JP2005291836A - 標的物質濃縮用機能性タグ、及び該機能性タグの使用方法 - Google Patents

標的物質濃縮用機能性タグ、及び該機能性タグの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
各種標的物質、特にタンパク質の検出、及び精製に有用な機能性タグ、該機能性タグを用いた標的物質の検出方法、及び精製方法を提供する。
【解決手段】
親和性ペプチドタグ、及び反応基Zを含み、かつ下記式(1)で表される機能性タグ;
(His)l-(X-His)m-(X)n-(Y)p-Z (1)
(式中、Xはヒスチジンを除く任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体であり、Yはリンカーであり、lは0又は1、mは4〜100の整数、nは0、又は1、かつpは0、又は1である)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、標的物質濃縮用機能性タグ、及び該機能性タグの使用方法に関するものである。さらに詳細に述べると、各種標的物質、特にタンパク質の検出、及び精製に有用な機能性タグ、該機能性タグを用いた標的物質の検出方法、及び精製方法に関するものである。
生命システムの理解、さらには病態を解明するためには、疾病、及び生理状態変化にともなって質的・量的に変動するタンパク質(標的タンパク質)を見つけ出し、次にそのタンパク質の機能を調べると共に、相互作用するタンパク質を解析することが必要である。そして、生体組織・細胞中に存在するタンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析は、このような解析を可能にする新たなアプローチとして注目を集めている。このようなプロテオーム解析を行うには、生体組織・細胞中に存在する微量のタンパク質を効率的に収集しなくてはならない。
従来、このようなタンパク質の収集は、ヒスチジンタグ(His-Tag)を用いて発現タンパク質を回収する方法、又はアビジンとビオチンとの親和性を利用して、ビオチン化タンパク質を固定、回収する方法などで行われてきた。例えば、
捕捉タグとしてビオチン2〜3分子を付加したシリコン含有化合物を用いるオリゴマーの精製方法(特許文献1)、及びマーカ残基としてのビオチンと、標的物質に結合する反応性基とを有する標識試薬(特許文献2)などがあった。
該ヒスチジンタグ(His-Tag)とは、アミノ酸であるヒスチジンを連結したオリゴペプチドであり、Ni2+イオンなどに対して特異的な親和性がある。そのため、目的タンパク質のN末端、又はC末端に該ヒスチジンタグを付加して発現させ、該ヒスチジンタグとNi2+との親和性を利用して目的タンパク質を精製することができる。しかし、該ヒスチジンタグを有する目的タンパク質を得るためには、該タグをコードするDNA断片を、該タンパク質をコードする遺伝子に組み込み、かつ発現させる必要があるので、その利用が限られている。また、該ヒスチジンタグを合成して利用する試みもあったが(非特許文献1)、HisとHisとをペプチド結合させる反応の効率が非常に低いため、実用性が乏しいという問題があった。
また、タンパク質をビオチン化してアビジンにより固定、回収する方法は、ビオチンが容易に合成でき、価格も安いので広範囲に利用されているが、タンパク質の変性剤、可溶化剤などが存在するとビオチンとアビジンが結合しなくなるという問題があった。
このため、生体組織・細胞中に存在する微量のタンパク質を効率的に収集することができ、製造が容易、価格が安く、かつタンパク質の変性剤などが存在しても安定である、タンパク質濃縮用親和性ペプチドタグが求められていた。
特表2001−520679号公報 特開2004−4048号公報 Josper V. Olsenらの論文, Mol Cell Proteomics. 2004, Jan;3(1):82-92.Epub, 2003
本発明は、各種標的物質、特にタンパク質の検出、及び精製に有用な機能性タグ、該機能性タグを用いた標的物質の検出方法、及び精製方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは研究を行った。その結果、ヒスチジンを連続してペプチド結合で連結すると反応効率は非常に低いが、ヒスチジンとヒスチジンの間に他のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体を挟むと反応効率が上がること、及びヒスチジンと他のアミノ酸を結合単位とする機能性タグも、ヒスチジンからなる機能性タグと同様に、キレート化した遷移金属イオン、特にNi2+イオンと高い親和性を有するという知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものである。
したがって、本発明は、親和性ペプチドタグ、リンカーY、及び反応基Zからなる機能性タグあって、該親和性ペプチドタグが少なくとも3個、好ましくは4又は5個以上の(X-His)単位を有し、かつXは任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体である、前記機能性タグを提供する。
また、本発明は、親和性ペプチドタグ、及び反応基を有する残基Zからなる機能性タグであって、該親和性ペプチドタグが少なくとも3個、好ましくは4又は5個以上の(X-His)単位を有し、かつXは任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体である、前記機能性タグを提供する。
さらに、本発明は、親和性ペプチドタグ、及び反応基Zを含み、かつ下記式(1)で表される機能性タグを提供する:
(His)l-(X-His)m-(X)n-(Y)p-Z (1)
(式中、Xはヒスチジンを除く任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体であり、Yはリンカーであり、lは0又は1、mは4〜100の整数、nは0、又は1、かつpは0、又は1である)。
さらに、本発明は、前記機能性タグを含む、タンパク質検出用キット、及びタンパク質精製用キットを提供する。
さらに、本発明は、前記機能性タグを、標的物質を含む試料と混合し、該混合物を、該親和性ペプチドタグと結合する金属イオンを保持する担体と接触させ、次いで、該担体から該機能性タグを回収することを特徴とする、標的物質の検出方法を提供する。
さらに、本発明は、親和性タグ、又はリンカーYに蛍光試薬、RI試薬などの検出部位を付加した機能性タグを、標的物質を含む試料と混合し、該混合物を、該親和性ペプチドタグと結合する金属イオンを保持する担体と接触させ、次いで、該担体から該機能性タグを回収することすること、複雑な試料中に存在する微量標的物質を濃縮して、高感度に検出する方法を提供する。
さらに、本発明は、前記機能性タグを、タンパク質を含む試料と混合し、該混合物を、該親和性ペプチドタグと結合する金属イオンを保持する担体と接触させ、次いで、該担体からターゲット分子と結合した該機能性タグを回収することを特徴とする、タンパク質精製方法を提供する。
さらに、本発明は、前記機能性タグを、タンパク質を含む試料と混合し、該混合物を、該親和性ペプチドタグと結合する金属原子を保持する担体と接触させ、次いで、該担体からターゲット分子と結合した該機能性タグを回収し、さらに抗体を用いた、ウエスタンブロッティング法と組み合わせた、二段タンパク質階精製方法を提供する。
本明細書において「親和性ペプチドタグ」とは、キレート化した遷移金属イオン、特にNi2+に親和性を有するペプチドのタグをいう。本明細書において「リンカーY」とは、親和性ペプチドタグと反応基をつなぐ部分をいい、前記親和性ペプチドタグのN末端、又はC末端のいずれにか結合し、かつ反応基を導入する化合物の非反応基と結合することができるものをいう。また、本明細書の「反応基を有する残基Z」とは、標的物質と選択的に結合する官能基、標的物質と選択的に結合できる基を有する原子団、又は標的物質と選択的に結合できる分子をいう。なお、本発明の機能性タグにおいては、「リンカーY」及び/又は「残基Z」は、親和性ペプチドタグのN末端、又はC末端のいずれに配置されていてもよい。
本発明の機能性タグの利点を挙げると、人工的に大量生産でき、市販の安定同位体標識F-MOC誘導体アミノ酸を使って任意の安定同位体標識が可能であり、リンカー部位に容易に酵素消化部位を導入でき、様々な機能性アミノ酸(非天然アミノ酸も含む)を容易に導入でき、質量分析時のイオン化効率が高く、Hisの間のアミノ酸を選択することにより、逆相カラムに親和性を持たないように調製できるので、他の物質から容易に分離できるという利点がある。なお、ここで機能性アミノ酸とは、例えば、光照射によってその立体構造を変化したり、切断されたりするもの、並びに他の試薬を結合させるための反応基をもったアミノ酸などをいう。
したがって、本発明の機能性タグを使用することにより、タンパク質のみならず、多くの標的物質の濃縮、精製、及び検出を行うことができる。また、生体中に微量しか存在しない、特定タンパク質の検出、及び選択的濃縮を効率的に行うことができる。特に、親和性ペプチドタグ、又はリンカーYに蛍光試薬、ラジオアイソトープ試薬などの検出部位を付加することにより、複雑な試料中に存在する微量の標的を物質を濃縮して、高感度に検出することができる。さらに、安定化に界面活性剤や高塩濃度バッファーを必要とする膜タンパク質の精製は、タンパク質であるアビジンと、ビオチンが結合し難いため困難であったが、本発明の機能性タグを用いることにより効率的に行うことができるようになった。
次に、本発明を、その実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の機能性タグは、親和性ペプチドタグ、及び反応基Zを含み、かつ下記式(1)で表される機能性タグである。
(His)l-(X-His)m-(X)n-Y(p)-Z (1)
式中、Xはヒスチジンを除く任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体であり、Yはリンカーであり、lは0又は1、nは0、又は1、かつpは0、又は1である。また式中、mは4〜100、好ましくは5〜25、さらに好ましくは6〜15の整数である。また、式(1)は、該リンカーY及び/又は残基Zが、該親和性ペプチドタグのC末端、又はN末端のいずれかに結合していることを示している。なお、式中の「His」は、ヒスチジン、又はキレート化したNiなどのイオンに親和性を示すヒスチジの誘導体を意味する。
本発明の標的物質は、残基Zの反応基と選択的に結合し得る化合物であれば特に制限されない。該標的物質の例を挙げれば、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖類、脂質、リン脂質、DNA、及びRNAなどの各種生体分子、並びに天然に存在する、又は合成された様々な化合物がある。特に、本発明の機能性タグは、生体中に微量存在する生体分子を標的物質としての濃縮、及び検出する場合、優れた効果を発揮する。
また、本発明の親和性ペプチドタグとは、式(1)の(His)l-(X-His)m-(X)nで表されるペプチド断片をいう。式中、Xは、任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体である。該アミノ酸は天然に存在するアミノ酸、及び非天然のアミノ酸の双方を含み、本発明の親和性ペプチドタグで利用できるものであれば特に制限されない。
該アミノ酸の例を挙げると、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン及びチロシンなどがある。本発明の親和性ペプチドタグと、キレート化Ni2+イオンと親和性を強くする場合、Xとして該イオンと親和性を有するシステイン、又はトリプトファンを用いるのが好ましい。また、精製に用いるアフィニティーカラムの性質に応じて、非極性側アミノ酸、極性無電荷側鎖アミノ酸又は極性電荷アミノ酸からXを選択することにより、より高い純度で標的物質を精製することができる。
また、該アミノ酸誘導体には、これらに限定されるものではないが、前記アミノ酸に対応する下記化合物がある。式中、Rは各アミノ酸固有の基である。
RCH(NH2)CO-[アシル基]
RCH(NH2)CO21-[アニオン]
RCH(NH2)CONH2[アミド]
RCH(NH2)CH2OH[アルコール]
RCH(NH2)CHO[アルデヒド]
RCH(CO2H)NH-[N-置換基]
これら誘導体のうち、ヒスチジンの誘導体の例を挙げると、ヒスチジル、ヒスチジナート、ヒスチジンアミド、ヒスチジノール、ヒスチジナール及びN-ヒスチジノなどがあり、アラニンの誘導体には、アラニル、アラニナート、アラニンアミド、アラニノール、アラニナール及びアラニノがあり、また、グリシンの誘導体には、グリシル、グリシナート、グリシンアミド、グリシノール、グリシナール、及びグリシノがある。
なお、本発明の機能性タグが標的分子を含む試料に大量に存在することで、標的分子と機能性タグとの反応効率が向上する。したがって未反応の機能性タグを容易に除去できることは機能性タグにとって非常に大きな利点である。この特性は親和性ペプチドタグの特性に依存している。(His-X)mのXの選択によりこうした特性をもたせることが可能である。
また、本発明のリンカーYは、親和性ペプチドタグと反応基を有する残基Zとを連結させるものであれば、特に制限されない。例えば、親和性タグのC末端、又はN末端に結合し、かつ残基Zの反応基以外の基に結合する分子である。本発明で好ましいリンカーYは、アミノ酸、又はアミノ酸誘導体3〜30個、好ましくは3〜15個を、さらに好ましくは3〜9個を含むペプチドである。また、単体のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体を用いることもできる。該リンカーYで用いるアミノ酸、及びアミノ酸誘導体は、前記親和性ペプチドで用いるものと同じでよい。また、先に挙げた、各種アミノ酸誘導体をリンカーYのC末端に結合することで、様々な反応基を有する残基Zを機能性タグに取り込むことができる。
また、ペプチド以外のリンカーYの例を挙げると、単独のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体、脂肪酸、又は脂肪酸エステルなどがあり、必要に応じてスペーサーとして、長炭素鎖を有するリンカーYを、本発明の機能性タグに導入できる。さらに、本発明では、リンカーYを付与せず、親和性ペプチドタグに反応基を有する残基Zを直接付加してもよい。この場合、親和性ペプチドタグのC又はN末端に前記アミノ酸誘導体を付加することにより、容易に残基Zを形成する化合物と結合させることができる。
また、本発明では、該リンカーYに標識分子を付加してもよい。該標識分子を導入することで、標的物質を高感度、かつ容易に検出することができる。該標識分子として、例えば、蛍光物質、安定同位体、及び放射性同位体を用いることができる。本発明で用いる蛍光物質は特に制限されないが、例を挙げると、フルオレセイン、ローダミン、又はロドールなどのキサンテン色素、シアニン色素、クマリン色素、ポルフィリン色素、及びこれらの複合色素などがある。また、該標識分子として同位体元素、重水素、三重水素、15Nの窒素同位体、及び13C又は14Cの炭素同位体を挙げることができる。例えば、重水素などの同位体元素を含むアミノ酸を付加することで、該リンカーYに標識分子を容易に導入することができる。また、必要に応じて、親和性ペプチドタグ部分をこれらの標識分子で標識してもよい。
また、リンカーYとして、アミノ酸、又はペプチドを用いることにより、標的物質と親和性タグとを切り離すためのプロテアーゼ認識部位を容易に導入することができる。該認識部位を認識するプロテアーゼにより、標的物質と結合した機能性タグを、親和性ペプチドタグと標的物質とに分け、該標的物質を濃縮することができる。本発明で用いるプロテアーゼは、リンカーY、又はリンカーYと反応基Z間のアミノ酸のペプチド結合を選択的に切断するものであれば特に制限されない。
本発明で用いるプロテアーゼの例を挙げると、キモトリプシンA(芳香族アミノ酸残基のC端側)、エンドプロテイナーゼ Glu-C(プロテアーゼV8)、エンドプロテイナーゼ
Lys-C、ファクターXa(Arg残基のC端側)、プラスミン(Arg、Lys残基のC端側)、スロンビン(Arg残基のC端側)及びトリプシン(Arg、Lys残基のC端側)などのセリンプロテアーゼ、セルモリシン(疎水性L-アミノ酸(特にIle、Leu、Val、Phe、Met、Ala)残基のC端側)、ディスパーズ(Leu-Phe結合)、エンドプロテイナーゼ
Arg-C、アミノペプチダーゼM(遊離α-アミノ基やα-イミノ基をもつL-アミノ酸のN未端側)、カルボキシペプチダーゼB(C未端のArg、Lys、Orn残基)、及びカルボキシペプチダーゼY(タンパク質・ペプチドのC未端のL-アミノ酸を加水分解する。Proを分解)などがある。
また、本発明の残基Zの反応基とは、濃縮、検出、又は精製の対象となる標的物質と選択的に結合する構造部分をいい、通常の化学基のみならず、親油性の残基、抗体、ハプテン、抗原及びリガンドなどがある。なお、該反応基が長炭素鎖を含む親油性の残基、又は抗体などである場合、該反応基がそのまま残基Zを構成している。また、ここでリガンドとは、タンパク質などの標的物質に特異的に結合する物質をいう。
本発明の反応基(化学基)の例を挙げると、O、S及びNHなどがある。この場合、本発明の残基Zは、−A−B−A−で表すことができ、式中、各Aは独立してO、S又はNHであり、Bは置換又は非置換C1〜20の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル、アラルキル、アリール、アルカリール、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキル、ヘテロ環式、アルキル−ヘテロ環式又はヘテロ環式−アルキルとすることができる。
また、各種タンパク質を標的物質とする場合、タンパク質の官能基、例えば、アミノ基、アルデヒド基、又はSH基と結合する反応基を選択する。例えば、ε-アミノ基などの遊離のアミノ基(-NH2)と結合する活性エステル基、システインなどのチオール基(-SH)と結合するマレイミド基、又は酸化傷害タンパク質のアルデヒド基(-CHO)と結合するヒドラジドなどである。
該反応基(化学基)を付与するため、リンカーY、又は親和性ペプチドタグのC末端、又はN末端に結合することができ、かつ該反応基を有する残基Zを、リンカーY又は直接親和性ペプチドタグに結合させる。該残基Zの形成に用いることができる化合物を挙げると下記のものがある。
次に本発明の機能性タグの製造方法について説明する。
本発明の親和性ペプチドタグは、該ペプチドタグをコードする核酸分子を適当なベクターに組み込んで発現させるか、又は化学的な合成方法により製造することができる。化学的に合成する場合、合成用担体にアミノ酸を順次結合させ、続いて、リンカーY及び残基Zを結合させる方法と、適当な担体に残基ZとリンカーYを結合させ、そこにアミノ酸を順次結合させていく方法のいずれで製造してもよい。
本発明の親和性ペプチドタグの製造には、通常、市販のペプチド・タンパク質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4-ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4-ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4-(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。
このような樹脂を用い、α-アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする前記ペプチドタグの配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。また、本発明の機能性タグがリンカーYを必要としない場合、ペプチド配列最後のアミノ酸に所定の化合物を反応させて残基Zを導入する。また、リンカーYがアミノ酸、又はその誘導体からなる場合、該ペプチドタグに続いて、自体公知の各種縮合方法に従い、該リンカーYを樹脂上で縮合させ、続いて、リンカーY最後のアミノ酸に所定の化合物を反応させ残基Zを導入する。該反応の最後に樹脂から本発明の機能性タグを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに必要な場合、高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の機能性タグ得る。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ペプチド・タンパク質合成に使用する各種活性化試薬を用いることができ、特に、カルボジイミド類が好ましい。該カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどがある。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
前記保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒は、ペプチド・タンパク質縮合反応に使用できる溶媒から適宜選択する。例を挙げると、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、又はこれらの混合物を用いることができる。
反応温度は、タンパク質結合形成反応に適している範囲から適宜選択するが、通常-20℃〜50℃の範囲である。活性化されたアミノ酸誘導体は、通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストを行い、縮合が不十分な場合には、保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことで十分な縮合を行なうことができる。該反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸、又はアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
該アミノ酸のカルボキシル基の保護は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2-アダマンチルなどの直鎖状、分枝状、又は環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4-ニトロベンジルエステル、4-メトキシベンジルエステル、4-クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって行う。
また、セリンの水酸基の保護は、例えば、エステル化、又はエーテル化によって行うことができる。該エステル化に適した基を挙げると、例えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などがある。また、該エーテル化に適した基を挙げると、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基などがある。
また、チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2-ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチルなどがあり、ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどを挙げることができる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd-黒、又はPd-炭素などの触媒の存在下における水素気流中での接触還元や、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又はこれらの混合液による酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また、液体アンモニア中ナトリウムによる還元などがある。前記酸処理による脱離反応は、一般に約-20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は、前記1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理により除去することができる。前記縮合反応に関与すべきでない官能基の保護、保護基、及びその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択することができる。
前記担体上に形成された本発明の機能性タグを、公知の溶媒、及び離脱剤を用いて処理することにより、該担体から除去し、凍結乾燥法などにより固体、又は粉末の状態で得ることができる。
本発明の機能性タグを用いた標的物質の検出方法について説明する。本発明の方法では、前記機能性タグを、標的物質を含む試料と混合し、該混合液又は懸濁液を、該機能性タグの親和性ペプチドタグと結合する金属イオンを保持する担体と接触させ、次いで、該担体から該機能性タグを回収する。
該標的物質が、タンパク質、糖類などの生体分子である場合、ヒトなどの動物から採取した血液、体液、又は組織抽出物を、適当な溶液で処理して試料として用いる。
また、本発明の機能性タグと親和性を有する金属イオンは、前記ペプチドタグと親和性を有する限り特に制限されない。該金属イオンの例を挙げると、Cu2+、Zn2+、Ni2+、Ca2+、Co2+、Mg2+などの2価金属イオン、特にNi2+イオンが好ましい。通常、これらの金属イオンを担持する担体は、特に限定する必要はないが、各種ゲル、特にアガロースゲルを用いるのが好ましい。親和性ペプチドタグを捕獲する金属イオン−担体は、ゲル上で所望の金属イオンを配位したキレート形成を行うことにより調製することができる。該ゲルを固定する支持体として、ガラス板、プラスチック板、96ウェルプレートなどを用いることができる。特に該キレート化金属イオン−ゲルを、ウェル底部に形成した96ウェルプレートを用いることにより、標的物質検出の自動化を容易に行うことができる。
なお、金属イオン固定化担体と親和性ペプチドタグの結合力は、配位した金属イオンの種類、及び溶液のpHに依存する。本発明においては、該溶液のpHは通常6〜9、特に7.5〜8.5が好ましい。一方、金属イオン固定化担体と親和性ペプチドタグの結合力は、界面活性剤や高塩濃度バッファーには影響され難いので、これらを必要とする膜タンパク質の精製に適している。なお、該担体に捕獲された、本発明の機能性タグ−標的物質複合体は、キレート剤、酸、又はアルカリを加えて、該親和性ペプチドタグと金属イオンとの結合を切り離して回収することができる。また、該標的物質は、リンカーYのプロテアーゼ切断部位に、所定のプロテアーゼを作用させることで、担体−機能性タグ複合体から切り離して回収することができる。
回収された標的物質を、陰イオン交換HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、液体クロマトグラフィー質量分析計、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、逆相クロマトグラフィー、イオン対クロマトグラフィー、及びアフィニティークロマトグラフィーなどを使って同定、及び定量することができる。
さらに、本発明の機能性タグを、タンパク質を含む試料と混合し、該混合物を、該機能性タグの親和性ペプチドタグと結合する金属イオンを保持する担体と接触させ、次いで、該担体から標的分子と結合した該機能性タグを回収することで、標的タンパク質を精製することができる。
かかる精製方法により、生体内に微量存在する、ホルモン、酵素などを生体分子を容易に得ることができるだけでなく、遺伝子組み換えにより製造した希少なタンパク質を容易、かつ効率的に取り出すことが可能になる。本発明の機能性タグを用いて得られた標的タンパク質は、さらにカラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、逆相クロマトグラフィー、イオン対クロマトグラフィー、及びアフィニティークロマトグラフィーなどにより、さらに二次精製することができる。
次に、本発明を実施例に基づき、詳細、かつ具体的に説明する。本実施例は、本発明の説明を目的とするものであり、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグを製造し、該機能性タグを用いて、本発明の標的物質の検出方法を実施した。生体内の活性酸素によって導かれるタンパク質の非生理的な翻訳後修飾(酸化傷害)、特にアルギニン残基、リジン残基、及びプロリン残基のアルデヒド化は老化にとどまらず多くの疾病と関連していることが報告されている。本実施例では、親和性タグのC末端側にアルデヒド基と共有結合するヒドラジドを付加した機能性タグを調製し、これによってアルデヒド化されたタンパク質を精製して同定した。
(実施例1)酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(I)の製造
本実施例では、下記機能性タグ(I)を製造した。
HGHAHGHAHGHAHGHGHAHG-EGAGA-ヒドラジド (I)
親和性ペプチドタグ HGHAHGHAHGHAHGHGHAHG (配列番号:1)
リンカーY EGAGA (配列番号:2)
ヒドラジド -NH(CH(CH3))CO(NH(NH2))
本実施例では、該機能性タグ(I)の製造を次のように行った。まず、ポリスチレンクロロトリチルクロライド 樹脂(BeadTech社、3.0g、1.3mmol/g、3.9
mmol)をヒドラジン(10 eq.)を含む無水N-メチル-2-ピリロリドン(NMP)(15 mL)溶液中で室温で10時間振とうした。この樹脂をフィルターにかけてろ過し、NMP
20mLで3回洗って、減圧下で乾燥しトリヒドラジン樹脂1を得た。親和性ペプチドタグの合成はこのトリヒドラジン樹脂1を用いて手動で行った。
合成に使用したFmocアミノ酸は0.5 MのNMP溶液として使用した。カップリング試薬はあらかじめNMP(0.5 M)溶液として調製し、活性剤N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)は2Mの濃度に調製した。全工程において、アミノ酸とカップリング試薬をトリヒドラジン樹脂1に対して10等量使用し、1回のカップリング反応は2時間行った。Fmoc脱保護化は20%ピペリジン-NMP溶液を用いて行った。また、樹脂からのペプチド切断、並びにアミノ酸側鎖の脱保護を行うためTFA/H2O(95:5
v/v)中で、該樹脂を3時間処理した。該樹脂をTFAで洗って、ろ液を減圧蒸留により濃縮した。この溶液にジエチルエーテルを加えて粗ペプチドを沈殿させて、遠心によって集め、H2Oに溶かして凍結乾燥した。該ペプチドの収量を、Shimadzu
Shim-pack C-18カラム(250×4.6 mm, 5μm, 100Å、HPLC流量 1 mL/min)を用いて、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製HPLC
SCL-10A (UV (230 nm)検出器))で決定した。収率は7.4%(MALDI-TOF [M+H]+ calcd 2415.8, found
2416.3)であった。
(実施例2) 酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(II)の製造
本実施例では、下記機能性タグ(II)を製造した。
HGHAHGHGHAHGEGAGA-ヒドラジド (II)
親和性ペプチドタグ HGHAHGHGHAHG (配列番号:3)
リンカーY EGAGA (配列番号:2)
ヒドラジド -NH(CH(CH3))CO(NH(NH2))
配列番号1のヒスチジン数10個から、配列番号3でヒスチジン数6個の親和性ペプチドタグにした他は、実施例1を同様な方法で、該機能性タグを製造し、回収した。
(実施例3) 異常発現タンパク質を標的物質とする機能性タグ(III)の製造
本実施例では、下記機能性タグ(III)を製造した。
ヨードアセトアミド-GAGAE-GHGHAHGHGHAH (III)
親和性ペプチドタグ GHGHAHGHGHAH (配列番号:4)
リンカーY AGAGE (配列番号:5)
ヨードアセトアミド -NHCOCH2I
本実施例では、下記スキームに基づき、次の方法で該機能性タグ(III)を製造し、回収した。
なお、本実施例では、特に断らない限り、使用したすべてのアミノ酸はL型構造を用いた。Fmoc-保護アミノ酸はNovabiochem社(ダルムシュタット、ドイツ)から購入した。Fmoc-保護アミノ酸の側鎖保護をGlu
(OtBu)、及びHis (Boc)として行った。他のすべての試薬及び溶媒は、分析、及びペプチド合成に使用するグレードであり、かつこれらは、Merck社(ダルムシュタット、ドイツ)、B
& J Bioscience社、及びAldrich社から購入した。該合成、及び分析に使用されたすべての溶媒、及び試薬は、分析グレードのものとした。すべてのHPLC分析は、RP18(シムパック)
250mm X 5 mm カラム、及びUV検出器(230 nm)を備えた島津SCL-10A VPを用いてより行った。該生成物の特性確認は、MALDI-TOF(KRATOS分析Axima-CFR、島津グループ)を使用して行った。
本実施例の該ペプチドは、下記スキームに示すように、段階的フルオレン9-イルメトキシカルボニル(Fmoc)固相法により製造した。まず、Fmocアミノ酸を、0.5
M NMP溶液として保存し、カップリング試薬をNMP (0.5 M溶液)に前もって溶解し、一方、該アクチベータDCC及びHOBtを2M溶液とした。すべての場合において、10当量のアミノ酸及びカップリング試薬を用い、2時間のカップリングを1回行った。Fmoc脱保護をNMP中20%ピペリジンを用いて行った。N末端のヨード酢酸カップリングを通常のDCCカップリングで行った。アミノ酸側鎖の該樹脂からのペプチド切断をTFA/H2O
(95:5 v/v)を用いて3時間行った。該樹脂をTFAで洗浄し、かつ該ろ液を部分的に蒸発させた。該粗生成物をジエチルエーテルで沈殿させ、遠心分離で集め、H2Oに溶解し、かつ凍結乾燥した。該ペプチドの収率を、島津シムパックC-18カラム(250mm
X 4.6 mmカラム、5μm、100Å、流速1 ml/分)を用い、UV検出器(230 nm)を備えたSCL-10A VP島津装置で測定した。その結果は、収率15%、かつMALDI-TOF
[M+H]+ found 1717.8であった。
(実施例4) 酸化状態のペプチドの分離及び精製
下記配列番号6のアミノ酸配列を有するペプチドである、アンジオテンシン(以下、AngIIと略す)に、人工的に酸化傷害を与え、アルデヒド化されたOxAngIIを生成し、その精製を試みた。
AngII: DRVYIHPF (配列番号:6)
まず、AngII濃度200μMの水溶液(1)を調製した。次いで該AngII溶液10μlに、NaOCl濃度120μMの水溶液10μlを加えて、37℃で30分間静置することにより、酸化されたAngII(以下OxAngIIと略す)の溶液(2)を調製した。次にOxAngII溶液(2)
20μlを凍結乾燥して得られた粉末に、実施例2で得た機能性タグ(II)4mMを含む6Mグアニジン塩酸塩溶液10μlを加え、67℃で、10分間反応させることで、機能性タグ(II)を付加したOxAngII溶液(3)を調製した。その後、チップ型微量逆相カラム(Zip-TipC18、ミリポア社)を用いてOxAngII溶液(3)中の未反応機能性タグ(II)を除去した。親和性タグ(II)は0.05%ギ酸を含むH2O中ではほとんど逆相カラムに吸着しない。この特性を生かしてOxAngII溶液(3)をZip-TipC18に通し、その後0.05%ギ酸を含むH2OでZip-TipC18を洗うことによって、機能性タグ(II)の付加したOxAngIIだけを保持し、未反応の機能性タグ(II)を除去することが出来た。その後、カラムに保持された機能性タグ(II)の付加したOxAngIIを70%アセトニトリル(0.05%ギ酸を含む)
20μlで溶出した。
カラムから溶出した機能性タグ(II)の付加したOxAngIIに1Mトリス緩衝液(pH9)を加えて溶液(3)のpHを7.5以上とし、該溶液(3)をキレート化されたNi2+イオンを担持した磁気ビーズ(商品名Ni-NTA
Magnetic Agarose Beads, QIAGEN社 米国)に4℃で30分間接触させ、トリス緩衝液(pH 8.0)で3回洗浄した後、0.1% TFAを含むH2Oを用いて磁気ビーズから機能性タグ(II)の付加したOxAngIIを溶出させた。こうして精製、濃縮されたOxAngIIを含む溶液(4)を調製した。続いて、各状態のAngIIを液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS、質量分析:
LCQDECA (Thermo Electron 社製、ドイツ)、HPLC:ナノスペース SI-2(資生堂製))で測定した。
該測定結果を図1及び2に基づき説明する。図1及び2は各状態のAngII溶液(1)〜(4)を液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で測定した結果である。図1は、MSクロマトグラムであり、図2(1)〜(4)は、図1の(1)〜(4)それぞれの滞留時間19.5〜22.5分(点線四角領域)で検出されたペプチドのMSスペクトルである。
図1の(1)は未処理のAngIIを含む、一つの状態であるためシャープなクロマトグラムが1本検出されている。AngIIの分子量は約1045.5であり、これを反映して図2のMSスペクトル(1)では、分子量/イオン価価(m/z)約1046.5
(a1+)に1価にイオン化されたスペクトルが、m/z約524.7 (a2+)に2価にイオン化されたスペクトルが観察されている。
AngII溶液(2)は、人為的に酸化されたAngII(OxAngII)を含み、この状態の変化にともない、図1のMSクロマトグラム(2)が滞留時間の遅い方向にシフトし、数本に分裂している。図2のMSスペクトル(2)もm/z
980〜1140までの様々な酸化状態を反映している。該MSスペクトル(2)の▼b1+部分が1価イオン、▼b2+部分が2価イオンに対応している。
AngII溶液(3)は、溶液(2)に、実施例2で調製した本発明の機能性タグ(II)を加えて反応させたものであり、図1(3)のクロマトグラムには、滞留時間約20〜21分の間に新たなピークが示されている。また、図2(3)のMSスペクトルの▼c2+〜▼c6+で示した部分にそれぞれ2価〜6価のイオンが観測されている。分子量約980〜1140のOxAngIIに本発明の機能性タグ(II)(分子量約1640)が付加することによって分子量は約2620〜2780となり、該分子の2価イオンはm/zは約1310〜1390、3価イオンは約870〜930となる。図1(2)で観測されたOxAngIIの全てがアルデヒド化されているわけではないので、図2(3)で新たに観測された前記機能性タグ(II)付加物のスペクトルの数は減少しているが、概算値と観測されたスペクトルのm/zは一致していた。
AngII溶液(4)は、AngII溶液(3)の試料の中から機能性タグ(II)が付加したOxAngIIをNiカラムで精製したものである。図2(3)で観測されていたOxAngII由来のスペクトル(▼b1+、及び▼b2+)は消失し、図2(3)で新たに観測された機能性タグ(I)-OxAngII由来のスペクトル(▼c2+〜▼c6+)だけが観測された。したがって、本発明の機能性タグ(II)を使うことによって、該機能性タグ(II)と結合する、様々な酸化状態のアルデヒド化されたペプチドが精製されたことが分かる。
(実施例5) 酸化状態ペプチドへの機能性タグ(I)の付加、及び親和性ペプチドタグ部分の切断除去
実施例4と同様にAngIIに人工的に酸化傷害を与え、アルデヒド化されたOxAngIIを生成し、該OxAngIIへの機能性タグ(I)の付加し、かつ親和性ペプチドタグ部分を切断除去した。
AngII: DRVYIHPF (配列番号:6)
機能性タグ(I):HGHAHGHAHGHAHGHGHAHG-EGAGA-ヒドラジド
まず、AngII濃度200μMの水溶液(1)を調製した。次いで該AngII溶液10μlに、NaOCl濃度120μMの水溶液10μlを加えて、37℃で30分間静置することにより、OxAngIIの溶液(2)を調製した。次にOxAngII溶液(2)
20μlを凍結乾燥して得られた粉末に、実施例1で得た機能性タグ(II)4mMを含む6Mグアニジン塩酸塩溶液10μlを加え、67℃で、10分間反応させることで、機能性タグ(II)を付加したOxAngII溶液(3)を調製した。その後、チップ型微量逆相カラム(Zip-TipC18、ミリポア社)を用いてOxAngII溶液(3)中の未反応機能性タグ(II)を除去した。親和性タグ(II)は0.05%蟻酸を含むH2O中ではほとんど逆相カラムに吸着しない。この特性を生かしてOxAngII溶液(3)をZip-TipC18に通し、その後0.05%ギ酸を含むH2OでZip-TipC18を洗うことによって、機能性タグ(II)の付加したOxAngIIだけを保持し、未反応の機能性タグ(II)を除去した。その後、カラムに保持された機能性タグ(II)の付加したOxAngIIを20μlの70%アセトニトリル(0.05%ギ酸を含む)で溶出した。
該カラムから溶出した機能性タグ(II)の付加したOxAngIIに1Mトリス緩衝液(pH9)を加えてpHを7.5以上とし、キレート化されたNi2+イオンを担持した磁気ビーズ(商品名Ni-NTA
Magnetic Agarose Beads, QIAGEN社, 米国)に4℃で30分間接触させ、トリス緩衝液(pH 8.0)で3回洗浄した。
この磁気ビーズに100mM酢酸アンモニウム溶液20μlを加え、さらにV8プロテアーゼ(エンドプロテイナーゼ Glu-C)溶液10μlを加えて、25℃で約18時間切断反応を行い、機能性タグ(I)を除去し、精製、濃縮されたOxAngIIを含む溶液(2)を調製した。続いて、該溶液(1)及び(2)中のAngIIを液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS,
質量分析: LCQDECA (Thermo Electron 社製, ドイツ), HPLC:ナノスペース SI-2(資生堂製))で測定した。なお、V8プロテアーゼの切断部位は、機能性タグ(I)のリンカー(EGAGA)左端、親和性ペプチドタグとの境にあるグルタミン酸残基(E)である。
該測定結果を図3、4及び表1に基づき説明する。図3は、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS, 質量分析: LCQDECA (Thermo Electron社製,
ドイツ), HPLC:ナノスペース SI-2(資生堂製))で測定した、MSクロマトグラムである。
図3は、各滞留時間における機能性タグ(I)付加OxAngII(切断前)のMSクロマトグラム強度(1)、及び機能性タグ(I)切断後のOxAngIIのMSクロマトグラム(2)を示す。また、図4の(1)及び(2)は、それぞれ図3(1)及び(2)の滞留時間9.5〜12分(破線で囲った部分)で測定されたペプチドのMSスペクトルである。
機能性タグ(I)の分子量は約2415.8であり、これをV8プロテアーゼで消化すると分子量約2145.65の親和性ペプチドタグと分子量約288.15のリンカーY部分に加水分解される。また、本実施例で生成されてOxAngIIは、アルギニン残基のアルデヒド化を伴ったAngIIで、分子量は約1000.6である。該OxAngIIに機能性タグ(I)を付加すると、分子量約3398.4
(2415.8+1000.6-18)の機能性タグ(I)-OxAngIIが生成される。ここで、前記計算式の-18はアルデヒドと機能性タグ(I)のヒドラジドが結合する際に、生成、分離される水分子の分子量である。
さらに機能性タグ(I)-OxAngIIをV8プロテアーゼで消化すると分子量約1270.8 (3398.4-2145.7+18)のOxAngIIとなる。前記計算式における+18はV8プロテアーゼにより機能性タグ(I)のグルタミン酸残基(E)がC末端で加水分解されたときに付加される水分子の分子量である。各反応後の生成物の分子量、及び観測されたMSスペクトルのm/zを表1にまとめた。なお、図4(1)における▼a2+〜▼a8+はそれぞれ親和性ペプチドタグ付加-OxAngIIのスペクトル(2価〜8価)を示し、かつ図4(2)における記号▼b1+〜▼b3+はそれぞれ、親和性ペプチドタグ付加-OxAngIIを切断した後OxAngIIスペクトル(1価〜3価)を示している。図4(1)及び(2)の双方とも分子量は計算値(表1)に一致している。したがって、V8プロテアーゼによる親和性ペプチドタグ切断処理により、ほぼ全ての機能性タグ(I)の親和性ペプチドタグが除去されたことがわかる。
(実施例6) 安定同位体標識機能性タグ(I)による酸化傷害タンパク質の検出
未知試料を質量分析計で分析する場合、標的タンパク質を判別することが重要である。本実施例では、酸化傷害タンパク質を標的タンパク質として判別するため、安定同位体標識アミノ酸で標識した機能性タグ(I)を使用して、該タンパク質の検出を行った。
まず、水素核を重水素核で標識したアミノ酸を用いて、リンカーY部分(GAGA)形成した他は、実施例1と同じ手順で機能性タグ(I)を製造した。該標識機能性タグ(I)を、機能性タグ(I-d10)と表記する。また、標識されていない機能性タグ(I)を、機能性タグ(I-d0)と、また機能性タグ(I-d10)及び機能性タグ(I-d0)を等量混合したものを機能性タグ(I-mix)と表記する。次に、AngII濃度200μMの溶液を調製し該AngII溶液10μlに、NaOCl濃度120μMの水溶液10μlを加えて、37℃で30分間静置することにより、OxAngIIの溶液を調製した。次にこの溶液20μlを凍結乾燥して得られた粉末に、機能性タグ(I-mix)4mMを含む6Mグアニジン塩酸塩溶液10μlを加え、67℃で、10分間反応させて、機能性タグ(I-mix)-OxAngIIを形成した。該機能性タグ(I-mix)-OxAngIIを含む溶液を、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で分析し、MSクロマトグラムとMSスペクトルを得た。
図5は、該機能性タグ(I-mix)-OxAngIIを検出したMSスペクトルを示す。挿入図5A、5B及び5Cはそれぞれ、5価(▼5+)、4価(▼4+)、及び3価(▼3+)のMSスペクトルの拡大図である。本実施例では、前記試料溶液中には、分子量約1000.6のOxAngIIに、分子量約2415.8の機能性タグ(I-d0)と約2425.8の機能性タグ(I-d0)とが脱水反応で付加された、それぞれ分子量約3398.4の機能性タグ(I-d0)-OxAngIIと約3408.4の機能性タグ(I-d10)-OxAngIIが生成されている。このとき観測されたMSスペクトルの1価〜8価イオンのm/zを表2にまとめた。また図5の挿入図から、3価、4価、及び5価イオンにおいて、分子量の差がそれぞれ約3.3、2.5、2.0のダブレットスペクトルが観測された。
したがって、本実施例における標的タンパク質が、酸化傷害タンパク質であることが明瞭に示されている。本発明では、このように安定同位体標識アミノ酸を使うことによって、容易に標識機能性タグをデザインすることができ、複雑な翻訳後修飾を解析することを可能にする。
(実施例7) 機能性タグ(III)を用いた異常発現タンパク質の解析
下記配列番号7のアミノ酸配列を有する異常発現タンパク質(以下、pep7と略す)に対し、実施例3で製造した機能性タグ(III)を用いて、その定量解析を行った。
異常発現タンパク質: ATVRTFSC (配列番号:7)
まず該タンパク質濃度10μMのpep7溶液(1)を調製した。次に該溶液(1)98μlに100mM DTT2μlを加えて57℃で1時間インキュベートした。その後、実施例3で得た機能性タグ(III)の4mM溶液10μlを加え、室温で1時間反応させることで、機能性タグ(III)を付加しpep7溶液(2)を調製した。続いて、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS,
質量分析: LCQDECA (Thermo Electron 社製, ドイツ), HPLC:ナノスペース SI-2(資生堂製))で測定した。
該測定結果を図6及び7に基づき説明する。図6及び7は各状態のpep7溶液(1)、及び(2)を液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で測定した結果である。図6はMSクロマトグラムであり、図7(1)、及び(2)は、図6(1)、及び(2)それぞれの滞留時間8.2〜10
分(点線四角領域)で検出されたペプチドのMSスペクトルである。
図6の(1)は未処理のpep7を含む、一つの状態であるためシャープなクロマトグラム(▼S1)が1本検出されている。pep7の分子量は約883.5であり、これを反映して図7のMSスペクトル(1)では、分子量/イオン価価(m/z)約884.5(▼a1+)に1価にイオン化されたスペクトルが、m/z約442.8(▼a2+)に2価にイオン化されたスペクトルが観察されている。
図6の(2)は機能性タグ(III)の付加したpep7溶液(2)のMSクロマトグラムである。滞留時間約8.5分(▼S2)に新たな主ピークが現れている。これが機能性タグ(III)の付加したpep7に対応している。図7(2)のMSスペクトルの▼b2+〜▼b6+で示した部分にはそれぞれ2価〜6価のイオンが観測されている。機能性タグ(III)の分子量は1764.8であるから、これとpep7が反応する際に、機能性タグ(III)のヨウ素(原子量約127)とpep7のシステイン残基のSH基の水素がはずれるため機能性タグ(III)の付加したpep7の分子量は1764.8+883.5-128=2520.3となる。したがって2価〜6価イオンのm/zはそれぞれ約1261.2、841.1、631.0、505.1、421.1となり、観測値と一致している。また、図6の(2)には機能性タグ(III)と反応していないpep7(▼S1)とDTTとpep7の混合によって生じた生成物(▼S3)由来のピークも現れており、図7(2)のMSスペクトルでもそれぞれのピーク▼a1+、▼a2+、▼c1+、及び▼c2+が観察されている。
(配列表の説明)
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
(配列番号1) 実施例1において、酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(I)の製造に用いた親和性ペプチドタグのアミノ酸配列である。
(配列番号2) 実施例1及び2において、酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(I)及び(II)の製造に用いたリンカーYのアミノ酸配列である。
(配列番号3) 実施例2において、酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(II)の製造に用いた親和性ペプチドタグのアミノ酸配列である。
(配列番号4) 実施例3において、酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(III)の製造に用いた親和性ペプチドタグのアミノ酸配列である。
(配列番号5) 実施例3において、酸化傷害タンパク質を標的物質とする機能性タグ(III)の製造に用いたリンカーYのアミノ酸配列である。
(配列番号6) 実施例4及び5において、酸化傷害ペプチドを作成するために用いられたアンジオテンシン(AngII)のアミノ酸配列である。
(配列番号7) 実施例7において、機能性タグ(III)を用いて解析した異常発現タンパク質のアミノ酸配列である。
図1は、実施例4における各状態のAngII溶液(1)〜(4)を液体クロマトグラフィー質量分析計で測定して得たMSクロマトグラムである。 図2は、図1(1)〜(4)それぞれの滞留時間19.5〜22.5分(点線四角領域)で検出されたペプチドのMSスペクトルを示す。 図3は、実施例5において、液体クロマトグラフィー質量分析計で測定した、機能性タグ(I)付加OxAngII(切断前)のMSクロマトグラム強度(1)、及び機能性タグ(I)切断後のOxAngIIのMSクロマトグラム(2)を示す。 図4は、それぞれ図3(1)及び(2)の滞留時間9.5〜12分(破線で囲った部分)で検出されたペプチドのMSスペクトル(1)及び(2)である。である。 図5は、実施例6における機能性タグ(I-mix)-OxAngIIを検出したMSスペクトルを示す。挿入図5A、5B及び5Cはそれぞれ、5価(▼5+)、4価(▼4+)、及び3価(▼3+)のMSスペクトルの拡大図である。 図6は、各状態のpep7溶液(1)、及び(2)を液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で測定した、MSクロマトグラムである。 図7は、それぞれ図6(1)、及び(2)の滞留時間8.2〜10分(点線四角領域)で検出されたペプチドのMSスペクトルである。

Claims (22)

  1. 親和性ペプチドタグ、リンカーY、及び反応基を有する残基Zからなる機能性タグあって、該親和性ペプチドタグが少なくとも3個の(X-His)単位を有し、かつXは任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体である、前記機能性タグ。
  2. 該親和性ペプチドタグが少なくとも4個の(X-His)単位を有する、請求項1記載の機能性タグ。
  3. 親和性ペプチドタグ、及び反応基を有する残基Zからなる機能性タグであって、該親和性ペプチドタグが少なくとも3個の(X-His)単位を有し、かつXは任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体である、前記機能性タグ。
  4. 該親和性ペプチドタグが少なくとも4個の(X-His)単位を有する、請求項3記載の機能性タグ。
  5. 親和性ペプチドタグ、及び反応基Zを含み、かつ下記式(1)で表される機能性タグ:
    (His)l-(X-His)m-(X)n-(Y)p-Z (1)
    (式中、Xはヒスチジンを除く任意のアミノ酸、又はアミノ酸誘導体であり、Yはリンカーであり、lは0又は1、mは4〜100の整数、nは0、又は1、かつpは0、又は1である)。
  6. Xが、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン及びチロシンからなる群から選ばれたアミノ酸である、請求項5記載の機能性タグ。
  7. Xが、システイン、及びトリプトファンからなる群から選ばれたアミノ酸である、請求項5記載の機能性タグ。
  8. 式(1)中、mが5〜25の整数である、請求項5記載の機能性タグ。
  9. 式(1)中、mが6〜15の整数である、請求項5記載の機能性タグ。
  10. リンカーYが、アミノ酸、及び/又はアミノ酸誘導体3〜30個を含むペプチド配列である、請求項5記載の機能性タグ。
  11. リンカーYが、標識分子を含む請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグ。
  12. 残基Zの反応基がヒスチジンである、請求項請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグ。
  13. 下記式(2)で表される請求項5記載の機能性タグ:
    HGHAHGHAHGHAHGHGHAHG-EGAGA-NH(CH(CH3))CO(NH(NH2)) 式(2)。
  14. 下記式(3)で表される請求項5記載の機能性タグ:
    HGHAHGHGHAHG-EGAGA-NH(CH(CH3))CO(NH(NH2)) 式(3)。
  15. 下記式(4)で表される請求項5記載の機能性タグ:
    ICH2CONH-GAGAE-GHGHAHGHGHAH 式(4)。
  16. さらに親和性タグ、及び/又はリンカーYが、蛍光物質、安定同位体元素、又は放射性同位元素で標識されていることを特徴とする、請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグ。
  17. 請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグを含む、タンパク質検出用キット。
  18. 請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグを含む、タンパク質精製用キット。
  19. 請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグを、標的物質を含む試料と混合し、該混合物を、該機能性タグの親和性ペプチドタグと結合する金属原子を保持する担体と接触させ、次いで、該担体から該機能性タグを回収することを特徴とする、標的物質の検出方法。
  20. さらにプロテアーゼにより、該機能性タグのリンカーを切断する工程を含む、請求項19記載の方法。
  21. 請求項1、3又は5のいずれか1項記載の機能性タグを、タンパク質を含む試料と混合し、該混合物を、該機能性タグの親和性ペプチドタグと結合する金属原子を保持する担体と接触させ、次いで、該担体から該機能性タグを回収することを特徴とする、タンパク質精製方法。
  22. さらにプロテアーゼにより、該機能性タグのリンカーを切断する工程を含む、請求項21記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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