JP2005290366A - フィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニット。 - Google Patents
フィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニット。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
フィルターや、フィルターを用いたマスク、フィルターユニット用のフィルムとして花粉や塵、病菌などの通過を防ぎ、滅菌処理や使用時における微細孔の変形や閉孔が少なく、フィルターやマスク、フィルターユニットに好適なフィルムを提供する。
【解決手段】
表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を有し、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有する微多孔性ポリプロピレンフィルムであって、β晶分率が30%以上であるポリプロピレンを含むフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
フィルターや、フィルターを用いたマスク、フィルターユニット用のフィルムとして花粉や塵、病菌などの通過を防ぎ、滅菌処理や使用時における微細孔の変形や閉孔が少なく、フィルターやマスク、フィルターユニットに好適なフィルムを提供する。
【解決手段】
表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を有し、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有する微多孔性ポリプロピレンフィルムであって、β晶分率が30%以上であるポリプロピレンを含むフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、フィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニットに関するものである。詳しくは、フィルターユニットやマスクに用いられるフィルター用のフィルムとして花粉や塵、病菌などの通過を防ぎ、滅菌処理や使用時における微細孔の変形や閉孔が少なく、フィルターユニットやマスクに好適なフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニットに関するものである。
従来より、マスクやフィルターユニットに用いられるフィルターには、繊維織布や不織布が多く用いられている。これらのフィルターは、目が粗く、花粉、粉塵、エアロゾル、細菌などの空気中に含まれる微粒子の通過を防ぐことは困難であった。また、繊維織布や不織布では繊維屑が発生するために半導体工学、精密機械加工、食品加工などの作業の場における使用に適切ではなかった。
そのため、長繊維を用いて塵の発生を抑えた不織布などが開発されている(例えば特許文献1)。しかし、不織布では、完全に塵の発生をなくすことは困難である。
また、微細な貫通孔を有する多孔質構造を持つフィルムを用いたフィルターやマスクが開発されている(例えば特許文献2)。しかし、多孔質構造を形成するために粒子を添加すると使用時に粒子が脱落する場合があり、マスクとして使用した場合には脱落した粒子を吸入してしまうおそれがある。また、粒子を添加しない場合には滅菌処理などの加工時や使用時に微細孔の変形や閉孔を生じて微粒子の補足効果が低下したり、空気透過性や透湿性の低下を生じる場合がある。
特開平5−261163号公報(請求項1)
特開2003−206564号公報(請求項1〜5)
本発明は、フィルターユニットやマスクに用いられるフィルター用のフィルムとして花粉や塵、病菌などの通過を防ぎ、滅菌処理や使用時における微細孔の変形や閉孔が少なく、フィルターユニットやマスクに好適なフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニットを提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点を解決する為に、主として、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を有し、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有する微多孔性ポリプロピレンフィルムにより構成されるフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムである。
また、前記ポリプロピレンはβ晶分率が30%以上のポリプロピレンであり、好ましい態様として、結晶核剤を0.01〜10重量%含有してなるフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムである。
また好ましい態様として、空隙率が50%以上であり、120℃で30分間熱処理した後のガーレー透気度の悪化が10%以下であるフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムである。
また、好ましい態様として、前記微細な孔の平均細孔直径が0.02〜3μmであり、さらに好ましくは0.03〜3μmであり、フィルムの長手方向と幅方向の弾性率の和が500MPa以上であるフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれよりなるフィルター及び該フィルターを用いてなるマスク及びフィルターユニットである。
本発明によれば、以下に説明するとおり、フィルター用として優れた特性を有する多孔質ポリプロピレンフィルムを提供することができる。
(1)表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を多数有し、高い空隙率を示し、透気度が高く、120℃で30分間熱処理した後の透気度の悪化が小さいことにより、加熱滅菌処理などの加工が可能であり、フィルターユニットやマスクに用いた場合に、給排気の困難性や息苦しさなどを防ぐことができる。
(2)少なくとも2種類の結晶形態を有し、また、ポリプロピレンが一定割合以上のβ晶分率を示し、結晶が結晶核剤を一定割合添加してなることにより、実質的に無核の微細な孔を安定して形成することができ、塵や脱落粒子の発生しない多孔質フィルムを得ることができる。
(3)微細な孔の平均細孔直径を特定の範囲とすることにより、空気の透過を阻害することなく花粉、粉塵、エアロゾルや細菌などの空気中に含まれる微粒子の通過を防ぐことができる。
(4)樹脂として化学的に安定なポリプロピレンを使用することにより、医薬分野用、工業用、電子部品用などの化学薬品を使用する環境での使用に適合する。
(5)高い弾性率を有し、熱的に安定であることにより、着用時や加工時における微細孔の変形や閉孔を防ぐことができる。
以下、本発明のフィルムを得る最良の形態、ならびに本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムのフィルター、マスク及びフィルターユニットへの適用における形態について説明する。
本発明のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムは、表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を有し、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有することが必要である。より好ましくは140〜172℃、特に好ましくは140〜165℃に少なくとも一個の融点を有することが、微細な孔の変形などを防ぐために好ましい。全ての融解温度が140以下では、加工時や滅菌処理時の熱により微細な孔が閉塞するおそれがあり全ての融解温度が175℃を越えると、延伸時にフィルムが破れやすく、製膜性が悪化するおそれがある。さらに、本発明のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムは、微細な孔の形成効率の観点から、少なくとも2個の融点を有することが好ましく、140〜160℃、および160〜175℃の範囲にそれぞれ少なくとも1個の融点を有することがさらに好ましく、142〜155℃、および163〜172℃の範囲にそれぞれ少なくとも1個の融点を有することが特に好ましい。
本発明において表裏に貫通したとは、微細な孔が表面から反対の表面まで連続し、かつ孔が連結部分を有していることを指し、フィルムの表面より流動パラフィン(一級)を1ml滴下して1時間静置した後に、フィルムの内部を流動パラフィンが通過することによって孔が埋まり、滴下部のJIS Z8120に規定された光学濃度が低下することを指す。
140〜175℃に少なくとも一個の融点を有するポリプロピレン樹脂としては、ホモのポリプロピレンもしくは、プロピレンにプロピレン以外の第2成分、例えばエチレン又はα−オレフィンとして、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなどを1〜15重量%ランダムまたはブロックに共重合させたものなどを用いることができる。また、上記ポリプロピレン樹脂に、メタロセン触媒法による直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン−エタクリレート(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンコポリマー、イソプレンゴム(IR)、スチレン系共重合体として、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、水添スチレンブタジエンラバー(HSBR)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などのエラストマー成分を共重合または添加することができる。ポリプロピレン樹脂にエラストマー成分を共重合または添加する場合、共重合量または添加量は0.1〜15重量%であることが、柔軟性の付与による加工性の向上、着用時の不快感の軽減及び孔の均一性の向上のために好ましい。共重合量および添加量が0.1重量%未満では添加効果を発現することができず、15重量%を越えると分散不良が起こり、ゲル状の突起が形成されたり、耐熱性が低下して加工性の悪化や殺菌処理時に孔の変形や閉孔が起こるおそれがある。
本発明において、融点とは、ポリプロプレンフィルムを、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で、5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴って現れる吸熱ピークのピーク温度を指す。
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂は、結晶形態としてβ晶を30%以上含むポリプロピレンであることが、微細な孔を多数形成するために必要である。より好ましくはβ晶の比率が40%以上、さらに好ましくは50%以上であることが均一な孔の形成の観点から好ましい。β晶比率が30%未満では孔の形成が不十分となるおそれがある。β晶比率の上限は、本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されないが、フィルムの強度や孔の巨大化を防止する観点から、95%以下であることが好ましい。
ここで、本発明のフィルムにおけるポリプロピレンのβ晶比率とは、本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムを、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、走査型差動熱量計(DSC)により、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)から、下記式:
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100。
により求めたものである。
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100。
により求めたものである。
本発明のポリプロピレン樹脂、特にポリプロピレンにおいて、β晶比率を30%以上とするための方法としては、β晶核剤を添加する、結晶化速度を遅くするなどの方法があるが、β晶を安定して形成させるために、β晶核剤を添加することが好ましい。β晶核剤の添加量は添加量は、使用するβ晶核剤のβ晶形成効果によるが、0.01〜10重量%とすることがβ晶比率の制御のために好ましい。より好ましくは0.03〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%とすることがβ晶の形成と経済性の観点から好ましい。添加量を0.01重量%未満とした場合にはβ晶比率を30%以上とすることが困難であり、10重量%以上とした場合には、経済性が悪化する。
本発明で用いるβ晶核剤としては、2塩基酸脂肪族系、周期律表第2族アルカリ土類金属の酸化物、アニリン系誘導体、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、安息香酸ナトリウム、1.2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、コハク酸マグネシウムなどのカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩、二もしくは三塩基カルボン酸のジまたはトリエステル類、ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の 芳香族スルホン酸化合物、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系の顔料等の他、脂肪族、脂環式芳香族のアミン酸系ジアミドおよび有機二塩基酸成分と周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分からなるもの等が挙げられる。これらのβ晶核剤は、1種類のみを使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。β晶核剤としては、特に、下記式:
R1−NHCO−R2−CONH−R3 (1)
で示される一般式のアミド系化合物を1種類以上使用することが、高いβ晶生成効果の発現のために好ましい。
R1−NHCO−R2−CONH−R3 (1)
で示される一般式のアミド系化合物を1種類以上使用することが、高いβ晶生成効果の発現のために好ましい。
ここで、式中のR1は、炭素数1〜28の飽和あるいは不飽和の脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸残基、又はアミノ酸残基を示し、R2、R3は同一及び/または異なる、炭素数3〜18のシクロアルキル基、シクロアルケニル基で示される。
上記一般式(1)におけるアミド系化合物としては、アジピン酸ジアニリド、スペリン酸ジアニリド、N,N’−ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−−4,4’−ビフェニルジカルボキシアミド、N,N’−ビス(p−エチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N’−ビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヘキサンジアミド、p−(N−シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、δ−(N−ベンゾイルアミノ)−N−吉草酸アニリドなどが挙げられる。特に、β晶の生成効果と分散性の観点から、アミド系化合物はN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミドであることが好ましい。
本発明のポリプロピレンのアイソタクチックインデックス(II)は90%以上、より好ましくは95%以上であることが、製膜安定性、フィルムの強度の観点から好ましい。また、該ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は230℃、2.16kgの条件において、1〜20g/10分であることが、押出成形性及び微細な孔の均一な形成の観点から好ましい。
また、本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、実質的に無核の微細な孔を有することが必要である。微細な孔の形成のために、孔の核となる非相溶性樹脂や無機又は有機の粒子を添加すると、該樹脂や粒子が核となり孔が安定して形成することができるが、延伸時に添加剤の分散性不良または凝集によって巨大な孔が形成され、花粉や粉塵、エアロゾル、細菌などの微粒子の捕捉性が悪化するほか、フィルターやマスク、フィルターユニットの製造時及び/または使用時に該樹脂や粒子が脱落するおそれがあり、無塵性を損ね、作業者や着用者の健康を阻害するおそれがある。
ここで、実質的に無核の孔を有するとは、フィルムの断面を、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡を用いて8000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、1000μm2当たりに存在する全ての境界線を有する単独の気泡である孔の数と、該単独気泡の内部に、サンプルに付着した塵以外の、孔の核となる円形や多角形などの形状の独立した粒が存在する孔の数を数え、核を有するボイド数を全ボイド数で割った値が、5%以下を実質的に無核の孔を有するとした。なお、フィルムの断面観察においては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ10箇所の断面写真計10枚を使用した。
本発明のポリプロピレンには、孔中に核を形成しない範囲において、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、充填剤などを配合することができる。
本発明において多孔質であるとは、固体部と空隙が混ざり合っていることをいい、フィルムの断面を8000倍に拡大観察した場合に孔の部分と固体部分が混ざり合って存在していることを指す。
本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、空気の透過性などの観点から、空隙率が50%以上であることが好ましい。より好ましくは55〜90%、さらに好ましくは60〜80%であることが、空気の透過性、花粉や粉塵、エアロゾル、細菌などの空気中に含まれる微粒子の捕捉性、フィルムの強度の観点から好ましい。空隙率が50%以下である場合には、フィルターユニットやマスクとして用いた場合に吸排気の困難性や息苦しさを生じさせるおそれがあるほか、多数の微粒子を捕捉した場合に目詰まりを起こしやすくなるおそれがある。
また、本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムにおける微細孔の平均細孔直径は0.02〜3μm、さらには0.03〜3μmであることが、空気の透過性の確保、花粉、粉塵、エアロゾルや細菌などの空気中に含まれる微粒子の捕捉のために好ましい。より好ましくは0.03〜2.5μmであり、さらに好ましくは0.03〜2μmであり、0.03〜1.5μmであることが、空気の透過性と微粒子の捕捉性能の観点から特に好ましい。平均細孔直径が0.02μm以下である場合には空気の透過性を阻害し、吸排気の困難性や息苦しさを生じさせるおそれがあり、3μm以上では、長径および/または短径が細孔直径以下である微細な粉塵、エアロゾルや細菌などの捕捉性が低下する。
本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、120℃で30分間熱処理した後のガーレー透気度の悪化が、熱処理に比べて10%以下であることが、加工や滅菌処理における微細孔の変形や閉孔の防止の観点から好ましい。より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下であることが好ましい。ガーレー透気度が120℃で30分間の熱処理後に10%以上悪化する場合には、フィルムを目的のフィルター形状または目的のマスク形状、フィルターユニット形状に成形することが困難となるほか、フィルムを滅菌処理することができず、医療用などの滅菌処理を必要とする用途に適合しえない。ここで、ガーレー透気度とは、JIS P8117に準じてガーレー式によって測定された、空気100ccが試験片を通過するのに要する時間(秒)を指す。また、ガーレー透気度が悪化するとは、熱処理後のガーレー透気度の数値が熱処理前のガーレー透気度の数値と比較して大きくなっていることを指す。ここで、熱処理前のフィルムのガーレー透気度は、使用する形態によって差異はあるものの、マスクの構成要素となるフィルターに用いる場合には十分な微粒子の捕捉性能および呼吸の阻害を防止する観点から、1〜400秒/100cc、より好ましくは1〜300秒/100cc、特に好ましくは1〜200秒/100ccであることが好ましい。但し、マスクの形状によっては、10〜400秒/100cc、より好ましくは20〜300秒/100cc、特に好ましくは50〜200秒/100ccであることが好ましい場合がある。また、フィルターユニットの構成要素となるフィルターに用いる場合には、微粒子の捕獲性能と吸排気の観点から、1〜500秒/100cc、より好ましくは1〜400秒/100cc、特に好ましくは1〜300秒/100ccであることが好ましい。但し、フィルターユニットの形状によっては、10〜500秒/100cc、より好ましくは20〜400秒/100cc、特に好ましくは50〜300秒/100ccであることが好ましい場合がある。また、マスクとフィルターユニットに共通して用いることができるフィルターとする場合には、微粒子の捕捉性能と吸排気、呼吸を阻害しない観点から、1〜400秒/100cc、より好ましくは1〜300秒/100cc、特に好ましくは1〜200秒/100ccであることが好ましい。但し、マスクやフィルターユニットの形状によっては、10〜400秒/100cc、より好ましくは20〜300秒/100cc、特に好ましくは50〜200秒/100ccであることが好ましい場合がある。ガーレー透気度が小さすぎる場合には、微粒子の捕捉性が十分でない場合があり、ガーレー透気度が大きすぎる場合には、呼吸や吸排気が困難となる場合がある。
また、本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、フィルムの長手方向と幅方向の弾性率の和が500MPa以上であることが着用時や加工時における微細孔の変形を防ぐために好ましい。弾性率の和が500MPa以下では、孔が実質的に無核であるために、着用時や加工時において微細孔の変形により孔径が拡大され、花粉や粉塵、エアロゾル、細菌などの微粒子の捕捉性が悪化するおそれがある。また、本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムにおいて弾性率の和の上限は特に制限されないが、マスクとして使用した場合の着用時の不快感の軽減や、マスクやフィルターユニットに用いる場合の加工性の観点から、3000MPa以下であることが好ましい。
本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、粒子の捕捉性の向上や目詰まりの防止などの目的により、平均孔径のそれぞれ違う層を重ねた積層構造とすることができる。積層構造は、延伸前に形成されても、一軸または二軸に延伸した後に形成されてもよい。
次に、本発明のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムの製造方法について、一例を説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムの単層のフィルムにおいては、結晶核剤を0.01〜10重量%含有するポリプロピレン樹脂を、180〜300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金にて押出成形し、溶融シートを得る。この溶融シートを表面温度100〜130℃に保たれたドラム上に押出して密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。冷却固化は、ドラム上への押出のみによって行っても、熱風を吹き付けながら行ってもよい。この時、ドラム温度が高いことにより、二軸延伸後に高い空隙率を有するフィルムを得ることができる。次に、フィルム内部に孔を形成するために、該未延伸積層シートを80〜160℃に加熱したロール群またはオーブンに導き、フィルム温度を80〜150℃にした後、表面温度を80〜140℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(延伸ロール)と、表面温度を30〜130℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(冷却ロール)間に通し、延伸ロールと冷却ロールの周速差で長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に3〜7倍延伸し、30〜130℃のロール群で冷却または熱処理する。続いて、長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、110〜190℃に加熱した雰囲気中(フィルム温度:90〜165℃)で長手方向に垂直な方向(幅方向)に5〜12倍に延伸する。その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は15倍〜84倍、製膜安定性から30〜50倍であることが好ましい。面積倍率が15倍未満であると得られる孔の形成が不十分となり、本発明のフィルムの特性が得られない、また、面積倍率が84倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて140〜170℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、その後均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の多孔質フィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
また、積層構造とする場合、スキン層の積層方法として、押出機(a)と押出機(b)を有する複合製膜装置において、それぞれβ晶比率の異なるポリプロピレン樹脂を、180〜240℃に加熱された押出機(a)及び押出機(b)に供給して溶融し、それぞれTダイ複合口金内に導入し、押出機(b)のポリマーが押出機(a)のポリマーの表層(片面)あるいは両表層(両面)にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。この溶融積層シートを、表面温度100〜130℃に保たれたドラム上で密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。
また、他のスキン層の積層方法として、縦延伸したフィルム上に押出ラミネートした後に横延伸をすることもできる。
このようにして得られた本発明の微多孔性フィルムには、エレクトリット処理もしくは表面処理により、花粉や塵、細菌などの微粒子の捕捉性を向上させることもできる。
本発明のフィルターは、前記フィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムを微粒子を捕獲するための構成要素として少なくとも一つ含有することを特徴とするものである。
また、本発明のマスクは、前記フィルターを微粒子を捕獲するための構成要素として少なくとも一つ含有することを特徴とするものである。
本発明のフィルターは、前記フィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム単独で構成されていても、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知のガーゼ、不織布、金属やセラミック、プラスチックなどで構成された網や支持体などと組み合わせて積層した構成としてもよい。
本発明のフィルムを単独で用いる場合、一枚だけで用いても、数枚を重ねて用いても良い。また、本発明のフィルムをガーゼや不織布、網などと組み合わせて用いる場合、本発明の目的を阻害しない範囲で、フィルムでガーゼなどを挟んでも、ガーゼなどでフィルムを挟んでもよく、フィルムとガーゼなどを一枚または数枚ずつ交互に重ねて用いても良い。また、フィルムとガーゼなどとを重ねて用いる場合、フィルムと1種類または2種類以上のガーゼ、不織布、網などを、目的とする性能を達成するために必要な構成に重ねて用いることができる。本発明のフィルム単独またはフィルムとガーゼなどを、2枚以上重ねて用いる場合、それぞれを直接接触させて用いても、枠などを挟んで間を空けて用いても良い。但し、ガーゼや不織布など、使用時に塵が発生するおそれのあるものを用いる場合には、本発明のフィルムを、積層構成のうち無塵性を確保する必要のある側の表層若しくは表裏両方の表層に用いるか、若しくは本発明のフィルムを袋状とし、その内部にガーゼや不織布などを挿入することが、使用時の塵の発生を防ぐために好ましい。また、本発明のフィルムと支持体を組み合わせて用いる場合、本発明の目的を阻害しない範囲で、支持体にフィルムを張り付けても、支持体でフィルムを挟んでもよく、フィルムを袋状に成形して該袋の内部に支持体を挿入した構成とすることもできる。
また、本発明のフィルターは、本発明の目的を阻害しない範囲で、縫製、圧着、接着剤による接着、型取り、1枚以上の金属やプラスチック、セラミックなどの枠への当て嵌めや挟み込みなどの方法により目的とする構造を形成することができる。
また、本発明のフィルム及び本発明のフィルムと共に用いられる公知のガーゼ、不織布などは、孔などが空洞のまま使用しても、本発明の目的を阻害しない範囲で、花粉症の症状の改善やリラックス効果等の効果を付与するために、精油などを注入や含浸、吹きつけなどの方法によりフィルターの一部または全体に保持させて使用してもよい。
この構成により、空気透過性、透湿性や微粒子捕捉性を有しながら、機械的強度にも優れ、さらには、花粉症の症状の改善などの効果を付与することもできる。
次に、本発明のフィルターを用いてなるマスクは、該フィルターを目的とするマスクの形態に適する形状に適宜裁断して用いる。マスク本体部分となるフィルターの形状は、口や鼻を覆うために、長方形、楕円形などの形状や、長方形や楕円形としたものを折ってプリーツ状にしたもの、鼻のみを覆うために、鼻と同一または類似の形状としたもの、鼻に挿入するために鼻腔と同一または類似の形状としたものなど、目的を達成するために必要な形状とすることができる。また、マスクは鼻及び/または口に直接接触する形状としても、成形または枠張り若しくは枠へのはめ込みなどにより、鼻及び/または口に直接接触しない形状としても良い。また、本発明のマスクはマスク用フィルターのみで構成されるものでも、ゴムや紐、帯、バンドなどを用いて固定するものでも良い。マスク用フィルターのみで構成する場合、マスク本体を固定する方法としては、マスク本体部分の両端を耳の形状に合わせてくりぬいて一体の形状にする方法、マスク本体部分の両端を1本または2本以上の紐状または帯状とし、両端を結ぶことによって固定できるようにし、一体の形状とする方法などがある。
また、本発明のフィルターを用いてなるフィルターユニットは、該フィルターを目的とするフィルターユニットの形態に適する形状に適宜加工して用いる。フィルターユニットに組み込むフィルターの形状は、本発明のフィルターの特性を阻害しないような形状であればどのようなものであっても良いが、単位体積当たりの表面積を広くし、圧力損失を低減させる観点から、長方形や楕円形などの形状に裁断したフィルターを、目的のフィルターユニットの形態に適する深さに折ってプリーツ状にしたものであることが好ましい。プリーツ状にする場合、プリーツの形状は一定の間隔で上下から折り目を付けて畳む形状、ダイヤ型等の形状に折り目を付けて畳む形状など、本発明のフィルターの特性を阻害しない範囲であれば、どのような形状であってもよい。
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
(1)融解熱量及びβ晶比率
融解熱量は、ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレンフィルムをセイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用い、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を測定する。β晶比率は、下記式:
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100
にて求めた。
融解熱量は、ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレンフィルムをセイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用い、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を測定する。β晶比率は、下記式:
β晶比率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100
にて求めた。
(2)融点
融点は、ポリプロプレンフィルムを、セイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用いて、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
融点は、ポリプロプレンフィルムを、セイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用いて、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
(3)フィルム厚み
ダイヤルゲージ式厚み計(JIS B−7509、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
ダイヤルゲージ式厚み計(JIS B−7509、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(4)比重及び空隙率
フィルムの比重は、フィルムを30mm×40mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計SD−120Lを用い、水中置換法(JIS K−7112のA法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。また、前記の方法にて求めたフィルムの見かけ比重(d1)を測定する。さらに、このフィルムを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮し、完全に空孔を排除したシート作成し、該シートを30℃の水に浸漬して急冷したシートの見掛け比重(d2)を同様に測定する。フィルムの空隙率は下記式:
空隙率(%)=(1−d1/d2)×100
にて求めた。
フィルムの比重は、フィルムを30mm×40mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計SD−120Lを用い、水中置換法(JIS K−7112のA法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。また、前記の方法にて求めたフィルムの見かけ比重(d1)を測定する。さらに、このフィルムを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮し、完全に空孔を排除したシート作成し、該シートを30℃の水に浸漬して急冷したシートの見掛け比重(d2)を同様に測定する。フィルムの空隙率は下記式:
空隙率(%)=(1−d1/d2)×100
にて求めた。
(5)透気度
透気度は、テスター産業(株)製B型デンソメーターを用いて、紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法(JIS P−8117)に準拠して、25℃の環境下でそれぞれ異なる10点について測定し、平均値をフィルムの透気度とした。
透気度は、テスター産業(株)製B型デンソメーターを用いて、紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法(JIS P−8117)に準拠して、25℃の環境下でそれぞれ異なる10点について測定し、平均値をフィルムの透気度とした。
(6)平均細孔直径
平均細孔直径は、POROUS MATERIALS.INC製Automated Capillary Flow Porometerを用い、住友スリーエム(株)製フロリナートFC−40を試験液として測定した。測定はそれぞれ異なる3点について行い、各点の平均細孔直径の平均値をフィルムの平均細孔直径とした。
平均細孔直径は、POROUS MATERIALS.INC製Automated Capillary Flow Porometerを用い、住友スリーエム(株)製フロリナートFC−40を試験液として測定した。測定はそれぞれ異なる3点について行い、各点の平均細孔直径の平均値をフィルムの平均細孔直径とした。
(5)弾性率
弾性率は、オリエンテック社製テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、25℃において測定した。測定は、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長50mmとして、フィルム長手方向、幅方向の弾性率(MPa)をそれぞれ10点測定した平均値から求めた弾性率の和を求めた。
弾性率は、オリエンテック社製テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、25℃において測定した。測定は、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長50mmとして、フィルム長手方向、幅方向の弾性率(MPa)をそれぞれ10点測定した平均値から求めた弾性率の和を求めた。
(6)耐熱性
フィルムの熱処理は、試料幅100mm、試料長100mmとして、ギアオーブンにより120℃、30分の条件下で熱処理することにより行った。フィルムの熱処理による変化率は、ポリプロピレンフィルムを、熱処理前後のフィルムにつき、透気度をそれぞれ10点測定して平均値を求め、
下記式:
変化率(%)=[(熱処理前の透気度−熱処理後の透気度)/熱処理前の透気度]×100
により算出した。耐熱性の判定方法は、
○:変化率8%未満
△:変化率8%以上10%未満
×:変化率10%以上
とした。
フィルムの熱処理は、試料幅100mm、試料長100mmとして、ギアオーブンにより120℃、30分の条件下で熱処理することにより行った。フィルムの熱処理による変化率は、ポリプロピレンフィルムを、熱処理前後のフィルムにつき、透気度をそれぞれ10点測定して平均値を求め、
下記式:
変化率(%)=[(熱処理前の透気度−熱処理後の透気度)/熱処理前の透気度]×100
により算出した。耐熱性の判定方法は、
○:変化率8%未満
△:変化率8%以上10%未満
×:変化率10%以上
とした。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.8重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は77%であった。次に、該β晶PPを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.8重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は77%であった。次に、該β晶PPを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例2)
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は73%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを130℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、110℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は73%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを130℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、110℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例3)
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2016、MFR:2.1g/10分、)49.95重量%と、β晶核剤添加ポリプロピレン樹脂として、SUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B−022−SP、MFR:1.8g/10分)50重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.05重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は72%であった。次に、該β晶PPを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度118℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて145℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2016、MFR:2.1g/10分、)49.95重量%と、β晶核剤添加ポリプロピレン樹脂として、SUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B−022−SP、MFR:1.8g/10分)50重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.05重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は72%であった。次に、該β晶PPを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度118℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて145℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、耐熱性が良好であり、高い空隙率と透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例4)
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製、タイプ:F107BV、MFR:7g/10分、)94.9重量%と、メタロセン触媒にて得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(三菱化学(株)製、“カーネル”KS560、MFR:17g/10分)5%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.1重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は72%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて145℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムは耐熱性にやや劣るものの、実質的に無核のボイドが多数形成されており、高い空隙率と良好な透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの結果を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製、タイプ:F107BV、MFR:7g/10分、)94.9重量%と、メタロセン触媒にて得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(三菱化学(株)製、“カーネル”KS560、MFR:17g/10分)5%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.1重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は72%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて145℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムは耐熱性にやや劣るものの、実質的に無核のボイドが多数形成されており、高い空隙率と良好な透気度を有していた。フィルターとして良好に用いられるものであった。得られたフィルムの結果を表1に示す。
(実施例5)
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は73%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて135℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、高い空隙率と透気度を有していたが、耐熱性に劣っていたが、フィルターとして用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は73%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=36倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて135℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムには実質的に無核のボイドが多数形成されており、高い空隙率と透気度を有していたが、耐熱性に劣っていたが、フィルターとして用いられるものであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例1)
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)96.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)3重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は69%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に5倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=45倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて135℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムにはボイドが多数形成されており、高い空隙率と透気度を有していたが、孔中に多数の核を有しており、フィルターとして使用する際の核の脱落が懸念されたほか、耐熱性に劣っていた。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、高結晶ポリプロピレン(出光石油化学(株)製、F300SV、MFR:3g/10分、)96.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%、平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)3重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加ポリプロピレンのβ晶比率は69%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に5倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=45倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて135℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムにはボイドが多数形成されており、高い空隙率と透気度を有していたが、孔中に多数の核を有しており、フィルターとして使用する際の核の脱落が懸念されたほか、耐熱性に劣っていた。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例2)
多孔質フィルムの樹脂組成として、炭酸カルシウム(商品名:スターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30重量%と、ポリプロピレン(サンアロマー(株)製、PM671A、MFR:7g/10分、)69.8重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを240℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸し多孔質フィルムを得た。得られたフィルムは高い空隙率を示したが、透気度が低く、孔径が機器の測定限界を超えており、孔中に多数の核を有していた。製膜中にフィルムからの炭酸カルシウム粒子の脱落が見られたことから、フィルターとしての使用時での該粒子の脱落の可能性が懸念された。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、炭酸カルシウム(商品名:スターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30重量%と、ポリプロピレン(サンアロマー(株)製、PM671A、MFR:7g/10分、)69.8重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.2重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを240℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸し多孔質フィルムを得た。得られたフィルムは高い空隙率を示したが、透気度が低く、孔径が機器の測定限界を超えており、孔中に多数の核を有していた。製膜中にフィルムからの炭酸カルシウム粒子の脱落が見られたことから、フィルターとしての使用時での該粒子の脱落の可能性が懸念された。得られたフィルムの特性を表1に示す。
(比較例3)
多孔質フィルムの樹脂組成として、樹脂としてエチレン−プロピレンランダム共重合体(サンアロマー(株)製、タイプ=PC540R、MFR=5g/10分)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加エチレン−ポリプロピレンランダム共重合体のβ晶比率は12%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを90℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムは実質的に無核のボイドが形成されているものの、耐熱性に劣り、空隙率と透気度が低く、平均細孔直径が機器の検出限界を超えていた。フィルターとして用いられるものではなかった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
多孔質フィルムの樹脂組成として、樹脂としてエチレン−プロピレンランダム共重合体(サンアロマー(株)製、タイプ=PC540R、MFR=5g/10分)99.92重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.08重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。該β晶核剤添加エチレン−ポリプロピレンランダム共重合体のβ晶比率は12%であった。次に、該β晶PPを220℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。次に、該未延伸フィルムを90℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に4倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、MD方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でMD方向に垂直な方向(横方向)に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=32倍)、引き続き二軸配向白色フィルムの結晶配向を完了させた後、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取った。得られたフィルムは実質的に無核のボイドが形成されているものの、耐熱性に劣り、空隙率と透気度が低く、平均細孔直径が機器の検出限界を超えていた。フィルターとして用いられるものではなかった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
本発明の多孔質ポリプロピレンフィルムは、フィルターや、フィルターを用いたマスク、フィルターユニット用のフィルムとして花粉や塵、病菌などの通過を防ぎ、滅菌処理や使用時における微細孔の変形や閉孔が少なく、フィルター、マスクやフィルターユニットに好適なフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いたフィルター、マスク及びフィルターユニットに使用することができる。
Claims (9)
- 表裏に貫通した実質的に無核の微細な孔を有し、140〜175℃に少なくとも1個の融点を有する微多孔性ポリプロピレンフィルムであって、β晶分率が30%以上であるポリプロピレンを含むことを特徴とするフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- 結晶核剤を0.01〜10重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- 空隙率が50%以上であり、120℃で30分間熱処理した後のガーレー透気度の悪化が10%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- 前記微細な孔の平均細孔直径が0.02〜3μmである請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- 前記微細な孔の平均細孔直径が0.03〜3μmである請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- フィルムの長手方向と幅方向の弾性率の和が500MPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルター用多孔質ポリプロピレンフィルムを少なくとも一部に用いてなるフィルター。
- 請求項7に記載のフィルターを少なくとも一部に用いてなるマスク。
- 請求項7に記載のフィルターを少なくとも一部に用いてなるフィルターユニット。
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