JP2005249367A - 空調機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス除去効率の向上、加湿能力の向上、機器の小型化、省エネルギー化及びイニシャルコストの低減を可能とした空調機を提供する。
【解決手段】 吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと冷却コイル部と第2の加熱コイルとを配設し、冷却コイル部を、上流側冷却コイル、下流側冷却コイル、上流側冷却コイルの上流側に配設した第1の気化式加湿器素材及び下流側冷却コイルの下流側に配設した第2の気化式加湿器素材により構成し、冷却コイル部の下部に水槽を配設し、第2の気化式加湿器素材の上方から純水を供給すると共に、上流側冷却コイル、下流側冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材には、上方から滴下水を循環供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理対象となる空気の温湿度調整を行うと共に、各種の分子汚染物質を除去するために用いられる空調機に係り、特に、ガス除去効率の向上、加湿能力の向上、機器の小型化及び省エネルギー化を実現すべく、冷却コイル部の構成に改良を施した空調機に関するものである。
近年、半導体製造をはじめとした電子工業用クリーンルーム等においては、室内の加湿や各種の分子汚染物質(Airborne Molecular Contaminant:以下、AMCという)に対する制御が必要とされており、ケミカルフィルタを設置するなど、種々の対策が実施されている。また、年間の湿度を一定に維持することが求められ、特に冬季の加湿は重要であり、一般的には蒸気による精密加湿が採用されていた。
上記のようなAMC対策の一つとして、クリーンルームに導入する外気に含まれる酸性ガスや塩基性ガス等の水溶性AMC(例えば、NH3等)の除去が行われており、ワッシャー方式に代表される湿式除去システムが知られている(特許文献1参照)。しかし、上記のようなワッシャー方式において、AMCの除去能力を向上させるためには、気液接触面積を増やす必要がある。そのためには、噴霧水量を多くしたり、噴霧液滴を小さくすることが求められ、ワッシャー用ポンプ動力の上昇や空気側の圧力損失の上昇等が問題となっていた。
そこで、本出願人は、外気中に含まれるAMCを除去する方法として、濡れ壁ユニットを複数台設置し、空気下流側の濡れ壁ユニットからの排水を空気上流側の濡れ壁ユニットに順次供給することで、擬似的な対向流を有する湿式除去システムを提案した(特許文献2参照)。この湿式除去システムは、上記のワッシャー方式と比較して、大きな気液接触面積を有しているほか、きわめて少ない補給純水量を有効に使用し、高い除去性能と安定性を達成することができるものであり、同時に気化式加湿器としても充分な性能をもっていた。
特開2001−96123号公報 特開2000−317248号公報
しかしながら、上記のような湿式除去システムにおいては、夏季の冷却除湿時には、冷却コイルフィンの表面が冷却による結露(除湿)水により濡れ壁となり、この結露水にAMCが吸収されるので、全体としてのAMC除去率は高くなる。一方、除湿時以外の、例えば冬季最大加湿時においては、冷却コイルフィン面が濡れ壁となっておらず、夏季に比べてAMC除去率が低いという、季節による除去率の変動という問題点があった。
また、上記のようなワッシャー方式の湿式除去システムにおいては、水噴霧部のスペースが必要であり、また、気化式加湿器素材を濡れ壁として用いた湿式除去システムにおいては、気化式加湿器の設置スペース(これらは共に、1000〜1500mm程度)が必要であるため、システムが大型化すると共に、コストも高くなっていた。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、ガス除去効率の向上、加湿能力の向上、機器の小型化及び省エネルギー化、さらにはイニシャルコストの低減を可能とした空調機を提供することにある。
請求項1に記載の空調機は、吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、前記冷却コイルに、その上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の空調機は、請求項1に記載の発明の変形例であって、吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、前記冷却コイル、第1の気化式加湿器素材及び第2の気化式加湿器素材に、それらの上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の空調機は、請求項1に記載の発明の変形例であって、吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、前記第2の気化式加湿器素材の上方から純水が供給されると共に、前記冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材に、それらの上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項1〜請求項3に記載の発明においては、冷却コイル部を、1段構成の冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成したことにより、従来方式で必要であった、大きなスペースを必要とする水噴霧部や気化式加湿器を不要とすることができるため、空調機が大幅に小型化できる。
また、第1の気化式加湿器素材を冷却コイルの上流側に接触させて配設することにより、冬季最大加湿時のコイルフィンの乾燥を防止することができると共に、加湿飽和効率をアップすることができる。さらに、第2の気化式加湿器素材を冷却コイルの下流側に接触させて配設することにより、冷却コイルからの水滴の飛散を防止することができ、また、加湿飽和効率及びケミカル除去効率を高めることができ、さらに、純水を直接供給することにより補給水を減少させることができる。
請求項4に記載の空調機は、吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、前記冷却コイル部が、処理空気の流れに対して上流側に配設された上流側冷却コイルと、下流側冷却コイルの2段構成とされ、前記上流側冷却コイルの上流側には、第1の気化式加湿器素材が接触して設置され、また、前記下流側冷却コイルの下流側には、第2の気化式加湿器素材が接触して設置されると共に、前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、前記第2の気化式加湿器素材の上方から純水が供給されると共に、前記上流側冷却コイル、下流側冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材には、上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項4に記載の発明においては、上流側冷却コイル、下流側冷却コイル、前記上流側冷却コイルの上流側に配設した第1の気化式加湿器素材及び前記下流側冷却コイルの下流側に配設した第2の気化式加湿器素材により冷却コイル部を構成したことにより、従来方式で必要であった水噴霧部や気化式加湿器を不要とすることができるため、空調機が大幅に小型化できる。
また、第1の気化式加湿器素材を上流側冷却コイルに接触させて配設することにより、冬季最大加湿時のコイルフィンの乾燥を防止することができると共に、加湿飽和効率をアップすることができる。さらに、第2の気化式加湿器素材を下流側冷却コイルに接触させて配設することにより、ケミカル除去の効率をアップすることができ、補給水を減少させることができる。
請求項5に記載の空調機は、請求項4に記載の空調機において、前記水槽が、第1の気化式加湿器素材の下部に位置する第1の水槽と、前記上流側冷却コイルの下部に位置する第2の水槽と、前記下流側冷却コイル及び第2の気化式加湿器素材の下部に位置する第3の水槽に区切られ、第1の水槽と第2の水槽の間に第1の連通孔が形成され、第2の水槽と第3の水槽の間に第2の連通孔が形成されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項5に記載の発明においては、上流側冷却コイル、下流側冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材に供給される滴下水を、効率良く循環させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の空調機において、前記上流側冷却コイル及び下流側冷却コイルに供給される冷却水は、処理空気の流れと対向流となるように、下流側冷却コイルから上流側冷却コイルに流れるように構成されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項6に記載の発明においては、冷却コイルに供給される冷却水を、処理空気の流れと対向流となるように構成することができるので、請求項1〜請求項5に記載の構成よりも熱交換効率を高く維持することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空調機において、前記下流側冷却コイルに供給される冷却水量及び第1の加熱コイルによる加温調整が、前記給気口の出口に設けられた露点センサの検出値に基づいて制御されるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の空調機において、前記下流側冷却コイルに供給される冷却水量及び第2の加熱コイルによる加温調整が、前記給気口の出口に設けられた乾球温度センサの検出値に基づいて制御されるように構成されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項7及び請求項8に記載の発明においては、給気口の出口に設けられた露点センサあるいは乾球温度センサの検出値に基づいて、適切な温湿度調整を実施することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の空調機において、前記冷却コイルの上面に、平板状に形成された気化式加湿器素材が配設されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項9に記載の発明においては、冷却コイルの上方から供給される滴下水を、均一且つスムーズに冷却コイル全体に供給することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の空調機において、前記冷却コイルに、親水性処理が施されていることを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項10に記載の発明においては、冷却コイルフィン面を均一に濡れ面とすることができる。
本発明の空調機によれば、ガス除去効率の向上、加湿能力の向上、機器の小型化及び省エネルギー化、さらにはイニシャルコストの低減を可能とした空調機を提供することができる。
以下、本発明の空調機に係る実施の形態(以下、実施形態という)の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
(1)構成
(1−1)全体構成
図1は、本発明に係る空調機の構成を示す模式図である。すなわち、本実施形態の空調機のハウジング(図示せず)内部には、空気取入口側から、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、第1の加熱コイル3、上流側冷却コイル41及び下流側冷却コイル42を備えた冷却コイル部4、第2の加熱コイル5、及び、処理空気をハウジング外へ吐出する送風機6が順次配設されている。なお、冷却コイル部4の詳細な構成については後述する。
また、処理空気の出口近傍には、DP(露点センサ)7、DB(乾球温度センサ)8が設けられている。そして、前記DP7の検出値に基づいて、第1の制御装置10により、第1の加熱コイル3による加湿量を制御するための加温調整、あるいは冷却コイルによる冷却除湿調整がなされ、また、前記DB8の検出値に基づいて、第2の制御装置11により、第2の加熱コイル5による加温調整、あるいは冷却コイルによる冷却調整がなされるように構成されている。
(1−2)冷却コイル部の構成
続いて、本発明の特徴的な部材である冷却コイル部4の構成について詳述する。すなわち、図1及び図2に示したように、冷却コイル部4は、処理空気の流れに対して上流側に配設された上流側冷却コイル41と、下流側冷却コイル42の2段構成とされている。なお、これらの冷却コイルへ供給される冷却水は、空気の流れと対向流となるように、下流側冷却コイル42から上流側冷却コイル41に流れるように構成されている。そして、前記上流側冷却コイル41の上流側(図中、左側)には、第1の気化式加湿器素材43が接触して設置され、また、前記下流側冷却コイル42の下流側(図中、右側)には、第2の気化式加湿器素材44が接触して設置されている。
また、冷却コイル部4の下部には水槽9が配設され、この水槽9の内部が、前記第1の気化式加湿器素材43の下部に位置する第1の水槽91と、前記上流側冷却コイル41の下部に位置する第2の水槽92と、前記下流側冷却コイル42及び第2の気化式加湿器素材44の下部に位置する第3の水槽93に分割されている。そして、第1の水槽91と第2の水槽92との間には、第1の連通孔94が設けられ、また、第2の水槽92と第3の水槽93との間には、第2の連通孔95が設けられている。
また、前記第2の気化式加湿器素材44の上方には、純水供給ライン21が設けられ、第2の気化式加湿器素材44に補給水(純水)を供給できるように構成されている。また、前記第3の水槽93から前記下流側冷却コイル42の上方には、第1の滴下水供給ライン22が設けられると共に、前記第2の水槽92から前記上流側冷却コイル41の上方には、第2の滴下水供給ライン23が設けられている。そして、各滴下水供給ライン22、23によって、下流側冷却コイル42及び上流側冷却コイル41のそれぞれに滴下水が循環供給され、両冷却コイルを濡れ壁とすることができるように構成されている。
さらに、前記第2の滴下水供給ライン23には、分岐ライン24が設けられ、前記第1の気化式加湿器素材43に滴下水を供給できるように構成されている。また、第1の水槽91には、排水ライン25が設けられ、第1の水槽91内の水位を一定に保持できるように構成されている。
なお、前記上流側冷却コイル41及び下流側冷却コイル42の上面には、平板状に形成された気化式加湿器素材45、46が配設され、コイルフィン上部に供給される滴下水を、コイルフィンの全体に均一に供給することができるように構成されている。
また、前記上流側冷却コイル41及び下流側冷却コイル42には、親水性処理が施されている。この親水性処理の方法としては、公知の親水性塗料を塗布する方法や、冷却コイルを製作後、表面積の大きいコイルフィン部を腐食液(エッチング液)に一定時間浸漬し、洗浄後、乾燥する方法を用いることができる。
さらに、下流側冷却コイル42には、例えば、冷凍機等の冷却水供給装置(図示せず)に接続された冷却水供給ライン26が接続され、空気側下流部から冷却水が供給されるように構成されている。そして、下流側冷却コイル42の空気側上流部から排出された冷却水は、上流側冷却コイル41の空気側下流部から上流側冷却コイル41内に導入され、空気側上流部から排出されて、冷却水排出ライン27を介して、再度冷凍機等に送られるように構成されている。なお、前記冷却水供給ライン26には、流量調整バルブ28が設けられ、下流側冷却コイル42に供給される冷却水の流量を調整できるように構成されている。
なお、種々の分子汚染物質(AMC)を除去するためには、これを吸収する側(本実施形態においては、滴下水)の水質がある程度の清浄度(=純度)を保つ必要があるため、適宜純水を補給し続ける必要がある。この純水の補給水量は、上記第1の水槽91あるいは排水ラインの途中において、pH又は導電率、あるいは両者を測定し、その値に基づいて、純水供給ライン21に設けられたバルブ(図示せず)の開度を調整することにより、純水の供給量を制御することが好ましい。
また、例えば、除湿時期はL/G=0.01、加湿時期はL/G=0.02というように、必要とされる加湿量に応じて、時期毎に補給水量を決めておくという方法を用いても良い。この場合は、純水供給ライン21に設けられたバルブ(図示せず)の開度は、時期毎に手動で設定することができるので、構成が簡便なものとなる。
なお、本発明で用いられる気化式加湿器素材としては、気孔率40%以上の、吸水性を有する素材、例えば、ウェットマスター(株)製の気化式加湿器素材を用いることができる。
(2)作用
以上のような構成を有する本実施形態の空調機の作用を、室内側の温湿度を23℃、45%と設定し、図3(夏季)及び図4(冬季)に示した空気線図を参照して、冷却除湿時(主として夏季)と、加温加湿時(主として冬季)とに分けて説明する。なお、図3及び図4に示したAw〜Fw〜Gw、As〜Fs〜Gsは、図1に示したA〜Gの位置における空気の状態に対応し、wは冬季、sは夏季を示している。また、温度及び湿度等の具体的な値は例示であり、本発明がこれらの数値に限定されるものではない。また、ファンによる昇温とこれによる相対湿度低下は、理解を容易にするために、ここでは考えないものとする。
(2−1)夏季…冷却除湿時(図3参照)
夏季などの空気の冷却除湿が必要な場合には、第1の気化式加湿器素材43及び第2の気化式加湿器素材44においては加湿が行われ、上流側冷却コイル41及び下流側冷却コイル42により必要量の冷却除湿が行われる。このとき、空気中の水分が水槽内に取り込まれる。
すなわち、送風機6を作動させると共に、下流側冷却コイル42へ冷却水を供給する冷却水供給ライン26の流量調整バルブ28を開とする。すると、ハウジングの空気取入口から外気(34℃、60%RH)が流入する。流入した空気は、フィルタ1、2を介して塵埃が除去された後、第1の気化式加湿器素材43においては加湿され(As〜Cs)、上流側冷却コイル41によって冷却された後(Cs〜Ds)、下流側冷却コイル42によってさらに冷却される(Ds〜Es)。続いて、第2の気化式加湿器素材44において加湿され(Es〜Fs)、第2の加熱コイル5によって加温されて(Fs〜Gs)、室内に供給される。
この場合、水槽9に設けられた第2の連通孔95を介して、[純水供給量+下流側冷却コイルによる除湿量(Ds→Es)−第2の気化式加湿器素材による加湿量(Es→Fs)]の水が、第3の水槽93から第2の水槽92へ移動する。また、第1の連通孔94を介して、[第1の気化式加湿器素材への滴下水量−第1の気化式加湿器素材による加湿量(As→Cs)−第1の水槽91からの排水量]の水が、第1の水槽91から第2の水槽92へ移動する。さらに、第1の水槽91に設けられた排水ライン25からは、[純水供給量+除湿量(外気と空調機出口の水分量との差)(AsとFsの差)]の水が排出される。
(2−2)冬季…加温加湿時(図4参照)
一方、冬季のように空気の加温加湿が必要な場合には、第1の気化式加湿器素材43、上流側冷却コイル41、下流側冷却コイル42及び第2の気化式加湿器素材44のすべてにより加湿が行われる。このとき、各ユニットから水分が気化していく。なお、冬季においては冷却、除湿が不要なため、バルブ28を閉じることにより、冷却コイル内への冷却水の供給は停止されている。
すなわち、送風機6を作動させるとともに、第1の加熱コイル3のバルブ29を開とする。すると、ハウジングの空気取入口から外気が流入する(−2℃、30%RH)。流入した空気は、フィルタ1、2を介して塵埃が除去された後、第1の加熱コイル3によって加熱される(28.6℃)。これにより、図3のAwとBwとを結ぶ実線で示すように、乾球温度が推移する。
第1の加熱コイル3で加熱された空気は、冷却コイル部4に導入され、第1の気化式加湿器素材43による加湿が行われる。このとき、気化式加湿は温度低下を伴うので、図3のBwとCwとを結ぶ実線で示すように、乾球温度及び相対湿度が推移する(Bw〜Cw)。
続いて、上流側冷却コイル41に上部より滴下された水により、そのコイルフィン面が濡れ面となっていることから加湿され(Cw〜Dw)、下流側冷却コイル42によってさらに加湿される(Dw〜Ew)。続いて、第2の気化式加湿器素材44によって加湿され(Ew〜Fw)、第2の加熱コイル5によって加温されて(Fw〜Gw、14℃)、室内に供給される。
この場合、水槽9に設けられた第2の連通孔95を介して、[純水供給量−下流側冷却コイル及び第2の気化式加湿器素材による加湿量(Dw→Ew→Fw)]の水が、第3の水槽93から第2の水槽92へ移動する。また、第1の連通孔94を介して、[第1の気化式加湿器素材への滴下水量−第1の気化式加湿器素材(Bw→Cw)−第1の水槽91からの排水量]の水が、第1の水槽91から第2の水槽92へ移動する。さらに、第1の水槽91に設けられた排水ライン25からは、[純水供給量−加湿量(外気と空調機出口の水分量との差)(AwとFwの差)]の水が排出される。
(3)効果
上述したように、本実施形態の空調機においては、冷却コイル部4を上流側冷却コイル41と下流側冷却コイル42の2段構成とし、さらに上流側冷却コイル41の上流側に第1の気化式加湿器素材43を設置し、下流側冷却コイル42の下流側に第2の気化式加湿器素材44を設置したため、冷却コイル部4の長さは、従来の冷却コイルの長さに比べて長くなっている(例えば、180mm程度長くなる)。
しかしながら、本実施形態の冷却コイル部4は気化式加湿器素材を冷却コイルと一体化して構成しているため、特許文献1及び特許文献2に示したような従来の湿式除去システムに設置されていた水噴霧部あるいは気化式加湿器の設置スペースが不要となる(例えば、1000〜1500mm程度が不要となる)。その結果、空調機を大幅に小型化することが可能となる(例えば、820〜1320mm程度小型化できる)。
また、第1の気化式加湿器素材43を上流側冷却コイル41に接触させて配設することにより、冬季最大加湿時のコイルフィンの乾燥を防止することができると共に、加湿飽和効率をアップすることができる。
さらに、第2の気化式加湿器素材44を下流側冷却コイル42に接触させて配設することにより、ケミカル除去の効率をアップすることができ、補給水を減少させることができるだけでなく、冷却コイルのフィンの間隔が狭いために水分の飛散が起こりやすいという問題に対して、下流側への水滴の飛散を防ぐ効果もあることから、コイル面への滴下水量のアップや、風速のアップが可能となる。
また、冷却コイルを2段構成とすることにより、AMC除去のために滴下水を上部より循環滴下しても、冷却水と空気の対向流をある程度維持することができるので、熱交換効率を高いレベルに維持することができる。
また、本実施形態の空調機においては、冷却コイル部4のすべてが濡れ面となるため、濡れ面係数が上昇する。その結果、冷却時における冷却コイル表面の熱伝達率が上昇し、熱交換性能が向上する。これに対して、従来方式では、冷却コイルの空気上流側は濡れ面ではなかったため、濡れ面のない箇所と濡れ面のある箇所とが存在することになり、冷却コイルの濡れ面係数は小さくならざるを得なかった。
また、従来のワッシャー方式においては、入口空気の湿球温度に等しい水温の水を完全に断熱した空間で噴霧した時(=断熱加湿)、空気線図上の変化は湿球温度一定の線上となる。つまり、等エンタルピー上の変化となる。
これに対して、本実施形態においては、冷却コイル部4の最上流側に位置する第1の気化式加湿器素材43に、入口空気の湿球温度よりも低い冷水が滴下されるように構成されている。この冷水のエンタルピーは入口空気のエンタルピーよりも低いため、出口空気のエンタルピーは下がり、このエンタルピー差だけ、省エネが可能となる(図3参照)。
(4)他の実施形態
本発明は、上述したような実施形態に限定されるものではなく、冷却コイル部4を構成する冷却コイルは1段構成でも良く、この場合には、冷却コイル50の上流側及び下流側(言い換えれば、冷却コイルの両側)に、第1の気化式加湿器素材43及び第2の気化式加湿器素材44を接触させて設ける。
また、図5に示したように、冷却コイル部4の下部に設けられた水槽9から、1段構成の冷却コイル50の上面に滴下水を循環供給するように構成しても良い。この場合、冷却コイル50に親水処理がなされているため、第1の気化式加湿器素材43及び第2の気化式加湿器素材44には、親水性の高い冷却コイル50から滴下水が浸透していく。
また、図6に示したように、冷却コイル部4の下部に設けられた水槽9から、1段構成の冷却コイル50、第1の気化式加湿器素材43及び第2の気化式加湿器素材44の上面に滴下水を循環供給するように構成しても良い。なお、図5及び図6に示した変形例において、第2の気化式加湿器素材44へ補給される純水及び水槽9から循環供給される滴下水は純水に限られず、通常の水でも良い。
さらに、図7に示したように、第2の気化式加湿器素材44の上方に純水供給ライン21を設け、第2の気化式加湿器素材44に補給水(純水)を供給できるように構成すると共に、冷却コイル部4の下部に設けられた水槽9から、1段構成の冷却コイル50及び第1の気化式加湿器素材43の上面に滴下水を循環供給するように構成しても良い。
また、冷却コイルは、上流側、中流、下流側と3段以上の構成としても良い。このように冷却コイルを複数段とした場合、冷却コイルに導入する冷却水は、必ずしも下流側から上流側へ順次流す方法を採用する必要はなく、冷却水系統の一つの流量調整弁から、各段の冷却コイルに並列に供給するように構成しても良い。
本発明に係る空調機の全体構成を示す模式図である。 冷却コイル部の詳細な構成を示す模式図である。 本発明に係る空調機の夏季における作用を説明する空気線図である。 本発明に係る空調機の冬季における作用を説明する空気線図である。 冷却コイル部の他の実施形態を示す模式図である。 冷却コイル部の他の実施形態を示す模式図である。 冷却コイル部の他の実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1…プレフィルタ
2…中性能フィルタ
3…第1の加熱コイル
4…冷却コイル部
5…第2の加熱コイル
6…送風機
7…露点センサ
8…乾球温度センサ
9…水槽
41…上流側冷却コイル
42…下流側冷却コイル
43…第1の気化式加湿器素材
44…第2の気化式加湿器素材
50…冷却コイル
91…第1の水槽
92…第2の水槽
93…第3の水槽
94…第1の連通孔
95…第2の連通孔

Claims (10)

  1. 吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、
    前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、
    前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、
    前記冷却コイルに、その上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする空調機。
  2. 吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、
    前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、
    前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、
    前記冷却コイル、第1の気化式加湿器素材及び第2の気化式加湿器素材に、それらの上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする空調機。
  3. 吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、
    前記冷却コイル部が、冷却コイルと、その上流側に接触して配設された第1の気化式加湿器素材と、その下流側に接触して配設された第2の気化式加湿器素材とから構成され、
    前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、
    前記第2の気化式加湿器素材の上方から純水が供給されると共に、前記冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材に、それらの上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする空調機。
  4. 吸気口と給気口とを有するチャンバ内に、第1の加熱コイルと、冷却コイル部と、第2の加熱コイルとを配設してなる空調機であって、
    前記冷却コイル部が、処理空気の流れに対して上流側に配設された上流側冷却コイルと、下流側冷却コイルの2段構成とされ、前記上流側冷却コイルの上流側には、第1の気化式加湿器素材が接触して設置され、また、前記下流側冷却コイルの下流側には、第2の気化式加湿器素材が接触して設置されると共に、前記冷却コイル部の下部に水槽が配設され、
    前記第2の気化式加湿器素材の上方から純水が供給されると共に、前記上流側冷却コイル、下流側冷却コイル及び第1の気化式加湿器素材には、上方から滴下水が循環供給されるように構成されていることを特徴とする空調機。
  5. 前記水槽が、第1の気化式加湿器素材の下部に位置する第1の水槽と、前記上流側冷却コイルの下部に位置する第2の水槽と、前記下流側冷却コイル及び第2の気化式加湿器素材の下部に位置する第3の水槽に区切られ、
    第1の水槽と第2の水槽の間に第1の連通孔が形成され、第2の水槽と第3の水槽の間に第2の連通孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空調機。
  6. 前記上流側冷却コイル及び下流側冷却コイルに供給される冷却水は、処理空気の流れと対向流となるように、下流側冷却コイルから上流側冷却コイルに流れるように構成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の空調機。
  7. 前記下流側冷却コイルに供給される冷却水量及び第1の加熱コイルによる加温調整が、前記給気口の出口に設けられた露点センサの検出値に基づいて制御されるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の空調機。
  8. 前記下流側冷却コイルに供給される冷却水量及び第2の加熱コイルによる加温調整が、前記給気口の出口に設けられた乾球温度センサの検出値に基づいて制御されるように構成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の空調機。
  9. 前記冷却コイルの上面に、平板状に形成された気化式加湿器素材が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の空調機。
  10. 前記冷却コイルに、親水性処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の空調機。
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