JP2005290565A - 未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半晒クラフト紙の抄造方法において、未晒クラフトパルプを使用しながら、それを起因とする樹脂ピッチによる欠陥の発生を効果的に抑制して製品の歩留りを向上する。
【解決手段】 未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法であって、未晒クラフトパルプ1を含むパルプスラリーに凝結剤4と凝集剤6を添加して抄紙機10のインレット原料を調製し、インレット原料のカチオン要求量を+0.001〜+0.015meq/L、濁度を5〜20FAUに制御して抄紙するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半晒クラフト紙の抄造方法に関し、特に未晒クラフトパルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法に関するものである。
従来、クラフト紙は高度に晒した晒クラフトパルプを用いて抄造し、半晒クラフト紙は、中度に晒した半晒クラフトパルプを用いて抄造していた。しかし、半晒クラフト紙の抄造用の半晒クラフトパルプであっても製造コストがかかるため、未晒クラフトパルプに晒クラフトパルプを混合して抄造する方法が用いられるようになっている。
なお、未晒クラフトパルプを洗浄した後、精選工程、多段漂白工程を経て抄紙工程に送り込んでクラフト紙を抄造する場合には、未晒クラフトパルプの洗浄が不十分であると漂白パルプにピッチが発生するため十分に洗浄を行う必要がある。そこで、洗浄工程の最終段から排出されるろ液の透視度が30〜100%の範囲になるように洗浄し、パルプの随伴するピッチ成分を低減することは知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、サーモメカニカルパルプを配合した製紙原料に対して、無機物とカチオン性ポリマーを併用して添加してカチオン要求量と濁度を低減させることにより、抄造の安定化・紙の欠陥数低減を図ることも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−9883号公報 特開2003−55895号公報
ところが、従来の未晒クラフトパルプを用いて半晒クラフト紙を抄造する方法では、未晒パルプに起因する樹脂ピッチによる欠陥が紙面に発生しやすく、見た目を損なうことから商品価値を失い、製品歩留りが低下するという問題がある。そのため、欠陥が発生すると、マシンを停止し、白水の入れ替え、工程内の洗浄による欠陥発生物質の除去を行う必要があり、生産性を著しく低下させるという問題があった。
なお、この問題に対して、特許文献1に開示されているように、ろ液の透視度が30〜100%の範囲になるように未晒パルプを洗浄することが考えられるが、そのような洗浄を行うことで欠陥発生原因の樹脂ピッチをある程度減少できるものの、半晒クラフト紙における欠陥発生の防止効果は十分ではなかった。
また、特許文献2に開示された技術手段は、サーモメカニカルパルプを用いた抄造に関するものであり、半晒クラフト紙の抄造において無機物とカチオン性ポリマーを併用しても直ちに上記問題が解消されるものではない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、未晒クラフトパルプを使用しながら、それを起因とする樹脂ピッチによる欠陥の発生を効果的に抑制して製品の歩留りを向上できる未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法を提供することを課題とする。
本発明の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法は、未晒クラフトパルプを含むパルプスラリーに凝結剤と凝集剤を添加してインレット原料を調製し、インレット原料のカチオン要求量を+0.001〜+0.015meq/L、濁度を5〜20FAUに制御して抄紙するものである。
本発明者は、鋭意検討して、抄紙機のインレット原料に未晒クラフトパルプを含んでいても、凝結剤を添加して樹脂ピッチなどのアニオン性物質をコントロールし、カチオン要求量を+0.001〜+0.015meq/Lに制御し、かつ凝集剤を添加して濁度を5〜20FAUに制御することで、樹脂ピッチなどによる欠陥の発生を抑制できることを見出した。これは、詳細なメカニズムは不明であるが、凝結剤により微細繊維、薬品、アニオントラッシュが持つアニオン電荷を中和して小さなフロックを形成させた後、凝集剤で大きなフロックを形成させて繊維に吸着させることで、異物発生を減少させることによるものと考えられる。
かくして、上記抄造方法により、半晒クラフト紙の抄造に未晒クラフトパルプを使用しながら欠陥の発生を抑制して製品の歩留りを向上することができる。また、抄紙機のワイヤーパートやプレスパートでのピッチ発生を抑制できることにより、マシン工程の洗浄や白水の入れ替えの頻度を低減することができて生産性を向上でき、より製品コストの低廉化を図ることができる。
また、近年は環境への配慮から半晒クラフト紙においても脱墨パルプを使用することが要請されるが、脱墨パルプを用いると古紙原料に起因するアニオントラッシュが欠陥の発生の減少を困難にする。しかし、上記のようにカチオン要求量と濁度をコントロールすることで、パルプスラリーに脱墨パルプを40%以下含めても欠陥の発生を抑制できることを見出した。かくして、未晒クラフトパルプと脱墨パルプにより半晒クラフト紙を抄造することができ、環境悪化の抑制に貢献できる。なお、脱墨パルプの配合量が40%を超えると、欠陥の発生抑制効果が不十分になってしまう。
また、抄紙機のワイヤーパートから排出される白水濃度が、0.01〜0.08%になるように凝結剤と凝集剤の添加量を制御するのが好ましい。このように管理することで、さらに効果的に欠陥の発生を抑制することができる。白水濃度が0.01%未満になるように制御しようとすると、薬品添加量が多くなって薬品コストが高くなる割りに効果が向上せず、逆に0.08%を超えると、樹脂ピッチ等のアニオントラッシュが原料配管、チェスト、タンクに蓄積し、フロック化が進んで紙面欠陥の原因となる。
また、未晒クラフトパルプの洗浄度を1000μs/cm以下にすると、凝結剤の適量添加によってカチオン要求量を上記範囲に確実かつ安定的に制御することができる。洗浄度は高い(数値が低い)方が望ましいがコスト高になり、1000μs/cmを超えると、カチオン要求量及び濁度を上記範囲内に納めることが困難若しくは不可能になる。
また、抄紙PHを6〜8.5に制御することで、凝結剤の適量添加によってカチオン要求量を上記範囲に確実かつ安定的に制御することができる。
本発明によれば、半晒クラフト紙の抄造において、そのインレット原料に未晒クラフトパルプを含んでいても、凝結剤と凝集剤を添加してカチオン要求量と濁度を適切に制御することで、樹脂ピッチなどによる欠陥の発生を抑制して製品の歩留りを向上することができる。
以下、本発明の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法の一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。
半晒クラフト紙の抄造工程を示す図1において、未晒クラフトパルプ1を主材料としたパルプスラリーに、脱墨パルプ2を40%以下の配合量で配合し、このパルプスラリーをPH調整部3でPH6〜8.5に制御する。
次に、このパルプスラリーに対して凝結剤4を添加し、抄紙機10のインレット原料のカチオン要求量が+0.001〜+0.015meq/Lとなるように制御する。そのため、凝結剤4を添加した後のパルプスラリーのカチオン要求量をオンラインで測定し、その測定結果に応じて凝結剤4の添加弁4aを制御するカチオン要求量測定・制御器5が配設されている。凝結剤4としては、PAM(ポリマーアクリルアミド)、PDADMAC(ポリダドマック)、PEI(ポリエチレンイミン)、ポリアミンなどのカチオンポリマー凝結剤が好適に用いられる。
カチオン要求量測定・制御器5としては、例えば「PCT15」(mutek社製)を用いることができる。この「PCT15」は、パルプスラリー中のコロイド状溶解物質粒子がイオンにより電気を帯びていることを利用し、パルプスラリーを測定器のセルの中に導き入れ、上下ピストンの稼働にてセルシリンダとピストンの間にサンプル液の流れを生じさせ、コロイド粒子の表面電荷の歪みによって電気を生じさせ、チャージ要求量を高分子電解質測定によって測定するようにしたものである。
次に、凝結剤4を添加したパルプスラリーに対して凝集剤6を添加し、抄紙機10のインレット原料の濁度が5〜20FAUとなるように制御する。そのため、凝集剤6を添加した後のインレット原料の濁度をオンラインで測定する濁度測定器7と、その測定結果に応じて凝集剤6の添加弁6aを制御する制御器8が配設されている。また、この濁度範囲に納まるように、必要に応じてその測定結果をカチオン要求量測定・制御器5にも入力して凝結剤4の添加量も制御するように構成される。
凝集剤6としては、ポリアクリルアミドにアニオン性官能基としてカルボキシル基を導入したものが一般的に用いられ、スルホン基を導入したものも好適に用いられ、またアニオン性アクリルアマイドやアニオン変性澱粉も用いることができる。さらに、カチオン性ポリアミン樹脂、カチオン性ポリアミンポリアミド樹脂、カチオン性ポリアクリルアマイド、カチオン変性澱粉、スチレンアクリル樹脂などのカチオン系凝集剤が用いられることもある。
濁度測定器7としては「DR−2010」(HACH社製)を用いることができる。この「DR−2010」は、パルプサンプルを濾紙で濾過し、860nmの光の透過率を測定し、濁度の標準試薬であるホルマジンの透過率と対比した濁度の値を測定するものである。
また、抄紙機10のワイヤーパートから排出される白水の濃度を白水濃度測定器9にて測定し、その測定結果を制御器8に入力し、白水濃度が0.01〜0.08%となるように制御器8にて凝集剤6の添加量を制御するように構成されている。また、この白水濃度範囲に納まるように、必要に応じてその測定結果をカチオン要求量測定・制御器5にも入力して凝結剤4の添加量も制御するように構成される。
白水濃度測定器9としては、カヤーニ・リテンションセンサー「RM−i」(メッツォオートメーション社製)を用いることができる。このカヤーニ・リテンションセンサー「RM−i」は、ワイヤーパートに噴射された原料がワイヤー上に残る比率を測定するために、ワイヤー下に濾過された白水中の原料濃度を測定するものである。
以上のように調製された原料スラリーが、抄紙機10のインレットに供給されることで、抄紙機10にて未晒クラフトパルプ1と40%以下の脱墨パルプ2から成り、かつ樹脂ピッチなどに起因する欠陥の少ない未晒クラフト紙が抄造される。
次に、本発明のいくつかの実施例と比較例を説明する。
未晒クラフトパルプと脱墨パルプ(DIP)を使用した半晒クラフト紙の抄造工程において、表1に示すように、実施例1として、インレット原料のカチオン要求量を0.003meq/L、濁度を10FAU、白水濃度を0.03%、未晒パルプの洗浄度を300μs/cm、脱墨パルプ(DIP)の配合量を30%とし、PH6〜8.5にPH調整を行って半晒クラフト紙を抄造した。また、実施例2〜10及び比較例1〜8として、インレット原料のカチオン要求量を0.0005〜0.03meq/Lの範囲で、濁度を3〜25FAUの範囲で、白水濃度を0.005〜0.60%の範囲で、未晒パルプの洗浄度を600、1000、1100μs/cmに変化させ、脱墨パルプ(DIP)の配合量を10、20、40、50%に変化させ、またPH6〜8.5にPH調整を行わなかったものを実施例10とし、それぞれて半晒クラフト紙を抄造した。
そして、各実施例1〜10及び比較例1〜8について、欠陥発生数を測定した。欠陥発生数の測定は、次のようにして行った。オンラインの欠陥検出器「KP22W3−DF」(オムロン社製)を使用して9.3mm2 以上の欠陥の個数を測定し、紙2000m2 中に0.6個未満のものを良とし、以上のものを不良として判断した。その結果を表1に示す。
Figure 2005290565
表1において、実施例1〜10から、インレット原料のカチオン要求量が0.001〜0.015meq/L、かつ濁度が5〜20FAU、かつ白水濃度が0.01〜0.08%で、未晒パルプの洗浄度が1000μs/cm以下のものを使用し、DIPの配合率がが40%以下で抄造した半晒クラフト紙は、9.5mm2 以上の欠陥の発生が2000m2 当たり0.6個未満であり、良好な結果が得られることが分かる。
一方、比較例1〜8において、比較例1のインレット原料のカチオン要求量が、0.0005meq/Lの場合、比較例3の濁度が3FAUの場合、及び比較例5の白水濃度が0.005%の場合においては、パルプのフロックによる地合の悪化を欠陥検出器が異常(欠陥)として検知し、欠陥発生数が0.6個以上となっている。また、比較例2のインレット原料のカチオン要求量が、0.016meq/Lを超えた0.016meq/Lの場合、比較例4の濁度が20FAUを超えた25FAUの場合、比較例6の白水濃度が0.08%を超えた0.60%の場合、比較例7の未晒パルプの洗浄度が1000μs/cmを超えた1100μs/cmの場合、比較例8のDIP配合量が40%を超えた50%の場合、それぞれにおいて欠陥発生数が0.6個以上となり、不良となっている。
本発明の半晒クラフト紙の抄造方法は、未晒クラフトパルプを含むパルプスラリーに凝結剤と凝集剤を添加してインレット原料のカチオン要求量と濁度を適切に制御することで、半晒クラフト紙における樹脂ピッチなどによる欠陥の発生を抑制して製品の歩留りを向上することができるので、未晒クラフトパルプを使用した半晒クラフト紙の抄造に有用である。
本発明の一実施形態における半晒クラフト紙抄造工程の説明図である。
符号の説明
1 未晒クラフトパルプ
2 脱墨パルプ
3 PH調整部
4 凝結剤
5 カチオン要求量測定・制御器
6 凝集剤
7 濁度測定器
9 白水濃度測定器
10 抄紙器

Claims (5)

  1. 未晒クラフトパルプを含むパルプスラリーに凝結剤と凝集剤を添加してインレット原料を調製し、インレット原料のカチオン要求量を+0.001〜+0.015meq/L、濁度を5〜20FAUに制御して抄紙することを特徴とする未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法。
  2. パルプスラリーに脱墨パルプを40%以下含むことを特徴とする請求項1記載の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法。
  3. 白水濃度が、0.01〜0.08%になるように凝結剤と凝集剤の添加量を制御することを特徴する請求項1又は2記載の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法。
  4. 未晒クラフトパルプの洗浄度を1000μs/cm以下にすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法。
  5. 抄紙PHを6〜8.5に制御することを特徴とする請求項1〜4の何れに記載の未晒パルプを含む半晒クラフト紙の抄造方法。
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