JP2005250096A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性及び耐久性に優れ、真球状であっても、トナーカートリッジからのトナー漏れがない電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤からなる着色樹脂粒子と、外添剤とを含有し、
フローテスターにより測定される軟化温度Tsが60〜90℃、流動開始温度Tfbが130〜210℃、且つ前記軟化温度と流動開始温度との差(Tfb−Ts)が70〜130℃であり、
示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度が50〜65℃である電子写真用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電潜像を現像するための電子写真用トナーに関する。
従来、電子写真法として多数の方法が知られているが、一般的には光導電性を有する感光体の表面を帯電させ、種々の手段によって静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーによって現像して可視像とし、次いで、形成されたトナー像を、必要に応じて紙等の転写材上に転写した後、加熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着して印刷物を得ている。
近年、この電子写真法による画像形成装置において、画像の高解像度化や画像形成の高速化が求められている。その結果、トナーに対する要求性能も高度になってきているが、中でも最も重要なものに定着性がある。この定着性を満たすために、トナーの溶融特性を改良する検討が行われている。
例えば、特許文献1には、バインダー樹脂と離型剤とを少なくとも含有し、バインダー樹脂が粘度の異なる2種を特定割合で混合し、該トナーのTHF不溶分が10%未満で、GPCによるTHF可溶分の分子量分布及び分子量ピークが特定範囲にあり、且つフローテスターによる軟化温度と流出開始温度が特定範囲にある電子写真用トナーが開示されている。また、特許文献2には、重合性単量体、重合開始剤及び着色剤を含有する組成物を、前段及び後段の重合を特定の温度範囲、温度差及びタイミングで重合して得られる、特定の軟化温度及び流動開始温度を有する重合トナーが開示されている。しかしながら、これらのトナーは、確かに定着性の改良ができ、低温で定着可能になったが、長期間に亘って印字を行うとトナーカートリッジからトナー漏れが生じる問題があった。
一方で、トナー漏れの改良に関しては、特許文献3及び特許文献4等に画像形成装置の面から改良することが開示されているが、トナーの面から改良を提案されることは少なかった。特許文献5には、フロー式粒子像分析装置による平均円形度とパウダーテスターによる崩壊角が特定範囲にある電子写真用トナーが開示されている。また、該文献には、真球状のトナーは粉立ち性が高いために、トナーカートリッジからのトナー漏れが生じることも開示されている。
特開平5−297630号公報 特開2002−72565号公報 特開2002−214906号公報 特開2003−114576号公報 特開2003−35967号公報
本発明の目的は、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性及び耐久性に優れる電子写真用トナーを提供することにある。
また、本発明の目的は、真球状であっても、トナーカートリッジからの漏れがない電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者は、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、フローテスターにより測定される軟化温度と流出開始温度、及び示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度を特定範囲にしたトナーが、上記目的を達成できるものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤からなる着色樹脂粒子と、外添剤とを含有し、フローテスターにより測定される軟化温度Tsが60〜90℃、流動開始温度Tfbが130〜210℃、且つ前記軟化温度と流動開始温度との差(Tfb−Ts)が70〜130℃であり、
示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度が50〜65℃である電子写真用トナーが提供される。
本発明によれば、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性及び耐久性に優れ、真球状であっても、トナーカートリッジからの漏れがない電子写真用トナーが提供される。
以下、本発明について詳述する。
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤からなる着色樹脂粒子と、外添剤とを含有する。また、着色樹脂粒子には、更に離型剤を含有することが好ましく、必要に応じて磁性材料等を含有していてもよい。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。結着樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、5000〜50000、好ましくは、7000〜30000である。
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナー分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粉;等を挙げることができる。
フルカラートナーを得る場合、通常、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185および186等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74、180および185が好ましい。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド122、185、C.I.ピグメントバイオレット19及びこれらの混合物が好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、および60等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4が好ましい。
こうした着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
帯電制御剤としては、従来からトナーに使用されている帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の中でも、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるので帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体を用いることができる。
この共重合体に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位は、共重合体中に0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。含有量がこの範囲にあると、トナーの帯電量が制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常2000〜50000、好ましくは4000〜40000、さらに好ましくは6000〜30000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、トナーの彩度や透明性を維持することができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、トナーの保存性と定着性をバランスよく向上させることができる。
帯電制御剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの離型剤のうち、合成ワックス及び多官能エステル化合物が好ましい。中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が50〜120℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜90℃の範囲にあるものは、定着時の定着−剥離性バランスに優れるトナーが得られるので好適である。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定される値である。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。
また、磁性材料としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーは、フローテスターによって測定される軟化温度Tsが60〜90℃、好ましくは65〜85℃、更に好ましくは70〜80℃である。軟化温度が60℃より低いと、トナーの熱安定性が悪く保存性が低下し、逆に90℃より高いとトナーの十分な溶融粘度に下がらず定着性が悪くなる。
本発明の電子写真用トナーは、同じくフローテスターで測定される流動開始温度Tfbが130〜210℃、好ましくは150〜205℃、更に好ましくは170〜200℃である。流動開始温度が130℃より低いとトナー漏れが発生し、逆に210℃より高いと、溶融粘度が高くなり定着性が悪くなる。
また、本発明の電子写真用トナーは、前記軟化温度と流動開始温度との差(Tfb−Ts)が70〜130℃、好ましくは80〜125℃、更に好ましくは90〜120℃である。この差が70℃より小さいと、保存性が悪くなり、逆に130℃より大きいと、定着性が悪くなる。
本発明の電子写真用トナーに含有される着色樹脂粒子は、体積平均粒径(dv)が通常2〜15μmであり、好ましくは3〜12μm、更に好ましくは4〜10μmである。粒径が小さいと流動性が低下して、転写性が低下したり、カスレが発生したりし、また印字濃度が低下することがあり、逆に大きいとカブリやトナー飛散が発生し、画像の解像度が低下することがある。
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)の比である粒径分布(dv/dp)が1.0〜1.3であり、1.0〜1.2であると更に好ましい。粒径分布が大きいとカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下が起こったりすることがある。
上記の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、分級することによって容易に上記範囲とすることができる。
着色樹脂粒子の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)などを用いて測定することができる。
本発明の電子写真用トナーに含有される着色樹脂粒子は、着色樹脂粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割って得られる平均球形度(Sc/Sr)が1〜1.3であり、1.0〜1.2であるとより好ましく、1.0〜1.15であると更に好ましい。平均球形度が1.3より大きくなると、転写性が低下することがある。
この平均球形度は、例えば、転相乳化法、溶解懸濁法、懸濁重合法や乳化重合法等の重合法を用いることにより容易に上記範囲とすることができる。
ここで、平均球形度は、着色樹脂粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率を最大2%、トータル処理粒子数を100個の条件で測定し、得られた100個の着色樹脂粒子の球形度を平均した値である。
本発明の電子写真用トナーに含有される着色樹脂粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の粒子とすることができる。コアシェル型着色樹脂粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができるので好ましい。
コアシェル型着色樹脂粒子のコア層とシェル層との重量比率は特に限定されないが、通常、80/20〜99.9/0.1、好ましくは90/10〜99.8/0.2、更に好ましくは95/5〜99.7/0.3である。
シェル層の割合を上記範囲にすることにより、トナーの保存性と低温での定着性を兼備することができる。
コアシェル型着色樹脂粒子のシェル層の平均厚みは、通常、0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmであると考えられる。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなると保存性が低下することがある。なお、コアシェル型着色樹脂粒子を構成するコア層はすべての表面がシェル層で覆われている必要はなく、コア層の表面の一部がシェル層で覆われていればよい。
本発明の電子写真用トナーに含有される着色樹脂粒子は、その製法によって特に限定されず、例えば、粉砕法、転相乳化法及び重合法によって得ることができる。これらの中でも、懸濁重合法により得られた着色樹脂粒子が、実質的に球状となり、転写性や定着性が良好となり、高解像度の画質や印刷の高速化に対応できるので好ましい。
好ましいコアシェル型着色樹脂粒子を製造する方法としては、スプレイドライ法、界面反応法、in situ重合法、相分離法などの方法が挙げられる。具体的には、粉砕法、重合法、会合法又は転相乳化法により得られたトナーをコア粒子として、それに、シェル層を被覆することによりコアシェル型着色樹脂粒子が得られる。この製造方法の中でも、in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
以下、最も好ましいin situ重合法によるコアシェル型着色樹脂粒子の製造方法について説明する。
重合性単量体、着色剤及び帯電制御剤をボールミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、コア用重合性単量体組成物を得、分散安定剤を含有する水分散媒体中に該組成物を添加した後、攪拌して液滴を形成し、次いで重合開始剤を添加した後、高速回転する攪拌機を用いて、所望の着色樹脂粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、更に小さな液滴を形成する。液滴を形成するときの水分散媒体の温度は、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃である。
次に、分散した液滴が沈降しない程度の攪拌を維持しながら、所定の温度に昇温して重合を開始し、一定時間重合を継続して、所定の重合転化率となったことを確認した後、シェル用重合性単量体及びシェル用重合開始剤を添加して、更に一定時間重合を継続して、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得る。その後、必要に応じて水分散液から未反応の重合性単量体を除去し、更に重合時に使用した分散安定剤を着色樹脂粒子から除去するために、酸洗浄を行い、更に水洗浄と脱水を繰り返し行い、乾燥することによって、コアシェル型着色樹脂粒子を製造する。
重合温度は、通常、40〜100℃、好ましくは50〜95℃であり、重合時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。また、乾燥温度は、通常、20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。
結着樹脂を得るための重合性単量体として、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることができる。この重合性単量体が重合され、結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好ましく、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルの組み合わせが最も好ましい。
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いるとホットオフセットが有効に改善される。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
架橋性単量体の量は、モノビニル単量体100重量部当たり、通常、10重量部以下、好ましくは、0.1〜2重量部である。
また、モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1000〜30000のオリゴマーまたはポリマーである。
また、マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好適には1〜5重量部、さらに好適には2〜4重量部である。
分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機塩、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の無機水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
これらのうち、特に難水溶性の無機水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また分散安定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が上記範囲にあることで、充分な重合安定性が得られ、重合凝集物の生成が抑制され、所望の粒径の着色樹脂粒子を得ることができるので好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
これらの中でも、重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤が好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤を油溶性の重合開始剤と併用することもできる。上記重合開始剤の量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。
また、重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
シェル用重合性単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、メタクリル酸メチルを使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の量は、コア用重合性単量体組成物を得るときに使用したモノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部である。
シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加すると、微粒子の副生を防止でき、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなる。
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部である。
本発明の電子写真用トナーは、懸濁重合法を採用して、モノビニル単量体の種類及び量、架橋性単量体の量、マクロモノマーの量、分子量調整剤の量、離型剤の種類及び量を制御することによって比較的容易に得ることができる。
本発明の電子写真用トナーは、外添剤を含有する。外添剤は一次粒子の個数平均粒径が5〜18nm、好ましくは7〜16nmのシリカ微粒子(A)からなる。好ましい外添剤は、一次粒子の個数平均粒径が20〜120nm、さらに好ましくは40〜80nmのシリカ微粒子(B)を含有するものである。着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませることによって、粒子の帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
シリカ微粒子(A)及びシリカ微粒子(B)は、一次粒子の個数平均粒径が上記範囲にあると、フィルミングやカスレの発生を抑制することができるので好ましい。
これらのシリカ微粒子(A)あるいはシリカ微粒子(B)は、疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理されたシリカ微粒子は一般にも市販されているが、その他シランカップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水化処理して得ることもできる。
疎水化処理の方法としては、この微粒子を高速で攪拌しながら、処理剤であるシリコーンオイル等を滴下又は噴霧する方法、処理剤を溶解して攪拌している有機溶媒中に微粒子を添加混合後、熱処理する方法等が挙げられる。前者の場合、処理剤は有機溶媒等で希釈しても構わない。
疎水化の程度はメタノール法で測定される疎水化度が20〜98%、好ましくは40〜95%、更に好ましくは60〜90%である。疎水化度が上記範囲にあると、高湿度下でのカブリが抑制され、感光体の研磨性が高いのでフィルミングの発生を抑制することができる。
シリカ微粒子(A)の添加量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1重量部である。添加量が上記範囲にあると流動性が制御され、カスレやカブリの発生を抑制することができる。
シリカ微粒子(B)の添加量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。添加量が上記範囲にあると感光体の研磨性が高いのでフィルミングの発生が抑制され、流動性が制御させるのでカスレの発生を抑制することができる。
着色樹脂粒子と外添剤は、ヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例では、以下の方法で評価した。
(1)体積平均粒径と粒径分布
着色樹脂粒子の体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。
(2)平均球形度
着色樹脂粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割って得られる値である平均球形度(Sc/Sr)は、粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:100個の条件で測定し、測定した100個についての平均値として算出した。
(3)軟化温度及び流動開始温度
トナー1〜1.3gをフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)に入れ、下記の測定条件で、軟化温度(Ts)と流動開始温度(Tfb)を測定した。
測定開始温度:35℃、昇温速度:3℃/分、予熱時間:5分、
シリンダー圧力:10kgf/cm、ダイス直径:0.5mm、
ダイス長さ1.0mm、剪断応力:2.451×10Pa
(4)ガラス転移温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製:SSC5200)を用いてASTMD3418−97に準じて、トナー約10mgを精秤し、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲:室温〜150℃の間で、昇温速度10℃/minの条件下で測定を行った。
(5)保存性
トナー約30gを秤量して、密閉可能な容器に入れて、密閉した後、該容器を温度60℃の恒温水槽の中に沈め、6時間経過した後に取り出して、42メッシュの篩上に容器内のトナーの凝集構造を破壊しないように移す。粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダテスタPT−R型」)で振動の強度を振幅1mmに設定して、30秒間振動した後、篩い上に残ったトナーの重量を測定し、凝集したトナーの重量とした。この凝集したトナーの重量と試料の重量とから、トナーの保存性(重量%)を算出した。この数値が小さい方が、保存性が高い。
(6)定着率
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(18枚機)の定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させて、それそれの温度で印字用紙に黒ベタ印字を行い、トナーの定着率を測定した。
定着率は、改造プリンターで印刷した印字用紙における黒ベタ領域について、テープ剥離操作前後の印字濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID前、テープ剥離後の画像濃度をID後として、定着率は、次式から算出した。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に前述した粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、500gのスチールローラで押圧して付着させ、次いで、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作を意味する。また、画像濃度は、マクベス式反射型画像濃度測定機を用いて測定した。
(7)耐久性
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(18枚機)の現像装置に評価するトナーを入れ、温度23℃、湿度50%の(N/N)環境下で、初期から5%濃度で連続印字を行い、500枚毎にベタ印字と白ベタ印字を行い、ベタ印字において、反射濃度計(マクベス社製)で測定した印字濃度が1.3以上で、かつ、白ベタ印字において、白色度計(日本電色社製)で測定した現像後の感光体上のカブリが5%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、トナーの耐久性を評価した。カブリは、現像後の感光体上のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)で剥ぎ取り、それを新しい印字用紙に貼り付けて白色度Bを測定し、一方粘着テープだけを貼り付けた印字用紙の白色度Aを測定し、カブリ(%)=(A−B)の計算式で算出した。表中に、15000<とあるのは、15000枚でも耐久性を維持できたことを示す。
(8)トナー漏れ
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(18枚機)の現像装置に評価するトナーを入れ、温度23℃、湿度50%の(N/N)環境下で、初期から5%濃度で連続印字を行い、1000枚毎にプリンター内にトナーが漏れていないかを目視にて確認し、現像装置からの漏れがプリンター内を汚染せずに連続印字できる枚数を調べた。表中に、15000<とあるのは、15000枚でもトナーカートリッジからのトナー漏れがないことを示す。
(実施例1)
スチレン90部に離型剤としてフィッシャートロプシュワックス(日本精蝋社製、商品名「FT−100」)10部を入れ、ビーズミルを用いて、平均粒径は2μmになるように湿式粉砕した。
スチレン63部、アクリル酸ブチル19部、ジビニルベンゼン1部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)3部、t−ドデシルメカプタン1.5部、前記湿式粉砕で得られた離型剤のスチレン溶液20部(スチレン18部と離型剤2部)、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25」)7部及び4級アンモニウム塩を有する単量体単位量が2%である正帯電制御樹脂0.7部を室温下、ビーズミルで分散させ、重合性単量体組成物を調製した。
一方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調整した。
得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物及び重合開始剤のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部を投入し、エバラマイルダー(荏原製作所製、型番「MDN303V」)を用いて高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を形成した。この重合性単量体組成物の液滴が形成された水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に移送し、昇温を開始し、90℃で温度が一定となるように制御した。重合転化率がほぼ100%に達した後、シェル用重合性単量体(メチルメタクリレート)0.7部を添加し、さらにその10分後に水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−086」=2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド)0.07部をイオン交換水7部に溶解させた水溶液を反応器に添加した。3時間重合を継続した後、冷却して反応を停止し、コアシェル型着色樹脂粒子の水分散液を得た。
このコアシェル型着色樹脂粒子の水分散液に、pH6になるまで硫酸を添加して着色樹脂粒子表面の水酸化マグネシウムを水に可溶化させて酸洗浄(25℃、10分間)して、遠心濾過により水を分離した。次いで、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離して、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が9.8μm、粒径分布(dv/dp)が1.17、平均球形度(Sc/Sr)が1.18のコアシェル型着色樹脂粒子を得た。得られた着色樹脂粒子100部に、一次粒子の個数平均粒径が40nm、疎水化度が70%のシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「NA50Y」)1.0部、一次粒子の個数平均粒径8nm、疎水化度が88%のシリカ微粒子(WACKER CHEMIE社製、商品名「HVK2150」)0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合し、トナーを得た。得られたトナーの評価結果を表1に示す。
(実施例2、比較例1〜3)
実施例1において、スチレン量、アクリル酸ブチル量、ジビニルベンゼン量、マクロモノマー量、離型剤の種類及び量、分子量調整剤量の各種成分を表1に示すように変更して重合性単量体組成物を調製した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの評価結果を表1に示す。
表1のトナーの評価結果から、以下のことがわかる。
本発明で規定する範囲より、Ts、Tfb及びその差(Tfb−Ts)が小さい比較例1のトナーは、保存性や耐久性が悪く、トナーカートリッジからのトナー漏れが発生しやすい。
本発明で規定する範囲より、Tfb、及びTsとTfbとの差(Tfb−Ts)が小さい比較例2のトナーは、耐久性が悪く、トナー漏れが発生しやすい。
本発明で規定する範囲より、Tfb、及びTsとTfbとの差(Tfb−Ts)が大きい比較例3のトナーは、定着性が悪い。
これに対して、本発明のトナーは、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性及び耐久性に優れ、真球状であっても、トナーカートリッジからのトナー漏れがないことが分かる。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤からなる着色樹脂粒子と、外添剤とを含有し、
    フローテスターにより測定される軟化温度Tsが60〜90℃、流動開始温度Tfbが130〜210℃、且つ前記軟化温度と流動開始温度との差(Tfb−Ts)が70〜130℃であり、
    示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度が50〜65℃である電子写真用トナー。
  2. 着色樹脂粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割って得られる平均球形度(Sc/Sr)が1〜1.3である請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 帯電制御剤が、ガラス転移温度が40〜80℃の帯電制御樹脂である請求項1または2記載の電子写真用トナー。
  4. 着色樹脂粒子がコアシェル構造である請求項1〜3記載の電子写真用トナー。
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