JP2005290313A - 履物用部品接着用プライマー - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
熱可塑性エラストマー、或いは熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの重合体と、有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマーおよび、熱可塑性エラストマー、或いは熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの重合体と、光重合触媒、有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマーである。
【効果】
本発明の履物用部品接着用プライマーは塩素を含有せず、無処理の各種オレフィン系樹脂へ優れた密着性を示すものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オレフィン系エラストマーよりなる履物用部品の接着用プライマーに関するものである。
履物用部品、例えば、スポーツシューズ等の靴底(主にミッドソール)には樹脂の架橋発泡体が使用されている。代表的な発泡体としては加硫ゴムおよび軟質オレフィン系プラスチック、たとえばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)の発泡体が広く用いられてきた。最近コストや性能面の問題から代替素材としてエチレン・α−オレフィン共重合体が提案されている。しかしながらこのようなオレフィン系エラストマーは非極性であるため従来の接着剤では接着が極めて困難である。
一般にオレフィン系樹脂を塗装、接着する際には、その表面を活性化することにより表面への付着性を改良するといったことが行われてきた。例えば、自動車用バンパーではその表面をトリクロロエタン等のハロゲン系有機溶剤でエッチング処理することにより塗膜との密着性を高めたり、又はコロナ放電処理やプラズマ処理、もしくはオゾン処理等の前処理をした後において、目的の塗装や接着を行うといったことがなされてきた。しかしながら、これら従来に知られる、汎用の前処理を用いた塗装や接着においては多大な設備費がかかるばかりでなく、施行に長時間を要し、更には仕上がりが一様でなく、表面処理状態に差を生じやすい原因となっていた。そこで、上記した問題が改善される組成物のものとして、例えば塩素化変性ポリオレフィンを主成分とした組成物が提案されてきた。しかしながら、これらは塩素を含有するため環境への負荷や塗膜にした際の柔軟性が乏しい等の問題があり、使用される分野が限られていた。したがって、従来の上述した問題点を解消できる接着用プライマーの出現が望まれていた。
特公昭50−10916号公報
本発明の課題は、上記の背景技術に記載した問題点を解決し、無処理の各種オレフィン系樹脂に対する優れた密着性を示す履物用部品接着用プライマーを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成する接着用プライマーの開発に鋭意研究及び検討を重ねてきた結果、熱可塑性エラストマー(A)、或いは熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と、有機溶媒からなる樹脂が極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[6]で特定される。
[1]熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマー。
[2]熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と光重合開始剤(D)と有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマー。
[3](1)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを重合させるか、又は、(2)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを重合させたのちラジカルを発生させ反応させるか、又は、(3)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とをラジカルを発生させ反応させてなる樹脂である履物用部品接着用プライマー。
[4]熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)又は共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(B)=1/9〜9/1、或いは(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比で重合させてなる履物用部品接着用プライマー。
[5]熱可塑性エラストマー(A)に、少なくとも一部が官能基で変性されたものを用いた履物用部品接着用プライマー。
[6]前記履物用部品がオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載の履物用部品接着用プラマー
である。
本発明の履物用部品接着用プライマーは塩素を含有せず、無処理の各種オレフィン系樹脂へ優れた密着性を示すものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の履物用部品接着用プライマーは、有機溶剤中、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合せしめた後、或いは熱可塑性エラストマー(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合せしめた後に、さらにラジカルを発生させて反応を行う方法で製造することができる。また、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)を添加した後、ラジカルを発生させて反応を行う方法でも製造することができる。
さらに、熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものに、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合させる、或いは熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものとα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に重合開始剤をフィードしながら重合させる方法やさらにこのようにして得られた樹脂溶液に更にラジカルを発生させ反応を行う方法でも製造することができる。また、熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものに、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)を添加した後、ラジカルを発生させて反応を行う方法でも製造することができる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体で代表される、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンの単独または2種類以上の共重合体の熱可塑性エラストマ−が挙げられる。 上記の中でも、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−オクテン共重合体が好ましく、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準として測定される。)は通常、5,000〜700,000の範囲、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは40,000〜400,000である。
その他、熱可塑性エラストマー(A)としては、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエンランダム共重合体の水素添加物等が挙げられ、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の構成としてはスチレン−共役ジエンのジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。ここで用いられる共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。上記の中でも、スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体の水素添加物が好ましい。ここで用いられる熱可塑性エラストマーは、そのスチレンの含有量が通常2〜60重量%、より好ましくは3〜45重量%の範囲のものである。
また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する)が5,000〜700,000の範囲が好ましく、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物では5,000〜500,000、さらには10,000〜400,000が好ましい。また、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物では10,000〜700,000、さらには50,000〜500,000が好ましい。
上記の熱可塑性エラストマーは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
さらに、熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものは、上記記載の熱可塑性エラストマー、またはこれら2種以上の混合物に、以下記載の官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーを反応させて得られるが、一部に反応しないものを含んでも何ら問題ない。
ここで用いられる、官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド等の窒素化合物、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類が挙げられ、これらは単独でも、2種以上でも使用できる。
上記官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの添加量は通常、熱可塑性エラストマーの重量に対し0.5〜20重量%の範囲、より好ましくは1〜15重量%である。
本発明に用いられる、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を以下に例示する。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C〜C20のα−オレフィン等が挙げられる。また、上記単量体、或いはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。
また、本発明に用いられるその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類等が挙げられる。また、ここに記載されたメチル(メタ)アクリレートのような記載は、メチルアクリレート及びメチルメタアクリレートを示す。これらは、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分として用いることが好ましい。また、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分に、その他共重合可能な単量体を併用することもできる。
本発明で用いられる重合体(C)は、上記記載のα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)により構成される。本発明において、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)或いはこれらの重合体(C)の比率は、重量比で(A)/(B)=1/9〜9/1、或いは(A)/(C)=1/9〜9/1、好ましくは(A)/(B)=2/8〜8/2、或いは(A)/(C)=2/8〜5.5/4.5である。熱可塑性エラストマー(A)の含有量が少なくなると各種ポリオレフィン系基材への密着が低下し、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)或いはこれらの重合体(C)の含有量が少なくなると接着剤に対する密着性が低くなるため、上記範囲が好ましい。
本発明のプライマーを得る際に用いる溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。有機溶媒の量は、熱可塑性エラストマー(A)を有機溶媒に溶解させたときの不揮発分が5〜60重量%となる範囲で用いることができる。
本発明で用いる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
また、更にラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、例えば、光重合開始剤の存在下に光を照射する方法、又は有機過酸化物を添加する方法等、公知の方法を使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート等のカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられるが、これらは単独或いは2種以上併用して用いても良い。又、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のアリルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオールエーテル類等を併用して用いても良い。
上記光重合開始剤の使用量は、前記熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)或いは重合体(C)との総重量に対し、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。
また、有機過酸化物としては、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。本発明では、上記した有機過酸化物のうちでも、ジ−tert−ブチルパーオキサイドやtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好適に用いられる。すなわち、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する有機過酸化物は水素引抜能力が比較的高く、熱可塑性エラストマーとのグラフト率を向上させる効果がある。 上記有機過酸化物の使用量は、熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)或いは重合体(C)との総重量に対し、通常2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。上記した範囲で有機過酸化物を使用する場合は、なるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。
本発明で用いられる光重合開始剤(D)としては紫外線照射によりラジカルを発生するものであればいずれも使用できる。たとえば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート等のカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられるが、これらは単独或いは2種以上併用して用いても良い。又、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のアリルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオールエーテル類等を併用して用いても良い。上記した光重合開始剤のうちでも、ベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン等水素引抜能力が比較的高く、基材との密着性を向上させる効果がある、分子内にベンジル基を有するものがより好適に用いられる。
上記プライマーを製造するにあたり、油脂類、油脂類の誘導体、エポキシ樹脂、ポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上を第3成分として用いることができる。第3成分として用いられる油脂類としては、アマニ油、大豆油、ヒマシ油及びこれらの精製物が挙げられる。第3成分として用いられる油脂類の誘導体としては、無水フタル酸等の多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等の多価アルコールを骨格としたものを油脂(脂肪酸)で変性した短油アルキッド樹脂、中油アルキッド樹脂、長油アルキッド樹脂等、或いはこれにさらに天然樹脂、合成樹脂および重合性モノマーで変性したロジン変性アルキッド樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、エポキシ変性アルキッド樹脂、アクリル化アルキッド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂等が挙げられる。
また、第3成分として用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド、またはエチレンオキサイドを付加しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、多官能アミンをエポキシ基に付加したアミン変性エポキシ樹脂等を用いても良い。さらに、脂肪族エポキシ樹脂、脂環エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、第3成分として用いられるポリエステルは、カルボン酸成分とアルコール成分を縮重合したものであり、カルボン酸成分として例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸等の多価カルボン酸およびその低級アルコールエステル、パラオキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、および安息香酸等の1価カルボン酸等を用いる事ができ、また2種類以上併用する事も可能である。
また、アルコール成分として例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2’−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等を用いることができ、また2種類以上併用する事も可能である。
また、水酸基を有する上記ポリエステルに、分子内に重合性不飽和結合を有する無水カルボン酸を付加させることによって得られた分子内に重合性不飽和結合を含有させた樹脂も使用可能である。上記、第3成分は、1種類でも使用できるし、2種類以上で併用しても何ら構わない。また、反応器中へフィードしながら添加することも、また最初に反応器内に仕込んで使用することも可能である。また第3成分の添加量は、樹脂成分に対し通常0.5〜60重量%、好ましくは2〜40重量%で用いる。特に、第3成分として油脂類及び油脂類の誘導体を用いて得られたプライマーは、とりわけ各種オレフィン系樹脂との相溶性が良く、接着剤との密着が良好で、特にヒマシ油を含むものは効果が大きい。
以上説明したような有機溶媒中における反応により得たプライマーについては、例えば、反応時の溶媒を脱溶媒した後、所望の溶剤を添加して樹脂を溶解・分散させる方法、或いは所望の溶媒を添加した後、反応時の溶媒を脱溶媒する方法等により、所望の溶媒組成の樹脂溶液に変更することもできる。
本発明のプライマーがとる構造としては、相分離構造がある。具体的には、熱可塑性エラストマー(A)、熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性された樹脂を中心とした成分と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体を中心とした成分がそれぞれ相を形成する。その構造は、一方がマトリックスを形成し、他方が球状、楕円等の独立相を有する海島構造や、両方の樹脂がそれぞれ相構造を持ち、その相構造が3次元的に連続している相分離構造、即ち共連続構造をとるものがある。海島構造をとるものは部分的に島同士がつながったものを有していても良く、また共連続構造を有するものは部分的に途切れた箇所や海島構造を含有していても良い。
これらの構造において、海島構造を有するものは、その平均粒子径が0.0001〜10μmの範囲が好ましく、0.0005〜5μmの範囲がさらに好ましい。また、共連続構造を有するものは、その網目の寸法は、厚さ方向に0.0001〜10μmの範囲が好ましく、0.0005〜5μmの範囲がさらに好ましい。
また、本発明のプライマーは、必要に応じて、アゾ顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アゾ染料、アントラキノン系染料等の染料、酸化チタン、モリブデン、カーボンブラック等の無機顔料等の着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定剤、添加剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有させることができる。
本発明のプライマーの塗布方法は特に限定するものではなく、たとえば、噴霧塗布、刷毛塗り等により塗布を行うことができる。塗布は通常、常温にて容易に行うことができ、光重合開始剤(D)を含有するものについては塗布後に紫外線を照射するのが好適である。紫外線を照射する方法については、特に限定されることはなく、被塗物が変形したり、変色したりしない程度の強度で紫外線を照射する。また塗布後の乾燥方法についても特に限定はなく、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法で乾燥することができる。
本発明のプライマーはポリオレフィン系樹脂からなる履物用部品接着用プライマーとして広く使用することができる。たとえばポリオレフィン系発泡体からなるミッドソールとインソール(ポリウレタン製等)およびアウトソール(ゴム製等)の接着を行う際のポリオレフィン用プライマーとして使用する事ができる。
以下、本発明のプライマーの製法および各種試験例を挙げ、更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、以下において、部および%は特記していない限り重量基準である。
[実施例1]
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてダイナロン1320Pを100部とメチルシクロヘキサン(以下MCHと略す)を350部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を6部添加、分散させた後、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、PBOと略記する)を6部添加して1時間反応させた。その後MCHを200部添加して、熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いで、反応器内を95℃に保持したまま、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート45.5部とエチルアクリレート36.8部と2−ヒドロキシエチルメタアクリレート10部とプラクセルFM−3を6.7部とメタクリル酸1部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後に、PBOを0.5部添加し、更に1時間後にPBOを0.5部添加した。このPBO添加より2時間放置して反応させプライマーを得た。なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたダイナロン1320PはJSR(株)製の水素添加スチレン−ブタジエン共重合体で、官能基を有する重合性モノマーとして用いたプラクセルFM−3はダイセル化学工業(株)製の不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエーテル修飾ε−カプロラクトンである。
ある。
[実施例2]
実施例1で得られたプライマーに光重合開始剤(D)であるイルガキュア500(商品名;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンの共融混合物)を樹脂成分100部に対して2部添加し、プライマーを得た。
[実施例3]
実施例1で得られたプライマーに光重合開始剤(D)であるイルガキュア184(商品名;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)を樹脂成分100部に対して2部添加し、プライマーを得た。
[比較例1]
上記プライマーを使用せず以下の接着評価を行った。
<<接着評価>>
上記で得られたプライマーを、実施例に用いたものと同一の溶剤を添加し、不揮発分が10%になるように調整した。次いで、特開2000−344924号公報の実施例1に記載された方法によって作製された発泡体を混合溶剤(メチルシクロヘキサン/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=65部/20部/15部)に1分間浸漬した後、乾燥後の膜厚が3μmとなるように上記プライマーを刷毛で塗布して乾燥させた。
実施例2および3に記載のプライマーについては、次いで80W/cmの高圧水銀灯1灯を通過方向と垂直に設置した紫外線照射装置(日本電池(株)製、EPSH−600−3S型)を用い、光源下15cmの位置に置いてコンベアスピードを10m/分の速度で移動させ紫外線を照射した。また、比較例については、上記の溶剤浸漬を行った発泡体をそのまま使用し、下記の2方法で接着評価を行った。
<評価1>
上記の処理を施した発泡体表面に、水性ウレタン樹脂(東成化学(株)製、製品名:BOND ACE W−01)を乾燥後の膜厚が5μmとなるように刷毛で塗布して乾燥させたものと、アセトン拭きした合成ゴムシート(JSR(株)製、商品名:NIPOLBR1221)に乾燥後の膜厚が1μmとなるようにプライマー(東成化学(株)製、商品名:D−PLY 007)を塗布した後、さらに乾燥後の膜厚が5μmとなるように水性ウレタン樹脂(東成化学(株)製、製品名:BOND ACE W−01)を刷毛で塗布して乾燥させたものとを60℃下、40kg/mの力で10秒間圧着し、48時間
放置した。
上記のようにして得られたものを2cm×10cmに切断し試験片を得た。上記試験片の一端を固定し、中央部付近から90°に折り曲げ、次いで反対方向に90°折り曲げ、これを1回として、10000回屈曲を行った後プライマーと発泡体の界面の状態を観察し剥離がみられるものを×とし、剥離のみられないものについて、強制剥離を行い、発泡体との界面で剥離したものを○、発泡体の材料破壊をおこしたものを◎とし、その結果を表1に示した。
<評価2>
上記の処理を施した発泡体表面に、水性ウレタン樹脂(東成化学(株)製、製品名:BOND ACE W−01)を乾燥後の膜厚が5μmとなるように刷毛で塗布して乾燥させたものと、ウレタンシート(Dae Jin Synthesis Chemical製、DRY方式のシューズ用ポリウレタンシート)に乾燥後の膜厚が1μmとなるようにプライマー(東成化学(株)製、商品名:BOND ACE 232H)を塗布した後さらに乾燥後の膜厚が5μmとなるように水性ウレタン樹脂(東成化学(株)製、製品名:BOND ACE W−01)を刷毛で塗布して乾燥させたものとを60℃下、40kg/mの力で10秒間圧着し、48時間放置した。
上記のようにして得られたものを2cm×10cmに切断し試験片を得た。上記試験片の一端を固定し、中央部付近から90°に折り曲げ、次いで反対方向に90°折り曲げ、これを1回として、10000回屈曲を行った後プライマーと発泡体の界面の状態を観察し剥離がみられるものを×とし、剥離のみられないものについて、強制剥離を行い、発泡体との界面で剥離したものを○、発泡体の材料破壊をおこしたものを◎とし、その結果を表1に示した。
Figure 2005290313
本発明の履物用部品接着用プライマーは、履物用部品、たとえばポリオレフィン系発泡体からなるミッドソールと、インソール(ポリウレタン製等)およびアウトソール(ゴム製等)の接着を行う際のポリオレフィン用プライマーとして使用する事ができる。

Claims (6)

  1. 熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマー。
  2. 熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と光重合開始剤(D)と有機溶媒からなる履物用部品接着用プライマー。
  3. (1)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを重合させるか、又は、(2)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを重合させたのちラジカルを発生させ反応させるか、又は、(3)有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とをラジカルを発生させ反応させてなる樹脂である請求項1又は2記載の履物用部品接着用プライマー。
  4. 熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)又は共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(B)=1/9〜9/1、或いは(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比で重合させてなる請求項1又は2記載の履物用部品接着用プライマー。
  5. 熱可塑性エラストマー(A)に、少なくとも一部が官能基で変性されたものを用いた請求項1又は2記載の履物用部品接着用プライマー。
  6. 前記履物用部品がオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載の履物用部品接着用プライマー。
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