JP2005290104A - 低誘電体材料用ガラス状物質及びディスプレイ用ガラス板 - Google Patents

低誘電体材料用ガラス状物質及びディスプレイ用ガラス板 Download PDF

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【課題】高い可視光透過率、鉛を含有させないで500℃未満の軟化温度、10以下の誘電率を同時に満足するガラス状物質はなかった。
【解決手段】ディスプレイ基板に用いられる低誘電体材料として、有機無機ハイブリッドガラス状物質を用いる低誘電体ガラス状物質。その誘電率が2.5以上9以下、溶融する特性を有する、フェニル基を含有する、一部又はすべてに不規則網目構造を有する、30μm厚での可視光透過率が90%以上である等の特徴を有す。さらに、上記のガラス状物質を用いるディスプレイ用ガラス板、プラズマディスプレイパネル用前面板又はプラズマディスプレイパネル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ディスプレイ用パネルに有機無機ハイブリッドガラス状物質を用いる低誘電体ガラスに関する。
近年の電子部品、特にディスプレイ用パネルの発達に伴い、これまで要求されなかった物性を有する材料の開発が望まれている。例えば、可視光線透過率が高く、低軟化温度特性を有し、さらには誘電率が低い材料である。このような材料が開発されれば、プラズマディスプレイ用パネル、液晶表示用パネル、エレクトロルミネッセンス用パネル、蛍光表示用パネル、エレクトロクロミック表示用パネル、発光ダイオード表示用パネル、ガス放電式表示用パネル等の表示パネルに応用できる可能性が高い。例えば、その中でも特に薄型かつ大型の平板型カラー表示装置として注目を集めているプラズマディスプレイ用パネルへの応用が期待されている。
プラズマディスプレイ用パネルは、表示面として使用される前面基板と背面基板の間に多くのセルを有し、そのセル中でプラズマ放電させることにより画像が形成される。このセルは、隔壁で区画形成されており、画像を形成する各画素での表示状態を制御するため、各画素単位に電極が形成されている。このプラズマディスプレイパネルの前面ガラス板には、プラズマを放電させるための電極が形成され、電極として細い線状の銀が多く使われている。その電極の周りには、透明度の高い絶縁材料が配されている。この絶縁材料については、プラズマ耐久性を有し、低誘電率のいわゆる低誘電体材料であることが好ましい。さらには、透明性を求められるため、絶縁材料としては低軟化温度特性を有する低誘電体ガラスが使われていることが多い。また、プラズマディスプレイ用パネル以外に使われるガラス基板についても、プラズマ耐久性に優れており、かつ透明で低誘電率であることが好ましいことは同様である。
一方、低軟化温度特性を有す低誘電体ガラスの製作方法としては、ゾルゲル法、液相反応法及び無水酸塩基反応法等が考えられている。ゾルゲル法は金属アルコキシドなどを加水分解−重縮合し、500℃を超える温度(例えば、非特許文献1参照)、通常は700〜1600℃で熱処理することにより、薄膜状の低誘電体ガラスを得ることができる。ゾルゲル法ではバルク体を得ることもできるとされているが、原料溶液の調製時に導入するアルコールなど有機物の分解・燃焼、又は有機物の分解ガス若しくは水の加熱過程における蒸発放出等のために多孔質となることが多く、低軟化温度特性を有す低誘電体ガラスをゾルゲル法で生産することはなされていない。
液相反応法は収率が低いために生産性が低いという問題の他、反応系にフッ酸などを用いることや薄膜合成が限度とされていることなどから、現実的には低軟化温度特性を有すバルク状の低誘電体ガラスの生産方法としては不可能に近い状態にある。
無水酸塩基反応法は、近年開発された手法であり、低軟化温度特性を有する有機無機ハイブリッドガラスの製作も可能(例えば、非特許文献2参照)であるが、まだ開発途上であり、製作できるガラスも限られており、現時点においては十分な可視光透過率を得ることができる特性を満足するものすら開発されていない。
したがって、多くの低軟化温度特性を有するガラスの製造は、低温合成法ではなく、溶融法により行われてきた。このため、ガラス原料を溶融する都合上からそのガラス組成は制限され、実質的に生産できる低誘電体ガラスとなると、その種類は極めて限定されている。
このように、従来の方法では、近年の電子部品の要求に対応できる低誘電体ガラスは開発されていない。すなわち、高い可視光透過率、鉛を含有させないで500℃未満の軟化点(Logηが7.6となる温度)、及び10以下の誘電率を同時に満たす、さらには化学的耐久性やその他の要求物性を満足する材料はこれまでなく、その開発が強く望まれている。
公知技術をみれば、低軟化温度特性を示す透明材料としては、例えば、積算ふるい下10%径が1.0μm以下50%径が0.3〜5.0μm、積算ふるい下90%径が10.0μm以下である粒度を有し、軟化点が480〜620℃で、重量%表示で、PbOが0〜80%、Bが0〜25%、SiOが10〜60%、MgOが0〜15%、CaOが0〜15%、ZnOが0〜25%、Alが0〜15%からなる低融点ガラスを用いた電極被覆用低融点ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置(例えば、特許文献1参照)が、またPbOとCuOの含有量を限定したプラズマディスプレイ用材料(例えば、特許文献2参照)が、またPbO、B、SiO、CaO、の他BaO+SrO+MgOの含有量を限定したプラズマディスプレイ用材料(例えば、特許文献3参照)が、さらにはBaO+CaO+Bi、ZnO、B、SiO、PbO、SnOの含有量を限定したプラズマディスプレイ用材料(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
特開2000−119039号公報 特開2001−52621号公報 特開2001−80934号公報 特開2001−48577号公報 神谷寛一、作花済夫、田代憲子、窯業協会誌,618−618,84(1976). 高橋雅英、新居田治樹、横尾俊信,New Glass, 8-14,17(2002).
従来からある低誘電体材料では、高い可視光透過率、鉛を含有させないで500℃未満の軟化温度、10以下の誘電率を同時に満足させることはできない。このため、上述の問題点を解決した誘電体材料の開発、さらには改善された誘電体材料を有するディスプレイ用基板あるいはディスプレイ用パネルの開発が待たれている。
開示された文献の特開2000−119039号公報、特開2001−52621号公報、特開2001−80934号公報及び特開2001−48577号公報等の方法でも、上述を満足させる低誘電体材料を得ることはできない。
本発明は、ディスプレイパネル用の低誘電体材料として用いられる有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率が2.5以上9以下である上記のガラス状物質である。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質が溶融する特性を有する上記のガラス状物質である。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質がフェニル基を含有する上記のガラス状物質である。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する上記のガラス状物質である。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質の30μm厚での可視光透過率が90%以上である上記のガラス状物質である。
さらに、上記の低誘電体ガラス状物質を用いるディスプレイ用ガラス板である。
さらにまた、上記のディスプレイ用ガラス板を用いるプラズマディスプレイパネル用前面板である。
さらにまた、可視光透過率が5mm厚換算で75%以上である上記のプラズマディスプレイパネル用前面板である。
さらにまた、上記のディスプレイ用ガラス板又はプラズマディスプレイパネル用前面板を用いるプラズマディスプレイパネルである。
本発明によれば、可視光透過率が高く、鉛を含有させずに軟化温度が500℃未満で、誘電率が10以下の透明材料を得ることができた。
本発明は、ディスプレイパネル用の低誘電体材料として用いられる有機無機ハイブリッドガラス状物質である。ディスプレイ用パネルの低誘電体材料としては多くの種類があり、多くのところで使われている。プラズマディスプレイ用パネルを一例として説明する。図1に示すように、プラズマディスプレイ用パネルは前面ガラス板1と背面ガラス板2の間に挟まれ、前面ガラス板1と背面ガラス板2は封止材3でシールされている。パネルの前部には前面ガラス板1、透明電極4、バス電極5、透明誘電体6及び保護膜7があり、背面部には背面ガラス板2、アドレス電極8、白色誘電体9、蛍光体10、隔壁11がある。紫外線12は蛍光体10の作用により可視光13となる。この中で、前面ガラス板1、背面ガラス板2、封止材3、透明誘電体6、保護膜7及び隔壁11にその使用が可能である。すなわち、基板としても、他の材料と混合して低誘電体材料としても、その使用が可能であるところに特徴がある。なお、基板として用いるためには、ディスプレイ用パネルにするための熱処理温度は600℃以下、より好ましくは500℃以下とする必要がある。
有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率は2.5以上9以下であることが好ましい。有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率が2.5未満であると、強度を保つことができなくなるため、ディスプレイ用パネルに用いることは困難となる。一方、有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率が9を越えると誘電性を帯びるため種々の問題がでてくる。より好ましくは3以上8以下、さらに好ましくは4以上7以下である。ここで、誘電率とは10Hzにおける誘電率を指す。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質が溶融する特性を有することが好ましい。溶融する特性がある場合に誘電率が10よりも小さくなる傾向を有することが多いためである。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質がフェニル基を含有することが好ましい。フェニル基を含有する場合に誘電率が10よりも小さくなる傾向を有することが多いためである。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有することが好ましい。有機無機ハイブリッドガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する場合に誘電率が10よりも小さくなる傾向を有することが多いためである。
また、有機無機ハイブリッドガラス状物質の30μm厚での可視光透過率が90%以上であることが好ましい。有機無機ハイブリッドガラス状物質の30μm厚での可視光透過率が90%未満であると、ディスプレイ用パネルにした場合の可視光線透過率が悪く、結果として大きな光源となり、従来よりも多大なエネルギーを必要とすることになるからである。
さらに、上記のガラス状物質を用いるディスプレイ用ガラス板であることが好ましく、このようなディスプレイ用ガラス板を用いることにより、省エネルギータイプのディスプレイ用前面板を得ることができる。
さらにまた、上記のディスプレイ用ガラス板を用いるプラズマディスプレイパネル用前面板が好ましく、このようなディスプレイ用ガラス板を用いることにより、省エネルギータイプのプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
さらにまた、可視光透過率が5mm厚換算で75%以上である上記のプラズマディスプレイパネル用前面板であることが好ましく、このようなプラズマディスプレイパネル用前面板を用いることにより、省エネルギータイプのプラズマディスプレイパネルを得ることができる。なお、可視光透過率が5mm厚換算で75%よりも小さいと、大きな光源が必要となり、従来よりも多大なエネルギーを必要とすることになるからである。
さらにまた、上記のディスプレイ用ガラス板又はプラズマディスプレイパネル用前面板を用いるプラズマディスプレイパネルであることが好ましい。このようなプラズマディスプレイパネルを用いることにより、光源の大きさを小さくすることができるので、より小型のプラズマディスプレイとすることができ、電力料も大幅に削減できるからである。
なお、本発明は、以下のようにして製造される有機無機ハイブリッドガラス状物質を用いることが好ましい。すなわち、出発原料は金属アルコキシドであり、その原料とする金属アルコキシドと水、酸触媒及びアルコールによる混合工程の後、加熱反応工程、溶融工程及び熟成工程を経て製造される有機無機ハイブリッドガラス状物質である。この有機無機ハイブリッドガラス状物質は、ゾルゲル法の原料の酸化物前駆体から得られる生成物が溶融性を有すること、さらには1〜3日間を要していたゲル化工程をなくすことができるという特徴を有している。
原料とする金属アルコキシドは有機置換基で置換されたアルコキシシランであり、有機置換基としてフェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、t−)、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、メルカプトメチル基、メルカプトプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-トリフルオロアセトキシプロピル基、ビニル基、ベンジル基、スチリル基等から、アルコキシル基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−、i−)等からなる金属アルコキシドから選ばれることが好ましい。これらは、有機無機ハイブリッドガラス状物質、特に室温以下の低軟化となる透明状物質を製造する上で極めて有用な原料である。なお、上記以外の金属アルコキシドでも良い。また、金属アセチルアセトナート、金属カルボン酸塩、金属硝酸塩、金属水酸化物、及び金属ハロゲン化物等、ゾルゲル法で使われているものであれば製造は可能であるが、フェニル基を含むことがさらに好ましい。
混合工程では、触媒を用いることが好ましい。これらの触媒については、従来のゾルゲル法で使われてきたアルカリ触媒及び酸触媒で問題はないが、アルカリ触媒としてはアンモニアが、酸触媒としては塩酸、酢酸がより好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノ-ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ-ル、2−ブタノール、1.1−ジメチル−1−エタノール等が代表的であるが、これらに限定される訳ではない。
溶融工程に入る前、すなわち、出発原料の混合工程と加熱による溶融工程との間に、加熱反応工程を有することが好ましい。この加熱反応工程は40℃以上100℃以下の温度で行われることが好ましい。この温度域以外では、その構造中に有機官能基Rを持つ金属ユニット、例えば(RSiO(4−n)/2)(n=1、2、3から選択)で表されるケイ素ユニット、さらに、詳細には、フェニル基の金属ユニット(PhSiO(4−n)/2)、メチル基の金属ユニット(MeSiO(4−n)/2)、エチル基の金属ユニット(EtSiO(4−n)/2)、ブチル基の金属ユニット(BtSiO(4−n)/2)(n=1〜3)などを適切に含有させることができないため、ガラス溶融のできる有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることは極めて難しくなる。
なお、この有機官能基Rは、アルキル基やアリール基が代表的である。アルキル基としては、直鎖型でも分岐型でもさらには環状型でも良い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、t−)、ペンチル基、ヘキシル基(炭素数:1〜20)などが挙げられ、特に好ましいのはメチル基とエチル基である。さらに、アリール基としては、フェニル基、ピリジル基、トリル基、キシリル基などがあり、特に好ましいのはフェニル基である。当然ながら、有機官能基は上述のアルキル基やアリール基に限定されるものではない。
加熱による溶融工程は40℃以上500℃以下の温度で処理されることが好ましい。40℃よりも低い温度では、実質上溶融できない。また、500℃を超えると、網目を形成する金属元素と結合する有機基が燃焼するために所望の有機無機ハイブリッドガラス状物質を得られないばかりか、破砕したり、気泡を生じて不透明になったりする。望ましくは、100℃以上300℃以下である。
熟成工程では30℃以上400℃以下の温度で処理する。30℃よりも低い温度では、実質上熟成できない。400℃を超えると、熱分解することがあり、安定したガラス状物質を得ることは難しくなる。この熟成温度は、溶融下限温度よりも低い温度ではその効果が極めて小さくなる。一般的には、溶融下限温度〜(溶融下限温度+150℃)程度が望ましい。さらに、熟成に要する時間は5分以上必要である。熟成時間は、その処理量、処理温度及び反応活性な水酸基(−OH)の許容残留量により異なるが、一般的には5分未満では満足できるレベルに到達することは極めて難しい。また、長時間では生産性が下がってくるので、望ましくは10分以上1週間以内である。なお、熟成する場合において、40℃〜230℃の温度かつ1.5×10−5kPa以下の圧力下で行われる第1熟成と大気圧下70℃〜350℃で行われる第2熟成の2つの工程と分けることも有効である。
溶融工程及び熟成工程を経ることにより、安定化した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。従来から行われてきたゾルゲル法では、前記の溶融工程がないため、当然ながらその後の熟成工程もない一方、ゲル体を経るという特徴も有する。このように、従来の有機無機ハイブリッドガラス状物質とは異なった性質を有している。
加熱反応工程の上限温度は沸点が100℃を越すアルコール、例えば118℃の1−ブタノールを用いる場合では100℃以下であるが、沸点が100℃以下のアルコールでは沸点も考慮する方が望ましい。例えば、エタノールを用いる場合は、その沸点の80℃以下とした方が良い結果となる傾向にある。これは、沸点を越えると、アルコールが急激に蒸発するので、アルコール量や状態変化から均一反応が達成されにくくなるためであると考えられる。
この熱処理に要する時間は、30分〜5時間程度であるので、ゲル化に1〜3日を要していた従来のゾルゲル法による処理時間とは大きく異なる。なお、この加熱反応工程後、すぐに溶融工程に入っても良いし、一度冷却してから溶融工程に入っても良い。
なお、この有機無機ハイブリッドガラス状物質の軟化温度が80℃以上400℃以下であることが好ましい。80℃未満では得られる有機無機ハイブリッドガラス状物質の化学的安定性が低く、400℃を越すと溶融性を有しなくなる場合が多いためである。より好ましくは100℃以上380℃以下、さらに好ましくは100℃以上350℃以下である。ここで、有機無機ハイブリッドガラス状物質の軟化温度は、10℃/minで昇温したTMA測定から判断することができる。すなわち、上記条件で収縮量を測定し、収縮量の変化開始温度を軟化温度とする。この軟化温度は軟化点(Logηが7.6となる温度)とほぼ同等と考えて良い。
以下、実施例に基づき、述べる。
出発原料として金属アルコキシドのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt)3)約10mlとジエトキシジフェニルシラン(Ph2Si(OEt)2)約2mlの混合系を用い、そのモル比は8:2とした。容器中でフェニルトリエトキシシランとジエトキシジフェニルシランに約45mlの水(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は50)、約30mlのエタノール(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は10)、触媒である酢酸を約0.5ml(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は0.01)加え、加熱反応工程として60℃で3時間撹拌後、150℃に上げ1時間溶融した。溶融後に200℃で5時間熟成した後、室温まで冷却し、厚さ約3mmの透明状物質を得た。
10℃/minで昇温したTMA測定での収縮量変化から軟化挙動開始点を求め、その開始温度を軟化温度としたところ、この物質の軟化温度は108℃であった。この物質のTMA曲線を図2に示す。また、JEOL社の磁気共鳴測定装置CMX−400型でケイ素ユニットRnSiO(4-n)/2(R:有機官能基、n:1〜3)が存在していることを確認した。不規則網目構造を有していたことも考慮すると、今回得た透明状物質は有機無機ハイブリッドガラス構造をとる物質、すなわち有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
この有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率を測定したところ、4.5であった。この測定は東陽テクニカ社製の誘電率測定装置SI1255型を用い、20℃で10Hzの結果である。また、このガラス板を日立製作所製の分光光度計U−4000型を用いて、波長300〜800nmの可視光線透過率を測定したところ、波長550nmでの可視光透過率は約86%であったので、30μm厚での可視光線透過率は97%と推定した。
次に、前面板ガラスとして市販されている70mmx70mmで2.9mm厚のソーダ石灰ガラス板を準備した。そのソーダ石灰ガラス板に、電極として銀を63μmの幅、約4μmの深さでプリントした。さらに、その周りを前述の有機無機ハイブリッドガラス状物質でシールし、熱処理して透明の低誘電体層を得た。すなわち、有機無機ハイブリッドガラス状物質をアセトン等の有機溶媒と混合し、室温でペースト状とした後にアプリケーターを用いて塗布し、約100℃の温度で乾燥させ、焼成炉内を1.3×10−5kPaの真空度に保ちながら、180℃で30分間熱処理した。さらに、大気圧下250℃で1時間の焼成を行うことにより、透明の低誘電体層を得た。さらに、MgOの保護膜も付与し、プラズマディスプレイ用前面板と同じ構成のガラス板を得た。このガラス板を分光光度計で測定したところ、このガラス板の波長550nmでの可視光透過率は約85%であった。なお、塗布後の有機無機ハイブリッドガラス状物質の厚さは約30μmであった。このようにして得られたガラス板をプラズマディスプレイと同様の仕様にして検討したところ、従来タイプのものよりも電力料で約10%の削減が図れる結果となった。
(実施例2)
実施例1で得られたものと同様の有機無機ハイブリッドガラス状物質を70mmx70mmで3.0mm厚のガラス板とした。次に、電極として銀を63μmの幅、約4μmの深さでプリントし、その周りを新しく作製した有機無機ハイブリッドガラス状物質でシールし、熱処理して透明の低誘電体層を得た。すなわち、新しく作製した有機無機ハイブリッドガラス状物質の溶融性を利用し、約150℃の温度で溶融した後に180℃で30分間熱処理した。さらに250℃まで昇温し、大気圧中で1時間焼成することにより、透明の誘電体層を得た。さらに、MgOの保護膜も付与し、プラズマディスプレイ用前面板と同じ構成のガラス板を得た。このガラス板を分光光度計で測定したところ、このガラス板の波長550nmでの可視光透過率は約87%であった。なお、塗布後の有機無機ハイブリッドガラス状物質の厚さは約30μmであった。このようにして得られたガラス板をプラズマディスプレイと同様の仕様にして検討したところ、従来タイプのものよりも電力料で約12%の削減が図れる結果となった。
(比較例1)
源としてほう酸を、ZnO源として亜鉛華を、BaO源として硝酸バリウムを、PbO源として鉛丹を使用し、これらを所望のガラス組成となるべく調合したうえで、白金ルツボに投入し、電気加熱炉内で1100〜1400℃、1〜2時間で加熱熔融して、Bが約45%、ZnOが約30%、BaOが約1%、PbOが約24%のガラスを得た。このガラスを実施例と同様にして、ソーダ石灰ガラス板の上に塗布し、プラズマディスプレイ用前面板と同じ構成のガラス板を得た。このガラス板を分光光度計で測定したところ、このガラス板の可視光透過率は約68%であった。なお、塗布後のこの低融点ガラスの厚さは約30μmであり、このガラスの可視光線透過率は約75%であった。
PDPを始めとするディスプレイ部品の封着・被覆用材料、光スイッチや光結合器を始めとする光情報通信デバイス材料、LEDチップを始めとする光学機器材料、光機能性(非線形)光学材料、接着材料等、低融点ガラスが使われている分野、エポキシ等の有機材料が使われている分野に利用可能である。
本発明の利用例を説明するために示すプラズマディスプレイ用パネルの概略図である。 実施例1で示したTMA曲線。
符号の説明
1 前面ガラス板
2 背面ガラス板
3 封止材
4 透明電極
5 バス電極
6 透明誘電体
7 保護膜
8 アドレス電極
9 白色誘電体
10 蛍光体
11 隔壁
12 紫外線
13 可視光

Claims (10)

  1. ディスプレイパネル用の低誘電体材料として用いられる有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  2. 有機無機ハイブリッドガラス状物質の誘電率が2.5以上9以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス状物質。
  3. 有機無機ハイブリッドガラス状物質が溶融する特性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス状物質。
  4. 有機無機ハイブリッドガラス状物質がフェニル基を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス状物質。
  5. 有機無機ハイブリッドガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス状物質。
  6. 有機無機ハイブリッドガラス状物質の30μm厚での可視光透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス状物質。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス状物質を用いたことを特徴とするディスプレイ用ガラス板。
  8. 請求項7に記載されたディスプレイ用ガラス板を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用前面板。
  9. 可視光透過率が5mm厚換算で75%以上であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル用前面板。
  10. 請求項7に記載されたディスプレイ用ガラス板又は請求項9に記載されたプラズマディスプレイパネル用前面板を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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