JP2005251982A - シリコン膜の形成方法、当該シリコン膜の形成方法を使用するデバイスの製造方法及び当該デバイスの製造方法を使用する電気光学機器の製造方法 - Google Patents

シリコン膜の形成方法、当該シリコン膜の形成方法を使用するデバイスの製造方法及び当該デバイスの製造方法を使用する電気光学機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れたフォトレジストを用い、微細なシリコン膜のパターニングを行うことができるシリコン膜の形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、前記レジストパターン及び塗布された前記液体シリコン材料に対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、を含む、シリコン膜の形成方法により解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコン膜の形成方法、当該シリコン膜の形成方法を用いた集積回路、薄膜トランジスタ、光電変換装置等のデバイスの製造方法及び当該デバイスの製造方法を用いたディスプレイ等の電気光学機器に関する。
集積回路や薄膜トランジスタ等に応用されるシリコン薄膜(アモルファスシリコン膜やポリシリコン膜)のパターニングは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の真空プロセスにより基板の全面にシリコン膜を形成した後、フォトリソグラフィーにより不要部分を除去するといったプロセスで行なわれるのが一般的である。しかし、この方法では、大掛かりな装置が必要である、原料の使用効率が悪い、原料が気体であるため扱いにくい、大量の廃棄物が発生する、等の問題を有していた。
また、近年ディスプレイが大画面化するに伴って、基板も1m四方をゆうに越える大きさになってきており、コスト面もさることながら、そのような巨大基板に均一にシリコン成膜を行う事が困難であるという技術的な課題も浮上するようになってきた。
このような従来方法に対して、近年、液体状のシラン化合物や高次シラン化合物又はその溶液等の液体シリコン材料を基板に塗布し、加熱又はUVの照射によってシリコン膜を形成する方法が提案されている(例えば、特開2003−115532号公報:特許文献1、特開2003−124486号公報:特許文献2、特開2003−133306号公報:特許文献3、特開2003−171556号公報:特許文献4等)。この方法によれば、原料が液体であるため扱い易く、大型の装置を必要としないため、低コストでシリコン膜を作製することができる。
また、特開2001−179167号公報には、溶液シリコン材料をインクジェットなどの手法により直接パターニングしてシリコン膜を作製することができるようになり、これによってフォトリソグラフィーによる工数、材料の無駄を省くことができる旨が開示されている(特許文献5)。
特開2003−115532号公報 特開2003−124486号公報 特開2003−133306号公報 特開2003−171556号公報 特開2001−179167号公報
上記の先行技術ではインクジェット法やその他の液滴パターニング方法を用いてシリコン膜を直接パターニングすることができるが、例えばインクジェット法の精度は数十ミクロン程度であり、ミクロンオーダー、サブミクロンオーダーの微細なシリコンパターンを形成することは困難である。
また、SAM膜(自己組織化単分子膜:self-assembled monolayer)を用いた撥液/親液パターンにより微細化を行うこともできるが、SAM膜は紫外線(以下「UV」と称する)光に対する感度が低いため、パターニングには非常に高い強度のランプが必要となり、コスト、時間的に不利である。また、得られるSAM膜のパターンもサブミクロンレベルで微細であるとは言いがたい。
また、液体シリコン材料の熱分解を起こさせるには300℃以上の温度で加熱する必要があるために、通常の耐熱温度が180℃程度であるフォトレジストは高温に耐えることができず、レジストパターンの形状が崩れたり、フォトレジストが熱分解してしまうため、上記液体シリコン材料を用いたシリコン成膜に用いる事には問題があった。
そこで、本発明は、耐熱性に優れたフォトレジストを用い、微細なシリコン膜のパターニングを行うことができるシリコン膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある条件下でフォトレジストを処理すると耐熱性が向上し、液体シリコン材料を熱分解する温度下においてもフォトレジストの変形又は分解が起こらない硬化フォトレジストが得られるという知見を得た。本発明はこの知見に基づくものであり、基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、前記レジストパターン及び塗布された前記液体シリコン材料に対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、を含む、シリコン膜の形成方法(以下「第1発明」ということがある)を提供するものである。
これにより、耐熱性に優れたレジストパターンを形成することができ、液体シリコン材料を熱分解する温度においてもそのレジストパターンが変化することがないため、フォトリソグラフィーの精度(サブミクロンレベル)にまで微細なシリコン膜のパターニングを行うことができる。なお、上記の方法で得られたレジストパターンは、アセトン洗浄やアッシング等の通常のレジスト剥離処理によって容易に除去することができる。
本発明の好ましい実施形態は以下のとおりである。前記光処理により、前記液体シリコン材料の光重合を行うことが好ましい。前記第1熱処理により、前記液体シリコン材料の溶媒を除去することが好ましい。前記光処理及び第1熱処理は、圧力が10-9〜100Torr、該光処理の光の波長が170〜600nm及び該第1熱処理の温度が20〜150℃を含む条件下で行われることが好ましい。前記第2熱処理は、300〜450℃で行われることが好ましい。前記光処理に用いられる光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、エキシマランプ、エキシマレーザのいずれかから選択されることが好ましい。前記液体シリコン材料が、シラン化合物及び/又は高次シランを含むことが好ましい。前記液体シリコン材料の塗布は、液滴吐出法により行われることが好ましい。
また、本発明は、基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、前記レジストパターンに対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、を含むシリコン膜の形成方法(以下「第2発明」ということがある)を提供するものである。
また、本発明は、上記のシリコン膜の形成方法を使用するデバイスの製造方法(以下「第3発明」ということがある)を提供するものである。更に、当該デバイスの製造方法を使用する電気光学機器の製造法(以下「第4発明」ということがある)を提供するものである。上記のシリコン膜の形成方法を使用することにより低コストな液体シリコン材料を用いてサブミクロンレベルにまで微細なシリコン膜のパターニングを行うことができるため、コスト、性能ともに優れたデバイス並びに電気光学機器を製造することができる。
本発明によれば、液体シリコン材料を熱分解させる温度(例えば300〜450℃)においてもフォトレジストが変形又は分解することなく、レジストパターンが維持されるため、サブミクロンレベルにまで微細なシリコン膜のパターニングを行うことができる。
以下、本発明に係るシリコン膜の形成方法等を、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
[第1発明]
本発明は、既述のとおり、基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、前記レジストパターン及び塗布された前記液体シリコン材料に対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。
先ず、基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程について説明する。フォトレジストは、感光剤、樹脂、溶剤を含む一般的な感光性樹脂を用いることができ、可視光線やUVの光源用のノボラック型、エキシマレーザ光源用の化学増幅型のいずれのタイプも使用することができる。また、光が照射された部分が残るネガ型、光が照射された部分が除去されるポジ型のいずれでもよい。
本発明において「基体」とは、特に限定されないが、通常の石英、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスの他、ITOなどの透明電極、金、銀、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステンなどの金属基板、さらにこれらの金属を表面に有するガラス、プラスチック基板などのほか、これらの基板の表面上に形成されたシリコン膜や金属膜等も含まれる。
レジストパターンは、通常用いられるフォトリソグラフィ技術により形成することができる。即ち、塗布対象物にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを通しUVやエキシマレーザ光を照射してマスクパターンを当該フォトレジストに転写し、現像を行って、凹部を有する所望のレジストパターンを形成することができる。
次に、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程について説明する。液体シリコン材料の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、液滴吐出法等の方法を用いることにより行うことができる。塗布は一般には室温以上の温度で行われる。室温以下の温度では高次シラン化合物の溶解性が低下し一部析出する場合がある。本発明に使用されるシラン化合物、高次シラン化合物は水、酸素と反応して変性してしまうので、一連の工程は水や酸素が存在しない状態であることが好ましい。よって、一連の工程中の雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス中で行なうことが好ましい。さらに必要に応じて水素などの還元性ガスを混入したものが好ましい。また、溶媒や添加物も水や酸素を取り除いたものを用いることが望ましい。
尚、本発明において、液滴吐出法とは、液滴を所望の領域に吐出することにより、被吐出物を含む所望パターンを形成する方法であり、インクジェット法と呼ぶこともある。但し、この場合、吐出する液滴は、印刷物に用いられる所謂インクではなく、デバイスを構成する材料物質を含む液状体であり、この材料物質は、例えばデバイスを構成する導電物質又は絶縁物質として機能し得る物質を含むものである。さらに、液滴吐出とは、吐出時に噴霧されるものに限らず、液状体の1滴1滴が連続するように吐出される場合も含む。
また、スピンコート法を用いる場合のスピナーの回転数は、形成する膜の厚み、塗布溶液組成により決まるが、一般には100〜5000rpm、好ましくは300〜3000rpmが用いられる。
次に、前記レジストパターン及び塗布された前記液体シリコン材料に対して、光処理及び第1熱処理を行う工程について説明する。前記光処理及び第1熱処理は、所定の圧力・波長・温度で行われることが好ましい。
圧力条件は水分を除去するために、10-9〜100Torrの減圧条件下で行うことが好ましい。真空度を高めることにより水分の除去も促進し、その結果フォトレジストの耐熱性も向上するため、真空度の高い方がより好ましい。例えば、0.1〜2Torrの圧力条件下でフォトレジストを硬化処理した場合、約400℃の温度に耐えることができるようになる。なお、フォトレジストの水分の除去が不完全である場合、光処理によりポリマー化する前にフォトレジストが分解するため留意する必要がある。
光処理は、波長170〜600nmの光源で行うことが好ましく、短波長成分が多いほど高分子化を効率よく行えるため、170〜436nmの波長を選択することがより好ましい。
光処理を行う場合に使用する光の光源としては、低圧水銀灯あるいは低圧水銀灯、エキシマランプ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーの他、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられるが、高圧水銀灯、低圧水銀灯、エキシマランプ、エキシマレーザが好ましい。
これらの光源は、一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。また、エネルギー密度は短時間で効率的にレジストが硬化できる観点から10〜4000mW/cm2に設定することが好ましく、100〜1000mW/cm2に設定することがより好ましい。
第1熱処理は、20〜150℃で行う。温度が低すぎる場合は、ポリマー化反応が起こりにくくなり、高すぎる場合はフォトレジストが硬化する前にレジストパターンの形状が崩れる可能性があるため、100〜140℃で加熱することが好ましい。
硬化処理を行う時間は、先述した圧力、光処理の波長、加熱温度に応じて適宜設定される。
通常のフォトレジストは200度以下の温度で軟化が始まり、パターンが崩れてしまう。これに対して上記の方法で硬化されたレジストパターンは、およそ450℃程度の温度まで形状の変化や分解を起こすことなく、優れた耐熱性を示す。そのため、液体シリコン材料を熱分解する温度(例えば300〜450℃)においてもそのレジストパターンが変化することがない。なお、その後の工程でレジストを剥離除去する必要がある場合でも、アセトン洗浄やアッシング等の通常のレジスト剥離処理によって容易に除去することができる。
また、溶媒を含む液体シリコン材料を塗布したフォトレジストを上記のように硬化処理することにより、フォトレジストに対して行う耐熱性向上のための硬化処理と、塗布した液体シリコン材料の光重合処理および溶媒除去を略同時に行う事もできる。従って、工程数を減少させることができる。
なお、「溶媒を除去する」とは、液体シリコン材料の塗膜中の溶媒を蒸発及び/又は分解することにより、塗膜中の溶媒残存率を低下させることをいう。従って、溶媒を除去した後の膜は、塗膜中の溶媒が蒸発及び/又は分解され、塗膜中の溶媒残存率が低下した状態の膜であって、アモルファス状あるいは多結晶状となる前の状態の膜をいう。
次に、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程について説明する。第2熱処理は、溶媒が除去された前記液体シリコン材料を300〜450℃で行うことができる。上記のように、フォトレジストは硬化処理が施され耐熱性が向上しているため、溶媒が除去された液体シリコン材料を熱分解する温度に晒されても形成されたレジストパターンをそのまま維持することができる。また、上記のフォトレジストの硬化処理及び液体シリコン材料の光重合処理・溶媒除去を行う工程と、液体シリコン材料の熱分解処理を行う工程を連続して行うことができるため、工程が簡略化し、より短時間でシリコン膜を形成することができる。
なお、本発明において、「液体シリコン材料」とは、分子中にケイ素を含有する物質を少なくとも含み、常温で液体である材料をいう。液体シリコン材料としては、シラン化合物、高次シラン又はその溶液を使用することが好ましい。更に、シラン化合物、高次シラン又はその溶液にドーパントを添加したものを用いることもできる。
ここで、「ドーパント」とは、液体シリコン材料中に含まれ、上述のマイクロ波照射による活性化によってn型またはp型のドープシリコンを形成し得るリン、ホウ素又は砒素等の周期表第3B族元素又は周期表の第5B族元素を含む化合物、具体的にはホウ素、黄燐、デカボランや特開2000−31066号公報に挙げられているような物質が例示される。
上記シラン化合物としては、例えば、一般式Sinm(ここで、nは3以上の、またmは4以上のそれぞれ独立な整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表されるシラン化合物等が挙げられる。
また、この液体シリコン材料としては、上記シラン化合物にUVを照射することにより光重合してなる高次シランを含有する組成物であるか、又は上記シラン化合物の溶液に、UVを照射することにより光重合してなる高次シランを含有する組成物を用いる事もできる。
かかる高次シランは、光重合性を有するシラン化合物の溶液にUVが照射されて該シラン化合物が光重合することにより形成されたもので、その分子量が従来のシリコン作製方法で用いられているシラン化合物(例えば、Si614であれば分子量は182)に比しても比較にならない程大きなもの(1800程度までの分子量のものが確認されている)である。このような巨大な分子量を持つ高次シランはその沸点が分解点よりも高く、蒸発してなくなる前に膜を形成することができるため、従来のシリコン膜作製法よりも効果的にシリコン膜の形成を行うことができる。なお、実際にこのような高次シランを加熱すると、沸点に達する以前に分解してしまうため、分解点より高い沸点は実験的に決めることはできない。しかし、ここでは蒸気圧の温度依存性や、理論計算によって求めた理論値としての常圧での沸点を意味している。
また、このような高次シランを含有した液体シリコン材料を用いれば、この高次シランの沸点が分解点より高いという性質から、従来のように蒸発してしまう前に急いで高温で加熱するといった必要がない。つまり、昇温速度を穏やかにしたり、減圧しながら比較的低温で加熱するといったプロセスが可能となる。このことは、シリコン膜を形成する場合のシリコン同士の結合スピードを制御できるだけでなく、シリコン膜を形成するほど高温ではないが溶媒の沸点よりは高い温度を維持するといった方法によって、液体シリコン材料の塗膜からシリコン膜の特性劣化の原因となる溶媒を従来の方法よりも効率良く減らすことが可能となることを意味する。
光重合して形成する高次シランとしては、前述したようにその沸点がその分解点よりも高いことが好ましい。このような沸点が分解点よりも高い高次シランは、前駆体であるシラン化合物として後述の好ましいシラン化合物を選定したり、照射するUVとして後述の好ましい波長のUV、および照射時間、照射方法、照射エネルギー、および用いる溶媒およびUV照射後の精製方法を選定すること等により、容易に得ることができる。
また、この高次シランについては、その分子量分布を、UVの照射時間や照射量、照射方法によってコントロールすることができる。さらに、この高次シランは、シラン化合物へのUV照射後に、一般的な重合体の精製法であるGPCなどを用いて分離精製することで、任意の分子量の高次シラン化合物を取り出すことができる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での溶解度の差を利用して精製を行うこともできる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での、常圧または減圧下での沸点の差を利用して分留による精製を行うこともできる。このようにして、液体材料中の高次シランの分子量のコントロールを行うことで、より特性バラツキが抑えられた良質のシリコン層を得ることができるようになる。
高次シランは、その分子量が大きくなればなるほど沸点が高くなり、また溶媒に対する溶解度も減少していく。このため、UVの照射条件によっては光重合後の高次シランが溶媒に溶解しきれずに析出することがあるので、その場合にはマイクロフィルターなどを用いたろ過などによって不溶成分を除去し、高次シランを精製することができる。
UVの照射時間は、所望の分子量分布の高次シランが得られる点で、0.1秒〜120分、特に1〜30分であるのが好ましい。
また、このような高次シランの前駆体であるシラン化合物を含有する前記液体材料については、その粘度および表面張力を、形成する高次シランの分子量分布に関する前記調整方法とともに溶媒を調整することにより、容易にコントロールすることができる。これは、液状体からシリコン層を形成する場合、その最大のメリットとしてインクジェット法を用いたパターニング法が採用できる点が挙げられるが、この液滴吐出法によるパターニングにおいて、前述したように粘度および表面張力が溶媒によって容易にコントロール可能であることが、非常に有利な点として作用する。
前記高次シランの前駆体となるシラン化合物としては、UVの照射により重合し得るという光重合性を有する限り特に制限されず、例えば、前述した一般式Sinm(ここで、nは3以上の、またmは4以上のそれぞれ独立な整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表されるシラン化合物等が挙げられる。
このようなシラン化合物としては、一般式Sin2n(式中、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子を示す。)で表される環状のシラン化合物や、一般式Sin2n-2(式中、nは4以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子を示す。)で表される環状構造を2個以上有するシラン化合物の他、分子内に少なくとも一つの環状構造を有する水素化珪素及びそのハロゲン置換体等、本発明に係るマイクロ波照射による重合プロセスを適用し得るシラン化合物の全てが挙げられる。
具体的には、1個の環状構造を有するものとして、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等が挙げられ、2個の環状構造を有するものとして、1,1’−ビシクロブタシラン、1,1’−ビシクロペンタシラン、1,1’−ビシクロヘキサシラン、1,1’−ビシクロヘプタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2.2]ペンタシラン、スピロ[3.3]ヘプタタシラン、スピロ[4.4]ノナシラン、スピロ[4.5]デカシラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.5]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ウンデカシラン、スピロ[6.6]トリデカシラン等が挙げられ、その他にこれらの骨格の水素原子を部分的にSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。これらは2種以上を混合して使用することもできる。
これら化合物のうち、分子内の最低一箇所に環状構造を有するシラン化合物は光に対する反応性が極度に高く、光重合が効率よく行えるという点から、これを原料として用いるのが好ましい。その中でも、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等のSin2n(式中、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子を示す。)で表されるシラン化合物は、以上の理由に加えて合成、精製が容易である利点を有するため特に好ましい。
本発明に使用される液体シリコン材料に用いられる溶媒としては、シラン化合物を溶解し、シラン化合物が光重合されたことにより形成された高次シランを溶解し、かつ該シラン化合物又は高次シランと反応しないものが好ましい。この溶媒は、通常、室温での蒸気圧が1×10-3〜2×102Torrのものが用いられる。蒸気圧が2×102Torrより高いものでは、コーティングで塗膜を形成する場合に溶媒が先に蒸発してしまい、良好な塗膜を形成することが困難になるからである。一方、蒸気圧が1×10-3Torrより低いものでは、同様にコーティングで塗膜を形成する場合に乾燥が遅くなり、塗膜中に溶媒が残留し易くなって、良質のシリコン膜が得られ難くなるからである。
また、前記溶媒としては、その常圧での沸点が室温以上であり、シラン化合物又は高次シランの分解点である250℃〜300℃よりも低いものを用いることが好ましい。シラン化合物又は高次シランの分解点よりも低い溶媒を用いることにより、塗布後、加熱によってシラン化合物又は高次シランを分解することなく溶媒のみを選択的に除去することができるため、塗膜に溶媒が残留するのを防止することができ、より良質の膜を得ることができるからである。
液体シリコン材料に使用される溶媒は、例えば、シラン化合物を含む場合はシラン化合物の溶液中の溶媒であり、高次シランを含む溶液の場合はUV照射前では前駆体としてのシラン化合物の溶液中の溶媒であり、UV照射後は高次シラン溶液中の溶媒となるものをいう。その具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒の他、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。
溶媒中の溶質濃度としては、通常1〜80重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度であり、所望のシリコン膜厚に応じて調整することができる。80重量%を超えると、高次シランが析出しやすくなり、均一な塗膜を得るのが困難になる。
また、この液体シリコン材料は、その粘度が通常1〜100mPa・sの範囲に調整可能となるが、塗布装置や目的の塗膜厚に応じて、その粘度を適宜選択することができる。粘度が1mPa・sより小さくなるとコーティングが困難になり、100mPa・sを超えると均一な塗膜を得ることが困難になる。
なお、前記液体シリコン材料には、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加することができる。このノニオン系表面張力調節材は、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。
[第2発明]
本発明は、既述のとおり、基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、前記レジストパターンに対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。従って本発明はレジストパターンを形成しフォトレジストの硬化処理(光処理及び第1熱処理)を行った後、液体シリコン材料を塗布し第2熱処理を行う点が第1発明と異なる。
なお、第2発明のシリコン膜の形成方法に関しては、第1発明と異なる部分以外は、前記第1発明と同様である。したがって、本発明に関しては、特に詳述しない事項については、前述した第1発明について説明した事項が適宜適用される。
[第3発明及び第4発明]
また、本発明は、上記のシリコン膜の形成方法を使用するデバイスの製造方法を提供するものである。更に、当該デバイスの製造方法を使用する電気光学機器の製造方法を提供するものである。上記のシリコン膜の形成方法を使用することによりサブミクロンレベルにまで微細なシリコン膜のパターニングを行うことができるため、高品質のデバイスを得ることができる。本発明のシリコン膜の形成方法によって得られるシリコン膜は、集積回路、薄膜トランジスタ、光電変換装置、及び感光体等の電気光学機器に応用することができる。
図1に、本発明の実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いたトランジスタの製造工程の一例を示す。
ガラス基板10の表面上にHMDS(Hexamethyl disilazane)処理を行ない(図1(a)参照)、そのガラス基板10にフォトレジスト12を2000rpmでスピンコート成膜した(図1(b)参照)。
次いで、50℃で10分間、熱処理を行いフォトレジスト12の溶媒を除去した後に、フォトマスクを用いてパターン露光及び現像を行い、フォトレジスト12のパターニングを行った(図1(c)参照)。
シクロヘキサシランをトルエンに溶解させた溶液を調製し、この溶液に対して50mW/cm2の高圧水銀灯のUV光を10分照射し、その液体1mlをデカン10mlに溶解させた溶液(溶液A)を液体シリコン材料として調製した。この溶液Aを、パターニングによって形成された凹部に、インクジェット法によって塗布し、溶液Aの塗膜14を形成した(図1(d)参照)。なお、この溶液Aの塗布は、インクジェット法だけでなく、スピンコート法、ディップコート法、ミストデポジション法のいずれにおいても行うことが可能であった。
このガラス基板10を図示しない真空チャンバーに入れ、1Torrの減圧下において、エネルギー密度10mW/cm2、波長308nmのエキシマランプ光を照射すると同時に、130℃で2時間加熱を行った。これにより、溶液Aの塗膜14中の溶媒であるトルエン(T)を除去すると同時に、耐熱性が付与されたフォトレジスト13を形成するための硬化処理を同時に行った(図1(e)参照)。
引き続き、このガラス基板10を400℃で1時間加熱し、トルエンが除去された溶液Aの塗膜14を熱分解し、アモルファスシリコン膜15を形成した(図1(f)参照)。
次に、フォトレジスト13の剥離を行うことにより、微細にパターニングされたアモルファスシリコン膜15を簡易なプロセスでガラス基板10上に成膜する事ができた(図1(g)参照)。
こうしてパターニングされたシリコン膜(アモルファスシリコン膜15)は、従来の薄膜トランジスタ製造にそのまま適用できるものであり、一般的に用いられているレーザー照射による再結晶でポリシリコン膜16を形成し、次いで、ゲート絶縁膜18の成膜、ゲート電極20の形成、ポリシリコン膜16へのイオン打ち込み(n+)、層間絶縁膜22の形成、コンタクトホール24の形成、ソース電極26及びドレイン電極28の形成を順次行い、ポリシリコン薄膜トランジスタ1を作製した。
こうして作製したトランジスタ1の特性を評価したところ、移動度は80cm2/Vsであった。従って、本発明を適用することにより、従来法より簡便かつ安価なプロセスで、性能の劣る事のないトランジスタ1を作製できることが判明した。
このように、フォトレジストの硬化処理と液体シリコン材料(溶液A)の溶媒除去を略同時に行うことにより、工程の簡略化を図ることができる。
図2に、本発明の他の実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いたトランジスタの製造工程の一例を示す。
図2(a)〜(c)に示すように、HMDS処理を行ったガラス基板10にフォトレジストを塗布し、露光、現像によりフォトレジスト12のパターニングを行うまでは実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、ガラス基板10を図示しない真空チャンバーに入れ、1Torrの減圧下において、エネルギー密度10mW/cm2、波長308nmのエキシマランプ光を照射すると同時に130℃で2時間加熱を行うことにより、耐熱性が付与されたフォトレジスト13を得た(図2(d)参照)。
次に、ヘキサシラン1mlをキシレン10mlに溶解させた溶液(溶液B)を液体シリコン材料として調製し、フォトレジスト13のパターニングによって形成された凹部に、溶液Bをインクジェット法によって塗布し、溶液Bの塗膜17を形成した(図2(e)参照)。
次に、この基板10を400℃で1時間加熱し、キシレン(X)を除去するとともに、溶液Bの塗膜17を熱分解し、アモルファスシリコン膜19を形成した(図2(f)参照)。
引き続き、実施例1と同様の要領で種々の膜を形成し、薄膜トランジスタ2を作製した(図2(h)参照)。この薄膜トランジスタ2の特性を評価したところ、移動度は90cm2/Vsであった。
このように、フォトレジストが液体シリコン材料(溶液B)の溶媒(この場合はキシレン)に溶解しやすい場合は、本実施例のようにフォトレジストの硬化処理を先に行うことでフォトレジストの溶解を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いたトランジスタの製造工程の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るシリコン膜の形成方法を用いたトランジスタの製造工程の一例を示す図である。
符号の説明
1:ポリシリコン薄膜トランジスタ、10:ガラス基板、12:フォトレジスト、13耐熱性が付与されたフォトレジスト、14:溶液Aの塗膜、15、19:アモルファスシリコン膜、16:ポリシリコン膜、17:溶液Bの塗膜、18:ゲート絶縁膜、20:ゲート電極、22:層間絶縁膜、24:コンタクトホール、26:ソース電極、28:ドレイン電極

Claims (11)

  1. 基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、
    前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、
    前記レジストパターン及び塗布された前記液体シリコン材料に対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、
    前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、
    を含む、シリコン膜の形成方法。
  2. 基体上にレジストパターンを形成し、凹部を形成する工程と、
    前記レジストパターンに対して、光処理及び第1熱処理を行う工程と、
    前記凹部に液体シリコン材料を塗布する工程と、
    前記液体シリコン材料に対して、第2熱処理を行う工程と、
    を含むシリコン膜の形成方法。
  3. 前記光処理により、前記液体シリコン材料の光重合を行う、請求項1記載のシリコン膜の形成方法。
  4. 前記第1熱処理により、前記液体シリコン材料の溶媒を除去する、請求項1又は3記載のシリコン膜の形成方法。
  5. 前記光処理及び第1熱処理は、圧力が10-9〜100Torr、該光処理の光の波長が170〜600nm及び該第1熱処理の温度が20〜150℃を含む条件下で行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコン膜の形成方法。
  6. 前記第2熱処理は、300〜450℃で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコン膜の形成方法。
  7. 前記光処理に用いられる光源は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、エキシマランプ、エキシマレーザのいずれかから選択される請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコン膜の形成方法。
  8. 前記液体シリコン材料が、シラン化合物及び/又は高次シランを含む、請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコン膜の形成方法。
  9. 前記液体シリコン材料の塗布は、液滴吐出法により行われる、請求項1〜8のいずれか1項記載のシリコン膜の形成方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のシリコン膜の形成方法を使用するデバイスの製造方法。
  11. 請求項10記載のデバイスの製造方法を使用する電気光学機器の製造方法。
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KR101272175B1 (ko) * 2006-06-20 2013-06-07 엘지디스플레이 주식회사 다결정 실리콘막의 제조방법
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