JP2005282992A - 空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置 - Google Patents

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智康 大崎
Tatsuhide Kawahara
辰英 川原
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宗一郎 藤田
Yasuhiro Akita
靖浩 秋田
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Abstract

【課題】 車内空間に水中の不純物が飛散することがなく、かつ特別な熱源を必要とすることのない加湿器を具備した空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置を提供する。
【解決手段】 車両用の空気調和ユニット2であって、水を溜めるタンク31と、該タンク31から供給される水を気化する複数本の透湿性チューブ35を有する透湿モジュール33とを備えた加湿器30が具備され、前記透湿モジュール33が前記ダクト11内に収められていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置に関するものである。
従来の空気調和ユニットとしては、特に冬季における車内相対湿度を向上させるため、超音波式(水噴霧式)の加湿器や蒸気式の加湿器を具備した、いわゆるHVAC(Heating, Ventilating and Air Conditioning)モジュールが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平5−310037号公報(図1)
しかしながら、加湿器として超音波式のものが採用されている場合には、水中の不純物(たとえば、雑菌・硬度成分・シリカ成分など)が水と一緒に空気中に放出されるため、車内空間に雑菌が拡散したり、車内に白い粉などが発生してしまうといった問題点があった。
また、加湿器として蒸気式のものが採用されている場合には、水を沸騰させるための熱源が必要となり、装置が大型化するとともに、コストが高騰し、また、沸騰した水によって乗員が火傷をしてしまうおそれがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、車内空間に水中の不純物が飛散することがなく、かつ特別な熱源を必要とすることのない加湿器を具備した空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の空気調和ユニットは、外気または内気を取り入れるための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェイス吹出口、およびフット吹出口を備えた空気吹出口と、前記空気取入口および前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を冷却するエバポレータと、前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を加熱するヒータコアとを備える空気調和ユニットであって、水を溜めるタンクと、該タンクから供給される水を気化する複数本の透湿性チューブを有する透湿モジュールとを備えた加湿器が具備され、前記透湿モジュールが前記ダクト内に収められていることを特徴とする。
このような空気調和ユニットによれば、ダクト内を通過する空気が、透湿性チューブ近傍を通過することにより加湿されて、加湿された空気が空気吹出口を通して車内空間に広がっていき、これにより車内空間が適度な湿度に保たれることとなり、快適な車内温熱環境が作り出されるとともに、ウィルスの活動が抑制されることとなる。
また、ダクト内を通過する空気が透湿性チューブから受け取る水蒸気の大きさは、ナノクラスのものであるので、車内空間に吹き出されても凝縮し難く、ガラス面の曇りが抑制される。
さらに、透湿性チューブが分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散が防止されるとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止される。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュールの掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減される。
さらにまた、加湿器の一部である透湿モジュールがダクト内に配置されることとなるので、加湿器の設置スペースが少なくて済む。
請求項2に記載の空気調和ユニットは、外気または内気を取り入れるための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェイス吹出口、およびフット吹出口を備えた空気吹出口と、前記空気取入口および前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を冷却するエバポレータと、前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を加熱するヒータコアとを備える、車両の前部座席よりも前方に配置される空気調和ユニットであって、前記エバポレータが、前記送風機の下方後方に配置されているとともに、前記ヒータコアが、前記送風機の下方前方に配置されており、かつ、水を溜めるタンクと、該タンクから供給される水を気化する複数本の透湿性チューブを有する透湿モジュールとを備えた加湿器が具備され、前記透湿モジュールが前記ダクト内に収められていることを特徴とする。
このような空気調和ユニットによれば、ダクト内を通過する空気が、透湿性チューブ近傍を通過することにより加湿されて、加湿された空気が空気吹出口を通して車内空間に広がっていき、これにより車内空間が適度な湿度に保たれることとなり、快適な車内温熱環境が作り出されるとともに、ウィルスの活動が抑制されることとなる。
また、ダクト内を通過する空気が透湿性チューブから受け取る水蒸気の大きさは、ナノクラスのものであるので、車内空間に吹き出されても凝縮し難く、ガラス面の曇りが抑制される。
さらに、透湿性チューブが分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散が防止されるとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止される。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュールの掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減される。
さらにまた、加湿器の一部である透湿モジュールがダクト内に配置されることとなるので、加湿器の設置スペースが少なくて済む。
請求項3に記載の空気調和ユニットは、前記透湿モジュールが、前記ヒータコアよりも該ヒータコアを流れる空気の下流側に配置されていることを特徴とする。
このような空気調和ユニットによれば、ヒータコアにより温められた絶対湿度の小さい空気が、透湿チューブ近傍を通過することにより透湿チューブからより多くの水蒸気を受け取った後、空気吹出口を介して車内空間に吹き出されるようになっている。
請求項4に記載の空気調和ユニットは、前記透湿モジュールが、前記ダクトのうち、前記フット吹出口から吹き出される空気が通過するフット通路内に収められていることを特徴とする。
このような空気調和ユニットによれば、加湿された空気が、ガラス面から最も遠い位置に設けられたフット吹出口から吹き出されるようになっているので、ガラス面の曇りがさらに抑制されることとなる。
請求項5に記載の空気調和ユニットは、前記フェイス吹出口に、前部座席の前方に位置するインスツルメントパネルの中央上部に設けられたセンターフェイス吹出口に前記フェイス吹出口から吹き出された空気を導くセンターフェイスダクトが取り付けられており、前記透湿モジュールが前記センターフェイスダクト内に収められていることを特徴とする。
このような空気調和ユニットによれば、加湿された空気が、センターフェイスダクトを介して、前部座席の前方に位置するインスツルメントパネルの中央上部に設けられたセンターFACE吹出口に導かれた後、前部座席に座っている乗員の、肌が露出している部分(顔や手指など)に向けて吹き出されるようになっており、前部座席に座っている乗員の、肌が露出している部分(顔や手指など)を狙って局所的な加湿が行われるとともに、サイドのガラスから離れた位置から加湿が行われるため、サイドのガラスの曇りをさらに抑制されることとなる。
請求項6に記載の車両用空気調和装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和ユニットと、ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサと、高圧のガス冷媒を外気と熱交換して凝縮させるコンデンサと、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁とを具備し、前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、前記空気調和ユニット、冷媒系および加熱源系の作動制御を行う制御部とを備えてなることを特徴とする。
このような車両用空気調和装置によれば、車内空間に水中の不純物が飛散することがなく、かつ特別な熱源を必要とすることのない加湿器を備えた空気調和ユニットが具備されている。
本発明による空気調和ユニットによれば、ダクト内を通過する空気が、透湿性チューブ近傍を通過することにより加湿されて、加湿された空気が空気吹出口を通して車内空間に広がっていくようになっているので、車内空間を適度な湿度に保つことができて、快適な車内温熱環境を作り出すことができるとともに、ウィルスの活動が抑制することができる。
また、ダクト内を通過する空気が透湿性チューブから受け取る水蒸気の大きさが、ナノクラスのものであるので、車内空間に吹き出されても凝縮し難く、ガラス面の曇りが抑制されることとなる。
さらに、透湿性チューブが分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止することができるとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下を防止することができる。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュールの掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストを削減することができる。
さらにまた、加湿器の一部である透湿モジュールがダクト内に配置されることとなるので、加湿器の設置スペースを減少させることができる。
以下、本発明による空気調和ユニットの第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図11は、本発明による空気調和ユニットを具備した車両用空気調和装置1の概略の構成を示すブロック図であり、この車両用空気調和装置1は、大きくは冷暖房などの空気調和を行う空気調和ユニット2と、冷房運転時に空気調和ユニット2へ冷媒を供給する冷媒系3と、暖房運転時に空気調和ユニット2へ熱源となるエンジン冷却水を供給する加熱源系4と、装置全体の作動制御を行う制御部5とにより構成されている。
図1は加湿器30を具備した空気調和ユニット2の左側面図であって、空気調和ユニット2内のダクトおよび各ダンパの様子がわかるように示した一部側断面図である。また、図2は空気調和ユニット2を左上後方から見た全体斜視図である。
図1に示すように、この空気調和ユニット2は、本体カバー10と、送風機12と、エバポレータ13と、ヒータコア14とを主たる要素として構成された、いわゆるHVAC(Heating, Ventilating and Air Conditioning)モジュールである。
本体カバー10は、本体左側カバー10aと、本体右側カバー10bとからなり、これら本体左側カバー10a、および本体右側カバー10bは、これらが組み立てられることにより空気調和ユニット2の外観を形成するとともに、送風機12、エバポレータ13、ヒータコア14、および後述するダンパなどを内部に収容するものである。
本体左側カバー10aの前方(すなわち、エンジンルーム側)中央部には、ヒータコア14に接続された熱水配管14aを通すための開口部10dが形成されている。また、本体左側カバー10aの上方中央部外側には、後述する駆動部(たとえば、電気モータ)12bが取り付けられているとともに、この駆動部12bの後方(すなわち、車室側)にはレジスタ(駆動部12の回転数制御のための抵抗)12cが取り付けられている。
本体右側カバー10bの上方中央部、すなわち、本体左側カバー10aに取り付けられている駆動部12bと対向する位置には、外気を取り入れるための外気取入口(空気取入口)および内気を取り入れるための内気取入口(空気取入口)10eが形成されている。
本体カバー10の下方前部には、エバポレータ13に接続された冷媒配管13aを通すための開口部(図示せず)が設けられているとともに、本体カバー10の下方後部には、エバポレータ13に付着した露をケースの外側に排出するためのドレン孔(図示せず)が設けられている。
また、本体カバー10の下方両側中央部にはそれぞれ、下方(すなわち、前部座席に着席した乗員の足下(つま先))に向けて空気を吹き出させるためのフット吹出口(以下、「FOOT吹出口」という)17が設けられている。
本体左側カバー10aと本体右側カバー10bとが組み合わされると、図1に示すようなダクト11が形成されるようになる。このダクト11は、前述した外気取入口(空気取入口)および内気取入口(空気取入口)10eと、これら取入口から取り入れられた空気を車両のフロントガラスなどに向けて吹き出させるデフロスト吹出口(以下、「DEF吹出口」という)15、乗員の顔、手、胸といった部位に向けて吹き出させるフェイス吹出口(以下、「FACE吹出口」という)16、および乗員の足下に向けて吹き出させるFOOT吹出口17(図2参照)とを連通するものである。
送風機12は、たとえばシロッコファンとされており、主にファン12aと、駆動部12b(図2参照)とを有するものである。この送風機12は、駆動部12bからの回転力によりファン12aが回転され、(図1において紙面の奥側に位置する)外気取入口または内気取入口10eから取り入れられた空気を、DEF吹出口15、FACE吹出口16、FOOT吹出口17のうち少なくともいずれか1つから吹き出させるものである。
ここで、本実施形態では、送風機12がエバポレータ13およびヒータコア14の上方に配置されたもの(いわゆる、「縦型」と呼ばれるもの)を示しているが、本発明はこれに限られるものではなく、送風機12がエバポレータ13の側方(車幅方向)に配置され、ダクト等を通じてエバポレータ13に送風するもの(いわゆる、「横型」と呼ばれるもの)であってもよい。
エバポレータ13は、前述したファン12aから吹き出された空気を冷却するためのものであり、送風機12の後方下側に配置されている。また、冷媒配管13aは、エバポレータ13の両側方から前方に延びるとともに、空気調和ユニット2の幅方向において中央部で曲げて束ねられ、さらに前方に延在するように曲げられている。
また、このエバポレータ13の下流側に位置するヒータコア14は、前述したファン12aから吹き出された空気を加熱するためのものであり、送風機12の前方下側でかつエバポレータ13の前方に配置されている。
ヒータコア14の上流側(すなわち、エバポレータ13の側)には開度調整可能なエアミックスダンパ14bが設けられている。このエアミックスダンパ14bは、暖房モードの時には図1の二点鎖線で示すように全開状態にされることにより送風機12のファン12aから吹き出された空気がすべてヒータコア14を通過するようにするとともに、冷房モードの時には図1の実線で示すように全閉状態にされることにより送風機12のファン12aから吹き出された空気がすべてヒータコア14をバイパスするようにするものである。
また、このエアミックスダンパ14bは、全開位置と全閉位置との間の中間位置でも使用可能である。すなわち、このエアミックスダンパ14bの開度を調整することにより、ヒータコア14をバイパスした空気とヒータコア14を通過した空気との混合比を変化させて種々の空気温度を得るようにしている。
DEF吹出口15およびFACE吹出口16の入口側(すなわち、送風機12の前方側)には、これら吹出口15,16に共通のダンパ18が設けられている。このダンパ18は、FACE吹出口16またはFOOT/DEF通路に空気を流すか否かを制御するものである。
一方、DEF吹出口15およびFOOT吹出口17の入口側には、これら吹出口15,17に共通のダンパ19が設けられており、このダンパ19の移動により、空気がDEF吹出口15および/またはFOOT吹出口17から吹き出されるようになっている。
すなわち、ダンパ18が図1の実線の位置にあるときには空気がFACE吹出口16からのみ吹き出され、二点鎖線の位置にあるときにはダンパ19の位置により、空気がDEF吹出口15および/またはFOOT吹出口17から吹き出されるようになっている。
図1および図3(加湿器30を車両前方側、すなわち、図1において左側から見た図)に示すように、加湿器30は、水を溜めるタンク31と、加圧ポンプ32によりタンク31から供給される水を気化(水蒸気化)する透湿モジュール33とを主たる要素として構成されたものである。タンク31は透湿モジュール33よりも低い位置に配置され、透湿モジュール33に配管34および加圧ポンプ32を通じて接続されている。これにより、タンク31内の水が加圧ポンプ32により押し出されて、水が透湿モジュール33に供給されるようになっている。
タンク31の頂部には、加湿器30の運転に伴って順次減少する水を外部から補給する水供給口31aが設けられている。また、タンク31の底部には、バルブ31bを開放することにより、タンク31内の古くなった水を強制的に排出して加湿器30内部の汚れの蓄積を防止するドレン排出部31cが設けられている。
加圧ポンプ32は、配管34の一端(図において下端)に接続されてタンク31内の水を透湿モジュール33に送出するものであり、車両に搭載されたバッテリやエンジンに装着されたジェネレータから供給される電力により回転する電機モータにより駆動されるようになっている。
また、この加圧ポンプ32は、駆動量を調整する(増減させる)ことができるように構成されているとともに、後述する透湿性チューブ35は、内側に供給する水位に応じて透過する水分量が変化する特性を有しているので、加圧ポンプ32の駆動量を調整することにより加湿器30の能力を調節することが可能となる。たとえば、加圧ポンプ32の駆動量が増やされると、透湿モジュール33に供給される水位が高くなり、透湿性チューブ35を透過する水分量が増してより多くの水蒸気が生み出されるようになっている。
したがって、加圧ポンプ32の駆動量を調節すれば、所望の湿度環境を作り出すことが可能になる。
透湿モジュール33は、チューブ状に形成した透湿性ポリウレタン、すなわち可撓性を有する透湿性チューブ35を同じ長さに切り分けて複数用意し、それぞれの両端をヘッダ36,37に接続して構成されたものである。この透湿モジュール33は、図1に示すように、空気調和ユニット2の前方側に形成された、フット通路ダンパ19からFOOT吹出口17へのダクト11の流路(以下、「FOOT通路」という)11c内に設けられている。透湿性チューブ35の上側に位置するヘッダ(以下、「上部ヘッダ」という)36には、バルブ38が設けられているとともに、透湿性チューブ35の下側に位置するヘッダ(以下、「下部ヘッダ」という)37には、前述した配管34の他端(図において上端)が接続されている。
透湿性チューブ35の材料となる透湿性ポリウレタンは、イソシアネート成分と、鎖延長剤ジオール成分と、ポリオール成分とが少なくとも原料として用いられ、これら原料が反応させられて得られるものである。
イソシアネート成分としては、特に限定されることなく従来一般的な種々のものが用いられる。たとえば、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)や、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンイソシアネートなどが用いられるが、特に4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)は、蒸気圧が低いために取り扱い性や作業性に優れ、また、得られるポリウレタンの機械的物性も高くなることから、好適に用いられる。
鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオールが用いられる。これは、従来たとえば衣料用の透湿性ポリウレタン樹脂では、鎖延長剤としてエチレングリコールを用いていたが、その場合に溶媒中で重合・成形を行うことになっていたのを、このように1,4−ブタンジオールを用いることにより、後述するように溶媒レス化を図っているのである。なお、ポリウレタンの原料に用いられる鎖延長剤としては、これ以外にもジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等各種が利用できる。得られるポリウレタンの成形性や機械的物性を確保する観点からは、1,4−ブタンジオールが特に好ましく利用できる。
ポリオール成分としては、分子量が600以上4000以下のポリエチレングリコール(PEG)が用いられる。ポリエチレングリコールは、たとえばポリテトラメチレングリコール(PTMG)やポリプロピレングリコール(PPG)とポリエチレングリコールとの共重合体に比べ、得られるポリウレタン樹脂の透湿性がより良好になるからである。また、分子量、すなわち重量平均分子量を600以上4000以下としたのは、4000を超えると反応性が低くなってしまい、また600未満であると逆に反応性が高くなって安定したポリマーの重合が困難になってしまうとともに、透湿性も低くなって実用的でなくなるおそれがあるからである。また、この分子量については、特に2500以上3500以下の範囲にするのが好ましく、このような範囲にすることにより、ポリマーの安定した重合性と、得られたポリウレタンの良好な透湿性を確保することができる。
このポリオール成分としては、前記のポリエチレングリコールに加えて、シリコン型ポリオールを用いることができる。このシリコン型ポリオールとしては、特に以下に示すポリシロキサンカルビノール変性体が用いられ、中でも分子量が1000以上3000以下のものが好適に用いられる。
Figure 2005282992
このシリコン型ポリオールは、得られるポリウレタンをシリコンの分子間力(凝集力)が小さいという特性を付与するために少量添加する。シリコン型ポリオールは、成形物、特にチューブ成形時の離型性を高くし、成形物のタック性を低減するために用いる。このようなシリコン型ポリオールのポリオール成分全体に対する配合量としては、1wt%以上70wt%以下、好ましくは2wt%以上4wt%以下とされる。1wt%未満では得られるポリウレタン中のシリコン含有量が少なくなるため、離型性を高くし、タック性を低減する効果が十分に得られず、70wt%を超えると高価なシリコン型ポリオールを添加して得られる成形性や機械強度等の物性が飽和するからである。また、2wt%以上4wt%以下の範囲では、チューブ成形時の離型性を高くし、かつ成形物のタック性を低減でき、十分な透湿性が得られる。
また、前記鎖延長剤とポリオール成分とは、その比、すなわち(鎖延長剤/ポリオール成分)のモル比が1〜11の範囲内、好ましくは4〜10の範囲内になるように調製されて用いられる。モル比が4未満であると、得られるポリウレタンの強度が不足し、実用性が低下してしまうからであり、10を超えると、得られるポリウレタンの透湿性が低下し、またポリマーの重合も困難になってしまうからである。また、モル比が4を超えると、得られるポリウレタンの強度が良好となり、好ましい。
なお、イソシアネート成分の、ポリオール成分に対する配合量としては、特に限定されることはないものの、(イソシアネート成分/ポリオール成分)のモル比が2以上12以下程度、好ましく5以上11以下程度とされる。このような範囲にすることにより、良好なポリマー重合性を確保することができるとともに、得られるポリウレタンの良好な強度を確保することができる。
また、透湿性ポリウレタンは、前記のイソシアネート成分と鎖延長剤とポリオール成分とを原料としてこれらが反応させられることにより形成されるが、特に反応に際しては、公知のウレタン化触媒、安定化剤、相溶化剤、着色剤等を適宜に添加することができる。
透湿性チューブ35の材料となる透湿性ポリウレタンは、以上のように、イソシアネート成分と特定の鎖延長剤およびポリオール成分を原料として用い、これら原料をそれぞれが適宜な配合比となるようにして反応させることにより、溶剤を用いることなく重合して得られるものである。反応法としては、特に限定されることなく、プレポリマー法、ワンショット法等、公知の方法を採用することが可能である。
通常、この種の透湿性を有するポリウレタンは、溶媒(ジメチルホルムアミド等)中で重合を行うため、フィルム等に成形するときには、この溶媒を除去する必要がある。一般的に、溶液中の樹脂固形分は30%程度であるため、残り70%の溶媒を成形時に除去することとなる。ところが、昨今の環境問題としてVOC規制等を鑑みるに、除去されて蒸気となった溶媒の処理が問題となる。
また、広く実施されている押出成形や射出成形では、樹脂を溶融させる必要性から、成形温度が高くなっている。ここに、溶媒を含んだ樹脂を成形することは、溶媒の蒸気が発生しやすいことを意味する。溶媒の蒸気は作業環境の悪化を起こすものであるので、別途に溶媒蒸気除去装置が必要となる等の理由により、コスト高になってしまう。
さらに、前記した30%の樹脂固形分を含む原料を用いる場合は、高温成形の過程で仕込み原料の70%が失われて、歩留まりは30%となる。このような低い歩留まりの成形機は設計や運転が困難であり、製品としては成立しにくいものである。
このようにして得られる透湿性ポリウレタンは、それ自体で良好な高透湿性および機械的物性を有しており、さらには良好な成形性を備えることにより、たとえば常法の造粒法によるペレット化が可能となり、このペレット化の際に、公知の抗菌剤、防かび剤、タルク等の無機充填材、顔料等の着色剤等を1種以上任意に混合することができる。さらに、このようにして得られるペレットを用いることにより、各種の成形法、たとえば押出成形法等が可能になる。押出成形法としては、マンドレルを用いて中空押出する方法や、押出成形機を用いた成形法が好適に採用される。また、チューブを直接成形する方法以外に、押出成形によって薄いフィルム状に成形した透湿性ポリウレタンのシート35a,35bを2枚、図4の(a)や(b)のように重ね合わせて熱溶着(ヒートシール)したものや、図4の(c)のように一体となった複数の管状に一度に異形押出成形することができ、これらを重ね合わせて透湿モジュールとすることも可能である。
つぎに、冷媒系3の構成を図11に基づいて簡単に説明する。この冷媒系3は、エバポレータ13に低温低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ91、コンデンサ92、および膨張弁93とを具備している。
コンプレッサ91は、エバポレータ13で車室内の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ92へ送り出すものである。自動車用空気調和装置の場合、コンプレッサ91は通常エンジン94よりベルトおよびクラッチを介して駆動力を受ける。
コンデンサ92は、エンジンルームの前部に配設され、コンプレッサ91から供給された高温高圧のガス冷媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるものである。こうして液化された冷媒は、レシーバ(図示せず)へ送られて気液の分離がなされた後、高温高圧の液冷媒として膨張弁93に送られる。この膨張弁93では、高温高圧の液冷媒を減圧および膨張させることによって低温低圧の液(霧状)冷媒とし、エバポレータ13へ供給する。
続いて、加熱源系4の構成を図11に基づいて簡単に説明する。この加熱源系4は、ヒータコア14に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン94とラジエタ95との間を循環するエンジン冷却水系から、その一部をヒータコア14に導入するものである。
最後に、制御部5の構成を図11に基づいて簡単に説明する。この制御部5は、空気調和装置1を構成している空気調和ユニット2、冷媒系3、および加熱源系4の作動制御を行うもので、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネルに制御回路を組み込んで、インスツルメントパネルの中央部に配置されている。この制御部5では、上述したエアミックスダンパ14bの開閉操作により温度調節を行い、モードダンパ18,19の開閉操作により各種運転モード(FACE、バイレベル(FACE/FOOTのことであり、以下、「B/L」という。)、FOOT、DEF/FOOT、DEFなどのモード)の選択切り換え、内気外気切り換えダンパの切り換え操作、送風機12の風量切り換え操作を行うことができる。
つぎに、上記の構成を備えた車両用空気調和装置1の作動について図1を用いて説明する。なお、ここではDEF/FOOTモードおよびB/Lモードについてのみ説明することにする。
まず、B/Lモードについて説明する。操作者が車両空気調和装置1の制御部5に設けられた運転モード切替手段をB/Lモードにあわせると、ダンパ18は図1の実線の位置と二点鎖線の位置との中間位置へ、ダンパ19は図1の二点鎖線の位置へ、たとえばリンク機構、電動アクチュエータなどのダンパ操作手段によりそれぞれ移動される。
そして、送風機12のファン12aが回転することにより空気取入口10eから取り入れられた空気は、ファン12aを通過してエバポレータ13に達する。エバポレータ13に達した空気はこのエバポレータ13を通過する間に熱交換され冷たい空気に変えられる。
エバポレータ13を通過した冷たい空気の一部は、エアミックスダンパ14bが略半開とされていることによりヒータコア14に達し、ヒータコア14に達した空気はこのヒータコア14を通過する間に熱交換され温かい空気に変えられる。
エバポレータ13を通過した冷たい空気は、送風機12の外周壁を形成するダクト11の内壁11aの側に沿って流れて、FACE吹出口16を通って乗員の顔、手、胸といった部位に向けて吹き出される。また、ヒータコア14を通過した温かい空気は、前述した内壁11aと対向する側の内壁11bに沿って流れ、FOOT通路11cを通った後、FOOT吹出口17を通って乗員の足下(つま先)に向けて吹き出される。
すなわち、B/Lモードでは、FACE吹出口16から乗員の顔、手、胸といった部位に向けて冷たい空気が吹き出され、またFOOT吹出口17から乗員の足下に向けて温かい空気が吹き出されることとなる。
また、このB/Lモードにおいて加湿器30が作動状態とされている場合には、ヒータコア14を通過した温かい空気(絶対湿度の低い温風)が、FOOT通路11cを通過する際に、透湿性チューブ35により加湿されて(透湿性チューブ35から水蒸気を受け取って)、この加湿された空気がFOOT吹出口17を通して車内空間に広がっていくようになっている。
すなわち、B/Lモードにおいて加湿器30が作動していると、加湿された空気が車内空間に供給されることとなる。
つぎに、DEF/FOOTモードについて説明する。操作者が車両用空調装置1の制御部5に設けられた運転モード切替手段をDEF/FOOTモードにあわせると、ダンパ18は図1の二点鎖線の位置へ、ダンパ19は図1の実線の位置と二点鎖線の位置との中間位置へダンパ操作手段を介してそれぞれ移動される。
そして、送風機12のファン12aが回転することにより空気取入口10eから取り入れられた空気は、ファン12aを通過してエバポレータ13に達する。エバポレータ13に達した空気はこのエバポレータ13を通過する間に熱交換され冷たい空気に変えられる。
エバポレータ13を通過した冷たい空気の主流は、送風機12の外周壁を形成するダクト11の内壁11aの側を流れるとともに、ダンパ18の近傍領域で内壁11bの側を流れてきた温かい空気とミキシング(混合)される。ミキシングされた空気は、DEF吹出口15を通って車両のフロントガラスに向けて吹き出されるとともに、FOOT吹出口17を通って乗員の足下に向けて吹き出される。
すなわち、DEF/FOOTモードでは、DEF吹出口15からフロントガラスに向けて、またFOOT吹出口17から乗員の足下に向けて略同じ温度の空気が吹き出されることとなる。
また、このDEF/FOOTモードにおいても、前述したB/Lモードと同様、加湿器30が作動状態とされている場合には、ヒータコア14を通過した温かい空気が、FOOT通路11cを通過する際に、透湿性チューブ35により加湿されて、この加湿された空気がFOOT吹出口17を通して車内空間に広がっていくようになっている。
すなわち、DEF/FOOTモードにおいても、加湿器30が作動していると、加湿された空気が車内空間に供給されることとなる。
このように、加湿器30を作動させることにより、加湿された空気がFOOT吹出口17を通して車内空間に広がっていくようになっているので、車内空間を適度な湿度に保つことができて、快適な車内温熱環境を作り出すことができるとともに、ウィルスの活動を抑制することができる。
また、FOOT通路11cを通過する空気が、透湿性チューブ35から受け取る水蒸気の大きさがナノクラスのものであり、車内空間に吹き出されても凝縮し難いため、ガラス面の曇りが抑制される。
また、透湿性チューブ35が分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止するとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュール33の掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減できる。
さらに、加湿器30の一部、すなわち、透湿モジュール33がFOOT通路11c内に配置されることとなるので、加湿器30の設置スペースを減少させることができる。
さらにまた、透湿モジュール33の下端、すなわち、下部ヘッダ37よりも下方にタンク31が配置されているので、加湿器30による加湿が停止される(すなわち、ポンプ32が停止される)と、地球の重力により透湿モジュール33内の水を速やかにタンク31に戻す(落下させる)ことができて、加湿器30の作動停止と略同時にFOOT通路11cを通過する空気の加湿を停止させることができる。
さらにまた、透湿モジュール33の上端、すなわち、上部ヘッダ36よりも上方にバルブ38が配置され、加湿器30による加湿が停止される(すなわち、ポンプ32が停止される)と同時にこのバルブ38が開放されることにより、バルブ38を有しない透湿モジュール33よりも透湿モジュール33内の水を速やかにタンク31に戻す(落下させる)ことができて、加湿器30の作動停止と同時にFOOT通路11cを通過する空気の加湿を停止させることができる。
さらにまた、加圧ポンプ32の駆動量を調節することにより、透湿性チューブ35を透過する水分量を制御できるので、所望の湿度環境を容易に作り出すことが可能である。
さらにまた、四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した従来の加湿器に比べ、本発明の透湿性チューブは、透湿性チューブ自体が剛性を有しているために、水蒸気を発生させる透湿モジュール33が透湿材を支えるための補強材やスペーサ等を必要とせず、透湿性チューブのみで構成される単純な構造なので、製造コストも安価で組立時の取り扱いも簡単である。
さらにまた、図3に示すごとく複数の列をなして透湿性チューブ35が配置されることにより、透湿モジュール33内部の水蒸気の抜けが良くなり、水分の透過も円滑に行われるようになるので、効率の高い運転が可能である。
本発明による空気調和ユニットの第2実施形態について、図5および図6を用いて説明する。
本実施形態における空気調和ユニット2aには、前述した加湿器30のタンク31と透湿モジュール33との位置が逆転させられた加湿器40、すなわち、タンク31が透湿モジュール33よりも高い位置に配置された加湿器40が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態では、タンク31が透湿モジュール33よりも高い位置に配置されているため、配管34の一端がタンク31の底部に接続されているとともに、他端が透湿モジュール33の上端、すなわち、上部ヘッダ36に接続されている。
また、配管34には水量調整用のバルブ41が設けられており、バルブ41の開度によりタンク31から透湿モジュール33に供給される水の量が調整可能とされているとともに、加湿器40による加湿を行わない場合(加湿器停止時)には、バルブ41が全閉とされ、タンク31から透湿モジュール33への水の供給が停止されるようになっている。
一方、下部ヘッダ37には、排水部42が設けられており、加湿器停止時に排水バルブ43を開くことにより、バルブ41よりも下流側に位置する配管34内の水、および透湿モジュール33内の水を外部(たとえば、車外)に排出できるようになっている。
このように、加湿器40を作動させることにより、加湿された空気がFOOT吹出口17を通して車内空間に広がっていくようになっているので、車内空間を適度な湿度に保つことができて、快適な車内温熱環境を作り出すことができるとともに、ウィルスの活動を抑制することができる。
また、FOOT通路11cを通過する空気が、透湿性チューブ35から受け取る水蒸気の大きさがナノクラスのものであり、車内空間に吹き出されても凝縮し難いため、ガラス面の曇りが抑制される。
さらに、透湿性チューブ35が分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止するとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュール33の掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減できる。
さらにまた、加湿器40の一部、すなわち、透湿モジュール33がFOOT通路11c内に配置されることとなるので、加湿器40の設置スペースを減少させることができる。
さらにまた、タンク31を透湿モジュール33よりも上方に配置させることにより、配管34およびバルブ41を介して、タンク31内の水が地球の重力を利用したいわゆるグラビティフローによって透湿モジュール33に供給され、各透湿性チューブ35に水が満たされるようになっている。すなわち、バルブ41を開くだけで透湿モジュール33にタンク31内の水が供給されるようになっているので、上述した第1実施形態のようにタンク31から透湿モジュール33に水を供給するための高価な加圧ポンプ32を省略することができ、加湿器40の構成を簡略化することができるとともに、製造コストを低減させることができる。
さらにまた、透湿モジュール33の下端、すなわち、下部ヘッダ37よりも下方に排水部42が配置されているとともに、加湿器40による加湿が停止される(すなわち、バルブ41が閉じられる)と排水部42のバルブ43が開かれるようになっているので、地球の重力により透湿モジュール33内の水を速やかに外部に排水させることができて、加湿器40の作動停止と略同時にFOOT通路11cを通過する空気の加湿を停止させることができる。
さらにまた、四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した従来の加湿器に比べ、本発明の透湿性チューブは、透湿性チューブ自体が剛性を有しているために、水蒸気を発生させる透湿モジュール33が透湿材を支えるための補強材やスペーサ等を必要とせず、透湿性チューブのみで構成される単純な構造なので、製造コストも安価で組立時の取り扱いも簡単である。
さらにまた、図3に示すごとく複数の列をなして透湿性チューブ35が配置されることにより、透湿モジュール33内部の水蒸気の抜けが良くなり、水分の透過も円滑に行われるようになるので、効率の高い運転が可能である。
本発明による空気調和ユニットの第3実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態における空気調和ユニット2bには、前述した加湿器30の上部ヘッダ36からバルブ38が省略された加湿器50が設けられているとともに、FOOT通路11cを前方側と後方側とで二分する仕切板51が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
本実施形態では、FOOT通路11c内のダンパ19近傍からFOOT吹出口17近傍にわたって、FOOT通路11cを前方側と後方側とで二分する仕切板51が設けられているとともに、前方側に位置する通路11dの入口には、たとえば、リンク機構、電動アクチュエータなどのダンパ操作手段により回動されるダンパ52が設けられている。
ダンパ52は、加湿停止時には図7の二点鎖線で示すように全閉状態にされることにより、ダンパ19を通過してFOOT通路11c内に流入した空気がすべて仕切板51の後方側に位置する通路11eを通過するようにするものである。
また、このダンパ52は、加湿時には図7の、たとえば実線で示す位置に回動させられて、ダンパ19を通過してFOOT通路11c内に流入した空気の一部が仕切板51の前方側に位置する通路11dを通過するようにするものである。
このダンパ52の開度を調整することにより、通路11dを通過して加湿された空気と通路11eを通過した加湿されていない空気との混合比を変化させて種々の空気湿度を得るようにしている。
このように、加湿器50を作動させるとともにダンパ52により透湿性チューブ35を通過する空気量(風量)を調整することにより、加湿された空気がFOOT吹出口17を通して車内空間に広がっていくようになっているので、車内空間を適度な湿度に保つことができて、快適な車内温熱環境を作り出すことができるとともに、ウィルスの活動を抑制することができる。
また、加湿停止時にはダンパ52を全閉状態にするだけでよいので、加湿された空気が車内空間へ供給されるのを瞬時に停止させることができる。
さらに、FOOT通路11cを通過する空気が、透湿性チューブ35から受け取る水蒸気の大きさがナノクラスのものであり、車内空間に吹き出されても凝縮し難いため、ガラス面の曇りが抑制される。
さらにまた、透湿性チューブ35が分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止するとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュール33の掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減できる。
さらにまた、加湿器50の一部、すなわち、透湿モジュール33がFOOT通路11c内に配置されることとなるので、加湿器50の設置スペースを減少させることができる。
さらにまた、四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した従来の加湿器に比べ、本発明の透湿性チューブは、透湿性チューブ自体が剛性を有しているために、水蒸気を発生させる透湿モジュール33が透湿材を支えるための補強材やスペーサ等を必要とせず、透湿性チューブのみで構成される単純な構造なので、製造コストも安価で組立時の取り扱いも簡単である。
さらにまた、図3に示すごとく複数の列をなして透湿性チューブ35が配置されることにより、透湿モジュール33内部の水蒸気の抜けが良くなり、水分の透過も円滑に行われるようになるので、効率の高い運転が可能である。
本発明による空気調和ユニットの第4実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態における空気調和ユニット2cでは、前述した加湿器30,40,50のいずれか一つの透湿モジュール33が、FOOT通路11c内ではなく、センターFACEダクト61内に設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。また、第2実施形態のところで説明した仕切板51およびダンパ52は、本実施形態ではセンターFACEダクト61内に設けられることになる。
本実施形態では、図8に示すように、透湿モジュール33がFACEダクト(FACE吹出口16の略中央部と前部座席の前方に位置するインスツルメントパネルの中央上部に設けられたセンターFACE吹出口(図示せず)とを連通するダクト)61内の入口近傍、すなわち、FACEダクト61の最も上流側、言い換えれば、FACE吹出口16の直上に配置されている。
なお、図8において符号62,63,64はそれぞれ、センターDEFダクト、サイドDEFダクト、およびサイドFACEダクトを示している。
これにより、透湿性チューブ35により加湿された空気が、インスツルメントパネルに設けられたセンターFACE吹出口を通して車内空間に吹き出されるようになっているので、前部座席に座っている乗員の、肌が露出している部分(顔や手指など)を狙って局所的に加湿することができるとともに、サイドのガラスから離れた位置から加湿が行われるため、サイドのガラスの曇りをさらに抑制することができる。
本発明による空気調和ユニットの第5実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態における空気調和ユニット2dには、内壁11bに開口部65が設けられているとともに、この開口部65を開閉するダンパ66が設けられているという点で前述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
開口部65は、送風機12の外周壁を形成するダクト11の内壁11aと対向する側の内壁11bの略中央部、すなわち、ヒータコア14とダンパ18との略中間に形成されており、この開口部65を通してヒータコア14を通過した温かい空気が、FOOT通路11c内に直接導かれるようになっている。
また、ダンパ66は、たとえば、リンク機構、電動アクチュエータなどのダンパ操作手段により回動されるものであり、開口部65を開閉するためのものである。
このような開口部65とダンパ66とを設けることにより、送風機12の外周壁を形成するダクト11の内壁11aに沿って流れる冷たい空気と混ざり合う前の温度の高い空気をFOOT通路11c内に直接導くことができるようになっているので、透湿チューブ35を加熱することができて、加湿量を増やすことができる。
また、FOOT通路11cの入口がダンパ19により閉じられた状態(すなわち、図においてダンパ19が実線の位置にあるとき)でも、車内空間を加湿することができるようになっている。
すなわち、デフロストモードやFACEモード時などでも加湿ができるようになっている。
なお、上述した実施形態では、タンク31の頂部に設けられた水供給口31aを介して、人が直接タンク31内へ水を補給するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、図9に示すように、ウォッシャ液タンク71やエバポレータ13から出たドレン、あるいは雨天時に回収した雨水が、配管を介してタンク31に自動的に補給されるように構成しておいても良い。透湿チューブ35は、不純物を含んだ水でも水だけを透過する性質を有するものであるから、ウォッシャ液やドレン、あるいは雨水などを使用しても何ら問題は生じない。
これによりタンク31への水の補給回数を減らすことができるようになっている。
また、空気調和ユニットの構成は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、車両前方側にエバポレータが配置されるとともに、車両後方側にヒータコアが配置された従来公知のものであっても良い。
すなわち、既存の空気調和ユニットに、上述したような加湿器を具備させても上述した作用効果と同様の作用効果を得ることができるようになる。
さらに、車内に湿度センサを設けて、この湿度センサから信号に基づいて加湿器を作動させたり、あるいは停止させたりするようにすることもできる。
これにより、車内の湿度を自動的に所定範囲内に保つようにすることができるようになる。
さらにまた、湿度センサの代わりに加湿モード用のスイッチやノブなどをインスツルメントパネルに配置して、このスイッチやノブからの信号に基づいて加湿器を作動させたり、あるいは停止させたりするようにすることもできる。
これにより、乗員がそのときの状況に応じて加湿器を作動させたり、あるいは停止させたりすることができるようになる。
さらにまた、透湿性チューブ35は、図3あるいは図6に示すように、空気調和ユニットの幅方向(すなわち、車両の左右方向)のみに複数本並べて配置されているものではなく、空気調和ユニットの厚み方向(すなわち、車両の前後方向)にも複数本並べて配置させることもできる。
透湿性チューブ35を空気調和ユニットの幅方向および厚み方向に複数本並べて配置して、透湿性チューブ35の数を増やすことにより、加湿量が増加し、車内の加湿を素早く行うことができるようになる。
さらにまた、透湿モジュール33は、透湿性チューブ35を同じ長さに切り分けて複数用意し、それぞれの両端をヘッダ36,37に接続して構成されたものに限定されるものではなく、たとえば、一本の長い透湿性チューブ35を蛇行させた、サーペンタイン式とすることもできる。
さらにまた、ヒータコア14の下流側(出口側)近傍、および/またはFOOT吹出口17の上流側近傍に、たとえば、PTC(Positive Temperature
Coefficient)ヒータなどの補助熱源20が設けられているとさらに好適である。
補助熱源20を具備させることにより、寒冷地でも使用することができるようになる。
さらにまた、タンク31内の水を、ヒータコア14や補助熱源20、あるいは車両用空調装置がヒートポンプ式である場合にはその凝縮器(コンデンサ)の熱を熱源として、予め温めるようにしておくとさらに好適である。
このように、透湿性チューブ35に供給される水を予め温めておくことにより、透湿性チューブ35の透湿効果を向上させることができ、加湿効率を向上させることができる。
本発明による空気調和ユニットの第1実施形態を示す図であって、当該空気調和ユニット内のダクトおよび各ダンパの様子がわかるように示した一部側断面図である。 図1に示す空気調和ユニットを左上後方から見た全体斜視図である。 図1に示す加湿器を車両前方側から見た概略構成図である。 透湿性チューブを成形する他の例を示す斜視図である。 本発明による空気調和ユニットの第2実施形態を示す図であって、当該空気調和ユニット内のダクトおよび各ダンパの様子がわかるように示した一部側断面図である。 図5に示す加湿器を車両前方側から見た概略構成図である。 本発明による空気調和ユニットの第3実施形態を示す図であって、当該空気調和ユニット内のダクトおよび各ダンパの様子がわかるように示した一部側断面図である。 本発明による空気調和ユニットの第4実施形態を示す図であって、空気調和ユニットを左上後方から見た全体斜視図である。 本発明による空気調和ユニットの第5実施形態を示す図であって、当該空気調和ユニット内のダクトおよび各ダンパの様子がわかるように示した一部側断面図である。 タンクに水を補給する方法を説明するための図であって、車両前部を左側から見た概略断面図である。 車両用空気調和装置の概略の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 車両用空気調和装置
2 空気調和ユニット
2a 空気調和ユニット
2b 空気調和ユニット
2c 空気調和ユニット
2d 空気調和ユニット
3 冷媒系
4 加熱源系
5 制御部
10 本体カバー
10e 空気取入口
11 ダクト
11c FOOT通路
12 送風機
13 エバポレータ
14 ヒータコア
15 DEF吹出口
16 FACE吹出口
17 FOOT吹出口
30 加湿器
31 タンク
33 透湿モジュール
35 透湿性チューブ
40 加湿器
50 加湿器
61 センターフェイスダクト
91 コンプレッサ
92 コンデンサ
93 膨張弁

Claims (6)

  1. 外気または内気を取り入れるための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェイス吹出口、およびフット吹出口を備えた空気吹出口と、前記空気取入口および前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、
    前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、
    前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を冷却するエバポレータと、
    前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を加熱するヒータコアとを備える空気調和ユニットであって、
    水を溜めるタンクと、該タンクから供給される水を気化する複数本の透湿性チューブを有する透湿モジュールとを備えた加湿器が具備され、前記透湿モジュールが前記ダクト内に収められていることを特徴とする空気調和ユニット。
  2. 外気または内気を取り入れるための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェイス吹出口、およびフット吹出口を備えた空気吹出口と、前記空気取入口および前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、
    前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、
    前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を冷却するエバポレータと、
    前記送風機により前記ダクト内を移動させられる空気を加熱するヒータコアとを備える、車両の前部座席よりも前方に配置される空気調和ユニットであって、
    前記エバポレータが、前記送風機の下方後方に配置されているとともに、前記ヒータコアが、前記送風機の下方前方に配置されており、
    かつ、水を溜めるタンクと、該タンクから供給される水を気化する複数本の透湿性チューブを有する透湿モジュールとを備えた加湿器が具備され、前記透湿モジュールが前記ダクト内に収められていることを特徴とする空気調和ユニット。
  3. 前記透湿モジュールが、前記ヒータコアよりも該ヒータコアを流れる空気の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和ユニット。
  4. 前記透湿モジュールが、前記ダクトのうち、前記フット吹出口から吹き出される空気が通過するフット通路内に収められていることを特徴とする請求項3に記載の空気調和ユニット。
  5. 前記フェイス吹出口に、前部座席の前方に位置するインスツルメントパネルの中央上部に設けられたセンターフェイス吹出口に前記フェイス吹出口から吹き出された空気を導くセンターフェイスダクトが取り付けられており、前記透湿モジュールが前記センターフェイスダクト内に収められていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和ユニットと、
    ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサと、高圧のガス冷媒を外気と熱交換して凝縮させるコンデンサと、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁とを具備し、前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、
    エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、
    前記空気調和ユニット、冷媒系および加熱源系の作動制御を行う制御部とを備えてなることを特徴とする車両用空気調和装置。
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