JP2005248302A - 曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法 Download PDF

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貴之 笠井
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Abstract

【課題】 長手方向に曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法に関する。
【解決手段】 マンネスマン法により製造された継目無鋼管2を焼鈍する熱処理において、継目無鋼管2を中心軸回りに5rpm以上で回転させながら、継目無鋼管2の軸方向に0.5m/min以下の速度で移動させ、冷却装置5にて上下方向より外表面を冷却させることを特徴とする。前記継目無鋼管2は、長さ(L)3m以上、外径(D)70mm以上で且つ外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10以上の長尺大径薄肉継目無鋼管である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長手方向に曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法に関するものである。
継目無鋼管の製造方法としてマンネスマン法がある。この製法で製造された継目無鋼管は、以下の工程:熱間加工(アッセル圧延)→冷間加工(コールドビルガー圧延)→熱処理(ひずみ取り焼鈍)→矯正→端面加工→検査で製造される。
この継目無鋼管の製造工程の他に、焼入れや焼戻しなどの熱処理等が行われており、その熱処理においては、加熱後に水冷による冷却が行われている。
さらに、硬さ調整および残留ひずみ除去をするため、熱間加工後に継目無鋼管を所定温度で加熱、冷却する熱処理が行われている。このような熱処理工程のラインとしては、回転ロールを用いて鋼管をその軸中心に回転させながら長手方向へ連続的に移送して、熱処理用の加熱装置および冷却装置を連続的に通過させ、これにより加熱・冷却を連続的に行うようにした熱処理ラインが従来から広く用いられている。
上述のような熱処理ラインにおいて、一度に大量に供給された鋼管を熱処理するためには、鋼管の長さに対応した長さと幅を持つ炉が必要であり、炉の大きさを大型にするための設備投資が莫大となるという問題があった。
特に、構造上、加熱炉の全長に比べて、全長が短い冷却装置の場合には、空冷では冷却が不十分であり、加熱炉出口において水冷による急速冷却を行う必要性があった。
また、冷却水による急冷を行う際、継目無鋼管の周方向に不均一な冷却をすると継目無鋼管に変形が生じて、外径と肉厚の比が大きい継目無鋼管の場合、継目無鋼管の曲がりが大きくなるという問題が生じていた。
さらに、曲がりが大きい継目無鋼管が後工程の矯正工程に供給されると、矯正工程により、矯正による残留応力を製品の鋼管に内在させてしまうことが問題となっていた。
このため、継目無鋼管の焼入等における水冷においては、継目無鋼管の外表面および内表面に冷却水を噴霧する冷却装置により、周方向で均一な冷却を行う方法や拘束ロールを用いて矯正しつつ熱処理を行う方法等により、冷却時の曲がりを抑制することが行われている。
従来の鋼管の熱処理方法として、移動式円環状冷却媒体噴射ノズルにて鋼管の円周上の表面を均一冷却を行う装置(特許文献1)が開示されている。
また、拘束ロールにより加熱炉内部および冷却時において鋼管の変形を矯正する方法(特許文献2)が開示されている。
さらに、熱処理を行う前に、鋼管を回転させながらその長さ方向に進行させて、加熱装置と冷却装置とからなる鋼管曲がり矯正装置を配設した熱処理ライン(特許文献3)が開示されている。
しかし、これらの装置及び方法では、一度に大量に供給された継目無鋼管を熱処理することができず、経済的にコスト高になるという問題が生じていた。
従来の熱間加工(アッセル圧延)→冷間加工(コールドビルガー圧延)→熱処理(ひずみ取り焼鈍)→矯正→端面加工→検査の工程では、熱処理後に継目無鋼管の弓曲がりや先曲がりを真っ直ぐにするために、強い矯正が必要となっている。
しかしながら、このような強い矯正では、矯正による残留応力を継目無鋼管に内在させてしまい、特に、長さが3m以上、外径が70mm以上で、かつ、外径と肉厚の比、即ち、外径/肉厚が10以上の長尺大径薄肉継目無鋼管に関しては、矯正時に、この残留応力によるひずみの影響で真直度不良が発生したりしていた。
特開昭51−103011号公報 特開昭52−077812号公報 特開昭62−161918号公報
前述のように曲がりのある継目無鋼管に対しての熱処理時における周方向の冷却不均一に対処するための従来の方法は、いずれも熱処理設備が大型となり、設備の高コスト化を招くとともに、保守に煩雑な手間を要する等の問題があった。
また一方、真直度が低下してしまった継目無鋼管について、冷間で再矯正することにより、要求規格内に真直度を収めることも可能ではあるが、冷間での再矯正は、相当な手間を要することを避けられないのが実情である。また、再矯正による更なる残留応力の蓄積が発生し、2次加工(切断・施削)において残留応力の悪影響(真円度不良)が増大する恐れがある。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、回転ローラにより、長尺大径薄肉継目無鋼管を回転させながら、長手方向に移送させて冷却水を上下方向より噴霧する冷却装置で曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の周方向の均一冷却を実現させる製造方法である。
本発明の製造工程は、熱間加工(アッセル圧延)→冷間加工(コールドビルガー圧延)→熱処理(ひずみ取り焼鈍)→矯正→端面加工→検査の工程からなるもので、熱処理工程における長尺大径薄肉継目無鋼管の曲がりを少なくすることを目的とする。
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、本発明の曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法の第一の構成では、マンネスマン法により製造された継目無鋼管を焼鈍する熱処理において、継目無鋼管を中心軸回りに5rpm以上で回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.5m/min以下の速度で移動させ、冷却装置にて上下方向より外表面を冷却させることを特徴とする。
本発明の第二の構成は、第一の構成において、前記継目無鋼管は、長さ(L)3m以上、外径(D)70mm以上で且つ外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10以上の長尺大径薄肉継目無鋼管であることを特徴とする。
本発明の製造方法は、回転ローラにより長尺大径薄肉継目無鋼管を回転させながら、長手方向に進行させて冷却水を上下方向より噴霧する冷却装置により、長尺大径薄肉継目無鋼管の曲がりを防止することができる。
本発明により、従来の熱処理方法では曲がりが大きくなる長尺の薄肉継目無鋼管についても、加熱後の冷却水による急冷により、曲がりを大幅に低減でき、寸法精度に優れた継目無鋼管を製造することができる。
また、この熱処理方法は、一度に大量に供給された長尺大径薄肉継目無鋼管を熱処理することができ、設備コストの上昇を招くことなく、さらに、曲がりに伴う工程即ち、矯正工程が不要になり、製造コストを大幅に削減することができる。
本発明の製造方法は、成形された長尺大径薄肉継目無鋼管は、高温に加熱された後、上下方向にほぼ等間隔で複数設けられたそれぞれの冷却ノズルから冷却水の噴射により、それぞれの冷却ノズルの配置された同一の位置で上下方向に均一に冷却されるために、冷却による継目無鋼管の円周方向の温度差がなくなり、変形及び曲がりが防止される結果、作業効率を著しく高めて高品質の継目無鋼管を製造することができる。
以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1、図2、図3に基づいて説明する。図1は、熱処理工程の側面図である。図2は、継目無鋼管を回転させる状態の側面図、図3は、冷却ノズルで継目無鋼管を冷却させる状態の側面図である。図1、図2及び図3において、1は、継目無鋼管を長手方向に移動させる搬送ロール、2は継目無鋼管、3は搬送テーブル、4は加熱炉、5は冷却装置、6は継目無鋼管2の回転支持ロール、7は冷却ノズル。
本発明の長尺大径薄肉継目無鋼管をマンネスマン法により熱間加工して成形する。その後、冷間圧延(コールドビルガー圧延)にて所定の寸法(径、肉厚)に仕上げる。図1に示すとおり、全長50m、幅2mの熱処理炉の全長方向に平行に複数本の継目無鋼管2を搬送テーブル3に並べて配置し、搬送ロール1により搬送テーブル3を進行させ、加熱炉4で所定の温度まで加熱する。その際、図2に示すように、搬送テーブル3に配置された複数本の継目無鋼管2を搬送テーブル3の回転ロール6により回転させながら加熱することにより、加熱による偏熱がなくなり、加熱炉4内での曲がりを低減でき、また自重による変形も防止できる。継目無鋼管2は、回転ロール6により回転速度を5rpmで回転させながら図の左方の冷却装置5へ継目無鋼管2の軸方向に0.5m/min以下の一定の速度で移送される。移送速度を0.5m/min以下の速度にすることにより、冷却装置5を通過後の継目無鋼管2の温度が常温まで低下する。
移送速度が0.5m/minの速度を越えると冷却水による冷却が不十分で継目無鋼管2は、冷却されない。回転速度を5rpm以上にすることにより、継目無鋼管周方向での冷却による偏熱を低減することができる。回転速度が5rpm以下であると、継目無鋼管周方向での冷却による偏熱が大きくなり、継目無鋼管2の曲がりが大きくなる。
加熱炉4を通過した後、図3に示すように回転ロール6により回転させながら、一定の速度で移送される継目無鋼管2は、径30mmの金属製円筒管に30mmの間隔に配置された径5mmの冷却ノズル7を上下に設けた冷却装置5で、直ちに継目無鋼管2の上下方向から冷却ノズル7の冷却水が噴射され、所定の温度まで冷却されることにより、継目無鋼管2の周方向での冷却が均一となり、冷却時の真直度の劣化を防止することができる。
外径(D)96.2mm、肉厚(t)4.8mm(D/t=20.0)、長さ(L)4.2mの軸受鋼であるSUJ2からなる継目無鋼管を加熱炉にて720℃、0.8h加熱し、回転速度5rpmで回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.5m/minの速度で移動させ、冷却装置の上下方向から冷却水で冷却した。
(従来法1)
また、従来法として実施例1と同一材質及び同一寸法の継目無鋼管を用いて加熱炉にて720℃、0.8h継目無鋼管を隙間なく並べ加熱し、回転を与えずに継目無鋼管の軸方向に0.6m/minの速度で移動させ、冷却装置の上方向から冷却水で冷却した。
外径(D)70.2mm、肉厚(t)6.8mm(D/t=10.3)、長さ(L)4.3mの構造用鋼であるSCr420からなる継目無鋼管を加熱炉にて680℃、1.2h加熱し、回転速度5rpmで回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.5m/minの速度で移動させ、冷却装置の上下方向から冷却水で冷却した。
(従来法2)
また、従来法として継目無鋼管を隙間なく並べ、回転を与えずに継目無鋼管の軸方向に0.6m/minの速度で移動させ、冷却装置の上方向から冷却水で冷却した実施例3と同一材質及び同一寸法の継目無鋼管を用いて比較した。
外径(D)75.5mm、肉厚(t)11.6mm(D/t=6.5)、長さ(L)4.1mの構造用鋼であるSUJ2からなる継目無鋼管を加熱炉にて680℃、1.2h加熱し、回転速度5rpmで回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.5m/minの速度で移動させ、冷却装置の上下方向から冷却水で冷却した。
(従来法3)
また、従来法として継目無鋼管を隙間なく並べ、回転を与えずに継目無鋼管の軸方向に0.6m/minの速度で移動させ、上方向から冷却水で冷却した実施例4と同一材質及び同一寸法の継目無鋼管を用いて比較した。
(比較例1)
外径(D)96.2mm、肉厚(t)4.8mm(D/t=20.0)、長さ(L)4.2mの軸受鋼であるSUJ2からなる継目無鋼管を加熱炉にて720℃、0.8h加熱し、回転速度6rpmで回転させながら、継目無鋼管の軸方向に1.5m/minの速度で移動させ、冷却装置の上下方向から冷却水で冷却した。
(比較例2)
外径(D)96.2mm、肉厚(t)4.8mm(D/t=20.0)、長さ(L)4.2mの軸受鋼であるSUJ2からなる継目無鋼管を加熱炉にて720℃、0.8h加熱し、回転速度3rpmで回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.8m/minの速度で移動させ、冷却装置の上下方向から冷却水で冷却した。
表1に、本発明の工程による継目無鋼管の真直度と、従来法である継目無鋼管を回転させずに上方向からの冷却による継目無鋼管の真直度と、比較例として移送速度を変化させた継目無鋼管の真直度を示した。なお、真直度は、鋼管長さ1m当たりの平均曲がり量(mm/m)で表わすものとする。
Figure 2005248302
本発明の目的とする長尺大径薄肉継目無鋼管の真直度は、外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10〜15の場合、真直度を2mm/m以下に、また外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が15〜20の場合、真直度を3mm/m以下に抑えることを目標とした。
表1において、本発明である継目無鋼管を回転速度5rpmで回転させながら、0.5m/minの速度で移送させて上下方向から冷却する外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が20である実施例1による真直度は、2.1mm/mで目標とする3mm/mより上回っていた。
また、外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10.3である実施例2は、1.7mm/mで目標とする2mm/mより上回っていた。
さらに、外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が6.5である実施例3は、1.2mm/mで目標とする2mm/mより上回っていた。
これらいずれの実施例は、目標とする真直度を上回っており、長手方向の曲がりに対して著しい効果があった。
従来法である継目無鋼管を回転させないで0.6m/minの速度で移送させて上方向からの冷却水で冷却する外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が20である従来法1による真直度は、4.2mm/mで目標とする2mm/mより大幅に曲がっていた。
また、外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10.3である従来法2は、4.2mm/mで目標とする3mm/mより曲がっていた。
さらに、外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が6.5である従来法3は、2.2mm/mで目標とする2mm/mより僅か曲がっていた。このことから、回転させないで上方向からの冷却水で冷却する方法は、長手方向の曲がりに対して効果がなかった。
比較例である継目無鋼管を回転速度6rpmで回転させながら、1.5m/minの速度で移送させて上下方向からの冷却水で冷却する外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が20である比較例1による真直度は、3.4mm/mで目標とする3mm/mより少し曲がっていた。
また、継目無鋼管を回転速度6rpmで回転させながら、0.8m/minの速度で移送させて上下方向からの冷却水で冷却する外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が20である比較例2は、4.3mm/mで目標とする3mm/mより大幅に曲がっていた。
従って、比較例では、移送速度を0.5m/minの速度を越えて移送すると回転速度と同様に長手方向の曲がりに対して効果がなかった。
熱処理工程の側面図である。 継目無鋼管を回転させる状態の側面図である。 冷却水で継目無鋼管を冷却させる状態の側面図である。
符号の説明
1………搬送ロール
2………継目無鋼管
3………搬送テーブル
4………加熱炉
5………冷却装置
6………回転ロール
7………冷却ノズル

Claims (2)

  1. マンネスマン法により製造された継目無鋼管を焼鈍する熱処理において、継目無鋼管を中心軸回りに5rpm以上で回転させながら、継目無鋼管の軸方向に0.5m/min以下の速度で移動させ、冷却装置にて上下方向より外表面を冷却させることを特徴とする曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法。
  2. 前記継目無鋼管は、長さ(L)3m以上、外径(D)70mm以上で且つ外径(D)、肉厚(t)の比(D/t)が10以上の長尺大径薄肉継目無鋼管であることを特徴とする請求項1記載の曲がりの少ない長尺大径薄肉継目無鋼管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104959784A (zh) * 2015-06-12 2015-10-07 内蒙古包钢钢联股份有限公司 一种p91无缝钢管制备方法
WO2019189158A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 日本製鉄株式会社 継目無鋼管熱処理精整処理直結設備
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