JP2005245331A - 薄膜形成用デバイス、薄膜デバイス及びその製造方法 - Google Patents

薄膜形成用デバイス、薄膜デバイス及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 人為的な操作等によって薄膜の安定性が左右されることがない、全く新しい原理に基づく薄膜形成用デバイス、薄膜デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板に形成された微小孔を覆って薄膜を形成する。このとき、溶媒による微小孔の閉孔現象を利用して薄膜を形成する。すなわち、微小孔が形成された基板上に薄膜形成材料を溶媒に溶解した溶液を供給し、溶媒の膨潤により微小孔が閉孔した状態で膜形成を行い、その後、溶媒の蒸発により微小孔を開孔させ、形成された薄膜を引き伸ばす。薄膜は、例えば脂質膜である。基板は、例えばポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば細胞膜の機能解析に利用可能な平面脂質膜等の自己組織化薄膜を形成するための薄膜形成用デバイスに関するものであり、さらには、かかる薄膜形成用デバイスを用いて形成された薄膜デバイス、及びその製造方法に関する。
細胞膜で起こる分子機能を解析するためには、注目すべきタンパク質の挙動を詳細に観察必要があるが、実際の細胞膜を構成する要素は極めて複雑に存在し、単一の機能に着目した解析は非常に困難なものとなる。
そこで提案されたのが、細胞膜の最も単純な構成要素である脂質二重膜を人工的に構築し、特定のタンパク質だけを挿入し解析を行う人工膜モデルである。人工膜モデルには、細胞のように閉じた球状をもつリポソームモデルと微小孔に平面的に脂質膜を形成させる平面脂質膜モデルの2つのタイプに分けることができる。
リポソームは、脂質分子が水中で自発的に形成する分子集合体で、脂質分子が2次元的に並んだ二重層構造を有する。一般的にフラスコ内で容易に作製することができ、膜挿入型のタンパク質やペプチドをリポソーム膜に取り込むことができる。しかしながら、挿入された膜タンパク質の機能や特性を解析する場合には、リポソーム内の反応検出が蛍光標識等による間接的な方法となる。
一方、平面脂質膜のモデルは、微小孔を用いて形成される。このモデル系は、脂質膜を挟んで2つのコンポーネントの組成を任意に設定できることや、膜を透過する物質の移動が分析できる長所を持っている。特に、脂質膜を挟んだイオン電流の検出や膜電位の制御が可能であることから、神経伝達に関わるイオンチャネル機能の解析に多く情報を与える実験系として用いられている。当然のことながら、これらの神経生理に関わるイオンチャネルの研究は、実際の細胞を用いた観察が行われ、電気生理学的手法であるパッチクランプ法と呼ばれる細胞膜を透過するイオン電流を検出する方法が一般的に行われる。しかしながら、より詳細なチャネルタンパク質の挙動や分子間の相互作用を直接的に理解するためには、平面脂質膜のモデル系による観察が有効だとされている。
例えば、2002年に柳田らの研究グループの報告では、目的とするイオンチャネルタンパク質の一分子レベルで解析を行うために、アガロース基板上に人工脂質平面膜系を構築し、これによって、受容体−リガンドの結合で起こる構造変化を電気・光学的に同時測定することを成功させている。
ところで、これまで提案されてきた平面脂質膜の形成方法としては、1962年にMuellerらによって報告されたペインティング法と、1986年にMontalらによって報告された張り合わせ法と呼ばれる2つの方法が有名である(非特許文献1を参照)。これらの膜形成方法は、脂質分子の展開の方法が異なるだけであり、直径数100μmの微小孔が形成されたポリテトラフルオロエチレンシート(いわゆるテフロン(登録商標)シート)を用いる点では同じである。
ペインティング法では、脂質分子をデカン溶媒に分散させ、その溶液を刷毛やピペットによって微小孔を塞ぐように塗布する。そうすると、脂質溶液が微小孔の両側から水溶液に挟まれた状態になり、疎水性相互作用によって脂質分子が自発的に二重層を形成するという原理である。また、張り合わせ法は、ラングミュア・ブロジェット(Langmuir-Blodgette)法という単分子膜形成技術を平面膜形成に応用したもので、先ず、微小孔を挟んだ2つの溶液の気−液界面に脂質分子の単分子層を形成させる。次に、その単分子膜の界面を上昇させ、両側の単分子膜同士が微小孔の中で張り合わせるようにする。それにより、目的とする平面脂質二重層が形成される仕組みである。
岡田泰伸 編者、"新パッチクランプ実験技術法", p208-224, 吉岡書店 (2001)
これらの形成方法の手順は、手作業で行える単純な操作であるが、その単純さゆえに、ナノレベルの分子膜の制御を脂質分子の自己組織化に依存せざる負えないものであり、脂質膜形成の再現性が作業する実験者の熟練した技術が必要となる。例えば、ペインティング法に見られるように、刷毛を用いて脂質を塗布する場合では、用いる刷毛の形状、材質、また、使用者の操作方法によって、微小孔に付着する脂質成分は、非常に不均一であり、形成される二重層構造の特性を大きく左右する。張り合わせ法における単分子膜の形成についても、単分子膜であろうという憶測に基づく操作であり、界面の振動や壁面との相互作用を精密に制御しているわけではない。
また、これらの方法によって形成される脂質膜の安定性に関与する最も重要な要素は、実験に用いる微小孔の形状と材質表面が示す脂質分子との相互作用である。一般的には、疎水性を示すポリテトラフルオロエチレンシートが用いられるが、これは、用いる有機溶媒に対して安定であることや、脂質分子の疎水部分を基板表面へ配向させるという目的によるものである。
さらに、微小孔の作製にあたっては、放電による孔加工や、鈍角に尖ったステンレス棒の押し込みよって形成される窪みを剃刀で削り取る方法等によって、シャープなエッジを持つ微小孔を作製する方法が用いられている。これらの微小孔の作製方法は、実験室レベルでの工作技術によって簡便に作製できる方法として、個々の実験者によって試行錯誤の末に提案された方法であり、精密な微小孔の再現性や実験者同士が共通したツールとして基準化されたものではない。
そのため、現状で報告されている平面脂質膜モデルを用いた実験結果について、用いられている脂質膜形成方法によるばらつきの影響が、どの程度目的とする現象に影響を及ぼしたものなのか、比較して判断することは難しい。
したがって、量産化が可能で、より精密な微小孔の作製を実現することができ、さらに刷毛塗り法や張り合わせ法といった人為的操作が少なく、より機械化された平面脂質膜の形成方法が必要である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、人為的な操作等によって形成される薄膜の安定性が大きく左右されることがない、全く新しい原理に基づく薄膜形成用デバイス、薄膜デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、微小フロー操作によれば、生体分子のハンドリングや送液の切り替えが素早く行えることから、脂質分子を目的の場所に配置し、膜形成を促す水溶液の界面移動を行うのに有効ではないかと考えるに至った。また、脂質溶液を展開させる方法として、基板材料そのものが機械的に変形し、脂質分子の薄膜化を促すという原理を応用することで、基板上のマイクロ空間に脂質膜構造を構築することができるのではないかと考えるに至った。本発明は、これらの着想に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の薄膜形成用デバイスは、微小孔を有し溶媒により膨潤する基板を備え、前記膨潤による前記微小孔の閉孔により、当該微小孔を覆うように薄膜が形成されることを特徴とする。
本発明の薄膜形成用デバイスでは、溶媒による微小孔の膨潤(閉孔)動作により、微小孔を覆うように薄膜が自動的に形成される。これにより、基板上に平面かつアレイ状に薄膜を配置することが可能である。また、形成される膜は、これを挟んで2つの微小空間を持つように配置される。
また、本発明の薄膜デバイスは、基板に形成された微小孔を覆って薄膜が形成されてなり、前記薄膜は前記微小孔が閉孔状態で形成され、微小孔の開孔によって引き伸ばされていることを特徴とする。さらに、本発明の薄膜デバイスの製造方法は、基板に形成された微小孔を覆って薄膜を形成する薄膜デバイスの製造方法であって、溶媒による微小孔の閉孔現象を利用して前記薄膜を形成することを特徴とする。
例えば、マイクロデバイス作製に用いられるシリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン)は、ある種の有機溶媒に対して可逆的に膨潤・収縮する性質を有する。このような材質の基板に微小孔を形成し、ここに脂質を溶解した有機溶媒を供給すると、有機溶媒の膨潤により微小孔の閉孔動作が起こる。その後、有機溶媒が気化すると、微小孔が元の形状に変化し、微小孔上に形成された脂質の層は、開孔動作によって水平方向に引き伸ばされる。これにより、脂質分子が例えば二分子膜として構成される膜構造が構築される。前記動作は、何ら人為操作によるものではなく、したがって、人為的要因等によって薄膜の安定性が左右されることはない。
本発明は、微小孔アレイチップの材料の膨張特性を利用して薄膜形成を行うものであり、平面膜の内側にマイクロスケールの空間を構築することができ、また、一度に多数の薄膜アレイを同時に形成することができる。しかも、人為的要因等によって薄膜の安定性が左右されることもない。
このように、基板上のマイクロ空間に平面膜型の薄膜構造(例えば脂質分子の二分子膜構造等)を構築することができれば、オンチップへの微小化、また他のマイクロ分析技術との統合化が期待でき、従来の生体膜研究で用いられる人工膜モデルを用いた受容体への薬理解析が、連続的かつ微少量のサンプルで行えるバイオチップ等として応用できることが期待できる。
以下、本発明を適用した薄膜形成用デバイス、薄膜デバイス、及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
これまで様々な人工的な分子膜が提案され、実際の細胞膜の構造や機能を理解する上で多くの情報を与えてきた。その中でも、細胞の構成要素であるリン脂質が水溶液中で自己組織化によって形成する二分子膜構造は、実際の細胞膜を最も単純化した人工膜モデルと見なすことができ、細胞膜で起こる様々な生理現象の理解に役立ってきた。一例を挙げると、神経生理で重要な機能を果たすアセチルコリン受容体は、シビレエイ等の発電器官から単離することができ、それらを脂質膜に挿入することにより、そのチャネル機能を発現できることが報告された。
このように注目すべき受容体のみを膜に挿入したモデル系の構築によって、イオンチャネルの物理化学的現象をより明確に解析することが可能となった。さらに、受容体に作用する神経伝達物質や毒物等の直接的な薬理作用メカニズムの観察も可能となった。このように平面脂質膜を使った人工膜モデルは、受容体研究に大きな貢献を果たしてきた。さらに、近年では、生物の持つ優れた分子メカニズムを工学的な観点から応用する試みも盛んに行われ、細胞膜が形成するナノ構造の形成原理が、バイオマテリアルの研究や超分子構造による分子素子の設計に大きく活かされている。特に生体が分子を特異的に認識する機能は、極めて興味深く、バイオセンサーへ応用する試みが多くなされている。例えば、生物の味覚にならった味覚センサーや酵素の持つ選択的な触媒作用を利用した血糖値センサー等の研究が行われている。
ここで注目すべきことは、これらの生体分子が持つインテリジェントな機能の多くが、細胞膜を舞台とした現象である。ゆえにこれらの分子機械のメカニズムを解明し、応用していくこためには、いかに細胞膜の環境を人工的に構成し、分子デバイスの基盤として安定に構築できるかが大きな課題であると考えられる。
一方、近年目覚しく発展を遂げた半導体微細加工技術によって、様々な基板上にマイクロスケールのパターニングや3次元的な造型が行えるようになってきた。これらの加工技術によって作製できる微小構造を様々な科学分野に応用する試みが始まっている。その中でも微小空間を利用した化学反応系では、従来の実験系で用いられる試薬量の100分の1から10000分の1程度にまで微小化できることや、また、マイクロスケールに伴う物質拡散効果や表面積の効果が顕著に反映されることから、これらの現象を利用した新規の溶液反応を提案する研究も行われている。
さらに、これらの微小空間で起こる反応を検出するための分析装置の小型化も進められ、従来の溶液分析のプロセスを数センチ角のチップ上で統合して行うμTAS(Micro Total Analysis system)と称するデバイスの開発が注目を集めている。これらの技術は、バイオテクノロジー分野の分析技術として大きく展開されると期待されており、その分析デバイスの有用性として、試料サンプルの少量化、反応・測定時間の短縮化、また、測定システムの小型化等が挙げられる。
本発明者らも、マイクロスケールの微小構造パターンを利用することによって、目的とする生体分子を効率よく配置させ、化学的分析を行うシステムの研究を進めてきた。その際、微小量の溶液サンプルを送液制御する方法として微小流路構造による送液システムを検討してきた。本発明は、このような微小フロー技術を利用して、新しい平面脂質膜の形成方法を提案するものである。
本発明の薄膜形成用デバイスは、微小孔が規則的に閉孔する動作を利用して薄膜形成を行うものである。そこで、先ず、微小孔の閉孔動作に基づく薄膜(例えば脂質膜)形成の原理について説明する。本発明における薄膜形成の原理は、図1に示すようなものである。
すなわち、図1(a)に示すように、微小孔3を有する基板(シリコーン樹脂膜)2を形成したスライドガラス1を用意し、図1(b)に示すように、微小孔3の上面に薄膜形成材料を溶媒に溶解した溶液4、例えば脂質(Phosphatidylcholine)のヘキサン溶液を滴下する。すると、基板2であるシリコーン樹脂膜は、溶媒(ヘキサン)による膨潤作用によって図中矢印方向に膨潤し、微小孔3の閉孔動作が起こる。その後、溶媒は、常温において即座に気化することにより、図1(c)に示すように、シリコーン樹脂膜2の表面に薄膜形成材料のみからなる薄い薄膜5が形成される。同時に、溶媒の気化に伴い微小孔3が元の形状に変化し、図1(d)に示すように、微小孔3の上面に形成された薄膜5は、この開孔の動作によって水平方向に引き伸ばされる。これによって、例えば、脂質分子により形成される二分子膜構造に近づけることができる。
以上の原理によって本発明の薄膜デバイスは形成されるが、ここで薄膜5を構成する薄膜形成材料としては、前記脂質に限らず、分子配向し得る分子であれば任意の材料を用いることができる。ただし、前記細胞膜の環境を人工的に構成するという観点からは、脂質であることが好ましい。また、薄膜5は、2分子膜が想定されるが、これに限らず、単分子膜等であってもよい。
基板2を構成する材料としては、前記のようにシリコーン樹脂膜が最適であるが、これに限らず、溶媒により膨潤し、微小孔の閉孔動作を行い得るものであれば、これに限らない。したがって、使用する溶媒との組み合わせで適宜選定すればよく、例えば前記のように溶媒として有機溶媒の1種であるヘキサンを用いる場合には、基板2を構成する材料として、シリコーン樹脂等を用いる。なお、シリコーン樹脂としては、例えばポリジメチルシロキサンからなる樹脂材料を挙げることができる。
基板2には、微小孔3が形成されているが、この微小孔3は、例えばアレイ状に配列形成され、これにより薄膜デバイスを一括して多数形成することができる。微小孔3の寸法であるが、例えば孔の径は、20μm〜100μmであることが好ましい。微小孔3の径が前記範囲を越えて大きすぎると、閉孔動作が難しくなるおそれがある。逆に、前記範囲を下回っても、円滑な閉孔動作が難しくなるおそれがあり、また、微小孔3により構成される空間が小さすぎて、使用上、制約が生ずるおそれもある。微小孔3の深さは、40μm〜100μ程度とすればよいが、前記閉孔動作を円滑に行うためには、孔径が大きいほど微小孔3の深さを深くすることが好ましい。
微小孔3は、基板2を貫通する貫通孔であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されず、薄膜が形成される面とは反対側の面が塞がれていてもよい。ただし、その場合には、微小孔3によって形成される空間の利用に制約が生ずるおそれがある。
前記微小孔3は、例えばフォトリソ技術により容易に形成することができる。具体的には、フォトリソ技術により微小孔に対応するレジストパターンを形成し、これを鋳型としてシリコーン樹脂等を流し込む。すると、レジストパターン部分が微小孔となって基板2に転写される。
前記微小孔3の上面に形成された薄膜5は、微小孔の開孔によって引き伸ばされることになる。したがって、基板2と薄膜5は、ある程度強固に結合していることが好ましい。このような観点から、基板2の表面(薄膜形成面)に対して、表面処理を施しておくことも有効である。表面処理としては、基板2と薄膜5の密着性を改善し得るものであれば如何なるものであってもよく、例えば、シランカップリング剤による表面処理や、酸素プラズマ処理等を挙げることができる。表面処理に用いるシランカップリング剤としては、ア ミノ基を有するシランカップリング剤が効果が高い。
前述のように、本発明の薄膜デバイスの作製に際しては、溶媒による微小孔3の閉孔現象を利用し、基板2に形成された微小孔3を覆って薄膜5を形成する。すなわち、微小孔3が形成された基板2上に薄膜形成材料を溶媒に溶解した溶液4を供給し、溶媒の膨潤により前記微小孔3が閉孔した状態で膜形成を行い、その後、溶媒の蒸発により前記微小孔3を開孔させ、形成された薄膜5を引き伸ばす。
このとき、溶媒としては前記有機溶媒を用いるのが通常であるが、これに限らず、例えば、薄膜形成材料の種類によっては、水系の溶媒を用いることも可能である。
前記作製方法では、基本的には、薄膜形成材料の疎水基及び親水基の溶媒、あるいは空気に対する親和性を利用して薄膜形成材料(分子)の分子配向を行うが、さらに、例えば前記形成方法を微小フロー系の中に組み込むことによって、より自動化された薄膜の形成、及び分子配向制御を行うことが可能である。この場合、微小孔3を溶液が通過するようなフローチャネルを構築し、薄膜形成に必要な溶液の送液、有機溶媒の除去、水溶液の注入を連続的に行う。
マイクロフローチャネルを用いた場合でも同様に薄膜形成を行うことができるが、その原理は、図2に示すようなものである。この場合には、基板2上に第2のスライドガラス6を微小間隔を持って配置し、スリットを形成する。そして、このスリットをマイクロフローチャンネルとし、先ず、図2(a)に示すように、マイクロフローチャネルの開放端に溶液(脂質を有機溶媒に溶解した溶液)4を滴下する。すると、溶液4は、キャピラリー効果によって、流路内に送液され、微小孔3の上面を流れる。それと同時に有機溶媒(例えばヘキサン)によるシリコーン樹脂の膨潤が起き、微小孔3が閉孔となる。そして、有機溶媒の気化に伴い、気液界面が流路を進行し、微小孔3表面に薄膜形成材料分子(脂質分子)が薄くコートされ、薄膜5が微小孔3の上面に配置・薄膜化される。次いで、今度は、マイクロフローチャネルの開放端に水7を滴下する。すると、水7は、やはり、キャピラリー効果によって、流路内に送液され、微小孔3の上面、すなわち薄膜5上を流れる。その結果、薄膜形成分子の親水基側が、流れる水に向かって配向し、自己組織化が行われる。この場合、送液操作を毛細管現象によって行っているので、薄膜形成操作は溶液の滴下のみで済み、極めて簡略化することができる。
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。
(フォトリソグラフィー技術による微小孔の作製)
シリコンウェハを3×4cm角に切り、超純水による超音波洗浄を5分間行った。次にシリコンウェハをアセトン溶液に浸し、煮沸洗浄を5分間行った。さらにフッ酸溶液〔フッ酸(10ml)/フッ化アンモニウム(60ml)〕に5分間浸し、ウェハ表面にある酸化膜を除去し、超純水による洗浄の後、窒素ガスによって乾燥させた。このシリコンウェハにフォトレジスト(SU8−50)を滴下し、スピンコーターによって、任意の膜厚として展開させた。これを95℃、30分間の条件でホットプレートによりプリベイクした。 次に、マスクアライナー装置によって、予め容易したマスクパターンをUV露光した。その後、95℃、30 minの条件でホットプレートによりポストベイクとした。これをSU8現像液に浸し、シリコンウェハ上にフォトレジストによる凹凸のパターンを持つ鋳型が作製できた。
一方、商品名Silpot184(ダウコーニング社製)と商品名Catalysts Silpot184(ダウコーニング社製)を10:1で混ぜ合わせてPDMS溶液とした。それを10分間、デシケータを用いて脱気した。このPDMS約40mgを先に作製したSU8鋳型に流し込み、その上面にスライドガラスを載せ、全体をクランプで固定した。これを80℃で1.5時間加熱した。加熱後、室温になるまで静置し、固化したPDMS樹脂を鋳型から取り出した。この時、PDMSシートは、スライドガラス上に強固に張り付いており、数十マイクロメートルの厚さを持つPDMSシートを支持するのに都合の良い張り合わせとなっており、以下で行う実験では、このようにスライドガラス上にPDMSシートが張り合わせたものをアレイチップとして用いた。
以上のプロセスを図3及び図4に模式的に示す。鋳型を形成するには、図3(a)に示すように、シリコンウェハ11上にフォトレジストを滴下し、レジスト層12を形成する。そして、マスクパターン13を介してUV露光する。このUV露光によって、図3(b)に示すように、UV光が照射された部分のレジスト層12aが硬化する。これを現像すれば、図3(c)に示すように、レジスト層12aが残存する鋳型が形成される。次に、図4(a)に示すように、PDMS14を前記鋳型の上に流し込む。硬化した後、鋳型から剥がし取れば、図4(b)に示すように、PDMS14に微小孔14aが形成される。図5は、PDMS14へのマイクロ凹凸パターン(微小孔14a)の形成例を示すものである。微小孔14aは、直径aμm、深さdμm、間隔Lμmで形成されている。
(微小孔の形状による閉孔過程の条件検討)
前述の作製プロセスにしたがい、直径が20μm、厚み40〜60μmのPDMSチップを作製した。このチップ表面にヘキサン溶液を滴下すると、図6に模式的に示すように、開孔[図6(a)]、及び閉孔[図6(b)]という構造変化が観察される。これは、ヘキサン溶液がPDMSに浸透し、一時的な膨潤によると考えられる。この膨潤は、ヘキサン溶液の蒸発に伴い即座に本来の形状に戻ることが分かった。そこで、このようなPDMSの微小孔が構造変化を行う条件として、いくつかの微小孔の孔径の大きさ、また、PDMSシートの厚みなどに注目し、条件の異なるチップを作製し、比較検討を行った。
先ず、微小孔の大きさとシート厚による条件の検討を行った。微小孔の大きさa=10μm,20μm,50μm,100μm,200μmに対して、それぞれに40〜200μmの任意の厚み(深さdに相当する。)を持つPDMSシートを作製し、ヘキサン滴下に伴う微小孔の膨潤の挙動について観察を行った。その結果を図7に示す。これより、微小孔が完全に閉孔の構造変化を起こすためには、微小孔の直径の大きさaに比例したPDMSシートの厚み(深さd)が必要であることが分かった。例えば、直径100μmの微小孔アレイを作製した場合では、PDMS厚が40μm,60μmでは、膨張が不十分となり、完全に微小孔が閉じることができなかった。また、直径200μmの微小孔の場合では、PDMS厚を200μmにした場合でも、膨潤はするものの、閉孔が完全に起こることはなかった。
次に、微小孔の大きさと孔の配列間隔による条件検討を行った。微小孔の大きさa=10μm,20μm,50μm,100μm,200μmに対して、それぞれに孔の配列の間隔L=10μm,20μm,50μm,100μm,200μmのパターンを持つPDMSシートを作製し、ヘキサン滴下に伴う微小孔の膨潤の挙動について観察を行った。その結果を図8に示す。これらの観察において、微小孔間の距離が離れ過ぎた場合では、微小孔同士の膨潤の相互作用が起こらず、個々に同心円状の膨潤が起こり、格子状の閉孔動作が起こらないことが分かった。例えば、100μmの微小孔の場合では、100μmより小さい間隔では、お互いの微小孔が作用するのに対して、200μmに離れた場合では、お互いの作用は起きなかった。
(PDMS微小孔の閉孔現象を利用した脂質膜の形成)
微小孔の閉孔動作が生じる微小孔パターンであった直径20μmの微小孔アレイチップを用いて、図1に示した原理に基づく操作を行い、顕微鏡により観察を行った。その結果、先ず、脂質溶液を滴下直後に微小孔が即座に格子状に閉じた。その後、ヘキサンの気化が始まり、脂質溶液の界面が小さくなり、その界面の移動に伴い、脂質分子が薄くコートされた。完全にヘキサンが気化すると同時に閉じていた微小孔が開き、閉孔上面にコートされた脂質膜が引き伸ばされ、光の干渉模様を示す薄膜として形成される様子が見られた。結果を図9に示す。
薄膜に生じる干渉模様は、流動的に色が変化し、数分後には、形成した薄膜はすべて破裂した。これらの干渉模様は、微小孔の閉孔の向きと対応しており、縦に閉じた微小孔には、横縞が、また、横にとじた微小孔には、縦縞として観察された(図10参照)。これらの光の干渉模様は、サブミクロンの薄膜に生じる現象であり、干渉模様の個々の色は、形成した膜厚に対応することが知られている。このことから、これらの微小孔に生じた脂質分子の薄膜構造は、干渉縞の方向に対して、垂直方向に膜厚の勾配があると考えられる。その形成機構として、図11に示すように、閉孔の端の部分では、膨潤は小さく、中央部分では、大きく構造変化が起こると考えられ、それに応じた脂質膜の引き伸ばし効果が起きているものと推測される。
(PDMSの表面処理による脂質膜の形成の検討)
先の実験で形成された脂質膜は、非常に不安定であり、数分以内で破裂することが分かった。そこで、形成される脂質膜をより安定に存在させるために、PDMS表面に脂質分子との吸着を強めるような官能基を修飾することを試みた。具体的には、シランカップリング剤により、PDMS表面にアミノ基を修飾し、その効果について検討した。また、PDMSの表面改質として、酸素プラズマによるシラノール基の導入の効果についても比較検討した。
PDMSの表面にアミノ基を修飾するにあたって、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES:3-Aminopropyltriethoxysilane,チッソ株式会社製)を用いた。その化学式は化1に示す通りである。
Figure 2005245331
また、PDMS表面に酸素プラズマ処理を行う際には、以下の装置を用いた。
反応性イオンエッチング装置(SAMCO、RIE−10R) 反応条件:100scm,200W,O2ガス使用,9.0Pa,10sec
先ず、PDMSへの表面処理の比較として、処理前、酸素プラズマ処理後、アミノ基修飾後の接触角の測定結果を表1に示す。アミノ基を導入した場合では、処理前と比べて、接触角は、ほとんど変化しなかった。また、酸素プラズマ処理後では、親水性の表面なるが、時間の経過に従って、親水性の効果は、元の状態まで失われることが知られている。そこで、この後の実験では、酸素プラズマ処理の3時間後のサンプルを用いて観察を行った。
Figure 2005245331
次に、微小孔のパターンと表面処理の異なる微小孔チップを用いて、前項と同様な脂質膜形成の操作を行い、その観察結果を表2にまとめた。
Figure 2005245331
微小孔の径が10μmの場合には、脂質膜の引き伸ばしが小さく、薄膜が形成することはなかった。また、径が100μmの微小孔では、脂質膜の引き伸ばしが起こるが、動作が大きいために、薄膜が直ぐに破れてしまった。一方、孔径20μmの微小孔では、引き伸ばしの動作に対して、薄膜が形成でき、特に、アミノ基を修飾した場合では、図12に示すような様々な色を呈する薄膜が形成することがわかった。この場合、図12(a)に示すように、微小孔が開いた直後では、膜中央付近に薄っすら色が付き始め、図12(b)に示すように、次第に平らな面として広がっていく様子が観察できた。これらの薄膜が呈する色は、薄膜特有の光の干渉模様だと考えられる。さらに、干渉模様が単色であることから、非常に均一で、サブミクロンの薄さの構造であることが示唆された。
次に、作製した膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、表面構造の詳細について観察を行った。その結果を図13に示す。図13(a)に示すような球状に膨らんだ構造は、微小孔上面に形成した薄膜が、高真空によって引き伸ばされた構造であると考えられる。また、形成された脂質の薄膜は、微小孔の上面を覆うように配置されていることが確認できる。さらに、図13(b)に示す拡大図から、破れた膜断片を確認することができ、これらの膜がサブミクロンの非常に薄い膜であることが示唆された。図13(c)は、前記図13(a)、(b)の観察結果から推測される脂質薄膜の形成状態である。微小アレイチップ21上に図13(c)に示すような状態で脂質薄膜22が形成されているものと推測される。
以上の実験において、アミノ基でPDMS表面を修飾し、また、微小孔の直径が20μmのアレイチップを用いた場合に、図12に示す脂質膜構造が、同時に複数個形成された。これらの薄膜は、様々な色を呈することから、厚さの異なる膜が形成されていると考えられる。その中に、黒色の部分を持つ脂質膜が形成していることを確認した(図14参照)。一般的に、脂質分子が形成する二重層構造は、10nm以下の厚みであり、光の干渉が起こらず、黒色に見えることが知られている。したがって、今回、確認できた黒色部分では、脂質分子の二重層構造が形成されているものと考えられる。
(微小フロー系による平面脂質膜の形成)
前述の操作と同様な手順に従って、PDMSマイクロパターン(微小孔アレイ)を作製した。そして、図15に示すように、微小孔アレイ31の上面に流路構造のチップ32を張り合わせ、さらに両面をスライドガラス33,34で挟み込んで実験を行った。
膜形成過程の観察を図16に示す。先ず、フローチャネルインジェクション部分(微小流路の導入部分)に脂質溶液を滴下した。すると、キャピラリー現象によって、図16(b)に示すように、脂質溶液がフローチャネル内に浸透した。そして、溶液に触れた微小孔は、膨潤により構造変化を起こし、格子状に閉孔した。数十秒後、フローチャネル内のヘキサンがフローチャネル端から次第に気化し、図16(c)に示すように、フローチャネル内の溶液の体積が減少した。そして、ヘキサン溶液が気化した部分では、図16(d)に示すように、微小孔の開孔動作が始まり、微小孔上面に脂質膜が伸ばされた。
その後、先の「PDMS微小孔の閉孔現象を利用した脂質膜の形成」の項で観察されたものと同じ干渉模様をもつ脂質膜が形成できた。これらの膜は、数分の内に破裂した。そこで、膜形成後に脂質膜の安定化を行うために水溶液を膜表面に送液したところ、図16(g)に示すように、黒い泡状の構造となった。このように、微小孔上面に形成した膜を水溶液中に置いた場合、消失過程が起こった。大気中では、干渉模様を呈していた薄膜が、水溶液中で黒色に見えるようになったことから、以下の可能性が考えられる。1つは、膜上面の水溶液と膜内側の空気の屈折率が異なることが原因であること。また、もう一つは、膜が破れ、微小孔内の空気が泡としてスタックした状態であり、次第にPDMS内に空気が吸収するためであることも考えられる。これは、PDMSが気体を非常に透過しやすい性質を持つことによる。
本発明における膜形成の基本原理を説明する模式図である。 フロー形成系による脂質膜の形成原理を説明する模式図である。 フォトリソグラフィー技術による鋳型の作製過程を示す模式図であり、(a)は露光工程、(b)は硬化状態、(c)は現像による鋳型形成状態を示す。 鋳型の転写によるマイクロ凹凸パターンの形成を示す模式図であり、(a)はPDMS流し込み状態、(b)は形成された凹凸パターンを示す。 形成された微小孔アレイを示す概略斜視図である。 ヘキサン滴下による微小孔の開孔状態(a)、閉孔状態(b)を示す模式図である。 微小孔の大きさ及びシートの厚み(微小孔の深さ)と閉孔動作の関係を示す図である。 微小孔の大きさ及び間隔と閉孔動作の関係を示す図である。 微小孔上面に形成した脂質分子薄膜の写真である。 脂質分子薄膜における光の干渉模様と閉孔の向きとの対応を示す写真である。 光の干渉模様から推測される膜の断面構造を示す模式図である。 アミノ基修飾した場合の膜形成の様子を示す写真であり、(a)は微小孔開孔直後の様子、(b)は5分後の様子を示す。 形成した脂質膜のSEM観察像であり、(a)は400倍SEM像、(b)は1000倍SEM像、(c)は断面予想図である。 脂質膜に形成された黒色領域を示す写真である。 微小フロー系による平面脂質膜の形成に用いたチップの構成を示す概略斜視図である。 微小フロー系による脂質膜の形成過程を示す写真である。
符号の説明
1 スライドガラス、2 基板(シリコーン樹脂)、3 微小孔、4 溶液、5 薄膜、11 シリコンウェハ、12 レジスト層、13 マスクパターン、14 PDMS、14a 微小孔、21 微小アレイチップ、22 脂質薄膜、31 微小孔アレイ、32 流路構造チップ、33,34 スライドガラス

Claims (35)

  1. 微小孔を有し溶媒により膨潤する基板を備え、前記膨潤による前記微小孔の閉孔により、当該微小孔を覆うように薄膜が形成されることを特徴とする薄膜形成用デバイス。
  2. 前記微小孔はアレイ状に配列形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成用デバイス。
  3. 前記基板を構成する材料は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜形成用デバイス。
  4. 前記シリコーン樹脂は、ポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする請求項3記載の薄膜形成用デバイス。
  5. 前記基板表面が表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の薄膜形成用デバイス。
  6. 前記基板表面がシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする請求項5記載の薄膜形成用デバイス。
  7. 前記シランカップリング剤がアミノ基を有することを特徴とする請求項6記載の薄膜形成用デバイス。
  8. 前記基板表面が酸素プラズマ処理により表面処理されていることを特徴とする請求項5記載の薄膜形成用デバイス。
  9. 前記微小孔の径が20μm〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の薄膜形成用デバイス。
  10. 前記微小孔の深さが40μm〜100μであることを特徴とする請求項9記載の薄膜形成用デバイス。
  11. 前記微小孔は、基板を貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の薄膜形成用デバイス。
  12. 基板に形成された微小孔を覆って薄膜が形成されてなり、
    前記薄膜は、前記微小孔が閉孔した状態で形成され、微小孔の開孔によって引き伸ばされていることを特徴とする薄膜デバイス。
  13. 前記薄膜の表裏両側に空間が形成されていることを特徴とする請求項12記載の薄膜デバイス。
  14. 前記薄膜は、脂質膜であることを特徴とする請求項12又は13記載の薄膜デバイス。
  15. 前記薄膜は、分子配向した単分子膜又は2分子膜であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項記載の薄膜デバイス。
  16. 前記基板を構成する材料は、溶媒により膨潤することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項記載の薄膜デバイス。
  17. 前記基板を構成する材料は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項16記載の薄膜デバイス。
  18. 前記シリコーン樹脂は、ポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする請求項17記載の薄膜デバイス。
  19. 前記基板表面が表面処理されていることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項記載の薄膜デバイス。
  20. 前記基板表面がシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする請求項19記載の薄膜デバイス。
  21. 前記シランカップリング剤がアミノ基を有することを特徴とする請求項20記載の薄膜デバイス。
  22. 前記基板表面が酸素プラズマ処理により表面処理されていることを特徴とする請求項19記載の薄膜デバイス。
  23. 前記微小孔の径が20μm〜100μmであることを特徴とする請求項12乃至22のいずれか1項記載の薄膜デバイス。
  24. 前記微小孔の深さが40μm〜100μであることを特徴とする請求項23記載の薄膜デバイス。
  25. 前記微小孔は、基板を貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項12乃至24のいずれか1項記載の薄膜デバイス。
  26. 基板に形成された微小孔を覆って薄膜を形成する薄膜デバイスの製造方法であって、
    溶媒による微小孔の閉孔現象を利用して前記薄膜を形成することを特徴とする薄膜デバイスの製造方法。
  27. 微小孔が形成された基板上に薄膜形成材料を溶媒に溶解した溶液を供給し、溶媒の膨潤により前記微小孔が閉孔した状態で膜形成を行い、その後、溶媒の蒸発により前記微小孔を開孔させ、形成された薄膜を引き伸ばすことを特徴とする請求項26記載の薄膜デバイスの製造方法。
  28. 前記薄膜形成材料として脂質を用い、前記溶媒として有機溶媒を用いることを特徴とする請求項27記載の薄膜デバイスの製造方法。
  29. 薄膜形成の後、薄膜上に水溶液を注入することを特徴とする請求項28記載の薄膜デバイスの製造方法。
  30. 前記基板の薄膜形成面上にスリットを形成しておき、このスリットを利用して前記有機溶媒及び水溶液を注入することを特徴とする請求項29記載の薄膜デバイスの製造方法。
  31. 薄膜形成前に、基板に対して表面処理を行うことを特徴とする請求項26乃至30のいずれか1項記載の薄膜デバイスの製造方法。
  32. 前記表面処理は、シランカップリング剤により行うことを特徴とする請求項31記載の薄膜デバイスの製造方法。
  33. 前記表面処理は、酸素プラズマにより行うことを特徴とする請求項31記載の薄膜デバイスの製造方法。
  34. 前記微小孔は、フォトリソ技術により形成することを特徴とする請求項26乃至33記載の薄膜デバイスの製造方法。
  35. 前記微小孔は、フォトリソ技術により微小孔に対応するレジストパターンを形成し、これを基板に転写することにより形成することを特徴とする請求項34記載の薄膜デバイスの製造方法。
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