JP2005291525A - 食品冷凍装置及び食品解凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁場を印加して常に良好な状態で食品を冷凍保存して解凍することができるようにする。
【解決手段】 凍結装置21では、食品を当該食品に対して予め規定された凍結温度で冷凍する凍結過程を行って食品を凍結食品とする。この際、磁場発生コイル21eから凍結過程の少なくとも一部において食品に交番磁場が印加される。保管冷凍庫22では凍結食品を当該凍結食品に対して予め定められた保管温度で冷凍保管する保管過程を行う。そして、保管過程中凍結食品に対して、磁場発生コイル22eから当該凍結食品の種類に応じて選択的に交番磁場が印加される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生鮮食品等の食品を冷凍保存する際に、磁場の存在下で良好な状態で食品を冷凍するとともに、凍結された食品(以下凍結食品と呼ぶ)を良好な状態で保存して必要に応じて凍結食品を解凍するための食品冷凍保存システムに関するものである。
一般に、生鮮食品等の食品を冷凍保存する際には、凍結保存によって食品の鮮度及び風味が損なわれないようにする必要がある。つまり、生鮮食品等の食品は水分を多量に含んでおり、このような食品を凍結した際には、水素結合によって結晶構造が形成される。食品中に含まれる水分は、結合水及び電解質等の影響で若干凝固点が降下するものの0℃〜−5℃でその大部分が氷結する。
この際、食品内部において大氷結晶が生成されると、それに伴って、水分の分離及び移動等が発生して、食品の組織が破壊されてしまうことになる。このような凍結食品を解凍した際には、食品自体の鮮度及び風味が損なわれてしまうことになる。
このような不具合を防止するため、急速冷凍を用いて、最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過させて、氷結晶の生成を抑えて組織の破壊を最小限に抑えることが行われているものの、食品を急速冷凍した際には、食品の表層部がまず凍結してしまい、食品内部の水分が表層部付近の氷の核に吸い上げられてしまい、結果的に水分の分離及び移動による組織の破壊が行われてしまうことがある。
このため、例えば、冷凍庫の内部空間に、経時的に変動する磁場又は電場を発生させて、内部空間に位置した食品に含まれる水分中の水分子及びイオンに振動を付与して、水分の凍結を抑制しつつ、食品を通常の氷結温度以下に過冷却した後磁場又は電場の発生若しくは変動を停止して食品を低温下で瞬時に冷凍するようにしたものがある(特許文献1参照)。
さらに、食品の品質の低下を防止する冷凍装置として、食品中に含まれる水分のクラスターを細分化して、熱交換器によって生成された低温気体を除湿し、冷凍装置本体内で低温気体を循環しつつ、水分を含む食品に磁場を印加し、その磁場強度を経時的に変化させるようにしたものがある(特許文献2参照)。
特開2001−86967公報(段落(0009)〜段落(0029)、第1図〜第5図) 特開2004−53243公報(段落(0082)〜段落(0155)、第1図〜第3図)
ところで、特許文献1に記載された冷凍装置においては、経時的に変動する電場を発生させて、内部空間に位置した食品に含まれる水分中の水分子及びイオンに振動を付与して、水分の凍結を抑制しつつ、食品を通常の氷結温度以下に過冷却した後、電場の発生若しくは変動を停止し、その後食品を低温下で瞬時に冷凍するようにしており、つまり、電場を与えつつ、食品を氷結温度以下に過冷却した後、電場の発生を停止して、食品を瞬時に凍結(急速冷凍)しており、電場によって水分の凍結を抑制して過冷却しているものの、電場の発生停止後においては、急速凍結を行っている関係上、結果的に水分の分離及び移動による組織の破壊が行われてしまうことがある。
一方、特許文献2に記載された冷凍装置においては、低温気体を循環させて食品を冷凍しつつ、経時的に磁場強度を変化させているものの、磁場の印加によって過冷却状態とし、その後の凍結開始から完了までの時間を極短時間としており、つまり、急速凍結を行っていることになって、結果的に水分の分離及び移動による組織の破壊が行われてしまうことがある。
いずれにしても、従来の冷凍装置においては、常に良好状態で食品を凍結して保存できないという課題があり、さらには、凍結食品を良好に解凍することができないという課題がある。つまり、従来の冷凍装置では、食品を通常の氷結温度以下に過冷却して、急速に凍結しているから、食品を良好状態で冷凍保存を行うことが難しいという課題がある。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、磁場を印加して常に良好な状態で食品を冷凍保存して解凍することのできる食品冷凍保存システムを提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、食品を凍結保存する際に用いられる食品冷凍保存システム装置において、前記食品を当該食品に対して予め規定された凍結温度で冷凍する凍結過程を行って前記食品を凍結食品とする冷凍手段と、前記凍結過程の少なくとも一部において前記食品に交番磁場を印加する第1の交番磁場印加手段と、前記凍結食品を当該凍結食品に対して予め定められた保管温度で冷凍保管する保管過程を行う冷凍保管手段と、前記保管過程中前記凍結食品に対して、当該凍結食品の種類に応じて選択的に交番磁場を印加する第2の交番磁場印加手段とを有することを特徴とするものである。
本発明では、前記凍結過程で前記食品に印加する交番磁場と前記保管過程で前記凍結食品に印加する交番磁場とはその周波数が異なるようにしており、さらに、前記凍結過程で前記食品に印加される交番磁場の周波数を食品の種類に応じて変化させるようにしてもよい。
本発明では、前記凍結過程において前記食品の最大氷結晶生成温度帯付近で前記交番磁場を前記食品に印加するようにしてもよい。また、冷風の存在下で前記交番磁場を前記食品に印加することが望ましい。
本発明では、前記凍結過程において、前記食品のインピーダンス特性に基づいて得られた周波数成分を含む交番磁場を前記食品に印加する。また、前記交番磁場として矩形波状の交番磁場を印加することが望ましい。さらに、前記交番磁場として互いに異なる複数の交番磁場が重畳されたものを用いるようにしてもよい。
本発明では、前記交番磁場の周波数は0(0を含まず)〜10MHzの範囲で、その強度は0.1テスラ以下とされる。さらに、前記交番磁場を非交番磁場に重畳するようにしてもよい。
本発明では、例えば、前記冷凍手段は、スパイラル状に形成され前記食品を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアが収納された非磁性の円筒状体と、該円筒状体内を冷却する冷却手段とを有し、前記第1の交番磁場印加手段は、前記円筒状体の一部周面に配置された磁場発生コイルを備えている。さらに、前記凍結食品を当該凍結食品に対して定められた解凍温度で解凍する解凍過程を行う解凍手段と、前記解凍過程において前記凍結食品に交番磁場を印加する第3の交番磁場印加手段とを有するようにしてもよい。
以上のように、本発明の食品冷凍装置は、食品を冷凍しつつ、交番磁場を印加して、食品を凍結して、この凍結食品を食品の種類に応じて交番磁場を印加しつつ冷凍保管するようにしたから、食品内部において大氷結晶が生成されることがなく、交番する磁場を用いて常に良好に食品を冷凍保存することができるという効果がある。
本発明では、凍結食品を解凍する際、交番磁場を印加しつつ、解凍するようにしたので、凍結食品の解凍を良好に行うことができ、食品の鮮度及び風味が損なわれてしまうことがない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明による食品冷凍装置及び食品解凍装置を有する食品冷凍保存システムの一例を模式的に示すブロック図であり、図示の食品冷凍・解凍システムは食品冷凍装置11及び食品解凍装置12を有しており、食品冷凍装置11は凍結装置21及び保管冷凍庫22を有している。
凍結装置21は断熱された凍結装置本体部21aを有し、この凍結装置本体部21a内には、冷却装置21b、送風ファン21c、被冷却物載置部21d、及び磁場発生コイル(空芯コイル)21eが配置されており、図示の例では、磁場発生コイル21eは、被冷却物載置部21dを上下及び左右から挟むようにして配置されている。被冷却物載置部21dには被冷却物である食品31が載置され、冷却装置21bで冷却された低温空気が送風ファン21cによって図中太線矢印で示すように庫内を循環する。
図示の凍結装置本体部21aは、例えば、図1において紙面の表側から裏側に延びており、被冷却物載置部21dは、例えば、搬送コンベアである。そして、食品は搬送コンベアで搬送されつつ、冷却されることになるが、その際、後述するようにして、磁場発生コイル21eから交番磁場(動磁場)が食品31に印加される。
凍結装置21で凍結処理された凍結食品は搬送コンベアによって、保管冷凍庫22に搬送される。保管冷凍庫22は断熱された保管冷凍庫本体部22aを有し、この保管冷凍庫本体部22a内には、冷却装置22b、送風ファン22c、凍結体収納空間22d、及び磁場発生コイル22eが配置されており、図示の例では、磁場発生コイル22eは、凍結収納空間22dを上下及び左右から挟むようにして配置されている。凍結体収納空間22dには凍結食品32が収納され、冷却装置22bで冷却された低温空気が送風ファン22cによって図中太線矢印で示すように庫内を循環する。そして、磁場発生コイル22eから凍結食品32に対して交番磁場が印加される。
保管冷凍庫22に保管された凍結食品32は必要に応じて解凍される。解凍する際には、凍結食品32は食品解凍装置12に運ばれて解凍されることになる。食品解凍装置12は、断熱された解凍装置本体部12aを有し、この解凍装置本体部12a内には、加熱・調湿装置12b、送風ファン12c、搬送コンベア12d、及び磁場発生コイル12eが配置されており、図示の例では、磁場発生コイル12eは、搬送コンベア12dを上下及び左右から挟むようにして配置されている。搬送コンベア12dには凍結食品32が載置され、加熱・調湿装置12bで暖められた空気が送風ファン21cによって図中太線矢印で示すように庫内を循環して、凍結食品32が解凍される。この際、磁場発生コイル12eから凍結食品32に対して交番磁場が印加される。
なお、凍結装置は、図1に符号23で示すものを用いるようにしてもよい。この凍結装置においては、磁場発生コイル21eが搬送コンベア21dを斜め下側及び斜め上側から挟むようにして配置されている。また、食品解凍装置は、図1に符号24で示すものを用いるようにしてもよい。この食品解凍装置24では搬送コンベア12dの代わりに解凍室(解凍庫)24aが規定されており、この解凍室24aを上下及び左右から取り囲むようにして磁場発生コイル12eが配置されている。
図2も参照して、凍結装置21に注目すると、凍結装置本体部21a内に配置された磁場発生コイル21e(図2には示さず)には動磁場発生装置41が接続され、この動磁場発生装置電源41には波形生成装置(ファンクションジェネレータ)42が接続されている。後述するようにして、波形生成装置42で生成された各種波形(例えば、パルス波形又は正弦波)が動磁場発生装置電源41に与えられ、動磁場発生装置電源41では波形生成装置42から与えられた信号波形に応じて、磁場発生コイル21eに電流を流して、磁場発生コイル21eによって動磁場(交番磁場)を発生させる。
ここで、図3を参照して、いま、食品(未凍結食品)31としてサツマイモを用いて、インピーダンスメータによって、凍結前後のサツマイモの比誘電率及び比誘電損率を測定するとともに、吸収エネルギーと動磁場周波数との関係を測定した(被凍結品の電気的特性を測定:ステップS1)。その結果をそれぞれ図4〜図6に示す。図4〜図6において符号A1〜E1の曲線は、それぞれ5℃、0℃、−2.5℃、−5℃、及び−20℃で冷却した際の動磁場周波数(f)−比誘電率(ε’)、動磁場周波数(f)−比誘電損率(ε’’)、及び動磁場周波数(f)−吸収エネルギー(f・ε’’)の関係を示すものである。
図4に示すように、冷却温度5℃、0℃、及び−2.5℃においては、動磁場周波数が約1kHz〜100kHzにおいて比誘電率がほぼ平坦となっており、一方、図5に示すように、比誘電損率は温度にかかわらず、動磁場周波数が高くなるにつれて低下している。また、また、図6に示すように、吸収エネルギー(f・ε’’×10−6)は冷却温度5℃(A1)、0℃(B1)、−2.5℃(C1)および−5℃(D1)においては、動磁場周波数が1MHz近傍で最大となった。
そして、これら測定結果を解析して、図7に示す特性結果(インピーダンス特性)を得た。図7において、横軸は抵抗値(Ω)であり、縦軸はリアクタンス(Ω)であって、各曲線L1(20℃)、L2(10℃)、L3(0℃)における極大値P1(13kHz)、P2(10kHz)、P3(7kHz)に対応する周波数を特異周波数(誘電緩和周波数)として抽出する(ステップS2)。例えば、サツマイモの場合は、温度10℃における特異周波数は、10kHzであった。なお、温度10℃におけるりんごの特異周波数は1kHzであり、温度10℃におけるバナナの特異周波数は28kHzであった。また、温度10℃における鮪(トロ)の特異周波数は210kHzであった。
上述の特異周波数を考慮して、波形生成装置42によって合成波を生成し(ステップS3)、波形生成装置42からこの合成波を動磁場発生装置電源41に与えて、磁場発生コイル21eから合成波形に応じた動磁場をサツマイモに印加した(ステップS4)。そして、動磁場印加下でサツマイモを凍結した(ステップS5)。
このようにして凍結したサツマイモの平均空隙面積率を調べてみた。比較のため、生イモ、急速凍結によるイモ、及び緩慢凍結によるイモの平均空隙面積率も調べてみた。その結果を図8に示す。図8において、生イモは平均空隙面積率が7.4%であるのに対して、急速凍結によるイモの平均空隙面積率は21.9%、緩慢凍結によるイモの平均空隙面積率は31.0%と極めて大きくなり、一方、上述のようにして、磁場を照射しつつ凍結した場合のイモは、平均空隙面積率は10.1%となり、生イモの平均空隙面積率とほとんど相違はなかった。
このようにして凍結した後、保管冷凍庫で凍結保管し(ステップS6)、食品解凍装置で解凍したところ(ステップS7)、解凍後のイモの鮮度及び風味は生イモとほとんど差がないことが確認できた。
図1及び図9を参照して、いま、凍結装置21内の温度を−35℃に制御して、食品31を搬送コンベア21dで搬送しつつ、食品31の凍結を行った。この際には、当該食品31に応じた特異周波数を有する合成波(例えば、7kHz、10kHz、13kHz)を波形生成装置42で生成して、動磁場発生装置電源41に与えて、磁場発生コイル21eによって食品31に動磁場を印加した。これによって、食品31を温度20℃から温度−20℃まで低下させて、食品31を凍結食品32として、凍結食品32を保管冷凍庫22に保管した。
保管冷凍庫22内の温度を−20℃に制御して、凍結食品32を保管した。この際にも凍結の際と同様にして、磁場発生コイル22eによって特異周波数に応じた動磁場を凍結食品32に印加して(例えば、600Hz)、凍結食品32の冷凍保管を行う。
そして、凍結食品32を解凍する際には、食品解凍装置12内の温度を15℃に制御して、凍結食品32を搬送コンベア12dで搬送しつつ、凍結食品32の凍結を行った。この際にも凍結の際と同様に、磁場発生コイル12eによって特異周波数を有する動磁場を凍結食品32に印加して解凍を行ったところ(例えば、7kHz、10kHz、13kHz)、凍結食品32の温度は−20℃から約20℃程度まで上昇し、解凍が終了した。そして、解凍後の食品の鮮度及び風味を調べてみたところ、凍結前の鮮度及び風味とほとんど差はなかった。
なお、凍結及び解凍の際、図9に示す最大氷結晶生成温度帯となる前に、動磁場の印加を開始するようにしてもよく、このようにして、動磁場を印加しても良好に食品の凍結及び解凍を行うことができる。
図10を参照して、サツマイモを図1に示す食品冷凍保存システムを用いて、サツマイモを冷凍保存して解凍して、その官能試験を行ったところ、図10に示す結果が得られた。比較のため、生イモの官能試験を行うとともに、急速冷凍したサツマイモに磁場を印加しないで解凍した際の官能試験も行った(以下従来例と呼ぶ)。
図10において、符号N1は本発明よって冷凍保存されたサツマイモ、符号N2は生イモ、符号N3は従来例によるサツマイモの官能試験結果を示す。図示のように、本発明によって冷凍保存されたサツマイモは、生イモとほとんど差異がなく、色、味、香、なめらかさ、及び硬さ(食感)ともに、従来例によるサツマイモに比べて格段に良好であることが分かる。
図11は、凍結装置21の別の例を示す図であり、図示の例では、搬送コンベア21dは円筒状体(例えば、非着磁性SUS等の非磁性材料で形成される)51内にスパイラル状に配置されており、円筒状体51の下側に食品投入口が規定され、上側には保管冷凍庫22が位置付けられる。円筒状体51の一部周面は磁場発生コイル21eで規定され、図示の例では、2つの磁場発生コイル21eが互いに対向して配置されている。
図示の例においては、磁場発生コイル21eが互いに離れて配置されている関係上、各磁場発生コイル21eから発生する動磁場が互いに独立しており、図11に二点鎖線矢印で示すように動磁場52が発生する。
図11に示す例においても、食品31は搬送コンベア21dを搬送される際、庫内で冷却されるととともに動磁場の影響を受け、搬送コンベア21dの一端部(下側端)から他端部(上側端)への移動につれて、凍結されて凍結食品32となって保管冷凍庫22に到達する。
図12(a)及び(b)を参照して、円筒状体51と同軸状に複数の磁場発生コイル21eを軸方向に所定の間隔をおいて配置して、円筒状体51が磁場発生コイル21eで囲まれるようにしてもよい。このようにすれば、二点鎖線(図12(a))及び破線丸印(図12(b)で示すように、相互作用によって円筒状体51の軸方向に沿って動磁場52が形成され、円筒状体51の内部にほぼ均一な強度の磁場を発生させることができる。
ところで、発明者らの実験によれば、図4及び図5において、比誘電率ε’および比誘電損率ε’’と被冷却物の温度および動磁場周波数は後者を変数とする関数関数関係にあることが分かった。このことから、図9の特異点に対応する比誘電損率および比誘電率が存在することが分かる。さらに両者に関係したもう一つの特異点は図6の曲線群の極大値である。両図の特異点における条件を用いた食品凍結は凍結・解凍の品質改善に良好な効果を与えることが図8の組織試験および図10の官能試験の結果から明らかである。これらの試験結果から、被冷却体の温度に対応した最適な動磁場周波数の選定または複数の動磁場周波数の合成により食品の凍結・解凍品質を最適化することが可能となる。
さらに、0Hz近傍、例えば10−6 Hz程度の周波数のような超低周波数領域の交番磁場を印加しても、良好に食品の凍結を行うことができ、また、周波数が低くなるほど、交番磁場(動磁場)の強度を大きくすることが容易となり、現在の高温酸化物を用いた超電導磁石等の利用によって、1T(テスラ、1T=10000ガウス)の高磁場を利用することもできる。磁場強度が0.1T以下程度の磁場発生装置は極めて実用的なものである。さらに、交番磁場の周波数は0Hz(0を含まず)〜10MHzの範囲とすれば、食品の凍結に好影響を及ぼす。
食品に含有される水の比熱は4.22kJ/kg℃、氷の融解熱(凝固熱)は333.6kJ/kgであり、実際の凍結装置におけるる冷凍能力は、短時間でこのような含有食品を凍結させる事ができるほど強力なものである。これに比べて、本発明に利用される電磁波エネルギーは桁違いに微小なエネルギーと考えてよい。従って、本発明のように微弱な磁場のエネルギーが食品の過冷却度にマクロな影響を与えることはありえず、交番磁場の印加は食品の過冷却度と無関係であり、特許文献1及び2に示される原理とは全く別の原理と効果に基づいている。
食品を冷凍しつつ、食品に交番電磁場を印加して、食品を凍結して、この凍結食品を、食品の種類に応じて選択的に交番磁場を印加しつつ、冷凍保存するようにしたから、常に良好に食品を冷凍保存することができる結果、各種の食品を冷凍保存する際に適用できる。
本発明による食品冷凍保存システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図1に示す凍結装置における交番磁場印加を説明するためのブロック図である。 図1に示す食品冷凍保存システムにおける冷凍過程、保管過程、及び解凍過程を説明するためのブロック図である。 動磁場周波数と食品の比誘電率との関係を示す図である。 動磁場周波数と食品の比誘電損率との関係を示す図である。 動磁場周波数と食品の吸収エネルギーとの関係を示す図である。 食品(サツマイモ)のインピーダンス特性を示す図である。 冷凍された食品(サツマイモ)の平均空隙面積率を従来例と比較して示す図である。 図1に示す食品冷凍保存システムにおいて凍結過程、保管過程、及び解凍過程における食品温度変化を示す図である。 冷凍された食品(サツマイモ)を解凍した際の官能試験結果を従来例と比較して示す図である。 図1に示す凍結装置における搬送コンベアと磁場発生コイルとの位置関係の一例を示す図である。 図1に示す凍結装置における搬送コンベアと磁場発生コイルとの位置関係の他の例を示す図であり、(a)は側方から見た図、(b)は上方から見た図である。
符号の説明
11 食品冷凍装置
12 食品解凍装置
21 凍結装置
22 保管冷凍庫
12e,22e,21e 磁場発生コイル(空芯コイル)
41 動電磁場発生装置
42 波形生成装置(ファンクションジェネレータ)

Claims (12)

  1. 食品を凍結保存する際に用いられる食品冷凍保存システム装置において、
    前記食品を当該食品に対して予め規定された凍結温度で冷凍する凍結過程を行って前記食品を凍結食品とする冷凍手段と、
    前記凍結過程の少なくとも一部において前記食品に交番磁場を印加する第1の交番磁場印加手段と、
    前記凍結食品を当該凍結食品に対して予め定められた保管温度で冷凍保管する保管過程を行う冷凍保管手段と、
    前記保管過程中前記凍結食品に対して、当該凍結食品の種類に応じて選択的に交番磁場を印加する第2の交番磁場印加手段とを有することを特徴とする食品冷凍保存システム。
  2. 前記凍結過程において、前記食品に印加する交番磁場と前記保管過程で前記凍結食品に印加する交番磁場とはその周波数が異なるようにしたことを特徴とする請求項1記載の食品冷凍保存システム。
  3. 前記凍結過程において、前記食品に印加される交番磁場の周波数を食品の種類に応じて変化させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の食品冷凍保存システム。
  4. 前記凍結過程において、前記食品の最大氷結晶生成温度帯付近で前記交番磁場を前記食品に印加するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の食品冷凍保存システム。
  5. 冷風の存在下で、前記交番磁場を前記食品に印加するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の食品冷凍保存システム。
  6. 前記凍結過程において、前記食品のインピーダンス特性に基づいて得られた周波数成分を含む交番磁場を前記食品に印加するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の食品冷凍保存システム。
  7. 前記凍結過程において、前記交番磁場として矩形波状の交番磁場を印加するようにしたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに1項記載の食品冷凍保存システム。
  8. 前記交番磁場には、互いに異なる複数の交番磁場が重畳されていることを特徴とする請求項7記載の食品冷凍保存システム。
  9. 前記交番磁場の周波数は0(0を含まず)〜10MHzの範囲で、その強度は0.1テスラ以下であることを特徴とする請求項7記載の食品冷凍保存システム。
  10. 前記交番磁場に非交番磁場を重畳するようにしたことを特徴とする請求項7記載の食品冷凍保存システム。
  11. 前記冷凍手段は、スパイラル状に形成され前記食品を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアが収納された非磁性の円筒状体と、該円筒状体内を冷却する冷却手段とを有し、
    前記第1の交番磁場印加手段は、前記円筒状体の一部周面に配置された磁場発生コイルを備えていることを特徴とする請求項1記載の食品保存システム。
  12. さらに前記凍結食品を当該凍結食品に対して定められた解凍温度で解凍する解凍過程を行う解凍手段と、
    前記解凍過程において前記凍結食品に交番磁場を印加する第3の交番磁場印加手段とを有することを特徴とする請求項1記載の食品冷凍保存システム。
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