第6の層313を積層することにより形成される。なお、第4の層311は正孔注入性材料を含む正孔注入層であり、第5の層312は正孔輸送性材料を含む正孔輸送層である。第6の層313は、発光物質を含み、電界を印加したときに発光領域が形成される発光層である。
また、第1の層である発光物質を含む層には公知の材料を用いることができ、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。
第4の層311を形成する正孔注入性材料としては、フタロシアニン系の化合物が有効である。例えば、フタロシアニン(略称:H2−Pcと示す)、銅フタロシアニン(略称:Cu−Pcと示す)等を用いることができる。
第5の層312を形成する正孔輸送性材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適である。広く用いられている材料として、例えば、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)の他、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)、あるいは4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。また、酸化モリブデン等の導電性無機化合物を単独、又は上記有機化合物と混合した複合材料等も用いることができる。
第6の層313に含まれる発光物質としては、例えば、キナクリドン、クマリン、ルブレン、スチリル系色素、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12―フタロペリノン誘導体などの有機化合物の他、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)等の金属錯体が挙げられる。
第2の層303は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛などのn型半導体からなる構成であるか、またはそれらn型半導体を含む構成であればよい。あるいはまた、有機化合物に電子供与性を示す物質をドープした構成であってもよい。この時の有機化合物としては電子輸送性材料が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、先に述べたOXD−7、TAZ、p−EtTAZ、BPhen、BCPが挙げら、この他に従来では駆動電圧の上昇が見られたAlq3、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム略称:BeBq2)などのキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)が挙げられる。一方、電子供与性を示す物質としては、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、またはEr、Yb等の希土類金属が挙げられる。この他に、例えばAlq3に対して電子供与性を示すテトラチアフルバレンやテトラメチルチアフルバレンのような有機化合物であってもよい。
第3の層304は、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ニッケルなどのp型半導体からなる構成であるか、またはそれらp型半導体を含む構成であればよい。あるいはまた、有機化合物に電子受容性を示す物質をドープした構成であってもよい。この時の有機化合物としては正孔輸送性材料が好ましく、芳香族アミン系の化合物が好適である。例えば、TPDの他、その誘導体であるα−NPD、あるいはTDATA、MTDATAなどのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。一方、電子受容性を示す物質としては、例えばα−NPDに対して電子受容性を示す酸化モリブデンや酸化バナジウムのような金属酸化物が挙げられる。また、α−NPDに対して電子受容性を示すテトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)や2,3―ジシアノナフトキノン(略称:DCNNQ)のような有機化合物であってもよい。
以上により、本発明の発光素子を形成することができる。なお、本形態では、図示していないが、第1の層302の一部に、第2の層303と接するように電子輸送性に優れた材料から成る層を設けた構造にしてもよい。電子輸送性に優れた材料の具体例としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる
上記の本発明の発光素子において、可視光を透過する導電物で陰極を形成した場合、図3(B)のように、陰極側から発光を取り出すことができる。また、可視光を透過する導電物で陽極を形成した場合、図3(A)のように、陽極側から発光を取り出すことができる。さらに、陰極及び陽極をいずれも可視光を透過する導電物で形成した場合は、図3(C)のように、両側から発光を取り出すことができる。
可視光を透過でき、また導電性も比較的高い導電物としては、先に記載したような、ITOやIZO等が挙げられる。これらは仕事関数が高いため、通常、陰極を形成する材料としては不適とされている。
しかし、本発明の発光素子では、正孔を生成し且つ正孔を輸送する層及び電子を生成し電子を輸送する層を設けた構成となっていることによって、ITOやIZOのような仕事関数の高い材料を用いても、駆動電圧が上がることがない。従って、本発明の発光素子では、陰極を形成するための材料として、ITOやIZO等を用いることができる。
さらに、本発明の発光素子では、陰極の形成にスパッタリング法を用いた場合であっても、スパッタリングによる発光素子の損傷が少なく良好な特性を示す発光素子を得ることができる。このことは、主にスパッタリング法によって形成されるITO等の可視光を透過できる導電物を用いて陰極を形成する際に有利である。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、本発明の発光素子の構成について図4を用いて説明する。
なお、基板400、陽極401、第1の層402、第2の層403、第3の層404、陰極405については、実施の形態1と同様の材料を用いて、同様にして形成することができるため説明を省略する。
また、図4では、基板400上に陰極405が形成され、陰極405上に第3の層404が形成され、第3の層404上に第2の層403が形成され、第2の層403上に発光物質を含む第1の層402が形成され、その上に陽極401が形成された構造を有する。
また、本発明の発光素子において、第1の層である発光物質を含む層におけるキャリアの再結合により生じる光は、陽極401または陰極405の一方、または両方から外部に出射される構成となる。すなわち、陽極401から光を出射させる場合(図4(A))には、陽極401を透光性の材料で形成することとし、陰極405側から光を出射させる場合(図4(B))には、陰極405を透光性の材料で形成することとし、陽極401および陰極405の両側から光を出射させる場合(図4(C))には、陽極401と陰極405を透光性の材料で形成する。
以上により、本発明の発光素子を作製することができる。
上記の本発明の発光素子において、可視光を透過する導電物で陽極を形成した場合、図4(A)のように、陽極側から発光を取り出すことができる。また、可視光を透過する導電物で陰極を形成した場合、図4(B)のように、陰極側から発光を取り出すことができる。さらに、陰極及び陽極をいずれも可視光を透過する導電物で形成した場合は、図4(C)のように、両側から発光を取り出すことができる。
なお、実施の形態2でも述べたように、可視光を透過でき、また導電性も比較的高い導電物としては、先に記載したような、ITOやIZO等が挙げられる。これらは仕事関数が高いため、通常、陰極を形成する材料としては不適とされている。
しかし、本発明の発光素子では、正孔を生成し且つ正孔を輸送する層及び電子を生成し電子を輸送する層を設けた構成となっていることによって、ITOやIZOのような仕事関数の高い材料を用いても、駆動電圧が上がることがない。従って、本発明の発光素子では、陰極を形成するための材料として、ITOやIZO等を用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、ガラス、石英、金属、バルク半導体、透明プラスチック、可撓性基板などからなる基板500上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブ型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、石英、透明プラスチック、可撓性基板などからなる基板以外に、例えば図5に示すように、薄膜トランジスタ(TFT)アレイと接する発光素子を作製してもよい。ここでは、511と512をTFTとし、513を本発明の発光素子とする。発光素子513は陽極514、第1の層、第2の層および第3の層を515と、陰極516から成り、配線517を介してTFT511と電気的に接続されている。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型でもよいし、逆スタガ型でもよい。またTFTを構成している半導体層の結晶性についても特に限定されず、結晶質のものでもよいし非晶質のものでもよい。
本実施例では、本発明の発光素子の一態様について具体的に例示する。素子構造を図6を用いて説明する。
まず、基板600上に発光素子の陽極601が形成される。材料として透明導電膜であるITOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。陽極601の形状は2mm角とした。
次に、陽極601上に発光物質を含む第1の層602が形成される。なお、本実施例における発光物質を含む第1の層602は、3つの層、すなわち正孔注入層611、正孔輸送層612、発光層613からなる積層構造を有している。
まず、陽極601が形成された基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに陽極601が形成された面を下方にして固定し、真空蒸着装置の内部に備えられた蒸発源に銅フタロシアニン(以下、Cu−Pcと示す)を入れ、抵抗加熱法を用いた蒸着法により20nmの膜厚で正孔注入層611を形成した。なお、611を形成する材料としては、公知の正孔注入性材料を用いることができる。
次に、正孔輸送性に優れた材料により正孔輸送層612を形成する。612を形成する材料としては、公知の正孔輸送性材料を用いることができるが、本実施例では、α−NPDを用い、同様の方法により40nmの膜厚で形成した。
次に、発光層613を形成する。613を形成する材料としては、公知の発光物質を用いることができるが、本実施例では、Alq3を同様の方法により、40nmの膜厚で形成した。ここでは、Alq3が発光物質として作用する。
このようにして、3つの層611、612、613を積層して形成したあと、第2の層603が形成される。本実施例では、電子輸送性材料としてAlq3を、Alq3に対して電子供与性を示す物質としてMgを用い、30nmの膜厚で共蒸着法により第2の層603を形成した。Mgの割合は1wt%とした。
次に、第3の層604が形成される。本実施例では、正孔輸送性材料としてα−NPDを、α−NPDに対して電子受容性を示す物質として酸化モリブデンを用い、150nmの膜厚で共蒸着法により第3の層を形成した。酸化モリブデンの割合は25wt%とした。なお、酸化モリブデンの原料としては、酸化モリブデン(VI)を用いた。
次に、陰極605をスパッタリング法または蒸着法により形成する。なお、本実施例では、第3の層604上にアルミニウム(150nm)を蒸着法により形成することにより陰極605を得た。
以上のようにして、本発明の発光素子を形成した。得られた素子の輝度−電圧特性を図11に、電流−電圧特性を図12に、電流を1mA流した時の発光スペクトルを図13にそれぞれ示す。
形成された発光素子に電圧を印加すると、発光開始電圧(ここでは、輝度が1cd/m2となる時の電圧)は6.0Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は1130cd/m2であった。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.29,0.63)であり、色純度のよい緑色となっていた。
(比較例1)
本比較例1では、本発明の第2の層および第3の層を用いず、代わりに電子注入層703を設けた従来の発光素子について具体的に例示する。素子構造を図7を用いて説明する。電子注入層703としては、実施例1の第2の層603と同様に、電子輸送性材料Alq3に電子供与性を示す物質であるMgを1%ドープした構成を適用した。電子注入層703の膜厚は、実施例1における第2の層と同様、30nmとした。また、他の基板700、陽極701、正孔注入層711と正孔輸送層712と発光層713からなる発光物質を含む層702、陰極704は全て実施例1と同様の構成とした。したがって、実施例1は本比較例1に比べて、第3の層604の膜厚(150nm)だけ厚いことになる。
得られた素子の輝度−電圧特性を図11に、電流−電圧特性を図12に、電流を1mA流した時の発光スペクトルを図13にそれぞれ示す。形成された発光素子に電圧を印加すると、発光開始電圧は5.4Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は1360cd/m2であった。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.34,0.58)であり、色純度が余りよくない黄緑色であった。
以上の結果から、本発明の実施例1は、本比較例1に比べてトータル膜厚が150nmも厚いにもかかわらず、その駆動電圧(6.0V)は本比較例1(5.4V)とほとんど変わらないことがわかった。また、図13中の発光スペクトルを比較すると、実施例1は比較例1の発光スペクトルに比べてスペクトル幅が狭く、このことが色純度の向上に繋がっていると考えられる。
(比較例2)
本比較例2では、基板800、陽極801、正孔注入層811と正孔輸送層812と発光層813からなる発光物質を含む層802、陰極804は全て実施例1と同様の構成とし、電子注入層803を設けた従来の発光素子について具体的に例示する。素子構造を図8を用いて説明する。ここでは、電子注入層803の構成は比較例1と同様であるが、膜厚を180nmとすることで、トータル膜厚を実施例1と揃えた。
得られた素子の輝度−電圧特性を図11に、電流−電圧特性を図12に、電流を1mA流した時の発光スペクトルを図13にそれぞれ示す。形成された発光素子に電圧を印加すると、発光開始電圧は14.0Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は1050cd/m2であった。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.25,0.63)であり、色純度の良い緑色であった。
以上の結果から、比較例2の構成では、図13を見てわかるとおりスペクトル幅が狭く、色純度はよいものの、同膜厚である本発明の実施例1に比べて駆動電圧が著しく上昇してしまったことがわかる。
したがって、一対の電極(陽極601および陰極605)の間に、第1の層602と第2の層603と第3の層604とを順に設けるという本発明の構成を実施することで、膜厚を厚くすることで色純度を向上させることができると同時に、膜厚を厚くしても駆動電圧の上昇を抑えることができることがわかった。
本実施例2では、本発明の発光素子の一態様について具体的に例示する。素子構造を図14を用いて説明する。
まず、基板2400上に発光素子の陽極2401が形成される。材料として透明導電膜であるITOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成した。陽極2401の形状は2mm角とした。
次に、陽極2401上に発光物質を含む第1の層2402が形成される。なお、本実施例における発光物質を含む第1の層2402は、3つの層、すなわち正孔注入層2411、正孔輸送層2412、発光層2413からなる積層構造を有している。
まず、陽極2401が形成された基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに陽極2401が形成された面を下方にして固定し、真空蒸着装置の内部に備えられた蒸発源にCu−Pcを入れ、抵抗加熱法を用いた蒸着法により20nmの膜厚で正孔注入層2411を形成した。なお、2411を形成する材料としては、公知の正孔注入性材料を用いることができる。
次に、正孔輸送性に優れた材料により正孔輸送層2412を形成する。2412を形成する材料としては、公知の正孔輸送性材料を用いることができるが、本実施例では、α−NPDを用い、同様の方法により40nmの膜厚で形成した。
次に、発光層2413を形成する。2413には公知の発光物質を用いることができるが、本実施例では、Alq3およびクマリン6を共蒸着することにより、Alq3およびクマリン6からなる層を40nmの膜厚で形成した。ここでは、クマリン6が発光物質として作用する。なお、共蒸着の際には、Alq3とクマリン6の質量比が、Alq3:クマリン6=1:0.003となるように調節した。
このようにして、3つの層2411、2412、2413を積層して形成したあと、第2の層2403が形成される。本実施例では、電子輸送性材料としてAlq3を、Alq3に対して電子供与性を示す物質としてLiを用い、30nmの膜厚で共蒸着法により第2の層2403を形成した。Liの割合は1wt%とした。
次に、第3の層2404が形成される。本実施例では、正孔輸送性材料としてα−NPDを、α−NPDに対して電子受容性を示す物質として酸化モリブデンを用い、180nmの膜厚で共蒸着法により第3の層2404を形成した。酸化モリブデンの割合は25wt%とした。なお、酸化モリブデンの原料としては、酸化モリブデン(VI)を用いた。
次に、陰極2405をスパッタリング法または蒸着法により形成する。なお、本実施例では、第3の層2404上にアルミニウム(200nm)を蒸着法により形成することにより陰極2405を得た。
以上のようにして形成された発光素子に電圧を印加すると、発光開始電圧(ここでは、輝度が1cd/m2となる時の電圧)は3.4Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は2700cd/m2であり、発光スペクトルは図16に示すようにシャープな形状を示した。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.21,0.69)であり、極めて色純度のよい緑色となっていた。
(比較例3)
本比較例3では、本発明の第2の層および第3の層を用いず、代わりに電子注入層2503を設けた従来の発光素子について図15を用いて説明する。電子注入層2503としては、実施例2の第2の層2403と同様に、電子輸送性材料Alq3に電子供与性を示す物質であるLiを1wt%ドープした構成を適用した。電子注入層2503の膜厚は、実施例2における第2の層と同様、30nmとした。また、他の基板2500、陽極2501、正孔注入層2511と正孔輸送層2512と発光層2513からなる発光物質を含む層2502、陰極2504は全て実施例2と同様の構成とした。したがって、実施例2は本比較例3に比べて、第3の層2404の膜厚(180nm)だけ厚いことになる。
得られた本比較例3の素子に電圧を印加すると、発光開始電圧は3.2Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は3300cd/m2であったが、発光スペクトルは図16に示すようにブロードな形状を示した。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.30,0.64)であり、色純度が余りよくない緑色であった。
以上の結果から、本発明の実施例2は、本比較例3に比べてトータル膜厚が180nmも厚いにもかかわらず、その駆動電圧(3.4V)は本比較例3(3.2V)とほとんど変わらないことがわかった。また、図16中の発光スペクトルを比較すると、実施例2は本比較例3の発光スペクトルに比べてスペクトル幅が狭く、このことが色純度の向上に繋がっていると考えられる。
本実施例3では、本発明の発光素子の一態様について例示する。素子構造を図14を用いて説明する。本実施例3では、第3の層2404以外は実施例2と同様にして形成した。また、第3の層2404は、酸化モリブデンのみを260nm蒸着することにより形成した。なお、酸化モリブデンの原料は、酸化モリブデン(VI)を用いた。
以上のようにして形成された発光素子に電圧を印加すると、発光開始電圧(ここでは、輝度が1cd/m2となる時の電圧)は4.6Vであった。また、電流を1mA流した時の輝度は2800cd/m2であり、発光スペクトルは図17に示すようにシャープな形状を示した。また、この時のCIE色度座標は(X,Y)=(0.23,0.71)であり、極めて色純度のよい緑色となっていた。比較のため、先に述べた比較例3の発光スペクトルも図17中に合わせて載せた。
以上の結果から、本発明の実施例3は、比較例3に比べてトータル膜厚が260nmも厚いにもかかわらず、その駆動電圧(4.6V)は比較例3(3.2V)に比べて顕著な上昇は見られなかった。また、図17中の発光スペクトルを比較すると、実施例3は比較例3の発光スペクトルに比べてスペクトル幅が狭く、このことが色純度の向上に繋がっていると考えられる。
本実施例では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図9を用いて説明する。なお、図9(A)は、発光装置を示す上面図、図9(B)は図9(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された901は駆動回路部(ソース側駆動回路)、902は画素部、903は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、904は封止基板、905はシール剤であり、シール剤905で囲まれた内側907は、空間になっている。
なお、908はソース側駆動回路901及びゲート側駆動回路903に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)909からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図9(B)を用いて説明する。基板910上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路901と、画素部902が示されている。
なお、ソース側駆動回路901はnチャネル型TFT923とpチャネル型TFT924とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部902はスイッチング用TFT911と、電流制御用TFT912とそのドレインに電気的に接続された陽極913とを含む複数の画素により形成される。なお、陽極913の端部を覆って絶縁物914が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、成膜性を良好なものとするため、絶縁物914の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物914の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物914の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物914として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化珪素、酸窒化珪素、シロキサン系等、の両者を使用することができる。
陽極913上には、第1から第3の層916、および陰極917がそれぞれ形成されている。ここで、陽極913に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、ITSO(indium tin silicon oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、第1から第3の層916は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。第1から第3の層916には、発光物質を含む第1の層、n型半導体を含む第2の層と、p型半導体を含む第3の層と、を有し、陽極から陰極の方向に対し、第1の層と第2の層と第3の層とが順次積層され、第3の層が陰極に接するように形成される。また、発光物質を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層、積層もしくは混合層で用いる場合が多いが、本発明においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。
さらに、第1から第3の層916上に形成される陰極917に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用いればよい。なお、第1から第3の層916で生じた光が陰極917を透過させる場合には、陰極917として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、ITSO(indium tin silicon oxide)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール剤905で封止基板904を素子基板910と貼り合わせることにより、素子基板910、封止基板904、およびシール剤905で囲まれた空間907に発光素子918が備えられた構造になっている。なお、空間907には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール剤905で充填される構成も含むものとする。
なお、シール剤905にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板904に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
なお、本実施例に示す発光装置は、実施例1〜実施例3に示した発光素子の構成を自由に組み合わせて実施することが可能である。さらに本実施例に示す発光装置は、必要に応じてカラーフィルター等の色度変換膜を用いてもよい。
本実施例では、本発明で発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な電気器具について図10を用いて説明する。
本発明を用いて形成される発光装置を用いて作製された電気器具として、テレビジョン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電気器具の具体例を図10に示す。
図10(A)は表示装置であり、筐体1001、支持台1002、表示部1003、スピーカー部1004、ビデオ入力端子1005等を含む。本発明を用いて形成される発光装置をその表示部1003に用いることにより作製される。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。
図10(B)はビデオカメラであり、本体1301、表示部1302、筐体1303、外部接続ポート1304、リモコン受信部1305、受像部1306、バッテリー1307、音声入力部1308、操作キー1309、接眼部1310等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部1302に用いることにより作製される。
図10(C)は携帯電話であり、本体1501、筐体1502、表示部1503、音声入力部1504、音声出力部1505、操作キー1506、外部接続ポート1507、アンテナ1508等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部1503に用いることにより作製される。
以上の様に、本発明の発光素子を有する発光装置の適用範囲は極めて広く、また発光装置に用いる発光素子は、本発明の発光素子を用いて形成されるため、駆動電圧が低く、長寿命であるという特徴を有している。従って、この発光装置をあらゆる分野の電気器具に適用することにより、低消費電力化、長寿命化を実現することができる。
本発明の発光素子の素子構造を説明する図。 従来の発光素子の素子構造を説明する図。 本発明の発光素子の素子構造を説明する図。 本発明の発光素子の素子構造を説明する図。 発光装置について説明する図。 本発明の発光素子の素子構造を説明する図。 本発明の発光素子に対する比較例の素子構造を説明する図。 本発明の発光素子に対する比較例の素子構造を説明する図。 発光装置について説明する図。 電気機具について説明する図。 発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子の電流−電圧特性を示す図。 発光素子の発光スペクトルを示す図。 本発明の発光素子の素子構造を説明する図。 本発明の発光素子に対する比較例の素子構造を説明する図。 発光素子の発光スペクトルを示す図。 発光素子の発光スペクトルを示す図。

Claims (34)

  1. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、n型半導体を含む第2の層と、p型半導体を含む第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  2. 請求項1に記載の発光素子において、前記n型半導体は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  3. 請求項1に記載の発光素子において、前記n型半導体は、酸化亜鉛、酸化錫、および酸化チタンからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることを特徴とする発光素子。
  4. 請求項1に記載の発光素子において、前記p型半導体は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  5. 請求項1に記載の発光素子において、前記p型半導体は、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることを特徴とする発光素子。
  6. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および前記有機化合物に対して電子供与性を示す物質を含む第2の層と、p型半導体を含む第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  7. 請求項6に記載の発光素子において、前記p型半導体は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  8. 請求項6に記載の発光素子において、前記p型半導体は、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることを特徴とする発光素子。
  9. 請求項6に記載の発光素子において、前記有機化合物は、電子輸送性を示す有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  10. 請求項6に記載の発光素子において、前記有機化合物は、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体であることを特徴とする発光素子。
  11. 請求項6に記載の発光素子において、前記電子供与性を示す物質は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることを特徴とする発光素子。
  12. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、n型半導体を含む第2の層と、有機化合物および前記有機化合物に対して電子受容性を示す物質を含む第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  13. 請求項12に記載の発光素子において、前記n型半導体は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  14. 請求項12に記載の発光素子において、前記n型半導体は、酸化亜鉛、酸化錫、および酸化チタンからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることを特徴とする発光素子。
  15. 請求項12に記載の発光素子において、前記有機化合物は、ホール輸送性の有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  16. 請求項12に記載の発光素子において、前記有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  17. 請求項12に記載の発光素子において、前記電子受容性を示す物質は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  18. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、第1の有機化合物および前記第1の有機化合物に対して電子供与性を示す物質を含む第2の層と、第2の有機化合物および前記第2の有機化合物に対して電子受容性を示す物質を含む第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  19. 請求項18に記載の発光素子において、前記第1の有機化合物は、電子輸送性を示す有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  20. 請求項18に記載の発光素子において、前記第1の有機化合物は、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体であることを特徴とする発光素子。
  21. 請求項18に記載の発光素子において、前記電子供与性を示す物質は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることを特徴とする発光素子。
  22. 請求項18に記載の発光素子において、前記第2の有機化合物は、ホール輸送性の有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  23. 請求項18に記載の発光素子において、前記第2の有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  24. 請求項18に記載の発光素子において、前記電子受容性を示す物質は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
  25. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および金属を含む第2の層と、金属酸化物からなる第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  26. 一対の電極間に、発光物質を含む第1の層と、有機化合物および金属を含む第2の層と、前記有機化合物とは異なる第2の有機化合物および金属酸化物を含む第3の層と、を有し、前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが順次積層され、前記第3の層が前記一対の電極のいずれか一方の電極に接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
  27. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  28. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記有機化合物は、π共役骨格を含む配位子を有する金属錯体であることを特徴とする発光素子。
  29. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記第2の有機化合物は、ホール輸送性の有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  30. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記第2の有機化合物は、芳香族アミン骨格を有する有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  31. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記金属は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属であることを特徴とする発光素子。
  32. 請求項25または請求項26に記載の発光素子において、前記金属酸化物は、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化コバルト、および酸化ニッケルからなる群より選ばれるいずれか一または二以上の化合物であることを特徴とする発光素子。
  33. 前記一対の電極のうち前記第3の層に接する電極が、スパッタリング法によって形成された導電物から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項32に記載の発光素子。
  34. 請求項33に記載の発光素子において、前記導電物は、可視光を透過できる導電物であることを特徴とする発光素子。



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